JP2000146007A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2000146007A
JP2000146007A JP10318849A JP31884998A JP2000146007A JP 2000146007 A JP2000146007 A JP 2000146007A JP 10318849 A JP10318849 A JP 10318849A JP 31884998 A JP31884998 A JP 31884998A JP 2000146007 A JP2000146007 A JP 2000146007A
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valve
spill
fuel
passage
fluid
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JP10318849A
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Katsuhiko Takebe
勝彦 建部
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁体が十分な回転力を流体から得ることがで
き、片当たりによる偏摩耗を防止することが可能な電磁
弁の提供。 【解決手段】 弁体82の軸部82aには、内部スピル
空間84(流入部位)からスピル連絡凹部(流出部位)
86aへ向かう燃料のスピル流路82fが形成されてい
る。スピル流路82fに面している壁部82dの壁面の
内、壁面82gは、内部スピル空間84側に対して傾斜
状態で対向している。この壁面82gには、内部スピル
空間84側から流入してくる燃料が衝突し、螺旋状のス
ピル流路82fに沿った流れになるように誘導される。
この誘導時に、壁面82gが燃料から受けた力は矢印C
にて示すごとく、弁体82全体を貫通孔80a内で軸線
周りに回転させる回転力となり、アーマチャ90とスプ
リングとの間の摩擦等に対向できる回転力を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁コイルの起磁
力に応じて弁体を駆動して該弁体のバルブフェースとバ
ルブシートとを離合動作させることで流体通路を開閉す
る電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁弁において、何らかの原因で
弁体のバルブフェースとバルブシートとが片当たりをし
た場合、経時においてバルブフェースやバルブシートに
偏摩耗を引き起こすことがある。このような偏摩耗が生
じるとシール性が低下し電磁弁を閉駆動させても完全に
密閉しなくなるという問題が生じる。
【0003】このような偏摩耗を防止するために、バル
ブシートに対して弁体を回転させることで、バルブシー
トとバルブフェースとが均一な当たりとなるようにする
電磁弁が知られている(特開平7−224960号公
報)。
【0004】この従来構成の具体例として、内燃機関の
高圧燃料供給装置に用いられる電磁スピル弁に適用した
例を図6(本図は後述する図7におけるG−G断面図で
ある)に示す。
【0005】この従来構成では、電磁スピル弁241の
ケース242内には略円筒状のスリーブ243が固定さ
れ、このスリーブ243内にはコア244が固定されて
いる。そしてスリーブ243の外周には円環状のコイル
245が配置されている。このコイル245は、リード
線245aを介して電子制御ユニット(図示していな
い)により通電制御されることにより必要に応じて励磁
される。
【0006】ケース242の先端部分(図6の左側部
分)には略円筒状のシート体246が挿入支持されてい
る。このシート体246の内部には先端側部分が拡径さ
れた貫通孔246aが軸方向に形成されている。この貫
通孔246a内には、弁体247の略円柱状をなす軸部
247aが軸方向に移動可能にかつ回転可能に挿入支持
されている。
【0007】弁体247の先端部分は拡径されており、
