JP2000146082A - 耐震用管継手端部の防食構造とその成形方法 - Google Patents

耐震用管継手端部の防食構造とその成形方法

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JP2000146082A
JP2000146082A JP10343553A JP34355398A JP2000146082A JP 2000146082 A JP2000146082 A JP 2000146082A JP 10343553 A JP10343553 A JP 10343553A JP 34355398 A JP34355398 A JP 34355398A JP 2000146082 A JP2000146082 A JP 2000146082A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切り管の挿し口を防食化しつつ耐震構造とす
るためには煩瑣な作業性や管内圧の損失などの障害が伴
い易い。 【解決手段】 挿し口1へ嵌合した挿し口リング2の露
出した内側面21にはバックアップリング3を、また、
露出しない溝内の内側面22と該溝側面との間隙には溝
部緩衝材4をそれぞれ取り付け、挿し口1の非塗装面か
ら挿し口リング外周面にかけて同一形状に成形した防食
カバー5を被覆して非塗装面を保護する。該防食カバー
は耐食性金属板に多数のパンチ孔51を穿孔して成形し
た多孔性筒状体のカバー本体50と、該カバー本体50
の表裏両面を被覆すると共に前記パンチ孔51内を充填
して両被覆面を繋いで剥脱を阻止する係合部61を具え
た弾性被包体60で形成し、弾性と係合力によって緊着
し容易に剥脱しないで保護作用を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地下に埋設して水道
用の管路を形成する鋳鉄管の管継手、特に標準規格の鋳
鉄管同士の接続ではなくて、現場施工時の寸法調整のた
め鋳鉄管を途中で切断したときに生じる切り管を含む耐
震用管継手端部の防食構造に係る。
【0002】
【従来の技術】鋳鉄管は外面塗装と内面ライニングによ
って全面的に防食機能を具え、地中に敷設されて管外周
面で接する土砂の含有水分やその他の腐食性雰囲気に取
り囲まれ、管内では常に流水と接していても、容易に腐
食が進行しないように保護されている。したがって通常
の敷設工事のように鋳鉄管の受口内へ別の鋳鉄管の挿し
口を挿入し、適当な止水用のパッキングなどを介装して
水封状態で相互に接合すれば、ほとんど完全に水分の侵
入する機会がなく、良質の飲料水を需要者まで届けるの
に何の懸念も起こらない。
【0003】しかし、管路の敷設が常に定寸法の鋳鉄管
の接合だけで終わるとは限らない。ほとんどの敷設工事
では、その工区の最後となる接合地点が鋳鉄管の定寸法
で終わることは稀であり、所定の長さとなるように途中
で切断した鋳鉄管で半端となった工事範囲を完結する場
合が通常の態様である。
【0004】途中で工事の都合によって現地切断した切
り管は、少なくとも切り口では防食塗料が削り取られ、
管路を地下に敷設して腐食性雰囲気に曝されたときに
は、露呈した鋳鉄地肌が集中的に腐食作用を受けるウィ
ークポイントとなる。他の表面が如何に防食機能で保護
されていようとも、1箇所でも金属面の曝露した弱点が
存在すれば、全体としての防食性は完全に失われ、腐食
が集中して発錆部が急速に成長し、鋳瘤状に膨出した欠
陥となって管内の通水を赤く汚濁し、赤水を家庭に届け
るという不手際に発展する懸念が高くなる。
【0005】現地において所望の寸法にダクタイル鋳鉄
管を切断して継ぎ足す方式は現状では避け難いから、こ
の切り口の防水性を確保するための手段が要請されるこ
とは当然の成行きである。最も原始的には切り管の切り
口で切断時に欠けた防食塗料を補修するために現地で再
塗布し、防食機能を回復する施工方法があるが、その
他、切り管の切り口に樹脂製の防錆カバーを添着し、露
