JP2000141314A - 木材の防腐・防蟻法及びその材料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 防腐・防蟻処理を必要とする木材、木部に第一液として
タンニン類（ポリフェノール類）を水又はアルコールな
どの有機溶剤に溶解した液で処理した後、金属イオンを
含む第二液で処理する事を特徴とする防腐・防蟻処理法 【目的】現在利用されている防腐又は防蟻処理法は、殺
菌・防黴など有機リン系薬品などを主としており、施工
者、居住者両者に毒性が有り、又生態系に与える害も大
きい。処理後の有効期間も短く、繰り返し施工が必要と
なる。これらの欠点を排除し安全な材料で簡便、簡単な
処理法を開発した

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］広く建造物に利用されている木材
は、日本の様な高湿な環境下では腐食、蟻の被害を受け
やすい。この為の管理、更改の費用は莫大なものがあ
り、その簡便確実な方法は利用価値が極めて高い。

［従来の技術及び発明が解決しようとする課題］従来の
方法は、木材に寄生する菌、蟻類などを殺す薬剤、古く
は亜砒酸から広くは有機リン系などの有毒な物質が使用
され、生態系は勿論、人間環境にも重大な悪影響を及ぼ
して居る。そしてその処理の効果は長続きせず、再三処
理を行う必要が有る。

［課題を解決する為の手段］発明者は、先にタンニン酸
類（ポリフェノール類）が鉄錆と常温で反応し、水に不
溶性の錯体を作る事を見出だし「給水配管壁の鉄錆によ
る赤水の防止剤」を出願している（特願平９−３２１９
１５）。これらのタンニン類と鉄酸化物との反応錯体が
極めて強い抗菌力と昆虫忌避効果を有する事を見出だ
し、本発明になった。本方法の特徴は使用する原料が全
て食品添加物からなる、安全な原料の組み合わせからな
り、その原料を木材中に浸透させ、反応産物が木材中、
表面に形成される事による。従ってその効果も持続し、
床下、壁中などの水の当たらない所では、理論的には半
永久的な効果を有する。醸造用の木製の樽など、水に漬
けておくものも本処理により、長期にわたり腐食に耐
え、しかも極めて安全である。

［実施例］ 実施例１．茶カテキン抽出物を重量で０．２％相当量を
水に溶かす。処理する建築用の基礎部木材をこのカテキ
ン液にどぶ漬けし、３０分放置後引きだして硫酸第二鉄
の１％水溶液をスプレイする。風乾後使用する。

実施例２．イソプロピルアルコール１０ｋｇｇ、茶カテ
キン抽出物をカテキン量として０．１ｋｇ相当の液を作
り保存する。これを用時、取りだして通常の塗料を塗る
様に防腐又は防蟻の木部部分に塗布し５分間放置した
後、塩化第一鉄のイソプロピルアルコール０．１％溶液
を塗り風乾する時、処理木部の表面及び内部に防腐・防
蟻のバリアーが長期間にわたり存続し腐朽、白蟻の発生
・寄生を見ない。実施例３．タンニン酸１％を含む５０
％エチルアルコール液を要防腐、防蟻処理の木材に塗り
吸収させる。これに０．１％第一塩化銅を含む５％塩化
アンモニウム５％水溶液を上塗りする。本方法で処理し
た木材は半永久的に効果が持続する

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】木材にタンニン類（ポリフェノール類）を
   水又はアルコールなどの有機溶剤に溶解した液で塗布又
   はこれに浸して浸透させた後に、二価又は三価の金属イ
   オン又は二価金属の一価イオンの溶液で処理して木材
   中、表面にタンニン類の金属化合物を形成させる事を特
   徴とする木材の防腐・防蟻法