JP2000143511A - メタロ―β―ラクタマ―ゼ阻害剤 - Google Patents

メタロ―β―ラクタマ―ゼ阻害剤

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JP2000143511A
JP2000143511A JP11254983A JP25498399A JP2000143511A JP 2000143511 A JP2000143511 A JP 2000143511A JP 11254983 A JP11254983 A JP 11254983A JP 25498399 A JP25498399 A JP 25498399A JP 2000143511 A JP2000143511 A JP 2000143511A
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compound
lower alkyl
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general formula
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JP11254983A
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English (en)
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Terutaka Hashizume
橋爪照隆
Rie Nagano
長野理恵
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MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、一般式 【化1】 [式中、R1は、水素原子または低級アルキル基、R
2は、水素原子または陰電荷、Hetは、窒素原子、イ
オウ原子および酸素原子からなる群より選ばれる1ない
し4個のヘテロ原子を含む単環又は双環の複素環基を示
す]で表される化合物を有効成分とするメタロ−β−ラ
クタマーゼ阻害剤としての用途に関するものである。 【効果】本発明の化合物は、文献未記載のメタロ−β−
ラクタマーゼ阻害作用を有するので、メタロ−β−ラク
タマーゼ阻害剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルバペネム(7
−オキソ−1−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2
−エン−2−カルボン酸)化合物を有効成分として含有
するメタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】β−ラ
クタム系抗生物質に対する重要な耐性因子の一つである
β−ラクタマーゼは、そのアミノ酸一次配列から、クラ
スA、クラスB、クラスCおよびクラスDに分類され
る。クラスBに属するβ−ラクタマーゼは、活性中心に
亜鉛を含む金属酵素である点で、活性中心にセリン残基
を有する他のクラス(クラスA、クラスCおよびクラス
D)のセリン酵素とは、系統発生的に異なる。
【0003】クラスBのβ−ラクタマーゼは、カルバペ
ネム化合物を加水分解することから、一般的にカルバペ
ネマーゼと呼ばれているが、セファロスポリン化合物お
よびペニシリン化合物をより効率よく加水分解ためこの
呼称では誤解を生ずるとの見解から、メタロ−β−ラク
タマーゼと称呼することが推奨されるようになった
[B.A.Rasmussen et. al.(ビー
エイ ラスムセン等)、Antimicrob. A
gents Chemother.(アンチミクロビア
ル・エーゲント・ケモテラピィー)、第41巻、第2
号、第223−232頁、1997年およびD.M.L
ivermore(ディ・エム・リブモアー)、ASM
News(エイ・エス・エム・ニュース)、第59
巻、第3号、第129−135頁、1993年]。
【0004】メタロ−β−ラクタマーゼには、染色体由
来の酵素とプラスミド由来の酵素の2種類があり、前者
の酵素を産生する菌としては、例えばStenotro
phomonas(Xantomonas) malt
ophilia[ステノトロフォモナス(キサントモナ
ス) マルトフィリア]、BacteroidesFr
agilis(バクテロイデス フラギリス)、Aer
omonas hydrophilia(アエロモナス
ヒドロフィリア)、Bacillus cereus
(バチルス セレウス)等の菌が挙げられ、これらは比
較的古くから知られている。
【0005】他方、後者の伝達性プラスミド由来の酵素
を産生する菌としては、最近、臨床において難治性感染
症の起炎菌として分離されている、例えばPseudo
monas aeruginosa(シュードモナス
エルギノーサ)、Serratia marcesce
nce(セラチア マルセッセンス)、Klebsie
lla pneumoniae(クレブシェラ ニュー
モニエ)、Bacteroides fragilIi
s(バクテロイデス フラギリス)等が発見されている
[M.Watanabe et. al.(エム・渡辺
等)、Antimicrob. Agent Chem
other.(アンチミクロビアル・エーゲント・ケモ
テラピィー)、第35巻、第1号、第147−151
頁、1991年およびH.Ito et. al.(エ
イチ 伊藤等)、 Antimicrob. Agen
t Chemother.(アンチミクロビアル・エー
ゲント・ケモテラピィー)、第39巻、第4号、第82
4−829頁、1995年]。
【0006】これらの菌が産生する酵素は、腸内細菌が
産生するプラスミド由来の酵素と分子レベルおよび酵素
学的性状の点で略同一であり、腸内細菌間に伝播してい
ると想定されている。この酵素(メタロ−β−ラクタマ
ーゼ)は、カルバペネム化合物のみならず、他のβ−ラ
クタム系抗生物質にも耐性となるので、将来のβ−ラク
タム剤耐性因子として注目を集めている。
【0007】既存のβ−ラクタマーゼ阻害剤としては、
クラスAおよびクラスDに属するβ−ラクタマーゼに有
効なものは、クラブラン酸およびスルバクタムが挙げら
れ、アモキシシリン、セフォペラゾンとそれぞれとの合
剤が開発されている。クラスCに属するβ−ラクタマー
ゼにまで阻害スペクトルを広げた阻害剤として、タゾバ
クタムとピペラシリンとの合剤が開発されているが、十
分な効果が得られていない。クラスBに属するβ−ラク
タマーゼに対する阻害剤は現在のところ知られておら
ず、上記の伝達性プラスミドの発見を契機として、クラ
スBに属するβ−ラクタマーゼ阻害剤の研究開発が盛ん
に行われている。
【0008】その結果、現在までにクラスBに属するβ
−ラクタマーゼに対し阻害作用を有する化合物として
は、Streptomyces(ストレプトミセス)属
に属する微生物の醗酵培養液から単離されたフェナジン
誘導体[M.L.Gilpinet. al.(エム
エル ギルピン等)、J. Antibiotics
(ジャーナル オブ アンチビオチックス)、第48
巻、第10号、第1081−1085頁]およびピロリ
ジン並びにチアゾール誘導体(WO9710225号公
報)が知られているのみで、これらの化合物は本発明の
化合物とは全く構造が異なる化合物である。すなわち、
本発明の化合物がクラスBに属するβ−ラクタマーゼに
対し阻害作用を有することは全く知られていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、新規なク
ラスBに属するβ−ラクタマーゼ阻害剤を提供すること
を目的とし、鋭意研究した。その結果、本発明者等は、
カルバペネム骨格の2位に、式:S−Het(式中、H
etは、窒素原子、イオウ原子および酸素原子からなる
群より選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含む単環又
は双環の複素環基を示す)で表される化合物がクラスB
に属するβ−ラクタマーゼに対し阻害作用を有すること
を見出し、本発明を完成した。
【0010】本発明は、一般式
【0011】
【化2】 [式中、R1は、水素原子または低級アルキル基、R
2は、水素原子または陰電荷、Hetは、窒素原子、イ
オウ原子および酸素原子からなる群より選ばれる1ない
し4個のヘテロ原子を含む単環又は双環の複素環基を示
す]で表される化合物を有効成分とするメタロ−β−ラ
クタマーゼ阻害剤としてのその用途に関する。
【0012】本明細書に記載された記号および用語につ
いて説明する。
【0013】本発明の化合物は、基本構造
【0014】
【化3】 を有し、系統的に7−オキソ−1−アザビシクロ[3.
