JP2002076507A - 周波数安定化半導体レーザ装置 - Google Patents

周波数安定化半導体レーザ装置

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JP2002076507A
JP2002076507A JP2000263983A JP2000263983A JP2002076507A JP 2002076507 A JP2002076507 A JP 2002076507A JP 2000263983 A JP2000263983 A JP 2000263983A JP 2000263983 A JP2000263983 A JP 2000263983A JP 2002076507 A JP2002076507 A JP 2002076507A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】周波数の安定化を、任意の周波数で行うことを
可能とする周波数安定化半導体レーザ装置を提供する。 【解決手段】マスターレーザ12の発振周波数を吸収セ
ルによって絶対周波数に安定化する。その安定化したマ
スターレーザ12の出力光とスレーブレーザ13の出力
光との合波し検波した後のビート信号fBEATを得る。周
波数変換器22にビート信号fBEAT及び基準発振器24
からの信号を入力し、周波数変換器22からの誤差信号
を周波数弁別器16に入力する。周波数弁別器16から
の出力をスレーブレーザ13にフィードバックして、ス
レーブレーザ13の発振周波数をマスターレーザ12の
発振周波数にオフセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スレーブレーザの
発振周波数をマスターレーザの発振周波数にオフセット
ロックすることで、出力する光の発振周波数を安定化す
る周波数安定化半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ(LD)を用いて周波数安
定化光源を得る周波数安定化半導体レーザ装置の従来技
術としては、例えば、図1〜図4に示す構成のものがあ
る。図1及び図2に示す装置は、原子や分子の吸収線
(遷移)を周波数基準に用いるもの、つまり、半導体レ
ーザ1からの出力光を吸収セル3,4(特定の気体を封
入した容器)に入射すると上記気体に固有の周波数を有
する光が吸収されることを利用して、半導体レーザ1か
らの出力光が上記気体に固有の周波数に一致するよう
に、半導体レーザ1をフィードバック制御することで、
出力する光の周波数の安定化を図るものである。
【0003】すなわち、図1に示す装置では、半導体レ
ーザ1が、発振器2からの位相基準信号によって周波数
変調された光を発振する。発振された光は、線形吸収セ
ル3を透過する際に固有の周波数の光が吸収された後
に、受光器5(光検波手段)に入力され、該受光器5で
電気信号に変換される。その電気信号は、ロックインア
ンプ6によって上記位相基準信号を基準に同期検波され
て、フィードバック回路7に出力される。フィードバッ
ク回路7は、その同期検波された信号が一定になるよう
に、上記半導体レーザ1の駆動電流等を制御する。発振
周波数の安定化された半導体レーザ1の光は、不図示の
分岐手段を介して出力される。
【0004】図2の装置は、上記線形吸収セル3の代わ
りに、非線形吸収セル4を利用したものであり、原理は
図1の装置と同様である。ここで、符号8は偏光ビーム
スプリッタを、符号9はλ/4板を、符号10はミラー
を示す。また、図3の装置は、上記吸収セル3の代わり
に、ファブリペロー干渉計やリング共振器等の光共振器
11を周波数基準としたものである。すなわち、光共振
器11が有する光学特性の極値に対応する特定の周波数
を基準とし、当該特定の周波数に半導体レーザ1の発振
周波数を安定化させるものである。
【0005】また、図4の装置は、マスターレーザ12
の発振周波数にスレーブレーザ13の発振周波数を追従
させて周波数を安定化させるものである。すなわち、周
波数基準となるマスターレーザ12からの出力光と、ス
レーブレーザ13からの出力光とをビームスプリッタ1
4で合波させ、その合波させた光を受光器15に入力す
る。該受光器15は、両出力光の周波数の差の周波数を
有するビート信号(電気信号)を周波数弁別器16を介
してフィードバック回路7に出力し、上記ビート信号に
基づき、スレーブレーザ13からの出力光の周波数を、
マスターレーザ12からの出力光の周波数に追従制御し
て、スレーブレーザ13からの出力光の周波数の周波数
を、マスターレーザ12からの出力光の周波数から所定
周波数だけオフセットした周波数に安定化させる。な
お、基準周波数から一定の周波数だけずらした発振周波
数に安定化する上記制御方法をオフセットロック法と呼
んでいる。
【0006】ここで、周波数基準自体の安定度、あるい
はその中心周波数は、図1及び図2以外の装置では温度
や機械的な環境条件によって一定ではない。つまり、図
1や図2の装置が絶対周波数への安定化を目指している
のに対し、図3や図4の装置構成では、相対的な基準周
波数への追従度の向上を図っている。また、図1〜図3
の装置では、すべて周波数基準近傍で周波数弁別特性を
得るため、半導体レーザ1の中心周波数に微少な周波数
変調を施す直接周波数変調方式を採用した例であるが、
図5〜図7に示すように、外部変調器17を使用して半
導体レーザ1の出力光に変調を加えても良い。図5〜図
7では、外部変調器17として、音響光学素子(A
O)、電気光学素子(EO)を用いた場合の例を示して
いる。また、図8に示すように、マスターレーザ12
は、半導体レーザ1に限定されない。なお、外部共振器
型半導体レーザは外部鏡による変調が可能であることか
ら、敢えて図8におけるマスターレーザの対象となる。
【0007】上記全ての装置において、周波数安定化で
不可欠な条件は、レーザの発振周波数が、図9に示すよ
うに、周波数基準の中心周波数fc を零点とする帰還周
波数幅内で、好ましくはハッチングで示した領域にある
周波数弁別幅内で一致していなければならないというこ
とである。ここで、上記図3の装置では、干渉計のミラ
ー間隔や光路長などで容易に周波数基準の中心周波数を
変えることができ、図4の装置ではマスターレーザ12
自体の発振周波数を変更することで基準周波数を変える
ことができるが、図1の装置及び図2の装置では、縮退
準位における電磁場スプリッティングがなければ変更で
きない。
【0008】すなわち、図1や図2の装置では、絶対周
波数に安定化でき当該絶対周波数で発振するレーザ光は
得られるものの、限られた原子や分子の吸収線における
離散的な周波数にしか安定化させることができないとい
う問題がある。これに対して、図3や図4の装置では、
上述のように周波数基準の中心周波数をレーザの発振周
波数に近づけることが可能なので、レーザの発振周波数
領域内でありさえすれば、原理的にはどの周波数にもレ
ーザの発振周波数を安定化することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3や
図4の装置であっても、あくまでもレーザの発振周波数
は、周波数基準の周波数に追従するように制御されるだ
けであり、追従の安定化が高精度に達成されたとして
も、周波数の安定度は、周波数基準の安定度に影響し当
該周波数基準の安定度に応じたふらつきを取り除くこと
はできない。
【0010】また、図3の装置では周波数基準で決定さ
れている限られた周波数間隔の各々の中心周波数でしか
安定化ができないという問題がある。また、図4の装置
では、マスターレーザ12とスレーブレーザ13との発
振周波数の差が、受光器15の周波数帯域内に収まり、
かつ周波数弁別器16の零点周波数fc に一致する周波
数でしか安定化できないという欠点をもっている。すな
わち、受光器15の周波数帯域などによってマスターレ
ーザ12の発振周波数からの周波数のオフセット量が制
限され、且つ、周波数弁別器16の零点周波数fc にオ
フセット周波数が限定されてしまい。任意のオフセット
周波数に設定してオフセットロックを行うことができな
いという問題がある。
【0011】なお、周波数安定化に用いるフィードバッ
ク回路の信号は、フィードバックの対象が半導体レーザ
1であれば直接注入電流とともに負帰還が可能になる。
