JP2000151000A - 周波数可変レーザ光源装置 - Google Patents
周波数可変レーザ光源装置Info
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Abstract
光源とのヘテロダイン信号を、オフセット周波数と比較
して制御する場合に生ずるデッドゾーンの問題点を解決
し、出力光の周波数確度、周波数安定度、設定分解能
に優れ、周波数(波長)可変範囲が広く、かつ、前
記周波数可変範囲内で任意に周波数を設定または掃引で
きる周波数可変レーザ光源装置を提供する。 【解決手段】 周波数基準光をもとに側帯波を発生さ
せ、周波数可変光源の出力光の一部について、その周波
数を適宜シフトできるようにしておき、この周波数シフ
トした光と前記側帯波から得られるヘテロダイン信号に
基づいて周波数可変光源の出力光の周波数を制御する。
Description
で利用されるレーザ光源装置に係り、特に出力光の周波
数が広帯域にわたり可変であり、かつ出力光の周波数確
度、周波数安定度に優れた周波数可変レーザ光源装置に
関するものである。
れたレーザ光源装置を構成するための要素技術について
は、周波数基準光源、波長可変光源、周波数追従
制御、広帯域側帯波発生手段(光周波数コム発生器、
短光パルス光源、等)の各技術が知られている。
する。
吸収線などを周波数基準として半導体レーザ(以下、L
Dという。LD:laser diode)や固体レー
ザの発振周波数を安定化したものおよび気体レーザなど
が一般的である。
レーザと回折格子などの波長選択素子とを組み合わせた
外部共振型光源やDFB−LD(distribute
dfeedback−laser diode)、DB
R−LD(distributed Bragg re
flector−laser diode)等のLD内
部に波長選択素子を取り込んだものが一般的である。当
然、このような光源単体では周波数確度や長期の周波数
安定度が保証されない。
タレーザ)の出力光周波数に追従するように他のレーザ
(スレーブレーザ)の出力光周波数を制御するものであ
る。LDは注入電流によって発振周波数を直接制御でき
るため、LDをスレーブレーザとして用い、通常、マス
タレーザとスレーブレーザとの出力光を合波、受光して
ビート信号を検出し、その周波数が設定した周波数(オ
フセット周波数)と一致するようにスレーブレーザの注
入電流を制御する。この制御によってスレーブレーザの
出力光周波数はマスタレーザの出力光周波数に対して設
定した周波数だけ隔たるため、この制御は光周波数オフ
セットロック制御とも呼ばれる。ビート信号から得られ
る情報は2つのレーザ光の周波数差の絶対値であるか
ら、オフセット周波数を0に近づけると制御の誤動作を
招く。制御の方法によって、マスタレーザの出力光周波
数に対するスレーブレーザの出力光周波数の高低、すな
わち、オフセット周波数の符号は正負いずれかに設定で
きる。また、ビート信号を生成する受光系の帯域などか
らオフセット周波数の上限は高々100GHZ である。
市販の受光素子などを用いる場合、受光や増幅が容易に
行える帯域は数GHZまでである。
数コム発生器、短光パルス光源、等がある。
いう)は、入力されたレーザ光に対して深い変調をかけ
て、周波数軸上に変調周波数間隔で数100本以上の側
帯波を発生させて出力する。変調周波数は通常数GHZ
〜20GHZ 程度に設定され、数THZ 以上にわたって
利用可能な強度の側帯波が得られる。入力光の周波数お
よび変調周波数が既知であれば、各側帯波の周波数も既
知となるから、各側帯波もまた周波数基準光として用い
ることができる。
幅媒体と光を変調する手段(可飽和吸収体、光強度変調
器、光位相変調器など)とを有しており、パルス時間幅
が10ps程度以下の光を所定の周期で繰り返し出力す
るものである。この出力光は光パルスの繰り返し周波数
間隔をもつ多数の側帯波を含んでいる。特に一般的な強
制モード同期による短光パルス光源は、光強度変調器を