出した鋳鉄の表面を被覆して防食機能を回復する例など
も実施されている。
【0006】図11(A)(B)は実開平4−1381
95号公報で提示された従来技術であって、接続する相
手の管は図(B)からも窺えるように標準形状の受口で
あり、この受口に対して切り管の先端を挿し口として接
合する場合を想定としている。対象とする管の内径より
やや小径の筒体101は、周方向に連続する環状フィン
102を軸方向に定間隔毎に複数個設け、中央にストッ
パとしての環状突条103を突設した弾性ゴム材からな
るシール部材104と、該シール部材104の内面に、
軸方向に連続した切開部を有する金属製筒105が同軸
一体に嵌合した複合層を要旨とする。この可撓性を具え
たシール部材104の弾性変形と、背後を支える金属筒
105に切り込んだ切開部が許容する変形によって、管
の許容公差による内径のばらつきを吸収し、ゴム材の強
度的な弱点は背後に嵌合する金属筒の強度によって補完
するという発想である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、先年の阪神大震
災において得られた教訓として、耐震構造の配管系の威
力をまざまざと見せつけられ今後の水道管敷設工事には
不可欠の要件となった。耐震構造には種々の型式がある
が、たとえば、スリップオンタイプとして図12に示す
ダクタイル鋳鉄管のNS形継手では、受口202に予め
芯出し用ゴム251とロックリング205を嵌入し、さ
らに挿し口201に挿し口リング212を突設し、最も
抜け出した位置ではロックリング205と挿し口リング
212が係止してそれ以上の抜け出しを阻止する一方、
最も挿し込んだ位置で挿し口先端211と受口202の
最深部に相当する段差221が係止してそれ以上の突っ
込みを阻止するから、この範囲において地震などの揺
動、振動に遭遇しても管が離脱しないような構成を示し
ている。
【0008】ここで例示した従来技術のうち、現地での
再塗装については塗料材の調合、塗布作業を塗装の専門
家で実施するわけではなく、作業性や塗装面の品質の点
で一抹の不安がないわけではない。加えて施工が寒冷地
や厳冬期における管路敷設工事であるケースも当然起こ
り得るから、塗装後の乾燥に長い時間を費やし作業性の
低下を招く要因に挙げられることも稀ではない。さらに
現地作業では施工後の検査も不十分となる虞れがあり得
るので、塗り残しを見落したり、塗膜が適性ではないた
め折角施した防食機能が完全に発揮されずに局部的な発
錆を生じる懸念も残る。
【0009】継ぎ足し配管時に専用の継手用防食コアを
適用することは前記手作業の低い信頼性を確実に改善す
る。しかし図11のような専用の継手用防食コアを図1
2のような耐震用管継手の切り管に適用することは極め
て難しい。すなわち切り管はどこで切るかあらかじめ不
明であり、図12のように挿し口リングをダクタイル鋳
鉄管製造の時点であらかじめ挿し口に周設しておくこと
はできない。必ず敷設工事現場において寸法切り後に切
り口近くに凹溝を加工刻設し、その溝内へ挿し口リング
を挿嵌する方式を採らざるを得ない。このため切り口の
他に溝部全面にも非塗装面が現われ、同時に耐震機能を
保証するためには、図12のように挿し口先端が受口内
のある範囲に亘って相対的に移動し得る構造でなければ
ならない。この可動範囲を図11の防食用コアを適用し
てカバーしようとすれば、図13のように極めて広い範
囲(Ymax)に亘る長さが必要となる。現実的にこのよ
うな長い区間に亘って管内径が短縮することは、圧力損
失を招くという管路としての本質的欠陥に繋がり、また
防食コアの製造や接合作業の上でも煩瑣であり、工程上
の大きな負担となる懸念が高い。
【0010】本発明は以上の課題を解決するため現地の
敷設工事で切り口を使用した耐震構造の接合が容易であ
り、優れた作業性を具えた耐震用管継手の端部の防食構
造の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐震用管継
手端部の防食構造は、切り管の挿し口1に刻設した嵌合
