JP2000151281A - 電圧制御発振器 - Google Patents

電圧制御発振器

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JP2000151281A
JP2000151281A JP10331973A JP33197398A JP2000151281A JP 2000151281 A JP2000151281 A JP 2000151281A JP 10331973 A JP10331973 A JP 10331973A JP 33197398 A JP33197398 A JP 33197398A JP 2000151281 A JP2000151281 A JP 2000151281A
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Japan
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voltage
variable capacitance
oscillator
constant
capacitance
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Application number
JP10331973A
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English (en)
Inventor
Kuichi Kubo
九一 久保
Fumio Asamura
文雄 浅村
Katsuosa Yoshida
克修 吉田
Nagahisa Shibuya
修寿 渋谷
Hisato Takeuchi
久人 竹内
Yoshifumi Miki
祥文 三木
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】容量変化を大きくして直線性を向上する、電圧
可変容量素子への電圧印加方法を用いた電圧制御発振器
を提供する。 【構成】+極及び−極に対して逆方向となる制御電圧を
印加して端子間の容量が変化する電圧可変容量素子を発
振ループ内に挿入して発振器の発振周波数を制御する電
圧制御発振器において、前記電圧可変容量素子に定電圧
を付加して+極の電位を上げ、前記電圧可変容量素子と
前記定電圧との端子間に前記制御電圧を印加し、前記電
圧可変容量素子の端子間に印加される端子間電圧を前記
制御電圧よりも小さくした構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電圧に対して容量が変
化する電圧可変容量素子を用いた電圧制御発振器を利用
分野とし、特に電圧可変容量阻止の電圧に対する容量変
化が直線的に変化する部分を有効利用した電圧制御発振
器に関する。
【0002】
【従来の技術】(発明の背景)電圧制御発振器は、一般
に、PLL(Phace Locked Loop)回路やAM及びFM
変調された信号の復調器等に使用されるが、水晶発振器
等においては例えば周波数温度特性を補償する温度補償
発振器にも適用される。すなわち、温度に応答した電圧
を電圧可変容量素子例えば電圧可変容量ダイオードに印
加して容量の変化により発振周波数を平坦に制御するも
のである。これらのものでは、設計の容易性や広範囲に
わたる温度補償等の観点から、電圧に対する直線性や容
量の変化幅が大きい電圧可変容量ダイオードが求められ
ている。
【0003】(従来技術の一例)第9図は一従来例を説
明する温度補償発振器の概略図である。温度補償発振器
は、電圧制御発振器1と補償電圧発生器2からなる。電
圧制御発振器1は、水晶発振器3と電圧可変容量ダイオ
ード4からなる。水晶発振器3は、水晶振動子5を誘導
性としたリアクタンス素子として使用し、例えば分割コ
ンデンサC1、C2と共振回路(矢印Aで示す共振ルー
プ)を形成する。そして、分割コンデンサC1、C2の中
点からの出力をトランジスタTrにより帰還増幅して、
共振回路の共振状態を維持する所謂コルピッツ発振回路
を構成する。
【0004】水晶振動子5は例えば常温25℃近傍に変
曲点を有する3次曲線状「第11図曲線(イ)」とした
ATカットとする。なお、水晶振動子5を除く回路素子
にも周波数温度特性はあるものの、水晶振動子5の周波