2.0]へプタ−2−エン−2−カルボン酸と呼ばれ
る。本明細書では、簡易化のために慣用的に広く使用さ
れているカルバペネムに基づく番号を付し、その基本構
造を1−カルバペン−2−エム−3−カルボン酸と記載
する。
【0015】
【化4】 本発明は、カルバペネム骨格の1位、5位、6位および
8位の不斉炭素原子に基づく光学異性体および立体異性
体を包含するが、これら異性体で好適な化合物は、チエ
ナマイシと同一の立体配置を有する(5R,6S)配置
(5,6−トランス)で、かつ8位の炭素原子がR配置
の化合物である(5R,6S,8R)配置の化合物、ま
たは1位にメチル基を有する場合は(1R,5S,6
S,8R)配置の化合物を挙げることができる。
【0016】
【化5】 低級アルキル基とは、炭素数1ないし6個の直鎖状また
は分岐状のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−
ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が
挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、t−ブチル基
等が好適である。
【0017】窒素原子、イオウ原子および酸素原子から
なる群より選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含む単
環又は双環の複素環基とは、例えば1,2,3−チアジ
アゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,
4−チアジアゾリル基、1,2,3−トリアゾリル基、
1,3,4−トリアゾリル基、テトラゾリル基、チアゾ
リル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキ
サゾリル基、イミダゾリル基、イミダゾリニオ基、ピリ
ジル基、ピリジニオ基、ピリミジニル基、チエニル基、
フラニル基、ピロリジニル基、ピロリル基、ピロリニル
基、ピペラジニル基、ピペリジル基、モルホリニル基、
モルホリノ基、チオモルホリニル基、チオモルホリノ
基、ピロリジニル基、ピラジニル基、キノリル基、イソ
キノリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル
基、インドリル基、インドリニオ基、イソインドリル
基、イソインドリニオ基、ベンゾフラニル基、イソベン
ゾフラニル基、ベンゾチオフラニル基、イソベンゾチオ
フラニル基等の窒素原子、イオウ原子および酸素原子か
らなる群より選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含む
単環又は双環の複素環基等が挙げられるが、中でも、例
えばチアゾリル基、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチ
オフラニル基、イソベンゾチオフラニル基等が好まし
く、特に例えばチアゾリル基、ベンゾチオフラニル基、
イソベンゾチオフラニル基等が好適である該複素環基
は、例えばハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ
低級アルキル基、アミノ低級アルキル基、スルホ低級ア
ルキル基、カルボキシ低級アルキル基、シアノ低級アル
キル基、ハロ低級アルキル基、カルバモイル低級アルキ
ル基、スルファモイル低級アルキル基、オキソ基、アミ
ノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ
基、トリ低級アルキルアンモニオ基、ホルムイミドイル
アミノ基、アセトイミドイルアミノ基、スルファモイル
基、カルボキシル基、低級アルコキ基、低級アルコキシ
カルボニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスル
ホニル基、ジ低級アルキルスルホニル基、スルホ基、ス
ルファモイル基、低級アルキルスルファモイル基、ジ低
級アルキルスルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、低
級アルケニル基、低級アルキニル基、ホルミル基、低級
アルカノイル基、カルバモイル基、低級アルキルカルバ
モイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイ
ルオキシ基、N−低級アルキルカルバモイルオキシ基、
N,N−ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、ホルム
アミド基、低級アルカノイルアミノ基、水酸基、シクロ
低級アルキル基およびアリール基からなる群から選ばれ
る置換基を、同一または異なって、1ないし3個置換す
ることができる。これらの置換基の中で、例えば低級ア
ルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、カルバモイル
基、水酸基、アリール基等が好ましく、特に例えば低級
アルキルアミノ基、アリール基等が好適である。
【0018】ハロゲン原子とは、ふっ素原子、塩素原
子、臭素原子、よう素原子等を示し、中でもふっ素原
子、塩素原子、臭素原子等が好適である。
【0019】ヒドロキシ低級アルキル基とは、前記の低
級アルキル基に水酸基が置換した炭素数1ないし6個の
ヒドロキシアルキル基を示し、例えばヒドロキシメチル
基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル
基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピ
ル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−1
−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒド
ロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロ
キシブチル基、2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル基、
1−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシペンチル
基、3−ヒドロキシペンチル基、4−ヒドロキシペンチ
ル基、5−ヒドロキシペンチル基、1−ヒドロキシヘキ
シル基、2−ヒドロキシヘキシル基、3−ヒドロキシヘ
キシル基、4−ヒドロキシヘキシル基、5−ヒドロキシ
ヘキシル基、6−ヒドロキシヘキシル基等が挙げられ、
中でも、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル
基、2−ヒドロキシ−1,1−ジメチル基等が好適であ
る。
【0020】アミノ低級アルキル基とは、前記の低級ア
ルキル基にアミノ基が置換した炭素数1ないし6個のア
ミノアルキル基を示し、例えばアミノメチル基、1−ア
ミノエチル基、2−アミノエチル基、1−アミノプロピ
ル基、2−アミノプロピル基、3−アミノプロピル基、
2−アミノ−1−メチルエチル基、1−アミノブチル
基、2−アミノブチル基、3−アミノブチル基、4−ア
ミノブチル基、2−アミノ−1,1−ジメチル基、1−
アミノペンチル基、2−アミノペンチル基、3−アミノ
ペンチル基、4−アミノペンチル基、5−アミノペンチ
ル基、1−アミノヘキシル基、2−アミノヘキシル基、
3−アミノヘキシル基、4−アミノヘキシル基、5−ア
ミノヘキシル基、6−アミノヘキシル基等が挙げられ、
中でも、アミノメチル基、2−アミノエチル基、2−ア
ミノ−1,1−ジメチル基等が好適である。
【0021】スルホ低級アルキル基とは、前記の低級ア
ルキル基にスルホ基が置換した炭素数1ないし6個のス
ルホアルキル基を示し、例えばスルホメチル基、1−ス
ルホエチル基、2−スルホエチル基、1−スルホプロピ
ル基、2−スルホプロピル基、3−スルホプロピル基、
2−スルホ−1−メチルエチル基、1−スルホブチル
基、2−スルホブチル基、3−スルホブチル基、4−ス
ルホブチル基、2−スルホ−1,1−ジメチル基、1−
スルホペンチル基、2−スルホペンチル基、3−スルホ
ペンチル基、4−スルホペンチル基、5−スルホペンチ
ル基、1−スルホヘキシル基、2−スルホヘキシル基、
3−スルホヘキシル基、4−スルホヘキシル基、5−ス
ルホヘキシル基、6−スルホヘキシル基等が挙げられ、
中でも、スルホメチル基、2−スルホエチル基、2−ス
ルホ−1,1−ジメチル基等が好適である。
【0022】カルボキシ低級アルキル基とは、前記の低
級アルキル基にカルボキシ基が置換した炭素数1ないし
6個のカルボキシアルキル基を示し、例えばカルボキシ
メチル基、1−カルボキシエチル基、2−カルボキシエ
チル基、1−カルボキシプロピル基、2−カルボキシプ
ロピル基、3−カルボキシプロピル基、2−カルボキシ
−1−メチルエチル基、1−カルボキシブチル基、2−
カルボキシブチル基、3−カルボキシブチル基、4−カ
ルボキシブチル基、2−カルボキシ−1,1−ジメチル
基、1−カルボキシペンチル基、2−カルボキシペンチ
ル基、3−カルボキシペンチル基、4−カルボキシペン
チル基、5−カルボキシペンチル基、1−カルボキシヘ
キシル基、2−カルボキシヘキシル基、3−カルボキシ
ヘキシル基、4−カルボキシヘキシル基、5−カルボキ
シヘキシル基、6−カルボキシヘキシル基等が挙げら
れ、中でも、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチ
ル基、2−カルボキシ−1,1−ジメチル基等が好適で
ある。
【0023】シアノ低級アルキル基とは、前記の低級ア
ルキル基にシアノ基が置換した炭素数1ないし6個のシ
アノアルキル基を示し、例えばシアノメチル基、1−シ
アノエチル基、2−シアノエチル基、1−シアノプロピ
ル基、2−シアノプロピル基、3−シアノプロピル基、
2−シアノ−1−メチルエチル基、1−シアノブチル
基、2−シアノブチル基、3−シアノブチル基、4−シ
アノブチル基、2−シアノ−1,1−ジメチル基、1−
シアノペンチル基、2−シアノペンチル基、3−シアノ
ペンチル基、4−シアノペンチル基、5−シアノペンチ
ル基、1−シアノヘキシル基、2−シアノヘキシル基、
3−シアノヘキシル基、4−シアノヘキシル基、5−シ
アノヘキシル基、6−シアノヘキシル基等が挙げられ、
中でも、シアノメチル基、2−シアノエチル基、2−シ
アノ−1,1−ジメチル基等が好適である。
【0024】ハロ低級アルキル基とは、前記の低級アル
キル基にハロゲン原子が置換した炭素数1ないし6個の
ハロアルキル基を示し、例えばフルオロメチル基、トリ
フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、
ヨードメチル基、1−フルオロエチル基、1,1,1−
トリフルオロエチル基、1−クロロエチル基、1−ブロ
