JP2000143318A - 木質セメント成形体の製造方法 - Google Patents

木質セメント成形体の製造方法

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JP2000143318A
JP2000143318A JP32066398A JP32066398A JP2000143318A JP 2000143318 A JP2000143318 A JP 2000143318A JP 32066398 A JP32066398 A JP 32066398A JP 32066398 A JP32066398 A JP 32066398A JP 2000143318 A JP2000143318 A JP 2000143318A
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powder
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aluminum
compound
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Makoto Kitamura
真 北村
Takashi Sawara
敬 佐原
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B20/00Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
    • C04B20/02Treatment
    • C04B20/026Comminuting, e.g. by grinding or breaking; Defibrillating fibres other than asbestos
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法安定性の高い木質セメント成形体を、高
生産性をもって製造し得る、木片セメント成形体の製造
方法を提供する。 【解決手段】 pH12. 5のアルカリ水溶液に浸漬し
たときのアルミニウム溶解量が150ppm/粉体1
g,以上である高可溶性のアルミニウム化合物よりなる
粉体(A)( 例えば機械的エネルギーを作用させた水酸
化アルミニウム) 、水へ可溶なカルシウム化合物よりな
る粉体(B)( 例えば消石灰) 、炭酸カルシウム粉体
(C)及びセメント(D)を含有したセメント組成物
と、細片化木質材料と、水とを混合し、この混合物を所
定形状に賦形するとともに加熱して硬化させる木質セメ
ント成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築材料、例えば
外壁材料として好適に用いられる木質セメント成形体
を、高い生産性をもって製造可能な、木質セメント成形
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木毛セメント板、木片セメント板
などの木質材料とセメント類との複合成形物即ち木質セ
メント成形体が主として建築材料として用いられてお
り、これらは火災に対する安全性と切断、釘打ちなどの
加工性の良さ、軽量性による施工性の良さなどの長所が
あり、今後も使用量の増大が見込まれる。
【0003】この様な木片セメント板の製造に関し、ポ
ルトランドセメントと木質繊維と水とからなる混合物を
型枠上に堆積しマットを作りコールドプレスで加圧成形
する方法が提案されている(特公平5−13098号公
報参照)。しかし、この方法では脱形するまでの加圧時
間に1日〜2日を要し、生産性が非常に低いために、多
量の型枠を必要とし、結局製造原価が高くなるという問
題点があった。
【0004】一方、アルミナセメント及び石膏をポルト
ランドセメントと混合したセメント組成物を用い、ホッ
トプレスにより急速に加熱硬化させる方法も知られてい
る(特公昭59−18339号公報参照)。しかしなが
ら、この方法では、水和反応により直ちに形成されるア
ルミネート相と石膏とが反応してエトリンガイト水和物
が生成されるため、最終的に得られた木質セメント成形
体にエトリンガイト水和物が多量に含まれる。この水和
物は熱的な安定性が低いため、木質セメント成形体の寸
法安定性に問題が生じる。例えば、日射による加熱の繰
り返しにより水和物の結晶構造が変化し、これに伴い不
可逆な寸法変化や反りが生じるといった問題点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
木片セメント成形体の製造上の問題点に鑑み、寸法安定
性の高い木質セメント成形体を、高生産性をもって製造
し得る、木片セメント成形体の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、pH12. 5のアルカリ
