JP2000140758A - 不飽和ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法

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JP2000140758A
JP2000140758A JP11096522A JP9652299A JP2000140758A JP 2000140758 A JP2000140758 A JP 2000140758A JP 11096522 A JP11096522 A JP 11096522A JP 9652299 A JP9652299 A JP 9652299A JP 2000140758 A JP2000140758 A JP 2000140758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多価アルコールアリルエーテル成分やジシクロ
ペンタジエン等を含有した不飽和ポリエステル樹脂は、
空乾性を有して光沢や肉持ち感がよく、一般塗料、特に
木工用塗料、として用いられてきた。しかし、不飽和ポ
リエステル樹脂塗料には研磨剤の併用が不可欠であり、
研磨性を高めるためにその使用量を増加すると塗膜の透
明性が低下し、逆に透明性を維持するために研磨剤の使
用量を減少させると研磨性が低下するという現象がおこ
り、研磨性と透明性のバランスをとるのが容易でないと
いう問題があった。 【解決手段】有機過酸化物、カルボン酸金属塩及び光重
合開始剤を含有してなる不飽和ポリエステル樹脂塗料を
基材に塗布した後、塗膜を常温又は加熱下に内部硬化さ
せ、次いで活性エネルギー線を照射して表面硬化させる
不飽和ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和ポリエステ
ル樹脂塗膜の硬化方法に関し、更に詳しくは、塗膜の研
磨性と透明性のバランスの維持、研磨時に発生する粉塵
の発火防止並びに硬化速度の向上等の効果を発揮しなが
ら、より望ましくは更に着色の少ない不飽和ポリエステ
ル樹脂塗膜を得るための硬化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、多価アルコールアリルエーテ
ル成分やジシクロペンタジエン等を含有した不飽和ポリ
エステル樹脂は、空乾性を有して光沢や肉持ち感が好ま
しく、しかも美麗な仕上がりを与えるため、一般塗料、
特に木工用塗料、シーリング材、接着剤、成形物等に用
いられてきた。しかも、建材や家具等の用途においては
かかる不飽和ポリエステル樹脂塗料は中塗り塗料として
用いられることが多く、その場合不飽和ポリエステル樹
脂塗料は基材に中塗りされた後、硬化させられ、次いで
研磨され平滑性を向上させられ、その上にウレタン樹脂
塗料等の上塗り塗料が塗布されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
不飽和ポリエステル樹脂塗料には研磨剤の併用が不可欠
であり、研磨性を高めるためにその使用量を増加すると
塗膜の透明性が低下し、逆に透明性を維持するために研
磨剤の使用量を減少させると研磨性が低下するという現
象がおこり、研磨性と透明性のバランスをとるのが容易
でないという難点があった。また、従来の硬化方法では
研磨時の粉塵に発火の恐れがあったりするので、かかる
改善が望まれていた。
【0004】更には、不飽和ポリエステル樹脂塗料の塗
膜は硬化直後に、あるいは実際の使用に当たっての耐光
性不足のために、やや黄変する傾向があるため、より商
品価値の高い製品の開発には、この問題も解決しなけれ
ばならなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者が鋭意
研究を重ねた結果、新規の不飽和ポリエステル樹脂塗膜
の硬化方法を提供するに到った。すなわち、有機過酸化
物、カルボン酸金属塩及び光重合開始剤を含有してなる
不飽和ポリエステル樹脂塗料を基材に塗布した後、塗膜
を常温又は加熱下に内部硬化させ、次いで活性エネルギ
ー線を照射して表面硬化させることを特徴とする不飽和
ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法であって、カルボン酸
金属塩は、高級脂肪酸コバルト塩であることが好まし
く、特にオクテン酸コバルトであることが好ましく、光
重合開始剤は、塗膜の着色を回避する点でヒドロキシル
基含有フェニルケトン系化合物であることが好ましく、
特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであ
ることが好ましい。また、基材が、木質基材であること
が好ましく、木質基材の平衡含水率が3乃至20重量%
であり、且つ気乾密度が0.30乃至1.00g/cm
3 であることが特に好ましい。
【0006】本発明の第二は、有機過酸化物、カルボン
酸金属塩、光重合開始剤及び研磨剤を含有してなる不飽
和ポリエステル樹脂塗料を基材に塗布した後、塗膜を常
温又は加熱下に内部硬化させ、次いで活性エネルギー線
を照射して表面硬化させることを特徴とする不飽和ポリ
エステル樹脂塗膜の硬化方法であって、カルボン酸金属
塩は、高級脂肪酸コバルト塩であることが好ましく、特
にオクテン酸コバルトであることが好ましく、光重合開
始剤は、塗膜の着色を回避する点でヒドロキシル基含有
フェニルケトン系化合物であることが好ましく、特に1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンであること
が好ましい。また、基材が、木質基材であることが好ま