モエチル基、1−ヨードエチル基、2−フルオロエチル
基、2−トリフルオロエチル基、2−クロロエチル基、
2−ブロモエチル基、2−ヨードエチル基、1−フルオ
ロプロピル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基、
1−クロロプロピル基、1−ブロモプロピル基、1−ヨ
ードプロピル基、2−フルオロプロピル基、2−クロロ
プロピル基、2−ブロモプロピル基、2−ヨードプロピ
ル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル
基、3−ブロモプロピル基、3−ヨードプロピル基、2
−フルオロ−1−メチルエチル基、2−クロロ−1−メ
チルエチル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、2−
ヨード−1−メチルエチル基、1−フルオロブチル基、
1,1,1−トリフルオロブチル基、1−クロロブチル
基、1−ブロモブチル基、1−ヨードブチル基、2−フ
ルオロブチル基、2−クロロブチル基、2−ブロモブチ
ル基、2−ヨードブチル基、3−フルオロブチル基、3
−クロロブチル基、3−ブロモブチル基、3−ヨードブ
チル基、1−フルオロペンチル基、1,1,1−トリフ
ルオロペンチル基、1−クロロペンチル基、1−ブロモ
ペンチル基、1−ヨードペンチル基、2−フルオロペン
チル基、2−クロロペンチル基、2−ブロモペンチル
基、2−ヨードペンチル基等が挙げられ、中でも、フル
オロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエ
チル基、2−フルオロ−1,1−ジメチル基等が好適で
ある。
【0025】カルバモイル低級アルキル基とは、前記の
低級アルキル基にカルバモイル基が置換した炭素数1な
いし6個のカルバモイルアルキル基を示し、例えばカル
バモイルメチル基、1−カルバモイルエチル基、2−カ
ルバモイルエチル基、1−カルバモイルプロピル基、2
−カルバモイルプロピル基、3−カルバモイルプロピル
基、2−カルバモイル−1−メチルエチル基、1−カル
バモイルブチル基、2−カルバモイルブチル基、3−カ
ルバモイルブチル基、4−カルバモイルブチル基、2−
カルバモイル−1,1−ジメチル基、1−カルバモイル
ペンチル基、2−カルバモイルペンチル基、3−カルバ
モイルペンチル基、4−カルバモイルペンチル基、5−
カルバモイルペンチル基、1−カルバモイルヘキシル
基、2−カルバモイルヘキシル基、3−カルバモイルヘ
キシル基、4−カルバモイルヘキシル基、5−カルバモ
イルヘキシル基、6−カルバモイルヘキシル基等が挙げ
られ、中でも、カルバモイルメチル基、2−カルバモイ
ルエチル基、2−カルバモイル−1,1−ジメチル基等
が好適である。
【0026】N−低級アルキルカルバモイル基とは、カ
ルバモイル基に前記の低級アルキル基が置換した炭素数
2ないし7個のアルキルカルバモイル基を示し、例えば
メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピ
ルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、ブチ
ルカルバモイル基、sec−ブチルカルバモイル基、t
−ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基、ヘ
キシルカルバモイル基等が挙げられ、中でも、メチルカ
ルバモイル基、エチルカルバモイル基、t−ブチルカル
バモイル基等が好適である。
【0027】N,N−ジ低級アルキルカルバモイル基と
は、カルバモイル基に前記の低級アルキル基が二置換し
た炭素数3ないし13個のジアルキルカルバモイル基を
示し、例えばジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバ
モイル基、ジプロピルカルバモイル基、ジイソプロピル
カルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジsec−
ブチルカルバモイル基、ジt−ブチルカルバモイル基、
ジペンチルカルバモイル基、ジヘキシルカルバモイル
基、エチルメチルカルバモイル基、メチルプロピルカル
バモイル基、t−ブチルメチルカルバモイル基等が挙げ
られ、中でも、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカル
バモイル基、ジt−ブチルカルバモイル基等が好適であ
る。
【0028】スルファモイル低級アルキル基とは、前記
の低級アルキル基にスルファモイル基が置換した炭素数
1ないし6個のスルファモイルアルキル基を示し、例え
ばスルファモイルメチル基、1−スルファモイルエチル
基、2−スルファモイルエチル基、1−スルファモイル
プロピル基、2−スルファモイルプロピル基、3−スル
ファモイルプロピル基、2−スルファモイル−1−メチ
ルエチル基、1−スルファモイルブチル基、2−スルフ
ァモイルブチル基、3−スルファモイルブチル基、4−
スルファモイルブチル基、2−スルファモイル−1,1
−ジメチル基、1−スルファモイルペンチル基、2−ス
ルファモイルペンチル基、3−スルファモイルペンチル
基、4−スルファモイルペンチル基、5−スルファモイ
ルペンチル基、1−スルファモイルヘキシル基、2−ス
ルファモイルヘキシル基、3−スルファモイルヘキシル
基、4−スルファモイルヘキシル基、5−スルファモイ
ルヘキシル基、6−スルファモイルヘキシル基等が挙げ
られ、中でも、スルファモイルメチル基、2−スルファ
モイルエチル基、2−スルファモイル−1,1−ジメチ
ル基等が好適である。
【0029】低級アルキルアミノ基とは、アミノ基に前
記の低級アルキル基が置換した炭素数1ないし6個のア
ルキルアミノ基を示し、例えばメチルアミノ基、エチル
アミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、
ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、t−ブチル
アミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基等が挙
げられ、中でも、メチルアミノ基、エチルアミノ基、t
−ブチルアミノ基等が好適である。
【0030】ジ低級アルキルアミノ基とは、アミノ基に
前記の低級アルキル基が二置換した炭素数2ないし12
個のジアルキルアミノ基を示し、例えばジメチルアミノ
基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプ
ロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジsec−ブチル
アミノ基、ジt−ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ
基、ジヘキシルアミノ基、エチルメチルアミノ基、メチ
ルプロピルアミノ基、ブチルメチルアミノ基、t−ブチ
ルメチルアミノ基等が挙げられ、中でも、ジメチルアミ
ノ基、ジエチルアミノ基、ジt−ブチルアミノ基等が好
適である。
【0031】トリ低級アルキルアンモニオ基とは、アミ
ノ基に前記の低級アルキル基が三置換した炭素数3ない
し18個のトリアルキルアンモニオ基を示し、例えばト
リメチルアンモニオ基、トリエチルアンモニオ基、トリ
プロピルアンモニオ基、トリイソプロピルアンモニオ
基、トリブチルアンモニオ基、トリsec−ブチルアン
モニオ基、トリt−ブチルアンモニオ基、トリペンチル
アンモニオ基、トリヘキシルアンモニオ基等が挙げら
れ、中でも、トリメチルアンモニオ基、トリエチルアン
モニオ基、トリt−ブチルアンモニオ基等が好適であ
る。
【0032】低級アルコキシ基とは、酸素原子に前記の
低級アルキル基が置換した炭素数1ないし6個の直鎖状
または分岐状のアルコキシ基を示し、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペン
トキシ基、ヘトキシ基等が挙げられ、中でも、メトキシ
基、エトキシ基、t−ブトキシ基等が好適である。
【0033】低級アルコキシカルボニル基とは、カルボ
ニル基に前記の低級アルコキシ基が置換した炭素数2な
いし7個のアルコキシカルボニル基を示し、例えばメト
キシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシ
カルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブ
トキシカルボニル基、ペントキシカルボニル基、ヘトキ
シカルボニル基等が挙げられ、中でも、メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニ
ル基等が好適である。
【0034】低級アルキルチオ基とは、硫黄原子に前記
の低級アルキル基が置換した炭素数1ないし6個の直鎖
状または分岐状のアルキルチオ基を示し、例えばメチル
チオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピル
チオ基、ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブ
チルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げ
られ、中でも、メチルチオ基、エチルチオ基、t−ブチ
ルチオ基等が好適である。
【0035】低級アルキルスルホニル基とは、スルホニ
ル基に前記の低級アルキル基が置換した炭素数1ないし
6個の直鎖状または分岐状のアルキルスルホニル基を示
し、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、
プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブ
チルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、t−
ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシル
スルホニル基等が挙げられ、中でも、メチルスルホニル
基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基等が
好適である。
【0036】ジ低級アルキルスルホニル基とは、スルホ
ニル基に前記の低級アルキル基が二置換した炭素数2な
いし12個のジアルキルスルホニル基を示し、例えばジ
メチルスルホニル基、ジエチルスルホニル基、ジプロピ
ルスルホニル基、ジイソプロピルスルホニル基、ジブチ
ルスルホニル基、ジsec−ブチルスルホニル基、ジt
−ブチルスルホニル基、ジペンチルスルホニル基、ジヘ
キシルスルホニル基、エチルメチルスルホニル基、メチ
ルプロピルスルホニル基、t−ブチルメチルスルホニル