水溶液に浸漬したときのアルミニウム溶解量が150p
pm/粉体1g,以上である高可溶性アルミニウム化合
物よりなる粉体(A)、水へ可溶なカルシウム化合物よ
りなる粉体(B)、炭酸カルシウム粉体(C)及びセメ
ント(D)を含有したセメント組成物と、細片化木質材
料と、水とを混合し、この混合物を所定形状に賦形する
とともに加熱して硬化させることを特徴とする木質セメ
ント成形体の製造方法を提供する。
【0007】又、請求項2記載の本発明は、前記高可溶
性アルミニウム化合物よりなる粉体(A)が、水酸化ア
ルミニウムに0. 5〜30kWh/kgの機械的エネル
ギーを作用させた粉体、アルミナセメント及び水硬性ア
ルミナの内の少なくとも1種である請求項1記載の木質
セメント成形体の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明に用いられるセメント組成物は、粉体(A)、
(B)、(C)、(D)を必須成分として含有する。上
記粉体(A)は、常温下でpH12. 5のアルカリ水溶
液に粉体(A)を浸漬したときに粉体1g当たり150
ppm以上のアルミニウムが溶解することが必要であ
り、アルミニウムの好ましい溶解量は300ppm以上
である。
【0009】アルカリ水溶液に対して可溶性であっても
低可溶性の場合、例えば、アルミニウム溶解量が150
ppmよりも少ないと、セメントへ添加した場合に、速
硬化性が不充分となるからであり、アルミニウム溶解量
が多い程硬化速度が速くなり高生産化(成形から脱型ま
での時間短縮)が可能となるが、3000ppm以上の
場合はそれに見合う効果の発現がしめされないので、あ
えてアルミニウムの溶解量の有効な範囲を示すなら15
0ppm〜3000ppmである。
【0010】上記アルミニウム溶解量の測定は、アルミ
ニウム化合物を常温下でpH12.5のアルカリ水溶液
50gに対してアルミニウム化合物粉体1gの割合で浸
漬し、5分間撹拌した後に、残さと濾液に分離し、濾液
中に存在するアルミニウム濃度をICP(誘導結合プラ
ズマ発光分析)により定量して行う。アルカリ水溶液
は、pHが12. 5を示す水溶液であれば特に限定され
ず、具体的にはNaOH、KOHなどのアルカリ金属塩
を水に溶かしpHが12. 5となる様に調製した水溶液
が好適に用いられる。
【0011】高いアルミニウム溶解性を示す上記粉体
(A)を得る具体的な方法としては、特に限定されない
が、例えばアルミニウム化合物に機械的なエネルギーを
加える方法が挙げられる。アルミニウム化合物としては
水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムや、例えばカオ
リナイト、モンモリロナイト、ハロサイト、ギプサイ
ト、パイロフィライト等のアルミニウムを含有する粘土
鉱物が挙げられ、小さな機械的エネルギーの供給により
アルミニウムの溶解性が向上する、水酸化アルミニウム
及びカオリナイトが好ましい。
【0012】これらのアルミニウム化合物は、通常、未
処理ではアルミニウム溶解性が低いが、機械的エネルギ
ーを加えることによって、表面積が増大し更に結晶構造
に乱れが生じ、アルミニウム溶解性が急増する。従っ
て、水酸化アルミニウムやカオリナイト等のアルミニウ
ム化合物に、機械的エネルギーを加えることにより、上
記所定(pH12. 5のアルカリ水溶液に浸漬した時の
アルミニウム溶解量が150ppm/粉体1g以上)の
溶解性を付与することができる。
【0013】機械的エネルギーとしては、たとえば、圧
縮力、剪断力、衝撃力、摩擦力等によるエネルギーが挙
げられる。上記機械的エネルギーを作用させる方法とし
ては特に限定されず、例えば、粉砕を目的として一般に
使用されている粉砕装置を用いて行うことが出来る。こ
のような粉砕装置としては、例えば、ボールミル、振動
ミル、遊星ミル、媒体撹拌型ミル等の他、衝撃、摩擦、
圧縮、剪断等が複合したボール媒体型ミル;ローラーミ
ル;乳鉢等が挙げられる。また、衝撃、摩砕が主である
ジェット粉砕装置を使用することも可能である。これら
のうち、機構的に有効に機械的エネルギーを付与するこ
とが可能であり、短時間で結晶構造に乱れを生じさせる
ことが可能な、ボール媒体型のミルが好ましい。
【0014】又、上記粉体(A)としては、上記の他
に、カルシウムアルミネート化合物(主鉱物として含む
セメントとしてアルミナセメントがある)や水硬性アル
ミナ等、もとから可溶性を示すアルミニウム化合物をそ
のまま特に処理せずに用いることも出来る。アルミナセ
メントとはC12A7 、CA、CA2 よりなるカルシウム
アルミネート化合物が主成分となるように製造されたセ
メントである。水和物の相転移に伴う体積変化が問題と
なるため耐火物などに用途が限定されているものであ
る。
【0015】上記粉体(B)としては、水に可溶なカル