この拡径された部分にバルブフェース247bが形成さ
れている。貫通孔246aの先端側開口における周縁部
分は電磁スピル弁241のバルブシート246bに相当
し、このバルブシート246bには、弁体247の軸方
向での往復動に伴ってバルブフェース247bが離合す
る。このバルブシート246bとバルブフェース247
bとの離合動作が、電磁スピル弁241の開閉動作に相
当する。また、貫通孔246aの拡径された先端側内周
面と軸部247aの外周面とにより環状の内部スピル空
間248が区画形成されている。
【0008】この内部スピル空間248へは、図7(図
6のF−F断面)に示すごとく、シート体246を貫通
して、周囲の燃料排出通路からスピル通路239(ここ
では4本)が接続されている。この4本のスピル通路2
39は、内部スピル空間248に溢流してきた燃料を排
出する通路である。この4本のスピル通路239はすべ
て、内部スピル空間248の中心から放射状に形成され
ているのではなく、内部スピル空間248に対して接線
状態で、すなわち内部スピル空間248の中心からオフ
セットした状態で形成されている。
【0009】弁体247の基端部分(図6では弁体24
7の右端部分)には略円板状のアーマチャ253が固定
されている。このアーマチャ253はケース242によ
って移動可能に支持され、その基端面がコア244の先
端面と近接するように対向配置されている。また、コア
244の先端部分には挿通孔244aが形成され、この
挿通孔244a内にはスプリング249が挿通支持され
ている。アーマチャ253は、このスプリング249に
よって先端側に付勢されている。このことにより、弁体
247全体は、スプリング249によりバルブフェース
247bがバルブシート246bから離間する方向に付
勢される。
【0010】この電磁スピル弁241においては、コア
244が励磁されていない場合は、スプリング249の
付勢力によってバルブフェース247bがバルブシート
246bから離れるため、電磁スピル弁241は開弁状
態になる。
【0011】これに対して、コイル245によってコア
244が励磁された場合は、アーマチャ253はコア2
44に吸引される。その結果、スプリング249の付勢
力に抗してアーマチャ253はコア244側に移動し、
この移動によりバルブフェース247bがバルブシート
246bに着座して電磁スピル弁241が閉弁状態にな
る。
【0012】燃料のスピルタイミングでは、電磁スピル
弁241は閉状態から開状態に駆動される。この時、図
6における左側から、バルブフェース247bとバルブ
シート246bとの間を介して、内部スピル空間248
へ高圧燃料が流入する。内部スピル空間248へ流入し
た燃料は、内部スピル空間248から4本のスピル通路
239を介して外部の燃料排出通路に出て燃料タンク
(図示していない)に戻される。
【0013】なお、各スピル通路239から通路250
が、弁体247の開き方向での移動を規制するストッパ
252まで延びている。この通路250は、ストッパ2
52に形成されている図示していないスリットを介し
て、弁体247が移動する際にストッパ252よりも図
6における右側の内圧を抜くために設けられている。
【0014】従来の構成では、内部スピル空間248か
ら出るためのスピル通路239が、内部スピル空間24
8の中心からオフセットされた方向に形成されているた
め、環状の内部スピル空間248内では、燃料は図7お
よび図8(図6の部分拡大図)に一点鎖線の矢印で示す
ごとく旋回する。
【0015】この内部スピル空間248の中心部分に配
置されている弁体247の軸部247aの一部には、軸
部247aの中心軸に沿って4本の溝247cが設けら
れている。弁体247は、この溝247cにより軸部2
47aの周囲を旋回する燃料から流動抵抗としての反力
を受ける。このことにより、弁体247には図8に矢印
Hにて示すごとくの回転力が生じる。
【0016】したがって、弁体247はシート体246
に対して回転するので、バルブフェース247bはバル
ブシート246bに対して回転することになる。このた