しく、木質基材の平衡含水率が3乃至20重量%であ
り、且つ気乾密度が0.30乃至1.00g/cm3
あることが特に好ましい。
【0007】本発明の第三は、有機過酸化物、カルボン
酸金属塩、光重合開始剤及びエチレン性不飽和モノマー
を含有してなる不飽和ポリエステル樹脂塗料を基材に塗
布した後、塗膜を常温又は加熱下に内部硬化させ、次い
で活性エネルギー線を照射して表面硬化させることを特
徴とする不飽和ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法であっ
て、カルボン酸金属塩は、高級脂肪酸コバルト塩である
ことが好ましく、特にオクテン酸コバルトであることが
好ましく、光重合開始剤は、塗膜の着色を回避する点で
ヒドロキシル基含有フェニルケトン系化合物であること
が好ましく、特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトンであることが好ましく、エチレン性不飽和モノ
マーはビニルモノマー又は(メタ)アクリル系モノマー
が使用される。また、基材が、木質基材であることが好
ましく、木質基材の平衡含水率が3乃至20重量%であ
り、且つ気乾密度が0.30乃至1.00g/cm3
あることが特に好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明で用いられる不飽和ポリエステル樹
脂は特に限定されず、不飽和多塩基酸(必要に応じて飽
和多塩基酸が併用される)と多価アルコールとの縮重合
生成物であり、該不飽和多塩基酸としては例えば無水マ
レイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イ
タコン酸等が挙げられ、飽和多塩基酸としては無水フタ
ル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット
酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、6−メチル
−4−シクロヘキセン−1,2,3トリカルボン酸無水
物等が挙げられる。
【0010】又、該不飽和多塩基酸と縮重合させられる
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、水添ビスフェノ
ールA、ビスフェノールAジオキシプロポキシエーテ
ル、ビスフェノールAジポリオキシプロポキシエーテ
ル、ビスフェノールAジオキシエトキシエーテル、ビス
フェノールAジポリオキシエトキシエーテル、1,9−
ノナンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,
3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコー
ル、1、4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジ
オール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−ペンタン−ジオール、ネ
オペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
【0011】本発明においては、空乾性を持たせるため
に該不飽和ポリエステル樹脂の構成単位として、シクロ
ペンタジエン系単位、ジシクロペンタジエン系単位、多
価アルコールアリルエーテル単位から選ばれる少なくと
も1種を含有することが好ましく、かかるシクロペンタ
ジエン系単位、ジシクロペンタジエン系単位とは、シク
ロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、更にはこれら
の誘導体が挙げられ、該誘導体の例としてはマレイン酸
トリシクロデセニル、フマル酸トリシクロデセニル、ア
ジピン酸トリシクロデセニル、フタル酸トリシクロデセ
ニル、イソフタル酸トリシクロデセニル、トリメリット
酸トリシクロデセニル、エチレングリコールトリシクロ
デセニルエーテル、ジエチレングリコールトリシクロデ
セニルエーテル、プロピレングリコールトリシクロデセ
ニルエーテル、1,4−ブタンジオールトリシクロデセ
ニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールトリシクロデ
セニルエーテル、ネオペンチルグリコールトリシクロデ
セニルエーテル、グリセリントリシクロデセニルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリシクロデセニルエーテ
ル、ヒドロキシル化ジシクロペンタジエン等が挙げられ
る。
【0012】又、多価アルコールアリルエーテル単位と
しては、具体的にはペンタエリスリトールトリアリルエ
ーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グ
リセリンモノアリルエーテル、トリメチロールエタンジ
アリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルなどが挙
げられ、いずれも分子中に少なくとも1個の水酸基を含
有するエーテルである。
【0013】かかるシクロペンタジエン系単位、ジシク
ロペンタジエン系単位、多価アルコールアリルエーテル
単位の成分中の構成割合は、多塩基酸成分に対して2〜
50モル%とすることがより好ましい。かかる割合が2
%モル未満では十分な空乾性が得られず、又50モル%
を越えると硬化性が低下する。特にシクロペンタジエン
系単位またはジシクロペンタジエン系単位の場合は10