数温度特性が支配的となる。したがって、水晶発振器3
の周波数温度特性は水晶振動子5に依存する。図中にお
ける符号VCは定電圧源、VCCは電源、VOは出力、R
1、R2はベースバイアス分割抵抗、R3はコレクタバイ
アス抵抗、R4は高周波素子抵抗である。
【0005】電圧可変容量ダイオード4は、PN接合面
のP形及びN形不純物の濃度が急激に変化する超階段の
ダイオードからなり、水晶発振器3の水晶振動子5に直
列に接続する。但し、アノード(+極)側をアース接地
し、カソード(−極)側を水晶振動子5に接続し、補償
電圧VS(+)は高周波素子抵抗6を経てカソードに印
加される。これにより、電圧可変容量ダイオード4には
電流は生ずることなく、補償電圧VSのみが印加されて
端子間の容量が変化する。そして、電圧可変容量ダイオ
ード4の電圧に対する容量特性(電圧容量特性)は、第
10図に示したように、電圧Vが高くなるにつれ容量C
は指数関数的に減少する。
【0006】補償電圧発生器2は周囲温度に応答した補
償電圧を発生し、これを電圧可変容量ダイオード4の端
子間に印加する。例えば図示しない温度感応抵抗素子と
してサーミスタ等を使用した回路から形成される。
【0007】このようなものでは、電圧可変容量ダイオ
ード4の補償電圧VSによる容量変化により、共振回路
の共振周波数が変化する。したがって、共振周波数に概
ね等しい発振周波数も変化する。厳格には、水晶振動子
4から見たトランジスタ等を含む発振回路側の直列等価
容量(所謂負荷容量)が変化する。そして、発振周波数
は負荷容量によって決定されるので、結局のところ周波
数温度特性に応じた補償電圧VSにより「第11図曲線
(ロ)」、規格内温度に対して発振周波数を一定にす
る。但し、発振周波数は水晶振動子5の厚みに起因した
共振周波数によって概ね決定され、負荷容量による周波
数変化(ppmオーダ)には限度がある。
【0008】通常では、電圧可変容量ダイオード4の前
述した指数関数的に変化する電圧容量特性のうちの直線
性の部分を使用する。そして、直線部分の中央を補償電
圧VSの基準値VS0とし、温度規格の上下限値T1、T2
「例えば−30℃(T-30、+70℃(T70)」に対応
して、上下限の補償電圧VSN、VSXを設定する。
【0009】なお、基準値VS0は常温25℃の補償電圧
である。また、電圧可変容量ダイオード4の端子間容量
は、補償電圧VSの基準値VS0及び上下限値VSN、VSX
に応答したCS0及びCSN、CSXとなる。そして、補償電
圧VSに応答した容量変化により、常温を基準とした発
振周波数の上昇又は下降を、補償電圧VSの基準値VS0
を中心とした増減により容量を制御し、温度変化による
発振周波数の変化を相殺する。
【0010】
【発明か解決しようとする課題】(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の温度補償発振器では、電圧容
量特性の直線部分を使用するものの、電圧可変容量ダイ
オード4の容量が最大となる差電圧0の部分及び直線性
に最も優れた差電圧0近傍の部分は使用されていなかっ
た。これは、回路構成上、単一電源回路では0電圧まで
を制御できないことに起因し、前述のように基準値VS0
を中心として温度規格の上下限値内における補償電圧V
Sを設定していた。
【0011】したがって、このようなものでは、電圧可
変容量ダイオード4の有効利用がなされず、0電圧まで
を制御した場合と比較し、相対的に容量変化が小さくて
電圧に対する容量変化の直線性に欠ける問題があった。
なお、容量変化の小さいものは周波数変化が大きい水晶
発振器3には適用できず、直線性に欠けるものは設計等
をやりにくくする。
【0012】このことから、例えば第12図に示したよ
うに±電源6(ab)及び直流増幅器7等を使用し、0
電圧近傍の電圧を制御して電圧可変容量ダイオード4に
0電圧を印加することが考えられる。しかし、この場合
には±の2個の電源を要するともに素子数も増えて小型
化等の問題から現実には採用できない問題があった。
【0013】(発明の目的)本発明は、容量変化を大き
くして直線性を向上する、電圧可変容量素子への電圧印
加方法を用いた電圧制御発振器を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1図に基本