溝11へ嵌合した挿し口リング2の露出した内側面21
にはバックアップリング3を、また、露出しない溝内の
内側面22と該溝側面との間隙には溝部緩衝材4をそれ
ぞれ取り付け、挿し口1の切り口12、傾斜面13から
挿し口リング2の外周面にかけて同一形状に成形した防
食カバー5を被覆して非塗装面を保護し、該防食カバー
5は耐食性金属板に多数のパンチ孔51を穿孔して成形
した多孔性筒状体のカバー本体50と、該カバー本体5
0の表裏両面を被覆すると共に前記パンチ孔51を充填
して両被覆面を繋いで剥脱を阻止する係合部61を具え
た弾性被包体60よりなることを特徴とする。
【0012】この防食構造を成形する方法としては、切
り管の挿し口1の端部外周面で挿し口リング2用の嵌合
溝11および傾斜面13を切削して成形し、挿し口外周
面15上へ溝部緩衝材4とバックアップリング3とを預
け、前記嵌合溝11へ挿し口リング2を嵌合すると共
に、切り口12、傾斜面13の非塗装面を全面的に被覆
する形状にあらかじめ成形し屈折した後端面54だけを
未成形のまま残した防食カバー5を前記非塗装面へ全面
に亘って被冠した後、挿し口リング2の上方に露出した
内側面21に接して溝部緩衝材4を、また嵌合溝11内
に嵌まって露出しない内側面22に接してバックアップ
リング3をそれぞれ添着して相互に離脱不能に係合固定
し、さらに防食カバー5の後端部を屈折してバックアッ
プリング3を押圧する後端面54を成形して離脱困難と
なるように締め付ける手順によって達成される。
【0013】本発明に係る防食構造は、現地で管路長の
調整のため生じた切り管の切り口12、傾斜面13より
なる挿し口端部の切削加工面、すなわち製管時に塗装さ
れた防食塗料が削り取られた非塗装面、および外部に露
出した挿し口リング2の外周面に至る全面を防食カバー
5で被覆し、外部との接触を断って発錆を阻止すると共
に、挿し口リング2と嵌合溝11との間隙に溝部緩衝材
4を嵌入した上で、溝部緩衝材4とバックアップリング
3とを上下で離脱不能にする抜け止め作用を発揮させ、
さらに両部材上へ防食カバー5の後端面54で圧迫して
遮水作用をより完全に強化し、併せて残る非塗装面であ
る嵌合溝刻設の側面からの発錆を防止する。
【0014】カバー本体50が被覆する非塗装面および
挿し口リング2の外周面に当る筒状部には多数のパンチ
孔51を穿孔し、カバー本体50の表面、裏面をそれぞ
れ被覆する弾性被包体60の表面、裏面とはこのパンチ
孔51を充填した同一材の係合部61によって一体的に
接続しているから、パンチ孔の数だけカバー本体50と
弾性被包体60とは係合して防食カバー5を形成してい
る。たとえ防食カバー5を剥脱する方向に引張り力が作
用したとしても、防食カバーの切り口側の先端面とバッ
クアップリング側の後端面54との間には弾性力と拘束
作用とが同時に働き、さらに後端面54はバックアップ
リング3によって強固に係止されているから、容易に離
脱することを許さないという特有の機能が現われる。
【0015】防食構造の成形方法は図2のように、挿し
口1に挿し口リング2、溝部緩衝材4、バックアップリ
ング3をそれぞれ所定の位置へ取り付けた上、後端面5
4だけを未成形でその他の部分は所定の形状にあらかじ
め成形プレスなどで塑性変形した防食カバー5を被冠す
る[図(A)]。ここで防食カバー5を軸方向に押圧し
て固定し、防食カバー5の後端部を簡単な治具によって
屈折して後端面54を成形する。成形後、押圧力を解除
すると、防食カバーは後端面54と挿し口先端の切り口
12との間で発生する弾性被包体60の反撥力を受ける
ことになり、防食カバー5をより確実に挿し口先端に固
定すると共に、非塗装面への水の侵入を防止する[図
(B)]。図(C)は成形加工した防食カバーを挿し口
上へ取り付けた状態を斜視図で示したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を示す一
部縦断正面図(A)と、図(A)における要部(円形で
区切った範囲:A部)の拡大図(B)、およびさらに図
