JP2000137054A - 無風処理式環境試験装置及び支持装置 - Google Patents

無風処理式環境試験装置及び支持装置

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JP2000137054A
JP2000137054A JP10326032A JP32603298A JP2000137054A JP 2000137054 A JP2000137054 A JP 2000137054A JP 10326032 A JP10326032 A JP 10326032A JP 32603298 A JP32603298 A JP 32603298A JP 2000137054 A JP2000137054 A JP 2000137054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物を無風で環境試験する。 【解決手段】 恒温槽に使用するボードキャリア1は、
バーンインボード2を挿入する溝3a、これを形成する
両側板3、蓋4、これを支持する梁棒51、これを連結
する連結棒52、これらを縦方向に連結する縦連結軸5
3、これらを支持する受け座54及びスプリング55、
エアシリンダで押し込まれる押し込みピン56、バーン
インボード上のガスケット25、等を有する。 【効果】 押し込みピン56が押し込まれると、各段毎
に蓋4の縁部分41がガスケット41に圧接し、バーン
インボード2上でICを閉鎖し、ICを無風の良好な環
境で処理できる。蓋が各段毎に設けられていて、高さが
低く外部の吸熱がよい。従って温度追従性が良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、平板状支持体に
支持される各種電気電子機器やそれらの部品等から成る
被処理物に少なくとも温度環境を与えて試験や熱処理を
する環境試験装置に関し、特に被処理物の無風処理技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】恒温槽等の環境試験装置では、従来、槽
内を循環する高温空気を電子機器等の試料に当てること
により、試料を一定の温度環境に置いて熱処理したりそ
れらの特性を試験するようにしていた。しかしながら、
このように試料に直接空気を当てると、個々の試料にお
いて空気の直接当たる側とその反対側とで受熱条件の差
ができたり、風速の影響等が生ずるため、精度の高い環
境試験を行うことが難しいと共に、試料によっては直接
風を受けることが好ましくない場合がある。なお、槽内
を無風に近い条件にした精密環境試験装置はあるが、こ
のような装置では、熱移動が迅速に行われず試料温度の
追従性が悪いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、被処理物の温度追従性を良好に
維持しつつ精密な環境試験を行える環境試験装置を提供
することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1の発明は、平板状支持体に支持さ
れる被処理物に少なくとも温度環境を与えて試験する環
境試験装置において、支持装置と駆動機構とを有し、前
記支持装置は、前記平板状支持体を多段に支持する支持
部と、多段のそれぞれの段で前記被処理物を前記平板状
支持体との間で閉鎖可能な蓋と、該蓋が前記被処理物を
閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置との間で移動可能
なように前記蓋を支持する蓋支持機構と、を備え、前記
駆動機構は駆動されたときに前記蓋を前記閉鎖位置と前
記開放位置との間で移動させる、ことを特徴とする。
【0005】請求項2の発明は、上記に加えて、前記平
板状支持体は前記被処理物の外側に前記平板状支持体の
面から突出したシール部を備え、前記蓋は前記閉鎖位置
で前記シール部に接触して前記被処理物を前記面との間
で閉鎖する縁部分を有する、ことを特徴とする。
【0006】請求項3の発明は、請求項1の発明の特徴
に加えて、前記支持装置が前記被処理物を試験する状態
に位置決めされるとこれを検知する検知手段と、該検知
手段が前記位置決めを検知すると前記駆動機構を作動さ
せるように制御する制御手段と、を有することを特徴と
する。
【0007】請求項4の発明は、平板状支持体に支持さ
れる被処理物に少なくとも温度環境を与えて試験する環
境試験装置の本体部分に出し入れ可能に構成された支持