め、スピルが終了した時には、スピル前に比較してバル
ブフェース247bとバルブシート246bとは異なる
位相状態で接触することになる。
【0017】このようにして電磁スピル弁241のバル
ブフェース247bとバルブシート246bとが均一な
当たりとなり、片当たりによる偏摩耗が防止されると言
われている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような内
部スピル空間248から排出する燃料の出口の方向によ
り生じる旋回運動では、強い流れにならず燃料の旋回速
度にも限度がある。更に、この旋回する燃料内に、単に
溝247cが表面に形成された軸部247aを漬けるの
みでは、燃料の旋回に基づいて大きな回転力を得ること
は一層困難である。
【0019】しかも、弁体247に固定されたアーマチ
ャ253がスプリング249から受ける摩擦抵抗はかな
り大きく、前述した燃料の旋回運動では実質的に弁体2
47をシート体246に対して回転させることは不可能
である。
【0020】したがって、前述した従来技術の構成で
は、片当たりによる偏摩耗を防止することは困難であ
る。本発明は、弁体が十分な回転力を流体から得ること
ができ、片当たりによる偏摩耗を防止することが可能な
電磁弁の提供を目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電磁弁
は、電磁コイルの起磁力に応じて弁体を駆動して該弁体
のバルブフェースとバルブシートとを離合動作させるこ
とで流体通路を開閉する電磁弁であって、前記弁体に設
けられた軸部に、該軸部の軸線に沿った方向での一方を
流入部位とし他方を流出部位として流体通路が設定され
ているとともに、前記流体通路が設定されている前記軸
部部分には、前記流入部位に傾斜状態で対向して配置さ
れることで流体の流動力に基づいて前記弁体に前記軸線
周りの回転力を与える壁面が形成されていることを特徴
とする。
【0022】このように、流体通路が弁体の軸部に設定
されている。そして、その軸部部分には、流体の流入部
位に傾斜状態で対向した壁面が配置されている。この壁
面は、流体の流動力に基づいて弁体に軸線周りの回転力
を与えるものである。
【0023】このように、積極的に弁体の軸部に流体通
路を形成して、その流体通路に流れる流体を、傾斜した
壁面に作用させることで、流体の流動力に基づいて前記
弁体に前記軸線周りの回転力を得ている。このように積
極的に流体を壁部に作用させているので、流体から得ら
れる反動力は大きくなり、弁体を回転させるために十分
な回転力を得ることができる。
【0024】このため片当たりによる偏摩耗を防止する
ことが十分にできる。請求項2記載の電磁弁は、請求項
1記載の構成に対して、前記流体通路は、前記軸線周り
に螺旋状に形成されていることを特徴とする。
【0025】より具体的には、流体通路をこのように螺
旋状に形成することができ、請求項1に述べた作用効果
を生じさせることができる。この流体通路の壁面が流体
の流入部位に傾斜状態で対向した壁面となり、十分な回
転力を弁体に生じさせることができる。
【0026】請求項3記載の電磁弁は、請求項1または
2記載の構成に対して、前記流体通路は、前記軸部の表
面に溝として形成され、該溝の一部の壁面が前記流入部
位に傾斜状態で対向して配置されていることで流体の流
動力に基づいて前記弁体に前記軸線周りの回転力を与え
ることを特徴とする。
【0027】このような構成により請求項1または2の
作用効果を生じるとともに、流体通路を軸部の表面に溝
として形成することで容易に実現することができる。特
に螺旋状溝であれば、機械加工も極めて容易なものとな
る。
【0028】請求項4記載の電磁弁は、請求項3記載の
構成に対して、前記弁体の軸部は、該軸部の外周面に
て、前記バルブシートを備えたシート体に形成された貫
通孔内にて該貫通孔の軸方向へ移動可能に支持され、前
記軸部の外周面に前記溝を形成したことを特徴とする。
【0029】請求項4記載の発明は、流体通路はシート
体の貫通孔に支持されている軸部の外周面に溝として形
成されている。このため、請求項3の作用効果ととも
