JP2000147228A - 回折光学素子の製造方法 - Google Patents

回折光学素子の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な高分子材料を用い、比較的簡単な装置
により製造が可能な、必要とする程度の光学特性を有す
る回折光学素子を作成する。 【解決手段】 レーザ装置1からのレーザ光2は、ガル
バノミラー3、fθミラー4、あるいは反射ミラー、マ
スク等を介し、空間的に選択的にステージ5上に設置さ
れた高分子基板6上に照射される。レーザ光のエネルギ
を調整し、照射された高分子基板表面を熱的あるいは光
化学的作用により変化させ微細形状を形成する。空間的
に選択的にレーザ光を照射するには、スリット型に作成
したフォトマスクの像を結像させて照射するか、あるい
はビームを走査するなどして行う。また、ステージ5の
周期的移動により照射位置を変え、レーザ加工により基
板表面に微細形状を形成することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザによって表
面の反射率あるいは透過率を変化させることで、回折光
学素子、位置決め制御用エンコーダスケールやロータリ
エンコーダ用スケールを含む各種光学素子の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回折光学素子の代表的な製造方法
としては、機械加工、フォトレジストによるマスク加
工、干渉露光法、イオン・電子ビーム法などがあげられ
る。また連続的なスリット形成法としては、印刷法、型
押しによるエンボス加工などがあげられる。
【0003】機械加工では、ベースとなる基板を機械的
に回折格子の溝形状を切削し、これを所望の範囲にわた
って繰り返し加工することで連続的な格子形状を形成す
る。フォトレジストによるマスク加工では、いったんレ
ジストにより所望の範囲の溝パタンを作成し、その後エ
ッチングにより基板を選択的に除去する。またレジスト
の代わりに感光性の高分子を利用することで、露光によ
り形状を作成し、格子形状を作成することが可能であ
る。
【0004】干渉露光法は、2光束の干渉により生じた
明暗パターンを感光材料に照射することで、格子形状を
作成する。イオン・電子ビーム法では、収束したエネル
ギ源を選択的に基板に衝突させることで、物理的に基板
の部分を除去し、格子形状を作成する。
【0005】印刷法は、印刷マスクを通してパタンを転
写することで、基板にインクを選択的に塗布し、明暗の
パタンを形成する。型押しによる方法は、金属などの高
硬度の材料にパタンを形成し、これを基板表面に押し当
てながら走査することで基板を変形させ、連続的な格子
形状を作成する。
【0006】また、レーザアブレーションを用いた回折
格子の製造方法としては、特開平7−27910号公
報、特開平8−184707号公報等に記載された方法
がある。これらは、レーザ光を走査あるいは干渉させて
レーザアブレーション作用により格子形状を直接形成
し、回折光学素子としている。これらの製造方法におい
て、加工精度の点からは、イオン・電子ビーム法、干渉
露光法が優れ、加工コストの点からは、機械加工、印刷
法が優れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の製造方
法の問題点は、機械加工法は、加工精度が悪くピッチを
狭くすることが困難であった。また基板材料としてガラ
ス、金属などの比較的高強度の材料に限定される問題が
あり、高分子フィルム等の薄く変形が大きい材料への適
用は困難であった。
【0008】レジストによる加工では、作業工程が多く
工程管理が煩雑であり、装置コストが高い問題があっ
た。またエッチングでは材料選択性の幅が狭く、高精度
材料を使う必要があった。また高分子フィルム等では通
常作業が困難であり、大面積加工への適応性も低い。
【0009】2光束干渉法などの感光材料による形状作
成は、光学系が複雑となり形状作成の条件設定が難し
く、振動やレーザ特性に大きく影響を受けるという問題
があった。また感光性材料は選択幅が狭く、高価である
問題もあった。
【0010】イオン・電子ビームによる方法では、装置
コストが高く、真空中での加工を要求され、材料選択性
が低く大面積加工が困難であった。印刷法では、マスク
を通して印刷材料を塗布するため、微細ピッチでの作成
が困難であり、印刷圧力の変化やマスクの変形等により
形状精度も悪くなる問題があった。
【0011】型押しによる方法では、通常、金属の型を
作成する必要があるため、微細化・高精度化が困難であ
り、また材料も展性の高い変形しやすい材料に限定され