装置において、前記平板状支持体を多段に支持する支持
部と、前記本体部分に入れられて該本体部分から駆動さ
れると前記多段のそれぞれの段で前記被処理物を前記平
板状支持体との間で閉鎖可能な蓋と、該蓋が前記被処理
物を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置との間で移動
可能なように前記蓋を支持する蓋支持機構と、を有する
ことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1乃至図3は、本発明を適用し
た環境試験装置の本体部分としての恒温槽100に使用
する支持装置としてのボードキャリア1の構成例を示
す。本例のボードキャリア1は、平板状支持体として図
4に示すバーンインボード2の面としての上面2aに支
持される被処理物としての集積回路素子等の半導体素子
(以下「IC」という)に高温環境を与えてバーンイン
試験する恒温槽100(図5、6に示す)に使用され、
支持部としての溝3a、蓋4、蓋支持機構5、等を有す
る。
【0009】支持装置1の基本構造は、穴31が開けら
れ上下方向に延設された両側板3、四隅の上下方向の枠
を形成するように両側板3が前後Y方向の両端で折り曲
げられた縦枠部32、同様に上下端で折り曲げられた前
後Y方向の前後方向横枠部33、これらの枠部と結合さ
れた上下の幅X方向の幅方向横枠板6、これらの枠板と
結合された天井板7及び底板8、等によって構成されて
いる。なお、図3(a)では、両側板3の構造の細部を
簡略化し、且つ天井側のもののみを示している。底側も
同様の構造である。図1(a)、図2及び図3(c)に
示す9乃至12は、それぞれ、位置決め用穴9、奥板1
0、ボードキャリアの引込み用穴11及びセンサ用当て
板12の符号である。引込み用穴11は底側にも設けら
れている。
【0010】バーンインボード2は、図4に示す如く、
通常の構成部分として、ICを搭載して電気的に接続す
るための多数のICソケット21とボードステー22及
びこれを覆う裏板23とをそれぞれ上下面に装備してい
ると共に、図示しない基板回路と先端のエッジ24とを
備えている。ICは、ICソケット21及び基板回路を
介してエッジ24と電気的に接続される。そして本例で
は、多数のICの外側従ってICソケット21の外側に
上面2aから突出したシール部としてのガスケット25
及びその溝枠26を設けている。このバーンインボード
はボードキャリア1にY方向に挿抜される。
【0011】溝3aは、バーンインボード2を多段とし
て本例では10段に支持するように、側板3を加工する
ときに穴31の一部分を残してこれを側板面3bから内
側に折り曲げた折り曲げ部34によって形成されてい
る。この部分は、図2(b)のようにY方向の両側、即
ちバーンインボード1の先後端部分では広くなってい
て、その挿抜が容易になっている。
【0012】蓋4は、10段のそれぞれの段で、バーン
インボード2のICソケット21に搭載されるICを、
バーンインボード2との間で閉鎖可能なように構成され
ている。そして本例では、図1(d)に示すように、右
側の実線で示す閉鎖位置Aでバーンインボード2のガス
ケット25に圧接し、ICを表面2aとの間で閉鎖する
縁部分41を有する。蓋4の材質としては、軽くて熱伝
導率が良くある程度の耐熱性のあるものが望ましく、本
例ではアルミニウムが使用されている。
【0013】蓋支持機構5は、蓋4がICを閉鎖する閉
鎖位置Aと開放する開放位置Bとの間で移動可能なよう
に蓋4を支持する。そのため本例では、X方向に延設さ
れY方向の両端部にあって各段で蓋4を取り付け支持し
ている梁棒51、これらを最上段でY方向に枠状に結合
している連結棒52、最上段の連結棒52及び全段の梁
棒51を貫通してこれらを固定している縦連結棒53、
底板8に固定された受け座54、一端側がこの上に支持
され他端側が最下段の梁棒5110の両端を介して縦連結
軸53を支持するスプリング55、等で構成されてい
る。最上段の連結棒52の中央位置には、蓋支持機構5
を介して蓋4を押し下げられるように操作端として押し
込みピン56が設けられている。
【0014】このような蓋支持機構5においては、押し
込みピン56が駆動機構で駆動されると、前記の如く蓋
4が閉鎖位置Aと開放位置Bとの間を移動するようによ
うに構成されている。この場合、蓋4をバーンインボー
ド2の各段間に配置し、縦連結軸53をバーンインボー
ド2の外側の枠部分に配置すると共に、枠部分から蓋の
横をバーンインボード上に延設されている梁棒51に対