に、更に、流体通路はシート体の貫通孔内周面により囲
まれることになり、弁体は流体通路内を流れる流体から
一層大きな回転力を得ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された車輌用ガソリンエンジンの燃料供給
装置10の概略構成を表すブロック図である。この燃料
供給装置10は、高圧燃料ポンプ11、燃料タンク1
3、低圧フィードポンプ14および電磁スピル弁41等
を備えている。
【0031】ここで、高圧燃料ポンプ11は燃料を高圧
に加圧するためのものであり、シリンダ20と、このシ
リンダ20内で往復動するプランジャ21と、シリンダ
20の内周壁面およびプランジャ21の上端面により区
画形成された加圧室22とを備えている。
【0032】プランジャ21の下端に取り付けられたタ
ペット23は、スプリング(図示略)の付勢力によりエ
ンジンEのカムシャフト24に設けられたカム25に圧
接されている。カムシャフト24の回転に伴ってカム2
5が回転することで、プランジャ21がシリンダ20内
を往復動し加圧室22内の容積が変化する。
【0033】加圧室22は、流入通路30によって燃料
タンク13に接続されている。この流入通路30には低
圧フィードポンプ14が設けられており、この低圧フィ
ードポンプ14により燃料タンク13の燃料は吸入され
吐出される。吐出された燃料は流入通路30を通じて、
プランジャ21の下動の際に加圧室22内に導入され
る。低圧フィードポンプ14と加圧室22との間の流入
通路30には逆止弁31が設けられている。この逆止弁
31は流入通路30内において低圧フィードポンプ14
から加圧室22へ向かう燃料の流通のみを許容し、逆流
を防止している。
【0034】流入通路30において低圧フィードポンプ
14と逆止弁31との間の部分(以下、この部分を「吐
出側流入通路32」という)はリリーフ通路33により
燃料タンク13に接続されている。リリーフ通路33の
途中にはリリーフ弁34が設けられており、リリーフ弁
34は吐出側流入通路32内の燃料圧力が規定値以上に
なった場合に開弁する。このリリーフ弁34の開弁によ
り、吐出側流入通路32内の燃料はリリーフ通路33を
通じて燃料タンク13に戻される。その結果、低圧フィ
ードポンプ14から加圧室22に移送される燃料の圧力
が略一定に維持されるようになっている。
【0035】加圧室22は、供給通路35によりエンジ
ンEに設けられた燃料リザーバ55に接続されている。
この燃料リザーバ55は燃料を高圧の状態に保持すると
ともに、その燃料をインジェクタ56に分配している。
【0036】エンジンEには、その各気筒に対応して複
数のインジェクタ56が設けられている。各インジェク
タ56は燃料リザーバ55にそれぞれ接続されており、
この燃料リザーバ55内の高圧燃料が各インジェクタ5
6に分配供給されるようになっている。また、供給通路
35には加圧室22から燃料リザーバ55に向かう燃料
の流通のみを許容する逆止弁36が設けられており、こ
の逆止弁36によって燃料リザーバ55から加圧室22
への燃料の逆流が防止されている。
【0037】また、燃料リザーバ55は、途中にリリー
フ弁37が設けられたリリーフ通路38により燃料タン
ク13に接続されている。燃料リザーバ55の燃料圧力
が規定値以上にまで上昇したときにリリーフ弁37が開
弁することにより、燃料リザーバ55内の燃料がリリー
フ通路38を通じて燃料タンク13に戻される。これに
より、燃料リザーバ55内の燃料圧力が過大になること
が防止される。
【0038】インジェクタ56はエンジンEの電子制御
ユニット(以下、「ECU」という)60からの信号に
基づいて開閉動作することにより、エンジンEの各気筒
に対して必要な量の燃料を噴射供給する。燃料リザーバ
55には燃圧センサ61が取り付けられている。燃圧セ
ンサ61は燃料リザーバ55内の燃料圧力を検出して、
その圧力に応じた信号をECU60に対して出力する。
【0039】加圧室22は、この加圧室22に接続され
る部分が供給通路35と共通になったスピル通路11