〜50モル%存在させることがより好ましい。また、多
価アルコールアリルエーテル単位の場合は10〜40モ
ル%存在させることがより好ましい。
【0014】かかるシクロペンタジエン系単位やジシク
ロペンタジエン系単位を不飽和ポリエステル樹脂中に導
入するには、基本的にはシクロペンタジエン、ジシクロ
ペンタジエン及びこれらの誘導体の少なくとも1種を多
塩基酸と共に仕込んで縮合反応を行うが、シクロペンタ
ジエン系単位やジシクロペンタジエン系単位が不飽和ポ
リエステル樹脂末端にあるよりも該樹脂の主鎖中にある
場合の方が塗料等に供したときには、塗料物性が優れて
いる傾向があるので、かかる樹脂を製造するためには、
シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン及びこれら
の誘導体の少なくとも1種は縮合初期に仕込むことが望
ましい。又、多価アルコールアリルエーテル単位を不飽
和ポリエステル樹脂中に導入するにも、上記のシクロペ
ンタジエン系単位やジシクロペンタジエン系単位の場合
と同様に行えばよい。
【0015】不飽和ポリエステル樹脂の製造に当たって
は、上記の各成分を使用して、常法に従い、不活性ガス
雰囲気中において温度150〜250℃程度で縮合又は
付加反応させればよく、得られた不飽和ポリエステル樹
脂は通常酸価が10〜30KOHmg/g程度であり、
好ましくはエステル化を促進することにより酸価を10
〜20KOHmg/g程度の範囲にすることが好まし
く、該不飽和ポリエステル樹脂の重量平均分子量として
は3000〜30000、さらには4000〜2500
0が好ましく、該重量平均分子量が3000未満では硬
化物の硬度などの塗膜物性が低く、硬化性も遅く、逆に
30000を越えると粘度が高くなって希釈モノマーが
多量必要となり、硬化速度が遅くなる傾向がある。
【0016】なお、本発明の重量平均分子量とは、ゲル
パーミッションクロマトグラフィー(GPC)によって
測定されるもので、例えばショーデックスシステム(昭
和電工社製)でKF−806のカラムを用い、テトラヒ
ドロフランを溶媒としポリスチレンを標準として測定す
ることができる。
【0017】本発明で使用する不飽和ポリエステル樹脂
塗料には有機過酸化物、カルボン酸金属塩、光重合開始
剤及びエチレン性不飽和モノマーが配合される。有機過
酸化物としてはメチルエチルケトンパーオキサイド、シ
クロヘキサノンパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、t−ブチルパーベンゾエート等が挙げられ
る。カルボン酸金属塩としては、高級脂肪酸コバルト
塩、高級脂肪酸マンガン塩等が挙げられ、高級脂肪酸コ
バルト塩としてはオクテン酸コバルト、ナフテン酸コバ
ルトが、高級脂肪酸マンガン塩としてはオクテン酸マン
ガン、ナフテン酸マンガンが挙げられ、好適にはメチル
エチルケトンパーオキサイドとオクテン酸コバルトが併
用される。
【0018】光重合開始剤としては、光の作用によりラ
ジカルを発生するものであれば特に限定されないが、ヒ
ドロキシ基含有フェニルケトン系化合物の使用が好まし
い。具体的には、4−フェノキシジクロロアセトフェノ
ン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエト
キシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピ
レンフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン
−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−
プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシプロピルフェニルケトン、
2−ヒドロキシプロピル−4−イソブチルフェニルケト
ン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベ
ンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フ
ェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4
−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、
3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チ
オキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチル
チオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イ
ソプロピルチオキサンソン、カンファーキノン、ジベン
ゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4’,4”−
ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テ
トラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、α−アシロキシムエステル、アシルホスフィンオキ
サイド、メチルフェニルグリオキシレート、9,10−
フェナンスレンキノン、4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン等が挙げられる。これらの光重合開始剤の中では、ベ
ンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ベンゾイルイソプロピルエーテル、
4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒド
ロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンが好適に用い
られ、特に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ンとオクテン酸コバルトとの組み合わせにおいて、効果
がある。
【0019】光重合開始剤の助剤としては、トリエタノ
ールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4’−
ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、
4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチ
ルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−
ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−
ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオ
キサンソン等を併用することも可能である。
【0020】エチレン性不飽和モノマーとしては、ビニ
ルモノマー又は(メタ)アクリル系モノマーがあり、ビ
ニルモノマーとしてはスチレンモノマー、ビニルトルエ
ン、酢酸ビニルを挙げることができ、(メタ)アクリル
系モノマーとしてはメタクリル酸メチル、モノホリンア
クリレート、フェノキシジエチレングリコールモノアク
リレート、トリプロピレングリコールモノアクリレー
ト、ジプロピレングリコールモノアクリレート等を挙げ
ることができる。
【0021】かかる薬剤の配合比については特に限定さ
れないが、本発明の効果を効率よく得るためには、配合
重量比が不飽和ポリエステル樹脂(固形分)100重量
部に対して、有機過酸化物が0.1〜5重量部、好まし
くは1〜3重量部、有機カルボン酸金属塩が0.3〜
1.0重量部、好ましくは0.4〜0.6重量部、光重
合開始剤が2〜4重量部、好ましくは2〜3重量部、エ
チレン性不飽和モノマーが10〜40重量部、好ましく
は20〜30重量部の範囲から選択される。かかる範囲
の下限よりも使用量が少ないと研磨性が悪く、硬化性も
遅く、逆に多いと粘度が高くなって作業性が低下する。
【0022】又、上記以外にも通常研磨剤が併用され
る。研磨剤としては代表的には、ステアリン酸亜鉛が挙
げられ、その他タルク、シリカ、炭酸カルシウム等が例
示される。研磨剤を使用する場合、その使用量は不飽和
ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.5〜10
重量部が適当である。
【0023】かかる配合で得られた不飽和ポリエステル
樹脂塗料を基材に塗布した後、まず常温又は加熱により
塗膜の内部硬化が行われる。塗膜の厚さは300〜40
0μm程度が実用的であり、硬化温度は20〜40℃、
硬化時間は30〜60分が適当である。内部硬化の程度
は塗膜の表面を指触して液体分が指に付着しない程度で
充分であり、次いで活性エネルギー線を照射する。照射
は光重合開始剤を活性化させる方法であれば特に限定さ
れず、遠紫外部、紫外部、近紫外部、赤外部の光線、X
線、γ線等の電磁波や電子線、プロトン線、中性子線な
どの活性エネルギー線を照射して硬化させる方法等が挙
げられるが、放射線照射装置の入手のし易さ、価格等か
ら、紫外線照射による硬化方法が有利で、該紫外線とは
150〜450nm波長域の光を主体としたもので、高
圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、ケミカルランプ等を用いて照射する方法が挙げられ
る。かくして得られた本発明のポリエステル樹脂塗膜は
研磨され上塗り塗料が塗布され製品化される。
【0024】本発明を実施するための基材は、合成樹
脂、金属、木材など特に限定されるものではないが、木
質基材を使用するのが好ましく、木質基材としては、木
材、合板、ファイバーボード、パーティクルボード、ウ
ェファーボード等の木質ボード、積層合板、ポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どの合成樹脂又は紙貼り合板、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂
又は紙貼りファイバーボード、転写印刷合板、転写印刷
ファイバーボード等を挙げることができる。特に木質基
材を対象とする場合、その平衡含水率を3〜20重量%
及び気乾密度を0.30〜1.00g/cm3 に調整し
ておくと、硬化時の基材の反り、曲がり、割れ等が防止
でき、その変形が抑制可能となる。具体的な木材として
は、ヒノキ、ネズコ、ヒバ、マツ、ツガ、スギ、セン、
シラカバ、ブナ、ミズナラ、アガチス、オーク、メルク
シマツ、ラジアータパイン、アピトン、ライトレッドメ
ランチ、コクタン、ゴムラミン、ニヤトー、チーク等が
例示できる。
【0025】本発明の方法は、種々の技術分野で実施可
能であり、各種基材用のコーティング剤(すなわち、塗
料)、パテ・シーリング剤、接着剤等に幅広く利用する
ことができ、その用途により、本発明の効果を阻害しな
い範囲において、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑
剤、顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレ
ッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラッ
ク、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハ
ンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーンな
ど)、充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タ
ルク、マイカ、アルミナ、アスベスト粉、微粉シリカ、
硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、
パーライトなど)、レベリング剤(シリコーン、セルロ
ースアセテートブチレート、界面活性剤など)、安定
剤、熱可塑性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン
等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ナイ
ロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、塩
化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリ
デン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、
スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル
系樹脂など)、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維など)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸など)、艶
消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックスなど)等を配
合することも可能である。
【0026】又、希釈剤として、スチレン、酢酸エチ
ル、トルエン、キシレン、ブタノール、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、セロソルブ
類、ジアセトンアルコール、アクリル酸エステル、アル
キルビニルケトン等が使用される。
【0027】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではな
い。なお、製造例、実施例及び比較例中「%」及び
「部」とあるのは、特にことわりのない限り重量基準を
表す。
【0028】以下の要領で不飽和ポリエステル樹脂を製
造した。 (製造例1)攪拌機、精留塔、窒素導入管、真空装置を
付した反応器に、ジシクロペンタジエン0.15モル、
フマル酸1モル及び酢酸コバルトを50ppm仕込ん
で、150℃で2時間付加反応を行った後、エチレング
リコール0.3モル、ジエチレングリコール0.7モル
を仕込み、更にキシレン3%およびハイドロキノン(重
合禁止剤)0.02%を仕込み(仕込量はいずれも縮合
成分全量に対し)、窒素ガスを吹き込みながら210℃
で5時間縮合反応を行った後、5〜50mmHg、15
0℃で1時間反応を続け、キシレンを留去し、酸価15
KOHmg/g、重量平均分子量10000の不飽和ポ
リエステル樹脂を得、スチレンで希釈して固形分濃度7
0%の樹脂溶液(A−I)とした。
【0029】(製造例2)攪拌機、精留塔、窒素導入
管、真空装置を付した反応器に、トリメチロールプロパ
ンジアリルエーテル0.2モル、マレイン酸1モル、エ
チレングリコール0.6モル、ジエチレングリコール
0.6モルを仕込み、更にキシレン3%およびハイドロ
キノン(重合禁止剤)0.02%を仕込み(仕込量はい
ずれも縮合成分全量に対し)、窒素ガスを吹き込みなが
ら200℃で5時間縮合反応を行った後、5〜50mm
Hg、150℃で1時間反応を続け、キシレンを留去
し、酸価12KOHmg/g、重量平均分子量9000
の不飽和ポリエステル樹脂を得、スチレンで希釈して固
形分濃度70%の樹脂溶液(A−II)とした。
【0030】(製造例3)製造例1において、ジシクロ
ペンタジエンを0.25モルとし、ジエチレングリコー
ルを0.45モルとし、更にプロピレングリコールを
0.2モル添加した以外は同様に行って、酸価10KO
Hmg/g、重量平均分子量8000の不飽和ポリエス
テル樹脂を得、スチレンで希釈して固形分濃度70%の
樹脂溶液(A−III)とした。
【0031】(製造例4)攪拌機、精留塔、窒素導入
管、真空装置を付した反応器に、ペンタエリスリトール
トリアリルエーテル0.15モル、マレイン酸0.8モ
ル、フタル酸0.2モル、エチレングリコール1モル、
ジエチレングリコール0.2モルを仕込み、更にキシレ
ン3%およびハイドロキノン(重合禁止剤)0.02%
を仕込み(仕込量はいずれも縮合成分全量に対し)、窒
素ガスを吹き込みながら200℃で5時間縮合反応を行
った後、5〜50mmHg、150℃で1時間反応を続
け、キシレンを留去し、酸価10KOHmg/g、重量
平均分子量8000の不飽和ポリエステル樹脂を得、ス
チレンで希釈して固形分濃度70%の樹脂溶液(A−I
V)とした。
【0032】(製造例5)製造例1において、ジシクロ
ペンタジエンを0.25モルとし、ジエチレングリコー
ル0.45モルとし、更にプロピレングリコールを0.
