JP2000150194A - 電子ビーム励起プラズマ発生装置 - Google Patents

電子ビーム励起プラズマ発生装置

Info

Publication number
JP2000150194A
JP2000150194A JP10318487A JP31848798A JP2000150194A JP 2000150194 A JP2000150194 A JP 2000150194A JP 10318487 A JP10318487 A JP 10318487A JP 31848798 A JP31848798 A JP 31848798A JP 2000150194 A JP2000150194 A JP 2000150194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
discharge
electron beam
sample
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10318487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2965293B1 (ja
Inventor
Makoto Riyuuji
真 龍治
Takeshi Hasegawa
猛 長谷川
Masahito Ban
雅人 伴
Yukitaka Mori
幸隆 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP10318487A priority Critical patent/JP2965293B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2965293B1 publication Critical patent/JP2965293B1/ja
Priority to US09/435,768 priority patent/US6211622B1/en
Publication of JP2000150194A publication Critical patent/JP2000150194A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32321Discharge generated by other radiation
    • H01J37/3233Discharge generated by other radiation using charged particles

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より大きな面積の試料が作成でき、また効率
良く試料を作成できる電子ビーム励起プラズマ装置を提
供する。 【解決手段】 放電部2から隔室4を経由してプラズマ
プロセス室3内に電子ビームを引き出す引出し隘路42
が放射状に複数個備えられ、プロセス室3内に複数の加
速電極36,37が配設されていて、引出し隘路42か
らの電子引出し方向が試料面35に対してほぼ平行にな
りかつプラズマの分布が適当に制御できることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビーム励起プ
ラズマ発生装置の構造に関し、特に電子ビームにより反
応性ガスをプラズマ化して試料に作用させるプロセス室
およびその周辺部分の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビーム励起プラズマ装置は、プラズ
マプロセシング、すなわちプラズマイオンプレーティン
グ、プラズマCVD、プラズマスパッタリング、プラズ
マエッチングなどに広く用いられている。電子ビーム励
起プラズマ装置は、不活性ガスをプラズマ化して発生さ
せた放電プラズマが充満する放電室と、加速電極で放電
プラズマから隘路を通って引出し加速した電子ビームで
反応性ガスをプラズマ化して各種の反応を起こさせるプ
ロセス室とを備える。
【0003】よく知られた放電室は、カソードと中間電
極と放電電極と加速電極が配置され、カソードと放電電
極の間に放電用電圧を印加するとカソードで放出された
熱電子がカソード部に供給される不活性ガスに作用して
放電プラズマを発生し、中間電極と放電電極の間の放電
室に充満するので、放電電極と加速電極の間に加速電圧
を印加すると、放電室の放電プラズマから電子が引き出
され加速されて大電流の電子ビームをプロセス室に供給
するようになっている。
【0004】プロセス室にはシランガス、メタンガスな
ど反応プロセスの必要に応じた各種の材料ガスが供給さ
れていて、電子ビームが反応性材料ガスをプラズマ化
し、生成した活性種(ラジカル)を基板上に堆積した
り、プラズマ電位と試料表面電位の差に応じてプラズマ
中のイオンを試料に対して垂直に打ち込むなどして、プ
ロセス室内に載置された試料の表面に各種のプラズマ処
理を行う。
【0005】試料面に垂直な方向に電子ビームを加速し
て打ち込む形式の電子ビーム励起プラズマ装置において
は、プロセス室内のガス圧が低いと高エネルギービーム
成分が試料に直接入射して試料表面の物理的エッチング
作用が大きくなり表面の損傷を生じたり、成膜プロセス
ができなくなる。また試料表面の浮遊電位が試料全体に
わたって分布を生じるため、例えばDRAMエッチング
の場合ゲート酸化膜の劣化あるいは破壊などの欠陥が生
じてしまう。
【0006】これらの問題に対しては、ガス圧を上げて
ガス分子との衝突回数を増やしたり、電子ビーム入射口
と試料間の距離を大きくして、高エネルギービーム成分
を減衰させることが有効である。しかし、ガス圧を上げ
ると、電子のエネルギーの分布を反映して、プラズマ密
度が軸中心に近いほど高くなり、試料表面におけるプラ
ズマ反応の均一性が悪化する問題が生じる。また、距離
を大きくすることは装置が大きくなり好ましくない。
【0007】一方、試料面に対して平行な方向に電子ビ
ームを加速して高エネルギービーム成分が試料に直接入
射しないようにしたビーム平行打ち込み型電子ビーム励
起プラズマ装置がある。この装置では、試料面がプロセ
ス室内の電子ビームの軸と平行に設置されていて高エネ
ルギービーム成分が試料に直接入射しないため、試料表
面の浮遊電位は緩やかな分布を有する。
【0008】しかし、プラズマ密度は加速電極に近い方
が大きく電極から離れるに従って低下するため、試料面
の電子ビーム上流側と下流側で成膜等の速度が異なり膜
質等が均質にならないという問題がある。また、特に大
面積の試料を製作することが困難である。なお、上記い
ずれの型式の装置も単数の引出し隘路を通して電子が供
給されるため生成されるプラズマ密度の限界があった。
【0009】上に説明したように、電子ビーム励起プラ
ズマ装置の技術分野において、イオン衝撃作用の適正化
を図りより大きな面積の試料を作成できるようにするこ
と、また材料プラズマの密度を上げるとともに均一性を
向上させて効率良く試料を作成できるようにすることが
従来から課題とされてきた。
【0010】このような課題を解決するものとして、本
願出願者の出願に係る特願平10−98527に新しい
リング型電子ビーム励起プラズマ装置(RSEBEP)
が開示されている。図100は上記文献に開示されたリ
ング型電子ビーム励起プラズマ装置を表すもので、放電
プラズマが充満する放電室から電子を引出す引出し隘路
が放射状に複数個、電子引出し方向が放電部への電子入
射方向に対してほぼ垂直になるように設けられ、プロセ
ス室内に設けられた加速電極により電子ビームを引出し
加速してプロセス室内の材料ガスをプラズマ化して、電
子引出し方向に対してほぼ平行に設置された試料面に作
用させることができる。
【0011】上記文献に開示されたリング型電子ビーム
励起プラズマ装置は、多数の引出し隘路がプロセス室に
突出した部分に放射状に配置されているので、放電室か
ら大電流の電子流を引き出しプロセス室内のプラズマ密
度を高くしてプラズマ反応の効率を向上させることがで
きる上、高エネルギービーム成分が試料表面に直接衝突
しないので不均質な物理的エッチング作用等を排除する
ことができるため、大面積試料に対しても均質な処理が
可能となる。
【0012】また、内壁と別に加速電極を設けているた
め、プロセス室の内壁に流入するプラズマが少なくなり
内壁温度の上昇を抑えることができるので、壁からの不
純物の発生やその不純物の成膜中への混入を防げる。な
お、加速電極を自己発熱するようにしたものは、メタン
をプロセスガスとした場合などに成膜として加速電極に
付着する絶縁性のDLC(ダイヤモンドライクカーボ
ン)を変質させ、導電性のグラファイトに変えることが
できるので、安定した放電を長時間にわたって維持する
ことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記リング型
電子ビーム励起プラズマ発生装置では、プラズマの均一
性を確保するため試料台と放電電極の電子引出し口との
距離を十分大きく取る必要があり、大きな面積を持った
試料を扱うときにはプラズマ密度が低下するため成膜速
度が十分上がらない。また、大面積試料を扱うために電
子引出し口と加速電極の距離を大きくすると、成膜速度
を上げようとして高圧力の材料ガスを使用したときに加
速が不安定になる。このように、対象にする試料面積に
限界があり成膜速度の高速化にも制限がある。
【0014】また、放電プラズマを発生する放電部を1
基しか持たないものでは、投入できるパワーに限界があ
り、成膜速度を上げることができなかったばかりでな
く、隘路部分にパワーが集中するため、隔壁が損傷を受
けることがあった。また従来装置はパワーが小さいため
プロセスガスの分解効率が悪く、ガスが無駄になること
により生産コストを上昇させていた。また、プラズマ分
布に制約があり、円形試料の場合のみしか比較的均一な
表面作用をさせることができず、大型の方形ガラス基板
などを処理することが困難であった。
【0015】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、電子ビーム励起プラズマ装置において、より大きな
面積を持つ試料に対してより高速に成膜処理を行えるよ