(B)における要部(円形範囲:B部)の拡大図(C)
である。一方のダクタイル鋳鉄管の受口6には、管端側
からゴム輪61、支持リング71によって均等に付勢さ
れる一つ割のロックリング7が取り付けられ、一方、切
り管の挿し口1には嵌合溝11が刻設されて、この溝内
へ挿し口リング2が嵌合して移動の最終段階では挿し口
リング2とロックリング7とが衝き当ってストッパの役
割を果し、典型的な離脱防止の耐震構造を形成する基本
条件に変りはない。
【0017】本発明の特徴である防食構造は、切り管の
挿し口1の端面である切り口12から、挿し口内周面を
斜めに切削して円滑な挿入を図った傾斜面13[図中、
クロスマークが連続した範囲(×××……)が切り管作
成によって新たに生じた非塗装面]、およびこの傾斜面
13に連続した勾配を保つ挿し口リング2の傾斜面2
6、最大の外径となる挿し口リング2の頂面25、およ
び挿し口リングの外部へ露出した内側面21にかけて緊
密に被覆する耐食性金属板の防食カバー5が外界との接
触を断つことによって基本的に形成される。
【0018】防食カバー5単品のの詳細は図3(D)
(屈折成形前)と同図(E)(屈折成形後)で表わされ
るように、多数のパンチ孔51を穿孔した耐食性金属板
を筒状に成形した多孔性筒状体であるから、カバー本体
50と、カバー本体50の表面52、裏面53と密着し
て被覆する表面62、裏面63、および両被覆面をパン
チ孔を充填して繋ぎ一体的に接続する係合部61を具え
た弾性被包体60とからなる。図1、図3の両図から全
体的に理解されるように、防食カバー5は腐食の虞れが
ある露出した非塗装面を完全に外界から保護すると共
に、切り口12に添着する先端面55と、挿し口リング
2の内側面21に展着する後端面54との間に屈折力に
よる塑性変形によって発生した弾性と、前記の多数の係
合部61の散在によって発生した圧縮係合の共働きが作
用し、さらに後端面54にはバックアップリング3と溝
部緩衝材4による係止力が相乗して強固な遮水作用と離
脱防止機能を併発させることはすでに記載した通りであ
る。
【0019】部材別に実施形態の詳細を例示すれば、既
に述べた図3は防食カバー5の取り付け前の縦断正面図
(A)、側面図(B)、縦断正面図の要部の拡大図
(C)、およびさらに図(C)の一部(円形範囲)の拡
大図(D)、並びに取り付け後、成形加工した図(D)
に示す部分の形状の変化をしめした拡大図(E)であ
り、あらかじめ挿し口先端の切り口12から挿し口リン
グにかけてフィットするように成形プレスなどによって
先端面55、傾斜面56、および水平面57を成形して
おく。後方の水平面57の所定の位置、すなわち挿し口
リングの内側面21に対応する箇所に内周面から内溝5
8を設けて屈折の位置決めと容易に成形できるように図
ることも望ましい。
【0020】図4はカバー本体50の筒状体の一部正面
図(A)と、図(A)におけるB−B部矢視の断面図
(C)である。図のようにカバー本体50の筒状部[前
の図3(C)における傾斜面56、水平面57]は微細
な波形(皺状)に凹凸を繰り返した外周面よりなり、図
1(C)に示した挿し口、挿し口リングの傾斜面26、
頂面25などの加工時の外径誤差を吸収できる形状とし
ている。この場合、カバー本体50の最大内径(山部頂
点)は挿し口リングの許容最大公差の外径Dに等しく、
最小内径(谷部底点)は挿し口リングの許容最小公差の
外径dと等しいように設定しておくと、挿し口リング2
の上へ防食カバー5を嵌め込むとき、カバー本体の波形
外周面の谷部が挿し口リング外周に沿った形で円周方向
に伸びるから、挿し口リングの最大、最小の寸法公差を
吸収して防食カバーが隙間なく密着して被覆する作用が
現われる。カバー本体50の材質としては耐食性、強
度、成形性など、通常接水する部材としての要件と同様
に、ステンレス鋼、銅または銅合金などから選択するこ
とが望ましい。
【0021】図5は溝部緩衝材4の縦断正面図(A)、
部分側面図(B)、図(A)における要部(円形範囲)