シウム化合物であれば特に限定されないが、例えば水酸
化カルシウム(消石灰)、酸化カルシウム(生石灰)、
カルシウムシリケート等が挙げられる。尚、上記粉体
(A)、(B)には硫酸アルミニウム(硫酸バンド)や
硫酸カルシウム(石膏)などの水に可溶性の硫酸化合物
を用いることは出来ない。組成物中に可溶性の硫酸化合
物を含有すると、水へのイオウの溶解が生じ、エトリン
ガイト水和物の形成により硬化体の耐久性や寸法安定性
が問題となるからである。
【0016】上記炭酸カルシウム粉体(C)としては市
販の炭酸カルシウムが使用可能で、、カルサイト、アラ
ゴナイト、バテライト等の結晶形を有する軽質炭酸カル
シウムや結晶形が不定な重質炭酸カルシウムがともに好
適に使用できる。粉体(C)の粒径は特に限定されない
が、セメントへ添加したときの分散性、水への溶解速度
の観点から、平均粒径として0.1 μm〜100 μmが好ま
しい。
【0017】粉体(A)、(B)、(C)との混合割合
としては、特に限定されないが、水と混合し、水和反応
させる際に良好な硬化速度を得るためには、(B)に含
まれるカルシウム原子数/(A)に含まれるアルミニウ
ム原子数が、0. 1〜10であることが好ましく、より
好ましくは、0. 5〜2. 0の範囲である。また良好な
寸法安定性を得るためには、(C)に含まれる炭酸カル
シウムのモル数/(A)に含まれるアルミニウム原子数
が、0. 1〜5. 0であることが好ましく、より好まし
くは、0. 2〜2. 0の範囲である。
【0018】セメント(D)としては、例えば、普通ポ
ルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早
強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメン
ト、耐硫酸塩ポルトランドセメント等のポルトランドセ
メント;高炉セメント、シリカセメント、フライアッシ
ュセメント等の混合セメント;白色ポルトランドセメン
ト、セメント系固化材、等の特殊セメント等があげられ
るが、このうち安価で品質が安定している普通ポルトラ
ンドセメント、硬化時間の短い早強ポルトランドセメン
トを好適に用いることが出来る。尚、本発明において用
いられる上記セメント組成物には、上記粉体(A)、
(B)、(C)とセメント(D)が必須成分として含ま
れるが、アルミナセメントは粉体(A)として用いられ
る場合があるが、本発明においてはセメント(D)の範
疇には含まれないものとする。
【0019】セメント(D)に添加される、或いはセメ
ント(D)と混合される、粉体(A)、(B)、(C)
からなる粉体の量は特に限定されないが、セメント
(D)100重量部に対して5〜100重量部であるこ
とが好ましい。5重量部未満であると、添加の効果が発
現され難く、十分な速硬化性を得ることは出来ず高生産
化への大幅な寄与は期待できない。一方、100重量部
を超えると、得られた木質セメント成形体の耐久性が問
題となる場合がある。より好ましくは、10〜40重量
部である。
【0020】上記粉体(A)、(B)、(C)及びセメ
ント(D)を含有したセメント組成物を得る方法として
は、セメント中に粉体が均一に分散した組成物が得られ
る方法であれば特に限定されず、例えばアイリッヒミキ
サーやオムニミキサー等のミキサー類を好適に用いるこ
とが出来る。
【0021】本発明における細片化木質材料としては、
各種木材の木片、木粉、木毛などが用いられる。樹種と
しては針葉樹ではベイツガ、エゾマツ、アカマツ、ス
ギ、カラマツなど、広葉樹ではアカラワン、ブナ、メラ
ビなどがあるが特に樹種に限定されず使用できる。また
本発明では前記の如きセメント組成物に、木質材料の他
に必要に応じて例えば、防水剤、撥水剤、発泡剤、木質
材料の腐食防止剤、燃焼防止剤やセメントの凝結遅延剤
などを用いることが出来、さらに補強、増量の目的で木
質材料に加えて各種骨材、繊維類などの物質を混合して
用いることが出来る。
【0022】細片化された木質材料を得る手段は限定さ
れず、例えば、原木、小径木、端材、廃材等の皮剥ぎ、
切断、裁断、割裂、圧搾、解繊等の方法が挙げられる。
木質材料の形状、サイズ等は特に限定されるものではな
い。例えば、繊維状、スティック(断面矩形)状、スト
ランド(棒)状等の形状の採用が可能で、繊維状の場合
の径は0.2〜2mm、長さは2〜60mm程度、ステ
ィック状の場合は1〜5mm×2〜60mm程度、スト
ランド(棒)状の場合の径は1〜5mm、長さは2〜6
0mm程度のものが多用されるが、得ようとする木質セ
メント成形体のサイズにより、これらの範囲外のものも
使用され得る。
【0023】これらの細片化木質材料は、上記粉体
(A)、(B)、(C)及びセメント(D)を含有した
セメント組成物100重量部に対して、通常5〜50重
量部、好ましくは、10〜40重量部用いられる。
