JP2000145658A - 内接ギヤポンプ - Google Patents

内接ギヤポンプ

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JP2000145658A
JP2000145658A JP10322409A JP32240998A JP2000145658A JP 2000145658 A JP2000145658 A JP 2000145658A JP 10322409 A JP10322409 A JP 10322409A JP 32240998 A JP32240998 A JP 32240998A JP 2000145658 A JP2000145658 A JP 2000145658A
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泰宣 五十子
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喜代治 中村
Eiji Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出効率のよい内接ギヤポンプを得る。 【解決手段】 ピストン56と各ギヤ22、26との間
には、クレセント40の形状に対応した三日月孔76が
形成されたプレート70が配置されており、クレセント
40の各ギヤ22、26よりも突出した部分は三日月孔
76の内部へ収容される。このため、ピストン本体58
の裏面側へ導かれた流体からの押圧力によりスライドし
たピストンは、クレセント40の突出部分に阻害される
ことなく、プレート70を介して各ギヤ22、26を押
圧し、各ギヤ22、26を底壁部16へ押し付ける。こ
れにより、底壁部16と各ギヤ22、26との間の隙間
が無くなり、この隙間を介しての流体の漏れが無くなる
ため、本内接ギヤポンプ10では吐出効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、水や機械
油等の流体の送給や油圧等の流体圧力の付加等に使用さ
れる内接ギヤポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】外歯を有する原動ギヤを回転させると共
に、原動ギヤの外歯へ噛合する内歯を有した従動ギヤを
回転させることで、これらのギヤを収容するハウジング
に設けられた吸入部から水や油等の流体を吸入して、吐
出部から吐出する内接ギヤポンプの一例が、特開平10
−61563号公報に開示されている。
【0003】この公報に開示された内接ギヤポンプにつ
いて簡単に説明すると、外歯を有する原動ギヤと、この
原動ギヤに回転力を付与する駆動軸との間に隙間が形成
され、更に、この隙間に対応して原動ギヤと駆動軸には
それぞれキー溝が形成されており、双方のキー溝にわた
ってキーが収容されている。
【0004】このように構成した内接ギヤポンプでは、
駆動軸が回転すると、駆動軸側のキー溝の内周部がキー
をその回転方向に沿って押圧し、更に、キーが原動ギヤ
側のキー溝の内周部をその回転方向に沿って押圧する。
これにより、原動ギヤが回転する構成であるが、原動ギ
ヤは駆動軸との間に形成された隙間の分だけ駆動軸に対
してその軸直交方向に沿って変位可能である。原動ギヤ
及び従動ギヤの回転により流体が吸入部側から吐出部側
へ搬送されることで、上昇した吐出部側の内圧により、
原動ギヤが押圧されて軸直交方向に沿って変位し、原動
ギヤの外歯の歯先がクレセントへ圧接させられる。これ
により、内圧の上昇した吐出部側から、内部の流体が搬
送されることで負圧が発生した吸入部側への流体の漏れ
を防止するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
内接ギヤポンプに対して、ハウジングの内部で互いに噛
み合った状態で収容された一対の外歯のギヤを回転させ
ることで、各ギヤの中心を結ぶ線を境として一方の側に
設けられた吸入部から他方の側に設けられた吐出部へ向
けて流体を搬送する外接ギヤポンプも一般的に使用され
ている。特に、この種の外接ギヤポンプにおいては、各
ギヤの軸方向一端側に側板を設け、吐出部の内圧の上昇
により側板のギヤとは反対側に入り込んだ流体の圧力で
側板を各ギヤへ圧接させ、更に、側板からの圧力で各ギ
ヤをハウジングの底部へ押し付けて、ギヤとハウジング
の底部との間の隙間を軽減するか或いは無くす所謂プレ
ッシャローディングタイプの外接ギヤポンプが一般的に
採用されている。
【0006】外接ギヤポンプと同様に、内接ギヤポンプ
においても側板を設け、側板の各ギヤとは反対側へ入り
込んだ流体の圧力で側板を各ギヤへ押し付け、このとき
の押付力を以てハウジングの底部と各ギヤの間の隙間を
無くせば、より一層、吐出効率が向上することは容易に
考えつく。
【0007】しかしながら、上記公報に開示された内接
ギヤポンプにもあるように、一般的な内接ギヤポンプで
は、クレセントや仕切り板と称される仕切り部材を備え
ており、このような仕切り部材へ原動ギヤの外歯及び従
動ギヤの内歯の各歯先を当接させることで吐出部側と吸
入部側とを仕切っている。ここで、各ギヤは回転するた
め、ハウジングの底部との摩耗で軸方向に沿った寸法が
僅かではあるが小さくなる。これに対して仕切り部材は
基本的にギヤの軸方向に沿った方向に対しては摩耗が生
じないため、その方向の寸法変化が生じることはない。
これにより、各ギヤの軸方向に沿った方向で各ギヤと仕
切り部材との間に寸法差が生じてしまい、仮に側板を設
けたとしても側板は仕切り部材に当接するため側板が各
ギヤを押圧することはできず、側板と各ギヤの軸方向端
部との間に隙間が生じてしまう。このため、内接ギヤポ
ンプでは、上記公報の如く、各ギヤの歯先とハウジング
や仕切り部材との間の隙間を軽減若しくは小さくするこ
とはできるが、内接ギヤポンプを外接ギヤポンプのよう
なプレッシャローディングタイプにすることは現実的に
困難とされ、ハウジングの底部と各ギヤの軸方向端部と
の間の隙間を無くし若しくは小さくすることができず、
吐出効率が悪い。
【0008】本発明は、上記事実を考慮して、吐出効率
のよい内接ギヤポンプを得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の内接ギヤ
ポンプは、外歯を有し、駆動力を受けて自らの軸周りに
回転する原動ギヤと、前記原動ギヤの外歯へ噛み合う内
歯を有し、前記原動ギヤの回転に伴い前記原動ギヤの回
転中心に対して偏位した自らの軸周りに回転するリング
状の従動ギヤと、前記原動ギヤと前記従動ギヤとの間に
設けられ、前記原動ギヤ側の側部が前記原動ギヤの外歯
の歯先へ当接すると共に、前記従動ギヤ側の側部が前記
従動ギヤの内歯の歯先へ当接して前記噛合部分と共に前
記原動ギヤと前記従動ギヤとの間の空間を仕切る仕切部
材と、前記原動ギヤ及び従動ギヤを回転可能に収容する
ギヤ収容部を有すると共に、前記噛合部分及び前記仕切
部材により仕切られた前記原動ギヤと従動ギヤの間の一
方の空間と連通し、当該空間内へ外部から流体を吸入可
能な吸入部が設けられると共に、前記他方の空間に連通
して外部へ流体を吐出可能な吐出部が設けられたハウジ
ングと、前記原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向に沿って前
記吸入部及び吐出部とは反対側で前記ハウジングの内部
に設けられ、前記吐出部と連通した前記原動ギヤと前記