3モル添加した以外は同様に行って、酸価10KOHm
g/g、重量平均分子量8000の不飽和ポリエステル
樹脂を得、スチレンで希釈して固形分濃度70%の樹脂
溶液(A−V)とした。
【0033】(製造例6)製造例1において得られた、
酸価15KOHmg/g、重量平均分子量10000の
不飽和ポリエステル樹脂をビニルトルエンで希釈して固
形分濃度70%の樹脂溶液(A−VI)とした。
【0034】(製造例7)製造例1において得られた、
酸価15KOHmg/g、重量平均分子量10000の
不飽和ポリエステル樹脂をメチルメタアクリレート(M
MA)で希釈して固形分濃度70%の樹脂溶液(A−V
II)とした。
【0035】上記製造例において製造した不飽和ポリエ
ステル樹脂A−I〜A−VIIを塗料として用い、その
性能を、研磨性、透明性、研磨粉の耐発火性、密着性、
着色性、耐光性、木材の変形、について評価した。その
評価基準は以下のとおりである。
【0036】(研磨性)実施例または比較例において、
得られた塗膜を#400ペーパーにて手研磨し、次の5
段階で評価した、但し、各段階の間にある場合は、中間
の数値で評価した。 10:研磨性が非常に優れている。 8:研磨性が優れている。 5:研磨性が普通である。 3:研磨性が劣っている。 1:研磨性が非常に劣っている。
【0037】(透明性)実施例または比較例において、
得られた塗膜を目視にて判定し、次の5段階で評価し
た、但し、各段階の間にある場合は、中間の数値で評価
した。なお、木材(主として一般家具)の透明塗装にお
ける実用範囲は、経験的に評価5以上と考えられてい
る。 10:透明性が非常に優れている。 8:透明性が優れている。 5:透明性が普通である。 3:透明性が劣っている。 1:透明性が非常に劣っている。
【0038】(研磨粉の耐発火性)実施例または比較例
において、得られた塗膜についてDSCによる研磨粉の
発熱開始温度及び発熱量の測定を行い、次の3段階で評
価した。 ◎:発熱開始温度70℃以上。 ○:発熱開始温度60℃以上。 △:発熱開始温度40℃以下。
【0039】(密着性)実施例または比較例において、
得られた塗膜についてクロスカット法(2mm幅、25
升)にて試験を行い、次の3段階で評価した。 ◎:25/25 ○:20/25〜24/25 △:19/25以下
【0040】(着色性)実施例または比較例において得
られた塗膜について、硬化終了後、24時間放置した塗
膜とメラミン板とのΔEを日本電色工業株式会社製の色
差計SZ−Σ80にて測定した。数値が小さいほど着色
が少ないことを示す。
【0041】(耐光性)実施例または比較例において得
られた塗膜について、硬化終了後、24時間放置した
後、更に水銀灯(出力400W、照射距離30cm)に
て24時間紫外線照射を行い、前記の機器を用いて紫外
線照射前後のΔEを測定した。数値が小さいほど耐光性
が良いことを示す。
【0042】(木材の変形)実施例又は比較例におい
て、得られた塗装板を目視にて判定し、次の3段階で評
価した。 ○:塗装板の変形が全くない。 △:塗装板の変形がほとんどない。 ×:塗装板の変形が顕著である。
【0043】(実施例1)製造例1で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−I)80部にスチレン20部、メチル
エチルケトンパーオキサイド(純分50%)2部、オク
テン酸コバルト(メタル分8%)0.6部、ベンジルメ
チルケタール3部を添加したものを塗料ベースとして用
意し、そのベースに対してステアリン酸亜鉛0部、2.
5部、5部、7.5部、10部をそれぞれ添加した5種
の不飽和ポリエステル樹脂塗料を得た。基材としてウレ
タンシーラーを予め塗布した突き板合板(オーク材、3
0cm×30cm、厚み5.5mm)に、該塗料をスプ
レー法にて300g/m2 塗布した後、室温(20℃)
で30分間放置し、更に40℃のオーブンに20分間入
れ内部硬化を行った。指触で半硬化状態を確認した後、
塗装板を高圧水銀灯(80W/cm)1灯を点灯下の
1.5m/minのベルトコンベア上に乗せ通過させ、
完全硬化して膜厚250μmの塗膜を得た。得られた塗
膜の特性は表1に示したように、塗膜を熱硬化法および
紫外線硬化法を併用して硬化させた場合、それぞれの硬
化法を単独で採用した場合に比べて、研磨性と透明性の
両者のバランスがとれた硬化塗膜が得られた。また、耐
発火性や密着性も向上した。
【0044】(比較例1)実施例1の処理において、熱
による硬化のみを行い、紫外線硬化を行わなかったもの
を、比較例1とした。
【0045】(比較例2)実施例1の処理において、紫
外線硬化のみを行い、熱による硬化を行わなかったもの
を、比較例2とした。
【0046】
【表1】
【0047】(実施例2)製造例2で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−II)を用いて、実施例1と同様の操
作により塗膜を得たが、その特性は実施例1のものと同
様であった。
【0048】(実施例3)製造例3で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−III)を用いて、実施例1と同様の
操作により塗膜を得たが、その特性は実施例1のものと
同様であった。
【0049】(実施例4)製造例4で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−IV)を用いて、実施例1と同様の操
作により塗膜を得たが、その特性は実施例1のものと同
様であった。
【0050】(実施例5)製造例1で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−I)80部にスチレン20部、メチル
エチルケトンパーオキサイド(純分55%)2部、オク
テン酸コバルト(メタル分8%)0.4部、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン1.5部を添加した
ものを塗料ベースとして用意し、そのベースに対して研
磨剤(ステアリン酸亜鉛)0部、2.5部、5部、7.