また、外部共振器型の半導体レーザや他のレーザをフィ
ードバックの対象とする場合には、共振器を構成するミ
ラーやグレーティング、あるいは共振器内に設置された
ガラスブロック、干渉計、変調器、フィルタなど、光路
長や光の位相に変調がかけられるものにフィードバック
信号が負帰還される。これにより、周波数の安定化が達
成されることになる。
【0012】本発明は、以上のような点に着目してなさ
れたもので、従来では限られた周波数でしか行えなかっ
た周波数安定化を、任意の周波数で行うことを可能とす
る周波数安定化半導体レーザ装置を提供することを課題
としている。これによって、等周波数間隔で同時安定化
が可能な半導体レーザ装置を実現可能となったり、多波
長一括周波数安定化法を供給し、WDM用のコム周波数
安定化光源を実現可能となったりする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載した発明は、基準とな
るマスターレーザと、スレーブレーザと、上記マスター
レーザからの出力光とスレーブレーザの出力光とを合波
する光合波手段と、該光合波手段で合波された信号を検
波してビート信号を出力する光検波手段と、スレーブレ
ーザの発振周波数がマスターレーザの発振周波数から所
定周波数だけオフセットした周波数となるように、上記
ビート信号に基づきスレーブレーザの発振周波数をマス
ターレーザの発振周波数に追従制御する追従制御手段と
を備えた周波数安定化半導体レーザ装置において、上記
追従制御手段は、オフセット周波数信号を出力する基準
発振器と、基準発振器からの信号と上記ビート信号とを
入力する周波数変換器と、周波数変換器の出力を入力す
る周波数弁別器と、周波数弁別器が出力する誤差信号を
スレーブレーザにフィードバックするフィードバック回
路とを備えることを特徴とするものである。
【0014】次に、請求項2に記載した発明は、請求項
1に記載した構成に対し、上記マスターレーザの発振周
波数を、原子や分子の遷移を利用した1次周波数基準に
安定化する基準出力光安定化手段を備えることを特徴と
するものである。ここで、上記原子や分子の遷移を利用
した1次周波数基準とは、例えば公知の吸収セルにおけ
る吸収線である。
【0015】次に、請求項3に記載した発明は、請求項
1に記載した構成に対し、上記マスターレーザを、第1
マスターレーザと第2マスターレーザとから構成し、上
記光合波手段は、第2マスターレーザの出力光とスレー
ブレーザの出力光を合波する構成にすると共に、上記第
1マスターレーザの発振周波数を、原子や分子の遷移を
利用した1次周波数基準に安定化する基準出力光安定化
手段と、光共振器で構成される2次周波数基準と、2次
周波数基準の光学特性の極値を示す複数の周波数のいず
れか一つを第1マスターレーザの発振周波数に安定化す
る2次周波数基準安定化手段と、上記第2マスターレー
ザの出力光の発振周波数を、上記2次周波数基準の光学
特性の極値を示す複数の周波数のいずれか一つに安定化
する2次基準出力光安定化手段とを備えることを特徴と
するものである。
【0016】次に、請求項4に記載した発明は、上記請
求項1〜請求項3のいずかの構成からなる複数の周波数
安定化半導体レーザ装置の組からなり、各組におけるマ
スターレーザの出力光とスレーブレーザの出力光とは、
それぞれ光合波手段を構成する光ファイバカップラで合
波されることを特徴とする周波数安定化半導体レーザ装
置を提供するものである。
【0017】次に、請求項5に記載した発明は、第1マ
スターレーザと、複数の第2マスターレーザと、複数の
スレーブレーザと、光共振器からなる2次周波数基準
と、2次周波数基準の光学特性の極値を示す複数の周波
数のいずれか一つを第1マスターレーザの発振周波数に
安定化する2次周波数基準安定化手段と、上記複数の第
2マスターレーザの出力光の発振周波数を、上記2次周
波数基準の光学特性の極値を示す複数の周波数のそれぞ
れに安定化する2次基準複数出力光安定化手段と、上記
複数の第2マスターレーザの出力光と上記複数のスレー
ブレーザの出力光とをそれぞれ合波する複数の光合波手
段と、各光合波手段からビート信号に基づき対応するス
レーブレーザの発振周波数を対応する第2マスターレー
ザの発振周波数に追従制御する複数の追従制御手段とを
備え、上記各追従制御手段は、それぞれ、オフセット周
波数信号を出力する基準発振器と、基準発振器からの信
号と上記ビート信号とを入力する周波数変換器と、周波
数変換器の出力を入力する周波数弁別器と、周波数弁別
器が出力する誤差信号をスレーブレーザにフィードバッ
クするフィードバック回路とを備えることを特徴とする
周波数安定化半導体レーザ装置を提供するものである。
【0018】次に、請求項6に記載した発明は、第1マ
スターレーザと、複数の第2マスターレーザと、複数の
スレーブレーザと、上記複数の第2マスターレーザから
の出力光を合波する第1のAWG波長合分波器と、第1
のAWG波長合分波器の出力を入力し2次周波数基準を
構成する第2のAWG波長合分波器と、上記第1のAW
G波長合分波器の出力を入力する第3のAWG波長合分
波器と、上記第2のAWG波長合分波器の透過周波数を
第1マスターレーザの発振周波数に安定化する合分波器
安定化手段と、上記第2のAWG波長合分波器の複数の
透過周波数に基づき上記各第2マスターレーザの出力光
の発振周波数を安定化させる第2の2次基準複数出力光
安定化手段と、上記第3のAWG波長合分波器から出力
される複数の出力光と対応するスレーブレーザからの出
力光とをそれぞれ合波する複数の光合波手段と、各光合
波手段からビート信号に基づき対応するスレーブレーザ
の発振周波数を対応する第2マスターレーザの発振周波
数に追従制御する複数の追従制御手段とを備え、上記各
追従制御手段は、それぞれ、オフセット周波数信号を出
力する基準発振器と、基準発振器からの信号と上記ビー
ト信号とを入力する周波数変換器と、周波数変換器の出
力を入力する周波数弁別器と、周波数弁別器が出力する
誤差信号をスレーブレーザにフィードバックするフィー
ドバック回路とを備えることを特徴とする周波数安定化
半導体レーザ装置を提供するものである。
【0019】本発明によれば、周波数変換器及び周波数
弁別器を設けることで、オフセットロックする周波数
を、周波数弁別器の零点周波数と一致しない任意の周波
数とすることが可能となる。すなわち、周波数変換器に
より、ビート信号を基準発振器からの信号を用いて周波
数弁別器の零点周波数近傍に周波数変換してから周波数
弁別器に入力するようにしたので、その周波数変換器か
らの誤差信号が周波数弁別器の零点周波数に安定化する
ように、周波数弁別器の出力が一定となるようにフィー
ドバック制御されることで、任意のオフセット周波数で
安定化が可能となる。
【0020】ここで、基準発振器から出力するオフセッ
ト周波数信号の周波数が、マスターレーザの周波数から
オフセットするオフセット周波数となる。このとき、請
求項2に記載の発明によれば、直接変調、外部変調を問
わず周波数変調(あるいは位相変調)された光を、周波
数1次基準としての原子や分子の吸収線を介して位相検
波することにより得られる周波数誤差信号をフィードバ
ック信号として用いて絶対周波数に安定化されたマスタ
ーレーザの発振周波数を基準として、スレーブレーザの
発振周波数を追従させてオフセットロックすることにな
る。すなわち、基準となるマスターレーザの発振周波数
が安定化する。
【0021】また、請求項3に記載の発明によれば、上
記周波数1次基準の使用できる周波数が少数の場合であ
っても、その1次周波数基準に安定化された第1マスタ
ーレーザの出力光で安定化した2次周波数基準を得るこ
とができる。光共振器からなる2次周波数基準は、周期
的に複数の基準となる周波数を有するので、所望の広い
周波数帯域全体に亘って、スレーブレーザを安定化する
ための安定した複数の周期的な基準周波数を得ることが
できる。
【0022】ここで、分子や原子の遷移によって、絶対
周波数基準からなる周波数基準が所望の広い周波数帯域
全体に渡って多数得られる場合(A)と、絶対周波数基
準からなる周波数基準が1本ないし数本といった少数し
かないような場合(B)の双方がある。このとき、周波
数基準が多数得られる場合(A)であっても、従来にあ
っては、周波数弁別器の零点周波数を、これまでは任意