して、両側板3に側穴35を開けてその上下動を可能に
することにより、蓋及び蓋支持機構5が他の構造部分と
干渉することなく配置され且つ移動可能になっている。
なお、図2(b)では側穴35の図示を省略している。
【0015】図5及び図6は、以上のようなボードキャ
リア1を恒温槽100内に入れた状態を示す。恒温槽1
00には、駆動機構として2台の蓋開閉用エアシリンダ
110が設けられている。エアシリンダ110は、ロッ
ド111を備えていて、駆動されたときに、押し込みピ
ン56を備えた蓋支持機構5を介して蓋4を閉鎖位置A
と開放位置Bとの間で移動させる。即ち、本例では、ロ
ッド111が所定距離だけ突き出すことにより、押し込
みピン56、連結棒52、縦連結軸53及び梁棒5110
を介してスプリング55の力に抗して蓋4を開放位置B
から閉鎖位置Aまで移動させると共に、ロッド111が
引っ込んで元の位置に復帰することにより、スプリング
55の力によって蓋4が閉鎖位置Aから開放位置Bまで
移動する。
【0016】なお、蓋支持機構5及び駆動機構110と
しては、上記のようにスプリング55を用いた機構に代
えて、蓋支持機構5が自重によって一定位置まで下降し
てストッパ等で受けられると共に蓋4を閉じ、シリンダ
ロッド等によって操作端を引き上げることによって蓋を
開くようにした機構や、操作端とシリンダロッド111
とを直結してエアシリンダの押し込み及び引き上げ力に
よって蓋を開閉させる等、種々の機構を用いることがで
きる。
【0017】恒温槽100でICのバーンイン試験を行
うときには、ICを装着したバーンインボード2を搭載
したボードキャリア1を恒温槽100内へ搬入/搬出
し、恒温槽100で位置決めした後蓋4を開閉すること
になる。この場合、これらの操作を全て人が行うことも
当然可能であるが、本例ではこのような操作を自動的に
行えるようにしている。
【0018】そのため、ICがバーンイン処理されるよ
うにボードキャリア1を所定位置に位置決めする位置決
め機構120が設けられていると共に、蓋4の自動開閉
装置として、このように位置決めされたことを検知する
検知手段であるセンサ130、これがボードキャリア1
の所定位置を検知すると蓋開閉用エアシリンダ110を
作動させるように制御する制御手段としての蓋開閉制御
器140、等が設けられている。蓋開閉制御器140に
は、バーンイン終了時に蓋を開くために、恒温槽の操作
制御装置から蓋開放用信号が供給される。位置決め機構
120は、通常前記操作制御装置で駆動制御されるが、
蓋開閉制御器140で駆動制御されるようにしてもよ
い。
【0019】位置決め機構120は、ボードキャリア1
が恒温槽100内に搬入されたときにこれを受けると共
に3種類のピンである移動用ピン121、爪回転用ピン
122及び爪回転中心ピン123を装着したステー12
4、このとき図1に示す位置決め用穴9に嵌合して位置
合わせするための上下の位置決めピン125、挿抜用ピ
ン121と係合するロッド126aを備えステー124
を前後Y方向に移動させる挿抜用エアシリンダ126、
爪回転中心ピン123に嵌められ爪部127aと爪回転
用ピン122を摺動移動可能に嵌合した長穴127bと
を備えた爪部材127、等によって構成されている。
【0020】恒温槽100は、図示していないがバーン
イン試験のための通常を構成として、加熱器や送風機等
を備えていて、矢印で示すようにボードキャリア1の幅
X方向に平行層流から成る熱風が図示しない断熱壁で囲
われている槽内101を循環するように構成されてい
る。又、恒温槽100の奥側には、バーンインボード2
のエッジ24を結合するためのエッジコネクタ102が
配設されている。符号103はボードキャリア1を搬入
するためのローラである。
【0021】以上のような恒温槽は次のように運転され
その作用効果を発揮する。恒温槽100の外でバーンイ
ン試験を行うべきICをバーンインボード2のICソケ
ット21上に装着し、そのエッジ24を手前側にして図
2(b)の右側であるボードキャリア1の手前から溝3
aに沿って奥板10に当たるまでバーンインボードを挿
入する。この場合、IC挿抜機を使用すれば、バーンイ
ンボード上へのICの装着及びそのバーンインボードの
ボードキャリアへの搭載を自動的に行うこともできる。
【0022】全てのバーンインボードが搭載されたボー
ドキャリア1は、キャリアラックやホークリフト又は無
人搬送車(AGV)等の適当な搬送手段で恒温槽100
の前まで搬送され、恒温槽内に移載される。この場合、