基等が挙げられ、中でも、ジメチルスルホニル基、ジエ
チルスルホニル基、ジt−ブチルスルホニル基等が好適
である。
【0037】低級アルキルスルファモイル基とは、スル
ファモイル基に前記の低級アルキル基が置換した炭素数
1ないし6個の直鎖状または分岐状のアルキルスルファ
モイル基を示し、例えばメチルスルファモイル基、エチ
ルスルファモイル基、プロピルスルファモイル基、イソ
プロピルスルファモイル基、ブチルスルファモイル基、
sec−ブチルスルファモイル基、t−ブチルスルファ
モイル基、ペンチルスルファモイル基、ヘキシルスルフ
ァモイル基等が挙げられ、中でも、メチルスルファモイ
ル基、エチルスルファモイル基、t−ブチルスルファモ
イル基等が好適である。
【0038】ジ低級アルキルスルファモイル基とは、ス
ルファモイル基に前記の低級アルキル基が二置換した炭
素数2ないし12個のジアルキルスルファモイル基を示
し、例えばジメチルスルファモイル基、ジエチルスルフ
ァモイル基、ジプロピルスルファモイル基、ジイソプロ
ピルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ジ
sec−ブチルスルファモイル基、ジt−ブチルスルフ
ァモイル基、ジペンチルスルファモイル基、ジヘキシル
スルファモイル基、エチルメチルスルファモイル基、メ
チルプロピルスルファモイル基、t−ブチルメチルスル
ファモイル基等が挙げられ、中でも、ジメチルスルファ
モイル基、ジエチルスルファモイル基、ジt−ブチルス
ルファモイル基等が好適である。
【0039】低級アルケニル基とは、炭素数2ないし6
個の直鎖状または分岐状のアルケニル基を示し、例えば
ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニ
ル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタ
ンジエニル基、2−ペンテニル基、4−ペンテニル基、
1−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル
基等が挙げられ、中でも、1−プロペニル基、アリル
基、イソプロペニル基、1−ブテニル基等が好適であ
る。
【0040】低級アルキニル基とは、炭素数2ないし6
個の直鎖状または分岐状のアルキニル基を示し、例えば
2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、
2−ペンチニル基等が挙げられ、中でも、2−プロピニ
ル基、2−ブチニル基等が好適である。
【0041】低級アルカノイル基とは、炭素数2ないし
7個のアルカノイル基を示し、例えばアセチル基、プロ
ペニル基、ブチリル基等が挙げられ、中でもアセチル基
等が好適である。
【0042】N−低級アルキルカルバモイルオキシ基と
は、カルバモイルオキシ基に前記の低級アルキル基が置
換した炭素数2ないし7個のアルキルカルバモイルオキ
シ基を示し、例えばメチルカルバモイルオキシ基、エチ
ルカルバモイルオキシ基、プロピルカルバモイルオキシ
基、イソプロピルカルバモイルオキシ基、ブチルカルバ
モイルオキシ基、sec−ブチルカルバモイルオキシ
基、t−ブチルカルバモイルオキシ基、ペンチルカルバ
モイルオキシ基、ヘキシルカルバモイルオキシ基等が挙
げられ、中でも、メチルカルバモイルオキシ基、エチル
カルバモイルオキシ基、t−ブチルカルバモイルオキシ
基等が好適である。
【0043】N,N−ジ低級アルキルカルバモイルオキ
シ基とは、カルバモイルオキシ基に前記の低級アルキル
基が二置換した炭素数3ないし13個のジアルキルカル
バモイルオキシ基を示し、例えばジメチルカルバモイル
オキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基、ジプロピル
カルバモイルオキシ基、ジイソプロピルカルバモイルオ
キシ基、ジブチルカルバモイルオキシ基、ジsec−ブ
チルカルバモイルオキシ基、ジt−ブチルカルバモイル
オキシ基、ジペンチルカルバモイルオキシ基、ジヘキシ
ルカルバモイルオキシ基、エチルメチルカルバモイルオ
キシ基、メチルプロピルカルバモイルオキシ基、t−ブ
チルメチルカルバモイルオキシ基等が挙げられ、中で
も、ジメチルカルバモイルオキシ基、ジエチルカルバモ
イルオキシ基、ジt−ブチルカルバモイルオキシ基等が
好適である。
【0044】低級アルカノイルアミノ基とは、アミノ基
に前記の低級アルカノイル基が置換した炭素数2ないし
7個のアルカノイルアミノ基を示し、例えばアセチルア
ミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基等が
挙げられ、中でも、アセチルアミノ基、プロピオニルア
ミノ基等が好適である。
【0045】シクロ低級アルキル基とは、炭素数3ない
し6個の環状のアルキル基を示し、例えばシクロプロピ
ル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキ
シル基等が挙げられ、中でも、シクロプロピル基、シク
ロブチル基等が好適である。
【0046】アリール基とは、炭素数6又は10個のア
リール基を示し、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙
げられ、中でも、フェニル基等が好適である。
【0047】カルボキシル基の保護基とは、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブ
チル基等の低級アルキル基;例えば2,2,2−トリク
ロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等の
ハロ置換低級アルキル基;例えばアセトキシメチル基、
プロピオニルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル
基、1−アセトキシエチル基、1−プロピオニルオキシ
エチル基等の低級アルカノイルオキシアルキル基;例え
ば1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−
(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、1−(イソプ
ロポキシカルボニルオキシ)エチル基等の低級アルコキ
シカルボニルオキシアルキル基;例えば2−プロペニル
基、2−クロロ−2−プロペニル基、3−メトキシカル
ボニル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニ
ル基、2−ブテニル基、シンナミル基等の低級アルケニ
ル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、
3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル
基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、ビス
(p−メトキシフェニル)メチル基等のアラルキル基;
例えば(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソー
ル−4−イル)メチル基等の(5−置換−2−オキソ−
1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基;例えばト
リメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等の低
級アルキルシリル基;インダニル基、フタリジル基、メ
トキシメチル基等が挙げられ、特に2−プロペニル基、
p−ニトロベンジル基、p−メトキシベンジル基、ベン
ズヒドリル基、t−ブチルジメチルシリル基等が好まし
い。
【0048】水酸基の保護基とは、例えばトリメチルシ
リル基、t−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキル
シリル基;例えばメトキシメチル基、2−メトキシエト
キシメチル基等の低級アルコキシメチル基;例えばテト
ラヒドロピラニル基;例えばベンジル基、p−メトキシ
ベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、o−ニト
ロベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリチル基等の
アラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基等のアシ
ル基;例えばt−ブトキシカルボニル基、2−ヨードエ
トキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシ
カルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;例えば
2−プロペニルオキシカルボニル基、2−クロロ−2−
プロペニルオキシカルボニル基、3−メトキシカルボニ
ル−2−プロペニルオキシカルボニル基、2−メチル−
2−プロペニルオキシカルボニル基、2−ブテニルオキ
シカルボニル基、シンナミルオキシカルボニル基等のア
ルケニルオキシカルボニル基;例えばベンジルオキシカ
ルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル
基、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−ニト
ロベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカ
ルボニル基等が挙げられ、特に2−プロペニルオキシカ
ルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、
t−ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
【0049】アミノ基の保護基とは、例えばベンジリデ
ン基、p−クロロベンジリデン基、p−ニトロベンジリ
デン基、サリチリデン基、α−ナフチリデン基、β−ナ
フチリデン基等のアラルキリデン基;例えばベンジル
基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベン
ジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル
基、ベンズヒドリル基、ビス(p−メトキシフェニル)
メチル基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミ
ル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、オキ
サリル基、スクシニル基、ピバロイル基等の低級アルカ
ノイル基;例えばクロロアセチル基、ジクロロアセチル
