JP2000138471A - 電子機器システムおよび電子機器の機能を拡張する際に用いる拡張装置 - Google Patents

電子機器システムおよび電子機器の機能を拡張する際に用いる拡張装置

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JP2000138471A
JP2000138471A JP10310681A JP31068198A JP2000138471A JP 2000138471 A JP2000138471 A JP 2000138471A JP 10310681 A JP10310681 A JP 10310681A JP 31068198 A JP31068198 A JP 31068198A JP 2000138471 A JP2000138471 A JP 2000138471A
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rear wall
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Mitsuyoshi Tanimoto
光良 谷本
Hiroshi Nakamura
博 中村
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電子機器の固定作業を簡単に行な
え、しかも、第1および第2の拡張コネクタの損傷を防
止できる電子機器システムの提供を目的とする。 【解決手段】電子機器システムは、電子機器1 と;電子
機器の機能を拡張する拡張装置2 と;を備えている。拡
張装置は、電子機器の底壁が載置される載置部21と、電
子機器の第1の拡張コネクタ8 が嵌合される第2の拡張
コネクタ23と、電子機器の後壁と向かい合う起立部22と
を有し、起立部は、コネクタ相互が嵌合された時に後壁
に連結される連結機構30,31 を有する。連結機構は、後
壁に接離する方向に移動可能なスライド部材32と、電子
機器の係合孔10a,10b に挿入される第1の位置で360
°未満の角度範囲に亘って回動させることにより後壁に
引っ掛かるロックピン33と、ロックピンが後壁に引っ掛
かる方向に回動された時にスライド部材を電子機器に向
けて進出させるカム49と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポータブルコンピ
ュータのような携帯が可能な電子機器と、この電子機器
の機能を拡張する際に用いる拡張装置とを備えている電
子機器システム、および電子機器にプリンタのような外
部周辺機器を接続する際に用いる拡張装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポータブルコンピュータあるいはモバイ
ルコンピュータと呼ばれる移動体情報端末機器に代表さ
れる電子機器は、近年、機器本体の薄型化が強化され、
バッグ等に収納して手軽に持ち運べるようになってい
る。
【0003】ところが、機器本体が薄くコンパクトに形
成される程、外部周辺機器を接続するコネクタの設置場
所や、フロッピーディスク駆動装置あるいはCD-ROM駆動
装置等を収容するスペースが機器本体の内部から失われ
てしまう。このため、最近のコンパクトなポータブルコ
ンピュータは、機器本体の底壁あるいは後壁に第1の拡
張コネクタを装備しており、この第1の拡張コネクタを
ポートリプリケータあるいは拡張アダプタと称する拡張
装置に接続することで、据え置き形のコンピュータと比
較しても見劣りしないような拡張性を確保し得るように
なっている。
【0004】この種の拡張装置は、卓上に置かれる偏平
な本体を有している。この本体は、ポータブルコンピュ
ータの後端部が載置される載置部と、この載置部から上
向きに延出されて、ポータブルコンピュータの後壁と向
かい合う起立部とを有している。そして、この本体の起
立部の背面や載置部の側面に、外部キーボード、外部デ
ィスプレイあるいはプリンタのような各種の外部周辺機
器を接続するための複数のコネクタが配置されていると
ともに、上記載置部の上面又は起立部の前面に上記第1
の拡張コネクタが取り外し可能に嵌合される第2の拡張
コネクタが配置されている。
【0005】そのため、ポータブルコンピュータの機能
を拡張するに当って、ユーザがポータブルコンピュータ
の後端部を拡張装置の載置部に載せると、第1の拡張コ
ネクタと第2の拡張コネクタとが互いに嵌合し合い、こ
れら第1および第2の拡張コネクタを介してポータブル
コンピュータと拡張装置とが電気的に接続されるように
なっている。
【0006】また、従来の拡張装置は、ポータブルコン
ピュータを固定するための一対のロックねじを有してい
る。ロックねじは、上記起立部の左右両端部に配置され
ており、これらロックねじの先端部がポータブルコンピ
ュータの後壁に開けたねじ孔と向かい合うようになって
いる。
【0007】したがって、第1の拡張コネクタと第2の
拡張コネクタとを互いに嵌合させた後に、ロックねじの
摘みを掴んで回転させると、ロックねじがポータブルコ
ンピュータのねじ孔にねじ込まれてゆき、ポータブルコ
ンピュータと拡張装置とが分離不能に結合される。この
結果、ポータブルコンピュータと拡張装置との位置関係
が一定に保たれ、第1の拡張コネクタと第2の拡張コネ
クタとの嵌合状態が維持されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の拡張装置による
と、ポータブルコンピュータをがたつくことなく確実に
結合するためには、ねじ孔に対するロックねじのねじ込
み深さを充分に確保する必要がある。
【0009】ところが、このねじ込み深さを確保するに
は、ロックねじを少なくとも複数回回転させなくてはな
らず、ユーザは、ロックねじを1回転させる毎にその摘
みを掴み直さねばならない。そのため、ロックねじの締
め付け作業に煩わしさを感じることがあり、これが原因
でロックねじによるポータブルコンピュータの結合作業
を怠ることがあり得る。
【0010】また、ロックねじによる結合作業を怠った
場合でも、ポータブルコンピュータは、第1および第2
の拡張コネクタの嵌合力によって拡張装置に電気的に接
続された状態に保たれるので、ポータブルコンピュータ
は使用可能な状態にある。したがって、使用中にポータ
ブルコンピュータを不用意に持ち上げたり、あるいはポ
ータブルコンピュータや拡張装置に外部から振動および
衝撃が加わるようなことがあると、第1の拡張コネクタ
と第2の拡張コネクタとの嵌合が外れてしまい、大切な