恒温槽におけるバーンイン工程とIC挿抜機での挿抜工
程との調整のために中間のストッカを利用することもで
きる。本例では、ボードキャリアの搬送及び恒温槽への
出し入れが自動的に行えるように、恒温槽との間を橋渡
ししつつボードキャリア1を押し引きしてこれを恒温槽
内のローラ103上に移載できるAGVが使用される。
【0023】恒温槽100内に入れられたボードキャリ
ア1は、ローラ103のうち回転駆動されるローラによ
って図6において左から右の方向である恒温槽の奥側に
搬送され、センサ130がセンサ用当て板12を検知す
ることにより、同図の下側に示すようにボードキャリア
1の先端がステー124に当たった位置でその動きが停
止する。
【0024】これに続いて、挿抜用エアシリンダ126
が作動し、ロッド126aが挿抜用ピン121を介して
ステー124を奥側に押して同図の上側の状態にする。
このとき、回転中心ピン123を介して爪部材127が
ステー124と共に奥側に移動するが、移動時に爪回転
用ピン122が長穴127aと摺動移動することによ
り、回転中心ピン123を中心として傾斜していた長穴
が水平になるまで回転して爪部材127を回転させ、そ
の爪部127aがボードキャリア1の天井板及び底板に
開けられた引込み用穴11に入り込み、ボードキャリア
1を奥の所定位置に位置決めする。
【0025】このときには、ボードキャリア1の先端か
ら突出しているバーンインボードのエッジ24がエッジ
コネクタ102に自動的に挿入される。そして、図示し
ない中継ボードを介して、ICが恒温槽の外に設置され
ているドライバーボードと電気的に接続される。
【0026】このように位置決めされた所定位置は、セ
ンサ130がオンからオフになることによって検知さ
れ、その信号により、蓋開閉制御器140が蓋開閉用エ
アシリンダ110を駆動する。これにより、押し込みピ
ン56が押し込まれ、連結棒52、縦連結軸53、梁棒
51を介して各段の蓋4が押し下げられ、その縁部分4
1がガスケット25に圧接する。このときスプリング5
5は押し下げられて圧縮される。これにより、蓋4はバ
ーンインボード2に装着されているICを密閉した状態
になる。この場合、蓋4の縁部分41は固く且つ厚みが
比較的薄いので、小さい接触力でもガスケットとの間で
必要な接触面圧を得て十分なシール効果を発揮する。
【0027】ICが蓋4で閉鎖されると、恒温槽100
では加熱器や送風機が運転され、槽内101では平行層
流の熱風が循環する。この熱風は両側板3に開けられた
穴31を通過して蓋4の外を流れ、蓋4の内部のICは
外部から風が入らないと共に内部空気の対流も最小限に
抑制されていて無風条件に近い無風状態で加熱される。
その結果、風速のバラツキや風の当たる側と当たらない
側とができるような不具合がなくなり、全てのICが同
じ条件で加熱昇温されて同じ温度になり、極めて高精度
の熱処理をすることができる。
【0028】そしてこの場合、蓋4がバーンインボード
の各段毎に設けられていてその高さ方向の寸法が十分小
さくなっているため、内部で高さ方向に温度勾配ができ
ず、内部の温度環境を直接ICに与えられること、蓋が
あるために中のICに風の影響が及ばないため、ある程
度流速を上げて蓋との間の熱貫流率を大きくすることが
できること、蓋には耐圧性まで要求されないため、蓋材
の厚みを十分薄くし、この点でも内外の熱伝達を良くす
ることができること、等によって迅速にICを温度上昇
させることができる。
【0029】槽内101及び蓋4の内部のICが所定温
度になると、外部のドライバーボードによってICを動
作され、種々のテストが行われる。バーンイン試験が終
了すると、加熱器や送風機が停止し、バーンイン装置の
全体の制御装置から蓋開閉制御器140に信号が与えら
れ、蓋開閉制御器140は蓋4を開くように制御する。
これにより、蓋開閉用エアシリンダの押し出していたロ
ッド111が引っ込められ、スプリング55のバネ力に
よって閉鎖時とは反対の動作で各段の蓋が開かれる。
【0030】ロッド111が退避して押し込みピン56
との圧接関係が外れると、ボードキャリア1が可動な状
態になり、挿抜用エアシリンダ126が作動し、突き出
していたロッド126aが退避し、ステー124が動く
と共に爪部材の爪部127aが回転して引込み穴11か
ら抜け出し、これらの間の係合が解除される。このと
き、ステー124の動きでバーンインボードが押され、
そのエッジ24がエッジコネクタ102から抜け出す。
そして、恒温槽からのボードキャリアの引き出しが可能