うにすることであり、また、円形以外の試料に対しても
無駄が少ない処理ができるようにすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明第1の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、
放電プラズマを生成する放電室と反応性ガスのプラズマ
化をするプロセス室との間に放電プラズマを充満し電子
を引き出す複数の隘路を有する隔室を介装し、プロセス
室内に複数の加速電極を設けたことを特徴とし、隔室は
プロセス室に突出し隘路が試料表面に対してほぼ平行に
電子が噴出するようになっていて、加速電極が隘路を通
して放電プラズマから電子を引き出し加速して反応性ガ
スのプラズマ密度分布を調整して試料台上の試料面に作
用させるようにしたものである。
【0017】また、上記課題を解決するため、本発明第
2の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、室内に加速電
極を設けたプロセス室と放電室の間にプロセス室に突出
し複数の隘路を有する隔室を介装し、試料面とほぼ平行
で隘路を含む電子引出面内に磁場強度が極小になる場所
がくるような磁場強度分布を生成する磁場印加機構を備
えたことを特徴とし、隘路から噴出する電子が試料の表
面に対してほぼ平行になるようになっていて、加速電極
が隘路を通して放電プラズマから電子を引き出し加速し
て反応性ガスのプラズマ密度分布を調整して試料台上の
試料面に作用させるようにしたものである。
【0018】さらに、本発明第3の電子ビーム励起プラ
ズマ発生装置は、プロセス室と放電室の間にプロセス室
に突出し複数の隘路を有する隔室を介装し、隔室のプロ
セス室側表面で隘路に隣接した部分またはさらに隘路表
面に加速電極を形成したことを特徴とし、隘路から噴出
する電子が試料の表面に対してほぼ平行になるようにな
っていて、加速電極が隘路を通して放電プラズマから電
子を引き出し加速して反応性ガスのプラズマ密度分布を
調整して試料台上の試料面に作用させるようにしたもの
である。
【0019】また、本発明第4の電子ビーム励起プラズ
マ発生装置は、加速電極が設けられているプロセス室と
放電室の間にプロセス室に突出し複数の隘路を有する隔
室を介装し、加速電極がプロセスを供給するガス供給口
を兼ね備えることを特徴とし、隘路から噴出する電子が
試料の表面に対してほぼ平行になるようになっていて、
加速電極が隘路を通して放電プラズマから電子を引き出
し加速して反応性ガスのプラズマ密度分布を調整して試
料台上の試料面に作用させるようにしたものである。
【0020】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置
によれば、ガン位置と試料台表面の距離を大きく取らな
くても、広い領域に亘って均質な高濃度プラズマを発生
させて、大きな面積を有する試料に対して高速なプラズ
マ処理を行うことができる。また、プラズマの形状を調
整して大型角形基板などにも対処することができる。さ
らに、プラズマ中の活性種を制御すれば、任意の堆積ス
ケジュールに従った薄膜形成ができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子ビーム励
起プラズマ発生装置の実施の形態を、図面を用い実施例
に基づいて詳細に説明する。
【0022】
【実施例1】図1から図6は本発明の電子ビーム励起プ
ラズマ発生装置の第1実施例を説明する断面図である。
図1を参照すると、本実施例の電子ビーム励起プラズマ
発生装置は、カソード室1と放電室2とプロセス室3お
よび隔室4が鉛直方向に配置されている。カソード室1
と放電室2は中間電極13で隔てられている。カソード
室1には、熱電子を放出するフィラメントを備えたカソ
ード11が設けられ、またガスノズル12が設けられア
ルゴンガスAr等の不活性ガスが供給される。中間電極
13は、中央に連通孔14を備えて不活性ガスと電子が
放電室2に流入できるようになっている。中間電極13
には、1対の空芯コイル15が連通孔14に対して同軸
に仕込まれている。
【0023】放電室2は中間電極13と放電電極23の
間に形成される空間をいい、放電電極23は中間電極1
3の直下、隔室4の直上に位置する。カソード11と放
電電極23により供給される電子流により、放電室2内
で不活性ガスのプラズマが生成される。また、放電電極
23の内部には空芯コイル17が埋め込まれており、中
間電極13の隘路14を通過した電子流の大部分が直接
放電電極23に流入せずに放電電極23の隘路を通過し
て隔室4内に流入するようになっている。
【0024】隔室4はプロセス室3中に突出する筒状の
形状を有し、流入した電子流により生成された放電プラ
ズマ44が充満する。プロセス室3と隔てる隔壁41の
円周部分には多数の連通孔42が設けられ電子ビームの
ための引出し隘路を形成している。引出し隘路42は図
中水平方向に電子ビームを放出する方向に開口してい
る。
【0025】プロセス室3には、独立した複数の加速電
極36,37と、プロセスガスを導入するガスノズル3
2と、図外の真空装置につながる排気口33が設けられ
ている。加速電極36,37は隔室4の周囲を巡るリン
グ型電極で、引出し隘路42に対向する位置に設けら
れ、空洞になったリング内部には冷却水あるいは熱媒体
が流されていて、プロセス工程前の脱ガスやプロセス工
程中の電極冷却を行うことができる。一方、カーボン系
の絶縁性膜を成膜する場合は、加速電極を400℃以上
に加熱して付着する膜を導電性に変性して電子加速性能
を維持できるようにする。また、隔室4に対向する位置
に試料ホルダ34が設けられている。試料ホルダ34は
試料35を載置して回転したり上下方向に動かすことが
できる構造になっている。
【0026】上記の各電極11,13,23,36,3
7は、直列に接続された加熱用電源51と放電用電源5
2と加速用電源53とから形成される外部の直流電源と
接続されていて、プラズマ形成とプラズマ反応に必要な
電流・電圧が供給されている。すなわち、加熱用電源5
1がカソード11のフィラメントに加熱電流を供給し、
カソード11と放電電極23の間に放電用電源52の両
端子が接続されていて両者の間に放電電圧を供給し、さ
らに、加速用電源53の陽極が加速電極37,38と接
続されていて隔室4中のプラズマ体44から電子を引き
出す加速電圧を供給する。なお、中間電極13は放電電
源52の陽極と抵抗器55とスイッチ56を介して接続
されている。また、試料ホルダ34は高周波電源装置5
4に接続されていて、適当なRFバイアスを印加するこ
とにより試料表面のイオン照射エネルギーを制御できる
ようになっている。
【0027】カソード室1にはプラズマ種となるアルゴ
ンガスが供給される。カソード11に加熱用電源51か
らの電流が流れると周囲に熱電子が放出され、アルゴン
ガスの供給下で放電電極23に放電用電源52の電圧が
かかると中間電極13の間に生じる初期放電を仲介とし
てカソード11と放電電極23の間に放電が生じる。な
お、中間電極13に仕込まれたコイル15の働きにより
電子流は十分細くなって連通孔14を通過する。このと
き放電電極23に仕込まれたコイル17の巻き方向と電
流により放電室2内の磁界分布を調整し、電子が放電電
極23のオリフィス16を通過し、隔室4に流入しカソ
ード室1から流入する不活性ガスを効率よくプラズマ化
させる。
【0028】材料ガスはプロセス室3に設けられたガス
供給口32から供給され排気口33から排出される。プ
ロセス室3内の圧力は図示しない圧力調整機構によりプ
ラズマ反応中一定に保たれる。放電電極23とプロセス
室3内に設けた複数の加速電極37,38の間に加速用
電源53の電圧を印加すると、引出し隘路42を介して
隔室4内のプラズマ44からプロセス室3に電子流が引
き出される。プラズマから引き出される電子流の流出方
向は放電室2における放電電流の方向に対してほぼ垂直
である。
【0029】隔室4内のアルゴン放電プラズマから引き
出された電子流が、プロセス室3内の材料ガス分子を電
離・解離しプラズマ状にしてプロセスプラズマを生成す
る。引出し隘路42は隔室4の周囲に多数設けられてお
り、さらにプロセス室3における電子ビームに占める高
エネルギー成分の割合が大きく、プロセスガスの電離・
解離効率が高いため材料プラズマの密度が高くなる。プ
ラズマ化した材料ガスは、試料台34に搭載された試料
35と反応してそれぞれの目的に応じた製品を形成す
る。
【0030】プロセス室の壁を加速電極としたり加速電
極が固定されている場合は、たとえば隔室4の直下にお
けるプラズマ密度が引出し隘路42近傍で高く外周に近
付くにつれて低下するような不均等な分布を示しても矯
正できないので、プラズマ密度の不均等を緩和して試料
表面近くで平坦な分布状態にするために隘路42と試料
35の間に適当な距離を取る必要があり装置が大型にな
る。
【0031】しかし、本実施例の電子ビーム励起プラズ
マ発生装置では、プロセス室3内に独立した複数の加速
電極36,37を備えるので、小型のプラズマ室を用い
ても室内のプラズマ密度分布を目的に即して調整するこ
とができる。なお、隔室4から引き出された電子流はプ
ロセス室3内の試料台34表面に平行に走行し電子流が
試料35の表面に直接的に衝突することはないから、試
料表面における浮遊電位は電子の流入による沈み込みが
少なくなり均一になる。従って、大きな面積を有する試
料を用いてもプラズマ反応は全面積に亘って均等で、十
分均質な製品を製作することができる。
【0032】特に、加速電極36,37の数やそれぞれ
の位置を適当に調整することにより、プラズマ密度分布
を好ましい状態にすることができる。たとえば図2に示
すように、直径の異なる2個の独立した加速電極36,
37を引出し隘路42に対して径方向に並べて配置する
と、それぞれの加速電極の近傍で電子密度が高くなるた
め、プロセスプラズマの密度が高い部分が広がり均質な
プラズマ処理ができる領域が拡大する効果がある。
【0033】また、図3に示すように、加速電極36,
37を真空ベローズを介して位置を調整する電極位置調
整機構38,39を備えて、電子流の広がりと電子密度
