JP2001107826A - 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズル - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズル

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JP2001107826A
JP2001107826A JP28982199A JP28982199A JP2001107826A JP 2001107826 A JP2001107826 A JP 2001107826A JP 28982199 A JP28982199 A JP 28982199A JP 28982199 A JP28982199 A JP 28982199A JP 2001107826 A JP2001107826 A JP 2001107826A
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seat
valve
fuel
valve seat
internal combustion
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Kazuyoshi Ishizaka
一義 石坂
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シート部の摩耗時のシート径の変化を抑え、開
弁遅れの増加を抑制することができる筒内噴射式内燃機
関の燃料噴射ノズルを提供する。 【解決手段】ホルダ11内にはニードル弁16が摺動可
能に設けられている。ニードル弁16には第1円錐台部
22と、第1円錐台部22に連続する第2円錐台部23
とが形成され、第1円錐台部22と第2円錐台部23と
の接合部分にはホルダ11の弁座21に離着座するシー
ト部25が形成されている。シート部25と弁座21と
の着座部よりも上流側において第1円錐台部22の周面
と弁座21とがなす角cは、該着座部よりも下流側にお
いて第2円錐台部23の周面と弁座21とがなす角dよ
りも大きく設定されている。この角dは、シート部25
の面圧を低減するためにシート径k2の外側において小
さな値に設定され、シート部25の摩耗低減を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筒内噴射式内燃機関
の燃料噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射式内燃機関として直噴式ディー
ゼルエンジンがよく知られており、これに用いられる燃
料噴射ノズルの一例を図4に示す。筒状をなすホルダ1
00の先端部にはテーパ状をなす弁座101が形成され
ている。ホルダ100内には弁座101に着座するニー
ドル弁102が往復動可能に設けられている。
【0003】ニードル弁102の先端部には軸部103
に連続して第1円錐台部104が形成され、この第1円
錐台部104に連続して第2円錐台部105が形成さ
れ、さらに第2円錐台部105に連続して円錐部106
が形成されている。第2円錐台部105と円錐部106
との接合部分には前記弁座101に離着座する稜状のシ
ート部107が形成されている。ニードル弁102のシ
ート部107と弁座101との着座部よりも下流側にお
いて弁座101とシート部107とがなす角、すなわち
円錐部106の周面と弁座101とがなす角bは、該着
座部よりも上流側において前記弁座101と前記シート
部107とがなす角、すなわち第2円錐台部105の周
面と弁座101とがなす角aよりも大きく設定されてい
る。角度の小さい方の角aをシート角、大きい方の角を
逃がし角とする。このシート角aはシート部107の面
圧を低減するためにシート径k1(シート部107の直
径)の外側において例えば35分というような小さな値
に設定されており、シート部107の摩耗低減を図るよ
うにしている。
【0004】ニードル弁102とホルダ100の内周面
との間には燃料溜まり室108が形成され、同燃料溜ま
り室108には高圧燃料が供給されるようになってい
る。弁座101とニードル弁102のシート部107と
の着座部よりも下流側においてホルダ100には同ホル
ダ100の軸線と交差するように複数の噴射孔109が
形成されている。
【0005】このように形成された燃料噴射ノズルにお
いて、ニードル弁102の第1及び第2円錐台部10
4,105に作用する燃料圧力が図示しないニードルス
プリングの付勢力以上になると、ニードル弁102が上
流側に移動してニードル弁102のシート部107が弁