【0024】又、水は、上記セメント組成物100重量
部に対して通常30〜100重量部、好ましくは、10
〜40重量部用いられる。
【0025】本発明の木質セメント成形体の製造方法
は、上記のセメント組成物と、細片化木質材料と水との
混合物を所定の形状に賦形しつつ加熱して硬化させるも
のであるが、賦形方法は従来の木質セメント成形体の場
合と特に変わるところがなく、混合物を型に入れて賦形
するのが一般的であり、その状態で加熱する。加熱は賦
形された混合物の温度が60度〜100度になるように
行うのが好ましい。60度より低いと硬化速度が遅く、
100度を超えるような加熱条件では得られる成形体の
長期強度が低いものになりやすいからである。混合物を
型に入れて賦形する場合は、強度が高い成形体が得られ
る点で、型に入れて加圧するのが好ましく、その加圧状
態で加熱するのが生産効率上好ましい。加熱は、加圧を
解圧した状態で行っても差し支えない。
【0026】(作用)本発明の木質セメント成形体の製
造方法は、アルカリ水溶液に対して高可溶性アルミニウ
ム化合物よりなる粉体(A)と、水へ可溶なカルシウム
化合物よりなる粉体(B)とを含有したセメント組成物
と、水とを混合するので、速やかにカルシウムアルミネ
ート系水和物が生成する。従って、成形開始後短時間で
脱形が可能であるため高生産化が可能である。
【0027】又、上記セメント組成物は更に、炭酸カル
シウム粉体(C)を含有しているので、水和反応系に共
存する主として炭酸カルシウムの作用によって、3CaO・
Al2O3・CaCO3・11H2O で示される水和物であるモノカーボ
ネートを生成する。このモノカーボネートは、セメント
の水和硬化反応において石膏等の硫酸化合物が存在する
場合に生成されるエトリンガイト3CaO・ Al2O3・3CaSO4・3
2H2Oに比べて熱的安定性が高いため、製造した木質セメ
ント成形体の寸法安定性が向上することが期待される。
【0028】一方、木質セメント成形体を製造する場
合、木質材料中に含まれるセメント水和硬化反応阻害成
分(例えば、リグニン等が挙げられる)のために、従来
はカラマツ、スギなどは使用が困難とされていたが、本
発明、特に請求項2記載の本発明によれば、より一層水
和硬化反応が速やかに、前記水和硬化反応阻害成分が実
質的に溶出する前に、進行するため、樹種により制限さ
れることなく木質材料を使用することができるので、木
質セメント成形体をより経済的に生産することができ
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 (実施例1〜3)先ず、粉体(A)として機械的エネル
ギーを1〜4kWh/kg作用させた水酸化アルミニウム(住
友化学製、C-31)を、また粉体(B)として消石灰(河
合石灰工業社製)、粉体(C)として炭酸カルシウム
(カルシード社製、平均粒径0.5μm)を準備した。
【0030】粉体(A)としての水酸化アルミニウム
は、ウルトラファインミル(三菱重工業社製、AT-25 )
により、それぞれ表1に示す機械的エネルギーを作用さ
せて粉体を得た。機械的エネルギーを作用させる際は、
ボール媒体として10mmφのジルコニアボールを使用し
た。またジルコニアボールの投入量は45kgとし、化合物
の投入量は1.5kg とした。さらに粉砕助剤としてエタノ
ールを1g添加した。
【0031】化合物に作用させる機械的エネルギーは、
平均エネルギー密度(1時間当たりの平均エネルギーで
あり、下式で求められる化合物に作用させた機械的エネ
ルギーを処理時間で割った値をいう)が、約0.5kW/kgと
なる運転条件(内筒、外筒それぞれ105rpm)で処理時間
を変化させることにより、表1に示す機械的エネルギー
とした。 作用させた機械的エネルギー(kWh/kg )={化合物処理
時の運転で消費した電力量(kWh )−化合物投入前の空
運転時に消費した電力量(kWh )}÷処理化合物量(k
g) また、粉体(A)のアルミニウム溶解量は以下の方法で
求め表1に示した。
【0032】上記粉体(A)、(B)、(C)を
(A):(B):(C)が重量比で6:10:4となる
よう計量し、早強ポルトランドセメント(秩父小野田社
製)100重量部に対して20重量部になるように添加
したのち、オムニミキサーにより混合し、セメント組成
物を調製した。木質材料としては針葉樹(スギ)を用い
て電気カンナにより厚さ0.15mm、幅5mm 、長さ7mm に細
片化したものを用いた。
【0033】上記セメント組成物100 重量部と細片化さ
れた木質材料35重量部と、凝結遅延剤としてのクエン酸
ナトリウムが0.1 重量部溶解した水50重量部とをオムニ
ミキサーにより混合した。この混合物を30cm×30cmの型
板の上に展開堆積させ、当て板を乗せてあらかじめ圧締
した後、金網を乗せてホットプレスを行った。プレス条
件は圧力40kg/cm2、温度90℃、時間10分とした。得られ