情報が消去されたり、これら第1および第2のコネクタ
の嵌合部に無理な力が作用して、これらコネクタが破損
するといった問題が生じてくる。
【0011】本発明は、このような事情にもとづいてな
されたもので、電子機器の結合作業を簡単に行なうこと
ができるとともに、第1の拡張コネクタと第2の拡張コ
ネクタとの嵌合部分に生じる寸法誤差を吸収することが
でき、これら拡張コネクタの破損を未然に防止できる電
子機器システムおよび電子機器の機能を拡張する際に用
いる拡張装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る本発明の電子機器システムは、第1
の拡張コネクタが配置された底壁と、係合孔が開口され
た後壁と、を有する電子機器と;この電子機器に取り外
し可能に接続され、電子機器の機能を拡張するための拡
張装置と;を備えている。そして、上記拡張装置は、電
子機器の底壁が取り外し可能に載置される載置部と、こ
の載置部に配置され、上記第1の拡張コネクタが上下方
向に取り外し可能に嵌合される第2の拡張コネクタと、
上記載置部に載置された電子機器の後壁と向かい合う起
立部とを有し、この起立部は、上記第1の拡張コネクタ
と第2の拡張コネクタとが互いに嵌合された状態におい
て上記電子機器の後壁に取り外し可能に連結される連結
手段を有している。この連結手段は、上記起立部に支持
され、電子機器の後壁に接離する方向に移動可能なスラ
イド部材と、上記電子機器の係合孔に挿入される第1の
位置と、この係合孔から離脱される第2の位置とに亘っ
て移動可能に上記スライド部材に支持され、上記第1の
位置に移動させた状態で360°未満の角度範囲に亘っ
て回動させることにより上記電子機器の後壁に引っ掛か
るロックピンと、このロックピンの回動運動を直線運動
に変換して上記スライド部材に伝達し、上記ロックピン
が後壁に引っ掛かる方向に回動された時に上記スライド
部材を電子機器に向けて進出させてその後壁に当接させ
る変換手段と、を備えていることを特徴としている。
【0013】また、上記目的を達成するため、請求項7
に係る本発明の拡張装置は、第1の拡張コネクタが配置
された底壁と、係合孔が開口された後壁とを有する電子
機器が載置される本体と;この本体に配置され、上記電
子機器の第1の拡張コネクタが上下方向に取り外し可能
に嵌合される第2の拡張コネクタと;上記本体から延出
され、上記電子機器の後壁と向かい合う起立部と;この
起立部に設置され、上記第1の拡張コネクタと第2の拡
張コネクタとが互いに嵌合された状態において上記電子
機器の後壁に取り外し可能に連結される連結手段と;を
備えている。
【0014】そして、上記連結手段は、上記起立部に支
持され、電子機器の後壁に接離する方向に移動可能なス
ライド部材と、上記電子機器の係合孔に挿入される第1
の位置と、この係合孔から離脱される第2の位置とに亘
って移動可能に上記スライド部材に支持され、上記第1
の位置に移動させた状態で360°未満の角度範囲に亘
って回動させることにより上記電子機器の後壁に引っ掛
かるロックピンと、このロックピンの回動運動を直線運
動に変換して上記スライド部材に伝達し、上記ロックピ
ンが後壁に引っ掛かる方向に回動された時に上記スライ
ド部材を電子機器に向けて進出させてその後壁に当接さ
せる変換手段と、を備えていることを特徴としている。
【0015】このような構成において、電子機器を拡張
装置に載置すると、第1の拡張コネクタと第2の拡張コ
ネクタとが上下方向から互いに嵌合し合い、電子機器と
拡張装置とが電気的に接続される。それとともに、電子
機器の後壁が拡張装置の起立部と向かい合い、この後壁
の係合孔の延長線上に連結手段のロックピンが位置され
る。
【0016】この状態でロックピンを第2の位置から第
1の位置に向けて押圧すると、このロックピンの先端が
係合孔に挿入されるとともに、スライド部材も電子機器
に向けて押し込まれる。次に、ロックピンを360°未
満の角度範囲に亘って回動させると、このロックピンの
先端が電子機器の後壁に引っ掛かるとともに、このロッ
クピンの回動運動が直線運動に変換されてスライド部材
に伝えられ、このスライド部材が電子機器の後壁に向け
て進出する。これにより、スライド部材が電子機器の後
壁に突き当たり、この後壁を上記ロックピンの先端と協
働して挟み込む。この結果、電子機器は拡張装置に対し
上下方向に移動不能にロックされることになり、第1の
拡張コネクタと第2の拡張コネクタとの嵌合状態が維持
される。
【0017】この際、電子機器の後壁に引っ掛かるロッ
クピンの回動角度は、360°未満であることから、ユ
ーザは、ロックピンを持ち替えることなく一回の連続し
た操作で回動を終了させることができる。しかも、スラ
イド部材はロック部材の回動に連動して電子機器の方向
に進出するので、このスライド部材を進出させるための
専用の操作は一切不要であり、ロックピンを一回回動さ
せるだけの単純な操作で電子機器をロックすることがで
きる。
【0018】また、電子機器の後壁に突き当たるスライ
ド部材は、第1および第2の拡張コネクタの嵌合方向と
は直交する前後方向に移動可能であるから、これら拡張
コネクタの嵌合部分に前後方向への寸法誤差が生じたと
しても、この誤差分を上記スライド部材の移動により吸
収することができる。そのため、電子機器をロックした
時に、第1および第2の拡張コネクタの嵌合部分に無理
な力が加わることはなく、これら拡張コネクタの損傷を
未然に防止することができる。
【0019】上記目的を達成するため、請求項2に係る
本発明の電子機器システムは、第1の拡張コネクタが配
置されるとともに、係合孔が開口された後壁を有する電
子機器と;この電子機器に取り外し可能に接続され、電
子機器の機能を拡張するための拡張装置と;を備えてい
る。そして、上記拡張装置は、上記電子機器を接続した
時にその後壁と向かい合うコネクタ支持部と、このコネ
クタ支持部に配置され、上記第1の拡張コネクタが前後
方向に取り外し可能に嵌合される第2の拡張コネクタ
と、上記第1の拡張コネクタと第2の拡張コネクタとが
互いに嵌合された状態において電子機器の後壁に取り外
し可能に連結される連結手段と、を含み、この連結手段
は、上記電子機器の後壁に接離する方向に移動可能に、
かつ上記第1および第2の拡張コネクタの嵌合方向とは
直交する電子機器の幅方向に移動可能に上記コネクタ支
持部に支持されたスライド部材と、上記電子機器の係合
孔に挿入される第1の位置と、この係合孔から離脱され
る第2の位置とに亘って移動可能に上記スライド部材に
支持され、上記第1の位置に移動させた状態で360°