の周波数にできず、限られた周波数でしか安定化ができ
なかった。
【0023】これに対して、請求項2の発明によれば、
図10に示したように原子や分子の吸収線のように周波
数基準が多数得られる場合には、これらのうちの一つの
周波数に安定化された絶対周波数に安定化したマスター
レーザの出力を多数入手できるると同時に、請求項1に
記載した作用により、隣り合う周波数基準の間で当該所
定の周波数基準から任意にオフセットさせた周波数でス
レーブレーザの発振周波数をオフセットロックすること
が可能となる。これによって、隣り合う周波数基準の間
隔が設定可能なオフセット周波数内であれば、いずれの
周波数においても安定化が可能になる。
【0024】また、周波数基準が少数しか得られない場
合(B)には、請求項3に記載した発明が好適である。
この場合、周波数基準とマスターレーザの発振周波数と
の周波数差に応じて、空白の周波数を埋める2次周波数
基準が必要となる。この状態を図13に示した。
【0025】すなわち、請求項3では、まず、絶対周波
数に安定化されたマスターレーザの出力光を2次周波数
基準に入力し、この2次周波数基準をマスターレーザに
安定化する。第2マスターレーザをこの2次周波数基準
に入力し、2次基準の一定間隔の透過あるいは反射特性
の極点のうちの所望の周波数に安定化する。この段階
で、2次周波数基準の使用波長帯で、一定の周波数間隔
での第2マスターレーザの発振周波数の安定化が達成で
きる。次にスレーブレーザを準備し、第2マスターレー
ザとのビートをとり、このビートと基準発振器の信号と
で周波数変換を行い、周波数弁別器の使用周波数におい
てFM−AM変換を行い、スレーブレーザの第2マスタ
ーレーザに対する周波数誤差信号をフィードバック帯域
にまで低周波化する。この低周波化された誤差信号をス
レーブレーザにフィードバックすることにより、任意周
波数でオフセットロックが実現できる。
【0026】以上を周波数基準の中心周波数とレーザの
発振周波数との関係で図示したのが、上述の図13であ
る。ここで、第2マスターレーザの安定化に関して、2
次周波数基準への安定化の前にビート信号を利用した安
定化を行うこともできるが、2次基準の安定化に関し
て、所望の安定化周波数が厳密になればなる程、周波数
の微調整が必要になる。この場合は、スレーブレーザを
2次基準に安定化した後にも新たに安定化を施した第2
のスレーブレーザが必要となる場合がある。
【0027】以上のように、これまで限られた周波数で
しか実現できなかった周波数安定化半導体レーザ装置
を、絶対周波数で発振するマスターレーザに2次周波数
基準や基準発振器からの信号を介してスレーブレーザを
オフセットロックすることにより、所望の周波数での絶
対周波数からのオフセットロックした周波数安定化半導
体レーザ装置が実現できる。
【0028】第1マスターレーザの発振周波数は、原
子、分子の吸収線を用いた絶対周波数に安定化され、第
2マスターレーザの発振周波数は、第1マスターレーザ
の発振周波数から、25GHz、50GHz、100G
Hz程度の2次周波数基準で決まる一定間隔の制限で利
用できる任意周波数にオフセットロックされる。ここ
で、スレーブレーザの発振周波数は、基準発振器を利用
することにより任意の周波数に設定できるが、スレーブ
レーザのフィードバック回路に必要なビート信号の周波
数変換器の帯域と、第2マスターレーザとスレーブレー
ザのビートを観測する受光器の周波数帯域で制限される
ことになる。しかしながら、受光器の周波数帯域は60
GHz程度が可能なので、周波数変換器や周波数弁別器
に用いるミキサーの帯域がむしろ現実には問題となる。
ミキサー帯域が一般には20GHz程度なので、2次周
波数基準の選定を考慮すれば、文字どおり任意周波数で
のオフセットロックが実現できる。
【0029】勿論、それぞれのレーザの出力光は、分岐
をしてやりさえすれば独立に使用できる。したがって、
各々のレーザの組み合わせは、そのままDWM通信に不
可欠なコム周波数光源となる。請求項4〜請求項6のい
ずれかの発明を使用することで、コム周波数各々が絶対
周波数からオフセットロックされることにより、従来得
られなかった周波数精度、確度が実現されることにな
る。
【0030】また、LiNbO3に代表されるような疑
似位相整合(QPM)波長変換素子を用いてコム周波数
を構成することも可能であるが、この場合、励起光と信
号光の周波数安定化が不可欠となる。本発明はこの要求
にも答えることになる。ちなみに、マスターレーザを光
スイーパにしたい場合は、オフセットロックがかかる状
態ではスレーブレーザはマスターレーザに追随するだけ
になる。勿論、オフセットロック時に使用する基準発振
器の発振周波数を掃引しても同様の結果が得られる。む
しろこの場合にはオフセットロックの周波数が変化する
だけで、周波数基準は絶対周波数から発生させているこ
とになる。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1実施形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。なお、上記従来例と同
様な部品については同一の符号を付して説明する。図1
1は、本実施形態の周波数安定化半導体レーザ装置の構
成を示す図であり、マスターレーザ12の出力光を安定
化する基準出力光安定化手段Aと、スレーブレーザ13
の出力光を、マスターレーザ12の出力光に追従させて
オフセットロックする追従制御手段Bとを備える。
【0032】マスターレーザ12の出力光は、ビームス
プリッタ21によって分光され、一部がスレーブレーザ
13側の追従制御手段Bに入力されると共に、残りの光
が基準出力光安定化手段Aに入力される。基準出力光安
定化手段Aは、発振器2、外部変調器17、1次周波数
基準を構成する線形吸収セル3、受光器5、ロックイン
アンプ6、フィードバック回路7を備える。
【0033】上記外部変調器17は、音響光学変調器
(AO)や電気光学変調器(EO)等から構成される。
その外部変調器17は、発振器2からの位相基準信号に
基づき、入力したマスターレーザ12の出力光を、周波
数変調あるいは位相変調して周波数基準の中心周波数近
傍で微少変調させ、その変調させた変調信号を、線形吸
収セル3に出力する。外部変調器17からの光は、線形
吸収セル3を透過する際に固有の周波数の光が吸収され
た後に、受光器5(光検波器)に入力され、該受光器5
で電気信号に変換される。その電気信号は、ロックイン
アンプ6によって上記位相基準信号を基準に同期検波さ
れて、フィードバック回路7に出力される。フィードバ
ック回路7は、その同期検波された信号が一定になるよ
うに、PID制御(比例:P、積分:l、微分:D)を
行い上記マスターレーザ12の駆動電流等を制御する。
これによって、マスターレーザ12の出力光は、線形吸
収セル3で特定される所定の絶対周波数に安定化され
る。
【0034】ここで、上記説明では、ロックインアンプ
6を使用した例であるが、ミキサーとフィルタを用いて
位相検波器を構成しても良い(T.Yanagawa,
S.Saito,S.Machida,Y.Yamam
oto,and Y.Noguchi,Appl.Ph
ys.Lett.47,1036(1985)参照)。
【0035】また、上記吸収セル3の気体としては、吸
収線が多数とれるもの、つまり周波数基準が多数得られ
る気体を採用すると良い。周波数基準が多数得られる
と、これらのうちの所望の一つの周波数に安定化するこ
とで周波数安定化用のマスターレーザ12の出力光を多
数入手できる。この結果、隣り合う周波数基準の間でス
レーブレーザ13のオフセットロックができれば、いず
れの周波数においても安定化が可能になる。
【0036】上記のような吸収セル用の気体としては、
例えばアセチレンガス(122 2)や同位体置換アセ
チレンガス(132 2 )が例示できる。表1に、セル
長10cm、ガス圧1333Paの条件下で実測したア
セチレンガス(122 2 )及び同位体置換アセチレン
ガス(132 2 )の吸収線の値(測定波長領域は、1
535.0〜1535.5nmである)を示す。また、
表2に、1.55μm帯における132 2 の吸収線を
示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】これら吸収線毎の周波数差は、後述の周波