座101から離間し、燃料溜まり室108の高圧燃料が
噴射孔109から燃焼室内に噴射される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に構成された燃料噴射ノズルにおいては、ニードル弁1
02のシート角aを小さく設定しているため、シート部
107が微量に摩耗すると、シート部107は第2円錐
台部105側、すなわちニードル弁102の上方側に移
動することとなり、シート径k1の増加量が大きくな
る。このようにシート径k1が増加すると、ニードル弁
102の第1及び第2円錐台部104,105に作用す
る燃料圧力が低下し、開弁遅れが大きくなる。従って、
少量パイロット噴射を実施する場合、この開弁遅れのた
めに、パイロット喪失を招くおそれがあり、出力変動、
ドライバビリティの悪化を招くという問題があった。
【0007】特に上記のように構成された燃料噴射ノズ
ルをコモンレール式燃料噴射装置に使用する場合、ニー
ドル弁102のシート部107には常時高い燃料圧力が
作用するため、シート部107の摩耗が生じ易く、上記
のような問題を引き起こすことがあった。
【0008】なお、筒内噴射を行う燃料噴射ノズルとし
て、ホルダの先端部にサック部を形成し、このサック部
に噴射孔を形成したものが例えば特開平7−54730
号公報や特開平8−246999号公報にて開示されて
いる。
【0009】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、シート部の摩耗時のシート径
の変化を抑え、開弁遅れの増加を抑制することができる
筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズルを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段及びその作用効果について以下に記載する。請求
項1に記載の発明は、筒状をなすホルダと、前記ホルダ
の先端部にテーパ状に形成された弁座と、前記ホルダ内
に往復動可能に設けられかつ前記弁座に着座するシート
部を有するニードル弁と、前記ホルダにおいて前記弁座
と前記ニードル弁のシート部との着座部よりも下流側に
おいて前記ホルダの軸線と交差するように形成された噴
射孔とを備え、前記ニードル弁の往復動作に基づいて燃
料を前記噴射孔から噴射するようにした筒内噴射式内燃
機関の燃料噴射ノズルであって、前記ニードル弁のシー
ト部と弁座との着座部よりも上流側において前記弁座と
前記シート部とがなす角を、該着座部よりも下流側にお
いて弁座とシート部とがなす角よりも大きく設定したこ
とを要旨とする。
【0011】上記構成によれば、ニードル弁のシート部
の下流側において弁座とシート部とがなす角を小さく設
定しているため、シート部が摩耗すると、シート部はニ
ードル弁の下流側に移動し、シート径は減少方向に変化
することとなる。このようにシート径が減少すると、ニ
ードル弁に作用する燃料圧力が増加し、燃料噴射時期に
おいてニードル弁の開弁遅れが大きくなるのを抑えるこ
とができるばかりでなく、開弁遅れを小さくすることが
できる。従って、例えば少量パイロット噴射を実施する
場合、このように開弁遅れが小さくなるため、確実にパ
イロット噴射を実行することができ、出力の安定化及び
ドライバビリティ向上を図ることができるようになる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズルにおいて、前記
着座部の下流側において前記ニードル弁の外周面と弁座
とのなす角を下流側ほど大きく設定したことを要旨とす
る。
【0013】上記構成によれば、シート部と弁座との着
座部の下流側においてニードル弁の周面と弁座とのなす
角が下流側ほど大きく設定されているので、ニードル弁
のシート部が弁座から離座したときに噴射孔の周りの燃
料流を均一化することができ、噴霧の微粒化、分散方向
及び貫徹力等の噴霧性状を向上することができ、よって
エンジン性能を向上することができるとともに、エミッ
ションの悪化を抑制することができる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズルにおいて、前記
着座部の下流側において前記ニードル弁又は前記弁座の
少なくとも一方には前記シート部が前記弁座から離座し
たときに前記噴射孔への燃料流を均一化する均一化溝を
設けたことを要旨とする。
【0015】上記構成によれば、シート部と弁座との着
座部の下流側においてニードル弁の周面と弁座とのなす
角が小さく設定されているが、着座部の下流側において
ニードル弁又は弁座の少なくとも一方に形成された均一