の拡大図(C)であり、嵌合溝11へ嵌まり込んだ挿し
口リング2の外部へ露出しない内側面22と溝側面間に
不可避的に生じて「水みち」となる間隙を埋める断面ほ
ぼ長方形の本体41を主体として、本体41より薄肉の
横向き突部43の先端を形成するテーパ面42を本体頂
面の両端からそれぞれ突設した弾性体で形成している。
【0022】図6はバックアップリング3の縦断正面図
(A)、一部側面図(B)および図(A)における要部
(円形範囲)の拡大図(C)であり、溝部緩衝材4を上
方から圧縮係止して離脱できないように拘束する剛性の
環状体である。材質としてはステンレス鋼、銅または銅
合金などの耐食性金属で製作する。形状的には防食カバ
ー5の後端面54と圧着する内側面31と、内側面31
の下端から水平に突出して溝部緩衝材4の横向き突部4
3を上から圧縮する横向き突部33とからなる。横向き
突部33は下底面を若干屈折してなるテーパ面32を具
え、下方に位置する溝部緩衝材4のテーパ面42と係合
するので、両部材は圧接して溝部緩衝材4が離脱するこ
とを阻止する。
【0023】図7は溝部緩衝材4、防食カバー5、バッ
クアップリング3の3部材が係合して相互に拘束して離
脱不能に組合わされた態様を示し、図(A)は防食カバ
ー5の後端面付近、図(B)はバックアップリング3、
図(C)は溝部緩衝材4のそれぞれの断面図、図(D)
はこれら3部材が取り付けた後に緊密に係合している状
態を示す。防食カバー5の後端面54と挿し口リング2
の露出した内側面21との間にバックアップリング3を
挾在させ、嵌合溝11内へ嵌め込まれて露出しない挿し
口リング内側面22と嵌合溝側面間には溝部緩衝材4を
挾在させ、かつバックアップリング3の下端面と溝部緩
衝材4の上端面とを圧着係止した構造とすることによっ
て、非塗装面(クロスマーク)への遮水機能と抜け止め
機能が併発するように設定したものである。
【0024】図8は本発明に適用した挿し口リング2の
断面図(A)、一部側面図(B)、および図(B)にお
けるB−B断面矢視図(C)である。挿し口リング2は
開き勝手の一つ割の環状体で作成されているが、その分
割面23近くの内側面21に1箇所の絞り孔24を設
け、防食カバー5を被冠する施工時にこの絞り孔24へ
適当な工具を差込んで円周方向に絞り込み、防食カバー
5が挿し口リングの外周面に容易に被さるようにしてお
くと、作業が容易となる利点が得られる。
【0025】図9各図は本発明の施工手順を示したもの
である。 図(A)において、切り管の傾斜面13と嵌合溝11
の切削加工後、溝部緩衝材4、バックアップリング3を
挿し口1の外周面15上に預け入れる。 図(B)において、挿し口リング2を嵌合溝11へ嵌
合する。 図(C)において、挿し口リング2の絞り孔24に簡
単な治具を差込んで絞り込み、防食カバー5をその上へ
挿入して固定する。 図(D)において、溝部緩衝材4、バックアップリン
グ3を取付け、ハンマーなどを使って防食カバー5の端
面を所定の幅だけ90°屈折して後端面54を成形す
る。その後、防食カバー5を固定していた治具を取り外
して施工を終了する。
【0026】図10は別の実施形態を示す一部縦断正面
図であり、防食カバー5Aの先端を切り口12の被覆面
からさらに直角に屈折して挿し口1の内周面14の一部
に及んだ屈折部59を設けた形態であり、一層封止作用
と離脱防止作用と昂進した構成となる。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上に述べた通り管路の現地敷
設工事において生じた切り管を使って受口へ接合する管
継手を耐震化するに当り、不可避的に生じる非塗装部分
だけを防食カバーで被覆する構成であるから 防食カバー取り付け後は通常の手順通りに施工でき
る。 従来技術(図11)のように挿し口内周面に部材を挿
入しないので、管内径を縮径することなく圧力損失の問
題も起こらない。 管接合後、地盤変動などの原因により継手部が伸縮し
た場合でも、防食カバーが挿し口リングと共に移動する