原理を示したように、水晶発振器3の水晶振動子5に接
続した電圧可変容量ダイオード4に定電圧Eを付加して
アノードの電位を上げ、電圧可変容量ダイオード4と定
電圧Eとの端子間に逆方向の制御電圧VX(+)を印加
し、電圧可変容量ダイオード4の端子間に印加される端
子間電圧VYを制御電圧VXよりも小さくしたことを基本
的な解決手段とする。
【0015】
【作用】本発明では、定電圧Eを設けてアノード側の電
位を上昇させ、電圧可変容量ダイオード4と定電圧Eと
の間に制御電圧VXを印加する。したがって、定電圧E
によって制御電圧VXは減殺され、電圧可変容量ダイオ
ード4の端子間に印加される端子間電圧VYは制御電圧
VXよりも小さくなる(VY=VX−E)。したがって、
電圧可変容量ダイオード4の制御電圧VXに対する容量
特性は、第2図に示したように、本来の容量特性(前第
図)を定電圧分だけ高電圧側に移行した曲線になる。
このような電圧容量特性であれば、制御電圧VXが定電
圧Eのときに電圧可変容量ダイオード4の端子間電圧V
Yを0にすることができる。したがって、端子間電圧VY
を0(差電圧0)としたときの最大容量を得ることがで
きるるとともに差電圧0近傍を制御できる。以下、電圧
制御発振器を温度補償発振器に適用した場合を例とした
本発明の各実施例を説明する。
【0016】
【第1実施例】第3図は電圧制御型とした温度補償発振
器の図である。なお、前従来例図と同一部分には同番号
を付与してその説明は簡略する。温度補償発振器は、前
述したように周囲温度に応答するアース接地(−)され
た補償電圧VS(+)「制御電圧VXに相当」を発生して
電圧可変容量ダイオード4のカソード側に+電圧を印加
する補償電圧発生器2と、水晶振動子5にカソード側を
接続してアノード側をアース接地した電圧可変容量ダイ
オード4と、水晶振動子5に起因して3次曲線状となる
周波数温度特性を有する水晶発振器3とからなる。そし
て、この実施例では、定電圧源VC(+)からの電圧を
分割抵抗7(ab)により分圧して、電圧可変容量ダイ
オード4のアノードとアースとの間に印加する。なお、
符号8は直流を阻止して高周波信号を導通する直流阻止
のコンデンサ(バイパスコンデンサ)である。
【0017】このようなものでは、電圧可変容量ダイオ
ード4のアノード側の電位が定電圧源の電圧を分圧する
分割抵抗7(ab)によって上昇し、定電圧Eを付加さ
れたことになる。したがって、補償電圧発生器2からの
補償電圧VSは、前述したように定電圧E分だけ減殺さ
れ、電圧可変容量ダイオード4の端子間に印加される。
【0018】したがって、電圧可変容量ダイオード4の
補償電圧VS(制御電圧VX)に対する容量特性は、前述
したように定電圧E分だけ高電圧側に移行した曲線にな
る(前第2図)。これにより、定電圧Eに等しい逆方向
の補償電圧VSを印加することによって端子間電圧VXを
0(差電圧を0)に制御でき、最大容量値CMを得るこ
とができる。そして、差電圧0近傍の直線性の高い部分
をも制御できる。
【0019】このようなことから、常温時25℃の補償
電圧(基準値)VS0を直線性の高い差電圧0の方向に移
行して、例えば低温側T1(−30℃)の補償電圧VSN
を最大容量値CMを得る定電圧Eに設定することができ
る。このようにすれば、温度補償範囲T-30〜T70及び
補償電圧VSN〜VSXに応答した容量CSN〜CSXの変化幅
を大きくできる。
【0020】要するに、このような構成であれば、常温
時の発振周波数f0を設定する補償電圧の基準値VS0を
電圧容量特性の直線性の高い部分に設定できて、大きな
容量変化を得ることができる。したがって、設計を容易
にして発振周波数の変化の大きな周波数温度特性を持っ
た水晶発振器3の温度補償を可能にする。
【0021】なお、この実施例では、補償電圧発生器2
の定電圧VCを利用して定電圧Eを形成したが、例えば
第4図に示したように発振回路に供給する電源VCCに定
電流源iを設けて分割抵抗7(ab)に供給してもよ
い。あるいは、発振回路に供給する電源VCCを定電圧源
VCとして、これから分割抵抗7(ab)供給してもよ
い(未図示)。さらには、定電圧Eを電池としてもよ
く、要は安定した定電圧Eであればよく、その手段は任
意に決定できる。
【0022】
【第2実施例】第5図は本発明の第2実施例を説明する