を調整しプラズマ密度分布を好ましい状態にするように
してもよい。例えば内側に設けた加速電極37を上方に
引き上げると中心に近い部分のプラズマ密度が薄くなる
ので、試料表面におけるプラズマ密度を均一化すること
ができる。なお、引出し隘路42は隔壁41の外周上高
さ方向に分散しないで所定の高さに沿って複数設けても
よい。引出し隘路42が1個の平面上に分布するように
構成すると所望のプラズマ分布を得るために加速電極3
6,37の配置等を調整するときに設計が容易になる。
【0034】さらに、図4に示す加速電極36,37は
それぞれ可変抵抗器57,58を介して加速電源53に
接続されている。抵抗値を調整することによりそれぞれ
に流れ込む電流値を制御してプロセス室3内のプラズマ
密度分布を変化させることができ、結果として試料表面
におけるプラズマ濃度を均一にすることができる。な
お、図5の回路図に示すように、加速電極36,37に
それぞれ独立に可変抵抗器を設ける代わりに1個の可変
抵抗器59の両側の端子に加速電極をそれぞれ接続し可
変端子に加速電源53を接続しても良い。このように接
続すると部品が少なくて済むばかりでなく、2個の加速
電極36,37の流入電流を一挙に調整することができ
る。
【0035】図6は、円筒状をした第1の加速電極36
を隘路42に対向する位置に設置し、穴あき円盤状をし
た第2の加速電極37を試料に対向する位置に設置した
例を示す配置例を示す。それぞれの加速電極に接続され
た抵抗器57,58を調整することにより流入電流値を
制御して隘路42から引き出す電子流の形状を調整し、
結果として試料表面におけるプラズマ密度を均一化する
ことができる。なお、中間電極13と放電電極23に仕
込まれた空芯コイル15,17の代わりに永久磁石を用
いてもよい。
【0036】
【実施例2】図7から図10は本発明の電子ビーム励起
プラズマ発生装置の第2実施例を説明する断面図であ
る。本実施例は第1実施例に対して複数の隔室を設ける
ようにした点に主たる差異があるものであり、構成要素
の殆どが共通するので、図1から図6と同じ機能を有す
る要素には同じ参照番号を付して説明を省略する。な
お、以降の実施例においても同様に、同じ参照番号を付
したものは同じ機能を有する要素を表すものとする。本
実施例に係る電子ビーム励起プラズマ発生装置は、複数
の隔室4をプロセス室3内に突設してあって、第1のリ
ング状加速電極36が内側に設置された隔室4を取り囲
むように設置され、第2のリング状加速電極37が外側
に設置された隔室4を囲んで設置されている。2個の加
速電極36,37は同じ高さに設置されている。
【0037】プロセスガスは各隔室4を取り囲むように
巡らされたリング型のシャワーノズル45,46,47
を通してプロセス室3内に供給される。供給されたプロ
セスガスは引出し隘路42と加速電極36,37の間の
プラズマ濃度の最も高い部分を通り試料35に達する。
このためプロセスガスの分解効率が高い。また、プロセ
スガスプラズマの広がりが大きくなるので、試料35の
面積が大きくても均質なプラズマ処理ができる。なお、
各隔室4毎にプロセスガスの種類を変えて複雑な処理を
行うことも可能である。
【0038】また、試料台34近傍のプラズマ濃度が余
り高くない位置に設けたリング状のシャワーノズル38
は、ガス分解が余り進まない方が好ましい種類のプロセ
スにおいてプロセスガスを供給するときなどに使用す
る。たとえば、メタンCH4はカーボン系膜を形成する
ときに使用されるが、分解の程度に従いCH3,CH2
CH,Cなどの活性な中性ラジカルやイオンとして存在
することが認められる。カーボン膜のうちでもDLC
(ダイヤモンドライクカーボン)膜を形成するときに
は、これらプラズマ粒子のうち分解程度の低いCH3
用いることが好ましい。また、太陽電池として使用する
微結晶シリコンを製造するときにはSiH4がプラズマ種
として用いられるが、分解が進んだSiHやSiH2では
欠陥密度が大きくなるため、最も分解程度が低いSiH3
を堆積することが好ましいとされている。
【0039】所望の膜質を得るためにはプラズマ中の活
性種の種類を制御する必要がある場合がある。プロセス
ガスの供給口が単一で固定されていると、プロセスガス
の解離度を調整することが困難で、目的毎に適合した膜
質を得るようにすることができない。本実施例の電子ビ
ーム励起プラズマ発生装置では、上記各種のガス供給口
を使い分けることにより、電子ビーム発生装置の運転条
件を変えずに試料表面に到達するプラズマ中の活性種の
種類や量を制御し、高品質の薄膜プロセスを実現するこ
とができる。
【0040】図8から図10は、本実施例で使用される
プロセス室内における隔室4と加速電極36,37の位
置関係を例示した平面図である。図8は図7に示した電
子ビーム励起プラズマ発生装置と対応する配設例を示す
ものである。3個の隔室4が直線上に配置され、4辺形
の第1加速電極36が中央の隔室4を囲い、さらに長方
形の第2加速電極37が全体を囲うように配設されてい
る。
【0041】放電室毎の投入パワーには限界があるた
め、放電室を1個だけ設けた構成では大きな試料に対し
て成膜速度を上げることは難しく、出力を増大させると
隘路にパワーが集中して隔壁の溶解や損傷が生じたりす
る場合がある。また方形の試料に対してプラズマ処理す
る場合には試料表面の隅々までプラズマ密度を均等にす
ることが困難である。図8の配置は液晶、太陽電池等の
長方形をした大面積試料に対して適合させたものであっ
て、多数の放電室を用い投入パワーを分散させて負荷の
集中を避け、さらに両加速電極36,37に印加する加
速電圧を調整したり加速電極の高さを調整することによ
り、方形の試料面全体に亘って均質なプラズマ密度分布
を得ることができる。さらに、図8の配置により生成さ
れる方形プラズマの軸に対して垂直の方向に一定速度で
試料を搬送しながら成膜することにより、超大型の基板
に均一成膜することも可能である。
【0042】図9は同心円状に配置された第1加速電極
36と第2加速電極37の間に6個の隔室4が等間隔に
配置された例を示すもので、同様な調整により円形の大
面積試料に対して均質な成膜が可能になる。また、図1
0は2個の隔室4を備えた電子ビーム励起プラズマ発生
装置で、隔室4の間に方形の第1加速電極36を配置
し、全体を囲んで方形の第2加速電極37を配置したも
のである。2個の隔室4に挟まれた部分ではプラズマ密
度が高くなりやすいので、第1加速電極36の働きを若
干抑えるなどして密度分布を均質化する。図8に示した
ものより小さな方形試料を処理する場合に使用すること
ができる。
【0043】
【実施例3】図11は、本発明の電子ビーム励起プラズ
マ発生装置の第3実施例を説明する断面図である。図1
2は、本実施例における隔室4と加速電極36,37の
位置関係を示した平面図である。プロセス室3にはリン
グ状をした第1加速電極36と第2加速電極37が同心
円状に配置され、その間にドーナツ型に隔室4が設置さ
れている。内側の隔壁41に設けられた引出し隘路42
から第1加速電極36に向かって、また外側の引出し隘
路42から第2加速電極37に向かって電子が引き出さ
れ加速されて、プロセス室3内のプロセスガスを解離電
離する。
【0044】ドーナツ型の隔室4には6個の放電室2が
等間隔に配設されており、各放電室2における放電電流
やガス流量を調整して隔室4内における放電プラズマ分
布を均一化している。また、加速電極36,37の高さ
を変化させることによりプラズマ分布を調整することも
できる。このように隔室4をドーナツ型に形成し、内部
のプラズマ強度を均一にすることにより、プロセス室3
内にセットされた試料表面付近におけるプロセスプラズ
マ濃度分布をより一層均質化することが可能となる。
【0045】
【実施例4】図13は本発明の電子ビーム励起プラズマ
発生装置の第4実施例を説明する断面図である。本実施
例の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、各引出し隘路
42と加速電極36,37の相対的な高さ関係を調整す
ることにより、試料35表面におけるプロセスプラズマ
の均一性を制御するものである。放電室2とプロセス室
3の間にはそれぞれ真空ベローズにより気密を保持した
状態で伸縮できる取付ノズル25が備えられ、放電室2
の下の延設された隔室4の引出し隘路42の高さを調整
することができるようになっている。隔室4は適度な長
さを有し、引出し隘路42がプロセス室3内に露出する
ようになっている。引出し隘路42毎の高さを変えるこ
とにより、プロセス室3内のプラズマ密度分布を調整す
ることができる。
【0046】
【実施例5】図14は本発明の電子ビーム励起プラズマ
発生装置の第5実施例を説明する断面図である。本実施
例の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、加速電極36
がプロセスガス導入口を兼用しているものである。励起
プラズマは隘路42と加速電極36の間で最も高密度と
なるので、加速電極36から高密度励起プラズマに向け
てプロセスガスを供給することによりプロセスガスの分
解効率を向上させることができる。また、加速電極36
は加速電流が流入して加熱するため高温になるので、プ
ロセスガスが加速電極36の高温部を通過するときに熱
分解される分も加えて総合的な分解効率が向上する効果
も有する。
【0047】また、加速電極36のプロセスガス導入口
付近のガス圧が高くなるため、プラズマの加速電極36
への収束効果が大きくなり、プロセス室内壁へのプラズ
マ干渉が減少する効果もある。このように、本実施例の
電子ビーム励起プラズマ発生装置では、成膜プロセスに
おける成膜速度が向上し、また少量のガスで済むためラ
ンニングコストが低下する。なお、加速電極36は高温
になるためタングステンなどの耐熱材料で形成される。
また、放電室2の外側に設置された永久磁石27は、中
間電極13や放電電極23の開口軸に磁束を集中させて
電子流が通りやすくする機能を有する。
【0048】
【実施例6】図15から図25は、本発明の電子ビーム
励起プラズマ発生装置の第6実施例を説明する図面であ
る。本実施例は、実施例1に対して幾つかの空芯コイル
が添設されているところが異なり、引出し隘路から電子