c,11dにより、電磁スピル弁41(図1では電磁ス
ピル弁41の構造は概念的に示しているが詳細は後述す
る)を介して燃料タンク13に接続されている。
【0040】この電磁スピル弁41は常開式の電磁弁で
あり、ECU60により通電制御されるようになってい
る。電磁スピル弁41よりも下流側のスピル通路11d
には、燃料タンク13から電磁スピル弁41側への燃料
の逆流を防止するとともに、スピル通路11d内の燃料
圧力が規定圧力以上となった際に開弁する圧力調整弁4
0が設けられている。
【0041】図2の縦断面図に電磁スピル弁41の詳細
構成を示す。電磁スピル弁41のケース72内には略円
筒状のスリーブ74が固定され、このスリーブ74内に
はコア76が固定されている。スリーブ74の外周には
円環状のコイル78が配置されている。コイル78はリ
ード線78aを介してECU60により通電制御される
ことにより必要に応じて励磁される。
【0042】ケース72の先端部分(図2の左側部分)
には略円筒状のシート体80が挿入支持されている。こ
のシート体80の内部には先端側部分が拡径された貫通
孔80aが軸方向に形成されており、この貫通孔80a
内に弁体82の略円柱状をなす軸部82aが、その軸中
央部82bにて軸方向に移動可能にかつ回転可能に挿入
支持されている。
【0043】弁体82の先端部分は拡径されており、こ
の拡径された部分にバルブフェース82cが形成されて
いる。貫通孔80aの先端側開口における周縁部分は電
磁スピル弁41のバルブシート80bに相当し、このバ
ルブシート80bには弁体82の軸方向での往復動に伴
ってバルブフェース82cが離合する。このことで電磁
スピル弁41は開閉動作を行う。また、貫通孔80aの
拡径している先端側内周面と軸部82aの外周面とによ
り環状の内部スピル空間84が区画形成されている。
【0044】ケース72の内周面に突出している環状部
72aとシート体80との間には、円板状ストッパ86
および環状スペーサ88が配置されている。円板状スト
ッパ86は、弁体82の基端側に形成されている小拡径
部82hに当接することにより、弁体82の開方向(図
2における左方向)の移動を規制している。また、環状
スペーサ88は、後述するアーマチャとコア76とのエ
アギャップを調整するためのものである。
【0045】シート体80内には複数のスピル通路92
(ここでは4本であり、図2では、この内の2本を示し
ている)が形成されている。これらスピル通路92は直
接、環状の内部スピル空間84に連通しているのではな
く、軸方向のスピル連絡路92aを介して前述したスト
ッパ86へ向かっている。
【0046】ストッパ86は、先端側の面において中心
部分に円形のスピル連絡凹部86aを形成している。ス
トッパ86はスピル連絡凹部86aの周辺の厚い縁部8
6bにてシート体80とスペーサ88とに挟持されてい
る。このスピル連絡凹部86aに対して、スピル通路9
2と連絡しているスピル連絡路92aが開口している。
ストッパ86の中心を貫通する位置における弁体82の
軸部82aは、シート体80の貫通孔80aよりも小径
であるため、スピル連絡凹部86aは貫通孔80aとも
連絡している。
【0047】このため、スピル通路92は、スピル連絡
路92aおよびスピル連絡凹部86aを介して、弁体8
2の軸中央部82bを間にして、内部スピル空間84と
は反対側で貫通孔80aに連通している。
【0048】なお、ストッパ86よりも右側の内圧は、
ストッパ86に形成されている図示していないスリット
によりスピル連絡凹部86a側に抜けるようにされてい
る。そして、弁体82の軸中央部82bには、図3の斜
視図に示すごとく、外周面に螺旋状に複数本(ここでは
6本)の壁部82dが形成されている。この壁部82d
の上面82eが貫通孔80aの内周面に対して接触し、
弁体82の移動時に摺動する。このため、軸中央部82
bの外周面には壁部82d間に、幅広の溝状でかつ螺旋
状のスピル流路82fが形成されている。したがって、
内部スピル空間84は、スピル流路82f、スピル連絡
凹部86aおよびスピル連絡路92aを介してスピル通
路92に連絡されている。