数変換器22や周波数弁別器16を構成するミキサーと
して帯域20GHzのミキサーを用いる場合は、40G
Hzまでの間隔までであるなら、任意周波数でオフセッ
トロックが可能である。20−21、22−23、23
−24、24−25、25−26間は40GHzを越え
る周波数差があるので、これらの間については、その間
隔に対応する広さの帯域がを有するミキサーを採用する
か、そうでなければ、後述の第2実施形態の装置を採用
するか、本実施形態の基準周波数の安定化の手法を繰り
返すせざるを得ない。また、これらの波長より長波側で
は、122 2 132 2 の吸収がないため、アセチ
レンを基本にするシステムでは後述の第2実施形態の装
置に頼らざるを得ない。
【0040】なお、シアンガス(H12CN、H13CN)
も1.5μm帯(1.5198〜1.5674μm)に
多数の吸収量の大きい吸収線を有しており(H.Sas
ada and K.Yamada,App1.Op
t.24,3535(1990)参照)、本実施形態の
手法に使用可能である。したがって、後述の第2実施形
態で述べるWDM用コム周波数安定化光源に好適のガス
であるが、毒性の強いガスであるので、取扱いには注意
を要する。
【0041】次に、追従制御手段Bについて説明する
と、マスターレーザ12からの出力光とスレーブレーザ
13の出力光を合波するビームスプリッタ14(光合波
手段)と、ビームスプリッタ14が合波した光して電気
信号(ビート信号)に変換(検波)する受光器15(検
波手段)と、オフセット周波数信号を発振する基準発振
器24と、上記受光器15が検波したビート信号と基準
発振器24からのオフセット周波数信号と入力する周波
数変換器22と、周波数変換器22の出力をバンドパス
フィルタ25を介して入力する周波数弁別器16と、周
波数弁別器16の出力を入力し当該入力値に応じたフィ
ードバックをスレーブレーザ13に行うフィードバック
回路20とから構成される。
【0042】本実施形態の上記周波数変換器22は、ミ
キサー22aから構成されて、周波数誤差信号Δf(
=fBEAT −fSY)を出力する。すなわち、周波数変換
器22は、基準発振器24の基準周波数(基準周波数か
らのオフセット量)を用いて、ビート信号を周波数弁別
器16の零点周波数fC 近傍の周波数に周波数変換す
る。
【0043】ここで、 マスターレーザ12の発振周波数:fMA スレーブレーザ13の発振周波数:fSL ビート信号の周波数 :fBEAT=|fMA −fSL
| 周波数弁別器16の零点周波数 :fC 基準発振器24の発振周波数 :fSY である。
【0044】周波数弁別器16は、周波数変換器22か
らの周波数誤差信号を、FM−AM変換する。変換した
AM誤差信号は、フィードバック回路20を介してスレ
ーブレーザ13にフィードバックされる。本実施形態の
周波数弁別器16は、ミキサ16a及び遅延回路16c
(遅延線)を備え、入力した信号を方向性結合器16b
により分岐し、一方の信号をそのままミキサ16aに入
力すると共に分岐した他の信号は遅延回路16cを介し
て上記ミキサ16aに入力する構成となっている。
【0045】ここで、上記各受光器5,15としては、
例えば当該受光器のフォトダイオード(PD)の帯域が
60GHz程度のものを使用する。上記追従制御手段B
では、基準発振器24からのオフセット周波数信号に基
づきビート信号fBEATを周波数変換した周波数誤差信号
Δfを周波数弁別器16に入力することにより、任意の
周波数へのオフセットロックを容易に実現することがで
きる。
【0046】そして、オフセットロックされたスレーブ
レーザ13の発振周波数は上述の式に従う。つまり、マ
スターレーザ12及びスレーブレーザ13の各発振周波
数の差周波信号であるビート信号fBEATの周波数と基準
発振器24の発振周波数(基準信号)との差である周波
数誤差信号△fを周波数変換器22から発生させ、周波
数弁別器16の零点周波数fcに安定化させてやること
で、スレーブレーザ13の発振周波数は、絶対周波数に
安定化されたマスターレーザ12の発振周波数から、オ
フセット周波数だけオフセットした任意の周波数で安定
化できる。
【0047】ただし、各々の周波数fMA、fSL
BEAT、fSYの関係で、周波数弁別特性の極性を変えね
ばならない。図9に示す特性では、(1)fSL>fMA
且つfBEAT>fSY、若しくは(2)fSL<fMA、且つf
BEAT<fSYの場合に有効である。これ以外では、図9の
逆特性が必要になる。すなわち、(3)fSL<fMA、且
つf BEAT>fSY、若しくは(4)fSL>fMA、且つf
BEAT<fSYの場合には、図17に示す実測値のような周
波数弁別特性を有するダブルバランスドミキサからなる
周波数弁別器16が必要となる。
【0048】ここで、上記ミキサ16a及び遅延回路1
6cを使用した周波数弁別器16の動作について説明す
る。周波数変換器22から出力され、周波数弁別器16
に入力される信号をcos(ω0・t)とすると、遅延
回路16cを用いる場合のミキサ16a動作は、遅延位
相をφとして低周波側のみの出力を利用し、かつ周波数
弁別器16の出力をVとすると、 V=cos(ω0・t)・cos(ω0・t+φ) =[cos(2ω0・t+φ)+cosφ]/2〜(c
osφ)/2 となる。
【0049】つまり、遅延位相φだけで周波数弁別特性
が決定される。遅延位相φは入力側の周波数に依存する
ため、そのままFM−AM変換器として使用できること
になる。すなわち、遅延回路16cの長さをd、屈折率
をn、電気の真空中の波長をλ、周波数をf、光の真空
中の速度をcとすると、 φ=2πnd/λ=2πndf/c となる。
【0050】所望の周波数弁別特性の零点周波数をfc
とすると、 φ=2πndfc /c =(π/2)+mπ (m:
整数) と表される。したがって、例えば750MHzを零点周
波数fc にし、細工のしやすい長さの遅延回路16cの
構成を考えると、φ=3π/2が都合よく、 d=3c/4nfc 〜18(cm) となる。これが図17の結果を与えている。
【0051】ここで、温度と電流を変化させて1.55
1μmで発振する半導体レーザ1を2つ準備し、一方を
吸収線に安定化させてマスターレーザ12とし、他のレ
ーザをスレーブレーザ13とした。これによりアラン分
散の平方根の値がマスターレーザ12では〜10-11
なり、これにスレーブレーザ13を安定化させてみると
〜10-10 が得られた。1.550μmにおいてもほぼ
同様の結果が得られた。
【0052】この場合、零点周波数fc は方向性結合器
16bの帯域に合わせており、変更は可能である。利用
可能なビート周波数の帯域は、ミキサ16a、基準発振
器24、受光器15の帯域に制限されることになり、現
状ではミキサ16aで決定され、20GHz程度までで
ある。表1および表2では、1,532μm帯、1.5
5μm帯での吸収線実測値を示したが、122 2 の吸
収線は1.51〜1.54μmで、132 2 の吸収線
は1.52〜1.55μmで各々50数本が同じ条件で
観測された。
【0053】それぞれの周波数で安定化されたマスター
レーザ12に、本発明に基づく実施形態で示した手法で
スレーブレーザ13をオフセットロックすると、1.5
1〜1.55μmの任意周波数で周波数安定化光源が実
現できる。なお、吸収線の間隔が、ミキサ16aの帯域
を越える場合は、スレーブレーザ13にオフセットロッ
クする別のスレーブレーザ13を用いる。簡便にはこれ
を繰り返してもよいが、むしろ後に示す2次周波数基準
を用いるのが望ましい。
【0054】ここで、上記実施形態の基準出力光安定化
手段Aでは、線形吸収セル3の吸収線の周波数にマスタ
ーレーザ12の出力光を安定化する場合で例示している
が、図12に示すような構成で基準出力光安定化手段A
を構成して、非線形吸収セル4の吸収線の周波数にマス
ターレーザ12の出力光を安定化するようにしても良
い。
【0055】また、上記実施形態では、外部変調器17
で変調しているが、マスターレーザ12の中心周波数に
微小な周波数変調を施す直接周波数変調を施す直接周波
数変調方式を採用しても良い。また、上記実施形態で
は、マスターレーザ12の出力光を基準出力光安定化手
段Aで安定化させているが、基準出力光安定化手段Aで