温度補償発振器の図である。前実施例では、発振回路を
コルピッツとして共振回路内の水晶振動子5とアース電
位との間に電圧可変容量ダイオード4を接続したが、こ
の実施例は共振回路を形成する分割コンデンサC2を電
圧可変容量ダイオードに置換した場合の例である。
【0023】すなわち、この例では、分割コンデンサC
2を、アノード側をアース電位側とした電圧可変容量ダ
イオード4に置換し、アノード側に定電圧Eを印加す
る。そして、直流阻止のコンデンサ8を分割コンデンサ
C1と出力端との間に設ける。
【0024】この場合においても、電圧可変容量ダイオ
ード4のアノード側を定電圧Eにより上昇させるので、
補償電圧VS(制御電圧)に対する電圧容量特性を高電
圧方向に移行させる。したがって、第1実施例と同様
に、補償電圧VSの基準値VS0を電圧容量特性の直線性
の高い部分に設定できて、大きな容量変化を得ることが
できる。
【0025】
【第3実施例】第6図は本発明の第3実施例を説明する
温度補償発振器の図である。上記各実施例では、いずれ
も電圧可変容量ダイオードを1個として構成したが、例
えば分割コンデンサC1、C2のいずれをも可変容量ダイ
オード4(ab)として、それぞれの可変容量ダイオー
ド4(ab)のアノード電位を定電圧Eにより高めても
よい。なお、図中の符号6は前述同様に高周波阻止抵
抗、同8は直流阻止コンデンサである。
【0026】この場合においても、電圧可変容量ダイオ
ード4(ab)のアノード側を定電圧Eにより上昇させ
るので、補償電圧VS(制御電圧)に対する電圧容量特
性を高電圧方向に移行でき、前第1及び第2実施例と同
様に、補償電圧VSの基準値VS0を電圧容量特性の直線
性の高い部分に設定できて、大きな容量変化を得ること
ができる。
【0027】そして、この場合には、可変容量ダイオー
ド4(ab)を直列に接続するので、1個の場合よりも
変化幅を大きくできる。例えば一方を固定容量値a、他
方を可変容量値Xとした場合と、両者を可変容量値Xと
して比較すると次になる。すなわち、前者の場合はXを
aとして2aに変化させたとき、a/2からa/3に変
化する(変化量はa/3)。後者の場合は同様にいずれ
もXをaとして2aに変化すると、a/2から2a/3
に変化する(変化量はa/2)。したがって、両者とも
に可変値(可変容量ダイオード)とした場合の方が変化
量が多くなり、この分有利となる。
【0028】なお、この例では、分割コンデンサC1、
C2を可変容量ダイオード4(ab)に置換したが、要
は共振ループあるいは帰還増幅を含む発振ループ内に複
数の可変容量ダイオード4を付加して、容量の変化量が
多くなるようにすればよい。
【0029】
【第4実施例】上記各実施例では、水晶振動子5と分割
コンデンサC(1、2)を直列に接続して、水晶振動子3
と分割コンデンサC2をアース電位側として接地したコ
ルピッツ型の発振回路を例としたが、第7図(ab)に
示したように例えば分割コンデンサC1、C2のいずれも
アース接地としたコルピッツ型(通称インバータ発振器
と称される)にも適用できる。なお、第2請求項に相当
する実施例である。
【0030】要するに、インバータ発振器では、水晶振
動子と分割コンデンサからなる共振回路を形成するが、
水晶振動子5の両端側に分割コンデンサC(1、2)を接
続して接地する。これに対し、前述のコルピッツ発振器
では水晶振動子5に直列接続の分割コンデンサC(1、
2)を接続し、水晶振動子5と一方の分割コンデンサC
2を接地する点で、両者は基本的に相違する。なお、第
7図(a)は発振回路図、同図(b)は一般に使用され
る略図で通常電源は省略される。図中の符号7はバイア
ス抵抗である。
【0031】第8図はこのようなインバータ発振器に本
発明を適用した温度補償発振器の図である。すなわち、
この例では、インバータ発振器の分割コンデンサC
(1、2)を前実施例同様に可変容量ダイオード4(a
b)に置換したものである。この場合、電圧可変容量ダ
イオード4(ab)のアノード側は、定電圧源VCから
の電圧をトランジスタTrコレクタ及びエミッタ側に設
けた分割抵抗7(ab)によって分圧した定電圧Eによ
って高めている。なお、符号は前実施例と同一で、その
説明は省略する。
【0032】このようなものでも、前実施例と同様に、