を引き出す面上に磁場強度の弱い部分を持った磁界を形
成して、電子の滞留時間を延長させてプラズマ化効率を
向上させ濃度の高いプラズマを得るようにしたものであ
る。
【0049】図15は、引出し隘路42の外側に3対の
空芯コイル61,62,63を設置した状態を模式的に
示す断面図である。第1のコイル61は放電電極23の
高さに設置され、第2のコイル62は引出し隘路42が
含まれる平面上に配置されている。また第3のコイル6
3は第2コイル62を挟んで第1コイル61と対称の位
置に配置されている。第1コイル61と第3コイル63
には同じ向きの磁場が発生する方向に電流を流し、第2
コイル62には逆方向に磁場が発生するような電流を流
す。
【0050】図16は、3個のコイルを上記のように配
置したときの磁束密度分布図である。第1コイル61、
第2コイル62、第3コイル63の励磁力(アンペア・
ターン)の比が100:−100:100である場合の
磁束密度を、コイルの軸を通る縦断面について等磁束密
度線で示したもので、コイル中心軸を図の左端にして表
示してある。コイルの内側で第2コイルの高さに磁場強
度の最も弱い部分65が形成されることが分かる。この
磁場強度の弱い領域65は、試料面35と平行であって
引出し隘路42を含む平面上に存在するリング状の領域
である。
【0051】図17は、図16に基づいて試料面と平行
で引出し隘路を含む平面上における磁場強度を示した磁
場強度変化図である。グラフ中、横軸の左側端点は隔室
4の中心軸位置、右側端点は空芯コイル62の位置を示
し、縦軸は磁束密度を相対強度で表す。上記条件下では
隔室4とコイル62の間に磁束密度がゼロになる位置が
生ずることが分かる。加速電極36は磁束密度が低くな
る部分の外側に配置されている。
【0052】引出し隘路42から引き出されて加速され
た電子は磁場強度ゼロの部分に閉じこもるため、プロセ
スガス分子と出合って電離解離する確率が高くなり、高
密度のプラズマを生成する。また、プロセス室3の壁近
傍における磁束密度が大きいため壁材料とプラズマの相
互作用を低減させることができる。さらに、この磁束密
度の小さい空間65を加速電極36と引出し隘路42と
の間に設定すると、プラズマの収束がよくなり、プロセ
スプラズマとプロセス室の壁との干渉が減少し、壁から
の不純物の放出が低減するので、膜中に取り込まれる不
純物量が減少し高品質膜を得ることができる。また、試
料近辺の荷電粒子の密度が小さくなり電子温度を急激に
低下させることができるので、試料表面に衝突するイオ
ンのエネルギーと密度を小さくなって膜の高品質化に貢
献する。なお、中性活性種は磁束密度にかかわらず試料
表面に到達するので、高速成膜を実現することができ
る。
【0053】なお、磁場強度が極小になる領域は同じ配
置であってもコイルに流す電流によって変化する。図1
8は、第1コイル61、第2コイル62、第3コイル6
3の励磁力比が100:−150:100である場合、
また図19は励磁力比が100:−50:100である
場合の磁束密度を表した図面である。第2コイルの電流
値を大きくすると低磁場強度領域65はコイル面から遠
ざかり、小さくするとコイル面に近付く。したがって、
コイル電流を調整することにより適当な位置に電子滞留
領域を形成してプラズマ化効率を調整することができ
る。このため、試料面におけるプラズマ密度分布を制御
して、大面積均一化プロセスを実現できる。
【0054】図20は、コイルの中心軸上における磁束
密度の変化を表した図面である。縦軸は引出し隘路の高
さをゼロとして表した中心軸上の位置、横軸がその位置
における磁束密度である。第1コイル61と第3コイル
63に流す電流を一定にして第2コイル62に流す逆方
向電流の値をパラメータとして表示してある。磁束密度
は放電電極23付近で最も大きくなり、引出し隘路42
の高さで極小値を取る。引出し隘路42より下の部分の
磁束密度は上の部分と対称的な変化をする。放電電極2
3の位置における磁束密度が大きいため放電室2からの
電子ビームの引出しが容易になる。さらに、第2コイル
62の励磁力を最適化することにより、隔室4の中心あ
るいは引出し隘路42の位置における磁場強度をゼロに
することが可能であるため、隘路からの引出し加速が容
易になり、低加速電圧でも安定な運転が可能になる。
【0055】図21は隔室4の部分に磁場強度が低い領
域65を形成させるようにしたときの磁束密度分布図、
図22はこのとき試料面35と平行で引出し隘路42を
含む平面上における磁場強度変化図である。引出し隘路
42の位置における磁場強度を最も小さくすることもで
き、高いエネルギーを持った電子ビームの滞留時間を長
くしてプラズマ化効率を高めることができる。なお、第
2コイル62の励磁力を殺し、第1コイル61と第3コ
イル63の励磁力を値が同じで符号が異なるようにする
と、第2コイル62が属する平面上における磁場強度が
ゼロになるので、電子ビームの停留時間が長くなる効果
が生じる。初めから第2コイルを設置しないで、2個の
空芯コイルを使って上記のようにすることもできる。
【0056】図23と図24は、さらに第4の空芯コイ
ルを設けた実施態様を表した構成断面図である。第3コ
イルにより形成される磁場を第4コイルにより相殺する
ことで試料近傍の磁束密度を低減して、プラズマを急激
に拡大させて均質なプロセスプラズマを得ることができ
る。図23は、第4コイル64を第3コイル63と試料
台34の間に設置した場合を示し、第24図は第3コイ
ル63を2重コイル化して外側に第4コイル64を設け
た場合を示している。
【0057】図25は、第4コイル64を追加したとき
の効果を説明する磁束密度変化図である。第1コイル6
1および第3コイル63の励磁力を100として第2コ
イル62の励磁力を−131とすると引出し隘路42付
近の磁束密度がほぼゼロになるが、引出し隘路42の下
方における磁束密度は大きい。しかし、第2コイル62
の励磁力を−105、第4コイル64の励磁力を−50
とした場合は、引出し隘路42より上方の磁束密度は殆
ど変わらず下方における磁束密度が低減して、試料35
表面での磁束密度が十分低下し均等なプラズマ処理を受
けることができるようになる。
【0058】
【実施例7】図26から図28は、プロセス室内の加速
電極を引出し隘路に隣接して設置した実施例を示す図面
である。図26は本実施例を示す一部拡大断面図であ
る。隔室4の隔壁41の外周には加速電極36が形成さ
れている。引出し隘路42は隔壁41と加速電極36を
共に鑽孔して形成されているので、加速電極36と引出
し隘路42は隣接している。加速電極36は加速電源5
3に接続されているが、プロセス室3の周壁31との間
に絶縁材43が介挿されていて、電気的に絶縁されてい
る。本実施例の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、加
速電極36がプロセス室3内で独立に懸架される代わり
に、隔室4に一体的に形成されているため、組立、位置
合わせ、および保全が容易である。
【0059】図27は、加速電極36を隔壁41の上に
形成した場合における別の態様について引出し隘路42
の部分を拡大して示す断面図である。図27(a)に示
すものは、加速電極36が引出し隘路42の部分ですり
鉢状に面落ししたものである。引出し隘路42から放出
された電子ビームが加速電極36に流入するため戻って
くるときに引出し隘路42の部分に衝突しないので引出
し隘路42が損傷を受けにくい。図27(b)に示した
ものは、絶縁性の隔壁41の外周に蒸着形成した薄膜を
加速電極36として利用するものである。製作が容易で
ある。図27(c)は、さらに引出し隘路42の内壁ま
で薄膜を形成し加速電極36としたものを示す。このよ
うに形成されたものは加速電極36に印加した加速電圧
による電界が放電プラズマに作用し易いため、加速がス
ムーズに起こる利点がある。
【0060】本実施例の電子ビーム励起プラズマ発生装
置は、上述した各実施例の装置と複合して利用すること
ができる。図28は、図15に示したような磁場印加機
構を備えた電子ビーム励起プラズマ発生装置において加
速電極を引出し隘路に隣接して設置した場合を示す断面
図である。隔壁41の外周には引出し隘路42の極く近
傍まで加速電極36が形成されている。プロセス室3の
外には3個の空芯コイル61,62,63が配設されて
いる。
【0061】隔室4に充満しているプラズマから引出し
隘路42を通って引き出された電子は、プロセス室3内
に放出され磁場が最小となる空間で十分滞留し電離解離
に寄与した後で加速電極36に流入する。電子の走行軌
道は、空芯コイル61,62,63により形成される磁
場の分布に従って変化する。磁場分布は、特に第2コイ
ル62の電流値を変えることにより容易に変化させるこ
とができるので、引出し隘路42から延びるプロセスプ
ラズマの長さ形状を調整して、試料表面でのプラズマ密
度の均一性を向上させることができる。なお、コイルの
電流を成膜工程中に変更して堆積速度を時間的パターン
に従って変化させることもできる。
【0062】
【実施例8】図29から図33は本発明の電子ビーム励
起プラズマ発生装置の第8実施例を説明する断面図であ
る。本実施例の電子ビーム励起プラズマ発生装置は、励
起プラズマを直流放電により生成する代わりにマイクロ
波あるいは高周波放電により生成するようにしたところ
に特徴を有する。図29に表示した態様は、放電部71
上部に石英など誘電体を材料とする誘電体プレート72
を設けその上に渦巻き型の高周波(RF)コイル73を
載置した、いわゆる誘導結合型プラズマ型の高周波放電
方式を採用したものである。
【0063】RFコイル73には、図示しない高周波電
源から13.56MHzなどの高周波電源が供給され
て、放電部71に供給されるアルゴンなどの放電ガスを
プラズマ化する。またRFコイル73は空洞になってい
て冷却水を流通させて冷却することができる。放電部7
1は上記各実施例における隔室を兼ねており、プロセス
室3との間を仕切る隔壁74には引出し隘路75が鑽孔
されている。プロセス室3には第1加速電極36と第2
加速電極37が設置されていて、放電部71内で高周波
放電により生成した放電プラズマから引出し隘路75を