未満の角度範囲に亘って回動させることにより上記電子
機器の後壁に引っ掛かるロックピンと、このロックピン
の回動運動を直線運動に変換して上記スライド部材に伝
達し、上記ロックピンが後壁に引っ掛かる方向に回動さ
れた時に上記スライド部材を電子機器に向けて進出させ
てその後壁に当接させる変換手段と、を備えていること
を特徴としている。
【0020】また、上記目的を達成するため、請求項8
に係る本発明の拡張装置は、第1の拡張コネクタが配置
されるとともに、係合孔が開口された後壁を有する電子
機器が取り外し可能に接続される本体と;この本体に設
置され、上記電子機器の後壁と向かい合うコネクタ支持
部と;このコネクタ支持部に配置され、上記第1の拡張
コネクタが前後方向に取り外し可能に嵌合される第2の
拡張コネクタと;上記コネクタ支持部に配置され、第1
の拡張コネクタと第2の拡張コネクタとが互いに嵌合さ
れた状態において電子機器の後壁に取り外し可能に連結
される連結手段と;を備えている。そして、上記連結手
段は、上記電子機器の後壁に接離する方向に移動可能
に、かつ上記第1および第2の拡張コネクタの嵌合方向
とは直交する電子機器の幅方向に移動可能に上記コネク
タ支持部に支持されたスライド部材と、上記電子機器の
係合孔に挿入される第1の位置と、この係合孔から離脱
される第2の位置とに亘って移動可能に上記スライド部
材に支持され、上記第1の位置に移動させた状態で36
0°未満の角度範囲に亘って回動させることにより上記
電子機器の後壁に引っ掛かるロックピンと、このロック
ピンの回動運動を直線運動に変換して上記スライド部材
に伝達し、上記ロックピンが後壁に引っ掛かる方向に回
動された時に上記スライド部材を電子機器に向けて進出
させてその後壁に当接させる変換手段と、を備えている
ことを特徴としている。
【0021】このような構成において、電子機器の後壁
を拡張装置のコネクタ支持部に突き合わせると、第1の
拡張コネクタと第2の拡張コネクタとが前後方向から互
いに嵌合し合い、電子機器と拡張装置とが電気的に接続
される。それとともに、電子機器の後壁がコネクタ支持
部と向かい合い、この後壁の係合孔の延長線上に連結手
段のロックピンが位置される。
【0022】この状態でロックピンを第2の位置から第
1の位置に向けて押圧すると、このロックピンの先端が
係合孔に挿入される。引き続いてロックピンを360°
未満の角度範囲に亘って回動させると、このロックピン
の先端が電子機器の後壁に引っ掛かるとともに、このロ
ックピンの回動運動が直線運動に変換されてスライド部
材に伝えられ、このスライド部材が電子機器の後壁に向
けて進出する。これにより、スライド部材が電子機器の
後壁に突き当たり、上記ロックピンの先端と協働して後
壁を挟み込む。この結果、電子機器は拡張装置に対し上
下方向に移動不能にロックされることになり、第1の拡
張コネクタと第2の拡張コネクタとの嵌合状態が維持さ
れる。
【0023】この際、電子機器の後壁に引っ掛かるロッ
クピンの回動角度は、360°未満であることから、ユ
ーザは、ロックピンを持ち替えることなく一回の連続し
た操作で回動を終了させることができる。しかも、スラ
イド部材はロック部材の回動に連動して電子機器の方向
に進出するので、このスライド部材を進出させるための
専用の操作は一切不要であり、ロックピンを一回回動さ
せるだけの単純な操作で電子機器をロックすることがで
きる。
【0024】また、電子機器の後壁に突き当たるスライ
ド部材は、第1および第2の拡張コネクタの嵌合方向と
は直交する電子機器の幅方向に移動可能であるから、こ
れら拡張コネクタの嵌合部分に電子機器の幅方向への寸
法誤差が生じたとしても、この誤差分をスライド部材の
移動により吸収することができる。そのため、電子機器
をロックした時に、第1および第2の拡張コネクタの嵌
合部分に無理な力が加わることはなく、これら拡張コネ
クタの損傷を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態
を、図1ないし図8にもとづいて説明する。図1に示す
ように、電子機器システムは、電子機器としてのポータ
ブルコンピュータ1と、このポータブルコンピュータ1
の機能を拡張する装置としてのポートリプリケータ2と
を備えている。
【0026】ポータブルコンピュータ1は、機器本体3
と、この機器本体3に支持されたディスプレイユニット
4とで構成されている。機器本体3は、偏平な箱状をな
す筐体5を有している。筐体5は、底壁5aと、この底
壁5aの周縁から上向きに延びる左右の側壁5b,5
c、後壁5dおよび図示しない前壁を有し、この筐体5
の上部には、キーボード(図示せず)が配置されてい
る。
【0027】図5に示すように、筐体5の内部には、回
路基板7が収容されている。回路基板7は底壁5aと平
行に配置されており、この回路基板7の後端部の下面に
は、第1の拡張コネクタ8が実装されている。第1の拡
張コネクタ8は、筐体5の後壁5dの近傍において、こ
の筐体5dの幅方向に沿って延びている。
【0028】筐体5の底壁5aには、コネクタ導出口9
が開口されている。コネクタ導出口9は、第1の拡張コ
ネクタ8と向かい合っている。また、筐体5の後壁5d
は、一対の係合孔10a,10bを有している。係合孔
10a,10bは、筐体5の幅方向に互いに離間して配
置されている。
【0029】図3に最も良く示されるように、係合孔1
0a,10bは、円形の開口形状を有する主部11と、
この主部11の径方向に向かい合う二個所から径方向外
側に向けて延びる一対の延長部12a,12bとを有す
る長孔状をなしている。延長部12a,12bは、筐体
5の上下方向に沿って延びており、これら延長部12
a,12bの開口幅Lは、主部11の直径Dよりも小さ
く定められている。そして、係合孔10a,10bは、
延長部12a,12bを上下方向に向けた姿勢で後壁5
dに形成されている。
【0030】筐体5の後端部には、上向きに突出する一
対のディスプレイ支持部13a,13bが形成されてい
る。ディスプレイ支持部13a,13bは、筐体5の幅
方向に互いに離間して配置されており、これらディスプ
レイ支持部13a,13bの間に図示しないヒンジ装置
を介して上記ディスプレイユニット4が回動可能に支持
されている。
【0031】図1および図2に示すように、ポータブル
コンピュータ1の機能を拡張する際に用いるポートリプ
リケータ2は、机の天板等に置かれる本体20を有して
いる。本体20は、偏平な箱状をなす載置部21と、こ
の載置部21の後端部から上向きに突出された起立部2