から、防食機能に何の影響も与えずそのまま維持され
る。 防食カバーの外周面を波形に成形することによって、
施工時に考えられる切り管の挿し口リングの許容される
最小、最大の寸法公差を吸収し、工事を容易に進めると
共に、防食カバーが挿し口端部に密着して遮水性を一層
向上する一因となる。
【0028】とくに本発明の特徴は、従来技術の防食カ
バーなどに比べると拘束力が強いため離脱を防止する機
能が高く、管路に振動、震動、衝撃などの外力が加えら
れても防食作用が保証される利点が大きい。とくに防食
カバーが剛性の耐食性金属の多孔性筒状体と、この孔部
を充填した上で筒状体の表裏を一体的に被包する弾性体
の共働きによって離脱方向に加わる外力に耐えて確実に
機能を維持する効果は大きい。また、切り管は管路の敷
設工事の最終段階に生じることが多いが、本発明の防食
構造を施工する手順が簡単容易で、作業者の特別な熟練
度を前提とせず、個人差による品質のバラツキもない。
治具、工具も簡単な手持ち品で足り、堅牢で遮水性に優
れた接合部を現場的に容易に施工できる上、優れた特性
がそのまま持続する効果は従来技術を遥かに凌駕するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態の部分縦断正面図(A)、図
(A)要部(円形範囲)の拡大図(B)、図(B)の要
部(円形範囲)の拡大図(C)である。
【図2】防食カバーの成形前(A)と成形後(B)をそ
れぞれ示す部分縦断正面図および成形後の斜視図(C)
である。
【図3】成形前の防食カバーの縦断正面図(A)、側面
図(B)、図(A)の要部(円形範囲)の拡大図
(C)、図(C)におけるさらに一部(円形範囲)の拡
大図(D)、および同範囲の成形後における形状変化を
示す拡大図(E)である。
【図4】防食カバーの筒状部分の正面図(A)と図4に
おけるB−B部の一部断面図(B)である。
【図5】溝部防食ゴムの縦断正面図(A)、部分側面図
(B)および図(A)の要部(円形部分)の拡大図
(C)である。
【図6】バックアップリングの縦断正面図(A)、部分
側面図(B)および図(A)の要部(円形部分)の拡大
図(C)である。
【図7】(A)(B)(C)によって防食カバーとバッ
クアップリングと溝部緩衝材のそれぞれの係合部分の断
面を示し、(D)はこれら3部材の係合状態を示す一部
断面図である。
【図8】挿し口リングの縦断正面図(A)、一部側面図
(B)、図(B)におけるB−B断面矢視の拡大図
(C)である。
【図9】(A)〜(D)によって本発明の施工手順を部
分縦断正面図によって示す。
【図10】本発明の別の実施形態を示す部分縦断正面図
である。
【図11】従来技術(切り管用の防食構造)の縦断正面
図(A)と実施状態の一部縦断正面図(B)である。
【図12】従来技術(耐震管継手)を示す部分縦断正面
図である。
【図13】従来技術の防食構造を耐震構造に準用したと
きの課題を示す部分縦断正面図である。
【符号の説明】
1 挿し口 2 挿し口リング 3 バックアップリング 4 溝部緩衝材 5 防食カバー 6 受口 7 ロックリング 11 嵌合溝 12 切り口 13 傾斜面 14 内周面 15 外周面 21 内側面(露出) 22 内側面(非露出) 23 分割面 24 絞り孔 31 内側面 32 テーパ面 33 横向き突部 41 本体 42 テーパ面 43 横向き突部 50 カバー本体 51 パンチ孔 52 表面 53 裏面 54 後端面 55 先端面 58 内溝 59 屈折部 60 弾性被包体 61 係合部 62 表面 63 裏面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切り管を含む耐震用管継手において、切
    り管の挿し口1に刻設した嵌合溝11へ嵌合した挿し口
    リング2の露出した内側面21にはバックアップリング
    3を、また、露出しない溝内の内側面22と該溝側面と
    の間隙には溝部緩衝材4をそれぞれ取り付け、挿し口1
    の切り口12、傾斜面13から挿し口リング2の外周面