5部、10部をそれぞれ添加した5種の不飽和ポリエス
テル樹脂塗料を得た。基材としてウレタンシーラーを予
め塗布したメラミン板(白色、30cm×30cm、厚
み5.5mm)に、該塗料をスプレー法にて300g/
2 塗布した後、室温(25℃)で60分間放置し、内
部硬化を行った。指触で半硬化状態を確認した後、塗装
板を高圧水銀灯(80W/cm)1灯を点灯下の1.5
m/minのベルトコンベア上に乗せ通過させ、完全硬
化して膜厚250μmの塗膜を得た。得られた塗膜の特
性は表2に示したように、ヒドロキシル基含有フェニル
ケトン系化合物を光重合開始剤として使用することによ
り、研磨性と透明性のバランスに加えて、着色性と耐光
性も合わせて向上した塗膜が得られた。
【0051】(比較例3)実施例5の処理において、常
温による硬化のみを行い、紫外線硬化を行わなかったも
のを、比較例3とした。
【0052】(比較例4)実施例5の処理において、紫
外線硬化のみを行い、常温による硬化を行わなかったも
のを、比較例4とした。
【0053】
【表2】
【0054】(実施例6)製造例2で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−II)を用いて、実施例5と同様の操
作により塗膜を得た。得られた塗膜の特性を表3に示し
た。
【0055】(比較例5)実施例6の処理において、常
温による硬化のみを行い、紫外線硬化を行わなかったも
のを、比較例5とした。
【0056】(比較例6)実施例6の処理において、紫
外線硬化のみを行い、常温による硬化を行わなかったも
のを、比較例6とした。
【0057】
【表3】
【0058】(実施例7)製造例3で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−III)を用いて、実施例5と同様の
操作により塗膜を得た。得られた塗膜の特性を表4に示
した。
【0059】(比較例7)実施例7の処理において、常
温による硬化のみを行い、紫外線硬化を行わなかったも
のを、比較例7とした。
【0060】(比較例8)実施例7の処理において、紫
外線硬化のみを行い、常温による硬化を行わなかったも
のを、比較例8とした。
【0061】
【表4】
【0062】(実施例8)製造例5で得た不飽和ポリエ
ステル樹脂(A−V)を用いて、実施例5と同様の操作
により塗膜を得た。得られた塗膜の特性を表5に示し
た。
【0063】(比較例9)実施例8の処理において、常
温による硬化のみを行い、紫外線硬化を行わなかったも
のを、比較例9とした。
【0064】(比較例10)実施例8の処理において、
紫外線硬化のみを行い、常温による硬化を行わなかった
ものを、比較例10とした。
【0065】
【表5】
【0066】(実施例9)製造例6において得られた不
飽和ポリエステル樹脂(A−VI)80部に、実施例1
におけるスチレン20部の代わりにビニルトルエン20
部を添加した以外は、同様の操作を行い、完全硬化して
膜厚250μmの塗膜を得た。得られた塗膜の特性は、
表6に示した。
【0067】(実施例10)製造例7において得られた
不飽和ポリエステル樹脂(A−VII)80部に、実施
例1におけるスチレン20部の代わりにメチルメタアク
リレート(MMA)20部を添加した以外は、同様の操
作を行い、完全硬化して膜厚250μmの塗膜を得た。
得られた塗膜の特性は、表6に示した。
【0068】
【表6】
【0069】(実施例11)製造例1で得た不飽和ポリ
エステル樹脂(A−I)80部にスチレン18部、メチ
ルエチルケトンパーオキサイド(純分50%)2.5
部、オクテン酸コバルト(メタル分8%)0.6部、ベ
ンジルメチルケタール3部を添加したものを塗料ベース
として用意し、そのベースに対してステアリン酸亜鉛
2.5部、5部、7.5部、10部をそれぞれ添加した
4種の不飽和ポリエステル樹脂塗料を得た。基材として
ウレタンシーラーを予め塗布した突き板合板(オーク
材、30cm×30cm、厚み5.5mm、平衡含水率
15%、気乾密度0.55g/cm3)に、該塗料をス
プレー法にて300g/m2 塗布した後、室温(20
℃)で30分間放置し、更に40℃のオーブンに20分
間入れ内部硬化を行った。指触で半硬化状態を確認した
後、塗装板を高圧水銀灯(80W/cm)1灯を点灯下
の1.5m/minのベルトコンベア上に乗せ通過さ
せ、完全硬化して膜厚250μmの塗膜を得た。得られ
た塗膜の特性は表7に示したように、研磨性、透明性の
バランスに優れているうえ、木質基材の変形も全くなか
った。
【0070】(比較例11)実施例11の処理におい
て、熱による硬化のみを行い、紫外線硬化を行わなかっ
たものを、比較例11とした。
【0071】(比較例12)実施例11の処理におい
て、焼き付け硬化のみを行ったものを、比較例12とし
た。焼き付け硬化とは、120〜150℃で20分間硬