2とを備えている。載置部21の上面は、起立部22の
前方に進むに従い下向きに傾斜された載置面21aをな
している。載置面21aは、その奥行き寸法が幅寸法よ
りも小さく定められた長方形状をなしており、この載置
面21aに上記筐体5の後端部が上方から載置されるよ
うになっている。
【0032】載置面21aには、第2の拡張コネクタ2
3が配置されている。第2の拡張コネクタ23は、ポー
タブルコンピュータ1の第1の拡張コネクタ8に対応す
るものであり、載置面21aの幅方向に沿って延びてい
る。
【0033】起立部22は、載置面21aの後端部から
垂直に立ち上がる起立壁24と、この起立壁24の上端
に連なる上壁25と、上壁25の後端から下向きに延び
る後壁26とを有する中空の箱状をなしている。そし
て、図2に示すように、後壁26には、例えばプリン
タ、外部ディスプレイ、外部キーボードあるいはマウス
のような外部周辺機器を接続するための複数のコネクタ
27が配置されている。これらコネクタ27は、第2の
拡張コネクタ23に電気的に接続されている。
【0034】そのため、筐体5の後端部を載置面21a
に載置すると、第1の拡張コネクタ8が上方から第2の
拡張コネクタ23に嵌まり込み、これらコネクタ8,2
3を介してポータブルコンピュータ1とポートリプリケ
ータ2とが電気的に接続される。また、図6に示すよう
に、起立部22の起立壁24は、筐体5の後壁5dと向
かい合った状態で位置され、これら起立壁24と後壁5
dとの間に筐体5や起立部22の寸法誤差を吸収するた
めの隙間28が形成されるようになっている。
【0035】ポートリプリケータ2は、ポータブルコン
ピュータ1を取り外し不能に結合するための連結機構3
0,31を有している。これら連結機構30,31は、
起立部22の両端部に配置されている。連結機構30,
31は、互いに同一の構成を有するため、一方の連結機
構30を代表して説明する。
【0036】図5ないし図7に示すように、連結機構3
0は、円筒状のスライド部材32と、このスライド部材
32に支持されたロックピン33とを備えている。スラ
イド部材32は、起立部22に開けたガイド孔34に軸
方向に摺動可能に嵌合されている。ガイド孔34は、起
立部22の起立壁24および後壁26に開口されてお
り、その軸線が本体20の前後方向に沿って延びてい
る。スライド部材32の前面は、ガイド孔34を通じて
起立部22の前方に露出されており、上記ポータブルコ
ンピュータ1の筐体5を載置面21aに載置した時に、
この筐体5の後壁5dと向かい合うようになっている。
そして、このスライド部材32の前面は、筐体5の後壁
5dに離脱可能に接する平坦な押圧面35となってい
る。
【0037】スライド部材32は、断面円形の貫通孔3
6を有している。貫通孔36は、スライド部材32の軸
線上に位置されている。この貫通孔36の内面には、係
合子としてのガイドピン37が突設されている。ガイド
ピン37は、貫通孔36の軸方向に沿う中間部におい
て、この貫通孔36の径方向内側に向けて突出されてい
る。
【0038】起立部22の起立壁24は、ガイド孔34
に連なる凹部38を有している。凹部38は、ガイド孔
34よりも大径に形成されており、この凹部38の底面
に上記ガイド孔34が開口されている。
【0039】上記ロックピン33は、円柱状のピン本体
40を有している。ピン本体40は、図2に示すよう
に、上記係合孔10a,10bの主部11に嵌合可能な
直径を有している。このピン本体40は、上記スライド
部材32の貫通孔36に挿通されているとともに、この
貫通孔36の内面に軸受41を介して支持されている。
そのため、ピン本体40は、上記スライド部材32の軸
方向にスライド可能であり、かつ軸回り方向にも回動可
能となっている。
【0040】ピン本体40の一端は、スライド部材32
の押圧面35から突出されている。このピン本体40の
一端には、図4に示すような円柱状の係合子42が取り
付けられている。係合子42は、ピン本体40と直交す
る方向に延びている。この係合子42は、ピン本体40
の径方向外側に向けて互いに逆向きに突出する一対の係
合部42a,42bを有し、これら係合部42a,42
bが上記係合孔10a,10bの延長部12a,12b
に取り外し可能に挿入されるようになっている。そのた
め、ロックピン33の一端は、略T字状に形成されてい
る。
【0041】ロックピン33は、そのピン本体40の一
端の係合子42が筐体5の係合孔10a,10bに挿入
される第1の位置と、この係合子42が係合孔10a,
10bの後方に引き出される第2の位置とに亘ってスラ
イド可能に上記起立部22に支持されている。そして、
ロックピン33が第1の位置にスライドされる状態にお
いては、ロックピン33の一端の係合子42は、その係
合部42a,42bを筐体5の係合孔10a,10bの
延長部12a,12bに位置合わせした姿勢に保持され
ている。この状態からロックピン33を軸回り方向に9
0°回動させると、係合子42の係合部42a,42b
が延長部12a,12bから外れ、筐体5の後壁5dの
内面と向かい合うようになっている。
【0042】ピン本体40の係合子42とは反対側の他
端は、起立部22の後方に突出されている。このピン本
体40の他端には、ロックレバー43が取り付けられて
いる。ロックレバー43は、ピン本体40の径方向に沿
う一方側に向けて延びている。
【0043】また、ピン本体40の他端には、円盤状の
ばね受け45が取り付けられている。ばね受け45は、
上記スライド部材32の後面と向かい合っており、これ
らばね受け45とスライド部材32の後面との間には、
圧縮コイルばね46が介在されている。そのため、ロッ
クピン33は、常に起立部22の後方に向けて付勢され
ており、そのピン本体40の一端の係合子42がスライ
ド部材32の押圧面35の直前に位置されている。
【0044】ピン本体40の外周面には、図8に示すよ
うな螺旋状のガイド羽根48が取り付けられている。ガ
イド羽根48は、ピン本体40の軸方向に沿う中央部に
位置されており、上記スライド部材32の貫通孔36内
に収容されている。このガイド羽根48は、上記ガイド
ピン37が摺動可能に接するカム面49を有し、このカ
ム面49はピン本体40の外周面に所定のピッチで一周
半程巻き付けられている。
【0045】そのため、ピン本体40を軸回り方向に9
0°回動させると、これに追従してガイド羽根48のカ
ム面49が一体に回動し、このカム面49に接している
ガイドピン37がピン本体40の軸方向に押圧される。
この押圧により、スライド部材32の押圧面35が凹部