従動ギヤとの間の空間の内圧の上昇に伴い前記原動ギヤ
及び従動ギヤとは反対側へ送給された流体の圧力で前記
原動ギヤ及び従動ギヤへ接近する方向へ移動するピスト
ンと、前記原動ギヤ及び従動ギヤと前記ピストンとの間
に設けられると共に、前記原動ギヤ及び従動ギヤの軸方
向に沿って前記仕切部材の形状に貫通し、その内側に前
記仕切部材の前記原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向一端部
よりも突出した部分が挿入される挿通孔が形成されたプ
レートと、を備えている。
【0010】上記構成の内接ギヤポンプによれば、原動
ギヤが駆動力を受けて回転し、これに伴い従動ギヤが回
転すると、原動ギヤと従動ギヤの噛合部分及び仕切部材
により仕切られた原動ギヤと従動ギヤの間の空間のうち
の吸入部側の空間で原動ギヤの外歯及び従動ギヤの内歯
の各歯溝に収容された流体が原動ギヤと従動ギヤの間の
空間のうちの吐出部側へ搬送される。このようにして、
吐出部側へ流体が搬送されることで、吐出部側での空間
の内圧が上昇し、吐出部からハウジングの外部へ流体が
吐出される。
【0011】また、吐出部側での内圧の上昇に伴い吐出
部側へ搬送された流体の一部は、その内圧によりピスト
ンの裏面側(すなわち、ピストンを介して原動ギヤ及び
従動ギヤと反対側)へ送給され、ピストンを原動ギヤ及
び従動ギヤに対して接近する方向へ押圧してピストンを
その方向へ移動させる。原動ギヤ及び従動ギヤに対して
接近する方向へ移動したピストンは、原動ギヤ及び従動
ギヤとピストンとの間に設けられたプレートを押圧して
原動ギヤ及び従動ギヤに対して接近する方向へ移動させ
る。
【0012】ここで、原動ギヤ及び従動ギヤが回転によ
り摩耗して軸方向に沿った長さが短くなり、これによっ
て、原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向一端(すなわち、ピ
ストン側の端部)よりも仕切部材が突出することがあ
る。しかしながら、原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向に沿
って原動ギヤ、従動ギヤ、及び仕切部材と対向したプレ
ートには、仕切部材の形状に対応した挿通孔が形成され
ており、ピストンからの押圧力を受けてプレートが移動
すると、仕切部材の原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向一端
よりも突出した部分がプレートの挿通孔の内側へ収容さ
れる。このため、プレートの原動ギヤ及び従動ギヤと対
向する側の端部のうち、挿通孔を除いた部分は原動ギヤ
及び従動ギヤの軸方向一端部へ当接して、原動ギヤ及び
従動ギヤを押圧する。
【0013】プレートを介して受けたピストンからの押
圧力によって原動ギヤ及び従動ギヤは、ハウジングのギ
ヤ収容部の底部へ押し付けられ、これによって、ギヤ収
容部の底部と原動ギヤ及び従動ギヤの間の隙間が小さく
なり、或いは無くなる。このため、原動ギヤ及び従動ギ
ヤとハウジング(ギヤ収容部)との間の隙間を介しての
吐出部側から吸入部側への流体の漏れが少なくなり、或
いは、無くなるため、吐出効率が向上する。
【0014】ところで、例えば、ピストンの原動ギヤ、
従動ギヤ、及び仕切部材と対向した側の端部に、仕切部
材の形状に対応した凹部を設けることでも上述した本発
明の作用と同等の作用を奏することが原理的に可能であ
る。
【0015】しかしながら、この場合には、ピストンを
成形する際に予め凹部を形成するか、或いは、ピストン
を成形した後に切削加工等で凹部を成形しなければなら
ない。前者の場合には、その形状から、鋳造成形や合成
樹脂材の射出成形を用いることになる。このような成形
では、所謂『ひけ』等により、凹部の寸法精度がでにく
く、凹部と仕切部材の間に必要以上の隙間が生じ、この
隙間を介して吐出部側から吸入部側へ流体が漏れる可能
性がある。一方、後者では、凹部の精度を出すことは充
分に可能であるが、高精度な切削加工が要求されるた
め、コスト高になる。
【0016】これに対し、本発明では、プレートに挿通
孔を形成するだけでよく、特に、金属板をプレートの素
材として適用する場合には、プレスによる打ち抜き加工
が適用でき、打ち抜きに用いる金型の精度しだいで高精
度な挿通孔をプレート成形時に形成できる。
【0017】なお、本発明において、原動ギヤ、従動ギ
ヤ、及び仕切部材とピストンとの間に設けるプレート
は、一枚でもよいし、副数枚のプレートをその厚さ方向
及び原動、従動各ギヤの軸方向に沿って積層してもよ
い。また、複数枚のプレートを積層する場合において
は、単にプレートを積層する構成でもよいし、かしめ等
で複数枚のプレートを一体としてもよい。
【0018】また、本発明において、吐出部側での内圧
の上昇により吐出部側の流体をピストンの裏面側へ導く
ための構成については特に限定するものではないが、そ
の構成の一例としては、原動ギヤ及び従動ギヤの間の吐
出部側の空間に対応して原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向
に沿って貫通した透孔をピストンに形成すると共に、こ
の透孔に連通した貫通孔をプレートに形成し、これらの
貫通孔及び透孔を介して吐出部側の流体をピストンの裏
面側へ導く構成としてもよい。また、他の例としては、
ピストンの裏面側と、吐出部側での原動ギヤと従動ギヤ
との間の空間を連通する連通孔をハウジングに形成し、
この連通孔を介して吐出部側の流体をピストンの裏面側
へ導く構成としてもよい。
【0019】請求項2記載の内接ギヤポンプは、請求項
1記載の本発明において、前記ピストンを硬質の合成樹
脂材により形成すると共に、前記プレートを前記原動ギ
ヤ及び従動ギヤを構成する材質よりも硬質の材質で形成
し、且つ、前記ピストンを成形する際に前記プレートを
インサート成形したことを特徴としている。
【0020】上記構成の内接ギヤポンプでは、ピストン
は合成樹脂材により一体成形されているため、金属材料
を用いた場合に比べて製造コストが軽減される。一方、
プレートは原動ギヤ及び従動ギヤを構成する材質よりも
硬質の材質で形成されているため、回転する原動ギヤ及
び従動ギヤによる摩耗が軽減される。
【0021】さらに、プレートはピストンを成形する際
にインサート成形され、ピストンの成形終了時点で既に
ピストンとプレートとが一体となっている。このため、
例えば、流体からの圧力をプレートが受けてもプレート
が撓むようなことはない。
【0022】さらに、インサート成形によりピストンと
プレートとを一体とするため、ピストンへのプレートの
固着がピストンの成形と同一工程にて成されるため、プ
レートの固着が容易であると共に、ピストンの製造終了
後にはピストンとプレートとが実質的に一部材となるた
め、ポンプの組み立てが容易となる。
【0023】請求項3記載の内接ギヤポンプは、請求項
1又は請求項2記載の本発明において、前記原動ギヤ及
び従動ギヤを各々の軸直交方向に沿って変位可能に支持
すると共に、前記原動ギヤの中心から前記従動ギヤの中
心への方向に対して前記吐出部側から前記吸入部側への
方向へ傾斜した方向及びその反対方向へ向けて前記ハウ
ジングに対して変位可能に前記仕切部材を前記ハウジン
グに支持させたことを特徴としている。
【0024】上記構成の内接ギヤポンプによれば、原動
ギヤ及び従動ギヤが回転して、吸入部側から吐出部側へ
流体が搬送されると、吐出部側で内圧が上昇して、原動