電圧可変容量ダイオード4(ab)のアノード側を定電
圧Eにより上昇させるので、補償電圧VS(制御電圧)
に対する電圧容量特性を高電圧方向に移行でき、補償電
圧VSの基準値VS0を電圧容量特性の直線性の高い部分
に設定できて、大きな容量変化を得る。そして、第3実
施例と同様に2個の電圧可変容量ダイオード4(ab)
を使用するので、容量の変化幅を大きくできる。
【0033】さらに、インバータ発振器では、分割コン
デンサC1、及びC2のそれぞれをアース接地とするの
で、トランジスタTrのベース及びコレクタとアース間
に水晶振動子5の浮遊容量C01及びC02が発生する。そ
して、浮遊容量C01及びC02は、分割コンデンサC1及
びC2にそれぞれ並列に接続される。したがって、この
場合には、浮遊容量C01及びC02を取り込んで、発振条
件を決定する分割コンデンサC(1、2)の値を設定でき
るので、その設計を容易とする。
【0034】これに対して、通常のコルピッツ発振器
(前第9図等)では、直列接続した分割コンデンサC
(1、2)の一方C2のみをアース接地とするので、トラ
ンジスタTrのベースとアース間とに水晶振動子5の浮
遊容量C01が発生する。そして、浮遊容量C01は、直列
接続の分割コンデンサC(1、2)に並列に接続される。
したがって、この場合には、分割コンデンサC(1、2)
に取り込んだ設計を困難にする。また、ベースとアース
とが高周波的に短絡してトランジスタTrの増幅度を低
下させ、発振条件の一つである負性抵抗の取り得る最大
値を減少させる。さらに、水晶振動子5の浮遊容量C02
は、電圧可変容量ダイオード4と並列に接続される。し
たがって、容量の変化幅が小さくなってしまう。
【0035】このことは、本第4実施例で示すインバー
タ発振器の分割コンデンサC(1、2)を電圧可変容量ダ
イオード4(ab)に置換した場合でも同様であり、第
1乃至第3実施例の場合よりも、浮遊容量C01及びC02
を取り込んで設計を容易にして負性抵抗の損失を防止で
きる。
【0036】特に、発振条件を決定する分割コンデンサ
C(1、2)が容量値の変化する電圧可変容量ダイオード
4(ab)なので、浮遊容量C01及びC020を予め取り
込んで設計できることは、電圧可変容量ダイオード4
(ab)の容量値が変化しても負性抵抗を発振条件内の
値に設計の段階で容易に制御できる。これに対し、直列
接続の分割コンデンサC(1、2)のいずれか又は両方を
電圧可変容量ダイオード4として浮遊容量C0が並列に
接続した場合には、浮遊容量C0を予め取り込んだ設計
が困難なので、電圧可変容量ダイオード4の容量値が変
化した場合の負性抵抗を設計の段階で容易に制御できな
いことになる。したがって、上記(0034)に加え
て、インバータ発振器で本発明の電圧制御発振器を構成
することは、より一層有利となる。
【0037】なお、第6実施例においては分割コンデン
サC(1、2)のいずれをも電圧可変容量ダイオード4
(ab)に置換したが、いずれか一方が電圧可変容量ダ
イオード4aであったとしてもよいものである。
【0038】
【他の事項】上記実施例では、電圧制御発振器は水晶振
動子を用いた水晶発振器としたが、これに限らず既存の
例えば他の圧電振動子を用いたものや、LC発振器等に
も適用できる。なお、LC発振器の場合は各実施例の水
晶振動子を基本的にインダクタに置換すればよい。温度
補償発振器に適用した場合を述べたが、復調器等に適用
した場合でも同様の効果を奏する。
【0039】また、電圧可変容量素子はPN接合の電圧
可変容量ダイオードとしたが、これに限らず例えばPN
PあるいはNPN接合からなるトランジスタのコレクタ
とエミッタを共通接続しても、あるいはFETのドレイ
ンとソースを共通接続して、実質的に+極(P)及び−
極からなり逆方向の電圧を印加したとき両極間の容量値
が変化する素子であればよい。
【0040】要するに、本発明では、電圧可変容量素子
のアノード側(+極)の電位を定電圧により上昇させ、
電圧容量特性を高電圧側に移行して、端子間の差電圧0
及びその近傍の容量を制御して、直線性に優れて容量変
化を大きくできるようにしたことを基本的な技術思想と
するもので、これらの趣旨の範囲内で適宜自在の変更が
可能であり、本発明はきこれらを技術的範囲から除外す
るものではない。
【0041】本発明は、発振ループ内に設けられた電圧