内蔵しており、マイクロ波によって光強度変調器を駆動
することにより、このマイクロ波に同期した光パルス列
を発生する。
マイクロ波のもつ高い周波数確度と高安定度を有してお
り、この点ではコム発生器を利用する場合と同様であ
る。
部に光周波数基準をもたないため、各側帯波の周波数は
(強制モード同期の場合、間隔は一定に保たれるが)時
間的に変動してしまう。そこで、短光パルス光源を利用
して広帯域に周波数基準光を発生するためには、周波数
が既知の光を用意して、光注入同期現象または周波数追
従制御を用いる。光注入同期現象は自励発振しているL
Dに、その発振周波数に近い周波数をもつ光を外部から
注入するとLDの発振周波数が、注入された光の周波数
に引き込まれて、一致する現象である。短光パルス光源
でも同様に、出力光に含まれる低次の側帯波に近い周波
数をもつ光を注入すると、この側帯波の周波数が、注入
された光の周波数に引き込まれる。したがって、強制モ
ード同期による短光パルス光源では、注入される光の周
波数が既知であれば、各側帯波の周波数も既知となる。
される光の周波数に他のLD等の発振周波数を(オフセ
ット周波数をもって)追従させるものであるから、強制
モード同期による短光パルス光源でも同様に周波数が既
知の光を参照光として或る側帯波の周波数を追従させれ
ば、各側帯波の周波数も既知となる。
使用すれば、コム発生器と短光パルス光源とは同等な側
帯波発生手段といえる。
光」という。)や短光パルス光源の出力光は他の光との
ヘテロダイン検波によって利用されるため、ビート信号
のSN比を高くするためには、入力光あるいは参照光の
スペクトル線幅が狭いほど有利である。このために入力
光源として外部共振型LD光源や自己注入同期LD光源
が用いられることが多い。
る手段は周波数軸上で等間隔に側帯波を発生するものを
意味しているので、コム発生器の出力や短光パルス光源
の出力に対してパルス圧縮を施したものなども含まれ
る。
なため、以下の説明では主としてコム発生器の場合につ
いて述べる。
の周波数確度、周波数安定度に優れた周波数可変な光源
について図7を参照して説明する。
の構成を示す図で、周波数基準光源、波長可変光
源、周波数追従制御を組み合わせたものである。これ
は、周波数基準光源11をマスタ光源とし、周波数可変
光源31をスレーブ光源として周波数追従制御を施した
系である。周波数基準光源11からの周波数基準光とス
レーブ光源部30の周波数可変光源31からの出力光は
周波数追従制御手段33の合波器331で合波され、受
光器332で受光されてそのビート信号が検出される。
検出されたビート信号とオフセット周波数発振器334
からの信号は位相比較器333で位相比較され、その結
果はループフィルタ335を経由して駆動電流源337
からの電流に加算器336で加算され周波数可変光源3
1であるLDに供給される。このように制御されること
で、出力光は周波数基準光に対してオフセット周波数発
振器334で設定されたオフセット周波数をもって追従
する。この系ではスレーブ光源部30の出力光周波数を
高確度、高安定度を維持しながら連続的に変化させるこ
とができるが、周波数可変幅は受光系を含む周波数追従
制御の帯域までに制限され、高々100GHZ (1.5
μm帯では波長帯域として1nm弱)が限界である。
提案され、実験的に動作が確認されている。そして、こ
の広帯域な側帯波発生技術の一つである光周波数コム
発生の技術を前記3つの技術に加えたもの、すなわち、
周波数基準光をコム発生器に入力して得られたコム信号
光に含まれる多数の側帯波は周波数基準光とすることが
できるため、任意の次数Nの側帯波を基準として周波数
可変光源に周波数追従制御を施す系が考えられた。この
構成を図8に示す。
可変レーザ光源装置の構成を示す図である。この例は、
図7の例において、周波数基準光源11と合波器331
の間に、コム発生器21と発振器22とを備えたコム発
生部20を挿入したものである。
の周波数基準光を受けて、発振器22の発振周波数で変