安定化させなくても良い。但し、基準出力光安定化手段
Aで安定化させないと、その分、スレーブレーザ13の
出力光の安定度が悪くなる。
【0056】次に、第2実施形態を図面を参照しつつ説
明する。なお、上記実施形態等と同様な部品などについ
ては同一の符号を付して説明する。本実施形態は、図1
3に示したような、吸収セル3による絶対周波数基準が
多数得られない場合や、多数の絶対周波数基準が得られ
ても当該絶対周波数基準間隔が広くその位置における周
波数の離れた位置で安定化光源が必要な場合に好適な装
置である。
【0057】図14は、本実施形態の装置構成を示す図
であって、マスターレーザ12が第1マスターレーザ3
0と第2マスターレーザ31とから構成され、第1マス
ターレーザ30の出力光を安定化させる基準出力光安定
化手段Aと、ファブリペロ干渉計やリング共振器などの
光共振器から構成される2次周波数基準39と、2次周
波数基準安定化手段Cと、2次基準出力光安定化手段D
と、スレーブレーザ13の出力光をマスターレーザ12
の出力光に追従させてオフセットロックする追従制御手
段Bとを備える。
【0058】基準出力光安定化手段Aは、上記第1実施
形態と同様の構成であって、発振器2、外部変調器1
7、線形吸収セル3、受光器5、ロックインアンプ6、
フィードバック回路7を備える。外部変調器17は、音
響光学変調器(AO)や電気光学変調器(EO)等から
構成されて、発振器2からの基準信号に基づき、入力し
た第1マスターレーザ30の出力光を、周波数変調ある
いは位相変調して周波数基準の中心周波数近傍で微少変
調させ、その変調させた変調信号を参照信号として、線
形吸収セル3に出力する。外部変調器17からの光は、
線形吸収セル3を透過する際に固有の周波数の光が吸収
された後に、受光器5(光検波器)に入力され、該受光
器5で電気信号に変換される。その電気信号は、ロック
インアンプ6によって上記位相基準信号を基準に同期検
波されて、フィードバック回路7に出力される。フィー
ドバック回路7は、その同期検波された信号が一定にな
るように、PID制御(比例:P、積分:l、微分:
D)を行い上記第1マスターレーザ30の駆動電流等を
制御する。これによって、第1マスターレーザ30の出
力光は、線形吸収セル3で特定される周波数基準(原子
や分子の吸収線など絶対周波数に準じるもの)に安定化
される。
【0059】次に、2次周波数基準安定化手段Cについ
て説明する。2次周波数基準安定化手段Cは、受光器3
6、ロックインアンプ32及び、2次周波数基準39で
ある光共振器のミラー間隔若しくは光路長をフィードバ
ック制御するフィードバック回路33、及び上記第1マ
スターレーザ30の出力光の一部を2次周波数基準39
に入力にする光路を備える。そして、上記光路によっ
て、第1マスターレーザ30の出力光を2次周波数基準
39に入射し、該2次周波数基準39からの透過光を受
光器36によって電気信号に変換してロックインアンプ
32に出力する。ロックインアンプ32は、上記電気信
号を上記発振器2からの位相基準信号を基準に同期検波
してフィードバック回路33に出力される。フィードバ
ック回路33では、その同期検波された信号が一定とな
るように2次周波数基準39のミラー間隔若しくは光路
長をフィードバック制御して、2次周波数基準39の基
準周波数の一つを第1マスターレーザ30の周波数に安
定化させる。
【0060】上記光共振器からなる2次周波数基準39
は、光を透過する透過周波数が周期的に存在する透過特
性を有し、その周期的に存在する透過周波数が周波数基
準となるもので、上記のように、2次周波数基準39の
周波数基準(透過周波数)の一つが第1マスターレーザ
30の周波数に安定化することで、2次周波数基準39
の全ての周波数基準(透過周波数)が安定化する。
【0061】次に、2次基準出力光安定化手段Dについ
て説明する。2次基準出力光安定化手段Dは、上記安定
化された2次周波数基準39の複数の基準周波数の一つ
に第2マスターレーザ31の出力光を安定化させるもの
であって、発振器35、外部変調器34、上記2次周波
数基準39、受光器40、ロックインアンプ37、フィ
ードバック回路38とを備える。
【0062】外部変調器34は、音響光学変調器(A
O)や電気光学変調器(EO)等から構成されて、発振
器35からの基準信号に基づき、入力した第2マスター
レーザ31の出力光を、周波数変調あるいは位相変調し
て2次周波数基準39の中心周波数近傍で微少変調さ
せ、その変調させた変調信号を参照信号として、2次周
波数基準39に出力する。2次周波数基準39からの透
過光は受光器40(光検波器)に入力され、該受光器4
0で電気信号に変換される。その電気信号は、ロックイ
ンアンプ37によって上記位相基準信号を基準に同期検
波されて、フィードバック回路38に出力される。フィ
ードバック回路38は、その同期検波された信号が一定
になるように、PID制御(比例:P、積分:l、微
分:D)を行い上記第2マスターレーザ31の駆動電流
等を制御する。これによって、第2マスターレーザ31
の出力光は、2次周波数基準39の周期的に存在する複
数の周波数基準のうちの所望の周波数基準に安定化され
る。
【0063】上記2次基準出力光安定化手段Dによって
安定化された第2マスターレーザ31の出力光は、ビー
ムスプリッタ41で分光され、その一部が追従制御手段
Bに入射される。追従制御手段Bは、上記第1実施形態
で説明した構成と同じ構成であって、安定化された第2
マスターレーザ31の出力光とスレーブレーザ13の出
力光との合波によるビート信号fBEAT及び基準発振器2
4からの基準信号に基づいて、第2マスターレーザ31
の出力光に対して基準発振器24のオフセット周波数分
だけオフセットした周波数に、スレーブレーザ13の発
振周波数をオフセットロックして安定化する。
【0064】すなわち、第2マスターレーザ31とスレ
ーブレーザ13との間の安定化は、上記第1実施形態と
同様に、受光帯域内(ミキサ22aの帯域)に存在する
程度の周波数差のものに限り、ビート信号fBEATを周波
数変換器22(ミキサ22a)に入力し、基準発振器2
4を用いて周波数弁別器16の零点周波数近傍にビート
信号fBEATを周波数変換する。これを、例えば上述のミ
キサ16aに遅延回路16c(遅延線)を設けて構成さ
れる周波数弁別器16に入力すると、周波数誤差信号が
FM−AM変換される。
【0065】この変換されたAM誤差信号をスレーブレ
ーザ13にフィードバックしてやると、スレーブレーザ
13は周波数弁別器16の零点周波数で安定化されるこ
とになる。つまり、スレーブレーザ13の周波数を所望
の値にすると、第2マスターレーザ31とスレーブレー
ザ13との間の周波数差、つまりビート周波数が決定さ
れるが、基準発振器24の信号周波数の設定によっては
ビート信号fBEATの中心周波数を周波数弁別器16の零
点周波数に一致させることができるため、AM誤差信号
をスレーブレーザ13にフィードバックした段階で任意
の周波数におけるオフセットロックが実現できる。
【0066】したがって、2次周波数基準39に誘電体
薄膜製品を用いる場合、受光する信号のS/Nにも依存
するが、わずかな反射、透過の特性を利用して複数の周
波数帯域(むしろ波長帯域と述べるべきかも知れない)
での安定化が可能になる。これにより、任意の波長帯
域、周波数帯域でのオフセットロックが光学部品の選定
しだいで実現できることになる。なお、このような周波
数安定化手法は、これまでに前例がない。
【0067】ここで、上記実施形態では、第1及び第2
マスターレーザ30,31の出力光の安定化に外部変調
器17、34を使用しているが、図15に示すように、
マスターレーザ12を直接周波数変調して第1及び第2
マスターレーザ31の出力光を安定化する構成としても
良い。また、図16に示すように、第1マスタレーザの
出力光の安定化に、マスターレーザ12の周波数安定度
向上に向け、線形吸収セル3の代わりに飽和吸収分光を
応用した非線形吸収セル4を用いた場合であっても良
い。
【0068】いずれも第1マスターレーザ30の出力光
の安定化において、吸収線近傍での微少変調を用いて位
相検波し、吸収線の中心周波数に安定化される。そし
て、それぞれ一部が2次周波数基準39の安定化に使用
される。なお、図13は、2次周波数基準39にキャビ