たセメント成形体から5cm ×15cm×厚さ1.5cm のダンベ
ルを切り出し、脱形強度と寸法安定性を以下の方法で測
定し表1に示した。
【0034】〔評価方法〕 (1)アルミニウム溶解量 表1に示した粉体(A)1gを常温下で、pH12. 5
となるように調製した水酸化ナトリウム水溶液(具体的
には0. 17重量%のNaOH水溶液)50gに浸漬
し、5分間撹拌した後に遠心分離器(国産遠心器社製H1
08NA)により濾液と残さを大まかに分離し、更に濾紙
(アドバンテックトーヨー社製4A110mm )により再度
分離を行った。最終的に得られた濾液中のアルミニウム
濃度をICP(誘導結合プラズマ発光分析)により定量
化しアルミニウム溶解量とした。
【0035】(2)脱形強度 得られた成形体の脱形時の強度を、JIS R5201
に準拠して、スパン12cmの3点曲げにより測定した。 (3)寸法安定性 得られた成形体を80℃乾燥機に100時間放置し試験前
後での長手方向の寸法をマイクロメーターにより測定
し、以下の式により寸法変化率を求めた。 寸法変化率(%)=(試験後寸法−初期寸法)/初期寸
法×100
【0036】(実施例4、5)粉体(A)としてアルミ
ナセメント(電気化学工業製、デンカ2号)及び水硬性
アルミナ(住友化学製、BK-112)を未処理の状態で用い
た以外は、実施例1と同様にしてセメント成形体を得
た。ただし、アルミナセメントの場合のみ粉体(A)、
(B)、(C)の添加割合は(A):(B):(C)が
重量比で12:4:4となるよう計量し、早強ポルトラ
ンドセメント(秩父小野田社製)100重量部に対して
20重量部になるように添加したのち、オムニミキサー
により混合し、セメント組成物を調製した。
【0037】(比較例1)セメント組成物として早強セ
メント(秩父小野田社製)のみを用い粉体(A)、
(B)、(C)を添加しなかった以外は実施例1と同様
にしてセメント成形体を得た。
【0038】(比較例2)セメント組成物としてアルミ
ナセメント(電気化学工業製、デンカ2号)10重量部、
焼石膏6重量部、消石灰4重量と早強ポルトランドセメ
ント100 重量部とを混合したものを用いた以外は実施例
1と同様にしてセメント成形体を得た。
【0039】(比較例3)粉体(A)として、未処理の
(機械的エネルギーを作用させなかった)水酸化アルミ
ニウムを用いた以外は実施例1と同様にしてセメント成
形体を得た。上記各実施例、比較例において木質セメン
ト成形体を得るべく要したプレス時間等を、セメント組
成物の配合等と併せて下記の表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の木質セメント成形体の製造方法
は、上記の構成となされ、セメント組成物中にアルカリ
水溶液に対して上記高可溶性のアルミニウム化合物より
なる粉体(A)と水へ可溶なカルシウム化合物よりなる
粉体(B)とを含有しているので、水との混合により速
やかにカルシウムアルミネート系水和物が生成し、成形
開始後短時間で脱形が可能となるため、本発明によれ
ば、生産性が高い木質セメント成形体の製造方法が提供
される。又、上記セメント組成物は更に、炭酸カルシウ
ム粉体(C)とを含有しているので、水和反応により、
モノカーボネートを生成するため、熱的安定性が高く、
寸法安定性が向上した木質セメント成形体を得ることが
可能である。請求項2記載の本発明によれば、より一層
セメント水和硬化反応が速やかに、木質材料中の水和反
応阻害成分が実質的に溶出する前に、進行するため、樹
種により制限されることなく木質材料を使用することが
でき、より経済的に、木質セメント成形体を生産するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 pH12. 5のアルカリ水溶液に浸漬し
    たときのアルミニウム溶解量が150ppm/粉体1
    g,以上である高可溶性アルミニウム化合物よりなる粉
    体(A)、水へ可溶なカルシウム化合物よりなる粉体
    (B)、炭酸カルシウム粉体(C)及びセメント(D)
    を含有したセメント組成物と、細片化木質材料と、水と
    を混合し、この混合物を所定形状に賦形するとともに加
    熱して硬化させることを特徴とする木質セメント成形体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高可溶性アルミニウム化合物よりな
    る粉体(A)が、水酸化アルミニウムに0. 5〜30k
    Wh/kgの機械的エネルギーを作用させた粉体、アル
    ミナセメント及び水硬性アルミナの内の少なくとも1種
    である請求項1記載の木質セメント成形体の製造方法。
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