介してプロセス室3に引き出された電子ビームを加速
し、プロセス室3に供給されるプロセスガスをプラズマ
化して試料表面35をプラズマ処理する。
【0064】図30はRFコイルの部分について異なる
態様を示した図面である。図30(a)は、放電室71
の内部に突出した誘電体筒体76を設け、その中にRF
コイル73を設置したものを示す。引出し隘路74の周
辺に高密度の放電プラズマが生成される。図30(b)
に示したものは、誘電体の壁を介することなくRFコイ
ル73を放電室71に直接に挿入したものである。プラ
ズマ中のイオンの衝撃による損耗があるが、パワーのロ
スが少ない。なお、RFコイル73の表面に誘電体をコ
ーティングして損耗を抑制するようにしてもよい。
【0065】図31は、カソード室で発生させた熱電子
を放電室に供給しRFコイルでプラズマ化する装置を示
すものである。RFコイルにより生成した放電プラズマ
から電子を引き出すと、プラズマ中のイオンがRFコイ
ルに衝突して2次電子を放出させて電子の補給をするた
め、コイル表面の損耗が避けられない。本装置は、電子
を別途補給することによりコイルの損耗を防ごうとした
ものである。図30(b)に示した放電室71の上方に
補助電極あるいは中間電極13を介してカソード室1を
設ける。カソード室1に設けられたフィラメント11
は、加熱用電源51から供給される電流で加熱されて熱
電子を放出する。この熱電子は放電用電源52に接続さ
れた補助電極13の連通孔14を通って放電室71に供
給され引出し隘路75から引き出された電子を補給する
ので、放電プラズマ中のイオンがRFコイル73の表面
をスパッタすることがなく、RFコイル73の寿命が延
びる効果がある。なお、上記のマイクロ波あるいは高周
波放電により放電プラズマを生成する方法や生成する放
電プラズマに熱電子を補給する方法は加速電極の数にか
かわらず適用することができる。
【0066】図32と図33は、マイクロ波により生成
した放電プラズマから隘路を介して電子を引き出す例を
示している。図32に示した電子ビーム励起プラズマ発
生装置は、マグネトロン等のマイクロ波源81が中心導
体82と外部導体83からなる同軸線路に結合されてい
る。同軸線路の大気側終端は中心導体82と外部導体8
3とを電気的に短絡する短絡器84によって電磁的に固
定端となり、他方の終端部はプロセス室3内に嵌入して
放電室85を形成している。放電室85の外側に絶縁材
で形成された隔壁86が設置されている。放電室85の
壁に設けられた隘路87と隔壁86に設けられた引出し
隘路88は互い違いになっている。中心導体82と外部
導体83、外部導体83と隔壁86の間は絶縁材89で
気密に支持されている。
【0067】プロセス室3内に嵌入した放電室85内で
マイクロ波放電を行い放電プラズマを発生する。放電室
85の隘路87からプロセス室3の中に電子を引き出す
ことができる。外部導体83とプロセス室内に設けられ
る加速電極の間に加速電源53が接続され、印加される
加速電圧により引き出された電子が加速されてプロセス
室3内のプロセスガスをプラズマ化する。放電室85の
隘路87と引出し隘路88は互い違いになっているた
め、プロセス室3内のプラズマのイオンが直接的に隘路
87の部分に衝突することがないので、損耗を防いで装
置寿命を延ばすことができる。
【0068】同軸線路にマイクロ波源を直結しないで、
導波管、整合器、同軸ケーブルを経由してマイクロ波を
供給するようにしても良い。また、外部導体83に設け
る隘路87はスリットまたは網目状のものであってもよ
い。なお、中心導体82の内部に永久磁石を配置して磁
束密度875ガウスの部分を隘路近傍に形成し、周波数
2.45GHzのマイクロ波と共振させてマイクロ波パ
ワーの吸収を効率よく行わせ、プラズマを隘路近傍に閉
じ込めて高密度プラズマにする作用をさせることも可能
である。
【0069】図33は、外部導体83の外側に隔壁を設
けず、外部導体83のプロセス室3側の表面を絶縁コー
ティング90してプラズマプロセス中にイオンによるス
パッタ損耗を抑制するようにした例を示す断面図であ
る。なお、放電室になる同軸線路は絶縁材89によりプ
ロセス室3の外壁に直接気密に取り付けられている。
【0070】なお、上記いずれの実施例でも、カソード
室、放電室、プロセス室、隔室が鉛直方向に配設されて
いるが、これらは水平方向にあるいは傾斜方向に配設し
てもよい。また、試料面の方向もフェイスアップでなく
フェイスダウンであっても良いことは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明の電子
ビーム励起プラズマ発生装置は、イオン衝撃作用の影響
を緩和してより大きな面積の自由な形状を持った試料に
対してプラズマ処理を施すことができ、また材料プラズ
マの密度を上げ均一性を向上させて効率良く処理品を作
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の第
1実施例の断面図である。
【図2】第1実施例の加速電極配置例を示す断面図であ
る。
【図3】第1実施例において加速電極位置調整機構を用
いた例を示す断面図である。
【図4】第1実施例の加速電極への流入電流調整方法の
例を表す断面図である。
【図5】第1実施例の加速電極流入電流調整法の別例を
示す回路図である。
【図6】第1実施例の加速電極の配置例を表す断面図で
ある。
【図7】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の第
2実施例を説明する断面図である。
【図8】第2実施例における加速電極と隔室の配置例を
表す図面である。
【図9】第2実施例における加速電極と隔室の別の配置
例を表す図面である。
【図10】第2実施例におけるさらに別の加速電極と隔
室の配置例を表す図面である。
【図11】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の
第3実施例を説明する断面図である。
【図12】第3実施例における加速電極と隔室の配置例
を表す図面である。
【図13】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の
第4実施例を説明する断面図である。
【図14】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の
第5実施例を説明する断面図である。
【図15】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の
第6実施例において3個の空芯コイル用いた場合を説明
する断面図である。
【図16】図15に示したコイル配置において第1の条
件下における試料面と平行な面上の磁束密度分布図であ
る。
【図17】図16の条件下における磁場強度変化図であ
る。
【図18】図15に示したコイル配置において第2の条
件下における磁束密度分布図である。
【図19】図15に示したコイル配置において第3の条
件下における磁束密度分布図である。
【図20】図15に示したコイル配置においてコイルの
中心軸上における磁束密度の変化を表した図面である。
【図21】図15に示したコイル配置において適度の条
件下における磁束密度分布図である。
【図22】図21の条件下における磁場強度変化図であ
る。
【図23】第6実施例において4個の空芯コイル用いた
例を示す断面図である。
【図24】第6実施例において4個の空芯コイル用いた
別例を示す断面図である。
【図25】第6実施例において4個の空芯コイル用いた
ときの効果を説明する磁束密度変化図である。
【図26】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の
第7実施例を説明する一部拡大断面図である。
【図27】第7実施例における加速電極の各種態様を示
す一部拡大断面図である。
【図28】第7実施例における加速電極を図15の装置
に適用した状況を示す断面図である。
【図29】本発明の電子ビーム励起プラズマ発生装置の
第8実施例を説明する断面図である。
【図30】第8実施例におけるRFコイルの各種態様を
示す断面図である。
【図31】第8実施例におけるプラズマ発生部の別の態
様を示す断面図である。
【図32】第8実施例において同軸線路を用いてマイク
ロ波によりプラズマを得る態様を示す一部拡大断面図で
ある。
【図33】第8実施例における同軸線路を用いた別の態
様を示す一部拡大断面図である。
【図34】従来の電子ビーム励起プラズマ発生装置の1
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カソード室 11 カソード 12 ガスノズル 13 中間電極 14 連通孔 15,17 空芯コイル 16 オリフィス 2 放電室 23 放電電極 25 取付ノズル 3 プロセス室 31 周壁 32 ガスノズル 33 排気口 34 試料ホルダ 35 試料 36,37 加速電極 38,39 電極位置調整機構 4 隔室 41 隔壁 42 連通孔(引出し隘路) 43 絶縁材 44 プラズマ 45,46,47 シャワーノズル 51 加熱用電源 52 放電用電源 53 加速用電源 54 高周波電源装置 55 抵抗器 56 スイッチ 57,58,59 可変抵抗 61,62,63 空芯コイル 65 磁場強度の弱い領域 71 放電部 72 誘電体プレート 73 RFコイル 74 隔壁 75 引出し隘路 76 誘電体筒体 81 マイクロ波源 82 中心導体 83 外部導体 84 短絡器 85 放電室 86 隔壁 87 隘路 88 引出し隘路 89 絶縁材 90 絶縁コーティング
フロントページの続き (72)発明者 伴 雅人 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内 (72)発明者 森 幸隆 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電プラズマを生成する放電室と、試料
    を載置する試料台と反応性ガスを供給するガス供給口を
    設けたプロセス室とを備える電子ビーム励起プラズマ装
    置であって、前記放電室と前記プロセス室の間に前記放