化溝によって噴射孔周りの燃料流を均一化することがで
き、噴霧の微粒化、分散方向及び貫徹力等の噴霧性状を
向上することができ、よってエンジン性能を向上するこ
とができるとともに、エミッションの悪化を抑制するこ
とができる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズルにおいて、前記
均一化溝は、前記ニードル弁の周方向に形成され、か
つ、前記シート部の前記弁座への着座状態において前記
噴射孔の上流側に形成された環状溝であることを要旨と
する。
【0017】上記構成によれば、請求項3に記載の発明
の作用及び効果に加えて、ニードル弁にはシート部と弁
座との着座部の下流側において外周面に環状溝を形成す
るだけであるため、この加工に高い精度を必要とせずに
容易に形成することができ、製造コストのアップを抑制
することができる。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズルにおいて、前記
均一化溝は、前記噴射孔の上流側において前記弁座の周
方向に形成された環状溝であることを要旨とする。
【0019】上記構成によれば、請求項3に記載の発明
の作用及び効果に加えて、弁座にはシート部と弁座との
着座部の下流側において内周面に環状溝を形成するだけ
であるため、この加工に高い精度を必要とせずに容易に
形成することができ、製造コストのアップを抑制するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図1,図2に基づいて詳細に
説明する。
【0021】図1は、筒内噴射式内燃機関としてのディ
ーゼルエンジンの燃料噴射ノズルを示す断面図である。
図1(a)に示すように、燃料噴射ノズル10の筒状を
なすホルダ11には、供給ポート12が設けられてお
り、図示しないコモンレールからの高圧燃料が供給配管
13を通って、ホルダ11の下部に形成された下部燃料
溜まり室14に導入されるようになっている。また、ホ
ルダ11の最下部には、下部燃料溜まり室14に連通し
うる噴射孔26が形成されている。さらに、前記供給ポ
ート12は上部燃料溜まり室15に連通されている。そ
して、下部燃料溜まり室14にはニードル弁16が摺動
可能に設けられ、上部燃料溜まり室15には制御ピスト
ン17が摺動可能に設けられている。また、ニードル弁
16と制御ピストン17との間にはプッシュロッド18
が介在されている。
【0022】ニードル弁16は、先端部19及び大径部
20によって構成されており、大径部20は下部燃料溜
まり室14の上側部分を上下方向に摺動しうる。図2に
示すように、ホルダ11の先端部にはテーパ状をなす弁
座21が形成されている。
【0023】ニードル弁16の先端部19には第1円錐
台部22が形成され、この第1円錐台部22に連続して
第2円錐台部23が形成され、さらに第2円錐台部23
に連続して円錐部24が形成されている。第1円錐台部
22と第2円錐台部23との接合部分には前記弁座21
に離着座する稜状のシート部25が形成されている。
【0024】ニードル弁16のシート部25と弁座21
との着座部よりも上流側において前記弁座21と前記シ
ート部25とがなす角、すなわち第1円錐台部22の周
面と弁座21とがなす角cは、該着座部よりも下流側に
おいて弁座21とシート部25とがなす角、すなわち第
2円錐台部23の周面と弁座21とがなす角dよりも大
きく設定されている。角度の小さい方の角dをシート
角、大きい方の角cを逃がし角とする。このシート角d
は、シート部25の面圧を低減するためにシート径k2
(シート部25の直径)の外側において小さな値に設定
されており、シート部25の摩耗低減を図るようにして
いる。因みに、本実施形態において、シート角dの値は
30分に設定され、逃がし角cの値は7度30分に設定
されている。また、ニードル弁16のシート部25と弁
座21との着座部の下流側においてニードル弁16の円
錐部24の外周面と弁座21とがなす角eはシート角d
よりも大きく設定されており、ニードル弁16の周面と
弁座21とのなす角は下流側ほど大きく設定されてい
る。噴射孔26周りの容積が大きくなり過ぎた場合、噴
射終わりの噴霧の慣性によって微粒化されない燃料が噴
射孔26から吐出されることにより、HC(炭化水素)
やSOF(パティキュレートに含まれる未燃炭化水素)
が増加してエミッションが悪化する。そのため、この角
eは噴射孔26周りで燃料流を均一化し得る必要隙間を
最小限とするような値に設定されている。
【0025】そして、弁座21とニードル弁16のシー
ト部25との着座部よりも下流側においてホルダ11に
