JP2000136837A - 電磁ブレーキ - Google Patents
電磁ブレーキInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 永久磁石の磁束の漏洩を防止する
とともに、励磁装置の組立も簡単にできる電磁ブレーキ
を提供する。 【解決手段】 励磁装置２には、外側継鉄部材４
の円板部４ａと内側継鉄部材５の円板部５ａとの間に永
久磁石６が保持され、外側継鉄部材４の円筒部と内側継
鉄部材５の円筒部、及び内側継鉄部材５の円板部５ａに
より画定された環状溝２ａに消磁コイル７が収容されて
いる。また、外側継鉄部材４の円板部４ａの内周面から
内側継鉄部材５の円板部５ａの内周面にわたり、非磁性
材製の断磁部材８が嵌合されている。この断磁部材８に
より、永久磁石６の磁束の回転軸１０側への漏洩が防止
されている。またこの断磁部材８により、各継鉄部材
４，５と永久磁石６は同心状に組み立てられている。
とともに、励磁装置の組立も簡単にできる電磁ブレーキ
を提供する。 【解決手段】 励磁装置２には、外側継鉄部材４
の円板部４ａと内側継鉄部材５の円板部５ａとの間に永
久磁石６が保持され、外側継鉄部材４の円筒部と内側継
鉄部材５の円筒部、及び内側継鉄部材５の円板部５ａに
より画定された環状溝２ａに消磁コイル７が収容されて
いる。また、外側継鉄部材４の円板部４ａの内周面から
内側継鉄部材５の円板部５ａの内周面にわたり、非磁性
材製の断磁部材８が嵌合されている。この断磁部材８に
より、永久磁石６の磁束の回転軸１０側への漏洩が防止
されている。またこの断磁部材８により、各継鉄部材
４，５と永久磁石６は同心状に組み立てられている。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、永久磁石と消磁
コイルが収容された励磁装置が設けられ、永久磁石の磁
束により被制動機械の回転軸に支持されたアーマチュア
を制動するとともに、消磁コイルの磁束により永久磁石
の磁束を消磁してアーマチュアの制動を解放する電磁ブ
レーキに関するものである。
コイルが収容された励磁装置が設けられ、永久磁石の磁
束により被制動機械の回転軸に支持されたアーマチュア
を制動するとともに、消磁コイルの磁束により永久磁石
の磁束を消磁してアーマチュアの制動を解放する電磁ブ
レーキに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来の電磁ブレーキは、永久磁石と消磁
コイルが収容された励磁装置と、この励磁装置の摩擦板
と摩擦係合するアーマチュアが設けられている。励磁装
置は、半径方向内側に延びた円板部が形成された外側継
鉄部材と、半径方向外側に延びた円板部が形成された内
側継鉄部材が設けられ、これら継鉄部材の円板部の間に
円板状の永久磁石が保持されている。また励磁装置に
は、外側継鉄部材の円筒部と内側継鉄部材の円筒部、及
び内側継鉄部材の円板部により画定された環状溝が形成
され、その環状溝の中に消磁コイルが収容されている。
また更に励磁装置には、環状溝の開口部分に摩擦板が固
着されている。
コイルが収容された励磁装置と、この励磁装置の摩擦板
と摩擦係合するアーマチュアが設けられている。励磁装
置は、半径方向内側に延びた円板部が形成された外側継
鉄部材と、半径方向外側に延びた円板部が形成された内
側継鉄部材が設けられ、これら継鉄部材の円板部の間に
円板状の永久磁石が保持されている。また励磁装置に
は、外側継鉄部材の円筒部と内側継鉄部材の円筒部、及
び内側継鉄部材の円板部により画定された環状溝が形成
され、その環状溝の中に消磁コイルが収容されている。
また更に励磁装置には、環状溝の開口部分に摩擦板が固
着されている。
【０００３】励磁装置の摩擦板側には、消磁コイルに通
電しているときに摩擦板と所定の空隙をおいて対向する
円板状のアーマチュアが配設されている。アーマチュア
は、被制動機械の回転軸に装着されたハブに板ばねを介
して連結され、回転軸に軸線方向にのみ移動自在に支持
されている。このような構造からなる電磁ブレーキは、