になり、ボードキャリアはAGV等の搬送装置側に移載
される。このような設備によれば、無風加熱のための操
作を含むバーンインの全ての工程を自動的に行うことが
できる。
【0031】なお以上では、1台のボードキャリアを恒
温槽に搭載する例について説明したが、例えば4台のボ
ードキャリアを恒温槽内に2段/2列に搭載するような
場合にも本発明を適用できることは勿論である。又、本
例では支持装置が独立のボードキャリアであり恒温槽か
ら出し入れ可能な場合について説明したが、このような
装置は恒温槽の中に固定的に配設されていてもよい。そ
のときには、位置決め機構を省略することが可能であ
る。
【0032】更に、以上では環境試験装置がICのバー
ンイン用の恒温槽である場合について説明したが、本発
明は、例えばホットプレート上でLCDガラス基板を熱
処理したり、電子部品等を多段に支持して温度サイクル
試験を行うような、他の環境試験装置に対しても適用で
きるものである。特に、微量に定量発熱しつつ、風や赤
外線等の外的要因が変化したときに短時間の温度変化を
検出することにより、その要因の有無や程度を検知する
センサのように、風速の影響をなくし、無風状態で温度
追従性良く環境試験する必要のある電子部品に好都合に
適用される。
【0033】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、請求項1の
発明においては、支持装置が所定の構成を備えた支持部
と蓋支持機構と駆動機構とを有するので、被処理物を支
持した平板状支持体を支持装置の支持部に多段に支持さ
せると共に、それぞれの段で被処理物を平板状支持体と
の間で閉鎖可能で閉鎖位置と開放位置との間で移動可能
なように蓋支持機構によって支持された蓋を駆動機構に
よって閉鎖位置と開放位置との間で移動させることがで
きる。従って、蓋を開閉して被処理物を開放又は閉鎖す
ることができる。そして、支持装置を環境試験装置内に
入れて蓋を閉鎖することにより、被処理物を装置内の空
気流れから遮断し、無風状態で試験することができる。
【0034】その結果、外部の風速のバラツキや風の当
たり具合の差等の不均一な風の影響を排除し、全ての被
処理物を同じ温度にして極めて高精度の熱処理や環境試
験を行うことができる。又、表面に回路パターンが形成
されていて直接風を当てることが好ましくない回路基板
や、微量自己発熱検出式センサ等の被処理物を、無風状
態の良好な環境の下に試験することができる。
【0035】そしてこの場合、多段支持部の各段毎に蓋
を設けているので、その高さ方向の寸法を小さくするこ
とができる。その結果、無風状態であっても蓋の内部で
高さ方向に温度勾配ができず、内部の均一な温度環境を
そのまま被処理物に与えることができる。又、蓋をする
ことによって外部の空気流れの影響がなくなるので、外
部の風速を適当に速くすると共に、蓋は空気流れを遮断
するだけで耐圧性まで備える必要がないので、その厚み
を薄くすることができため、蓋内外の熱伝達性を良くす
ることができる。従って、蓋があっても内部の被処理物
を迅速に温度上昇させることができる。その結果、温度
追従性を良好に維持し、試験時間を延長させることな
く、無風状態で温度サイクル試験等の環境試験を行うこ
とができる。
【0036】請求項2の発明においては、平板状支持体
に被処理物の外側に支持体の面から突出したシール部を
設けると共に、蓋に縁部分を設けてこれが蓋閉鎖位置で
シール部に接触させるようにするので、蓋の内部の閉鎖
性を良くすることができる。この場合、通常固く且つ薄
くできている蓋の縁部分が柔軟にできているシール部に
接触するので、接触力が小さくても接触部で必要な面圧
が生じ、良好なシール効果を得ることができる。
【0037】請求項3の発明においては、請求項1の発
明に加えて、位置決め検知手段と駆動機構の作動制御を
する制御手段とを設けるので、支持装置が環境試験装置
と別体である場合に、支持装置が環境試験装置内に搬入
されて自動的に位置決めされ、支持装置と駆動機構とが
位置合わせされて駆動機構の作動が可能になると、その
位置を検知して自動的に駆動機構を駆動し、蓋を閉鎖す
ることができる。その結果、環境試験時の省力化が図ら
れると共に、例えば環境試験装置がIC等のバーンイン
を行う恒温槽であるような場合に、IC挿抜機と中間ス
トッカと恒温槽とを適当台数で組み合わせたICの自動
バーンイン工場において、無風条件にする運転操作を含
み、バーンイン試験の全体を自動的に行うことが可能に
なる。
【0038】請求項4の発明においては、支持装置が、