38を通じて起立壁24の前方に進出するようになって
いる。
【0046】したがって、本実施形態の場合、カム面4
9を有するガイド羽根48は、カム面49に接するガイ
ドピン37と協働してロックピン33の回動運動を直線
運動に変換してスライド部材32に伝える変換手段を構
成している。そして、このカム面49のピッチは、ロッ
クピン33の回動角度に対してスライド部材32の進出
ストロークを充分に確保し得るように大きく設定されて
いる。
【0047】このような構成の電子機器システムにおい
て、ポータブルコンピュータ1の機能を拡張するに当っ
て、その筐体5をポートリプリケータ2の載置面21a
に載置すると、図5および図6に示すように、第1の拡
張コネクタ8が第2の拡張コネクタ23に対し上方から
嵌まり込み、これら第1および第2の拡張コネクタ8,
23を介してポータブルコンピュータ1とポートリプリ
ケータ2とが電気的に接続される。
【0048】なお、このポータブルコンピュータ1の接
続に先立ち、ポートリプリケータ2のスライド部材32
は、図5に示されるように、起立部22の後方に突出す
る方向に引き出されている。そのため、スライド部材3
2の押圧面35は、凹部38内に引っ込んでいるととも
に、ロックピン33の先端の係合子42も凹部38内に
格納されており、筐体5の後端部とスライド部材32な
らびに係合子42との干渉が回避されている。
【0049】第1および第2の拡張コネクタ8,23が
互いに嵌合されると、筐体5の係合孔10a,10bの
延長線上にロックピン33の一端の係合子42が位置さ
れる。この状態で、ロックレバー43を前方に向けて押
圧し、係合子42を有するロックピン33の一端を筐体
5の係合孔10a,10bに挿入する。この挿入によ
り、ピン本体40が係合孔10a,10bの主部11に
嵌まり込むとともに、係合子42が係合孔10a,10
bの延長部12a,12bを貫通して筐体5の後壁5d
の内側に入り込む。また、ピン本体40上のガイド羽根
48がガイドピン37に近づき、このガイド羽根48の
カム面49がガイドピン37に摺動可能に接触する。
【0050】引き続き、ロックレバー43を指先で掴ん
で90°倒すと、図7に示すように、ロックピン33が
軸回り方向に90°回動され、係合子42の係合部42
a,42bが係合孔10a,10bの延長部12a,1
2bから外れるとともに、圧縮コイルばね46の付勢力
を受けて後壁5dの内面に引っ掛かる。
【0051】このため、係合孔10a,10bからのロ
ックピン33の抜け出しが阻止されるとともに、ピン本
体40と係合孔10a,10bの主部11との嵌合によ
り、載置面21aの上方へのポータブルコンピュータ1
の移動が阻止される。
【0052】また、ロックピン33が軸回り方向に90
°回動されると、これに追従して螺旋状のガイド羽根4
8が回動し、そのカム面49でガイドピン37をスライ
ド部材32の軸方向に押圧する。この押圧により、ロッ
クピン33の回動運動が直線運動に変換されてスライド
部材32に伝えられ、図7に示すように、スライド部材
32がポータブルコンピュータ1の後壁5dに向けて進
出する。
【0053】この結果、スライド部材32の押圧面35
が後壁5dに突き当たり、上記係合子42の係合部42
a,42bと協働して後壁5dを挟み込む。よって、ポ
ータブルコンピュータ1はポートリプリケータ2の起立
部22に上下方向に移動不能にロックされることにな
り、第1の拡張コネクタ8と第2の拡張コネクタ23と
の嵌合状態が維持される。
【0054】このような構成によれば、ロックピン33
の係合子42を筐体5の係合孔10a,10bに挿入し
た後、その軸回り方向に90°回動させるだけの操作で
ポータブルコンピュータ1をポートリプリケータ2の載
置面21aに上下方向に移動不能にロックすることがで
きる。
【0055】そして、この場合、ロックピン33の回動
角度は90°に規定されているので、ロックレバー43
を持ち替えることなくロックピン33の回動操作を終了
することができる。それとともに、スライド部材32に
しても、ロックピン33の回動に連動してポータブルコ
ンピュータ1の後壁5dの方向に進出するので、このス
ライド部材32を進出させるための専用の操作は一切不
要であり、ポータブルコンピュータ1を一回の連続した
操作で簡単にロックすることができる。
【0056】よって、面倒で手間のかかる煩雑なロック
操作が不要となるので、ポータブルコンピュータ1のロ
ック操作を怠るといった従来の問題点を解消することが
でき、ポータブルコンピュータ1をポートリプリケータ
2に接続して使用している時に、第1の拡張コネクタ8
が第2の拡張コネクタ23から外れて大切な情報が消去
されたり、これらコネクタ8,23の嵌合部分に無理な
力が加わるのを確実に防止することができる。
【0057】さらに、上記構成によると、ポータブルコ
ンピュータ1の後壁5dに突き当たるスライド部材32
は、第1および第2の拡張コネクタ8,23の嵌合方向
とは直交する方向に沿って前後に移動可能であるから、
ポータブルコンピュータ1をロックした時に、第1およ
び第2の拡張コネクタ8,23の嵌合部分に前後方向の
寸法誤差が生じたとしても、この誤差分を上記スライド
部材32の移動によって吸収することができる。
【0058】このため、ポータブルコンピュータ1をロ
ックした時に、第1および第2の拡張コネクタ8,23
の嵌合部分に無理な力が加わることはなく、これら拡張
コネクタ8,23の破損を未然に防止することができ
る。
【0059】なお、本発明は、上記第1の実施の形態に
特定されるものではなく、図9ないし図11に本発明の
第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態は、主
に第1の拡張コネクタ8と第2の拡張コネクタ23との
嵌合方向およびポータブルコンピュータ1の後壁5dに
突き当たるスライド部材61の構成が上記第1の実施の
形態と相違しており、それ以外のポータブルコンピュー
タ1やポートリプリケータ2の基本的な構成は上記第1
の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形
態において、上記第1の実施の形態と同一の構成部分に
は同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0060】図9に示すように、筐体5の内部に収容さ
れた第1の拡張コネクタ8は、筐体5の後壁5dと向か
い合っており、この後壁5dには、第1の拡張コネクタ