調して、発振周波数の間隔で発生された多数の側帯波を
周波数追従制御手段33に出力する。周波数追従制御手
段33では、前記側帯波のうちの任意の次数Nの側帯波
が周波数基準光として使われる。この系では、周波数追
従制御手段33のオフセット周波数を変化させることで
出力光の周波数を変化させている。
定度をもつ光を発生することができるものの、広帯域な
周波数範囲内で任意の周波数を発生することはできな
い。これは2種類のデッドゾーンの存在による。
る。図9は、側帯波を周波数基準として用いて出力光を
設定、掃引するときに問題となるデッドゾーンを説明す
るための図であり、(a)は側帯波近傍での問題点を説
明するための図、(b)は隣接する側帯波間の中央付近
での問題点を説明するための図、(c)は2つのデッド
ゾーンを示す図である。2つのうちの1つは、図9
(a)に示すように、周波数追従制御を行う際に、オフ
セット周波数を0に近づけることができないためであ
る。つまり、ある次数Nの側帯波とスレーブ光源である
周波数可変光源の周波数がほぼ一致すると適正な周波数
追従制御ができなくなる。さらに、オフセット周波数が
10MHZ 以下になると、周波数追従制御系の1/f雑
音が顕著になるため望ましくない。他の1つは、図9
(b)に示すように、光周波数コム発生器や短光パルス
光源を利用する場合、多数の側帯波が周波数軸上に林立
するため、N次側帯波と(N+1)次側帯波間の中央に
周波数可変光源の周波数がほぼ一致すると受光信号には
N次側帯波とのビート信号と(N+1)次側帯波とのビ
ート信号がほぼ同一の周波数で混在し、適正な周波数追
従制御ができなくなる。図9(c)に示すように、前記
2種類のデッドゾーンの周波数幅の目安は適当な余裕を
見込めば、側帯波付近のデッドゾーンで20MHZ 程
度、側帯波間の中央付近のデッドゾーンで数100MH
Z 程度である。
光の複数の側帯波と周波数可変光源とのヘテロダイン信
号を、オフセット周波数と比較して周波数可変光源の周
波数を制御する場合に生じるデッドゾーンの問題点を解
決し、出力光の周波数確度、周波数安定度、設定分解
能に優れ、周波数(波長)可変範囲が広く、かつ、
前記周波数可変範囲内で任意に周波数を設定または掃引
できる周波数可変レーザ光源装置を提供するものであ
る。前記でいう高確度、高安定度、高分解能の目安は
各々100MHZ、10の−9乗、1MHZ 以下である。
また、前記でいう広帯域の最低の目安は1.5μm帯
で10nm以上である。(1.5μm帯では周波数幅1
THZが波長幅8nmに相当する。以下、波長幅に関す
る表記は1.5μm帯での値とする)。
いWDM(WavelengthDivision M
ultiplexing;波長分割多重)光通信技術が
模索されており、複数の所定周波数の光を同時に出力す
る光源が望まれている。この要請を考慮すれば、1つの
コム信号光を発生して、これに含まれる任意の側帯波を
基準として、複数の周波数可変光源を独立に周波数設定
できる構成をとることが望ましい。このためには、コム
信号光の周波数を固定した状態で、デッドゾーンを回避
する手段を実現する必要がある。
帯波を発生させ、周波数可変光源の出力光の一部につい
て、その周波数を適宜にシフトできるようにしておき、
この周波数シフトした光と前記側帯波から得られるヘテ
ロダイン信号に基づいて周波数可変光源の出力光の周波
数を制御することとした。すなわち、本発明に係る周波
数可変レーザ光源装置は、周波数基準光を出力する周波
数基準光源1と、該周波数基準光源からの光を受けて、
該周波数基準光の複数の側帯波を有する光を発生する側
帯波発生部2と、光周波数が制御可能とされた周波数可
変光源3と、該周波数可変光源の出力光を入力光として
受けて、前記入力光を変調し、光周波数が前記入力光の
光周波数より第1の所定幅シフトした第1のシフト光お
よび前記入力光の光周波数より第2の所定幅シフトした
第2のシフト光のうち一方を選択して出力する光周波数
シフト部4と、オフセット周波数が可変であり、前記側