は同ホルダ11の軸線と交差するように複数の噴射孔2
6が形成されている。
【0026】図1(a)に示すように、プッシュロッド
18はフランジ部を備え、そのフランジ部にはニードル
用スプリング27が設けられており、該スプリング27
の付勢力により、ニードル弁16は、常には図の下方に
付勢されている。これにより、常にはニードル弁16の
シート部25は前記弁座21に着座した状態となってい
る。
【0027】また、前記上部燃料溜まり室15は、電磁
弁収容室28に連通されている。電磁弁29は、制御弁
30、ソレノイド31及び弁体用スプリング32等によ
って構成されており、これらは電磁弁収容室28に収容
されている。すなわち、制御弁30は、電磁弁収容室2
8の下部に設けられているとともに、弁体用スプリング
32は、この制御弁30及び電磁弁収容室28の天井部
分に当接するようにして設けられており、常には、制御
弁30を下方に付勢している。これにより、常には、こ
の付勢された制御弁30によって供給ポート12が塞が
れており、上部燃料溜まり室15及び電磁弁収容室28
間の連通が遮断されている。ソレノイド31は、自身が
励磁された際に、弁体用スプリング32の付勢力に抗し
て制御弁30を図の上方に引き上げるためのものであ
る。制御弁30の上部はフランジ状に形成されており、
該フランジ部分に透孔30aが形成されている。また、
前記ホルダ11には、電磁弁収容室28からの燃料を逃
がすためのリターンポート33が形成されており、所定
条件下において、このリターンポート33から、余剰燃
料が図示しないリターン配管を経て燃料タンクへと戻さ
れるようになっている。なお、前記ニードル用スプリン
グ27が設けられている空間と、電磁弁収容室28との
間は連通路34によって連通されている。このため、ニ
ードル用スプリング27が設けられている空間に少しず
つ洩れ出る燃料は、該連通路34を通って電磁弁収容室
28に流れ、ひいては透孔30a、リターンポート33
を通ってリターン配管の方へと少しずつ流れるようにな
っている。
【0028】上記のように構成された燃料噴射ノズル1
0の動作について説明すると、図1(a)に示すよう
に、まず、ソレノイド31が励磁されていない状態にお
いては、弁体用スプリング32の付勢力によって制御弁
30が下方に付勢され、上部燃料溜まり室15及び電磁
弁収容室28間の連通が遮断される。このため、かかる
状況下においては、供給ポート12からの燃料は、下部
燃料溜まり室14及び上部燃料溜まり室15に対し均等
に供給されることとなり、圧力のバランスが保たれる。
従って、ニードル弁16は、ニードル用スプリング27
の付勢力によって下方に付勢され、ニードル弁16のシ
ート部25は弁座21に当接した状態が維持される。そ
のため、この場合には、噴射孔26から燃料が噴射され
ることがなく、かつ、上部燃料溜まり室15からの燃料
がリターンポート33を通って速やかに流れ出ることは
ない。
【0029】一方、ソレノイド31が励磁された場合、
弁体用スプリング32の付勢力に抗して制御弁30が上
方へ移動し、上部燃料溜まり室15及び電磁弁収容室2
8間が連通される。そして、その後しばらくの間は、燃
料噴射ノズル10は図1(b)に示すような挙動を示
す。すなわち、制御弁30が上方へ移動することから、
上部燃料溜まり室15内の燃料は、透孔30aを通って
リターンポート33からリターン配管へと流れる。この
とき、ソレノイド31が励磁されてからしばらくの間
は、下部燃料溜まり室14の燃料圧力と上部燃料溜まり
室15の燃料圧力との差は、未だニードル用スプリング
27の付勢力よりも小さい。このため、ニードル弁16
は移動することなく、そのニードル弁16のシート部2
5は弁座21に着座したままとなる。従って、この状態
においては、噴射孔26から燃料が噴射されることがな
く、かつ、上部燃料溜まり室15からの燃料がリターン
ポート33を通って速やかに流れ出る。この期間が、無
効噴射時間である。
【0030】そして、上部燃料溜まり室15の燃料が徐
々に抜けて、下部燃料溜まり室14の燃料圧力とニード
ル弁16の第1円錐台部22に作用する燃料圧力との差
が、ニードル用スプリング27の付勢力よりも大きくな
った場合には、図1(c)に示すように、下部燃料溜ま
り室14の燃料圧力によってニードル弁16が上動す
る。これにより、ニードル弁16のシート部25は弁座
21から離間し、下部燃料溜まり室14と噴射孔26と
が連通する。その結果、噴射孔26から高圧燃料が噴射
されることとなる。
【0031】その後、ソレノイド31の励磁が解除され
ることにより、燃料噴射ノズル10は再度図1(a)の
状態になり、燃料噴射が終了する。つまり、ソレノイド