消磁コイルに通電されていないときは、永久磁石の磁束
によりアーマチュアが励磁装置に磁気吸着されており、
アーマチュアとこのアーマチュアが支持された被制動機
械の回転軸を制動して静止した状態に保持する。また、
消磁コイルに通電しているときは、この消磁コイルの磁
束により永久磁石の磁束が消磁され、板ばねのばね力に
よりアーマチュアが励磁装置から離間する。そして、被
制動機械の回転軸が回転可能になる。このような作用か
らなる電磁ブレーキは、消磁コイルへ通電する励磁電流
を制御して、消磁コイルの磁束による永久磁石の磁束の
消磁を加減することにより、アーマチュアを制動する制
動トルクを調整することもできる（実開昭６３−１７３
５３１号公報参照）。
電しているときに摩擦板と所定の空隙をおいて対向する
円板状のアーマチュアが配設されている。アーマチュア
は、被制動機械の回転軸に装着されたハブに板ばねを介
して連結され、回転軸に軸線方向にのみ移動自在に支持
されている。このような構造からなる電磁ブレーキは、
消磁コイルに通電されていないときは、永久磁石の磁束
によりアーマチュアが励磁装置に磁気吸着されており、
アーマチュアとこのアーマチュアが支持された被制動機
械の回転軸を制動して静止した状態に保持する。また、
消磁コイルに通電しているときは、この消磁コイルの磁
束により永久磁石の磁束が消磁され、板ばねのばね力に
よりアーマチュアが励磁装置から離間する。そして、被
制動機械の回転軸が回転可能になる。このような作用か
らなる電磁ブレーキは、消磁コイルへ通電する励磁電流
を制御して、消磁コイルの磁束による永久磁石の磁束の
消磁を加減することにより、アーマチュアを制動する制
動トルクを調整することもできる（実開昭６３−１７３
５３１号公報参照）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の電磁
ブレーキは、永久磁石の磁束が回転軸側に流れる漏洩磁
気回路も形成されるため、漏洩する磁束量に応じて消磁
コイルへ通電する励磁電流を調整するようにしていた。
即ち、電磁ブレーキが装着される被制動機械により上述
した永久磁石の漏洩磁束量が相異するため、消磁コイル
に通電してからアーマチュアが解放されるまでの解放時
間と、消磁コイルへの通電を切った後のアーマチュアが
励磁装置に磁気吸着されるまでの制動時間を短縮するた
めに、漏洩する磁束量に応じて消磁コイルへ通電する励
磁電流を調整するようにしていた。
ブレーキは、永久磁石の磁束が回転軸側に流れる漏洩磁
気回路も形成されるため、漏洩する磁束量に応じて消磁
コイルへ通電する励磁電流を調整するようにしていた。
即ち、電磁ブレーキが装着される被制動機械により上述
した永久磁石の漏洩磁束量が相異するため、消磁コイル
に通電してからアーマチュアが解放されるまでの解放時
間と、消磁コイルへの通電を切った後のアーマチュアが
励磁装置に磁気吸着されるまでの制動時間を短縮するた
めに、漏洩する磁束量に応じて消磁コイルへ通電する励
磁電流を調整するようにしていた。
【０００５】また従来の電磁ブレーキは、予め軸線方向
に着磁された永久磁石を組込まなければならず、外側継
鉄部材と内側継鉄部材、及び永久磁石を同心状に位置決
めするための治具を使用して、励磁装置を組み立ててい
た。したがって、上述した励磁電流の調整作業や励磁装
置の組立作業により、電磁ブレーキの生産性が悪いとい
う問題があった。この発明は、永久磁石の磁束の漏洩を
防止するとともに、励磁装置の組立も簡単にできる電磁
ブレーキを提供することを目的とする。
に着磁された永久磁石を組込まなければならず、外側継
鉄部材と内側継鉄部材、及び永久磁石を同心状に位置決
めするための治具を使用して、励磁装置を組み立ててい
た。したがって、上述した励磁電流の調整作業や励磁装
置の組立作業により、電磁ブレーキの生産性が悪いとい
う問題があった。この発明は、永久磁石の磁束の漏洩を
防止するとともに、励磁装置の組立も簡単にできる電磁
ブレーキを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第１の発明の電磁ブレーキは、ハウジング