帯波発生部が出力する複数の側帯波を有する光と前記光
周波数シフト部の出力光とから得られるヘテロダイン信
号の周波数が設定されたオフセット周波数になるように
前記周波数可変光源の周波数追従制御を行うとともに、
前記周波数追従制御の制御極性が切り換え可能である前
記周波数追従制御部5と、前記周波数可変光源の出力を
所望の周波数とするために、前記周波数追従制御部のオ
フセット周波数および制御極性を設定し、かつ、前記光
周波数シフト部のシフト光の選択を制御する制御部6と
を備え、もって、前記周波数可変光源の出力光を出力光
とするものである。
Z 未満である場合に、前記第1の所定幅を0、前記第2
の所定幅を200MHZ と定める。
トした出力光を選択しているときに、周波数可変光源の
出力光周波数をデッドゾーン外部のある周波数に設定す
る場合には、そのまま、第1の所定幅だけ周波数シフト
した光(この例ではシフト幅0で周波数可変光源の出力
光そのもの)をヘテロダイン検波に利用する。
した出力光を選択しているときに、周波数可変光源の出
力光周波数をデッドゾーン内部のある周波数に設定する
場合には、第2の所定幅だけ周波数シフトした光をヘテ
ロダイン検波に利用する。第2の所定幅(第1の所定幅
との差)を、デッドゾーンの幅よりも大きく設定してい
るから、周波数シフトした光は必ずデッドゾーン外部の
周波数をもつ。
にデッドゾーン外部の周波数をもつ光を使った周波数追
従制御が実現される。また、この手段は、周波数が固定
された側帯波を基準として、デッドゾーンを回避するも
のであるため、複数の周波数可変光源の周波数を互いに
独立に設定することは容易である。
明に係る周波数可変レーザ光源装置の実施の形態を説明
する。
数可変レーザ光源装置を示す図である。
は、周波数基準光源1、側帯波発生部2、周波数可変光
源3、光周波数シフト部4、周波数追従制御部5および
制御部6で構成されている。
を周波数基準とした周波数安定化光源である。側帯波発
生部2は、周波数基準光源1の出力光を入力光として、
既知周波数の側帯波を多数発生する。周波数可変光源3
は、側帯波発生部2の側帯波を周波数基準光として周波
数追従制御されるレーザ光源である。この周波数可変光
源3の出力光の一部が本発明の周波数可変レーザ光源装
置の出力光となる。
の出力光の一部を受け、その周波数をシフトして出力す
る。この周波数シフト量は少なくとも2通りに切り換え
ることができる。
出力光と光周波数シフト部4の出力光とを受け、そのヘ
テロダイン信号が所定のオフセット周波数となるように
周波数可変光源3に対する制御信号を出力する。制御部
6は、所望の出力光周波数に応じて、周波数可変光源3
に対する出力周波数の粗調整のための信号、光周波数シ
フト部4に対する周波数シフト量設定信号、周波数追従
制御部5に対するオフセット周波数設定信号などを出力
する。
によって、前述の通り、常にデッドゾーン外部に位置す
る周波数の光に由来するヘテロダイン信号に基づいて、
周波数可変光源3の周波数追従制御が実現され、デッド
ゾーンが回避される。
数可変レーザ光源装置を示す図である。
は、周波数基準光源1、側帯波発生部2、分波器7およ
び2組の周波数可変光源3a、3b、光周波数シフト部
4a、4b、周波数追従制御部5a、5b、制御部6
a、6bとからなっている。
は、第一の実施の形態と全く同様である。
周波数追従制御部5および制御部6は、3a〜6a、3
b〜6bの2組があり、その各々は第一の実施の形態と
同様である。
岐して、周波数追従制御部5a、5bに入力するための
ものである。
bの周波数追従制御におけるデッドゾーンが回避される
だけでなく、各々の周波数可変光源3a、3bの周波数
を互いに独立に設定することができ、WDM光通信用な
どの多出力周波数可変レーザ光源装置として利用でき
る。
光に対して側帯波発生や周波数追従制御を介して安定化
されているため、この出力光間の相対的な周波数ゆらぎ
は、個別に発生させた複数の周波数基準光の間の相対的