    電プラズマを充満し電子を引き出す複数の隘路を有する
    隔室を介装し、該隔室は前記プロセス室に突出し前記隘
    路が前記試料の表面に対してほぼ平行に電子が噴出する
    方向に開口されており、前記プロセス室内には複数の加
    速電極が設けられていて、該加速電極で前記隘路を通し
    て前記放電プラズマから電子を引き出し加速してプロセ
    ス室内の反応性ガスをプラズマ化するときにプラズマ密
    度分布を調整して前記試料台上の試料面に作用させるこ
    とを特徴とする電子ビーム励起プラズマ装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の加速電極がそれぞれ可変抵抗
    器を介して加速電源陽極端子に接続されていることを特
    徴とする請求項1記載の電子ビーム励起プラズマ発生装
    置。
  3. 【請求項3】 前記複数の加速電極が多重に配設されて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の電子ビー
    ム励起プラズマ発生装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の加速電極同士の相対位置が前
    記電子の引き出し方向に対して垂直な方向に変化可能で
    あることを特徴とする請求項3記載の電子ビーム励起プ
    ラズマ発生装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の加速電極の間に複数の放電室
    が設置されていることを特徴とする請求項3または4記
    載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の加速電極の間に環状の放電室
    が設置されていることを特徴とする請求項3または4記
    載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  7. 【請求項7】 前記隘路の位置が前記電子の引き出し方
    向に対して垂直な方向に変化可能であることを特徴とす
    る請求項1から6のいずれかに記載の電子ビーム励起プ
    ラズマ発生装置。
  8. 【請求項8】 前記ガス供給口の位置が前記電子の引き
    出し方向に対して垂直な方向に変化可能であることを特
    徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電子ビーム
    励起プラズマ発生装置。
  9. 【請求項9】 放電プラズマを生成する放電室と、試料
    を載置する試料台と反応性ガスを供給するガス供給口を
    設けたプロセス室とを備え、前記放電室と前記プロセス
    室の間に電子を引き出す複数の隘路を有する隔室を介装
    し、該隔室は前記プロセス室に突出し前記隘路が前記試
    料の表面に対してほぼ平行に電子が噴出する方向に開口
    されており、前記プロセス室内には加速電極が設けられ
    ていて、該加速電極により前記隘路を通して前記放電プ
    ラズマから電子を引き出し加速して前記反応性ガスをプ
    ラズマ化し前記試料台上の試料面に作用させる電子ビー
    ム励起プラズマ装置であって、前記試料面とほぼ平行で
    前記隘路を含む電子引出面内に磁場強度が極小になる場
    所があるような磁場強度分布を生成する磁場印加機構を
    備えたことを特徴とする電子ビーム励起プラズマ装置。
  10. 【請求項10】 前記磁場印加機構が前記放電電極の外
    側に配置された第1空芯コイルと、前記電子引出面上に
    配置された第2空芯コイルと、前記第2空芯コイルを挟
    んで第1空芯コイルと対称の位置に配置された第3空芯
    コイルからなることを特徴とする請求項9記載の電子ビ
    ーム励起プラズマ発生装置。
  11. 【請求項11】 前記磁場印加機構がさらに第4の空芯
    コイルを備え、該第4空芯コイルが試料位置における磁
    束密度が低減するような磁場強度分布を生成できるよう
    にしたことを特徴とする請求項10記載の電子ビーム励
    起プラズマ発生装置。
  12. 【請求項12】 前記磁場強度が極小になる場所が前記
    プロセス室の内部にあり該磁場強度極小場所の外側に前
    記加速電極が設置されていることを特徴とする請求項9
    から11のいずれかに記載の電子ビーム励起プラズマ発
    生装置。
  13. 【請求項13】 前記磁場強度が極小になる場所が前記
    隘路の近傍に来るようにされていることを特徴とする請
    求項9から12のいずれかに記載の電子ビーム励起プラ
    ズマ発生装置。
  14. 【請求項14】 前記磁場印加機構が前記隔壁の外側で
    あって前記電子引出面を挟んで対称の位置に配設された
    1対の空芯コイルからなることを特徴とする請求項9記
    載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  15. 【請求項15】 プラズマを生成する放電室と、試料を
    載置する試料台と反応性ガスを供給するガス供給口を設
    けたプロセス室とを備え、前記放電室と前記プロセス室
    の間には電子を引き出す複数の隘路を有する隔室を介装
    し、該隘路は前記試料の表面に対してほぼ平行に電子が
    噴出する方向に開口されており、前記プロセス室内には
    加速電極が設けられていて、該加速電極により前記隘路
    を通して前記放電プラズマから電子を引き出し加速して
    プロセス室内の反応性ガスをプラズマ化し前記試料台上
    の試料面に作用させる電子ビーム励起プラズマ装置であ
    って、前記加速電極が前記隔室のプロセス室側表面で前
    記隘路に隣接した部分またはさらに隘路表面に形成され
    ていることを特徴とする電子ビーム励起プラズマ発生装
    置。
  16. 【請求項16】 前記加速電極が絶縁性の部材で形成さ
    れた隔壁に蒸着により形成された導電性薄膜であること
    を特徴とする請求項15記載の電子ビーム励起プラズマ
    発生装置。
  17. 【請求項17】 プラズマを生成する放電室と、試料を
    載置する試料台と反応性ガスを供給するガス供給口を設
    けたプロセス室とを備え、前記放電室と前記プロセス室
    の間に電子を引き出す複数の隘路を有する隔室を介装
    し、該隘路は前記試料の表面に対してほぼ平行に電子が
    噴出する方向に開口されており、前記プロセス室内には
    加速電極が設けられていて、該加速電極により前記隘路
    を通して前記放電プラズマから電子を引き出し加速して
    プロセス室内の反応性ガスをプラズマ化し前記試料台上
    の試料面に作用させる電子ビーム励起プラズマ装置であ
    って、前記加速電極が前記ガス供給口を兼ね備えること
    を特徴とする電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  18. 【請求項18】 前記加速電極が付着成分を分解する熱
    に耐える程度の耐熱性を有する材料で形成されているこ
    とを特徴とする請求項17記載の電子ビーム励起プラズ
    マ発生装置。
  19. 【請求項19】 前記放電室に生成するプラズマが直流
    放電により生成されることを特徴とする請求項1から1
    8のいずれかに記載の電子ビーム励起プラズマ発生装
    置。
  20. 【請求項20】 前記放電室にカソードと中間電極と放
    電電極を備え、前記カソードと前記放電電極間の放電で
    前記プラズマが生成されることを特徴とする請求項19
    記載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  21. 【請求項21】 前記放電室に生成するプラズマが高周
    波もしくはマイクロ波により生成されることを特徴とす
    る請求項1から18のいずれかに記載の電子ビーム励起
    プラズマ発生装置。
  22. 【請求項22】 前記放電室に生成するプラズマに電子
    を補給する機構を付属することを特徴とする請求項21
    記載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  23. 【請求項23】 放電プラズマを生成する放電室と、試
    料を載置する試料台と反応性ガスを供給するガス供給口
    を設けたプロセス室とを備える電子ビーム励起プラズマ
    装置であって、前記放電室が高周波電極もしくはマイク
    ロ波電極と電子を補給する機構を備え、該放電室におい
    て高周波もしくはマイクロ波によりプラズマを生成する
    と共に該プラズマに電子を補給するものであって、前記
    放電室と前記プロセス室の間に前記放電プラズマを充満
    し電子を引き出す複数の隘路を有する隔室を介装し、該
    隔室は前記プロセス室に突出し前記隘路が前記試料の表
    面に対してほぼ平行に電子が噴出する方向に開口されて
    おり、前記プロセス室内には加速電極が設けられてい
    て、該加速電極で前記隘路を通して前記放電プラズマか
    ら電子を引き出し加速してプロセス室内の反応性ガスを
    プラズマ化するときにプラズマ密度分布を調整して前記
    試料台上の試料面に作用させることを特徴とする電子ビ
    ーム励起プラズマ装置。
JP10318487A 1998-11-10 1998-11-10 電子ビーム励起プラズマ発生装置 Expired - Fee Related JP2965293B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10318487A JP2965293B1 (ja) 1998-11-10 1998-11-10 電子ビーム励起プラズマ発生装置
US09/435,768 US6211622B1 (en) 1998-11-10 1999-11-08 Plasma processing equipment