ギヤ及び従動ギヤをその軸直交方向に沿って押圧し、こ
の圧力が原動ギヤと従動ギヤとを互い離間させる方向に
作用する。一方、吸入部側では、原動ギヤと従動ギヤと
の噛み合いが離れることで両ギヤの歯溝へ入り込んでい
た両ギヤの歯先の容積分だけ負圧が生じるため、吸入部
側では吐出部側とは反対に原動ギヤと従動ギヤとを互い
に接近させるように圧力(負圧)が作用する。
【0025】このときの圧力の作用と、噛合部分での互
いの歯(外歯及び内歯)の干渉により、原動ギヤは、原
動ギヤの中心から従動ギヤの中心への方向に対して吐出
部側から吸入部側への方向に傾斜した方向へ変位しよう
とし、従動ギヤは概ね原動ギヤの変位方向とは反対方向
に沿って変位しようとする。
【0026】原動ギヤ及び従動ギヤの各々が変位する
と、原動ギヤ及び従動ギヤの各歯先の仕切部材に対する
当接位置が変化するが、仕切部材は、原動ギヤの中心か
ら従動ギヤの中心への方向に対して吐出部側から吸入部
側への方向へ傾斜した方向及びその反対方向へ向けてハ
ウジングに対して変位可能にハウジングに支持されてい
るため、仕切部材は、原動ギヤ及び従動ギヤの何れかの
一方の歯先に押圧されて何れか他方の歯先へ当接し、更
に、原動ギヤの変位に伴う原動ギヤからの押圧力と従動
ギヤの変位に伴う従動ギヤからの押圧力とがバランスす
る位置まで移動する。
【0027】これにより、原動ギヤ及び従動ギヤの各歯
先と仕切部材との間の隙間が小さくなり或いは無くなる
ため、この隙間を介した吐出部側から吸入部側への流体
の漏れが軽減或いは防止される。
【0028】なお、本発明において、仕切部材の移動方
向は原動ギヤの中心から従動ギヤの中心への方向に対し
て吐出部側から吸入部側への方向へ傾斜した方向及びそ
の反対方向のみに限定されるものではなく、この方向の
成分を含んだ方向であればよい。
【0029】請求項4記載の内接ギヤポンプは、請求項
3記載の本発明において、前記原動ギヤの中心と前記従
動ギヤの中心とを結ぶ線よりも前記吐出部側で前記仕切
部材を前記原動ギヤの軸方向と平行な軸周りに旋回可能
に前記ハウジングに支持させたことを特徴としている。
【0030】上記構成の内接ギヤポンプによれば、原動
ギヤと従動ギヤの各中心とを結ぶ線よりも吐出部側で原
動ギヤの軸方向と平行な軸周りに仕切部材が旋回可能に
ハウジングに支持されているため、吐出部側での内圧の
上昇と、吸入部側での負圧の発生により、原動ギヤ及び
従動ギヤが上記の如く変位して、各ギヤの歯先が仕切部
材へ当接して押圧すると、両ギヤからの歯先からの押圧
力がバランスする位置まで仕切部材がハウジングに対し
て原動ギヤの軸方向と平行な軸周りに旋回する。これに
より、原動ギヤ及び従動ギヤの各歯先と仕切部材との間
の隙間が小さくなり或いは無くなるため、この隙間を介
した吐出部側から吸入部側への流体の漏れが軽減或いは
防止される。
【0031】すなわち、仕切部材の旋回に、原動ギヤの
中心から従動ギヤの中心への方向に対して吐出部側から
吸入部側への方向へ傾斜した方向及びその反対方向の成
分が含まれるものであり、基本的に上述した請求項3記
載の本発明と同様の作用を奏する。但し、本発明では、
ハウジングが仕切部材を旋回可能に支持する構成とした
ため、原動ギヤの中心から従動ギヤの中心への方向に対
して吐出部側から吸入部側への方向へ傾斜した方向及び
その反対方向にのみ仕切部材をスライド可能にハウジン
グへ支持させる構成と比べた場合、仕切部材を支持する
ための具体的構成が簡素となる。
【0032】
【発明の実施の形態】図3には本発明の第1の実施の形
態に係る内接ギヤポンプ10の分解斜視図が示されてお
り、図2には内接ギヤポンプ10の蓋部12を除いた平
面図が示されている。また、図1には、図2の1−1線
に沿った断面図が示されている。
【0033】図1及び図3に示されるように、内接ギヤ
ポンプ10は、蓋部12、ハウジング本体14、及び底
壁部16により構成されるハウジング18を備えてい
る。
【0034】ハウジング本体14は全体的に略円筒形状
とされており、蓋部12は外径寸法がハウジング本体1
4の外径寸法と略等しい略円盤形状とされ、ハウジング
本体14の軸方向一端部へ当接した状態でボルト等の締
結手段によりハウジング本体14へ固定され、ハウジン
グ本体14の軸方向一端部を閉止している。一方、底壁
部16は外径寸法がハウジング本体14の外径寸法と略
等しい略円柱形状とされ、ハウジング本体14の軸方向
他端部へ当接した状態でボルト等の締結手段によりハウ
ジング本体14へ固定され、ハウジング本体14の軸方
向他端部を閉止している。
【0035】ハウジング本体14の内側は平面視円形の
ギヤ収容部20とされており、その内部には円筒形状若
しくはリング状の従動ギヤ22が収容されている。従動
ギヤ22はその内周部に複数の内歯24が形成された平
歯の内歯歯車で、外径寸法がギヤ収容部20の内径寸法
よりも僅かに小さく、ギヤ収容部20の内部でギヤ収容
部20に対して略同軸的に回転可能とされている。ま
た、図1に示されるように、従動ギヤ22の軸方向寸法
はギヤ収容部20の軸方向寸法よりも充分に短い。
【0036】この従動ギヤ22の内側には原動ギヤ26
が配置されている。原動ギヤ26は、外周部に外歯28
が形成されたギヤ本体30を備えている。ギヤ本体30
は従動ギヤ22よりも小径で、外歯28の数も内歯24
より少ない。また、ギヤ本体30は、その軸方向高さが
従動ギヤ22の軸方向高さに略等しく、且つ、その回転
中心が従動ギヤ22の回転中心に対してその軸直交方向
に沿って偏心して設けられており、外歯28が従動ギヤ
22の内歯24へ噛み合っている。ギヤ本体30の軸方
向一端部からは同軸的にギヤシャフト32が延出されて
おり、底壁部16がハウジング本体14へ固定された状
態では、底壁部16に形成された円孔34を貫通して外
部へ突出している。ギヤシャフト32の先端部は、直
接、或いは、ギヤ等の機械的な運動伝達手段を介してモ
ータ等の駆動手段へ機械的に接続されており、駆動手段
の駆動力を受けることで自らの軸周りに回転するように
なっている。
【0037】なお、本実施の形態では、原動ギヤ26及
び従動ギヤ22を平歯車とした構成であったが、はす歯
歯車等の他の歯車を適用してもよい。
【0038】ここで、底壁部16に形成された円孔34
は、その内径寸法がギヤシャフト32の外径寸法よりも
僅かに大きく、ギヤシャフト32がその軸直交方向に沿
って変位できる。
【0039】一方、ギヤ本体30の軸方向他端部からは
ギヤシャフト36が同軸的に延出されており、蓋部12
がハウジング本体14へ固定された状態では、蓋部12
に形成された円孔38を貫通している。この蓋部12に
形成された円孔38の内径寸法もまたギヤシャフト36
の外径寸法よりも充分に大きい。
【0040】また、ハウジング本体14の内部には仕切
部材としてのクレセント40が配置されている。図2に
示されるように、クレセント40は、ギヤ本体30(原
動ギヤ26)の回転中心を介して外歯28と内歯24と
の噛合部分とは反対側で、従動ギヤ22の内歯24とギ
ヤ本体30の外歯28との間に配置されている。原動ギ
ヤ26及び従動ギヤ22の軸方向に沿った方向のクレセ
ント40の寸法(高さ)は、原動ギヤ22のギヤ本体3
0及び従動ギヤ22の軸方向高さよりも僅かに大きい。
また、クレセント40は平面視で略三日月形状とされて
おり、原動ギヤ26の外歯28と対向した側の幅方向一
方の端部は外歯28の歯先を結ぶ円の曲率半径に略等し
い曲率半径で湾曲した凹形状とされている。また、クレ