化させることである。
【0072】
【表7】
【0073】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂塗膜の
硬化方法は、研磨性と透明性のバランスが高い実現性の
範囲で維持され、研磨時に発生する粉塵の発火防止並び
に光重合開始剤の選択によっては、更に塗膜の着色性防
止に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 達則 大阪府茨木市室山2丁目13番1号 日本合 成化学工業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4D075 AA01 BB27Y BB42Z BB46Z BB47Z BB48Z CA13 CA18 CA50 CB06 DB23 DB36 DB38 DB50 DC03 DC38 EA07 EB19 EB20 EB22 EB38 EC11 EC37 EC60 4J038 DD181 FA071 FA261 HA286 HA446 HA536 JA32 JA43 JA66 KA03 NA01 NA23 NA27 PA17 PC02 PC06 PC08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機過酸化物、カルボン酸金属塩及び光重
    合開始剤を含有してなる不飽和ポリエステル樹脂塗料を
    基材に塗布した後、塗膜を常温又は加熱下に内部硬化さ
    せ、次いで活性エネルギー線を照射して表面硬化させる
    ことを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂塗膜の硬化方
    法。
  2. 【請求項2】有機過酸化物、カルボン酸金属塩、光重合
    開始剤及び研磨剤を含有してなる不飽和ポリエステル樹
    脂塗料を基材に塗布した後、塗膜を常温又は加熱下に内
    部硬化させ、次いで活性エネルギー線を照射して表面硬
    化させることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂塗膜
    の硬化方法。
  3. 【請求項3】有機過酸化物、カルボン酸金属塩、光重合
    開始剤及びエチレン性不飽和モノマーを含有してなる不
    飽和ポリエステル樹脂塗料を基材に塗布した後、塗膜を
    常温又は加熱下に内部硬化させ、次いで活性エネルギー
    線を照射して表面硬化させることを特徴とする不飽和ポ
    リエステル樹脂塗膜の硬化方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカ
    ルボン酸金属塩が、高級脂肪酸コバルト塩であることを
    特徴とする不飽和ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の高級脂肪酸コバルト塩
    が、オクテン酸コバルトであることを特徴とする不飽和
    ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光
    重合開始剤が、ヒドロキシル基含有フェニルケトン系化
    合物であることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂塗
    膜の硬化方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のヒドロキシル基含有フェ
    ニルケトン系化合物が、1−ヒドロキシシクロヘキシル
    フェニルケトンであることを特徴とする不飽和ポリエス
    テル樹脂塗膜の硬化方法。
  8. 【請求項8】請求項3に記載のエチレン性不飽和モノマ
    ーが、ビニルモノマー又は(メタ)アクリル系モノマー
    から選ばれたモノマーであることを特徴とする不飽和ポ
    リエステル樹脂塗膜の硬化方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれか1項に記載の基
    材が、木質基材であることを特徴とする不飽和ポリエス
    テル樹脂塗膜の硬化方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の木質基材の平衡含水率
    が3乃至20重量%であり、且つ気乾密度が0.30乃
    至1.00g/cm3 であることを特徴とする不飽和ポ
    リエステル樹脂塗膜の硬化方法。
  11. 【請求項11】請求項1乃至10のいずれか1項に記載
    の活性エネルギー線が紫外線であることを特徴とする不
    飽和ポリエステル樹脂塗膜の硬化方法。
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