る問題があった。
【0012】レーザアブレーション法は、格子パタンに
合わせてレーザ光を照射するが、このとき基本的に表面
構造による回折現象を利用するため、加工幅や加工深さ
の制御を厳密に行う必要があった。また形状による透過
率変化が大きいため、それぞれの格子の形状を全面にわ
たって制御する必要があり、加工が困難である問題があ
った。
【0013】回折格子の回折効率は加工形状に大きく依
存するため、通常、高精度の形状制御を必要とするが、
例えばエンコーダに用いられる光学スケール等では透過
率、反射率差により信号を検出することが可能であり、
必ずしも形状制御をする必要はない。
【0014】本発明は、これらの課題を解決するための
ものであり、安価な高分子材料を用い、比較的簡便な装
置により製造が可能な、必要にして十分な光学特性を有
する光学素子を作成することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために以下の構成を有する。請求項1に係る発明
は、レーザ装置と、空間的に選択的にレーザを照射する
手段により構成され、レーザ光により高分子材料の一部
に微細構造を形成し、材料の光学特性を変化させること
を特徴とする回折光学素子の製造方法に関する。
【0016】請求項2に係る発明は、紫外レーザあるい
は短パルス幅のレーザ光を発生するレーザ装置を含み、
高分子材料の表面にレーザアブレーション作用により微
細形状を形成することを特徴とする請求項1記載の回折
光学素子の製造方法に関する。
【0017】請求項3に係る発明は、レーザ光を走査さ
せる手段あるいは空間的に強度変化させる手段を有し、
高分子材料の表面の一部に斜面形状を有する微細構造を
形成し、それにより表面反射率を変化させることを特徴
とする請求項2記載の回折光学素子の製造方法に関す
る。
【0018】請求項4に係る発明は、高分子材料の表面
に微粒子を散布する手段を有し、微粒子上からレーザ光
を選択的に照射することで高分子材料の表面に微細形状
を形成することを特徴とする請求項1記載の回折光学素
子の製造方法に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施例)本発明の実施例を図面
の記載とともに説明する。図1は、本発明の第1実施例
を示すもので、レーザ装置1からのレーザ光2は、ガル
バノミラー3、fθミラー4、あるいは反射ミラーやマ
スクなどにより空間的に選択的にステージ5上に設置さ
れた高分子基板6上に照射される。レーザ光2の走査あ
るいはステージ5の周期的移動により照射位置を変化さ
せ、レーザ加工により高分子基板6表面に微細形状を作
成する。高分子材料表面に空間的に選択してレーザ光を
照射するには、スリット型に作成したフォトマスクの像
を結像させて照射するか、あるいはビームを走査するな
どして行うことができる。またステージの移動により照
射位置をかえ、レーザ加工により基板表面に微細形状7
を形成することもできる。
【0020】そして、レーザ光のエネルギ強度を調整す
ることで、照射された材料表面を熱的あるいは光化学的
作用により変化させることが可能となる。このとき、レ
ーザ波長、レーザパルス幅、ピーク強度、偏光、照射強
度を調整することでレーザ照射部以外には影響を及ぼさ
ないで照射部のみを変形させることが可能である。高分
子基板6の表面形状は、上記条件によって大きく変化す
るが、表面荒さをランダムにミクロン以下の形状で作成
することが可能であり、表面に周期の一定でない突起部
と平坦部を選択的に作成することができる。基板の透過
率、反射率などの光学特性は表面形状に大きく依存し、
例えば表面基板の一部に微細な形状変化を起こすこと
で、加工部の光透過率が下がり、パタン上に光特性の変
化した回折光学素子が形成可能である。
【0021】本発明の第2実施例は、第1実施例におけ
るレーザ装置として紫外レーザ、あるいは短パルス幅の
レーザを発生する装置を用い、高分子基板6の表面にレ
ーザアブレーション作用により微細形状を作成するもの
である。レーザアブレーションでは、高分子材料やレー
ザ照射強度を調整することにより、加工部にコーン形状
や高分子の配向に対応した波形状、あるいは粒状形状が
現れる。この形状は高さがミクロンオーダから数十ミク
ロンオーダに作成することが可能である。高分子表面に
これら形状変化を起こすことで、光特性が変化し、反射
あるいは透過型光学素子としての機能を果たす。
【0022】図2、図3は、第2実施例の製造方法によ
って作成された光学素子の模式図であり、レーザアブレ
ーション作用によって除去された高分子基板6の加工部
表面は、熱影響や分子解離による電子、ラジカルの影響