セント40の幅方向一方の端部での長手方向寸法は、ギ
ヤ本体30(原動ギヤ26)の外歯28のピッチよりも
長く、原動ギヤ26が自らの軸周りに回転した際には、
常に、少なくとも1つの外歯28が原動ギヤ26の軸直
交方向に沿ってクレセント40の幅方向一方の端部と対
向する。これに対し、従動ギヤ22の内歯24と対向し
た側の幅方向他方の端部は内歯24の歯先を結ぶ円の曲
率半径に略等しい曲率半径で従動ギヤ22側へ張り出す
ように湾曲している。クレセント40の幅方向他方の端
部での長手方向寸法は、従動ギヤ22の内歯24のピッ
チよりも長く、従動ギヤ22が自らの軸周りに回転した
際には、常に、少なくとも1つの内歯24が原動ギヤ2
6の軸直交方向に沿ってクレセント40の幅方向他方の
端部と対向する。
【0041】ここで、このクレセント40の幅方向一方
の端部へ外歯28の歯先が当接し、クレセント40の幅
方向他方の端部へ内歯24の歯先が当接した状態では、
これらの外歯28及び内歯24とクレセント40との当
接部分と内歯24と外歯28との噛合部分により、従動
ギヤ22と原動ギヤ26の間の空間が、後述する吸入孔
46と連通した吸入孔46側の空間42と、吐出孔48
と連通した吐出孔48側の空間44と、に分割され、こ
れらの空間42、44が原動ギヤ26、従動ギヤ22、
及びクレセント40によって仕切られる。
【0042】空間42に対応して底壁部16には吸入部
としての吸入孔46が形成されており、また、空間44
に対応して底壁部16には吐出部としての吐出孔48が
形成されている。本内接ギヤポンプ10が、例えば、車
両の電子制御式の油圧制動装置の一構成として適用され
る場合には、吸入孔46はブレーキオイルの貯蔵部(オ
イルタンク等)と連通しており、吐出孔48はブレーキ
のキャリパ等に設けられたシリンダ等へ連通している。
【0043】また、図3に示されるように、底壁部16
と対向する側のクレセント40の端部には、一対の有底
の円孔50が形成されており、各円孔50の内部には円
柱形状のピン52の長手方向一端側が挿入されている。
ピン52の長手方向他端側は、クレセント40から突出
しており、図3に示されるように、底壁部16に形成さ
れた一対の有底の円孔54へ底壁部16に対して垂直に
(すなわち、原動ギヤ26及び従動ギヤ22のギヤシャ
フトに対して平行に)挿入されている。これにより、底
壁部16に対して平行な方向(すなわち、原動ギヤ26
及び従動ギヤ22の軸直交方向)へのクレセント40の
底壁部16に対する相対移動を制限している。
【0044】一方、図1及び図3に示されるように、ギ
ヤ収容部20の内部で且つ従動ギヤ22及び原動ギヤ2
6の軸方向一端側(すなわち、蓋部12側)側方にはピ
ストン56が収容されている。円孔54は外径寸法がギ
ヤ収容部20の内径寸法よりも僅かに小さな円盤形状の
ピストン本体58を備えている。ピストン本体58はハ
ウジング本体14をシリンダとしてギヤ収容部20の軸
方向に沿ってスライド可能とされている。ピストン本体
58の従動ギヤ22及び原動ギヤ26とは反対側の端部
には円筒部60が形成されている。ピストン56は、ピ
ストン本体58が従動ギヤ22に対して略同軸的なのに
対し、円筒部60は原動ギヤ26に対して略同軸的とさ
れており、したがって、ピストン56をギヤ収容部20
内に収容した状態では、円筒部60の中心はピストン5
6の中心よりも従動ギヤ22の内歯24と原動ギヤ26
の外歯28との噛合部分側へ偏心し、更に、円筒部60
の先端側は蓋部12に形成された円孔38を貫通して外
部へ突出している。円筒部60が貫通した円孔38の裏
面側(すなわち、ハウジング本体14及び底壁部16と
対向する側)の端面には、内径寸法が円孔38の内径寸
法よりも大径とされたリング状のリング溝62が円孔3
8に対して同軸的に形成されている。リング溝62の内
側にはリング状のOリング(オーリング)64が配置さ
れており、円筒部60の外周部と円孔38及びリング溝
62の内周部との間の隙間を封止している。
【0045】また、円筒部60には、貫通孔66が同軸
的に形成されている。貫通孔66は一方の開口端が円筒
部60の先端で開口していると共に、他方の開口端はピ
ストン本体58の従動ギヤ22及び原動ギヤ26と対向
する側の面で開口している。この貫通孔66には原動ギ
ヤ26のギヤシャフト36が挿入されており、ギヤシャ
フト36は円筒部60と共に円孔38を貫通している。
ここで、貫通孔66の内径寸法はギヤシャフト36の外
径寸法よりも充分に大きく、ギヤシャフト36はその軸
直交方向に沿って貫通孔66の内部で変位できる。
【0046】また、ピストン56のピストン本体58に
は、その軸方向に沿って貫通した透孔68が形成されて
いる。透孔68は、ピストン56をギヤ収容部20内に
配置した状態で空間44に対応している。
【0047】さらに、従動ギヤ22及び原動ギヤ26と
ピストン56のピストン本体58との間には、円盤状の
プレート70が設けられている。プレート70は外径寸
法がギヤ収容部20の内径寸法よりも僅かに小さく、ギ
ヤ収容部20の内部でその軸方向に沿って移動可能とさ
れている。また、プレート70の厚さは、原動ギヤ26
のギヤ本体30及び従動ギヤ22の軸方向高さとの和が
当該軸方向高さに沿った方向のクレセント40の寸法
(高さ)よりも大きくなる程度とされている。さらに、
図1及び図3に示されるように、貫通孔66の中心部か
ら所定距離変位した位置には透孔72、透孔74、及び
挿通孔としての三日月孔76が形成されている。透孔7
2はプレート70がギヤ収容部20の内部に配置さた状
態で原動ギヤ26のギヤシャフト36が貫通する。一
方、透孔74はプレート70がギヤ収容部20の内部に
配置さた状態で空間44に対応していると共に、ピスト
ン本体58に形成された透孔68に対して略同軸的に連
通する。また、三日月孔76は全体的に三日月形状とさ
れ、その長手寸法、幅寸法、及び各部の曲率半径は上述
したクレセント40の長手寸法、幅寸法、及び各部の曲
率半径と略等しく、プレート70がギヤ収容部20の内
部に配置さた状態でクレセント40が三日月孔76を貫
通でき、且つ、貫通状態では三日月孔76の内周部とク
レセント40との間に殆ど隙間がない。
【0048】なお、本実施の形態では、三日月孔76と
クレセント40とを平面視で同形状とし、三日月孔76
へクレセント40を貫通させた状態では三日月孔76と
クレセント40との間に隙間がなくなる構成であった
が、基本的には三日月孔76へクレセント40を貫通さ
せた状態で三日月孔76とクレセント40との間に隙間
がなくなる構成であればよい。したがって、例えば、三
日月孔76をクレセント40よりも大きくすると共に、
三日月孔76の内周部及びクレセント40の外周部の何
れか一方に環状のシール部材を配置して、このシール部
材により三日月孔76の内周部とクレセント40の外周
部との間の隙間を無くす構成であってもよい。
【0049】次に、本実施の形態の作用並びに効果につ
いて説明する。
【0050】本内接ギヤポンプ10では、原動ギヤ26
がモータ等の駆動手段の駆動力を受けて図2の矢印A方
向へ向けて回転すると、内歯24が原動ギヤ26の外歯
28へ噛み合った従動ギヤ22が回転を開始する。この
状態で、空間42内で互いに隣接する内歯24の間の歯
溝78及び互いに隣接する外歯28の間の歯溝80内に
ある水や油等の流体は、従動ギヤ22及び原動ギヤ26
と共に回転して空間44内へと搬送される。原動ギヤ2
6の外径寸法は従動ギヤ22の内径寸法に比べて小さ