【0049】図2示したごとく、弁体82の基端部分
(図2の右端部分、図3の上端部分)には略円板状のア
ーマチャ90が固定されている。このアーマチャ90の
基端面はコア76の先端面と必要なエアギャップを介し
て対向配置されている。また、コア76の先端部分には
挿通孔76aが形成され、この挿通孔76a内にはスプ
リング94が圧縮状態で配置されている。アーマチャ9
0は、このスプリング94によって先端方向に付勢され
ている。このことにより弁体82は、そのバルブフェー
ス82cがバルブシート80bから離間する方向に付勢
される。
【0050】上述した構成の電磁スピル弁41において
コア76が励磁されていない場合には、スプリング94
の付勢力によってバルブフェース82cがバルブシート
80bから離れるため、電磁スピル弁41は開弁状態に
なっている。
【0051】これに対して、コイル78によってコア7
6が励磁された場合には、アーマチャ90はコア76に
吸引される。その結果、スプリング94の付勢力に抗し
てアーマチャ90はコア76側に移動し、弁体82は基
端側へ移動する。この移動によりバルブフェース82c
がバルブシート80bに着座して電磁スピル弁41が閉
弁状態になる。
【0052】燃料のスピルタイミングでは、電磁スピル
弁41は閉状態から開状態に駆動される。この時、前述
したスピル通路11cから、バルブフェース82cとバ
ルブシート80bとの間を介して、内部スピル空間84
へ高圧燃料が流入する。内部スピル空間84へ流入した
燃料は、内部スピル空間84から、弁体82の軸中央部
82bの外周面に形成されているスピル流路82fに流
れる。そして、スピル流路82fからスピル連絡凹部8
6a、スピル連絡路92aおよびスピル通路92を介し
て前述したスピル通路11dに出て燃料タンク13側に
戻される。
【0053】こうして、燃料リザーバ55における燃料
圧力が必要な圧力に維持される。以上説明した本実施の
形態1によれば、以下の効果が得られる。 (イ).弁体82の軸部82aには、軸中央部82bに
おいて、内部スピル空間84(流入部位)からスピル連
絡凹部(流出部位)86aへ向かう、燃料のスピル流路
82fが形成されている。
【0054】そして、このスピル流路82fは、螺旋状
の壁部82dに挟まれている。このことにより、図3の
斜視図および図4の拡大図に示すごとく、スピル流路8
2fに面している壁部82dの壁面の内、壁面82g
は、流入部位(内部スピル空間84側)に対して傾斜状
態で対向している。この壁面82gには、図4(図4で
は壁部82dおよびスピル流路82fは模式的に表して
いる)に一点鎖線の矢印にて示すごとく、内部スピル空
間84側から流入してくる燃料が衝突し、螺旋状のスピ
ル流路82fに沿った流れになるように誘導される。こ
の誘導時に、壁面82gが燃料から受けた力は図3,4
に矢印Cにて示すごとく、弁体82全体を貫通孔80a
内で軸線周りに回転させる回転力となる。
【0055】このように、積極的に弁体82の軸部82
aにスピル流路82fを形成して、そのスピル流路82
fに流れる燃料を、直接、壁面82gに衝突させること
で、燃料の流動力に基づいて弁体82に軸線周りの回転
力を得ている。
【0056】このように積極的に燃料を弁体82の軸部
82aに形成された壁部82dに作用させているので、
燃料から得られる反動力は大きくなり、弁体82を回転
させるために十分な回転力を得ることができる。特に、
アーマチャ90とスプリング94との間の摩擦は、弁体
82の回転を阻止する大きな要因となるが、本実施の形
態1の構成であれば、この摩擦に対向できる回転力を得
ることができる。
【0057】したがって、片当たりによる弁体82のバ
ルブフェース82cとバルブシート80bの接触面との
偏摩耗を十分に防止することができる。 (ロ).前述した従来例では、十分な回転力を得るため
には弁体の径を大きくする必要があるが、本実施の形態
1では、このような電磁スピル弁41全体を大きくする
設計変更は必要なく、電磁スピル弁41を大きくする必
要がないので、エンジンEの小型化や軽量化に貢献でき
る。