ティーの透過特性をイメージした図を示しているが、反
射特性でも同様に使用できる。反射特性の場合は、透過
特性と上下反転対称になり、透過特性極大値が反射特性
極小側になり、周波数基準にはこの極点が周波数確度か
らも望ましい。また、当然のことながらそれぞれのレー
ザの出力光は独立に使用可能であり、2次周波数基準3
9の周波数設定の確度で充分な場合は、特にスレーブレ
ーザ13が不要になることもあり得る。
【0069】ここで、2次周波数基準39として、透
過、反射周波数間隔を比較的簡単に調整できるファブリ
ペロ干渉計の場合について説明する。透過、反射周波数
間隔はフリースペクトラルレンジ(FSR)で表され、 FSR=c/2nL となる。
【0070】ここで、cは光速、Lはミラー間隔、nは
ミラー間の屈折率である。FSRが25GHzの場合、
ミラー間隔は6nm、50GHzの場合は3mm、10
0GHzの場合は1.5mm、200GHzの場合は
0.75mmとなり、簡側に調整できるサイズとなって
いる。リング共振器の場合も同様に利用可能となるが、 FSR=c/nL となる。
【0071】これは反射部の間隔でFSRが決定される
ことを考えれば理解しやすい。なお、コンフォーカルキ
ャビティーの場合、FSRはc/4nLとなる。当然の
ことながら、コンフォーカルキャビティーも使用可能で
あるが、このサイズでは調整上、やや使いにくい。本実
施形態の装置構成を採用すると、いずれかの周波数で第
1マスターレーザ30の発振周波数が安定化すると、そ
の第1マスターレーザ30の安定化周波数を含み、2次
周波数基準39の光の周波数特性が確保されれば、任意
の周波数でのオフセットロックが実現される。
【0072】このため、本実施形態の周波数安定化半導
体レーザ装置を使用することで、WDM用コム周波数安
定化光源が実現できるという利点が生じる。周波数コム
に関しては、アンカー周波数を、エルビウムドープファ
イバ増幅器(EDFA)のフラットゲイン帯域(幅は約
2THzで25nmに相当)の中央193100GHz
(1552.5nm)とし、周波数グリッドを25GH
zに設定することが提案されている(例えば、M.Te
shima,M.Koga,and K.Sato,O
pt.Lett.22,126(1997)参照)。周
波数グリッドに関しては、他に50GHz、100GH
z、200GHzが提案されている。
【0073】次に、第3実施形態について図面を参照し
つつ説明する。なお、上記実施形態等と同様な部品など
については同一の符号を付して説明する。本実施形態
は、第1実施形態に基づくコム周波数安定化用の周波数
安定化半導体レーザ装置の例である。本実施形態では、
50〜100波程度の安定化が容易となる。
【0074】図18が、本実施形態に係る周波数安定化
半導体レーザ装置を示す構成図である。図12に示され
るように、マスターレーザ12とスレーブレーザ13と
の組を複数組有し、各組におけるマスターレーザ12の
出力光とスレーブレーザ13の出力光とが個別の光ファ
イバカップラ50(光合波手段)で合波されて個別の受
光器15(検波手段)で検波され、各受光器15で検波
されたビート信号fBEATは、個別の追従制御手段Bによ
って各スレーブレーザ13の出力光の発振周波数が、そ
れぞれ個別に各マスターレーザ12の出力光の発振周波
数にオフセットロックして安定化される。
【0075】各追従制御手段Bは、上記第1実施形態で
説明した構成となっている。また、各マスターレーザ1
2の出力光についても、第1実施形態で説明した基準出
力光安定化手段Aで安定化することで、各スレーブレー
ザ13の安定化が向上する。このとき、吸収セルのガス
として、アセチレンガス(122 2 132 2)や
シアンガス(H12CN、H13CN)を用い、これらの吸
収線にレーザを安定化すれば、前述のEDFAフラット
ゲイン周波数近傍でのマスターレーザ12群が得られ
る。これにスレーブレーザ13をオフセットロックすれ
ば、WDM用のコム周波数安定化光源が実現できる。得
られる周波数安定度はそれぞれ前述のとおりである。
【0076】ちなみにこの場合は、周波数基準の数にコ
ム周波数の数が制限されることになるが、前述のよう
に、第1マスターレーザ30に複数の第2マスターレー
ザ31を複数オフセットロックすれば、この問題はある
程度回避できる。また、各マスターレーザ12単位に周
波数基準となる吸収セルを異ならしても良い。また、次
に述べるよう第4実施形態のように、第2周波数基準を
用いれば、この問題からは解放される。
【0077】次に、第4実施形態について図面を参照し
つつ説明する。本実施形態は、上記第2実施形態をコム
周波数安定化用の周波数安定化半導体レーザ装置に適用
した実施例である。この方法では、図13の周波数関係
が成り立つ。図19が本実施形態を示す構成図であっ
て、2つのAWG波長合分波器51,51(Array
ed Waveguide Gratings)を2次
周波数基準39の前後に挿入することにより、多波長一
括周波数安定化光源を実現可能とするものである。
【0078】すなわち、1個の第1マスターレーザ30
と、一群の複数の第2マスターレーザ31と、光共振器
からなる2次周波数基準39、2次周波数基準39を第
1マスターレーザ30の出力光に安定化する2次周波数
基準安定化手段Cと、上記一群の複数の第2マスターレ
ーザ31の発振周波数を上記2次周波数基準39に安定
化させる2次基準複数出力光安定化手段Eと、一群のス
レーブレーザ13と、上記2次周波数基準39の前後の
光路に介挿されて上記2次基準複数出力安定化手段の一
部である2つのAWG波長合分波器51,53と、AW
G波長合分波器51で合波された一群の第2マスターレ
ーザ31の出力光を分波する第3のAWG波長合分波器
54と、光ファイバカップラ50と、各スレーブレーザ
13を対応する第2マスターレーザ31の出力光にオフ
セットロックする複数の追従制御手段Bと、を備える。
【0079】上記2次周波数基準安定化手段Cは、上記
実施形態で説明した構成と同じ構成となっていて、第1
マスターレーザ30の発振周波数に2次周波数基準39
の基準周波数の一つを安定化させる。また、2次基準複
数出力光安定化手段Eは、上記安定化された2次周波数
基準39の複数の基準周波数の各々に一群の第2マスタ
ーレーザ31の出力光をそれぞれ安定化させるものであ
って、2つのAWG波長合分波器51,53、発振器3
5、外部変調器34、上記2次周波数基準39、受光器
40、ロックインアンプ37、フィードバック回路38
とを備える。
【0080】一群の第2マスターレーザ31の出力光
は、全て第1のAWG波長合分波器51に入力する。A
WG波長合分波器51からの出力は、光ファイバカップ
ラ52で分光され、その一部は外部変調器34を介して
2次周波数基準39に透過させて当該2次周波数基準3
9の光学特性(透過あるいは反射特性)のおのおの異な
る極値に安定化する。
【0081】すなわち、外部変調器34は、音響光学変
調器(AO)や電気光学変調器(EO)等から構成され
て、発振器35からの基準信号に基づき、入力した出力
光を、周波数変調あるいは位相変調して2次周波数基準
39の中心周波数近傍で微少変調させ、その変調させた
変調信号を参照信号として、2次周波数基準39に出力
する。2次周波数基準39からの透過光は、第2のAW
G波長合分波器53で分波され、その各出力光は、それ
ぞれ受光器40(光検波器)に入力され、該受光器40
で電気信号に変換される。その各電気信号は、ロックイ
ンアンプ37によって上記位相基準信号を基準に同期検
波されて、フィードバック回路38に出力される。フィ
ードバック回路38は、その同期検波された信号が一定
になるように、PID制御(比例:P、積分:l、微
分:D)を行い、それぞれ対応する第2マスターレーザ
31の駆動電流等を制御する。これによって、第2マス
ターレーザ31の出力光は、それぞれ2次周波数基準3
9の周期的に存在する複数の周波数基準の光学特性(透
過あるいは反射特性)のおのおの異なる極値に安定化さ
れる。
【0082】ここで、2次周波数基準39の極値を示す
周波数は、コム周波数間隔に一致させておく。また、上
記一群の第2マスターレーザ31の出力光をカップラ5
2で分光した他方は、第3のAWG波長合分波器54に
入力し、一群の第2マスターレーザ31の出力光に分波