く、且つ、従動ギヤ22に対して原動ギヤ26が偏心し
ているため、原動ギヤ26の中心を介して外歯28と内
歯24との噛合部分とは反対側では原動ギヤ26と従動
ギヤ22とが最も離れるが、この部分にはクレセント4
0が設けられており、内歯24及び外歯28の各歯先が
常にクレセント40の幅方向端部へ当接しているため、
基本的に原動ギヤ26の中心を介して内歯24と外歯2
8との噛合部分とは反対側では、空間42と空間44と
に分割され、これらの空間42、44がクレセント40
とクレセント40へ当接する内歯24及び外歯28とに
よって遮断される。
【0051】また、空間44において従動ギヤ22の歯
溝78及び原動ギヤ26の歯溝80内の流体は、外歯2
8と内歯24とが互いに噛み合い歯溝78の内部へ外歯
28が、歯溝80の内部へ内歯24が入り込むことで歯
溝78及び歯溝80内から押し出される。これにより、
空間44では流体量が増大して空間44の内圧が上昇す
るため、空間44内の流体が吐出孔48を介してハウジ
ング18の外部へと吐出される。
【0052】一方、空間42側で原動ギヤ26及び従動
ギヤ22の回転に伴い歯溝78内から外歯28が抜け出
し、歯溝80内から内歯24が抜け出すことで、それま
で歯溝78内で外歯28が占有していた容積の分、及び
歯溝80内で内歯24が占有していた容積の分だけ空間
42内に負圧が生じ、吸入孔46を介して空間42の内
部へハウジング18の外部から流体が吸入される。
【0053】上記の如く、原動ギヤ26及び従動ギヤ2
2を回転させることで、吸入孔46から流体が吸入され
て吐出孔48から流体が吐出され、所謂ポンプとしての
機能を奏することになる。
【0054】また、本内接ギヤポンプ10では、空間4
4内の内圧が上昇すると、吐出孔48内の流体の一部
は、プレート70の透孔68及びピストン56の透孔7
4を介してピストン本体58と蓋部12との間の隙間に
入り込む。このピストン本体58と蓋部12との間の隙
間に入り込んだ流体は、空間44内の内圧を受けてピス
トン本体58を蓋部12から離間させる方向、すなわ
ち、プレート70側へ押圧してピストン56をプレート
70側へ変位させる。プレート70側へ変位したピスト
ン56はプレート70を押圧してプレート70を原動ギ
ヤ26(ギヤ本体30)及び従動ギヤ22へ押し付け
る。更に、プレート70からの押付力(押圧力)を受け
た原動ギヤ26(ギヤ本体30)及び従動ギヤ22は底
壁部16へ押し付けられ、これによって、原動ギヤ26
(ギヤ本体30)及び従動ギヤ22と底壁部16との間
の隙間が小さくなり或いは無くなる。このため、原動ギ
ヤ26(ギヤ本体30)及び従動ギヤ22と底壁部16
との間の隙間を介して空間44から空間42へ漏れる流
体が少なくなり、或いは無くなるので、本内接ギヤポン
プ10では吐出効率が向上する。
【0055】ところで、原動ギヤ26のギヤ本体30及
び従動ギヤ22は回転することで底壁部16との間に摩
擦が生じ、これによって、僅かではあるがギヤ本体30
及び従動ギヤ22の軸方向高さが減少する。これに対
し、クレセント40はその高さ寸法(ギヤ本体30及び
従動ギヤ22の軸方向に沿った方向の寸法)が減少する
ことはない。したがって、仮に、本内接ギヤポンプ10
を組み立てる際に、従動ギヤ22、原動ギヤ26のギヤ
本体30、及びクレセント40の高さ寸法を一致させた
場合には、ギヤ本体30及び従動ギヤ22の摩耗によ
り、ギヤ本体30及び従動ギヤ22の蓋部12側の端部
よりもクレセント40が突出する。プレート70を設け
ずにピストン56がギヤ本体30(原動ギヤ26)及び
従動ギヤ22を直接押圧する構成とした場合、ギヤ本体
30及び従動ギヤ22の蓋部12側の端部よりもクレセ
ント40が突出すると、ピストン56がクレセント40
へ当接してギヤ本体30及び従動ギヤ22を押圧するこ
とができず、上述した効果を得ることはできない。しか
も、ギヤ本体30及び従動ギヤ22とピストン56のピ
ストン本体58との間に隙間が生じることから、この隙
間を介して空間44から空間42へ流体が漏れるため、
かえって吐出効率が悪化する可能性がある。
【0056】しかしながら、本内接ギヤポンプ10で
は、ギヤ本体30(原動ギヤ26)及び従動ギヤ22と
ピストン56のピストン本体58との間にプレート70
を設けており、ギヤ本体30及び従動ギヤ22が摩耗し
てクレセント40がギヤ本体30及び従動ギヤ22より
突出しても、クレセント40の突出部分はこれに対応し
た三日月孔76内に収容される。このため、クレセント
40がギヤ本体30及び従動ギヤ22よりも突出しても
プレート70はギヤ本体30及び従動ギヤ22へ当接す
る。これにより、ピストン56からの押圧力を従動ギヤ
22及びギヤ本体30へ付与できるため、上述した効果
を損なうことがない。
【0057】さらに、プレート70を従動ギヤ22及び
ギヤ本体30へピストン56との間に介在させる構成と
することによる効果は、三日月孔76と同様の有底の開
口をピストン本体58に形成することによっても得るこ
とができる。
【0058】三日月孔76と同様の有底の開口をピスト
ン本体58に形成する方法としては、合成樹脂材による
射出成形や溶融金属を用いた鋳造成形によってピストン
56を成形する際に、三日月孔76に相当する開口を形
成する方法と、ピストン56を成形した後に切削加工等
により三日月孔76に相当する開口を別に形成する方法
と、が考えられる。
【0059】しかしながら、前者の場合には、成形時に
生じる所謂『ひけ』等により、三日月孔76に相当する
開口の寸法精度が低くなり、開口を形成したものの、ク
レセント40の突出部分を挿入できなかったり、或い
は、クレセント40の挿入状態でクレセント40の外周
部と開口内周部との間に必要以上の隙間が生じ、この隙
間を介して空間44の流体が空間42へ漏れる可能性が
ある。一方、後者の場合には、三日月孔76に相当する
開口の寸法精度を保つことは可能であるが、ピストン5
6を製造する上で切削工程を設けなくてはならないた
め、コスト高になり、しかも、三日月孔76に相当する
開口の寸法精度がバラツク可能性がある。
【0060】これに対し、本内接ギヤポンプ10では、
プレート70に三日月孔76を形成する構成である。し
たがって、例えば、プレート70に金属板を用いる場合
には、所謂打ち抜き加工を適用することができる。打ち
抜き加工においては、打ち抜き用プレス型(金型)の寸
法精度さえよければ、基本的に同一形状のプレート70
を同一の寸法精度で多量に製造できる。しかも、打ち抜
きの際に、その外形や透孔74、或いは、脈動防止用の
溝等も形成できるため、製造コストも極めて安価であ
る。
【0061】このように、同一の効果を得るにしても、
三日月孔76に相当する開口をピストン56に直接形成
する構成と比べて、本内接ギヤポンプ10は高精度でし
かもコストを安価にできる。
【0062】なお、本実施の形態では、プレート70は
1枚であったが、複数枚のプレート70を積層して用い
てもよい。また、プレート70を複数枚積層する構成の
場合、かしめや接着等により複数枚のプレート70を一
体にして用いてもよいし、プレート70の各々が独立し
た状態で用いてもよい。
【0063】また、本実施の形態では、ハウジング本体
14、底壁部16、及びクレセント40をそれぞれ別体
で構成したが、ハウジング本体14、底壁部16、及び
クレセント40の何れか或いは全てを一体成形する構成
であってもよい。