31の励磁時間が無効噴射時間未満の間であれば、上記
図1(b)の状態から図1(c)の状態に移行すること
はないため、燃料が噴射されることがなく、上部燃料溜
まり室15からの燃料がリターンポート33を通って速
やかに流れ出るのみとなる。
【0032】次に、本実施形態の作用及び効果について
説明する。 ・ 本実施形態によれば、燃料噴射ノズル10をコモン
レール式燃料噴射装置に使用する場合、ニードル弁16
のシート部25には常時高い燃料圧力が作用するため、
シート部25に摩耗が生じることとなる。しかしなが
ら、ニードル弁16のシート部25の下流側におけるシ
ート角dを小さく設定しているため、シート部25が摩
耗すると、シート部25はニードル弁16の下方側、す
なわち第2円錐台部23側に移動し、シート径k2は減
少方向に変化することとなる。このようにシート径k2
が減少すると、ニードル弁16の第1円錐台部22に作
用する燃料圧力が増加し、燃料噴射時期においてニード
ル弁16の開弁遅れが大きくなるのを抑えることができ
るばかりでなく、開弁遅れを小さくすることができる。
従って、少量パイロット噴射を実施する場合、このよう
に開弁遅れが小さくなるため、確実にパイロット噴射を
実行することができ、出力の安定化及びドライバビリテ
ィ向上を図ることができるようになる。
【0033】・ 本実施形態では、ニードル弁16のシ
ート部25の下流側におけるシート角dを小さく設定し
ているが、ニードル弁16のシート部25と弁座21と
の着座部の下流側においてニードル弁16の円錐部24
の周面と弁座21とがなす角eをシート角dよりも大き
く設定している。従って、ニードル弁16のシート部2
5が弁座21から離座したときに噴射孔26の周りの燃
料流、すなわち燃料の圧力分布を均一化することがで
き、噴霧の微粒化、分散方向及び貫徹力等の噴霧性状を
向上することができ、よってエンジン性能を向上するこ
とができるとともに、エミッションの悪化を抑制するこ
とができる。
【0034】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図3に従って説明する。なお、本実施形態の構成
等において、上述した第1実施形態と同一の部材等につ
いては同一の符号を付してその説明を省略する。そし
て、以下には、第1実施形態との相違点を中心として説
明することとする。
【0035】図3は、本実施形態の燃料噴射ノズル40
の先端部分の断面構造を示す。本実施形態において、燃
料噴射ノズル40のニードル弁41の先端部19には円
錐台部42が形成され、この円錐台部42に連続して円
錐部43が形成されている。円錐台部42と円錐部43
との接合部分には前記弁座21に離着座する稜状のシー
ト部44が形成されている。
【0036】ニードル弁41のシート部44と弁座21
との着座部よりも上流側において前記弁座21と前記シ
ート部44とがなす角、すなわち円錐台部42の周面と
弁座21とがなす角がcに、該着座部よりも下流側にお
いて弁座21とシート部44とがなす角、すなわち円錐
部43の周面と弁座21とがなす角がdに設定されてい
る。本実施形態においても、シート角dの値は30分に
設定され、逃がし角cの値は7度30分に設定されてい
る。
【0037】また、ニードル弁16にはシート部25と
弁座21との着座部の下流側において円錐部43の外周
面に対して均一化溝としての環状溝45が形成されてい
る。この環状溝45はシート部25の弁座21への着座
状態において噴射孔26の上流側に形成されるのが好ま
しい。この環状溝45はニードル弁16のシート部25
が弁座21から離座したときに噴射孔26への燃料流を
均一化するようになっている。
【0038】このように本実施形態の燃料噴射ノズル4
0は構成されているので、上記第1実施形態と同様の作
用及び効果を得ることができる。また、本実施形態の燃
料噴射ノズル40においては、ニードル弁41の円錐部
43の外周面に対して環状溝45を形成している。第1
実施形態のニードル弁16のようにシート部25の下流
側においてシート角dを持つ第2円錐台部23と逃がし
角eを持つ円錐部24とを形成するためには精度の高い
技術が必要となり、製造コストのアップを招くこととな
る。これに対して本実施形態の燃料噴射ノズル40で
は、ニードル弁41の円錐部43の外周面に対して環状
溝45を形成するだけであるため、この加工に高い精度
を必要とせずに容易に形成することができ、製造コスト
のアップを抑制することができる。
【0039】なお、実施形態は上記に限定されるもので
はなく、次のように変更してもよい。 ・ 上記第2実施形態ではニードル弁16におけるシー