な周波数ゆらぎに対して2桁程度小さいという特徴を有
している。
組の場合を示したが、3組以上の場合も分波器7を3分
岐以上として同様に実施できる。また、各周波数可変光
源の出力光周波数が近接しないような用途では、側帯波
発生部2からの光を単純に分岐せずに、波長選択性をも
つ分岐手段を用いれば、分配損失を抑えられる。
数可変レーザ光源装置の第一の実施例を説明する。
す図である。
図3に示すように、周波数基準光源1、側帯波発生部
2、周波数可変光源3、光周波数シフト部4、周波数追
従制御部5および制御部6によって構成されている。
を周波数基準とした周波数安定化光源である。たとえ
ば、アセチレン分子の1.53μm付近の吸収線を基準
として周波数が安定化された半導体レーザなどが利用さ
れ、周波数確度、安定度に優れた光を出力する。
ム発生器21に駆動用のマイクロ波を入力するマイクロ
波発振器22とで構成され、周波数基準光源1の出力光
を入力光として、既知周波数の側帯波を多数発生する。
本実施例では、前記マイクロ波の周波数は4GHZ に設
定されている。したがって、発生するコム信号光の側帯
波の周波数間隔は4GHZ である。コム信号光の発生範
囲は数THZ 以上にわたり、その周波数は周波数基準光
源1の出力光と同程度の高確度、高安定度をもってい
る。
波数に対して最適な条件を得るため、必要に応じて、コ
ム発生器21の共振器長を制御する手段を設けてもよ
い。
周波数基準光として周波数追従制御される外部共振器型
レーザ光源である。この周波数可変光源3の出力光の一
部が本発明の周波数可変レーザ光源装置の出力光とな
る。
1、発振器42、光スイッチ43で構成されている。音
響光学変調器41は、周波数可変光源3の出力光の一部
を受け、その周波数をシフトして、0次光および+1次
光を出力する。発振器42は音響光学変調器41に所定
周波数の駆動信号を入力する。光スイッチ43は音響光
学変調器41から出力される0次光(透過光)と+1次
回折光を入力光として、その一方を出力する。
量、つまり、発振器42の発振周波数は、200MHZ
に設定されている。また、この周波数シフトは、発振器
42の停止および起動により断続でき、光スイッチ43
は、この周波数シフトの断続に連係して、0次光と+1
次回折光の一方を選択して出力する。
器52、フィルタ(LPF)53、オフセット周波数発
振器54および位相比較器55で構成されている。合波
器51は、側帯波発生部2の出力光と光周波数シフト部
4の出力光とを受け、合波して出力する。受光器52
は、その合波された光を光電変換してヘテロダイン信号
を出力する。フィルタ53は、このヘテロダイン信号を
帯域制限し、側帯波の周波数間隔の1/2以上の高周波
成分を抑圧する。本実施例では、側帯波の周波数間隔を
4GHZ 、光周波数シフト部4の周波数シフト量を20
0MHZ としているから、具体的には1.9GHZ 以下
の周波数成分に対して2.1GHZ 以上の周波数成分を
30dB程度以上抑圧するフィルタを使用する。このフ
ィルタを用いることにより、側帯波の中央付近のデッド
ゾーンの幅は200MHZ 未満となる。オフセット周波
数発振器54は、制御部6の指令により設定されたオフ
セット周波数設定信号の周波数を発生する。このオフセ
ット周波数の設定範囲は、0.1〜1.9GHZ として
いる。位相比較器55は、フィルタ53を通過した受光
器52からのヘテロダイン信号とオフセット周波数発振
器54の出力信号との位相比較を行い、この位相差に基
づいた周波数可変光源3への制御信号を出力する。この
制御信号の極性および制御信号の断続(出力停止状態と
出力状態の切り換え)は、制御部6の指令により設定さ
れる。ここでいう制御信号の極性とは、制御信号が電圧
として出力される場合についていえば、位相差が大きく
(小さく)なったときに、電圧を増加(減少)させる
か、減少(増加)させるか、のいずれかを意味する。こ
の極性を切り換えることによって、周波数可変光源3の
出力光周波数が基準とするN次の側帯波の周波数よりも