基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基等
のハロ置換低級アルカノイル基;例えばフェニルアセチ
ル基、フェノキシアセチル基等のアリールアルカノイル
基;例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル
基等の低級アルコキシカルボニル基;例えば2−ヨード
エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキ
シカルボニル基等のハロ置換低級アルコキシカルボニル
基;例えば2−プロペニルオキシカルボニル基、2−ク
ロロ−2−プロペニルオキシカルボニル基、3−メトキ
シカルボニル−2−プロペニルオキシカルボニル基、2
−メチル−2−プロペニルオキシカルボニル基、2−ブ
テニルオキシカルボニル基、シンナミルオキシカルボニ
ル基等のアルケニルオキシカルボニル基;例えばベンジ
ルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジルオキシカル
ボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フ
ェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカル
ボニル基;例えばトリメチルシリル基、t−ブチルジメ
チルシリル基等の低級アルキルシリル基等が挙げられ、
特に、2−プロペニルオキシカルボニル基、t−ブトキ
シカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル
基等が好ましい。
【0050】R1は、水素原子または低級アルキル基を
示す。
【0051】R2は、水素原子または陰電荷を示す。
【0052】Hetは、窒素原子、イオウ原子および酸
素原子からなる群より選ばれる1ないし4個のヘテロ原
子を含む単環又は双環の複素環基を示す。具体的には、
例えば1,2,3−チアジアゾリル基、1,3,4−チ
アジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,
2,3−トリアゾリル基、1,3,4−トリアゾリル
基、テトラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル
基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、イミダゾリ
ル基、イミダゾリニオ基、ピリジル基、ピリジニオ基、
ピリミジニル基、チエニル基、フラニル基、ピロリジニ
ル基、ピロリル基、ピロリニル基、ピペラジニル基、ピ
ペリジル基、モルホリニル基、モルホリノ基、チオモル
ホリニル基、チオモルホリノ基、ピロリジニル基、ピラ
ジニル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾチアゾ
リル基、ベンズイミダゾリル基、インドリル基、インド
リニオ基、イソインドリル基、イソインドリニオ基、ベ
ンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチオフ
ラニル基、イソベンゾチオフラニル基等が挙げられ、中
でも、例えばチアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリ
ル基、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチオフラニル
基、イソベンゾチオフラニル基等が好ましく、特に例え
ばチアゾリル基、チエニル基、ベンゾチオフラニル基、
イソベンゾチオフラニル基等が好適である。
【0053】上記の単環又は双環の複素環基は、例えば
ハロゲン原子、低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキ
ル基、アミノ低級アルキル基、スルホ低級アルキル基、
カルボキシ低級アルキル基、シアノ低級アルキル基、ハ
ロ低級アルキル基、カルバモイル低級アルキル基、スル
ファモイル低級アルキル基、オキソ基、アミノ基、低級
アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、トリ低級
アルキルアンモニオ基、ホルムイミドイルアミノ基、ア
セトイミドイルアミノ基、スルファモイル基、カルボキ
シル基、低級アルコキ基、低級アルコキシカルボニル
基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、
ジ低級アルキルスルホニル基、スルホ基、スルファモイ
ル基、低級アルキルスルファモイル基、ジ低級アルキル
スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、低級アルケニ
ル基、低級アルキニル基、ホルミル基、低級アルカノイ
ル基、カルバモイル基、低級アルキルカルバモイル基、
ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイルオキシ
基、N−低級アルキルカルバモイルオキシ基、N,N−
ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、ホルムアミド
基、低級アルカノイルアミノ基、水酸基、シクロ低級ア
ルキル基およびアリール基からなる群から選ばれる置換
基を、同一または異なって、1ないし3個置換すること
ができる。
【0054】これらの置換基の中で好適な置換基は、例
えば低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、カル
バモイル基、水酸基、アリール基等が好ましく、特に例
えば低級アルキルアミノ基、アリール基等が好適であ
る。
【0055】ここで、一般式[I]の化合物を具体的に
説明する。
【0056】メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤として採
用される一般式[I]の化合物の内、好適な化合物群
は、一般式
【0057】
【化6】 [式中、Hetaは、チアゾリル基、1,3,4−チア
ジアゾリル基、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチオフ
ラニル基およびイソベンゾチオフラニル基からなる群よ
り選ばれる複素環基を示し、R1およびR2は、前記の意
味を有する]で表される化合物が挙げられ、中でも、
【0058】
【化7】 [式中、Hetbは、チアゾリル基、チエニル基、ベン
ゾチオフラニル基およびイソベンゾチオフラニル基から
なる群より選ばれる複素環基を示し、R1およびR2は、
前記の意味を有する]で表される化合物がが好適であ
り、良好なメタロ−β−ラクタマーゼ阻害活性を有す
る。
【0059】一般式[I]の化合物の医薬として許容さ
れる塩としては、医薬上許容される慣用的なものを意味
し、カルバペネム骨格の3位のカルボキシル基または2
位側鎖上の塩基における塩類を挙げることができる。
【0060】該カルボキシル基における塩基性付加塩と
しては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ
金属塩、;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のア
ルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリ
メチルアミン塩、トリエチルアミン塩;ジシクロヘキシ
ルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩等の脂肪族
アミン塩;例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミ
ン等のアラルキルアミン塩;例えばピリジン塩、ピコリ
ン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族ア
ミン塩;例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエ
チルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム
塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリ
ブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウ
ム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニ
ウム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩
等が挙げられる。
【0061】上記の2位側鎖上の塩基における酸付加塩
としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩、
炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば
酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマ
ール酸塩、酒石酸塩、りんご酸塩、くえん酸塩、アスコ
ルビン酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、
イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスル
ホン酸塩等のスルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、
グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸塩等が挙げられる。
【0062】一般式[I]の化合物の医薬として許容さ
れる無毒性エステルとしては、カルバペネム骨格の3位
のカルボキシル基における医薬上許容される慣用的なも
のを意味し、例えばアセトキシメチル基、ピバロイルオ
キシメチル基等のアルカノイルオキシメチル基、1−
(エトキシカルボニルオキシ)エチル基等のアルコキシ
カルボニルオキシアルキル基、フタリジル基、(5−メ
チル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)
メチル基等の(5−置換−2−オキソ−1,3−ジオキ
ソール−4−イル)メチル基等とのエステルを挙げるこ
とができる。
【0063】次に本発明化合物の製造法について説明す
る。
【0064】次に本発明の一般式[I]の化合物の製法
について説明する。一般式[I]の化合物は以下の製造
法Aまたは製造法Bのいずれの方法によっても製造する
ことができる。製造法A
【0065】
【化8】 [式中、R1は、水素原子または低級アルキル基、R10
は、水素原子または水酸基の保護基、R20は、水素原子
またはカルボキシル基の保護基、Zは、脱離基を示す]