8に連なるコネクタ接続口62が形成されている。ま
た、筐体5の後壁5dに開けた係合孔10a,10b
は、コネクタ導出口62を挟んだ両側に振り分けて配置
されている。これら係合孔10a,10bは、筐体5の
幅方向に沿う横向きの姿勢で配置されている。
【0061】また、ポートリプリケータ2の起立壁24
には、第2の拡張コネクタ23が配置されている。第2
の拡張コネクタ23は、起立壁24から前方に突出され
ており、この第2の拡張コネクタ23に上記第1の拡張
コネクタ8が取り外し可能に嵌合されるようになってい
る。
【0062】そのため、本実施の形態の場合、ポートリ
プリケータ2の起立部22は、第2の拡張コネクタ23
を支持するコネクタ支持部64として機能しており、こ
のポートリプリケータ2の載置面21aに載せたポータ
ブルコンピュータ1を起立壁24に向けて略水平に移動
させると、第2の拡張コネクタ23がコネクタ接続口6
2を通じて第1の拡張コネクタ8に嵌まり込むようにな
っている。
【0063】連結機構30,31のスライド部材61
は、夫々筐体5の係合孔10a,10bと向かい合う位
置に配置されている。スライド部材61は、起立部22
のガイド孔34よりも小径に形成され、このスライド部
材61の外周面とガイド孔34の内周面との間には、隙
間63が形成されている。そのため、スライド部材61
は、第1および第2の拡張コネクタ8,23の嵌合方向
とは直交する方向、つまり筐体5の幅方向に沿って移動
可能に起立部22に支持されている。
【0064】また、スライド部材61の前後両端には、
夫々径方向外側に張り出すフランジ部64a,64bが
形成されている。フランジ部64a,64bは、凹部3
8の底面および起立部22(コネクタ支持部64)の後
壁26に引っ掛かるようになっており、これらフランジ
部64a,64bの存在により、ガイド孔34からのス
ライド部材61の脱落が阻止されている。
【0065】このような構成の電子機器システムにおい
て、ポータブルコンピュータ1の筐体4をポートリプリ
ケータ2の載置面21aに沿ってコネクタ支持部64の
方向にスライドさせると、第2の拡張コネクタ23がコ
ネクタ接続口62を介して第1の拡張コネクタ8に嵌ま
り込み、これら第1および第2の拡張コネクタ8,23
を介してポータブルコンピュータ1とポートリプリケー
タ2とが電気的に接続される。
【0066】第1および第2の拡張コネクタ8,23が
互いに嵌合されると、筐体5の係合孔10a,10bの
延長線上にロックピン33の一端の係合子42が位置さ
れる。次に、ロックレバー43を前方に向けて押圧し、
図10に示すように、係合子42を有するロックピン3
3の一端を筐体5の係合孔10a,10bに挿入する。
この挿入により、係合子42の係合部42a,42bが
後壁5dの内側に入り込むとともに、ピン本体40上の
ガイド羽根48がガイドピン37に近づき、このガイド
羽根48のカム面49がガイドピン37に摺動可能に接
触する。
【0067】引き続き、ロックレバー43を指先で掴ん
で90°倒すと、ロックピン33が軸回り方向に90°
回動され、係合子42の係合部42a,42bが係合孔
10a,10bの延長部12a,12bから外れて後壁
5dの内面に引っ掛かる。これにより、係合孔10a,
10bからのロックピン33の抜け出しが阻止される。
【0068】また、ロックピン33が軸回り方向に90
°回動されると、これに追従して螺旋状のガイド羽根4
8が回動し、そのカム面49でガイドピン37をスライ
ド部材61の軸方向に押圧する。この押圧により、ロッ
クピン33の回動運動が直線運動に変換されてスライド
部材61に伝えられ、このスライド部材61がポータブ
ルコンピュータ1の後壁5dに向けて進出する。
【0069】この結果、スライド部材61の押圧面35
が後壁5dに突き当たり、上記係合子42の係合部42
a,42bと協働して後壁を挟み込む。よって、ポータ
ブルコンピュータ1は、ポートリプリケータ2のコネク
タ支持部64に対し前後方向に移動不能にロックされる
ことになり、第1の拡張コネクタ8と第2の拡張コネク
タ23との嵌合状態が維持される。
【0070】このような構成によれば、ロックピン33
を90°回動させるだけの操作でポータブルコンピュー
タ1をポートリプリケータ2にロックすることができ、
上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0071】また、本実施の形態の場合、ポータブルコ
ンピュータ1の後壁5dに突き当たるスライド部材61
は、第1および第2の拡張コネクタ8,23の嵌合方向
とは直交する筐体5の幅方向に移動可能に起立部22に
支持されているから、ポータブルコンピュータ1をロッ
クした時に、第1および第2の拡張コネクタ8,23の
嵌合部分に筐体5の幅方向の寸法誤差が生じたとして
も、この誤差分を上記スライド部材61の移動によって
吸収することができる。
【0072】したがって、第1および第2の拡張コネク
タ8,23の嵌合方向が筐体5の前後方向に沿う場合で
も、これら拡張コネクタ8,23の嵌合部分に無理な力
が加わることはなく、第1および第2の拡張コネクタ
8,23の破損を未然に防止することができる。
【0073】なお、上記第1および第2の実施の形態で
は、ロックピン33のピン本体40に螺旋状のガイド羽
根48を設置するとともに、スライド部材32,61に
ガイド羽根48のカム面49に接するガイドピン37を
突設したが、本発明はこれに特定されるものではなく、
図12に本発明の第3の実施の形態を示す。
【0074】この第3の実施の形態では、ピン本体40
の軸方向に沿う中間部に、径方向外側に向けて突出する
ガイドピン37が突設されているとともに、スライド部
材32,61のガイド孔34の内周面に螺旋状のガイド
羽根48が取り付けられている。
【0075】この構成によれば、ロックピン33を軸回
り方向に回動させると、そのガイドピン37がガイド羽
根48のカム面49に沿って移動するので、スライド部
材32,61は、カム面49の形状に応じて軸方向に押
し出されることになる。そのため、上記第1の実施の形
態と同様に、ロックピン33の回動運動を直線運動に変
換してスライド部材32,61に伝えることができる。
【0076】また、筐体の係合孔の形状やこの係合孔に
挿入されるロックピンの一端の形状は、上記各実施の形
態に特定されるものではなく、例えば図13や図14に
示す本発明の第4の実施の形態のように、係合孔10
a,10bは、その主部11の一部に径方向に沿う一方
側に突出する単一の延長部71を形成とした形状として