所定の構成を備えた支持部と蓋と蓋支持機構とを有し、
環境試験装置の本体部分に入れられて本体部分から駆動
されると多段のそれぞれの段の蓋が閉鎖位置と開放位置
との間を移動するように構成されているので、この支持
装置を使用して無風状態の下に被処理物を環境試験する
ことができる。そしてこの場合、支持装置が独立してい
るので、環境試験装置本体部分との任意に組み合わせが
可能になるため、被処理物を支持装置で支持させる工程
とこれらを環境試験装置の本体部分に入れて試験する工
程とを別個に行うことができ、工場全体として環境試験
の高能率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した支持装置であるボードキャリ
アの一例を示し、(a)は正面図、(b)は側板の溝部
分の縦断面図、(c)は連結棒の上で切断した側板の一
部分を示す横断面図、(d)は蓋とバーンインボードと
を組み合わせたときの縦断面図である。
【図2】(a)及び(b)はそれぞれ上記ボードキャリ
アの天井部分の平面図及び側面図である。
【図3】(a)乃至(c)は上記ボードキャリアの一部
分を示し、(a)は側板上部の斜視図、(b)は上部の
蓋部分の正面図、(c)は下部の蓋支持部分の正面図で
ある。
【図4】(a)乃至(c)はバーンインボードの構造例
を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)はガ
スケット部及びステー部の部分図である。
【図5】制御系統の図示を含む恒温槽内部の正面図であ
る。
【図6】蓋開閉制御系統図を含む恒温槽内部の側面図で
ある。
【符号の説明】
1 ボードキャリア(支持装置) 2 バーンインボード(平板状支持
体) 2a 上面(面) 3a 溝(支持部) 4 蓋 5 蓋支持機構 25 ガスケット(シール部) 41 縁部分 100 恒温槽(環境試験装置の本体部
分) 110 蓋開閉用エアシリンダ(駆動機
構) 130 センサ(検知手段) 140 蓋開閉制御器(制御手段) A 閉鎖位置 B 開放位置 IC 半導体素子(被処理物)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状支持体に支持される被処理物に少
    なくとも温度環境を与えて試験する環境試験装置におい
    て、 支持装置と駆動機構とを有し、 前記支持装置は、前記平板状支持体を多段に支持する支
    持部と、多段のそれぞれの段で前記被処理物を前記平板
    状支持体との間で閉鎖可能な蓋と、該蓋が前記被処理物
    を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置との間で移動可
    能なように前記蓋を支持する蓋支持機構と、を備え、 前記駆動機構は駆動されたときに前記蓋を前記閉鎖位置
    と前記開放位置との間で移動させる、 ことを特徴とする環境試験装置。
  2. 【請求項2】 前記平板状支持体は前記被処理物の外側
    に前記平板状支持体の面から突出したシール部を備え、
    前記蓋は前記閉鎖位置で前記シール部に接触して前記被
    処理物を前記面との間で閉鎖する縁部分を有する、こと
    を特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
  3. 【請求項3】 前記支持装置が前記被処理物を試験する
    状態に位置決めされるとこれを検知する検知手段と、該
    検知手段が前記位置決めを検知すると前記駆動機構を作
    動させるように制御する制御手段と、を有することを特
    徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
  4. 【請求項4】 平板状支持体に支持される被処理物に少
    なくとも温度環境を与えて試験する環境試験装置の本体
    部分に出し入れ可能に構成された支持装置において、 前記平板状支持体を多段に支持する支持部と、前記本体
    部分に入れられて該本体部分から駆動されると前記多段
    のそれぞれの段で前記被処理物を前記平板状支持体との
    間で閉鎖可能な蓋と、該蓋が前記被処理物を閉鎖する閉
    鎖位置と開放する開放位置との間で移動可能なように前
    記蓋を支持する蓋支持機構と、を有することを特徴とす
    る支持装置。
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