で表される化合物と一般式
【0066】
【化9】 [式中、Het0は、窒素原子、イオウ原子および酸素
原子からなる群より選ばれる1ないし4個のヘテロ原子
を含む単環又は双環の複素環基(置換基上の官能基は適
宜保護されていてよい)を示す]で表される化合物とを
反応させ、一般式
【0067】
【化10】 [式中、R1、R10、R20およびHet0は、前記の意味
を有する]で表される化合物とし、次いで保護基を除去
することにより一般式[I]の化合物を製造することが
できる。
【0068】一般式[III]の化合物と一般式[I
V]の化合物との反応は、例えばジイソプロピルエチル
アミン、トリエチルアミンまたは4−N,N−ジメチル
アミノピリジン等の塩基の存在下、例えばアセトニトリ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドまたはN−エチルピロリジン等の反応に悪
影響を及ぼさない不活性溶媒中で、一般式[III]の
化合物1モルに対して、塩基1〜2モル、好ましくは1
〜1.5モル、一般式[IV]の化合物1〜1.2モル
が使用され、5分〜10時間、40〜25℃の温度で行
うことができる。
【0069】このようにして得られた一般式[II]の
化合物から、必要に応じて、水酸基、アミノ基およびカ
ルボキシル基の保護基の除去反応を適宜組み合せて行
い、更に必要に応じて、このようにして得られた化合物
をその医薬として許容される塩または無毒性エステルに
変換することにより、一般式[I]の化合物を製造する
ことができる。
【0070】保護基の除去はその種類により異なるが、
常法に従って、例えば加溶媒分解、化学的還元または水
素化により行われる。
【0071】前記一般式[II]において、水酸基およ
び/またはアミノ基の保護基が、例えばベンジルオキシ
カルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基
等のアラルキルオキシカルボニル基であり、カルボキシ
ル基の保護基が、例えばベンジル基、p−ニトロベンジ
ル基、ベンズヒドリル基等のアラルキル基である場合に
は、例えば酸化白金、白金線、白金黒等の白金触媒;例
えばパラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム−炭
素、水酸化パラジウム−炭素等のパラジウム触媒を用い
る接触水素化により保護基を除去することができる。
【0072】接触水素化反応に用いる溶媒としては、例
えばメタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、酢酸等またはこれらの有機溶媒と水あるいは
りん酸塩等の緩衝液との混合溶媒が挙げられる。
【0073】接触水素化反応は、1〜4気圧の水素ガス
気流下に0〜50℃の温度範囲で、0.5〜4時間で完
結する。
【0074】前記一般式[II]において、水酸基およ
び/またはアミノ基の保護基が、例えばアリルオキシカ
ルボニル基であり、カルボキシル基の保護基が、例えば
アリル基である場合には、アリル基の捕捉剤を含有する
不活性有機溶媒中、有機可溶性のパラジウム錯体触媒を
反応させて保護基を除去することができる[W.マッコ
ムビ(McCombie)等の方法、ザ ジャーナル
オブ オーガニックケミストリー(J.Org.Che
m.)、第47巻、587〜590頁(1982年)お
よびF.グイベ(Guib▲e▼)等の方法、同一文
献、第52巻、4984〜4993(1987年)参
照]。
【0075】反応に用いる溶媒としては、例えば水、ア
セトン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、酢酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、
クロロホルム等あるいはこれらの混合溶媒が挙げられ
る。
【0076】この反応に使用される好適なパラジウム化
合物錯体としては、例えばパラジウム−炭素、水酸化パ
ラジウム−炭素、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジ
ウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)、テトラキス(トリフェノキシホスフ
ィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリエトキシホ
スフィン)パラジウム(0)、ビス[エチレンビス(ジ
フェニルホスフィン)]パラジウム(0)、テトラキス
[トリ(2−フリル)ホスフィン]パラジウム(0)、
ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(II) アセタート等が挙げられる。
【0077】アリル基の捕捉剤としては、例えばジメド
ン、ぎ酸、酢酸、ぎ酸アンモニウム、ぎ酸ナトリウム、
2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン
酸カリウム、ピロリジン、ピペリジン、水素化トリブチ
ルすず等を挙げることができる。
【0078】反応は、一般式[II]の化合物1モルに
対して、触媒0.01〜0.5モル、求核剤1〜6モル
を使用し、−10〜50℃の温度範囲、好ましくは0〜
30℃の温度範囲で行われ、通常0.5〜3時間で完結
する。
【0079】また、前記一般式[II]において、水酸
基および/またはアミノ基の保護基がo−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル基で、カルボキシル基の保護基がo
−ニトロベンジル基である場合には、光反応によって保
護基を除去することができる[アミット(Amit)等
の方法、ザ ジャーナル オブ オーガニック ケミス
トリー(J.Org.Chem.)、第39巻、192
〜196(1974年)参照]。
【0080】また、前記一般式[II]において、保護
基がp−ニトロベンジル基の場合、例えばpH7のりん
酸緩衝液、3−モルホリノプロパンスルホン酸緩衝液、
りん酸2カリウム等を含む、テトラヒドロフラン−水、
ジオキサン−エタノール−水、ブタノール−水等の混合
溶媒中で、パラジウム−活性炭、水酸化パラジウム、酸
化白金等の水添触媒の存在下、1〜4気圧の水素下、0
〜50℃の温度で、20分〜4時間処理することにより
行うことができる。
【0081】保護基の除去反応の終了後、通常の処理法
により、例えばシリカゲルまたは吸着樹脂等を用いるカ
ラムクロマトグラフィーに付し、その後凍結乾燥または
結晶化等の操作により、一般式[I]の化合物を単離す
ることができる。
【0082】なお、一般式[II]の化合物の3位のカ
ルボキシル基の保護基が、例えばアセトキシメチル基、
ピバロイルオキシメチル基等の低級アルカノイルオキシ
アルキル基;例えばメトキシメチル基、インダニル基、
フタリジル基等である場合、このようなエステルは生体
内で生理的に加水分解されるので、保護基を除去するこ
となく、直接、ヒトまたは動物に投与することができ
る。
【0083】一般式[I]の化合物は、常法により医薬
として許容される塩またはエステルとすることができ
る。
【0084】一般式[III]において、Zで示される
脱離基とは、有機りん酸または有機スルホン酸から誘導
されるアシル基を意味し、例えばジフェノキシホスホリ
ルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロ
メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオ
キシ基等が挙げられ、特にジフェノキシホスホリルオキ
シ基、メタンスルホニルオキシ基が好適である。
【0085】上記製造法において、縮合反応および脱保
護反応を行う際に、原料合成反応を含めて各反応生成物
を単離または単離することなく次の反応を行うことがで
きる。
【0086】製造法B 一般式
【0087】
【化11】 [式中、R1は、水素原子または低級アルキル基、R10
は、水素原子または水酸基の保護基、R20は、水素原子
またはカルボキシル基の保護基、Zは、脱離基を示す]
で表される化合物を、一般式
【0088】
【化12】 [式中、R1、R10およびR20は、前記の意味を有す
る]で表される化合物とし、次いで一般式[V]の化合
物と一般式
【0089】
【化13】 [式中、Yは、脱離基を示し、Het0は、前記の意味
を有する]で表される化合物とを反応させ、一般式
【0090】
【化14】 [式中、R1、R10、R20およびHet0は、前記の意味
を有する]で表される化合物とし、次いで保護基を除去
することにより、一般式[I]の化合物を製造すること
ができる。
【0091】一般式[V]の化合物は、一般式[II
I]の化合物と水硫化ナトリウムとを、5分〜1時間、
−50〜−20℃の温度で、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の不活性溶媒中
で反応させることにより得られ、通常単離することな
く、次の反応に用いることができる。一般式[V]の化
合物と一般式[VI]の化合物との反応は、例えばジイ
ソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、4−N,
N−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下、アセト
ニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等の不活性溶媒中で行うことができ
る。反応は、一般式[V]の化合物1モルに対して、塩
基1〜2モル、好ましくは1〜1.5モル、一般式[V
I]の化合物1〜1.2モルが使用され、反応温度は−
40〜25℃、反応時間は10分〜8時間である。
【0092】一般式[VI]において、Yで示される脱
離基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハ
ロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、p−トルエン
スルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ基等が挙げら
れる。
【0093】反応終了後、通常の処理を行い、一般式
[II]で表される化合物の粗生成物を得、精製するこ
となく脱保護反応に付すことができる。該粗生成物[I
I]は結晶化またはシリカゲル等によるカラムクロマト
グラフィーに付し、精製することが好ましい。
【0094】一般式[III]で表される出発原料は、
例えばR1が水素原子である場合、ザルツマン(Sal
zmann)等の方法[ジャーナル オブ ジ アメリ
カンケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.So