【0064】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。なお、以下の各実施の形態において、前記第1
の実施の形態及び説明している実施の形態よりの先に述
べた実施の形態と同一の部位に関しては、同一の符号を
付与してその説明は省略する。
【0065】図4には、本発明の第2の実施の形態に係
る内接ギヤポンプ90の要部の分解斜視図が示されてい
る。この図に示されるように、前記第1の実施の形態に
おいて底壁部16には一対の(すなわち、2つの)円孔
54が形成されていたのに対し、本内接ギヤポンプ90
では円孔54が1つである。これに応じて、クレセント
40に形成された円孔50及びピン52もまた各々1つ
とされている。したがって、前記第1の実施の形態では
底壁部16に対して平行な方向への底壁部16に対する
クレセント40の変位が制限されていたのに対し、本内
接ギヤポンプ90では、クレセント40がピン52周り
(図4の矢印B方向及びその反対方向)に旋回自在とさ
れている。また、図4及び図5に示されるように、本内
接ギヤポンプ90において円孔54は、本内接ギヤポン
プ90の組み立て状態でクレセント40の長手方向(す
なわち、原動ギヤ26及び従動ギヤ22の回転方向に沿
った方向)の中央部よりも吐出孔48側に位置するよう
に形成されている。
【0066】また、図4及び図5に示されるように、本
内接ギヤポンプ90ではハウジング本体14にギヤ収容
部92が形成されている。このギヤ収容部92は内部に
は原動ギヤ26、従動ギヤ22、ピストン56(何れ
も、図4及び図5においては図示省略)が配置されると
いう点については、前記第1の実施の形態におけるギヤ
収容部20と変わらないが、図5に示されるように、内
径寸法がギヤ収容部20よりも僅かに大きく、ギヤ収容
部92の内部で従動ギヤ22がその軸直交方向に沿って
変位可能である(なお、図4においてギヤ収容部92の
近傍の二点鎖線は、ギヤ収容部20を示す)。このギヤ
収容部92の内径寸法について、図6を用いてより詳細
に説明する説明する。
【0067】図6において、ギヤ収容部92の内部へ従
動ギヤ22を同軸的に配置した状態でギヤ収容部92の
内周部と従動ギヤ22の外周部との間に形成される隙間
の大きさをC、ギヤ収容部92の内径寸法をD、従動ギ
ヤ22の外径寸法をE、原動ギヤ26の外径寸法をF、
クレセント40の幅寸法をG、従動ギヤ22の歯先径寸
法をHとした場合、ギヤ収容部92の内径寸法Bは、以
下の式(2)を満足し、且つ、従動ギヤ22の内歯24
の歯先がクレセント40へ当接するまで移動しても、従
動ギヤ22の外周部がギヤ収容部92の内周部へ当接し
ないように設定されている。
【0068】 C=D−{F+G+(E−H)}...(1) さらに、本内接ギヤポンプ90では、プレート70に代
わりプレート94を備えている。このプレート94の基
本的な構成はプレート70と変わらないが外径寸法が前
記第1の実施の形態におけるプレート70よりも小さ
く、プレート94はその軸方向に沿ってギヤ収容部92
の内部で移動可能であると共に、外周部がギヤ収容部9
2(ハウジング本体14)の内周部へ当接するまで軸直
交方向に沿って移動可能である(なお、図4においてプ
レート94の近傍の二点鎖線は、プレート70の外形を
示す)。プレート94をギヤ収容部92と同軸的に配置
した際のギヤ収容部92(ハウジング本体14)の内周
部とプレート94の外周部の間の寸法は、概ね、底壁部
16に形成された円孔34に対して原動ギヤ26のギヤ
シャフト32を同軸的に配置した際の円孔34の内周部
とギヤシャフト32の外周部の間の寸法、及び、蓋部1
2の円孔38に対してピストン56の円筒部60を同軸
的に配置し、且つ、ピストン56の貫通孔66に対し原
動ギヤ26のギヤシャフト36を同軸的に配置した際の
円孔38の内周部と円筒部60の外周部との間の寸法と
貫通孔66の内周部とギヤシャフト36の外周部との間
の寸法との和の何れか小さい方の寸法よりも僅かに大き
い程度とされている。
【0069】すなわち、上述した寸法関係のうち、円孔
34の内周部とギヤシャフト32の外周部の間の寸法
は、ギヤシャフト32が円孔34内でその軸直交方向に
沿って移動する際の移動可能距離である。一方、円孔3
8の内周部と円筒部60の外周部との間の寸法は、円筒
部60が円孔38内でその軸直交方向に沿って移動する
際の移動可能距離であり、貫通孔66の内周部とギヤシ
ャフト36の外周部との間の寸法は貫通孔66内でギヤ
シャフト36がその軸直交方向に沿って移動する際の移
動可能距離である。したがって、円孔38の内周部と円
筒部60の外周部との間の寸法と、貫通孔66の内周部
とギヤシャフト36の外周部との間の寸法と、の和と
は、円孔38内でギヤシャフト36がその軸直交方向に
沿って移動する際の移動可能距離となる。ギヤシャフト
32とギヤシャフト36とはギヤ本体30を介して一体
であるため、基本的にその軸直交方向に沿った移動量は
等しく、原動ギヤ26がその軸直交方向に沿って変位し
た場合には、ギヤシャフト32が円孔34の内周部へ当
接するか、或いは、ギヤシャフト36が貫通孔66の内
周部へ当接し且つ円筒部60が円孔38の内周部へ当接
した時点でそれ以上原動ギヤ26が変位することはな
い。したがって、上述したプレート94をギヤ収容部9
2(ハウジング本体14)と同軸的に配置した際のプレ
ート94の外周部とギヤ収容部20の内周部との間の寸
法は、プレート94の外周部がギヤ収容部92の内周部
へ当接することにより間接的に原動ギヤ26の変位を制
限しない程度の寸法ということになる。
【0070】次に、本実施の形態の作用並びに効果につ
いて説明する。
【0071】前記第1の実施の形態で説明したように、
原動ギヤ26及び従動ギヤ22を回転させて空間42内
の流体を空間44内へ搬送すると、空間44内の内圧が
上昇する一方で、空間42内で負圧が生じる。
【0072】空間44内の内圧が上昇すると、その内圧
は原動ギヤ26及び従動ギヤ22の軸直交方向に沿って
原動ギヤ26と従動ギヤ22とを互いに引き離す方向に
作用する。一方、空間42内で生じた負圧は、原動ギヤ
26及び従動ギヤ22の軸直交方向に沿って原動ギヤ2
6と従動ギヤ22とを接近させる方向に作用する。これ
らの内圧及び負圧の作用で、原動ギヤ26の自らの軸方
向に対して直交する方向で且つ原動ギヤ26の中心から
従動ギヤ22の中心への方向に対して吐出孔48側から
吸入孔46側への方向へ傾斜した方向(概ね、図5の矢
印J方向)へ変位する。これに対して、従動ギヤ22は
原動ギヤ26の変位方向に対して概ね反対方向(概ね、
図5の矢印K方向)に変位する。
【0073】原動ギヤ26が変位することでクレセント
40は原動ギヤ26の外歯28により押圧され、ピン5
2周りに図5の矢印B方向に沿って旋回しようとする。
また、従動ギヤ22が変位することでクレセント40は
従動ギヤ22の内歯24により押圧され、ピン52周り
に図5の矢印Bとは反対方向に沿って旋回しようとす
る。この原動ギヤ26からの押圧力と従動ギヤ22から
の押圧力とがバランスする位置までクレセント40はピ
ン52周りに図5の矢印B方向若しくはその反対方向に
旋回する。
【0074】ここで、従来の内接ギヤポンプでは、内歯
の従動ギヤは基本的にその軸直交方向に沿った変位がで
きない構成で、また、クレセントも変位できない構成で
あったため、内接ギヤポンプを組み立てた状態で従動ギ
ヤの内歯の歯先とクレセントとの間に隙間が形成されて