で、図2に示すような高分子材料に特有のうねり形状8
や突起形状を示している。また、材料やレーザエネルギ
によっては、図3に示すようなコーン形状9のような形
状となる。この部分では光の散乱が起きるため通常の基
板よりも透過率が減少する。
【0023】本発明の第3実施例は、第2実施例におい
て、レーザ光を走査あるいはマスクを透過させて照射す
るなどにより、空間的に選択的に強度変化させる手段を
有し、レーザ光を選択的に高分子基板に照射し、高分子
材料の表面の一部に図4に示すような斜面形状10を作
成する。加工部が、図4に示すような傾斜形状10に形
成されていることにより、透過率、反射率を変化させた
光学素子とすることができる。レーザ光によるアブレー
ション作用では、通常、加工量は照射強度が高いほど多
いので、レーザ光照射強度を調整しながら選択的にレー
ザ光を照射することで、高分子材料の一部に断面が斜め
の形状を作成することが可能である。この斜面は上面か
らの光を反射し、反射率、透過率とも未照射部とは異な
る。このとき傾斜角をブリュスター角にすることで効率
的に透過率を下げることができる。
【0024】本発明の第4実施例は、図5(A)におい
て、高分子基板6上にハンダなどの光を反射する金属粒
子11や加工レーザ光に対し吸収係数の低い高分子粒子
などを散布して配置し、次いで高分子基板6表面にレー
ザ光を選択的に照射することで、レーザ光が粒子11に
よって散乱・吸収されることにより、粒子のある部分の
加工が進まず、図5(B)に示すように、コーン形状9
のような形状として残るので、フィルムに形状微細な突
起形状を作成することができる。空間選択的に粒子を分
散してレーザを全体に照射するか、あるいは全体に粒子
を分散してレーザ光を選択的に照射することで、スリッ
ト上に荒れを有する表面パタン形状を作成することがで
きる。荒れは、光透過率、反射率差として現れるため、
この構成により光学素子を作成することが可能となる。
なお、ここで用いた粒子は加工後回収することで、再度
使用することができる。
【0025】本発明の第5実施例は、第1実施例におい
てレーザ光の照射強度を変化させる手段を有し、照射強
度を変化させたレーザ光によるレーザアブレーション作
用を利用して高分子基板表面に微細突起形状を作成す
る。高分子基板の表面形状はレーザ照射強度により変化
するため、加工量を多くする必要がある場合、加工量は
レーザ照射強度が高いほど多いのでレーザ照射強度が高
いことが望ましい。また、一部に形状が形成された表面
にレーザ光を照射する場合、斜めに傾いた面へレーザを
照射すると単位面積あたりのレーザ照射強度が小さくな
るため、斜面の加工が起こりずらい。以上により、第1
に所望の形状変化を起こすレーザ光により表面に一部形
状変化をさせ、その後強いレーザ光を照射することで初
期形状に類似した除去量の多い加工が可能となる。ま
た、レーザ照射強度を変化させながら加工を進めること
で、一定なレーザ照射強度で作成困難な形状加工も可能
となる。これらの手法を利用することで、表面微細形状
・表面光学特性を有する光学素子を作成することができ
る。
【0026】第5実施例の製造方法による形状変化の例
を図6に示す。図6(A)に示すように、初期にレーザ
照射強度を低くすることにより表面に微細な突起形状1
2を作成し、その後レーザ照射強度を上げても平面部の
加工は進むが、テーパ部の単位面積あたりのエネルギは
低いため加工が起こりずらく、結果的に、図6(B)に
示すように、コーン形状9として加工部に突起形状が残
る。これによりレーザ照射部での光学特性が変化する。
第5実施例の製造方法によって、図2、図3に示すよう
な回折光学素子が作成される。
【0027】本発明の第6実施例は、第1実施例におい
てレーザ照射角度を変化させる手段を有し、レーザ照射
角度により単位面積あたりの照射強度を変化させること
を特徴とする。図7(A),図7(B)において、高分
子基板6をX軸ステージ13と傾斜ステージ14上に設
置し、レーザ光2を照射し、表面の加工を行い、微細な
形状15を形成する。その後X軸ステージ13を送り、
レーザ光を照射し、この動作を繰り返し行うことで周期
構造を形成する。さらに、ここで傾斜ステージを送り加
工位置を調整して、先程と同位置で加工を行うことで、
レーザ照射位置を変え、照射角度を変えたレーザ表面加
工が可能となる。
【0028】第6実施例の製造方法では、レーザ照射角
度が変化すると斜め入射のためレーザ照射面積が大きく
なる。これは同一レーザ強度では単位面積あたりのレー
ザ照射エネルギが変化することに相当し、第5実施例の
レーザ照射強度を変化させるのと同様の効果となる。ま