c.)、第102巻、6161〜6163頁(1981
年)参照];R1がメチル基である場合、シー(Shi
h)等の方法[ヘテロサイクルズ(Heterocyc
les)、第21巻、29〜40頁(1984年)参
照]またはそれらに準ずる方法に従い製造することがで
きる。
【0095】なお、一般式[VI]の化合物は、公知化
合物であるか、または製造例に準じて、公知化合物から
容易に誘導可能である。また、一般式[VI]の化合物
は、対応する複素環アルコ−ルを出発原料として、該水
酸基を塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原
子またはメシルオキシ基、トシルオキシ基等の脱離基に
容易に誘導し、一般式[VI]の化合物を製造すること
ができる。
【0096】本発明の一般式[I]の化合物は、それを
有効成分とする医薬、特にメタロ−β−ラクタマーゼ阻
害剤として使用することができるが、かかる医薬、特に
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤における本発明の化合
物は、一般式[I']
【0097】
【化15】 [式中、R1およびHetは、前記の意味を有する]で
表される化合物、そのカルバペネム骨格の3位のカルボ
キシル基における医薬として許容されるエステルもしく
は塩、または該化合物、エステルもしくは塩の2位側鎖
上の塩基性もしくは酸性残基における、3位カルボキシ
ル基との内部塩を包含する、医薬として許容される塩、
特に一般式[I]で表される化合物であることができ
る。ここにおいて、医薬として許容されるエステルや塩
は上述したものを包含する。
【0098】本発明の化合物は、強いメタロ−β−ラク
タマーゼ阻害活性を示す。
【0099】次に、本発明の化合物の有用性を示すため
に、本発明化合物のメタロ−β−ラクタマーゼ阻害効果
を測定した。 <β−ラクタマーゼ阻害試験>Pseudomonas
aeruginosa GN17203(シュードモ
ナス エルギノーサ GN17203)由来のプラスミ
ドpMS350にコードされたメタロ−β−ラクタマー
ゼを精製して使用し、該酵素は、予めSDS/PAGE
にて単一のバンドであることを確認した(比活性:70
U/mg蛋白)。なお、酵素活性(U)は、100μM
の塩化亜鉛を添加した10mM 3−モルホリノプロパ
ンスルホナート緩衝液(pH 7.0)(以下、MOP
S緩衝液という、)に溶解した100μMのイミペネム
を反応温度30℃にて、1分間当たり1μMのイミペネ
ムを加水分解する酵素量を1U(単位)とした。
【0100】本試験におけるスクリーニング系の基質
は、NitrocefinTM(ニトロセフィンTM、OX
OID)を使用する。96ウエルプレートの各ウエル
に、10mM MOPS緩衝液で溶解した被検薬剤の1
μlをメタロ−β−ラクタマーゼ調製液25μl(酵素
活性:3〜6mU/ml)に加え、混合した後、50μ
g/mlのニトロセフィンTM75μlを添加、混合し、
最終基質濃度が37.5μg/mlに調製し、30℃で
15分間反応させた。酵素反応は、加水分解されたニト
ロセフィンTMの量をマイクロプレートリーダを用いて波
長492nmで測定することにより求めた。なお、本ス
クリーニング系においては、キレート作用による阻害効
果を除くため、Zn2+(100μM)を添加した条件下
で行い、阻害剤の代わりにMOPS緩衝液を添加したも
のを対照として、50%阻害を示す被検薬剤濃度をIC
50として算出した。その結果を表1に示す。
【0101】
【表1】 本発明化合物は、β−ラクタマーゼ阻害剤として使用さ
れる場合には、その薬学的に許容しうる塩としても使用
することができる。薬学的に許容しうる塩の典型例とし
ては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属と
の塩等を挙げることができる。
【0102】本発明の化合物の薬学的に許容しうる塩の
製造法は、有機合成化学分野で通常用いられる方法を適
宜組み合わせて行うことができる。具体的には、本発明
化合物の遊離型の溶液をアルカリ溶液で中和滴定するこ
と等が挙げられる。
【0103】本発明化合物をβ−ラクタマーゼ阻害剤と
して使用する際の投与形態としては各種の形態を選択で
き、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、液剤等の
経口剤、例えば溶液、懸濁液等の殺菌した液状の非経口
剤等が挙げられる。
【0104】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル
剤、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできる
が、適当な添加物を使用して製造することもできる。該
添加物としては、例えば乳糖、ブドウ糖等の糖類、例え
ばトウモロコシ、小麦、米等の澱粉類、例えばステアリ
ン酸等の脂肪酸、例えばメタケイ酸ナトリウム、アルミ
ン酸マグネシウム、無水リン酸カルシウム等の無機塩、
例えばポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコー
ル等の合成高分子、例えばステアリン酸カルシウム、ス
テアリン酸マグネシウム等の脂肪酸塩、例えばステアリ
ルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、
例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース等の合成セルロース誘導体、その他、水、ゼラチ
ン、タルク、植物油、アラビアゴム等通常用いられる添
加物等が挙げられる。
【0105】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末
等の固形製剤は、一般的には0.1〜100重量%、好
ましくは5〜100重量%の有効成分を含むことができ
る。
【0106】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナツ油、ゴマ油等の植物由来の油等液状製
剤において通常用いられる適当な添加物を使用し、懸濁
液、シロップ剤、注射剤等の形態として製造することが
できる。
【0107】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注
射、皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例
えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム等
の水溶液)、電解質溶液(例えば点滴静注、静脈内注射
用)等又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0108】又、これらの注射剤は予め溶解したものの
他、粉末のまま又は適当な添加物を加えたものを用時溶
解する形態もとることができる。これらの注射液は、通
常0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有効
成分を含むことができる。
【0109】又、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤等の
液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含むことがで
きる。
【0110】本発明の化合物の実際に好ましい投与量
は、使用される化合物の種類、配合された組成物の種
類、適用頻度および治療すべき特定部位および患者の病
状によって適宜増減することができる。例えば、一日当
りの成人一人当りの投与量は、経口投与の場合、10な
いし500mgであり、非経口投与、好ましくは静脈内
注射の場合、1日当り10ないし100mgである。な
お、投与回数は、投与方法および症状により異なるが、
単回又は2ないし5回に分けて投与することができる。
【0111】本発明の化合物は、必要に応じてシラスタ
チン[(Z)−7−(L−アミノ−2−カルボキシエチ
ルチオ)−2−(2,2−ジメチルシクロプロパンカル
ボキサミド)−2−ヘプテノイン酸ナトリウム]等のD
HP−I阻害剤[特開昭56−81518号公報、欧州
特許第28,778号、ジャーナル オブ メディシナ
ル ケミストリー(J.Med.Chem.)、第30
巻、1074頁(1987年)]と組合せて投与するこ
ともできる。
【0112】また本発明の化合物は、各種のグラム陽性
菌およびグラム陰性菌に対して強い抗菌活性も示し、抗
菌剤としても有用である。以下に細菌に対する試験管内
抗菌活性を下記の寒天平板希釈法により測定した結果を
示す[日本化学療法学会標準法:ケモテラピー(Che
motherapy)、第29巻、76〜79頁(19
81年)]。ミューラー ヒントン ブロス(Muel
ler Hintonbroth)中で一夜培養した各
試験菌株の一白金耳(接種菌量:106CFU/ml)
をミューラー ヒントン アガー(MH agar)に
接種した。この培地には抗菌剤が各濃度で含まれてお
り、37℃で16時間培養した後、最小発育阻止濃度
(MIC:μg/ml)を測定した。本発明化合物の最
小発育阻止濃度を測定した。その結果を表2に示す。
【0113】
【表2】 また、DHP−I感受性は、クロップ(Kropp)等
の方法[アンチミクロビアル アジェント アンド ケ
モテラピィ(Antimicrob. Agents
Chemother.)、第22巻、62〜70頁(1
982年)]によって定量し、イミペネム(=1.0)
との相対比を示し、数字が小さいほど安定性が高い。
【0114】本発明化合物のDHP−I感受性を、比較
化合物としてイミペネムを用いて測定した。その結果を
表3に示す。
【0115】
【表3】 本発明の化合物は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に
対して、広範な抗菌スペクトルと優れた抗菌活性を有
し、これら病原菌を起炎菌とするヒトの細菌感染症の治
療および予防のための抗菌剤として有用な化合物であ
る。本発明の抗菌剤に感受性のある代表的な病原体とし
ては、スタフィロコッカス(Staphylococc
us)属、エンテロコッカス(Enterococcu
s)属、エシェリキア(Escherichia)属、
エンテロバクター(Enterobacter)属、ク
レブシェラ(Klebsiella)属、セラチア(S
erratia)属、プロテウス(Proteus)
属、シュードモナス(Pseudomonas)属等の
菌種を挙げることができる。
【0116】さらには、本発明化合物は、イミペネムに
比べて、中枢神経症状および腎毒性が顕著に改善され
た、極めて毒性が低く、安全性の高い化合物である。
【0117】本発明の化合物は、各々の化合物によって
異なるが、DHP−Iに対して極めて安定であり、かつ