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10318487A JP2965293B1 (ja) 1998-11-10 1998-11-10 電子ビーム励起プラズマ発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2965293B1 JP2965293B1 (ja) 1999-10-18
JP2000150194A true JP2000150194A (ja) 2000-05-30

Family

ID=18099675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10318487A Expired - Fee Related JP2965293B1 (ja) 1998-11-10 1998-11-10 電子ビーム励起プラズマ発生装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6211622B1 (ja)
JP (1) JP2965293B1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003007498A (ja) * 2001-06-19 2003-01-10 Kawasaki Heavy Ind Ltd 電子ビーム励起プラズマ発生装置
JP2006500740A (ja) * 2002-09-19 2006-01-05 アプライド・プロセス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド ビーム状プラズマ源
KR100710420B1 (ko) 2006-02-13 2007-04-24 주식회사 플라즈마트 유지보수가 용이한 기판처리장치
CN101868114A (zh) * 2009-04-16 2010-10-20 西门子公司 离子源及其电极以及将待电离的气体导入离子源的方法
JP2014509039A (ja) * 2010-12-16 2014-04-10 日立造船株式会社 電子ビーム技術を用いたオゾンおよびプラズマの生成
WO2016068586A1 (ko) * 2014-10-27 2016-05-06 주식회사 뉴파워 프라즈마 화이어 챔버, 플라즈마 발생기, 플라즈마 발생 방법