た、斜め入射では、レーザ強度の空間分布を変化させる
作用ももつため、これを利用した表面荒れを誘起するこ
ともできる。これら作用を利用することで、表面形状変
化を起こした光学素子を作成することができる。第6実
施例の製造方法によって、図2、図3に示すような回折
光学素子が作成される。
【0029】本発明の第7実施例は、前記第5及び第6
実施例において、少なくとも2つ以上のレーザ装置、あ
るいはレーザ光を分割する手段と同位置に照射する手段
を含み、2本以上のレーザ光により照射条件を変化させ
ることを特徴とするものであって、2つ以上のレーザに
よって同時あるいは連続的に照射するか、あるいはレー
ザ光を分割して照射する手段を有するものである。レー
ザ光は2つ以上のビームに分かれて高分子基板に照射さ
れるので前記第5及び第6実施例での変化をそれぞれの
レーザ光によって行うことができる。あるいは1本のビ
ームを固定し、他のビームを走査するなどして、高速に
所望の形状を作成することができる。
【0030】本発明の第8実施例は、前記第1実施例に
おいて、微細な多数の開口を有するマスクを透過したレ
ーザ光を照射し、微細な突起形状を作成することを特徴
とするものであって、高分子基板上にエンボスパタンを
形成することができる。ここで用いるマスクは、表面を
荒らす目的のため精度は高い必要がなく、フォトマスク
以外にも金属メッシュや散乱するガラス・石英板などが
利用できる。このランダムに透過した光をスリット上に
連続的に照射することで、光学素子を作成することがで
きる。
【0031】本発明の第8実施例において使用するマス
クの一例を図8に示す。このマスクは周期的に微細開口
部16と遮光部17を設けたもので、マスクの像を加工
面に投影することで、周期的な微細形状加工が可能とな
る。縮小倍率を変化させることで容易に微細形状のピッ
チを変化させることができ、ピッチの変化する回折格子
の加工もできる。
【0032】本発明の第9実施例は、第1ないし第8実
施例の製造方法によって作成された光学素子を型として
金型を作成し、これを転写・成形することを特徴とする
ものであって、例えば作成した素子に蒸着、電鋳等によ
りマスター金型を作成し、この金型から成型法等により
大量に連続的に光学素子を作成することができる。これ
により1つの光学素子を加工するだけで多くの光学素子
を作成することができる。
【0033】本発明の第1ないし第9実施例の製造方法
によって作成された透過型回折光学素子は、表面に微細
形状をスリット状に有し、これらは特にランダムな大き
さ、形状、高さを有するか、あるいは光を反射する斜面
を有する。これにより加工部と未加工部での光反射率、
透過率が異なり、特にPET樹脂、ポリカーボネート樹
脂等の透明高分子樹脂を用いることで、透過型のスリッ
ト、回折格子としての機能を果たす。またフィルム状高
分子を用いることで、通常のガラス基板などでは困難な
曲面での利用や変形物での利用ができる。
【0034】本発明の第1ないし第7実施例の製造方法
によって作成された透過型回折光学素子は、少なくとも
表面あるいは裏面に金属膜からなる反射層を有すること
ができる。この場合の高分子材料としては、裏面に反射
膜を有する材料を利用するか、反射膜を付加することで
可能となる。これにより反射型のスケール、回折光学素
子としての機能を有する。このとき反射膜は加工に影響
を与えないため各種材料を選択可能であり、アルミ、銀
などの金属材料や誘電体材料などが利用できる。
【0035】以上のような各実施例の製造方法によって
作成される回折光学素子の材料である高分子基板では、
一部に接着層を有するものであってもよい。これは加工
材料として接着層を有する高分子材料を用いるか、ある
いは接着層を付加することで可能となる。これにより、
例えば接着剤付き高分子板などの安価な材料を被加工材
料として用い、これを他の材料に接着することで、容易
に光学機能を付加した材料を作成することができる。ま
たフィルム材料に接着機能を付加することで、リニアス
ケールとして材料に位置検出機能を付加することができ
る。また円筒面あるいは回転体表面に接着することで、
回転体表面の位置検出を行うこともできる。
【0036】また、回折光学素子の材料である高分子基
板は、その表面の片面あるいは両面に保護層として透明
材料層を有するものであってもよい。加工部を透明保護
材料で埋めることにより、加工形状を保持・保護するこ
とが可能となる。回折格子では一般に屈折率など光学特
性が大きく回折効率に影響するため、保護層の選択幅が
狭い、あるいは導入が困難であるが、本発明の製造方法
によって作成された光学素子では反射率、透過率による