高い場合と低い場合の両方について、負帰還制御を行う
ことができる。
て、周波数可変光源3に対して出力光周波数の粗調整の
ための周波数粗調信号を出力する。また、光周波数シフ
ト部4に周波数シフト量設定信号を出力し、周波数追従
制御部5にオフセット周波数設定信号、制御極性設定信
号および制御断続設定信号を出力する。
源装置の動作について説明する。
ち、コム信号光の中心周波数をνr、側帯波の周波数間
隔をfm、基準としている側帯波次数をN、側帯波に対
する周波数可変光源3の出力光周波数をオフセットする
オフセット周波数を符号を含めてf、光周波数シフト部
4の周波数シフト量を符号を含めて△fとすると、周波
数可変光源3の出力光周波数νは、
HZ 、光周波数シフト部4の周波数シフト量を+200
MHZ としている。また、側帯波の中央付近に位置する
デッドゾーンの幅は200MHZ 未満である。通常、側
帯波付近のデッドゾーンの幅はこれよりも狭い。このこ
とから前述のように、オフセット周波数fが取り得る範
囲を、
4の動作について説明する。
波数設定の原理を示す図である。
と基準とするN次側帯波の周波数との差 ν−(νr+
N・fm)=f−△f を考える。
△fの範囲は(2)式と同一である。図4において矢印
で示した領域Aは、このことを出力光周波数について示
したものである。図4では、N次側帯波を基準とすると
きに、周波数可変光源3の周波数追従制御が可能な範囲
を領域Aとして図示している。一方、周波数シフト量△
fが+200MHZ のときには、(2)式から、
を示したものである。したがって、周波数シフト量△f
を0または+200MHZ として、切り換えて用いれ
ば、領域Aと領域Bとでカバーされる−2.1≦(f−
△f)≦1.9[GHZ ]の範囲で周波数可変光源3の
周波数追従制御が可能となる。この範囲の幅は4GHZ
であり、側帯波間隔と一致している。つまり、基準とす
る側帯波の次数を変えれば、側帯波を利用できる数TH
Z の周波数帯域内で、任意の周波数に周波数可変光源3
の出力光周波数を設定できる。
オフセット周波数fの算出の手順は次のようになる。な
お、表記していない周波数の単位は全てGHZ とする。
きに、(ν−νr+0.1)/fmに最も近い整数Nを
算出する。最も近い整数Nが2つ存在する場合は、どち
らとしてもよい。ここに、0.1GHzは2つの周波数
シフト量△f(0、+200MHz)の平均である。こ
のように整数N、つまり、基準とする側帯波の次数を定
めれば、ν−(νr+N・fm)は、−2.1〜1.9
GHzの範囲内の値となる。
Aのみに対応する範囲にあれば、周波数シフト量△fを
0と定め、領域Bのみに対応する範囲にあれば、△fを
+200MHzと定める。領域Aにも領域Bにも対応す
る範囲にあるときは、△fを、どちらの値としてもよ
い。
N・fm)+△fを算出して、これをオフセット周波数
fとする。
る。
しているものとして、まず、周波数追従制御部5の位相
比較器55の出力を停止しておき、周波数可変光源3の
出力周波数を所望の周波数の近傍まで制御部6の周波数
粗調信号によって粗調整する。
シフト量△fに従って、光周波数シフト部4を制御す
る。本実施例では△fが0のときには、発振器42の出
力を停止して、音響光学変調器41の0次光(単純な透
過光)を光スイッチ43で選択し、△fが+200MH
zのときには、発振器42を起動して、音響光学変調器
41の+1次回折光を光スイッチ43で選択して出力す
る。このとき、受光器52から出力されるヘテロダイン
信号は、前述のようにして算出したオフセット周波数f
に近い周波数となる。
力信号周波数を算出したオフセット周波数fの絶対値|
f|に設定し、位相比較器55が出力する制御信号の極
性をこのオフセット周波数fの符号に従って設定する。
て、制御信号を周波数可変光源3に帰還する。以上の操
作で周波数追従制御が機能し、周波数可変光源3の出力
光周波数は所望の周波数となるよう制御され、その周波
数が維持される。
