JP2000138155A - 照明装置及び投影露光装置 - Google Patents

照明装置及び投影露光装置

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JP2000138155A
JP2000138155A JP10311691A JP31169198A JP2000138155A JP 2000138155 A JP2000138155 A JP 2000138155A JP 10311691 A JP10311691 A JP 10311691A JP 31169198 A JP31169198 A JP 31169198A JP 2000138155 A JP2000138155 A JP 2000138155A
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optical system
light
light source
lens
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Masato Shibuya
眞人 渋谷
Tetsuo Kikuchi
哲男 菊池
Noriaki Yamamoto
規彰 山元
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems
    • G03F7/70066Size and form of the illuminated area in the mask plane, e.g. reticle masking blades or blinds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明領域の全体を実質的に均一な照度分布
で、かつ高照度に照明できる照明装置を提供する。 【解決手段】 ライトガイド103の射出端103aか
らの照明光ILがリレーレンズ104aを介してフライ
アイレンズ105aに入射し、フライアイレンズ105
aの射出面の開口絞り107の開口107aを通過した
照明光ILが、コンデンサレンズ106a,視野絞り1
12、レンズ108a等を介してマスク8上のY方向に
細長い長方形の照明領域111aを照明する。開口10
7aの形状を照明領域111aの長手方向に対応する方
向に狭い楕円形状とすることによって、照明領域111
aの長手方向の端部に入射する照明光ILのσ値がその
長手方向に大きくなり過ぎることを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被照射面を均一な
照度分布で照明するための照明装置に関し、特に半導体
素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜
磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程でマス
クパターンを感光性の基板上に転写するために使用され
る投影露光装置に備えられた、細長い照明領域を高い照
度で照明する照明光学系に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等を製造する際に使用される
ステッパー等の投影露光装置においては、露光用の照明
光でレチクル、又はフォトマスク等のマスク上の照明領
域(照明視野)を均一な照度分布で照明するための照明
光学系が備えられている。その照明光学系は一般に、光
源と、この光源からの照明光より複数の光源像を形成す
るフライアイレンズと、このフライアイレンズの射出面
に配置された照明系の開口絞りと、この開口絞りを通過
した照明光をマスク上に導くコンデンサ光学系とを備え
ている。
【0003】そして、従来のフライアイレンズを構成す
る各レンズ素子としては、一般に両面が球面、又は一面
が球面で他方が平面のレンズが使用されていた。更に、
フライアイレンズの入射面はマスク上の照明領域の面
(パターン面)と実質的に共役であるため、照明効率を
高めるために、フライアイレンズを構成する各レンズ素
子の断面形状はその照明領域の外形とほぼ相似形に設定
されていた。そのため、ステップ・アンド・スキャン方
式のように照明領域の形状が長方形状である走査露光型
の投影露光装置の照明光学系では、フライアイレンズの
各レンズ素子の断面形状は長方形に設定されていた。
【0004】また、従来の通常の照明方式では、開口絞
りの開口は円形であり、この円形の開口内に分布する複
数の光源像からの照明光を用いてマスクを重畳的に照明
していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く従来の通常
の照明方式の照明光学系では、フライアイレンズの射出
面の開口絞りの開口は円形に設定されていた。しかしな
がら、フライアイレンズの各レンズ素子は、その形状よ
り正弦条件を満たしていないため、特に照明領域が長方
形状の場合に、照明領域の全体で照度分布を均一化しよ
うとすると、その照明領域の周辺では照明光の開口数が
大きくなり、また、円形開口からの照明光の分布とはか
なり変形した分布の照明となっていた。
【0006】更に、最近の投影露光装置では、解像度を
高めることも必要であるが、照明領域における照明光の
照度をできるだけ高めて、ウエハ等の被露光基板に対す
る露光時間を短縮すること、即ち露光工程のスループッ
トを高めることも求められている。このように照明光の
照度を高めるためには、照明系の開口絞りの開口を大き
くして、投影光学系の開口数NAに対する照明光学系の
開口数NAILの比の値であるコヒーレンスファクタ、即
ちσ値(=NAIL/NA)を1に近付ければよい。とこ
ろが、上記のように特に長方形状の照明領域の場合に
は、照明領域の周辺では照明光の開口数が大きくなるた
め、σ値を1に近付けると、照明光が投影光学系の開口
の外に出て遮光されてしまい、光量損失が生じると共
に、被露光基板上で露光量のむらが生じる恐れがあっ
た。これは、特にσ値を0.8程度以上にした場合に問
題となっていた。
【0007】また、ステッパー型の投影露光装置であっ
ても、正方形から外れた長方形状の照明領域を使用する
場合には、照度を高めるためにσ値を1に近付けた際に
は、例えば照明領域の周辺において光量損失が生じる恐
れがある。このような光量損失は僅かであるが、今後被
露光基板上でより高い線幅の均一性等が要求される場合
には、障害になる恐れがある。
【0008】本発明は斯かる点に鑑み、照明領域の全体
を実質的に均一な照度分布で、かつ高照度に照明できる
照明装置を提供することを第1の目的とする。更に本発
明は、照明領域が円弧状等を含む長方形状である場合で
あっても、その照明領域の全体を実質的に均一な照度分
布で、かつ例えばσ値が0.8程度以上の高照度に照明
できる照明装置を提供することを第2の目的とする。ま
た、本発明は、そのような照明装置を備えた投影露光装
置を提供することを第3の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による照明装置
は、照明光を供給する光源系(102,103,104
a)と、この光源系からの照明光より複数の光源像を形
成する光源像形成光学系(105a)と、その複数の光
源像からの光束を集光して被照射面(8h)を重畳的に
照明するコンデンサ光学系(106a,112,108
a〜110a)とを有する照明装置において、その光源
像形成光学系は、それぞれ少なくとも入射側が球面状で
断面形状が長方形の複数のレンズ素子(113)を束ね
て構成され、その被照射面に対する光学的なフーリエ変
換面、又はこの近傍の面上にそのレンズ素子の断面形状
の長手方向に対応する方向(Y方向)に短い回転非対称
な開口(107a)を有する開口絞り(107)が配置
されたものである。
【0010】斯かる本発明の照明装置によれば、そのレ
ンズ素子の断面形状は長方形であるため、その断面形状
と相似な長方形状の照明領域(照明視野)を高い照明効
率で照明できる。ただし、例えば所定の投影光学系を使
用した場合の照明光の照度をより高めるために、その開
口絞りの開口(107a)の平均的な外径をコヒーレン
スファクタ(σ値)換算で1に近い値に設定したとき
に、そのレンズ素子は正弦条件を満足していないため、
その照明領域の周辺部でその断面形状の長手方向への照
明光の開口数が大きくなる傾向がある。そこで、その断
面形状の長手方向に対応する方向、即ちその照明領域の
長手方向に対応する方向(Y方向)で、その開口の幅を
予め狭くしておくことによって、その照明領域の周辺部
でも照明光の開口数の分布が殆ど変形しないようにな
る。従って、その照明領域の全域で、照明光の0次光が
その投影光学系の瞳(開口絞りの開口)の外部にはみ出
ることがなくなり、実質的にその照明領域の全域で高い
均一な照度が得られる。
【0011】次に、本発明の第1の投影露光装置は、本
発明の照明装置(102,103,104a,105
a,107,106a,112,108a〜110a)
と、この照明装置による被照射面に配置されたマスク
(8)のパターンの像を基板(9)上に投影する投影光
学系(2a)とを有する投影露光装置であって、その照
明装置によるその被照射面上の照明領域(111a)
は、そのレンズ素子(113)の断面形状に実質的に相
似な長方形状(長方形、円弧状等)であり、その投影光
学系の開口数をNA、その被照射面上のその照明装置の
光軸上での照明光のその照明領域の長辺方向及び短辺方
向の開口数をそれぞれNAm及びNAs、その光源像形
成光学系(105a)から射出されてその照明領域の周
辺に向かう光線がその光軸となす角度をθ、その光源像
形成光学系を構成するレンズ素子(113)の屈折率を
nとしたときに、次の関係が成立するものである。
【0012】
【数3】
【0013】この関係が成立する場合には、その照明領
域の周辺に入射する照明光の0次光は、その照明領域の
長辺方向、及び短辺方向の何れについてもその投影光学
系の瞳の外側に出ることがなくなり、そのマスク上の照
明領域と共役なその基板上の露光領域(視野)での照度
分布の均一性が高く維持される。次に、本発明の第2の
投影露光装置は、本発明の照明装置と、この照明装置に
よる被照射面に配置されたマスク(8)のパターンの像
を基板(9)上に投影する投影光学系(2a)と、を有
する投影露光装置であって、その照明装置によるその被
照射面上の照明領域(111a)は、そのレンズ素子
(113)の断面形状に実質的に相似な長方形状(長方
形、円弧状等)であり、その投影光学系の開口数をN
A、その被照射面上のその照明装置の光軸上での照明光
のその照明領域の長辺方向及び短辺方向の開口数をそれ
ぞれNAm及びNAsとしたときに、次の関係が成立す
るものである。
【0014】
【数4】 0.95・NA>NAs>NAm>0.8・NA 斯かる本発明の第2の投影露光装置によれば、第1の条
件(NAm>0.8・NA)は、設計上のコヒーレンス
ファクタ(σ値)が0.8以上であるときに、本発明に
よる非軸対称の開口絞りが有効であることを意味してい
る。また、第2の条件(NAs>NAm)は、仮に軸対
称の開口絞りを用いたときには、照明領域の周辺では長
辺方向の開口数が特に大きくなることから、予め光軸上
(視野中心)において、長辺方向の開口数NAmを小さ
くしておくことを意味する。そして、第3の条件(0.
95・NA>NAs)は、照明領域の周辺の照明光の0
次光が投影光学系の瞳によって遮光されないための条件
である。
【0015】また、上記の投影露光装置は、そのマスク
のパターンの像をその基板上に露光する際に、そのマス
ク及びその基板をその照明領域の短辺方向にその投影光
学系に対して同期走査するものであることが望ましい。
このように走査露光型である場合には、照明領域が長方
形状であってもその基板上の広い転写領域(ショット領
域)にマスクパターンの像を高いスループットで転写す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき図面を参照して説明する。本例は、液晶表示素子
等のデバイスを製造する際に使用される走査露光型の投
影露光装置に本発明を適用したものである。図1は、本
例の投影露光装置の概略構成を示す斜視図であり、この
図1において、転写用の回路パターンが形成されたマス
ク8と、ガラス基板上にフォトレジストを塗布してなる
プレート9とが、投影光学系2a〜2gを挟んで対向す
るように、かつ所定方向に一体的に(同期して)移動で
きるように配置されている。以下では、マスク8及びプ
レート9が移動する(搬送される)方向(走査方向)に
沿ってX軸を、マスク8のパターン形成面(下面)8h
内でX軸と直交する方向(非走査方向)に沿ってY軸
を、そのパターン形成面8hの法線方向に沿ってZ軸を
取って説明する。即ち、パターン形成面8hはXY平面
に平行であり、プレート9の表面もXY平面に平行であ
る。
【0017】図1において、露光時に照明光学系10か
ら射出される露光用の照明光(露光光)ILは、マスク
8のパターン形成面8hの複数の照明領域を均一な照度
分布で照明する。図2は、図1に示す照明光学系10の
具体的な構成例を示し、この図2において、楕円鏡10
2の内部には、g線(波長435nm)、h線(波長4
05nm)、及びi線(365nm)等の光を放射する
水銀ランプよりなる露光光源が配置されている。なお、
露光光源としては、水銀ランプ以外の輝線ランプ、又は
KrF,ArF,F2 等のエキシマレーザ光源やYAG
レーザ光源等を使用することができる。
【0018】その露光光源からの光は楕円鏡102によ
り反射集光されて、ライトガイド103の入射端に光源
像を形成する。ライトガイド103は、その分岐した複
数の射出端103a,103bに均一な光強度分布の2
次光源面を形成する。なお、ライトガイド103は、ラ
ンダムに束ねられた光ファイバで構成されることが望ま
しい。また、楕円鏡2とライトガイド103との間の不
図示の波長選択用の光学フィルタによって、g線、h
線、i線よりなる3波長の光、g線、h線よりなる2波
長の光、g線及びi線よりなる2波長の光、又はi線よ
りなる単波長の光等の何れかを露光用の照明光ILとし
て選択できるように構成されている。その波長の選択
は、露光対象のマスクの種類(パターンの種類や最小線
幅等)に応じて行われる。
【0019】ライトガイド103の射出端103a,1
03bから射出された照明光ILは、それぞれリレーレ
ンズ104a,104bを介して、光源像形成光学系又
はオプティカル・インテグレータ(ホモジナイザー)と
してのフライアイレンズ105a,105bに達する。
上記の不図示の露光光源、楕円鏡102、ライトガイド
103、不図示の光学フィルタ、及びリレーレンズ10
4a,104bより光源系が構成されている。フライア
イレンズ105a,105bに入射した照明光ILは、
それぞれフライアイレンズ105a,105bの射出面
近傍(後側焦点位置)に複数の光源像からなる二次光源
を形成する。これらの二次光源からの照明光ILは、そ
れぞれ照明系の開口絞り(σ絞り)107に設けられた
楕円形状の開口107a,107bを通過した後、その
二次光源形成位置に前側焦点が位置するように設けられ
たコンデンサレンズ106a,106bを介して、視野
絞り112の長方形の開口112a,112bを均一な
照度分布で照明する。そして、視野絞り112の開口1
12a,112bを通過した照明光ILは、それぞれレ
ンズ108a,108bを経て、ミラー109a,10
9bによって光路が90°下方(−Z方向)に折り曲げ
られて、レンズ110a,110bに達する。
【0020】この場合、レンズ108a,110aとレ
ンズ108b,110bとは、それぞれ視野絞り112
の配置面とマスク8のパターン形成面(下面)とを共役
にするリレー光学系であり、レンズ110a,110b
を通過した照明光ILは、マスク8のパターン形成面8
h(図1参照)上に視野絞り112の開口112a,1
12bの像である長方形の照明領域(照明視野)111
a,111bを形成する。言い換えると、照明領域11
1a,111bが照明光ILによって均一な照度分布で
照明される。また、フライアイレンズ105a,105
bの射出面の二次光源形成面、即ち開口絞り107の配
置面は、マスク8のパターン形成面に対して光学的なフ
ーリエ変換面となっており、フライアイレンズ105
a,105bの入射面は、マスク8のパターン形成面と
光学的に共役となっている。
【0021】本例では、コンデンサレンズ106a、視
野絞り112、レンズ108a、ミラー109a、及び
レンズ110aが照明領域111aに対するコンデンサ
光学系を構成している。更に、照明領域111aに関し
ては、不図示の露光光源と光学フィルタ、楕円鏡10
2、ライトガイド103、リレーレンズ104a、フラ
イアイレンズ105a、開口絞り107、コンデンサレ
ンズ106a、視野絞り112、レンズ108a、ミラ
ー109a、及びレンズ110aより照明光学系が構成
され、この照明光学系が本発明の照明装置に対応してい
る。
【0022】マスク8のパターン形成面には、Y方向に
所定間隔を隔てて配置された同一形状の4個の照明領域
111a〜111dが設定され、更にこれらの照明領域
111a〜111dに対してX方向にずれた位置に、照
明領域111a〜111dの間隔を覆うようにそれらと
同一形状の3個の照明領域111e〜111gが設定さ
れている。図2では、照明領域111c〜111gを照
明する照明光学系は、その光軸のみを示しているが、そ
れらの構成は、照明領域111a用の照明光学系と同一
である。また、図2では図示省略されているが、ライト
ガイド103の射出端は、照明領域の数に対応して設け
られており、露光光源〜ライトガイド103は7個の照
明領域111a〜111gに対して共通に使用されてい
る。
【0023】図1に戻り、図2の7個の照明領域111
a〜111g用の7個の照明光学系がまとめて照明光学
系10で表されている。図1において、マスク8の下方
には、7個の投影光学系2a〜2gが配置されている。
投影光学系2a〜2gは、互いに同じ構成であるため、
図3を参照して投影光学系2aのみについて説明する。
【0024】図3は、投影光学系2aのレンズ構成図で
あり、図3において、投影光学系2aは、実質的に2組
のダイソン型光学系を組み合わせた構成である。即ち、
投影光学系2aは、第1部分光学系21〜24と、視野
絞り25と、第2部分光学系26〜29とから構成され
ており、これらの第1及び第2部分光学系は、それぞれ
ダイソン型光学系を変形したものである。
【0025】第1部分光学系21〜24は、マスク8の
パターン形成面8hに対して45°の傾斜角で配置され
た反射面を持つ直角プリズム21と、パターン形成面8
hに平行な面内でX軸に平行な光軸を有し、凸面を直角
プリズム21の反対側に向けた平凸レンズ成分22と、
全体としてメニスカス形状であって凹面を平凸レンズ成
分22側に向けた反射面を有するレンズ成分23と、直
角プリズム21の反射面と直交し、かつパターン形成面
8hに対して45°の傾斜角で配置された反射面を持つ
直角プリズム24とを有する。
【0026】そして、マスク8の照明領域111aを通
過した照明光ILは、直角プリズム21によって光路が
90°偏向され、直角プリズム21に接合された平凸レ
ンズ成分22に入射する。この平凸レンズ成分22に
は、このレンズ成分とは異なる硝材にて構成されたレン
ズ成分23が接合面22aにて接合されており、直角プ
リズム21からの光は、接合面22aにて屈折し、レン
ズ成分23の反射膜が蒸着された反射面23aに達す
る。反射面23aで反射された光は、接合面22aで屈
折され、レンズ成分22に接合された直角プリズム24
に達する。レンズ成分22からの光は、直角プリズム2
4により光路が90°偏向されて、この直角プリズム2
4の射出面側に、マスク8の照明領域111a内のパタ
ーンの1次像を形成する。ここで、第1部分光学系21
〜24が形成するマスク8の1次像は、X方向(光軸方
向)の横倍率が正であり、かつY方向の横倍率が負とな
る等倍像である。
【0027】その1次像からの光は、第2部分光学系2
6〜29を介して、マスク8の2次像をプレート9上に
形成する。なお、第2部分光学系の構成は、第1部分光
学系と同一であるため説明を省略する。この第2部分光
学系26〜29は、第1部分光学系と同じく、X方向の
横倍率が正、かつY方向の横倍率が負となる等倍像を形
成する。従って、プレート9上の露光領域9aに形成さ
れる2次像は、マスク8の等倍の正立像(上下左右方向
の横倍率が正となる像)となる。また、投影光学系2a
(第1及び第2部分光学系)は、両側テレセントリック
光学系である。
【0028】なお、上述の第1及び第2部分光学系は、
反射面23aと、レンズ成分28の反射面28aとが共
に同じ方向となるように構成されている。これにより、
投影光学系全体の小型化を図ることができる。本例によ
る第1及び第2部分光学系は、平凸レンズ成分22,2
7と、反射面23a,28aとの間の光路中を硝材で埋
める構成となっているため、平凸レンズ成分22,27
と反射面23a,28aとの偏心が生じない利点があ
る。なお、このようなダイソン型光学系に関しては、例
えばJ.O.S.A.vol.49,pp.713〜P716(1959) に詳述されて
いる。また、投影光学系2aとしては、例えば、凹面
鏡、凸面鏡及び凹面鏡が順に配列されたオフナー型光学
系を2組使用してもよく、これによっても、両側テレセ
ントリックで、等倍の正立像を形成することができる。
【0029】また、図3において、第1部分光学系が形
成する1次像の位置に、視野絞り25が配置されてい
る。視野絞り25は、台形状の開口を有しており、この
視野絞り25の開口の第1部分光学系によるマスク8上
への共役像を視野領域8aとすると、プレート9上の露
光領域9aは台形状であり、露光領域9a内に視野領域
8a内のパターンの等倍の成立像が投影される。ここ
で、本例のダイソン型光学系において、レンズ成分2
2,23,27,28の各光軸に垂直な断面(YZ平
面)形状が円形であるため、取り得る最大の視野の領域
がほぼ半円形状となる。このとき、視野絞り25にて規
定される台形状の視野領域8a(図1参照)は、一対の
平行辺のうち短辺が半円状の領域(最大の視野の領域)
の円弧側を向くことが好ましい。これにより、ダイソン
型光学系の取り得る最大の視野領域に対して、視野領域
8aの走査方向(X方向)の幅を最大とすることがで
き、走査速度を向上させることができる。
【0030】図1に戻って、投影光学系2a〜2gの配
置について説明する。図1において、投影光学系2a〜
2gは、それぞれ内部の視野絞り(図3の視野絞り25
に相当する)によって規定される台形状の視野領域8a
〜8gを有している。これらの視野領域8a〜8g内の
パターンの像は、プレート9上の露光領域9a〜9g上
に等倍の正立像として投影される。それらの内の4個の
投影光学系2a〜2dは、視野領域8a〜8dが図1中
のY方向に沿って配列されるように設けられている。ま
た、残りの3個の投影光学系2e〜2gは、対応する視
野領域8e〜8gがX方向に視野領域8a〜8dから所
定間隔離れた位置に、かつ視野領域8e〜8gの間隔を
覆うように反転してY方向に沿って配列されるように設
けられている。このとき、投影光学系2a〜2dと、投
影光学系2e〜2gとは、それぞれが有する直角プリズ
ム同士が近接するように180°反転して設けられてい
る。なお、X方向において、視野領域8a〜8dと視野
領域8e〜8gとの間隔を広げるように投影光学系2a
〜2gを配置しても構わないが、このときには、走査露
光を行なうための走査量(マスク8及びプレート9の移
動量)が増し、スループットの低下を招くため好ましく
ない。
【0031】そして、図2の長方形の照明領域111a
〜111gの輪郭は、それぞれ図1の台形状の視野領域
8a〜8gの輪郭に所定の余裕を持って外接するように
設定されている。ただし、本例では視野領域8a〜8g
の全面にそれぞれ照明光ILが照射されればよいため、
照明領域111a〜111gの形状を視野領域8a〜8
gの形状に合わせてY方向を長辺方向とする台形状に設
定してもよく、更にはY方向に細長い円弧状等としても
よい。また、本例では視野領域8a〜8gによって、実
質的に照明領域が規定されているため、図2の視野絞り
112を省いてもよい。
【0032】図1において、マスク8は図示なきマスク
ステージ上に載置されており、プレート9は、プレート
ステージ60上に載置されている。そのマスクステージ
とプレートステージ60とは、図1中のX方向に同期し
て同じ速度で移動する。プレートステージ60上には、
X軸に垂直な反射面を有する反射部材61と、Y軸に垂
直な反射面を有する反射部材62とが設けられている。
また、プレートステージ60が載置されている不図示の
ベースに、例えばHe−Ne(633nm)等のレーザ
光を供給するレーザ光源63、レーザ光源63からのレ
ーザ光をX軸のレーザ光とY軸のレーザ光とに分割する
ビームスプリッタ64、ビームスプリッタ64からのX
軸のレーザ光を反射部材61へ投射するためのプリズム
65、及びビームスプリッタ64からのY軸のレーザ光
を反射部材62上の2点へ投射するためのプリズム6
6,67が設けられている。これにより、プレートステ
ージ60のX方向の位置、Y方向の位置、及びZ軸の回
りの回転角を検出することができる。なお、図1におい
ては、反射部材61,62にて反射されたレーザ光と参
照用レーザ光とを干渉させた後に検出する検出系につい
ては図示省略している。
【0033】露光時には、図2に示すマスク8の照明領
域111a〜111gに図1の照明光学系10から照明
光ILを照射した状態で、そのマスクステージ及びプレ
ートステージ60を介して例えば+X方向にマスク8及
びプレート9を同期して互いに同一の一定速度で移動さ
せることによって、走査露光が行われる。そして、視野
領域8a〜8gによるマスク8のパターン領域の全面の
走査が完了すると、プレート9上の被転写領域の全面に
亘ってマスク8のパターン像が転写される。
【0034】さて、このように走査露光を行う場合、照
明光ILのプレート9上での照度をEIL、プレート9上
の露光領域9a〜9gの走査方向(X方向)の幅をD
X、プレート9の走査速度をVP、プレート9上のフォ
トレジストの感度(適正露光量)をETOTAL とすると、
TOTAL =EIL・DX/VP の関係を満足する必要が
ある。また、露光工程のスループットを高めるために
は、走査速度VPをできるだけ速くすればよい。従っ
て、幅DXは一定であるとすると、照度EILを大きくす
ることによって、走査速度VPを高くして、スループッ
トを高くできることが分かる。
【0035】そこで、本例の照明光学系10は、マスク
8上の照明領域111a〜111gでの照明光ILの照
度を高くできるように構成されている。以下では、代表
的に照明領域111a用の照明光学系の構成及び作用に
つき詳細に説明する。これはそれ以外の照明領域の照明
光学系についても同様である。まず、図2において、照
明領域111aは、マスク8の走査方向(X方向)の幅
dX1が、走査方向に直交する非走査方向の幅dY1よ
りも狭い(dX1<dY1)長方形である。幅dX1と
幅dY1との比の値である縦横比(=dX1/dY1)
は、一例として1/2〜1/5程度である。
【0036】図4(a)は、図2の照明領域111aに
対する照明光学系を簡略化して示し、この図4(a)に
おいて、図2のコンデンサレンズ106a、視野絞り1
12、レンズ108a、ミラー109a、及びレンズ1
10aよりなる光学系が1つのコンデンサレンズ系11
4で置き換えられている。この場合、マスク8上の照明
領域111aの長辺方向(長手方向)はY方向(非走査
方向)であり、フライアイレンズ105aから射出され
る照明光ILの内で、光軸に対して角度θで射出される
照明光が照明領域111aの長辺方向の端部(周辺)に
入射するものとしている。
【0037】また、図4(b)は図4(a)の開口絞り
107をフライアイレンズ105a側に見た図であり、
この図4(b)中のX方向、及びY方向はそれぞれ図2
のマスク8上でのX方向(走査方向)、及びY方向(非
走査方向)に対応した方向である。本例のフライアイレ
ンズ105aは複数のレンズ素子113をX方向、Y方
向に密着させて配列して構成されており、レンズ素子1
13の断面形状は、X方向の幅dX2とY方向の幅dY
2との比の値(=dX2/dY2)が、図2の照明領域
111aの幅dX1,dY1の比の値(=dX1/dY
1)に等しくなるように設定されている。更にレンズ素
子113の入射面及び射出面は共に外側に凸の球面より
形成されている。なお、レンズ素子113の一方の面を
平面としてもよい。本例の照明領域111aは縦横比
(=dX1/dY1)が1/2〜1/5程度の長方形で
あり、レンズ素子113も同じ縦横比の長方形である。
図4(a)において、フライアイレンズ105aの入射
面は、フライアイレンズ105a及びコンデンサレンズ
系114に関して照明領域111aの面と共役であるた
め、レンズ素子113の断面形状(即ち、入射面の形
状)を照明領域111aと相似形にすることによって、
高い照明効率のもとで照明領域111aを照明すること
ができる。
【0038】そして、図4(b)に示すように、フライ
アイレンズ105aの射出面の開口絞り107の開口1
07aの形状は、レンズ素子113の長辺方向(Y方
向)、即ち照明領域111a(照明視野)の長辺方向に
対応する方向の幅が狭い楕円に設定されている。従っ
て、通常使用される円形開口を点線の開口107a’で
表すと、本例の開口107aは、X方向を長軸方向、Y
方向を短軸方向とする楕円である。このようにすると、
照明領域111aの光軸上での照明光ILのコヒーレン
スファクタ(σ値)が1に近いときでも、照明領域11
1aの長辺方向の周辺で、照明光ILの開口角の分布が
あまり変形しないため、その照明光ILの0次光が図3
の投影光学系2aの瞳(本例では、マスク8のパターン
形成面8hに対する光学的なフーリエ変換面における光
学部材の大きさ)内に確実に収まるようになる。従っ
て、プレート9上の露光領域9aでの照度分布は高く、
かつ均一になるため、現像後に得られるレジストパター
ンの線幅の解像度が向上し、線幅の均一性も向上する。
【0039】図5は、本例の投影光学系2aの瞳201
と照明光ILの0次光が通過する領域(光源像)との関
係を示し、図5において、瞳201は円形領域であり、
目標とするσ値を持つ照明光の0次光が通過する理想的
な領域、即ち理想的な光源像204は、点線で示すよう
に瞳201内に収まる円形領域となっている。まず、図
5(a1)の実線の楕円領域202、及び図5(b1)
の円形領域203は、それぞれ図4(b)の楕円の開口
107aを持つ開口絞り107を使用した場合におけ
る、照明領域111aの光軸上、及び長辺方向の端部
(周辺)に入射する照明光ILの0次光が通過する領域
を表している。楕円領域202は、楕円の開口107a
と相似であり、理想的な光源像204に近い形状である
と共に、円形領域203も、その光源像204に近い領
域である。従って、照明領域111aの全体で、0次光
(光源像)は余裕を持って投影光学系の瞳201内に収
まっていることが分かる。
【0040】これに対して、図5(a2)の実線の円形
領域202’、及び図5(b2)の楕円状の領域20
3’は、それぞれ通常の円形開口を持つ開口絞りを使用
した場合における、照明領域111aの光軸上、及び長
辺方向の端部(周辺)に入射する照明光ILの0次光が
通過する領域を表している。円形領域202’は、理想
的な光源像204に合致しているが、楕円領域203’
は、その光源像204から比較的大きく外れてしまうた
め、照明領域111aの周辺に入射する照明光ILの0
次光は瞳201から外れて、その周辺に対応する露光領
域で照度が低下する恐れのあることが分かる。
【0041】このように、フライアイレンズ105aの
光源像形成位置に設置する開口絞り107の開口107
aを楕円形状にすることによって、マスク8上の照明領
域111aの全域に入射する照明光ILの0次光が、投
影光学系2aの瞳面上で通過する領域は、平均的に理想
的な光源像204に近い領域となる。なお、開口絞り1
07の開口107aの形状は、厳密に楕円である必要は
なく、照明光ILの0次光がほぼ理想的な光源像204
に近いという条件のもとで、ほぼ楕円状であってもよ
い。
【0042】次に、図4(b)の開口絞り107の開口
107aの形状の数値的な条件の一例を設定する。この
際に、投影光学系2aの開口数をNA、マスク8の照明
領域111a上の照明光学系の光軸上での照明光ILの
Y方向(長辺方向、即ちメリジオナル方向)、及びX方
向(短辺方向、即ちサジタル方向)の開口数をそれぞれ
NAm及びNAsとする。これらの開口数NAm及びN
Asは、開口107aのY方向の幅及びX方向の幅に応
じて定まる値であり、本例では次の関係が成立すること
が望ましい。
【0043】
【数5】 0.95・NA>NAs>NAm>0.8・NA この場合、条件(NAm>0.8・NA)によって、N
Am/NA>0.8、即ち照明光学系のσ値が0.8以
上になって、照明光ILの照度が高くなる。また、条件
(NAs>NAm)によって、開口105aはY方向に
狭い楕円状となり、照明領域111aの周辺部に入射し
た照明光ILの0次光が投影光学系2aの瞳面でY方向
に広がり過ぎることが防止される。更に、条件(0.9
5・NA>NAs)によって、図5(a1),(b1)
に示すように、照明領域111aの全域で照明光ILの
0次光が、投影光学系2aの瞳201内に確実に収まる
ようになる。
【0044】また、更に高い照度を得るためには、照明
光学系のσ値を0.85以上とすること、即ち(数5)
の条件(NAm>0.8・NA)を条件(NAm>0.
85・NA)で置き換えることが望ましい。次に、(数
5)とは別の条件を求めるために、本例の照明光学系に
つき更に詳細な検討を行う。まず、図2の照明光学系、
及び図3の投影光学系2aを含む光学系を簡略化した光
学系を図6に示す。この図6において、ライトガイドの
射出端103aから射出された照明光ILは、リレーレ
ンズ104a、フライアイレンズ105a、開口絞り1
07、コンデンサレンズ系114を介してマスク8上の
照明領域111aを照明している。そして、照明領域1
11a内のパターンの像は、第1光学系116、開口絞
り117、及び第2光学系118からなる投影光学系1
15によって、プレート9上に転写される。ただし、こ
の投影光学系115は、実際には図3の投影光学系2a
の第1部分光学系21〜24に対応しているため、図6
のプレート9は視野絞り25とみなしてもよい。また、
開口絞り117は、仮想的に配置されている。
【0045】この場合、フライアイレンズ105aの射
出面の近傍の開口107aを二次光源として、この二次
光源からの照明光ILが照明領域111aを照明してい
る。理想的には、その二次光源が完全拡散光源とみなす
ことができ、かつコンデンサレンズ系114がfsin θ
レンズであることが望ましい。しかしながら、フライア
イレンズ105aを構成するレンズ素子113(図4
(b)参照)は、正弦条件を満足していないため、開口
107aは完全拡散光源とは見なすことができない。そ
こで、本例では、照明領域111a上の照度分布の均一
性を高めるために、コンデンサレンズ系114は、fsi
n θレンズよりも更に負の歪曲特性を持つ光学系として
いる。
【0046】これらの関係につき図7及び図8を参照し
て更に詳細に説明する。なお、以下の説明は、文献「鶴
田匡夫:第4光の鉛筆,34章(pp.452-462)(新技術
コミュニケーション,1997)」を参考にしている。図7
は、フライアイレンズ105aを構成するレンズ素子1
13を通過する照明光ILの光路の一例を示し、この図
7において、レンズ素子113は、基本的に1対の平凸
単レンズが向かい合った構成であり、レンズ素子113
の光軸に平行に入射する照明光ILが、レンズ素子11
3の射出面113bと光軸上で交差して、光軸に対して
角度θで射出されている。レンズ素子113の入射面1
13a及び射出面113b(共に球面)の曲率半径を
r、レンズ素子113の屈折率をnとすると、レンズ素
子113の焦点距離feye は、次式により表される。
【0047】
【数6】feye =r/(n−1) また、レンズ素子113の光軸AX上での入射面113
aと射出面113bとの間隔Dabは、その焦点距離f
eye に屈折率nを乗じて次のように表される。
【0048】
【数7】Dab=n・r/(n−1) 図7において、点線の入射面113cが正弦条件を満た
すレンズの一部であるとすると、実線で示す本例の照明
光ILの光路は、点線で示す正弦条件を満足する光路と
は異なっており、レンズ素子113は正弦条件を満足し
ていない。また、図7の紙面に平行な方向をレンズ素子
113の長辺方向(Y方向)であるとすると、入射する
照明光ILの光軸からのY方向の高さhと、射出される
照明光ILの光軸に対する角度θとの関係は、所定の係
数αを用いて次式で近似できる。
【0049】
【数8】h=feye ・sin θ+feye ・α(sin θ)3 ここで、α=0のときに正弦条件が満足されているた
め、本例ではα≠0である。なお、図7では、原理的な
考察であるため、球面収差については無視して考えてい
る。更に、図7から分かるように、角度θは、正弦条件
が成立する場合の照明光の角度よりも大きくなるため、
係数αは負の値を取る。
【0050】図8は、図6の光学系中の照明光学系の要
部を示し、この図8において、レンズ素子113に対し
て光軸AXからの高さhで光軸AXに平行に入射した照
明光ILは、レンズ素子113から光軸AXに対して角
度θで射出された後、コンデンサレンズ系114を経て
マスク8上で光軸AXから高さHの位置に入射してい
る。コンデンサレンズ系114の焦点距離をfc とし
て、所定の係数βを用いると、コンデンサレンズ系11
4の射影関係は次式により近似される。
【0051】
【数9】H=fc・sin θ+fc・β(sin θ)3 (数9)において、β=0のときが、コンデンサレンズ
系114がfsin θレンズであることを示している。こ
こで、レンズ素子113に入射する照明光ILの断面内
での照度分布は、その開口が十分に小さいため、一様で
あるとすると、マスク8上の照明領域内において照度分
布を均一とするためには、(数8)のhと(数9)のH
とが比例関係にあること、即ち所定の比例係数γを用い
て次式を満たすことが必要となる。
【0052】
【数10】H=γ・h そして、(数10)に(数8)及び(数9)を代入する
と、次式のようになる。
【0053】
【数11】fc・sin θ+fc・β(sinθ)3=γ・{feye・si
n θ+feye・α(sinθ)3} 従って、被照射面の照度分布を均一にするためには、β
=α(α<0)であること、即ち、係数βを負の値にし
て、コンデンサレンズ系114にfsin θレンズよりも
更に負の歪曲収差を持たせることが必要となる。
【0054】次に、図9を参照してコンデンサレンズ系
114について更に解析する。図9は、図8中の開口絞
り107及びコンデンサレンズ系114を示し、この図
9において、まず開口107aは円形であるとする。そ
して、遠く(無限遠)に有る物体が結像しているとする
と、照明の開口数は結像倍率で決まるため、fsin θ結
像を基本としたときに比べて、照明光ILのサジタル方
向(本例では照明領域の短辺方向)の開口数NAsは、
理想的な場合の開口数に比べて単純に次式の倍率ksで
大きくなる。即ち、α<0であるため、ks>1とな
る。
【0055】
【数12】
【0056】また、メリジオナル方向(本例では照明領
域の長辺方向)の開口数NAmは、(数9)をsin θで
微分して得られる次式の倍率kmで、理想的な場合に比
べて大きくなる。
【0057】
【数13】
【0058】この場合、km>ksが成立しているた
め、特にメリジオナル方向で開口数の増加量が大きくな
る。これは図5(b2)の状態に対応している。これよ
り、本例の照明領域111a(より正確には視野領域8
a)のように長方形、台形、円弧状、又は輪帯の一部等
の細長い照明領域を使用する場合には、その照明領域の
長辺方向の端部において、照明光の開口数がメリジオナ
ル方向に大きくならないように、開口絞り107の開口
107aをその長辺方向を短軸方向とする楕円形状にす
ればよいことが分かる。また、照明領域(照明視野)が
正方形近い場合でも、その照明領域の幅の広い方を長辺
方向として、その開口107aを楕円形状にすること
で、或る程度の照度分布均一効果が得られる。
【0059】次に、図7を参照して更に詳細な検討を行
う。図7において、フライアイレンズ105aを構成す
るレンズ素子113の両面の曲率半径はr、屈折率はn
である。そして、レンズ素子113の入射面113aに
入射する照明光ILの入射角をδとすると、入射する照
明光ILのレンズ素子113の光軸からの高さhは、幾
何学的関係より次式により表される。
【0060】
【数14】h=r・sin δ また、レンズ素子113内を通過する照明光ILがレン
ズ素子113の光軸となす角度をθ’とすると、入射面
113aでの照明光ILの屈折角は(δ−θ’)で表さ
れるため、屈折の法則(スネルの法則)より、以下の式
が得られる。
【0061】
【数15】n・sin(δ−θ')=sin δ 更に、レンズ素子113の射出面113bから射出され
る照明光ILがその光軸に対してなす角度θを用いる
と、屈折の法則より次式が成立する。
【0062】
【数16】n・sin θ'=sin θ そして、(数14)〜(数16)より、δ及びθ’を消
去すると、次式が得られる。
【0063】
【数17】
【0064】ここで、符号が合理的なもののみを選択
し、(数6)を用いて上式よりrを消去し、h/rが1
に比べて小さいという近似を用いて整理すると、次式が
得られる。
【0065】
【数18】
【0066】更に、h/feye が大きくないとして、
(数18)の右辺第2項のhにfeye・sin θを代入し
て、hについて解くと、次式のようになる。
【0067】
【数19】
【0068】そして、(数8)と(数19)とを比較す
ることによって、係数αは次式のように求められる。
【0069】
【数20】
【0070】従って、(数12)及び(数13)に(数
20)の係数αを代入することによって、倍率ks及び
kmの値が得られる。そして、図3の照明領域111a
の長辺方向の端部に入射した照明光ILの0次光が、投
影光学系2aの瞳からはみ出さないようにするために
は、照明領域111aの光軸上に入射する照明光ILの
短辺方向(サジタル方向)の開口数をNAs、長辺方向
(メリジオナル)方向の開口数をNAmとすると、NA
/Ks≧NAs,かつNA/Km≧NAmが成立すれば
よい。即ち、次式が成立すればよい。
【0071】
【数21】
【0072】図2の開口絞り107の開口107aは、
(数21)の関係が成立するような楕円に設定されてい
る。これによって、照明光ILのσ値を1に近い値に設
定して照度を高くした場合でも、照明領域111aの全
域を通過した照明光ILの0次光が投影光学系2aの瞳
を通過できるようになるため、照度むらが生じることが
なく、現像後に高い線幅均一性が得られる。更に、サジ
タル方向とメリジオナル方向とで像質の差があまりなく
なるという利点もある。
【0073】なお、上記の実施の形態では、フライアイ
レンズは1段であるが、所定のリレーレンズ系を介して
フライアイレンズを2段配置するいわゆるダブル・フラ
イアイ方式の照明光学系に対しても本発明を適用するこ
とができる。また、上記の実施の形態では、複数の等倍
の投影光学系2a〜2gが使用されているが、通常の縮
小投影型のステップ・アンド・スキャン方式の投影露光
装置のように、単一の屈折型、反射屈折型、又は反射型
等の投影光学系を使用する投影露光装置の照明光学系に
も本発明が適用できることは明きらかである。更に、投
影光学系を使用しないプロキシミティ方式の露光装置の
照明光学系としても本発明を適用することができる。
【0074】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得ることは勿論である。
【0075】
【発明の効果】本発明の照明装置、及び第1の投影露光
装置によれば、回転非対称な開口を持つ開口絞りが配置
されているため、照明領域の一方の幅が他方の幅よりも
長い場合に、照明領域の全体を実質的に均一な照度分布
で、かつ高照度に照明できる利点がある。
【0076】また、本発明の第2の投影露光装置によれ
ば、照明領域が円弧状等を含む長方形状である場合であ
っても、その照明領域の全体を実質的に均一な照度分布
で、かつ例えばσ値が0.8程度以上の高照度に照明で
きる。更に、上記の各投影露光装置によれば、照明領域
の長辺方向(メリジオナル方向)と短辺方向(サジタル
方向)とでの像質の差があまりなくなるという利点もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施の形態の一例の投影露光装
置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】 図1中のマスク8及び照明光学系の要部を示
す斜視図である。
【図3】 図1中の投影光学系2aを示す図である。
【図4】 (a)は図2の照明領域111aに対する照
明光学系の要部を簡略化して示す図、(b)は図4
(a)の開口絞り107をフライアイレンズ105a側
に見た図である。
【図5】 本発明の実施の形態、及び従来技術における
投影光学系の瞳面での光源像の分布の相違を示す図であ
る。
【図6】 図2の照明光学系及び図3の投影光学系を簡
略化した光学系を示す図である。
【図7】 図6中のフライアイレンズ105aの一つの
レンズ素子113を通過する照明光の光路を示す図であ
る。
【図8】 図7中のコンデンサレンズ系114の射影関
係を示す図である。
【図9】 図8中のコンデンサレンズ系114を示す図
である。
【符号の説明】
2a〜2g…投影光学系、8…マスク、8a〜8g…視
野領域、9…プレート、9a〜9g…露光領域、10…
照明光学系、102…楕円鏡、103…ライトガイド、
104a,104b…リレーレンズ、105a,105
b…フライアイレンズ、107…開口絞り、107a,
107b…開口、106a,106b…コンデンサレン
ズ、112…視野絞り、111a〜111g…照明領
域、113…レンズ素子
フロントページの続き (72)発明者 山元 規彰 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 Fターム(参考) 5F046 CB05 CB13 DA02 DB01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光を供給する光源系と、該光源系か
    らの照明光より複数の光源像を形成する光源像形成光学
    系と、前記複数の光源像からの光束を集光して被照射面
    を重畳的に照明するコンデンサ光学系とを有する照明装
    置において、 前記光源像形成光学系は、それぞれ少なくとも入射側が
    球面状で断面形状が長方形の複数のレンズ素子を束ねて
    構成され、 前記被照射面に対する光学的なフーリエ変換面、又はこ
    の近傍の面上に前記レンズ素子の断面形状の長手方向に
    対応する方向に短い回転非対称な開口を有する開口絞り
    が配置されたことを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の照明装置と、該照明装置
    による被照射面に配置されたマスクのパターンの像を基
    板上に投影する投影光学系と、を有する投影露光装置で
    あって、 前記照明装置による前記被照射面上の照明領域は、前記
    レンズ素子の断面形状に実質的に相似な長方形状であ
    り、 前記投影光学系の開口数をNA、前記被照射面上の前記
    照明装置の光軸上での照明光の前記照明領域の長辺方向
    及び短辺方向の開口数をそれぞれNAm及びNAs、前
    記光源像形成光学系から射出されて前記照明領域の周辺
    に向かう光線が前記光軸となす角度をθ、前記光源像形
    成光学系を構成するレンズ素子の屈折率をnとしたとき
    に、次の関係が成立することを特徴とする投影露光装
    置。 【数1】
  3. 【請求項3】 請求項1記載の照明装置と、該照明装置
    による被照射面に配置されたマスクのパターンの像を基
    板上に投影する投影光学系と、を有する投影露光装置で
    あって、 前記照明装置による前記被照射面上の照明領域は、前記
    レンズ素子の断面形状に実質的に相似な長方形状であ
    り、 前記投影光学系の開口数をNA、前記被照射面上の前記
    照明装置の光軸上での照明光の前記照明領域の長辺方向
    及び短辺方向の開口数をそれぞれNAm及びNAsとし
    たときに、次の関係が成立することを特徴とする投影露
    光装置。 【数2】 0.95・NA>NAs>NAm>0.8・NA
  4. 【請求項4】 請求項2、又は3記載の投影露光装置で
    あって、 前記マスクのパターンの像を前記基板上に露光する際
    に、前記マスク及び前記基板を前記照明領域の短辺方向
    に前記投影光学系に対して同期走査することを特徴とす
    る投影露光装置。
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