される。その分波した各出力光は、それぞれ光ファイバ
カップラ50によって各スレーブレーザ13の出力光と
合波された後に個別の受光器15で電気信号(ビート信
号fBEAT)に変換されて、それぞれ個別の追従制御手段
Bによって任意の周波数にオフセットロックされる。
【0083】各追従制御装置Bの構成は、上記実施形態
と同様である。なお、一群の第2マスターレーザ31の
出力光だけを、周波数安定化半導体レーザ装置の出力と
して使用することも可能であるが、WDM用光源にする
ためには、それぞれ周波数の微調整が必要であり、上述
のようなオフセットロックが不可欠となる。これがスレ
ーブレーザ13を必要とする理由である。第2周波数基
準の光学特性が観測できさえすれば、どの周波数であろ
うと任意の場所にオフセットロックが可能になる。
【0084】ちなみに、このような構成をとると、2次
周波数基準39の光耐性内での100波入力でないと、
系そのものが実現困難となることが懸念されるが、それ
ぞれの光のパワーが−20〜−10dBmで充分動作す
ることが確認できているので、問題はない。また、AW
G波長合分波器の透過中心周波数の調整は、3dBパス
バンド幅が0.3〜1.3nmと広く、透過中心周波数
の温度依存性が〜10-5mm/℃であるため、使用前の温
度設定だけで充分機能する。
【0085】なお、第1マスターレーザ30の出力光
は、上述の基準出力安定化手段で周波数を安定化してお
く。次に、第5実施形態について図面を参照しつつ説明
する。図20は、本実施形態に係る周波数安定化半導体
レーザ装置を示す構成図である。
【0086】本実施形態は、上記第4実施形態の簡易版
であって、光共振器の代わりに、第2のAWG波長合分
波器53そのものを2次周波数基準とするものである。
AWG波長合分波器は、3dBパスバンド幅が広いた
め、安定度は低くなってしまうが、ファブリペロ干渉計
など、2次周波数基準としてのキャビティの使用を省略
できる利点がある。
【0087】第1マスターレーザ30の出力光を、一群
の第2マスターレーザ31と同様に第1のAWG波長合
分波器51に入力した後、その出力光を光ファイバカッ
プラ52で分光し、その2つの出力光を次段の2つのA
WG波長合分波器53,54にそれぞれ入力する。上記
AWG波長合分波器51の出力の一方は、外部変調器3
4で周波数(位相)変調した後に第2のAWG波長合分
波器53に入力し、上記出力の他方は、無変調で第3の
AWG波長合分波器54に入力するものとする。
【0088】変調が施された出力光は位相検波し、第2
のAWG波長合分波器53の温度制御に用い、第1マス
ターレーザ30の発振周波数に第2AWG波長合分波器
53の透過周波数の一つを安定化する。なお、本実施形
態では、第2マスターレーザ31の安定化のための光路
と、2次周波数基準としての第2のAWG波長合分波器
53の安定化のための光路を同一としているが、別光路
としても良い。
【0089】第2マスターレーザ31の周波数安定化
は、第1マスターレーザ30がAWG波長合分波器53
の安定化を行ったのと同様に位相検波し、その出力をレ
ーザの電流にフィードバックして実現する。ここで、第
1のAWG波長合分波器51、発振器35、ロックイン
アンプ6、受光器5、フィードバック回路60が合分波
器安定手段Fを構成し、第1及び第2のAWG波長合分
波器51,53、発振器35、及び、各第2マスターレ
ーザ31に対応するロックインアンプ37、受光器4
0、フィードバック回路38が、第2の2次基準複数出
力光安定化手段Gを構成している。
【0090】一方、第3のAWG波長合分波器54から
出力される無変調の出力光はスレーブレーザ13のオフ
セットロックに利用される。スレーブレーザ13のオフ
セットロック、つまり追従制御手段Bは、上記第4実施
形態と同様であるので省略する。これにより得られる安
定度は10-9程度である。
【0091】ちなみに、第2のAWG波長合分波器以外
のAWG波長合分波器は、使用前の温度設定だけでよ
い。
【0092】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、任意の発振周波数にスレーブレーザをオフセットロ
ックすることが可能となる。このとき、請求項2の発明
を採用すると、原子や分子の絶対周波数を基準とした高
精度な周波数安定度が得られる。
【0093】また、25GHz、50GHz、100G
Hz、200GHzといった一定の周波数間隔で周波数
安定化光源が得られるため、WDM用のコム周波数安定
化光源が実現できる。また、マスターレーザと波長が倍
程、異なるスレーブレーザ13についても、何の差し障
りもなくオフセットロックが実現できる。
【0094】さらに、単独の周波数安定化のみならず、
50〜100波長の一括周波数安定化が可能となる。光
の周波数スイーパにオフセットロックされて追従する光
源や、所望の光の周波数を、絶対周波数基準にオフセッ
トロックし、すべて、あるいは一部の光源を用いて、コ
ム周波数を構成することが可能になる。特に、波長多重
通信(WDM)用の周波数安定化光源に密接に関わり、
エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)に代表さ
れる光ファイバ増幅器(OFA)と共に用いることがで
きる。
【0095】例えば、EDFAゲインフラット周波数の
中央から、高周波、低周波の双方で等周波数間隔で発振
するコム周波数光源が簡単に実現できる。また、周期分
極反転(PPLN)技術を用いた波長変換技術が注目さ
れているが、光源の安定度が変換光にそのまま影響する
ため、波長多重度が増せば増す程、安定度に要求される
精度は厳しくなる。励起光と信号光を独立した光源から
供給する場合には、特に本発明が有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、線形吸収セルを使用すると共に、半導体
レーザを直接変調方式の図である。
【図2】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、非線形吸収セル4を使用すると共に、半
導体レーザを直接変調方式の図である。
【図3】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、光共振器を使用すると共に、半導体レー
ザを直接変調方式の図である。
【図4】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、マスターレーザを周波数基準として使用
する図である。
【図5】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、線形吸収セルを使用すると共に、半導体
レーザを外部変調器で変調する方式の図である。
【図6】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、非線形吸収セルを使用すると共に、半導
体レーザを外部変調器で変調する方式の図である。
【図7】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、光共振器を使用すると共に、半導体レー
ザを外部変調器で変調する方式の図である。
【図8】従来の周波数安定化半導体レーザ装置を示す構
成図であって、マスターレーザを周波数基準として使用
する図である。
【図9】周波数弁別特性の模式及び帰還周波数幅を示す
図である。
【図10】周波数基準の中心周波数とレーザ安定化後の
発振周波数を説明する図である。
【図11】本発明に基づく第1実施形態に係る周波数安
定化半導体レーザ装置の構成図である。
【図12】本発明に基づく第1実施形態に係る周波数安
定化半導体レーザ装置の別の構成図である。
【図13】周波数基準の中心周波数とレーザ安定化後の
発振周波数を説明する図である。
【図14】本発明に基づく第2実施形態に係る周波数安
定化半導体レーザ装置の構成図である。
【図15】本発明に基づく第2実施形態に係る周波数安
定化半導体レーザ装置の別の構成図である。
【図16】本発明に基づく第2実施形態に係る周波数安
定化半導体レーザ装置の別の構成図である。
【図17】ダブルバランスドミキサを使用した周波数弁
別器における周波数弁別特性の実測例を示す図である。
【図18】本発明に基づく第3実施形態に係る多波長一