も良い。そして、この場合、係合孔10a,10bに挿
入されるロックピン33は、ピン本体40の一端にその
径方向に沿う一方側に向けて直角に突出する係合子72
を有しており、このロックピン33の一端の形状がL字
形をなしている。
【0077】さらに、ロックピン33の回動角度は90
°に特定されるものではなく、例えば上記第4の実施の
形態のロックピン33を採用すれば、その回動角度は9
0°から360°未満までの間の自由な値に設定するこ
とができる。すなわち、このロックピン33の回動角度
は、ユーザがロックレバー43を持ち替えることなく回
動し得る角度であれば良く、実際の操作性のことを考慮
すると、90°〜180°の範囲が好ましいものとな
る。
【0078】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、電子機器
を拡張装置に接続するに当っては、単にロックピンを一
回回動させるだけで良く、従来のような面倒で手間のか
かる作業が一切不要となるから、電子機器のロックを怠
る恐れもなく、第1の拡張コネクタと第2の拡張コネク
タとの嵌合状態を確実に維持することができる。
【0079】したがって、電子機器を拡張装置に接続し
て使用している時やバッグに収納にして携帯した場合で
も、第1の拡張コネクタが第2の拡張コネクタから外れ
て大切な情報が消去されたり、これら第1および第2の
拡張コネクタの嵌合部分に無理な力が加わることもな
く、これら拡張コネクタの損傷を未然に防止することが
できる。
【0080】また、電子機器をロックした時に、第1お
よび第2の拡張コネクタの嵌合部分に寸法誤差が生じた
としても、この誤差分をスライド部材の移動によって吸
収することができ、電子機器のロックに伴う第1および
第2の拡張コネクタの損傷を防止できるといった利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、ポータブ
ルコンピュータの後端部の外観およびポートリプリケー
タの外観を夫々示す斜視図。
【図2】ポートリプリケータにポータブルコンピュータ
を接続した状態を示す斜視図。
【図3】筐体の係合孔の形状を示す正面図。
【図4】ロックピンの平面図。
【図5】ポータブルコンピュータの第1の拡張コネクタ
と、ポートリプリケータの第2の拡張コネクタとを位置
合わせした状態を示す断面図。
【図6】ポータブルコンピュータの第1の拡張コネクタ
をポートリプリケータの第2の拡張コネクタに嵌め込ん
だ状態において、ロックピンの係合子を筐体の係合孔に
挿入した状態を示す断面図。
【図7】ロックピンを90°回動させ、ポータブルコン
ピュータをロックした状態を示す断面図。
【図8】(A)は、螺旋状のガイド羽根とロックピンと
の位置関係を示す平面図。(B)は、螺旋状のガイド羽
根とロックピンとの位置関係を示す正面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態において、ポータブ
ルコンピュータの第1の拡張コネクタと、ポートリプリ
ケータの第2の拡張コネクタとを位置合わせした状態を
示す断面図。
【図10】ポータブルコンピュータの第1の拡張コネク
タをポートリプリケータの第2の拡張コネクタに嵌め込
んだ状態において、ロックピンの係合子を筐体の係合孔
に挿入した状態を示す断面図。
【図11】ロックピンを90°回動させ、ポータブルコ
ンピュータをロックした状態を示す断面図。
【図12】(A)は、本発明の第3の実施の形態におい
て、螺旋状のガイド羽根とロックピンとの位置関係を示
す平面図。(B)は、螺旋状のガイド羽根とロックピン
との位置関係を示す正面図。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る筐体の係合
孔の形状を示す正面図。
【図14】ロックピンの平面図。
【符号の説明】
1…電子機器(ポータブルコンピュータ) 2…拡張装置(ポートリプリケータ) 5a…底壁 5d…後壁 8…第1の拡張コネクタ 10a,10b…係合孔 21…載置部 22…起立部 23…第2の拡張コネクタ 30,31…連結手段(連結機構) 32,61…スライド部材 33…ロックピン 37,48…変換手段(ガイドピン、ガイド羽根) 64…コネクタ支持部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E360 AA02 AB12 AB17 AB42 CA04 CA08 EB03 EC12 ED04 ED15 ED17 ED28 FA02 GA07 GA08 GA53 GB45 GB46 5E021 FA05 FB02 FB14 FB17 FC36 HA03 HA05 HB02 HB05 HB07 HB11 HC11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の拡張コネクタが配置された底壁
    と、係合孔が開口された後壁と、を有する電子機器と;
    この電子機器に取り外し可能に接続され、電子機器の機
    能を拡張するための拡張装置と;を備えている電子機器
    システムにおいて、 上記拡張装置は、電子機器の底壁が取り外し可能に載置
    される載置部と、この載置部に配置され、上記第1の拡
    張コネクタが上下方向に取り外し可能に嵌合される第2
    の拡張コネクタと、上記載置部に載置された電子機器の
    後壁と向かい合う起立部とを有し、 この起立部は、上記第1の拡張コネクタと第2の拡張コ
    ネクタとが互いに嵌合された状態において上記電子機器
    の後壁に取り外し可能に連結される連結手段を有し、 この連結手段は、上記起立部に支持され、電子機器の後
    壁に接離する方向に移動可能なスライド部材と、上記電
    子機器の係合孔に挿入される第1の位置と、この係合孔
    から離脱される第2の位置とに亘って移動可能に上記ス
    ライド部材に支持され、上記第1の位置に移動させた状
    態で360°未満の角度範囲に亘って回動させることに
    より上記電子機器の後壁に引っ掛かるロックピンと、こ
    のロックピンの回動運動を直線運動に変換して上記スラ
    イド部材に伝達し、上記ロックピンが後壁に引っ掛かる
    方向に回動された時に上記スライド部材を電子機器に向
    けて進出させてその後壁に当接させる変換手段と、を備
    えていることを特徴とする電子機器システム。
  2. 【請求項2】 第1の拡張コネクタが配置されるととも
    に、係合孔が開口された後壁を有する電子機器と;この
    電子機器に取り外し可能に接続され、電子機器の機能を
    拡張するための拡張装置と;を備えている電子機器シス
    テムにおいて、 上記拡張装置は、上記電子機器を接続した時にその後壁
    と向かい合うコネクタ支持部と、このコネクタ支持部に
    配置され、上記第1の拡張コネクタが前後方向に取り外
    し可能に嵌合される第2の拡張コネクタと、上記第1の
    拡張コネクタと第2の拡張コネクタとが互いに嵌合され
    た状態において電子機器の後壁に取り外し可能に連結さ
    れる連結手段と、を含み、 この連結手段は、上記電子機器の後壁に接離する方向に
    移動可能に、かつ上記第1および第2の拡張コネクタの
    嵌合方向とは直交する電子機器の幅方向に移動可能に上
    記コネクタ支持部に支持されたスライド部材と、上記電
    子機器の係合孔に挿入される第1の位置と、この係合孔
    から離脱される第2の位置とに亘って移動可能に上記ス
    ライド部材に支持され、上記第1の位置に移動させた状
    態で360°未満の角度範囲に亘って回動させることに
    より上記電子機器の後壁に引っ掛かるロックピンと、こ
    のロックピンの回動運動を直線運動に変換して上記スラ
    イド部材に伝達し、上記ロックピンが後壁に引っ掛かる
    方向に回動された時に上記スライド部材を電子機器に向
    けて進出させてその後壁に当接させる変換手段と、を備
    えていることを特徴とする電子機器システム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の記載において、上記変
    換手段は、上記スライド部材又はロックピンのいずれか
    一方に設置された螺旋状のカムと、他方に設置され、上
    記カムに摺動可能に接する従動子と、を備えていること
    を特徴とする電子機器システム。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の記載において、上記係
    合孔は、円形の開口形状を有する主部と、この主部の径
    方向外側に向けて延びるとともに、主部の直径よりも小
    さな開口幅を有する延長部と、を含み、また、上記ロッ
    クピンは、上記係合孔の主部に嵌合可能なピン本体と、
    このピン本体の先端部に形成され、ピン本体と直交する
    方向に延びるとともに、上記係合孔の延長部に取り外し
    可能に挿入される係合部と、を備えていることを特徴と
    する電子機器システム。
  5. 【請求項5】 請求項1又は4の記載において、上記ロ
    ックピンは、スプリングを介して上記第2の位置に向け
    て付勢されていることを特徴とする電子機器システム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの記載にお
    いて、上記ロックピンの回動角度は、90°から180
    °の範囲内に規定されていることを特徴とする電子機器
    システム。
  7. 【請求項7】 第1の拡張コネクタが配置された底壁
    と、係合孔が開口された後壁とを有する電子機器が載置
    される本体と;この本体に配置され、上記電子機器の第
    1の拡張コネクタが上下方向に取り外し可能に嵌合され
    る第2の拡張コネクタと;上記本体から延出され、上記
    電子機器の後壁と向かい合う起立部と;この起立部に設
    置され、上記第1の拡張コネクタと第2の拡張コネクタ
    とが互いに嵌合された状態において上記電子機器の後壁
    に取り外し可能に連結される連結手段と;を備え、 この連結手段は、上記起立部に支持され、電子機器の後
    壁に接離する方向に移動可能なスライド部材と、上記電
    子機器の係合孔に挿入される第1の位置と、この係合孔
    から離脱される第2の位置とに亘って移動可能に上記ス
    ライド部材に支持され、上記第1の位置に移動させた状
    態で360°未満の角度範囲に亘って回動させることに
    より上記電子機器の後壁に引っ掛かるロックピンと、こ
    のロックピンの回動運動を直線運動に変換して上記スラ
    イド部材に伝達し、上記ロックピンが後壁に引っ掛かる
    方向に回動された時に上記スライド部材を電子機器に向
    けて進出させてその後壁に当接させる変換手段と、を備
    えていることを特徴とする拡張装置。
  8. 【請求項8】 第1の拡張コネクタが配置されるととも
    に、係合孔が開口された後壁を有する電子機器が取り外
    し可能に接続される本体と;この本体に設置され、上記
    電子機器の後壁と向かい合うコネクタ支持部と;このコ
    ネクタ支持部に配置され、上記第1の拡張コネクタが前
    後方向に取り外し可能に嵌合される第2の拡張コネクタ
    と;上記コネクタ支持部に配置され、第1の拡張コネク
    タと第2の拡張コネクタとが互いに嵌合された状態にお
    いて電子機器の後壁に取り外し可能に連結される連結手
    段と;を備え、 この連結手段は、上記電子機器の後壁に接離する方向に
    移動可能に、かつ上記第1および第2の拡張コネクタの
    嵌合方向とは直交する電子機器の幅方向に移動可能に上
    記コネクタ支持部に支持されたスライド部材と、上記電
    子機器の係合孔に挿入される第1の位置と、この係合孔
    から離脱される第2の位置とに亘って移動可能に上記ス
    ライド部材に支持され、上記第1の位置に移動させた状
    態で360°未満の角度範囲に亘って回動させることに
    より上記電子機器の後壁に引っ掛かるロックピンと、こ
    のロックピンの回動運動を直線運動に変換して上記スラ
    イド部材に伝達し、上記ロックピンが後壁に引っ掛かる
    方向に回動された時に上記スライド部材を電子機器に向
    けて進出させてその後壁に当接させる変換手段と、を備
    えていることを特徴とする拡張装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8の記載において、上記ロ
    ックピンの回動角度は、90°から180°の範囲内に
    規定されていることを特徴とする拡張装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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