いた場合には、本実施の形態で説明したように吐出孔側
の空間内の内圧が上昇し吸入孔側の空間内で負圧が生じ
たとしても、その隙間が小さく或いは無くなることはな
い。したがって、この隙間を介して吐出部側の空間内の
流体が吸入部側の空間内へ漏れ、吐出効率が低下する可
能性があった。
【0075】しかしながら、本実施の形態では、原動ギ
ヤ26及び従動ギヤ22は何れもその軸直交方向に沿っ
て変位可能で、しかも、クレセント40のピン52周り
に旋回可能であるため、上記の内圧の上昇及び負圧の発
生により各外歯28及び内歯24の歯先をクレセント4
0へ密着させることができる。これにより、各外歯28
及び内歯24の歯先とクレセント40との間の隙間を小
さく、或いは無くすことができるため、この隙間を介し
ての空間44内の流体の空間42への漏れを軽減若しく
は防止でき、吐出効率を向上できる。
【0076】もちろん、プレート92は前記第1の実施
の形態におけるプレート70と同様の作用を奏するた
め、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることもで
きることは言うまでもない。
【0077】ところで、クレセント40の外歯28と対
向する側の端部の曲率半径は基本的に外歯28の歯先を
結ぶ仮想円の曲率と同じであり、また、クレセント40
の内歯24と対向する側の端部の曲率半径は基本的に内
歯24の歯先を結ぶ仮想円の曲率と同じであるため、ピ
ン52周りにクレセント40が旋回すると外歯28及び
内歯24のクレセント40に対する当たりがクレセント
40の各部毎に変わるが、前記第1の実施の形態で説明
したように、クレセント40は原動ギヤ26及び従動ギ
ヤ22を構成する材質(例えば、鉄)よりも柔らかい材
質(例えば、アルミニウム)を使用しているため、クレ
セント40のうち外歯28及び内歯24からの当たりが
強い部位は、原動ギヤ26及び従動ギヤ22の回転によ
り外歯28及び内歯24により削られる。これにより、
本内接ギヤポンプ90を使用しているうちに、クレセン
ト40に対する外歯28及び内歯24の当たりは略均一
になる。換言すれば、内接ギヤポンプ90では、クレセ
ント40の外歯28及び内歯24と対向する側の端部の
曲率半径を多少ラフに設定したとしても、軸直交方向に
沿った原動ギヤ26、従動ギヤ22、及びクレセント4
0の変位と、外歯28及び内歯24の各歯先によるクレ
セント40の切削で、内接ギヤポンプ90を使用するう
ちにクレセント40に対する外歯28及び内歯24の当
たりを略均一にできるというメリットもある。
【0078】なお、本実施の形態では、クレセント40
をピン52周りに旋回自在とした構成であったが、空間
44内の内圧の上昇及び空間42内での負圧の発生に伴
う原動ギヤ26及び従動ギヤ22の軸直交方向に沿った
移動と同方向の成分がクレセント40の移動方向に含ま
れていればよい。したがって、例えば、前記第1の実施
の形態と同様にピン52を一対(すなわち、2本)とす
ると共に、空間44内の内圧の上昇及び空間42内での
負圧の発生に伴う原動ギヤ26及び従動ギヤ22の軸直
交方向に沿った移動と略同方向に沿って長手とされた長
孔を円孔54に代えて底壁部16に形成し、これによっ
て、空間44内の内圧の上昇及び空間42内での負圧の
発生に伴う原動ギヤ26及び従動ギヤ22の軸直交方向
に沿った移動と略同方向に沿ってスライド可能にクレセ
ント40を底壁部16に設けてもよく、この構成であっ
ても上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0079】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。図7には本実施の形態に係る内接ギヤポンプ
100に用いるピストン102の断面図が示されてい
る。図7に示されるように、ピストン102は合成樹脂
材により形成されたピストン本体58及び円筒部60を
備えており、ピストン本体58の円筒部60とは反対側
の面には原動ギヤ26及び従動ギヤ22を構成する材質
よりも硬い材質の板材により形成されたプレート部10
4が一体的に固着されている。
【0080】すなわち、ピストン102は、前記第1の
実施の形態におけるピストン56及びプレート70、前
記2の実施の形態におけるピストン56及びプレート9
2に相当する部材であるが、前記第1及び第2の実施の
形態では、プレート70或いはプレート92とピストン
56とが別体で構成されていたのに対し、ピストン10
2はプレート70或いはプレート92に相当するプレー
ト部104がピストン102の構成の一部となりピスト
ン本体58と一体とされている点で前記第1及び第2の
実施の形態と構成が異なる。
【0081】ここで、ピストン102の製造方法につい
て簡単に説明する。
【0082】図8に示されるように、打ち抜きプレス工
程においてその外形、透孔72、透孔74、三日月孔7
6が形成されたプレート部104は、ピストン102を
成形するための金型110を構成する下型112内に配
置される。この下型112には、外形寸法及び位置がプ
レート部104に形成された透孔72、透孔74、及び
三日月孔76に対応した突起114、116、118が
形成されており、プレート部104を下型112内に配
置する際には、突起114、116、118の各々がプ
レート部104に形成された透孔72、透孔74、三日
月孔76を貫通する。
【0083】次いで、図9に示されるように、この状態
で下型112と共に金型110を構成する上型120が
下型112へセットされて型締めされ、この状態で金型
110内に溶融した合成樹脂材が充填される。この状態
で、溶融した合成樹脂材が冷却、硬化されることで、ピ
ストン本体58及び円筒部60が形成されると共に、プ
レート部104がピストン本体58の円筒部60とは反
対側の面へ固着されて一体となる。
【0084】すなわち、本実施の形態では、所謂インサ
ート成形によりプレート部104がピストン本体58と
一体となる構成である。
【0085】本実施の形態では、前記第1の実施の形態
におけるプレート70に相当するプレート部104がピ
ストン本体58と一体である以外は、基本的に前記第1
の実施の形態に係る内接ギヤポンプ10と同様の構成と
なるため、前記第1の実施の形態と同様の作用を奏し、
同様の効果を得ることができる。
【0086】また、プレート部104がピストン本体5
8と一体となっていることで、プレート部104はピス
トン本体58へ確実に支持されるため、例えば、原動ギ
ヤ26及び従動ギヤ22が回転し、空間42内の流体が
空間44内に搬送され、このときの空間44内の内圧の
上昇により透孔74を通過した流体がプレート部104
とピストン本体58との間に入り込むことはない。この
ため、プレート部104が流体の圧力により撓むことは
なく、プレート部104とピストン本体58との間に隙
間が形成されることはない。したがって、このような隙
間を介して空間44内にある流体が空間42へ漏れるこ
とはなく、吐出効率がより一層向上する。
【0087】また、ピストン102を成形する際にプレ
ート部104をピストン本体58と一体にできるため、
内接ギヤポンプ100の組み付け工程においては、ピス
トン102をギヤ収容部20内に配置するだけでプレー
ト部104の配置工程も終了する。しかも、ピストン1
02の軸周り方向の位置合わせが終了すれば、同時にプ
レート部104の軸周り方向の位置合わせも終了する。
このため、組み付け工程が簡素化されコストの低減に寄