【0058】(ハ).十分な回転力を生じるスピル流路
82fは、弁体82の軸中央部82bに螺旋状に壁部8
2dを形成することにより実現されている。このような
螺旋状の突出部を円柱の外周面に形成することは、機械
加工により極めて容易に実現でき、製造コストのアップ
を抑制することができる。
【0059】[その他の実施の形態] ・前記実施の形態1において、回転力を高めたり低めた
りするには、螺旋状壁部82dの角度を変更してスピル
流路82fを形成すればよく、回転力の調整も容易であ
る。また、スピル流路82fの深さを調整することによ
り、壁面82gの面積を大きくしたり小さくしたりし
て、回転力を調整してもよい。
【0060】・前記実施の形態1においては、周方向に
比較的薄い螺旋状壁部82dにより周方向に幅広の溝状
スピル流路82fが形成されていたが、螺旋状壁部82
dを周方向に厚くして上面82eを幅広くし、スピル流
路82fを周方向に狭い溝状に形成してもよい。
【0061】・前記実施の形態1においては、螺旋状壁
部82dの壁面82gは螺旋状曲面であったが、このよ
うに螺旋状曲面でなくても図5に示す弁体182のごと
く、軸中央部182bの外周面に、軸周りに同一方向に
傾く平面状の壁面182gを有する短壁部182dを備
えてもよい。この壁面182gは、内部スピル空間側に
対して傾斜して対向していることで、図示矢印Dの方向
の回転が得られる。なお、この壁面182gは短い螺旋
状曲面を呈していてもよい。また、図5では、軸中央部
182bの外周面の両端縁部に集中して短壁部182d
を設けたが、軸中央部182bの外周面全体に分散して
設けてもよい。このように、溝状にスピル流路を設けな
くても弁体に十分に強い回転力を与えることができる。
【0062】・前記実施の形態1においては電磁スピル
弁の例を挙げたが、本発明はこれ以外にアンチロックブ
レーキ機能やトラクションコントロール機能を有する車
両用ブレーキ装置におけるブレーキ液の給排制御バルブ
にも、その他の用途にも適用できる。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の電磁弁においては、流体
通路が弁体の軸部に設定され、その軸部部分には、流体
の流入部位に傾斜状態で対向した壁面が配置されてい
る。この壁面は、流体の流動力に基づいて弁体に軸線周
りの回転力を与えるものである。このように、積極的に
弁体の軸部に流体通路を形成して、その流体通路に流れ
る流体を、傾斜した壁面に作用させることで、流体の流
動力に基づいて前記弁体に前記軸線周りの回転力を得て
いる。このように積極的に流体を壁部に作用させている
ので、流体から得られる反動力は大きくなり、弁体を回
転させるために十分な回転力を得ることができる。この
ため片当たりによる偏摩耗を防止することが十分にでき
る。
【0064】請求項2記載の電磁弁においては、請求項
1記載の構成に対して、前記流体通路は、前記軸線周り
に螺旋状に形成している。流体通路は、このように螺旋
状に形成することができ、請求項1に述べた作用効果を
生じさせることができる。この流体通路の壁面が流体の
流入部位に傾斜状態で対向した壁面となり、十分な回転
力を弁体に生じさせることができる。
【0065】請求項3記載の電磁弁においては、請求項
1または2記載の構成に対して、前記流体通路は、前記
軸部の表面に溝として形成され、該溝の一部の壁面が前
記流入部位に傾斜状態で対向して配置されていることで
流体の流動力に基づいて前記弁体に前記軸線周りの回転
力を与えることとしている。このように構成すること
で、請求項1または2の作用効果を生じるとともに、流
体通路を軸部の表面に溝として形成することで容易に実
現することができる。特に螺旋状溝であれば、機械加工
も極めて容易なものとなる。
【0066】請求項4記載の電磁弁においては、請求項
3記載の構成に対して、流体通路はシート体の貫通孔に
支持されている軸部の外周面に溝として形成されてい
る。このため、請求項3の作用効果とともに、更に、流
体通路はシート体の貫通孔内周面により囲まれることに
なり、弁体は流体通路内を流れる流体から一層大きな回