ト部25の下流側の円錐部43の外周面に対して環状溝
45を形成したが、これに代えて図3に破線で示される
ように、弁座21の内周面に対して均一化溝としての環
状溝46を形成するようにしてもよい。この場合、環状
溝46は噴射孔26の上流側において同噴射孔26にオ
ーバーラップしないように形成するのがよい。このよう
に構成した場合にも、第2実施形態と同様の作用及び効
果を得ることができる。
【0040】・ 上記第2実施形態において、さらに図
3に破線で示されるように、弁座21の内周面に対して
均一化溝としての環状溝46を形成するようにしてもよ
い。このように構成した場合にも、第2実施形態と同様
の作用及び効果を得ることができる。
【0041】・ 上記各実施形態ではコモンレール式の
燃料噴射装置における燃料噴射ノズルに具体化したが、
燃料噴射ポンプを備えた燃料噴射装置において使用され
る電磁弁を備えない燃料噴射ノズルに具体化してもよ
い。この場合にも、上記各実施形態と同様の作用及び効
果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における燃料噴射ノズルの構成を
示す図であって、(a)はソレノイドが励磁されない状
態を、(b)は無効噴射状態を、(c)は実際の噴射状
態をそれぞれ示す断面図。
【図2】第1実施形態における燃料噴射ノズルの先端部
分の断面構造を示す断面図。
【図3】第2実施形態の燃料噴射ノズルの先端部分の断
面構造を示す断面図。
【図4】従来の燃料噴射ノズルの先端部分の断面構造を
示す断面図。
【符号の説明】
11…ホルダ、16,41…ニードル弁、21…弁座、
25,44…シート部、26…噴射孔、45,46…均
一化溝としての環状溝、c,e…(逃がし)角、d…
(シート)角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 AD12 BA03 BA04 BA16 BA19 BA23 BA31 BA49 BA61 CC03 CC06T CC08T CC10 CC14 CC20 CC26 CC48 CC64T CC66 CC67 CC68U CE13 CE22 DA09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状をなすホルダと、前記ホルダの先端
    部にテーパ状に形成された弁座と、前記ホルダ内に往復
    動可能に設けられかつ前記弁座に着座するシート部を有
    するニードル弁と、前記ホルダにおいて前記弁座と前記
    ニードル弁のシート部との着座部よりも下流側において
    前記ホルダの軸線と交差するように形成された噴射孔と
    を備え、前記ニードル弁の往復動作に基づいて燃料を前
    記噴射孔から噴射するようにした筒内噴射式内燃機関の
    燃料噴射ノズルであって、 前記ニードル弁のシート部と弁座との着座部よりも上流
    側において前記弁座と前記シート部とがなす角を、該着
    座部よりも下流側において弁座とシート部とがなす角よ
    りも大きく設定した筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の
    燃料噴射ノズルにおいて、 前記着座部の下流側において前記ニードル弁の外周面と
    弁座とのなす角を下流側ほど大きく設定した筒内噴射式
    内燃機関の燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の
    燃料噴射ノズルにおいて、 前記着座部の下流側において前記ニードル弁又は前記弁
    座の少なくとも一方には前記シート部が前記弁座から離
    座したときに前記噴射孔への燃料流を均一化する均一化
    溝を設けた筒内噴射式内燃機関の燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の筒内噴射式内燃機関の
    燃料噴射ノズルにおいて、 前記均一化溝は、前記ニードル弁の外周面に形成され、
    かつ、前記シート部の前記弁座への着座状態において前
    記噴射孔の上流側に形成された環状溝である筒内噴射式
    内燃機関の燃料噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の筒内噴射式内燃機関の
    燃料噴射ノズルにおいて、 前記均一化溝は、前記噴射孔の上流側において前記弁座
    の内周面に形成された環状溝である筒内噴射式内燃機関
    の燃料噴射ノズル。
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