括周波数用の安定化半導体レーザ装置の構成図である。
【図19】本発明に基づく第4実施形態に係る多波長一
括周波数用の安定化半導体レーザ装置の構成図である。
【図20】本発明に基づく第5実施形態に係る多波長一
括周波数用の安定化半導体レーザ装置の構成図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ1 2 発振器 3 線形吸収セル 4 非線形吸収セル 5 受光器 6 ロックインアンプ 7 フィードバック回路 8 偏光ビームスプリッタ 9 1/4波長板 10 ミラー 11 光共振器 12 マスターレーザ 13 スレーブレーザ 14 ビームスプリッタ 15 受光器 16 周波数弁別器 16a ミキサ 16b 方向性結合器 16c 遅延回路 17 外部変調器 20 フィードバック回路 21 ビームスプリッタ 22 周波数変換器 22a ミキサ 23 スペクトラムアナライザ 24 基準発振器 25 バンドパスフィルタ(またはローパスフィルタ) 30 第1マスターレーザ 31 第2マスターレーザ 32 ロックインアンプ 33 フィードバック回路 34 外部変調器 35 発振器 36 受光器 37 ロックインアンプ 38 フィードバック回路 39 2次周波数基準 40 受光器 41 ビームスプリッタ 50 光ファイバカップラ 51 第1のAWG波長合分波器 52 光ファイバカップラ 53 第2のAWG波長合分波器 54 第3のAWG波長合分波器 A 基準出力光安定化手段 B 追従制御手段 C 2次周波数基準安定化手段 D 2次基準出力光安定化手段 E 2次基準複数出力光安定化手段 F 合分波器安定化手段 G 第2の2次基準複数出力光安定化手段 fMA マスターレーザの発振周波数 fSL スレーブレーザの発振周波数 fBEAT ビート信号の周波数 fC 周波数弁別器の零点周波数 fSY 基準発振器の発振周波数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 博之 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5F073 EA03 FA01 GA03 GA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準となるマスターレーザと、スレーブ
    レーザと、上記マスターレーザからの出力光とスレーブ
    レーザの出力光とを合波する光合波手段と、該光合波手
    段で合波された信号を検波してビート信号を出力する光
    検波手段と、スレーブレーザの発振周波数がマスターレ
    ーザの発振周波数から所定周波数だけオフセットした周
    波数となるように、上記ビート信号に基づきスレーブレ
    ーザの発振周波数をマスターレーザの発振周波数に追従
    制御する追従制御手段とを備えた周波数安定化半導体レ
    ーザ装置において、 上記追従制御手段は、オフセット周波数信号を出力する
    基準発振器と、基準発振器からの信号と上記ビート信号
    とを入力する周波数変換器と、周波数変換器の出力を入
    力する周波数弁別器と、周波数弁別器が出力する誤差信
    号をスレーブレーザにフィードバックするフィードバッ
    ク回路とを備えることを特徴とする周波数安定化半導体
    レーザ装置。
  2. 【請求項2】 上記マスターレーザの発振周波数を、原
    子や分子の遷移を利用した1次周波数基準に安定化する
    基準出力光安定化手段を備えることを特徴とする請求項
    1に記載した周波数安定化半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 上記マスターレーザを、第1マスターレ
    ーザと第2マスターレーザとから構成し、上記光合波手
    段は、第2マスターレーザの出力光とスレーブレーザの
    出力光を合波する構成にすると共に、 上記第1マスターレーザの発振周波数を、原子や分子の
    遷移を利用した1次周波数基準に安定化する基準出力光
    安定化手段と、光共振器で構成される2次周波数基準
    と、2次周波数基準の光学特性の極値を示す複数の周波
    数のいずれか一つを第1マスターレーザの発振周波数に
    安定化する2次周波数基準安定化手段と、上記第2マス
    ターレーザの出力光の発振周波数を、上記2次周波数基
    準の光学特性の極値を示す複数の周波数のいずれか一つ
    に安定化する2次基準出力光安定化手段とを備えること
    を特徴とする請求項1に記載した周波数安定化半導体レ
    ーザ装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずかの構成
    からなる複数の周波数安定化半導体レーザ装置の組から
    なり、各組におけるマスターレーザの出力光とスレーブ
    レーザの出力光とは、それぞれ光合波手段を構成する光
    ファイバカップラで合波されることを特徴とする周波数
    安定化半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 第1マスターレーザと、複数の第2マス
    ターレーザと、複数のスレーブレーザと、光共振器から
    なる2次周波数基準と、2次周波数基準の光学特性の極
    値を示す複数の周波数のいずれか一つを第1マスターレ
    ーザの発振周波数に安定化する2次周波数基準安定化手
    段と、上記複数の第2マスターレーザの出力光の発振周
    波数を、上記2次周波数基準の光学特性の極値を示す複
    数の周波数のそれぞれに安定化する2次基準複数出力光
    安定化手段と、上記複数の第2マスターレーザの出力光
    と上記複数のスレーブレーザの出力光とをそれぞれ合波
    する複数の光合波手段と、各光合波手段からビート信号
    に基づき対応するスレーブレーザの発振周波数を対応す
    る第2マスターレーザの発振周波数に追従制御する複数
    の追従制御手段とを備え、 上記各追従制御手段は、それぞれ、オフセット周波数信
    号を出力する基準発振器と、基準発振器からの信号と上
    記ビート信号とを入力する周波数変換器と、周波数変換
    器の出力を入力する周波数弁別器と、周波数弁別器が出
    力する誤差信号をスレーブレーザにフィードバックする
    フィードバック回路とを備えることを特徴とする周波数
    安定化半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 第1マスターレーザと、複数の第2マス
    ターレーザと、複数のスレーブレーザと、上記複数の第
    2マスターレーザからの出力光を合波する第1のAWG
    波長合分波器と、第1のAWG波長合分波器の出力を入
    力し2次周波数基準を構成する第2のAWG波長合分波
    器と、上記第1のAWG波長合分波器の出力を入力する
    第3のAWG波長合分波器と、上記第2のAWG波長合
    分波器の透過周波数を第1マスターレーザの発振周波数
    に安定化する合分波器安定化手段と、上記第2のAWG
    波長合分波器の複数の透過周波数に基づき上記各第2マ
    スターレーザの出力光の発振周波数を安定化させる第2
    の2次基準複数出力光安定化手段と、上記第3のAWG
    波長合分波器から出力される複数の出力光と対応するス
    レーブレーザからの出力光とをそれぞれ合波する複数の
    光合波手段と、各光合波手段からビート信号に基づき対
    応するスレーブレーザの発振周波数を対応する第2マス
    ターレーザの発振周波数に追従制御する複数の追従制御
    手段とを備え、 上記各追従制御手段は、それぞれ、オフセット周波数信
    号を出力する基準発振器と、基準発振器からの信号と上
    記ビート信号とを入力する周波数変換器と、周波数変換
    器の出力を入力する周波数弁別器と、周波数弁別器が出
    力する誤差信号をスレーブレーザにフィードバックする
    フィードバック回路とを備えることを特徴とする周波数
    安定化半導体レーザ装置。
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