転力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における車輌用ガソリンエンジ
ンの燃料供給装置の概略構成を表すブロック図。
【図2】 実施の形態1としての電磁スピル弁の断面
図。
【図3】 実施の形態1における弁体の斜視図。
【図4】 実施の形態1における燃料流動状態説明図。
【図5】 他の実施の形態における弁体の斜視図。
【図6】 従来例としての電磁スピル弁の断面図。
【図7】 図6におけるF−F断面図。
【図8】 従来例における燃料流動状態説明図。
【符号の説明】 10…車輌用ガソリンエンジンの燃料供給装置、11…
高圧燃料ポンプ、11c,11d…スピル通路、13…
燃料タンク、14…低圧フィードポンプ、20…シリン
ダ、21…プランジャ、22…加圧室、23…タペッ
ト、24…カムシャフト、25…カム、30…流入通
路、31…逆止弁、32…吐出側流入通路、33…リリ
ーフ通路、34…リリーフ弁、35…供給通路、36…
逆止弁、37…リリーフ弁、38…リリーフ通路、40
…圧力調整弁、41…電磁スピル弁、55…燃料リザー
バ、56…インジェクタ、60… 電子制御ユニット
(ECU)、61…燃圧センサ、72…ケース、72a
… 環状部、74…スリーブ、76…コア、76a…挿
通孔、78…コイル、78a…リード線、80…シート
体、80a…貫通孔、80b…バルブシート、82…弁
体、82a…軸部、82b…軸中央部、82c…バルブ
フェース、82d…壁部、82e…上面、82f…スピ
ル流路、82g…壁面、82h…小拡径部、84…内部
スピル空間、86…ストッパ、86a…スピル連絡凹
部、86b…縁部、88…スペーサ、90…アーマチ
ャ、92…スピル通路、92a…スピル連絡路、94…
スプリング、182…弁体、182b…軸中央部、18
2d…短壁部、182g…壁面、E…エンジン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA02 AB02 AD12 BA49 BA55 CA01S CA04T CA08 CA09 CA20U CB07U CB09 CB15 CD26 CE02 CE13 DC18 3H106 DA07 DA12 DA23 DB02 DB12 DB23 DB34 DB38 DC02 DD03 EE30 GA07 GA19 GB23 KK18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルの起磁力に応じて弁体を駆動
    して該弁体のバルブフェースとバルブシートとを離合動
    作させることで流体通路を開閉する電磁弁であって、 前記弁体に設けられた軸部に、該軸部の軸線に沿った方
    向での一方を流入部位とし他方を流出部位として流体通
    路が設定されているとともに、前記流体通路が設定され
    ている前記軸部部分には、前記流入部位に傾斜状態で対
    向して配置されることで流体の流動力に基づいて前記弁
    体に前記軸線周りの回転力を与える壁面が形成されてい
    ることを特徴とする電磁弁。
  2. 【請求項2】 前記流体通路は、前記軸線周りに螺旋状
    に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁
    弁。
  3. 【請求項3】 前記流体通路は、前記軸部の表面に溝と
    して形成され、該溝の一部の壁面が前記流入部位に傾斜
    状態で対向して配置されていることで流体の流動力に基
    づいて前記弁体に前記軸線周りの回転力を与えることを
    特徴とする請求項1または2記載の電磁弁。
  4. 【請求項4】 前記弁体の軸部は、該軸部の外周面に
    て、前記バルブシートを備えたシート体に形成された貫
    通孔内にて該貫通孔の軸方向へ移動可能に支持され、前
    記軸部の外周面に前記溝を形成したことを特徴とする請
    求項3記載の電磁弁。
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