数を任意に設定できるため、その設定周波数を順次変化
させることによって、例えば、オフセット周波数発振器
54を掃引発振させることによって、周波数可変光源3
の出力光周波数を周波数掃引することも可能である。
で、この光源の周波数確度が低いために調整が困難な場
合には、その出力光の周波数(波長)を波長計で測定し
ながら制御すればよい。通常、側帯波の周波数間隔は数
GHz以上であり、波長計の測定精度は100MHzオ
ーダであるため、この制御は容易である。
の音響光学変調器と光スイッチによって構成している
が、音響光学変調器の回折効率が十分に高ければ、光ス
イッチの代わりに合波器を用いてもよい。また、導波路
型の音響光学変調器や、位相変調器または強度変調器に
よって得られた側帯波をファブリ・ペロー共振器等を利
用して選択する方法なども利用できる。導波路型の音響
光学変調器の変調周波数を変化して利用する場合などの
ように、周波数シフト量を変化しても出力光の光路が変
化しないものについては、当然、光スイッチは不要であ
る。
場合には、特にバルク型の音響光学変調器を用いると回
折角が変化して、所定の出射方向に対する出力光量が低
下する恐れがある。このような場合には変調周波数を調
整して、回折角を一定に保つことも可能である。また、
通常の音響光学変調器の周波数シフト量は1次当たり2
00MHz程度までであるが、デッドゾーンの幅がこれ
より広い場合には、複数の音響光学変調器を用いるか、
高次回折光あるいは+1次回折光と−1次回折光の組み
合わせ等を利用して実施することができる。
の断続によって、周波数シフト量の組み合わせとして
(0、+200MHz)を得ているが、+1次回折光と
−1次回折光の組み合わせを利用して例えば(+100
MHz、−100MHz)とすることや、デッドゾーン
の幅が狭い場合には、例えば(+150MHz、+20
0MHz)のように変調周波数を変えて実施することも
できる。
で扱われる信号の周波数の関係を単純に明示できるよう
に、オフセット周波数発振器54と位相比較器55を用
いた構成を示したが、ヘテロダイン信号の分周や周波数
変換など、通常の電気信号に対する処理を利用してもよ
い。また、周波数追従制御に要求される精度によって
は、位相比較器55の代わりに周波数比較器を用いるこ
とや、f−V(周波数−電圧)変換器をオフセット周波
数発振器54と位相比較器55の代わりに利用する構成
なども可能である。
にコム発生器を用いたものについて述べたが、図5及び
6を参照して、側帯波発生のために短光パルス光源を用
いる場合について簡単に説明する。
ード同期の短光パルス光源である。
はコム発生器と同様に考えればよいが、短光パルス光源
の場合は、これも従来の技術の欄で述べた、周波数基準
光を注入光として用いるか、参照光として用いるかの2
通りがある。
注入光として用いた場合を示す図である。図において、
側帯波発生部2としての短光パルス光源部200は、周
波数基準光源1からの周波数基準光を注入光として用い
た短光パルス光源201と発振器202とを備えてい
る。この場合は、注入光の周波数に側帯波発生手段とし
ての短光パルス光源201の出力光のキャリアの周波数
が引き込まれる。
参照光として用いた場合を示す図である。図において、
側帯波発生部2としての短光パルス光源部200は、周
波数基準光源1からの周波数基準光を参照光として用い
た短光パルス光源201と発振器202と周波数追従制
御手段203とを備えている。この場合は、周波数基準
光は周波数追従制御手段203に入力され、側帯波発生
手段としての短光パルス光源201の出力光のキャリア
または側帯波との周波数差が一定となるように短光パル
ス光源201が周波数追従制御される。
は、周波数基準光を出力する周波数基準光源1と、該周
波数基準光源からの光を受けて、該周波数基準光の複数
の側帯波を有する光を発生する側帯波発生部2と、光周
波数が制御可能とされた周波数可変光源3と、該周波数
可変光源の出力光を入力光として受けて、前記入力光を