可変容量素子の+極に定電圧を付加して+極の電位を上
げ、電圧可変容量素子と定電圧Eとの端子間に逆方向の
制御電圧を印加し、電圧可変容量素子の端子間に印加さ
れる端子間電圧を制御電圧よりも小さくしたので、容量
変化を大きくして直線性を向上する電圧制御発振器を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本原理を説明する電圧制御発振器の
回路図である。
【図2】本発明の作用を説明する電圧容量特性図であ
る。
【図3】本発明の第1実施例を説明する温度補償発振器
の回路図である。
【図4】本発明の第1実施例における他の例を示す温度
補償発振器の回路図である。
【図5】本発明の第2実施例を説明する温度補償発振器
の回路図である。
【図6】本発明の第3実施例を説明する温度補償発振器
の回路図である。
【図7】本発明の第4実施例に適用する水晶発振器の回
路図である。
【図8】本発明の第4実施例を説明する温度補償発振器
の回路図である。
【図9】従来例を説明する温度補償発振器の回路図であ
る。
【図10】従来例を説明する電圧容量特性図である。
【図11】水晶発振器の周波数温度特性図及び電圧周波
数特性図である。
【図12】従来例を説明する温度補償発振器の回路図で
ある。
【符号の説明】
1 電圧制御発振器、2 補償電圧発生器、3 水晶発
振器、4 電圧可変容量ダイオード、5 水晶振動子、
6 高周波阻止抵抗、7 直流増幅器、8直流阻止コン
デンサ.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 克修 埼玉県狭山市大字上広瀬1275番地の2 日 本電波工業株式会社狭山事業所内 (72)発明者 渋谷 修寿 神奈川県川崎市多摩区東三田3−10−1 松下電子工業株式会社内 (72)発明者 竹内 久人 神奈川県川崎市多摩区東三田3−10−1 松下電子工業株式会社内 (72)発明者 三木 祥文 神奈川県川崎市多摩区東三田3−10−1 松下電子工業株式会社内 Fターム(参考) 5J079 AA04 BA02 BA16 BA17 DA13 FA13 FA14 FA21 FB03 FB11 GA02 GA04 GA09 5J081 AA03 BB09 BB10 CC07 CC13 CC14 CC22 DD03 DD04 DD15 DD24 EE05 FF11 FF17 FF18 FF21 GG01 KK02 KK09 KK22 LL05 MM01 MM03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】+極及び−極に対して逆方向となる制御電
    圧を印加して端子間の容量が変化する電圧可変容量素子
    を発振ループ内に挿入して発振器の発振周波数を制御す
    る電圧制御発振器において、前記電圧可変容量素子に定
    電圧を付加して+極の電位を上げ、前記電圧可変容量素
    子と前記定電圧との端子間に前記制御電圧を印加し、前
    記電圧可変容量素子の端子間に印加される端子間電圧を
    前記制御電圧よりも小さくしたことを特徴とする電圧制
    御発振器。
  2. 【請求項2】前記発振器は、インダクタ成分となる水晶
    振動子と分割コンデンサからなる共振回路を有し、前記
    共振回路は水晶振動子の両端側に前記分割コンデンサを
    接続するとともに前記分割コンデンサを接地してなり、
    前記分割コンデンサの少なくとも一方を電圧可変容量素
    子としたことを特徴とする請求項1記載の電圧制御発振
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007135821A1 (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Murata Manufacturing Co., Ltd. 整合器およびアンテナ整合回路
JP2008199568A (ja) * 2007-01-18 2008-08-28 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 3次オーバトーンの水晶発振器

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