与する。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明では、原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向端部よりも突
出した仕切部材に阻まれることなく、原動ギヤ及び従動
ギヤに押圧力を付与して、ハウジングのギヤ収容部の底
部へ原動ギヤ及び従動ギヤを押し付けることができるた
め、ギヤ収容部の底部と原動ギヤ及び従動ギヤとの間を
介した吐出部側から吸入部側への流体の漏れを軽減若し
くは防止でき、吐出効率を向上できる。
【0089】また、請求項2記載の本発明では、プレー
トはピストンと一体となっているため、流体からの圧力
等の外力をプレートが受けても、プレートが撓むことは
なく、プレートとピストン或いはプレートと原動ギヤ及
び従動ギヤとの間の隙間の発生を防止でき、より一層吐
出効率が向上する。しかも、ピストン成形時にプレート
の固着もできるため、プレートの固着が容易であると共
に、ピストンの製造終了後にはピストンとプレートとが
実質的に一部材となるため、ポンプの組み立てが容易と
なる。
【0090】さらに、請求項3記載の本発明では、請求
項1又は請求項2記載の本発明の効果を得られるのみな
らず、原動ギヤ及び従動ギヤの各歯先と仕切部材との間
の隙間が小さく或いは無くすことができ、この隙間を介
した吐出部側から吸入部側への流体の漏れを軽減或いは
防止できる。このため、より一層吐出効率を向上させる
ことができる。
【0091】また、請求項4記載の本発明は、請求項3
記載の本発明と同様の効果を得られるのみならず、仕切
部材をハウジングに対して変位可能に支持するための構
造を簡素にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の1−1線に沿った本発明の第1の実施の
形態に係る内接ギヤポンプの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る内接ギヤポン
プの内部の構造を示す平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る内接ギヤポン
プの分解斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る内接ギヤポン
プの要部の分解斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る内接ギヤポン
プの平面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る内接ギヤポン
プの断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る内接ギヤポン
プのピストンの断面図である。
【図8】プレート部を下型にセットした状態を示す断面
図である。
【図9】上型をセットしてピストン本体を構成する合成
樹脂材を充填した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 内接ギヤポンプ 18 ハウジング 20 ギヤ収容部 22 従動ギヤ 24 内歯 26 原動ギヤ 28 外歯 40 クレセント(仕切部材) 46 吸入孔(吸入部) 48 吐出孔(吐出部) 56 ピストン 70 プレート 76 三日月孔(挿通孔) 90 内接ギヤポンプ 92 プレート 100 内接ギヤポンプ 102 ピストン 104 プレート部(プレート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 喜代治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 栄治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3H041 AA01 AA02 BB03 CC03 CC20 DD04 DD24 DD33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外歯を有し、駆動力を受けて自らの軸周
    りに回転する原動ギヤと、 前記原動ギヤの外歯へ噛み合う内歯を有し、前記原動ギ
    ヤの回転に伴い前記原動ギヤの回転中心に対して偏位し
    た自らの軸周りに回転するリング状の従動ギヤと、 前記原動ギヤと前記従動ギヤとの間に設けられ、前記原
    動ギヤ側の側部が前記原動ギヤの外歯の歯先へ当接する
    と共に、前記従動ギヤ側の側部が前記従動ギヤの内歯の
    歯先へ当接して前記噛合部分と共に前記原動ギヤと前記
    従動ギヤとの間の空間を仕切る仕切部材と、 前記原動ギヤ及び従動ギヤを回転可能に収容するギヤ収
    容部を有すると共に、前記噛合部分及び前記仕切部材に
    より仕切られた前記原動ギヤと従動ギヤの間の一方の空
    間と連通し、当該空間内へ外部から流体を吸入可能な吸
    入部が設けられると共に、前記他方の空間に連通して外
    部へ流体を吐出可能な吐出部が設けられたハウジング
    と、 前記原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向に沿って前記吸入部
    及び吐出部とは反対側で前記ハウジングの内部に設けら
    れ、前記吐出部と連通した前記原動ギヤと前記従動ギヤ
    との間の空間の内圧の上昇に伴い前記原動ギヤ及び従動
    ギヤとは反対側へ送給された流体の圧力で前記原動ギヤ
    及び従動ギヤへ接近する方向へ移動するピストンと、 前記原動ギヤ及び従動ギヤと前記ピストンとの間に設け
    られると共に、前記原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向に沿
    って前記仕切部材の形状に貫通し、その内側に前記仕切
    部材の前記原動ギヤ及び従動ギヤの軸方向一端部よりも
    突出した部分が挿入される挿通孔が形成されたプレート
    と、 を備える内接ギヤポンプ。
  2. 【請求項2】 前記ピストンを硬質の合成樹脂材により
    形成すると共に、前記プレートを前記原動ギヤ及び従動
    ギヤを構成する材質よりも硬質の材質で形成し、且つ、
    前記ピストンを成形する際に前記プレートをインサート
    成形したことを特徴とする請求項1記載の内接ギヤポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記原動ギヤ及び従動ギヤを各々の軸直
    交方向に沿って変位可能に支持すると共に、前記原動ギ
    ヤの中心から前記従動ギヤの中心への方向に対して前記
    吐出部側から前記吸入部側への方向へ傾斜した方向及び
    その反対方向へ向けて前記ハウジングに対して変位可能
    に前記仕切部材を前記ハウジングに支持させたことを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の内接ギヤポンプ。
  4. 【請求項4】 前記原動ギヤの中心と前記従動ギヤの中
    心とを結ぶ線よりも前記吐出部側で前記仕切部材を前記
    原動ギヤの軸方向と平行な軸周りに旋回可能に前記ハウ
    ジングに支持させたことを特徴とする請求項3記載の内
    接ギヤポンプ。
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