    にかけて同一形状に成形した防食カバー5を被覆して非
    塗装面を保護し、該防食カバー5は耐食性金属板に多数
    のパンチ孔51を穿孔して成形した多孔性筒状体のカバ
    ー本体50と、該カバー本体50の表裏両面を被覆する
    と共に前記パンチ孔51内を充填して両被覆面を繋いで
    剥脱を阻止する係合部61を具えた弾性被包体60より
    なることを特徴とする耐震用継手の防食構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、溝部緩衝材4は断面
    がほぼL形の弾性環状体で形成し、前記間隙内へ嵌入す
    る本体41の頂面から水平に突出しテーパ面42で終る
    横向き突部43を具え、一方、バックアップリング3の
    下底面も水平に突出してテーパ面32を含む横向き突部
    33を具え、溝部緩衝材4のテーパ面42、横向き突部
    43をバックアップリング3のテーパ面32、横向き突
    部33が圧縮しつつ離脱不能に係合していることを特徴
    とする耐震用管継手端部の防食構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、挿し口リン
    グ2を開き勝手の一つ割環状体で形成し、その分割面2
    3近くの内側面21へ絞り孔24を設けたことを特徴と
    する耐震用管継手端部の防食構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかにおいて、挿し
    口1および挿し口リング2の露出した外周面を被覆する
    カバー本体50の筒状部分を挿し口リング2の許容され
    る最大外径Dと最小外径dとを交互に繰り返した波形の
    凹凸面で形成したことを特徴とする耐震用管継手端部の
    防食構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかにおいて、防食
    カバー5が挿し口先端の切り口12の内周面で折り返し
    て挿し口内周面14の一部まで連続的に添着した屈折部
    59を形成していることを特徴とする耐震用管継手端部
    の防食構造。
  6. 【請求項6】 切り管を含む耐震用管継手端部の防食構
    造の成形方法において、切り管の挿し口1の端部外周面
    で挿し口リング2用の嵌合溝11および傾斜面13を切
    削して成形し、挿し口外周面15上へ溝部緩衝材4とバ
    ックアップリング3とを預け、前記嵌合溝11へ挿し口
    リング2を嵌合すると共に、切り口12、傾斜面13の
    非塗装面を全面的に被覆する形状にあらかじめ成形し屈
    折した後端面54だけを未成形のまま残した防食カバー
    5を前記非塗装面へ全面に亘って被冠した後、挿し口リ
    ング2の上方に露出した内側面21に接して溝部緩衝材
    4を、また嵌合溝11内に嵌まって露出しない内側面2
    2に接してバックアップリング3をそれぞれ添着して相
    互に離脱不能に係合固定し、さらに防食カバー5の後端
    部を屈折してバックアップリング3を押圧する後端面5
    4を成形して離脱困難となるように締め付けることを特
    徴とする耐震用管継手端部の防食構造の成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015158214A (ja) * 2014-02-21 2015-09-03 日本鋳鉄管株式会社 管継手構造
CN111804472A (zh) * 2019-04-11 2020-10-23 青岛海尔洗碗机有限公司 一种洗碗机搁架、洗碗机及洗碗机搁架的处理工艺
CN114729717A (zh) * 2019-11-14 2022-07-08 臼井国际产业株式会社 扩口接头结构以及扩口管的制造方法

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