変調し、光周波数が前記入力光の周波数より第1の所定
幅シフトした第1のシフト光及び前記入力光の光周波数
より第2の所定幅シフトした第2のシフト光のうち一方
を選択して出力する光周波数シフト部4と、オフセット
周波数が可変であり、前記側帯波発生部が出力する複数
の側帯波を有する光と前記光周波数シフト部の出力光と
から得られるヘテロダイン信号の周波数が設定されたオ
フセット周波数になるように前記周波数可変光源の周波
数追従制御を行うとともに、前記周波数追従制御の制御
極性が切り換え可能である周波数追従制御部5と、前記
周波数可変光源の出力を所望の周波数とするために、前
記周波数追従制御部のオフセット周波数及び制御極性を
設定し、かつ、前記光周波数シフト部のシフト光の選択
を制御する制御部6とを備え、もって、前記周波数可変
光源の出力光を出力光とするものであるから、側帯波発
生部の使用に伴うデッドゾーンの問題点を回避して、
出力光の周波数確度、周波数安定度、設定分解能に優
れ、周波数可変範囲が広く、かつ、前記周波数可変
範囲内で任意に周波数を設定または掃引できる周波数可
変レーザ光源装置を実現できた。
複数の周波数可変光源を利用することができ、各々を独
立に周波数設定することが可能であり、WDM通信の光
源等への応用が可能な周波数可変レーザ光源装置を実現
できた。さらに、このような構成においては、複数の出
力光が、一つの周波数基準光に対して側帯波発生や周波
数追従制御を介して安定化されているため、この出力光
間の相対的な周波数ゆらぎを、複数の周波数基準光源の
間の相対的な周波数ゆらぎ(10-9程度)に対して2桁
程度小さくすることができた。
理を示す図である。
て用いた場合を示す図である。
て用いた場合を示す図である。
図である。
図である。
ための図であり、(a)は側帯波近傍、(b)は側帯波
間の中央付近での問題点の説明図、(c)はデッドゾー
ンを示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 周波数基準光を出力する周波数基準光源
(1)と、 該周波数基準光源からの光を受けて、該周波数基準光の
複数の側帯波を有する光を発生する側帯波発生部(2)
と、 光周波数が制御可能とされた周波数可変光源(3)と、 該周波数可変光源の出力光を入力光として受けて、前記
入力光を変調し、光周波数が前記入力光の光周波数より
第1の所定幅シフトした第1のシフト光および前記入力
光の光周波数より第2の所定幅シフトした第2のシフト
光のうち一方を選択して出力する光周波数シフト部
(4)と、 オフセット周波数が可変であり、前記側帯波発生部が出
力する複数の側帯波を有する光と前記光周波数シフト部
の出力光とから得られるヘテロダイン信号の周波数が設
定されたオフセット周波数になるように前記周波数可変
光源の周波数追従制御を行うとともに、前記周波数追従
制御の制御極性が切り換え可能である周波数追従制御部
(5)と、 前記周波数可変光源の出力を所望の周波数とするため
に、前記周波数追従制御部のオフセット周波数および制
御極性を設定し、かつ、前記光周波数シフト部のシフト
光の選択を制御する制御部(6)とを備え、もって、前
記周波数可変光源の出力光を出力光とすることを特徴と
する周波数可変レーザ光源装置。
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---|---|---|---|
JP31554298A JP3568801B2 (ja) | 1998-11-06 | 1998-11-06 | 周波数可変レーザ光源装置 |
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1998
- 1998-11-06 JP JP31554298A patent/JP3568801B2/ja not_active Expired - Fee Related
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