物理化学的安定性および水に対する溶解性にも優れてい
る。
【0118】以下に、本発明の化合物について各種の毒
性試験を行った。
【0119】第1に、本発明化合物の中枢神経系の毒性
試験について説明する。
【0120】<中枢神経系の毒性試験>7週令雄性SD
ラット(n=5)の右側脳室に慢性ガイドカニューレを
挿入し、歯科用レンジで固定する。1週間の回復期間の
後、被検化合物を生理食塩水に溶解し、おおよそpH
7に調整した後、マイクロシリンジを使用して、側脳室
内に200〜400μg/10μl/head投与す
る。投与後30分間観察ゲージ内で行動観察を行う。そ
の結果を表4に示す。
【0121】
【表4】 以上の結果から、本発明化合物は中枢神経系に毒性を何
ら示さず、死亡例も認められなかった。
【0122】
【発明の実施の形態】実施例、製造例および参考例を挙
げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら
によって何ら限定されるものではない。
【0123】実施例、製造例および参考例の薄層クロマ
トグラフは、プレートとしてSilicagel 60
245(Merck)を、検出法としてUV検出器を用
いた。カラム用シリカゲルとしては、WakogelTM
C−300(和光純薬)を、逆相カラム用シリカゲル
としては、LC−SORBTM SP−B−ODS(Ch
emco)またはYMC−GELTM ODS−AQ 1
20−S50(YMC)を用いた。高速液体クロマトグ
ラフとしては、JASCO 800シリーズ(日本分
光)を用いた。NMRスペクトルは、重ジメチルスルホ
キシド、重クロロホルム溶液またはで重水溶液測定する
場合には、内部基準としてテトラメチルシラン(TM
S)を用い、VXR−300(300MHz;Vari
an)型スペクトロメータを用いて測定し、全δ値をp
pmで示した。
【0124】NMR測定における略号の意味を以下に示
す。 s:シングレット d:ダブレット dd:ダブル ダブレット dq:ダブル クインテット quint: クインテット m:マルチプレット t:トリプレット br:ブロード J:カップリング定数 Hz:ヘルツ CDCl3:重クロロホルム D2O:重水
【0125】反応式等における略号の意味を以下に示
す。 Ac:アセチル基 All:アリル基 Alloc:アリルオキシカルボニル基 t−Bu:t−ブチル基 Boc:t−ブトキシカルボニル基 nBu:n−ブチル基 Bz:ベンジル基 Et:エチル基 n−Pr:n−プロピル基 iPr:イソプロピル基 Me:メチル基 Ms:メタンスルホニル基(メシル基) MOM:メトキシメトキシ基 Ph:フェニル基 PNB:p−ニトロベンジル基 POM:ピバロイルオキシメチル基 Py:ピリジル基 PNB:p−ニトロベンジル基 PNZ:p−ニトロベンジルオキシカルボニル基 Tr:トリチル基 TBS:t−ブチルジメチルシリル基 TBDPS:t−ブチルジフェニルシリル基 THP:テトラヒドロピラニル基 TEA:トリエチルアミン
【0126】
【実施例、製造例および参考例】実施例1 参考例1の化合物 10(部) 重質酸化マグネシウム 15 乳糖 75 を均一に混合して350μm以下の粉末状又は細粒状の
散剤とする。この散剤をカプセル容器に入れてカプセル
剤とした。
【0127】実施例2 参考例1の化合物 10(部) 澱粉 15 乳糖 16 結晶性セルロース 21 ポリビニルアルコール 3 蒸留水 30 を均一に混合した後、破砕造粒して乾燥し、次いで篩別
して1410〜177μmの大きさの顆粒剤とした。
【0128】実施例3 実施例2と同様の方法で顆粒剤を作った後、この顆粒剤
96部に対してステアリン酸カルシウム4部を加えて圧
縮成形し、直径10mmの錠剤を作製した。
【0129】実施例4 実施例2の方法で得られた顆粒剤の90部に対して結晶
性セルロース10部およびステアリン酸カルシウム3部
を加えて圧縮成形し、直径8mmの錠剤とした後、これ
にシロップゼラチン、沈降性炭酸カルシウム混合懸濁液
を加えて糖衣錠を作製した。
【0130】実施例5 参考例1の化合物 10(部) 非イオン系界面活性剤 2.4 生理的食塩水 97 を加温混合してからアンプルに入れ、滅菌を行って注射
剤を作製した。
【0131】参考例1 (1R,5S,6S)−2−[ベンゾ[b]チオフェン
−2−イルチオ] −6−[(R)−1−ヒドロキシエ
チル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−
カルボン酸ナトリウム
【0132】
【化16】
【0133】(工程1)ベンゾ[b]チオフェン−2−
チオール(289mg,1.74mmol)のTHF
(12ml)溶液に窒素気流中、氷冷下で、p−ニトロ
ベンジル (1R,5S,6S)−2−ジフェノキシ
ホスホリルオキシ−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシラート(1.03g,1.73mmol)、リ
チウムクロリド(221mg,5.21mmol)およ
びジイソプロピルエチルアミン(455ml,2.61
mmol)を順次加え、室温で一晩攪拌した。反応溶液
を酢酸エチルおよび水の混液にあけ、有機層を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に
濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(WakogelTM C−300,n−ヘプタ
ン−酢酸エチル1:1)に付し、p−ニトロベンジル
(1R,5S,6S)−2−[ベンゾ[b]チオフェン
−2−イルチオ]−6−[(R)−1−ヒドロキシエチ
ル]−1−メチル−1−カルバペン−2−エム−3−カ
ルボキシラート(595mg,収率:67%)の黄色固
体を得た。
【0134】1H−NMR(CDCl3)δ:1.14
(3H,d,J=7.4Hz),1.31(3H,d,
J=6.3Hz),3.22(1H,m),3.30
(1H,m),4.21(2H,m),5.30(1
H,d,J=13.7Hz),5.57(1H,d,J
=13.7Hz),7.41(2H,m),7.51
(1H,s),7.69(2H,d,J=7.7H
z),7.76(2H,m),8.24(2H,d,J
=7.7Hz)
【0135】(工程2)前記反応で得られた化合物(2
87mg,0.562mmol)のTHF(12ml)
および水(2ml)混液に、氷冷下、10%パラジウム
炭素(2.0g)を加え、常圧下4時間、水素気流下接
触還元反応を行った。触媒を濾去した後、減圧下に溶媒
を留去した。不溶物を濾別した後、濾液を逆相カラムク
ロマトグラフィー(YMC.GELTM ODS−AQ−
120−S50,14ml;20%メタノール水溶液)
に付し、目的化合物を含む分画を濃縮、凍結乾燥して標
記化合物(131mg,収率56%)を得た。
【0136】IR(KBr)cm-1:1755,160
1,1560,13941 H−NMR(D2O)δ:1.07(3H,d,J=
7.3Hz),1.20(3H,d,J=6.3H
z),3.24(2H,m),4.14(2H,m),
7.45(2H,m),7.67(1H,s),7.8
9(2H,m)
【0137】参考例2-参考例4 参考例2ないし参考例4の化合物を参考例1と同様の反
応により製造した。参考例2
【0138】
【化17】
【0139】IR(KBr)cm-1:1747,159
4,1558,13961 H−NMR(D2O)δ:1.10(3H,d,J=
7.2Hz),1.24(3H,d,J=6.3H
z),3.37(2H,m),4.22(2H,m),
7.18(1H,m),7.50(1H,m),7.5
8(1H,m),7.86(1H,m)
【0140】参考例3
【化18】
【0141】IR(KBr)cm-1:1751,160
1 H−NMR(D2O)δ:1.08(3H,d,J=
7.2Hz),1.25(3H,d,J=6.2H
z),3.30(1H,m),3.43(1H,dd,
J=6.0,2.0Hz),4.23(2H,m),
6.99(3H,m),7.83(2H,m),7.8
9(1H,s)参考例4
【0142】
【化19】
【0143】IR(KBr)cm-1:1760,160
4,1560,14561 H−NMR(D2O)δ:0.94(3H,d,J=
7.1Hz),1.19(3H,d,J=6.1H
z),3.29(2H,m),4.20(2H,m),
7.44(2H,m),7.77(2H,m)
【0144】製造例1 ベンゾ[b]チオフェン−2−
チオール
【化20】
【0145】(工程1)窒素気流中,−78℃でベンゾ
[b]チオフェン(3.48g,25.9mmol)の
THF溶液(20ml)に1.6モル n−ブチルリチ
ウムヘキサン溶液(19.4ml,31.0mmol)
を滴下した。反応液を同温度で30分間攪拌した後、硫
黄(831mg,25.9mmol)を加えた。反応液
を酢酸エチルおよび水の混液にあけ、有機層を水および
飽和食塩水で順次洗った。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(WakogelTM C−3
00 ヘキサンー酢酸エチル4:1)で精製し、ジベン
ゾ[b]チオフェン−2−イル−ジスルフィド(1.1
1g,収率26%)の黄色固体を得た。
【0146】1H−NMR(CDCl3)δ:7.33
(6H,m),7.69(2H,m),7.77(2
H,m)
【0147】(工程2)工程1で得られた化合物(1.
11g,3.36mmol)のジオキサン(60ml)
および水(15ml)の混合溶液に氷冷下で、トリフェ
ニルホスフィン(969mg,3.69mmol)を加
え、室温で一晩攪拌した。反応液を減圧下に濃縮した。
残渣は、酢酸エチルー水の混液にあけ有機層を水および
飽和食塩水で順次洗った。無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(WakogelTM C−3
00ヘキサンー酢酸エチル 3:1)で精製し、標記化
合物 (602mg,収率54%)の黄色固体を得た。
【0148】1H−NMR(CDCl3)δ:7.29
(3H,m),7.64(2H,m)
【0149】
【発明の効果】本発明の化合物は、文献未記載のメタロ
−β−ラクタマーゼ阻害作用を有するので、β−ラクタ
マーゼ阻害剤として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 [式中、R1は、水素原子または低級アルキル基、R
    2は、水素原子または陰電荷、Hetは、窒素原子、イ
    オウ原子および酸素原子からなる群より選ばれる1ない
    し4個のヘテロ原子を含む単環又は双環の複素環基を示
    す]で表される化合物を有効成分とするメタロ−β−ラ
    クタマーゼ阻害剤。
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