制御のため透明材料であれば多くのものが利用可能であ
り、全面を安価に保護することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る回折光学素子の
製造方法によれば、レーザ装置により発生されるレーザ
光により高分子材料からなる基板に微細構造を形成し、
高分子材料の光学特性を変化させるものであるため、従
来の他の製造方法では作成困難な微細形状を作成するこ
とができる。また光学素子材料の選択性が高いため、機
材を選択する、あるいは加工後に機能を付加すること
で、容易に光学特性、作業性を向上させることができ、
安価な高分子材料を用い、比較的簡便な装置により製造
が可能な、十分な光学特性を有する光学素子を製造する
ことができる。そして、レーザ波長、レーザパルス幅、
ピーク強度、偏光、照射強度を調整することでレーザ照
射部位外には影響を及ぼさないで照射部のみを、熱的あ
るいは光化学的作用により変形させることが可能であ
る。
【0038】また、請求項2の回折光学素子の製造方法
によれば、高分子材料やレーザ照射強度を調整すること
により、加工部にコーン形状や高分子の配向に対応した
波形状、あるいは粒状形状が現れ、この形状は高さでミ
クロンオーダから数十ミクロンオーダで作成することが
できる。
【0039】請求項3の回折光学素子の製造方法によれ
ば、レーザ光照射強度を調整しながら選択的にレーザ光
を照射することで、高分子材料の一部に断面が斜めの形
状を作成することができる。
【0040】請求項4の回折光学素子の製造方法によれ
ば、表面に粒子を分散させる手段によりレーザ照射前に
照射部に粒子を配置し、これにレーザを照射すること
で、粒子の散乱・吸収により部分的に加工されない部位
が生じ、これにより大面積の光学素子を安価に、能率的
にスリット状に荒れを有する表面パタン形状を作成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の製造方法を説明するた
めの概略図である。
【図2】 本発明の第2、第5、第6実施例の製造方法
によって作成した光学素子の模式図である。
【図3】 本発明の第2、第5、第6実施例の製造方法
によって作成した光学素子の模式図である。
【図4】 本発明の第3実施例の製造方法によって作成
した光学素子の模式図である。
【図5】 本発明の第4実施例の製造方法を説明するた
めの概略図、及びこの製造方法によって作成した光学素
子の模式図である。
【図6】 本発明の第5実施例の製造方法を説明するた
めの概略図、及びこの製造方法によって作成した光学素
子の模式図である。
【図7】 本発明の第6実施例の製造方法を説明するた
めの概略図である。
【図8】 本発明の実施例において使用するマスクの模
式図である。
【符号の説明】
1…レーザ装置、2…レーザ光、3…ガルバノミラー、
4…fθミラー、5…ステージ、6…高分子基板、7…
微細な形状、8…うねり形状、9…コーン形状、10…
傾斜形状、11…金属粒子、12…微細な突起形状、1
3…X軸ステージ、14…傾斜ステージ、15…微細な
形状、16…微細開口部、17…遮光部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ装置と、空間的に選択的にレーザ
    を照射する手段により構成され、レーザ光により高分子
    材料の一部に微細構造を形成し、材料の光学特性を変化
    させることを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 紫外レーザあるいは短パルス幅のレーザ
    光を発生するレーザ装置を含み、高分子材料の表面にレ
    ーザアブレーション作用により微細形状を形成すること
    を特徴とする請求項1記載の回折光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 レーザ光を走査させる手段あるいは空間
    的に強度変化させる手段を有し、高分子材料の表面の一
    部に斜面形状を有する微細構造を形成し、それにより表
    面反射率を変化させることを特徴とする請求項2記載の
    回折光学素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 高分子材料の表面に微粒子を散布する手
    段を有し、微粒子上からレーザ光を選択的に照射するこ
    とで高分子材料の表面に微細形状を形成することを特徴
    とする請求項1記載の回折光学素子の製造方法。
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