Families Citing this family (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW455912B (en) * 1999-01-22 2001-09-21 Sony Corp Method and apparatus for film deposition
CH694699A5 (de) * 1999-04-29 2005-06-15 Balzers Hochvakuum Verfahren zur Herstellung von Silizium.
JP3953247B2 (ja) * 2000-01-11 2007-08-08 株式会社日立国際電気 プラズマ処理装置
TW507256B (en) * 2000-03-13 2002-10-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Discharge plasma generating method, discharge plasma generating apparatus, semiconductor device fabrication method, and semiconductor device fabrication apparatus
US6537928B1 (en) * 2002-02-19 2003-03-25 Asm Japan K.K. Apparatus and method for forming low dielectric constant film
US6783629B2 (en) * 2002-03-11 2004-08-31 Yuri Glukhoy Plasma treatment apparatus with improved uniformity of treatment and method for improving uniformity of plasma treatment
KR100515052B1 (ko) * 2002-07-18 2005-09-14 삼성전자주식회사 반도체 기판상에 소정의 물질을 증착하는 반도체 제조 장비
US6943350B2 (en) * 2002-08-27 2005-09-13 Kla-Tencor Technologies Corporation Methods and apparatus for electron beam inspection of samples
US7038389B2 (en) * 2003-05-02 2006-05-02 Applied Process Technologies, Inc. Magnetron plasma source
US7013570B2 (en) * 2003-06-18 2006-03-21 Irwin-Industrial Tool Company Stud finder
US6969953B2 (en) * 2003-06-30 2005-11-29 General Electric Company System and method for inductive coupling of an expanding thermal plasma
US7487596B2 (en) * 2004-06-25 2009-02-10 Irwin Industrial Tool Company Laser line projected on an edge of a surface
US7178250B2 (en) * 2004-07-21 2007-02-20 Irwin Industrial Tool Company Intersecting laser line generating device
KR100642584B1 (ko) * 2005-04-12 2006-11-10 송석균 이온 빔 스퍼터링 방식을 통한 직접 이온 증착 방법 및 그에 따른 장치
JP4405973B2 (ja) * 2006-01-17 2010-01-27 キヤノンアネルバ株式会社 薄膜作製装置
US7498592B2 (en) * 2006-06-28 2009-03-03 Wisconsin Alumni Research Foundation Non-ambipolar radio-frequency plasma electron source and systems and methods for generating electron beams
US20080029197A1 (en) * 2006-07-04 2008-02-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Surface treating apparatus using atomic hydrogen
US20080081464A1 (en) * 2006-09-29 2008-04-03 Tokyo Electron Limited Method of integrated substrated processing using a hot filament hydrogen radical souce
US20080078325A1 (en) * 2006-09-29 2008-04-03 Tokyo Electron Limited Processing system containing a hot filament hydrogen radical source for integrated substrate processing
US9157152B2 (en) * 2007-03-29 2015-10-13 Tokyo Electron Limited Vapor deposition system
JP4980866B2 (ja) * 2007-10-05 2012-07-18 日本電子株式会社 膜形成装置
EP2471087A1 (en) 2009-08-27 2012-07-04 Mosaic Crystals Ltd. Penetrating plasma generating apparatus for high vacuum chambers
WO2013019667A1 (en) * 2011-07-29 2013-02-07 Walker Mitchell L R Ion focusing in a hall effect thruster
DE102011112759A1 (de) * 2011-09-08 2013-03-14 Oerlikon Trading Ag, Trübbach Plasmaquelle
US9129777B2 (en) * 2011-10-20 2015-09-08 Applied Materials, Inc. Electron beam plasma source with arrayed plasma sources for uniform plasma generation
US20130098873A1 (en) * 2011-10-20 2013-04-25 Applied Materials, Inc. Overhead electron beam source for plasma ion generation in a workpiece processing region
US9035553B2 (en) * 2011-11-09 2015-05-19 Dae-Kyu Choi Hybrid plasma reactor
DE102012107282A1 (de) * 2012-01-17 2013-07-18 Reinhausen Plasma Gmbh Vorrichtung und verfahren zur plasmabehandlung von oberflächen
US9443700B2 (en) 2013-03-12 2016-09-13 Applied Materials, Inc. Electron beam plasma source with segmented suppression electrode for uniform plasma generation
US9273393B2 (en) * 2014-01-25 2016-03-01 Yuri Glukhoy Torch system for depositing protective coatings on interior walls and recesses present on the flat surface of an object
CN106880401B (zh) * 2017-03-28 2023-05-26 成都美创医疗科技股份有限公司 一种等离子清创手术刀
US20200312629A1 (en) * 2019-03-25 2020-10-01 Recarbon, Inc. Controlling exhaust gas pressure of a plasma reactor for plasma stability
KR102404528B1 (ko) 2019-09-02 2022-06-02 세메스 주식회사 노즐, 이를 포함하는 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2287792A1 (fr) * 1974-10-11 1976-05-07 Fosse Pierre Tete d'ionisation et generateur d'ions negatifs
JP2868120B2 (ja) 1997-06-11 1999-03-10 川崎重工業株式会社 電子ビーム励起プラズマ発生装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003007498A (ja) * 2001-06-19 2003-01-10 Kawasaki Heavy Ind Ltd 電子ビーム励起プラズマ発生装置
JP2006500740A (ja) * 2002-09-19 2006-01-05 アプライド・プロセス・テクノロジーズ・インコーポレーテッド ビーム状プラズマ源
KR100710420B1 (ko) 2006-02-13 2007-04-24 주식회사 플라즈마트 유지보수가 용이한 기판처리장치
CN101868114A (zh) * 2009-04-16 2010-10-20 西门子公司 离子源及其电极以及将待电离的气体导入离子源的方法
JP2014509039A (ja) * 2010-12-16 2014-04-10 日立造船株式会社 電子ビーム技術を用いたオゾンおよびプラズマの生成
WO2016068586A1 (ko) * 2014-10-27 2016-05-06 주식회사 뉴파워 프라즈마 화이어 챔버, 플라즈마 발생기, 플라즈마 발생 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2965293B1 (ja) 1999-10-18
US6211622B1 (en) 2001-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2965293B1 (ja) 電子ビーム励起プラズマ発生装置
JP7385621B2 (ja) イオン-イオンプラズマ原子層エッチングプロセス及びリアクタ
JP2868120B2 (ja) 電子ビーム励起プラズマ発生装置
KR920002864B1 (ko) 플라즈마 처리방법 및 그 장치
US6250250B1 (en) Multiple-cell source of uniform plasma
EP0413282B1 (en) Method and apparatus for producing magnetically-coupled planar plasma
US5032205A (en) Plasma etching apparatus with surface magnetic fields
US7609002B2 (en) Plasma accelerating apparatus and plasma processing system having the same
EP0379828A2 (en) Radio frequency induction/multipole plasma processing tool
US5266146A (en) Microwave-powered plasma-generating apparatus and method
US6380684B1 (en) Plasma generating apparatus and semiconductor manufacturing method
US7602111B2 (en) Plasma accelerating apparatus and plasma processing system including secondary electron amplification coating layer formed at inner wall of channel
JPH04264346A (ja) イオン注入用のプラズマソース装置
US5288386A (en) Sputtering apparatus and an ion source
JP3254069B2 (ja) プラズマ装置
US7276140B2 (en) Plasma accelerating apparatus for semiconductor substrate processing and plasma processing system having the same
US6864486B2 (en) Ion sources
KR100356565B1 (ko) 증가된 박막 성장 속도로 산화 마그네슘 박막을 형성할 수 있는박막 성장 방법 및 장치
US20060027329A1 (en) Multi-frequency plasma enhanced process chamber having a torroidal plasma source
TWI803098B (zh) 離子源裝置
KR101577272B1 (ko) 롤투롤 공정을 위한 플라즈마 처리장치
US3268758A (en) Hollow gas arc discharge device utilizing an off-center cathode
JP2003264098A (ja) シートプラズマ処理装置
KR20090073327A (ko) 고밀도 원격 플라즈마 처리 장치
CN109786203B (zh) 多通道离子源产生装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080813

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090813

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100813

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110813

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110813

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120813

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120813

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 14

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees