JP2000137098A - ソーラスリット及びその製造方法 - Google Patents

ソーラスリット及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の平行X線ビームを形成でき、その結
果、X線測定における分解能を向上できるソーラスリッ
トを提供する。 【解決手段】 互いに間隔をおいて積層された複数の金
属箔9を有し、X線R1,R2の光路に配置されてその
X線の発散を制限するソーラスリット2,6である。金
属箔9は、燒結によって形成されることによりその表面
に高調波の面粗さを有する。また、金属箔9は、酸化処
理によって形成される酸化物をその表面に有し、その酸
化物は高調波の面粗さを持つように形成する。金属箔9
の表面に高調波の面粗さを持たせることにより、その金
属箔9におけるX線の全反射を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線装置等に用い
られるソーラスリットであって、発散しながら進行する
X線を平行X線として取り出す働きをするソーラスリッ
トに関する。また本発明は、そのソーラスリットの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソーラスリットすなわち平行スリット
は、一般に、薄い金属箔をスペーサを間に挟んで一定の
ピッチで複数個積み上げることによって形成される。そ
して、X線光学系におけるX線の垂直発散や水平発散を
抑えるのに用いられる。従来のソーラスリットでは、ス
テンレス(Fe)や真鍮(Cu−Zn)等を圧延して形
成した圧延材料によって金属箔が形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような圧延金属箔ではその表面が鏡面になっているた
め、図7に示すように、入射X線R1が金属箔9によっ
て全反射を起こし、そのため、要求する精度の平行X線
ビームを得ることができず、その結果、X線測定におい
て目標とする分解能を得ることができなかった。特に、
目標とする分解能が入射X線の波長の全反射臨界角度以
下である場合には、分解能と全反射による広がりが同等
以上になってしまい、大きな問題となっていた。
【0004】上記の全反射を抑えるため、従来、金属箔
の表面をエメリー紙で荒らしたり、、酸によるエッチン
グすなわち掘り下げを行ったり、あるいは、メッキを施
したり等といった種々の試みが行われている。しかしな
がら、いずれの場合も高精度の平行X線ビームを得るこ
と、すなわち分解能を高めることに関して満足できる結
果が得られていない。
【0005】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、高精度の平行X線ビームを形成でき、そ
の結果、X線測定における分解能を向上できるソーラス
リットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係る第1のソーラスリットは、互
いに間隔をおいて積層された複数の金属箔を有し、X線
光路に配置されたときにX線の発散を制限するソーラス
リットにおいて、前記金属箔は、燒結によって形成され
ることによりその表面に高調波の面粗さを有することを
特徴とする。
【0007】本明細書において「高調波の面粗さ」と
は、高周波の振動のように面の凹凸が短い周期で繰返す
ということであり、具体的には、エメリー仕上げや、酸
によるエッチング等によって得られる表面凹凸状態のよ
うに、緩やかに繰返す波長の長い凹凸よりも平滑であ
り、しかし、ガラス表面のような超平滑面よりも粗い表
面状態であり、より具体的には、X線の全反射を防ぐこ
とができる程度の面粗さである。
【0008】また、「焼結」とは、周知の通り、粉を焼
き固めて希望の形状に形成するという処理のことであ
り、現状の焼結処理を用いれば、上記の希望とする粗さ
範囲に入る高調波の面粗さを確実且つ簡単に形成するこ
とができる。燒結処理は現在も発展段階にある技術であ
り、従来はその表面粗さが非常に大きく、本発明で要求
するような上記の高調波の面粗さを作ることは難しかっ
た。しかしながら近年では、技術の進歩により焼結処理
によって、ちょうどそのような高調波面粗さを形成でき
るようになった。
【0009】これより先の技術の進歩を考えれば、空間
周期が数十μm以下でRMS値が数十nm以下であるよ
うな鏡面状態に近い超平滑な表面状態が焼結処理によっ
て形成できるようになるかもしれない。その場合、金属
箔に関するそのような滑らかな表面状態は本発明におけ
る「高調波の面粗さ」から外れる表面状態であると考え
られる。
【0010】本発明に係るソーラスリットによれば、上
記のように金属箔の表面に高調波の面粗さを持たせたの
で、そのソーラスリットに入射したX線が全反射するこ
とを抑制でき、その結果、高精度の平行X線ビームを形
成することができるようになり、よって、X線測定にお
ける分解能を高めることができるようになった。
【0011】(2) 金属箔等の面粗さは、一般に、空
間周期及びRMS値(すなわち、平均振幅)によって特
定できる。エメリー仕上げ等によって得られる比較的粗
い面粗さは、通常、空間周期が0.1〜1mmでRMS
値が0.1〜1μm程度である。また、Siウエハやガ
ラス等といった超平滑化製品の面粗さは、通常、空間周
期が25μm以下でRMS値が0.2nm程度である。
【0012】本明細書でいう「高調波の面粗さ」とは、
X線の全反射を防ぐことができる程度の面粗さに相当
し、例えば、空間周期が50μm以下、より具体的には
20〜50μm程度で、RMS値が20nm〜1μm、
望ましくは20〜50nm程度の粗さとして特定でき
る。本発明において所期の効果を得るためには、特に、
RMS値が上記の所定幅にあることが必要であると考え
られる。
【0013】(3) 上記構成において、金属箔を形成
する材料は特定のものに限定されることはないが、望ま
しくはW(タングステン)、Mo(モリブデン)等によ
って形成する。
【0014】(4) 次に、本発明に係る第2のソーラ
スリットは、互いに間隔をおいて積層された複数の金属
箔を有し、X線光路に配置されたときにX線の発散を制
限するソーラスリットにおいて、前記金属箔は、酸化処
理によって形成される酸化物をその表面に有し、その酸
化物は高調波の面粗さを持つことを特徴とする。
【0015】このソーラスリットによっても、金属箔の
表面に高調波の面粗さを持たせたので、そのソーラスリ
ットに入射したX線が全反射することを抑制でき、その
ため、高精度の平行X線ビームを形成することができる
ようになり、その結果、X線測定における分解能を高め
ることができる。
【0016】なお、金属箔の表面に酸化物を形成すると
いう本発明の場合には、金属箔そのものよりも軽元素と
なる化合物がその金属箔の表面に存在することになるか
ら、全反射臨界角度が低下するという効果も得られる。
【0017】なお、上記構成における「酸化処理」と
は、金属箔の表面に酸化物を形成するための処理という
ことであり、金属箔の表面を掘り下げてしまうエッチン
グ処理とは異なる技術である。エッチング処理では、本
発明でいう高調波の面粗さは形成できない。
【0018】(5) 上記(4)の構成において、高調
波の面粗さはRMS値が20nm〜1μm、望ましくは
20nm〜50nmとすることが望ましい。
【0019】(6) 上記(4)の構成において、金属
箔を形成する材料は特定のものに限定されることはな
く、例えば、真鍮(Cu−Zn)、ステンレス等によっ
て形成できる。真鍮を用いる場合は、例えば濃硝酸又は
過マンガン酸によって酸化処理を行うことができる。ま
た、ステンレスを用いる場合は、例えば過マンガン酸に
よって酸化処理を行うことができる。ステンレスを用い
る場合は濃硝酸による酸化処理は難しいと考えられる。
この場合には、金属箔の表面に酸化被膜が形成されてし
まい、それ以降の酸化の進行がその被膜によって阻止さ
れるからである。
【0020】(7) 次に、本発明に係る第1のソーラ
スリットの製造方法は、互いに間隔をおいて積層された
複数の金属箔を有し、X線光路に配置されたときにX線
の発散を制限するソーラスリットの製造方法において、
前記金属箔は、その表面に高調波の面粗さができるよう
に燒結によって形成されることことを特徴とする。
【0021】このソーラスリットの製造方法によれば、
製造されたソーラスリットの金属箔の表面に高調波の面
粗さが形成されるので、そのソーラスリットに入射した
X線が全反射することを抑制でき、そのため、高精度の
平行X線ビームを形成することができるようになり、そ
の結果、X線測定における分解能を高めることができ
る。
【0022】(8) 次に、本発明に係る第2のソーラ
スリットの製造方法は、互いに間隔をおいて積層された
複数の金属箔を有し、X線光路に配置されたときにX線
の発散を制限するソーラスリットの製造方法において、
前記金属箔は、その表面に高調波の面粗さを持つ酸化物
ができるように酸化処理を受けることを特徴とする。
【0023】この製造方法によっても、製造された金属
箔の表面に高調波の面粗さを持たせることができるの
で、そのソーラスリットに入射したX線が全反射するこ
とを抑制でき、そのため、高精度の平行X線ビームを形
成することができるようになり、その結果、X線測定に
おける分解能を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明のソーラ
スリットについて説明する前にそのソーラスリットの利
用形態について簡単に説明する。図5はその利用形態の
一例である集中法X線光学系を示している。このX線光
学系は、X線を発生するラインフォーカスのX線焦点F
と、測定対象である試料Sと、試料Sからの回折X線を
検出するX線カウンタ1とを有する。X線焦点Fと試料
Sとの間には入射側ソーラスリット2及び発散制限スリ
ット3が配設される。また、試料SとX線カウンタ1と
の間には散乱線制限スリット4、受光側ソーラスリット
6及び受光スリット7が配設される。
【0025】X線焦点Fから発生して発散するX線は、
入射側ソーラスリット2によって縦方向の発散が規制さ
れた状態で発散制限スリット3へ入射し、そのスリット
3によって幅方向の発散が規制され、その状態で試料S
へ入射する。試料Sの結晶格子面と入射X線との間でブ
ラッグの回折条件が満足されると、その試料SでX線回
折が生じる。
【0026】試料Sで回折したX線すなわち回折X線
は、散乱線制限スリット4を通過するときに散乱線成分
が除去され、さらに受光側ソーラスリット6によって縦
方向の発散が規制され、そして受光スリット7に集光す
る。集光した回折X線は受光スリット7で決められる領
域のものがその受光スリット7を通過してX線カウンタ
1に取り込まれる。この取り込まれたX線に関して強度
が演算される。
【0027】以上のようなX線測定において、X線カウ
ンタ1に縦方向に広がるX線成分が取り込まれると、い
わゆるアンブレラ効果が現れて分解能が低下することが
知られている。ソーラスリット2及びソーラスリット6
は、縦方向に広がるX線成分がX線カウンタ1に取り込
まれるのを防止することにより、分解能が低下すること
を抑制する。
【0028】図6は、ソーラスリットの利用形態の他の
一例である平行ビームX線光学系を平面図として示して
いる。このX線光学系は、X線を発生するラインフォー
カスのX線焦点Fと、測定対象である試料Sと、試料S
からの回折X線を検出するX線カウンタ1とを有する。
X線焦点Fと試料Sとの間には入射側ソーラスリット2
が配設され、試料SとX線カウンタ1との間には受光側
ソーラスリット6が配設される。
【0029】X線焦点Fから発生して発散するX線は、
入射側ソーラスリット2によって平行ビームとされて試
料Sへ入射し、その試料Sで回折したX線は、受光側ソ
ーラスリット6によって発散が規制された状態でX線カ
ウンタ1に取り込まれる。この取り込まれたX線に関し
て強度が演算される。受光側ソーラスリット6は、試料
Sで回折したX線の発散を規制することにより、X線測
定における分解能を高める働きをする。
【0030】図5の集中法光学系及び図6の平行ビーム
光学系において、入射側ソーラスリット2及び受光側ソ
ーラスリット6は、図1に示すように、スペーサ8を間
に挟んで複数の金属箔9を積層することによって形成さ
れる。発散する入射X線R1がこのソーラスリット2,
6に入射すると、図の縦方向に関するX線の発散が規制
されて受光側に平行X線R2が得られる。また、ソーラ
スリット2,6を図の状態から90°回転させれば、横
方向に関するX線の発散を規制して横方向に幅を持つ平
行X線ビームを取り出すことができる。
【0031】このソーラスリット2,6の光学的特性の
1つとして、図2における開口角φ(°)がある。この
開口角φは、金属箔9の長さをL、隣り合う金属箔9同
士の間隔をtとするとき、 φ=2×tan-1(t/L) によって表される。この開口角φは、ソーラスリットを
用いたX線光学系における分解能を決定する重要な要素
である。
【0032】本実施形態では、図1において、ソーラス
リット2,6の金属箔9が、W(タングステン)、Mo
(モリブデン)等を材料として焼結方法によって、すな
わち粉を焼き固める方法によって形成される。そして、
その焼結によって自然に生じた材料表面の面粗さを利用
してソーラスリット2,6を通過するX線の全反射を抑
制する。
【0033】現状の焼結処理によれば、材料の表面に希
望通りの高調波の面粗さ、例えば空間周期が50μm以
下、より具体的には20〜50μm程度で、RMS値が
20nm〜1μm、望ましくは20〜50nm程度の面
粗さを都合良く形成でき、この高調波の面粗さがX線の
全反射を抑制するのに非常に効果的である。そして、こ
のようにX線の全反射を抑制することにより、X線測定
における分解能を高めることができる。
【0034】次に、ソーラスリット2,6の金属箔9は
酸化処理を施したステンレス(Fe)や真鍮(Cu:Z
n=5:1)を用いて形成することもでき、これによ
り、X線測定の分解能を高めることができる。
【0035】ステンレス等に酸化処理を施すとその表面
に酸化物が形成され、その酸化物の表面には希望通りの
高調波の面粗さ、例えば空間周期が50μm以下、より
具体的には20〜50μm程度で、RMS値が20nm
〜1μm、望ましくは20〜50nm程度の面粗さを都
合良く形成でき、この高調波の面粗さがX線の全反射を
抑制するのに非常に効果的である。そして、このように
X線の全反射を抑制することにより、X線測定における
分解能を高めることができる。
【0036】
【実施例】(第1実施例)今、焼結によって形成したW
(タングステン)の板材から金属箔9を作製し、その金
属箔9を用いてソーラスリット2,6を作製した。ま
た、ステンレスの圧延材を用いて金属箔9を作製し、さ
らに真鍮(Cu−Zn)の圧延材を用いて金属箔9を作
製し、そしてそれらの金属箔9のそれぞれを用いて従来
のソーラスリット2,6を作製した。
【0037】それら3種類のソーラスリットの個々を用
いてX線光学系を構成してX線測定を行ったところ、図
3に示すような結果が得られた。このグラフにおいてピ
ークブロードニング、すなわち半価幅(FWHM)の広
がりの程度及びテーリングの程度を観察した。ここで、
テーリングとは、図3のプロファイルにおける底部Tの
広がり具合のことであり、具体的には、プロファイルの
裾部がすぼまっているか、あるいは広がっているかの程
度のことである。
【0038】観察の結果、Wの焼結材を用いたソーラス
リットを用いる場合(プロファイルA)は、ステンレス
の圧延材を用いる従来の場合(プロファイルB)や真鍮
の圧延材を用いる従来の場合(プロファイルC)に比べ
て、ピークブロードニングがほとんど観測されなかっ
た。このことは、Wの焼結材を用いたソーラスリットを
用いる場合が最も分解能が高いということである。
【0039】(第2実施例)真鍮(Cu:Zn=5:
1)の圧延材を用いて図1の金属箔9を従来の通りに形
成し、その金属箔9を用いてソーラスリット2,6を構
成し、そのソーラスリット2,6を用いて構成したX線
光学系を用いてX線測定を行ったところ、図4に鎖線で
示すようなプロファイルDが得られた。
【0040】その後、上記のソーラスリット2,6を分
解して各金属箔9を取り出してそれらを濃硝酸によって
酸化して表面に酸化物を形成し、それらの金属箔8を用
いて再度ソーラスリット2,6を組立て、それを用いて
再度X線測定を行ったところ、図4に実線で示すプロフ
ァイルEが得られた。
【0041】プロファイルD及びプロファイルEを比べ
ると、半価幅及びテーリングの両方によって評価される
特性であるピークブロードニングに関して、プロファイ
ルEがプロファイルBに対して大きく改善されているこ
とが分かった。つまり、酸化処理を行った金属箔9を用
いて形成したソーラスリットを用いるとX線測定の分解
能が大きく改善されることが分かった。
【0042】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態及び好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、
本発明はその実施形態等に限定されるものでなく、請求
の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0043】例えば、本発明に係るソーラスリットは図
5及び図6に示すようなX線光学系に限られず、その他
種々の構成のX線光学系に対して適用できる。また、ソ
ーラスリットの具体的な構造は図1に示す構造に限定さ
れず、各金属箔の間に所定の間隔が形成される限りにお
いて、種々の構造とすることができる。例えば、スペー
サは必ずしも金属箔の両側に配置しなければならないも
のではなく、金属箔の一方の側だけに配置する構造とす
ることもできる。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るソーラスリットによれば、
金属箔の表面に高調波の面粗さを持たせたので、そのソ
ーラスリットに入射したX線が全反射することを抑制で
き、よって、高精度の平行X線ビームを形成することが
できるようになり、その結果、X線測定における分解能
を高めることができる。
【0045】また、本発明に係るソーラスリットの製造
方法によれば、簡単な方法によって金属箔の表面に希望
通りの高調波の面粗さを確実に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るソーラスリットの一実施形態を示
す斜視図である。
【図2】ソーラスリットの光学的特性である開口角を示
す模式図である。
【図3】ソーラスリットを用いたX線回折装置による測
定結果の一例を示す図である。
【図4】ソーラスリットを用いたX線回折装置による測
定結果の他の一例を示す図である。
【図5】ソーラスリットを利用するX線装置の一例を示
す斜視図である。
【図6】ソーラスリットを利用するX線装置の他の一例
を示す斜視図である。
【図7】ソーラスリット内でのX線の進行状況を模式的
に示す図である。
【符号の説明】
1 X線カウンタ 2 入射側ソーラスリット 3 発散制限スリット 4 散乱線制限スリット 6 受光側ソーラスリット 7 受光スリット 8 スペーサ 9 金属箔 F X線焦点 R1,R2 X線 S 試料

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに間隔をおいて積層された複数の金
    属箔を有し、X線光路に配置されてそのX線の発散を制
    限するソーラスリットにおいて、 前記金属箔は、燒結によって形成されることによりその
    表面に高調波の面粗さを有することを特徴とするソーラ
    スリット。
  2. 【請求項2】 請求項1において、高調波の面粗さはR
    MS値が20nm〜1μm、望ましくは20nm〜50
    nmであることを特徴とするソーラスリット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記金
    属箔はW(タングステン)又はMo(モリブデン)によ
    って形成されることを特徴とするソーラスリット。
  4. 【請求項4】 互いに間隔をおいて積層された複数の金
    属箔を有し、X線光路に配置されてそのX線の発散を制
    限するソーラスリットにおいて、 前記金属箔は、酸化処理によって形成される酸化物をそ
    の表面に有し、その酸化物は高調波の面粗さを持つこと
    を特徴とするソーラスリット。
  5. 【請求項5】 請求項4において、高調波の面粗さはR
    MS値が20nm〜1μm、望ましくは20nm〜50
    nmであることを特徴とするソーラスリット。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5において、前記金
    属箔は真鍮によって形成されることを特徴とするソーラ
    スリット。
  7. 【請求項7】 互いに間隔をおいて積層された複数の金
    属箔を有し、X線光路に配置されてそのX線の発散を制
    限するソーラスリットの製造方法において、前記金属箔
    は、その表面に高調波の面粗さができるように燒結によ
    って形成されることことを特徴とするソーラスリットの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 互いに間隔をおいて積層された複数の金
    属箔を有し、X線光路に配置されてそのX線の発散を制
    限するソーラスリットの製造方法において、前記金属箔
    は、その表面に高調波の面粗さを持つ酸化物ができるよ
    うに酸化処理を受けることを特徴とするソーラスリット
    の製造方法。
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