（１）から回転軸（１０）が突設された被制動機械に装
着され前記回転軸（１０）を制動する電磁ブレーキにお
いて、前記回転軸（１０）の軸回りに嵌合され前記ハウ
ジング（１）に固定されるとともに、外側継鉄部材
（４）の半径方向内側へ延びた円板部（４ａ）と内側継
鉄部材（５）の半径方向外側へ延びた円板部（５ａ）と
の間に保持された円板状の永久磁石（６）と、前記外側
継鉄部材（４）の円筒部と前記内側継鉄部材（５）の円
筒部及び前記内側継鉄部材（５）の円板部（５ａ）によ
り画定された環状溝（２ａ）に収容された消磁コイル
（７）とが設けられた励磁装置（２）と、この励磁装置
（２）の環状溝（２ａ）の開口側に配設された摩擦板
（９）と摩擦係合するとともに、前記回転軸（１０）に
軸線方向にのみ移動自在に支持されたアーマチュア（１
４）と、前記励磁装置（２）の内周面のうち、少なくと
も前記外側継鉄部材（４）の円板部（４ａ）から前記内
側継鉄部材（５）の円板部（５ａ）にわたる内周面に嵌
合された非磁性材製の断磁部材（８）とが設けられてい
ることを特徴とする。
るために、第１の発明の電磁ブレーキは、ハウジング
（１）から回転軸（１０）が突設された被制動機械に装
着され前記回転軸（１０）を制動する電磁ブレーキにお
いて、前記回転軸（１０）の軸回りに嵌合され前記ハウ
ジング（１）に固定されるとともに、外側継鉄部材
（４）の半径方向内側へ延びた円板部（４ａ）と内側継
鉄部材（５）の半径方向外側へ延びた円板部（５ａ）と
の間に保持された円板状の永久磁石（６）と、前記外側
継鉄部材（４）の円筒部と前記内側継鉄部材（５）の円
筒部及び前記内側継鉄部材（５）の円板部（５ａ）によ
り画定された環状溝（２ａ）に収容された消磁コイル
（７）とが設けられた励磁装置（２）と、この励磁装置
（２）の環状溝（２ａ）の開口側に配設された摩擦板
（９）と摩擦係合するとともに、前記回転軸（１０）に
軸線方向にのみ移動自在に支持されたアーマチュア（１
４）と、前記励磁装置（２）の内周面のうち、少なくと
も前記外側継鉄部材（４）の円板部（４ａ）から前記内
側継鉄部材（５）の円板部（５ａ）にわたる内周面に嵌
合された非磁性材製の断磁部材（８）とが設けられてい
ることを特徴とする。
【０００７】また第２の発明の電磁ブレーキは、第１の
発明において被制動機械のハウジング（１５）に断磁部
材（１５ａ）を一体に形成したことを特徴とする。
発明において被制動機械のハウジング（１５）に断磁部
材（１５ａ）を一体に形成したことを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１は、この発明の実施の形態と
して示された電磁ブレーキの断面図である。この図面の
電磁ブレーキは、回転軸１０の軸回りに嵌合され被制動
機械の非磁性材製のハウジング１に固定された励磁装置
２と、被制動機械の回転軸１０に装着されたアーマチュ
ア組立体３を有する。
して示された電磁ブレーキの断面図である。この図面の
電磁ブレーキは、回転軸１０の軸回りに嵌合され被制動
機械の非磁性材製のハウジング１に固定された励磁装置
２と、被制動機械の回転軸１０に装着されたアーマチュ
ア組立体３を有する。
【０００９】励磁装置２は、一方の端部に半径方向内側
へ延びた円板部４ａが一体に形成された環状な外側継鉄
部材４と、この外側継鉄部材４の内側に同心状に配設さ
れているとともに、一方の端部に半径方向外側へ延びた
円板部５ａが一体に形成された環状な内側継鉄部材５が
設けられている。また、外側継鉄部材４の円板部４ａと
内側継鉄部材５の円板部５ａとの間には、軸線方向に着
磁された円板状の永久磁石６が同心状に保持されてい
る。また更に、これら円板部４ａ，５ａの内周面と永久
磁石６の内周面は、同一の内径寸法に形成されていると
ともに、円板部５ａの外周面より永久磁石６の外周面が
高くなるように、永久磁石６の外径寸法が大きく形成さ
れている。そして、外側継鉄部材４の円筒部の内周面と
内側継鉄部材５の円板部５ａの外周面との間に環状な隙
間Ｓ１が形成され、外側継鉄部材４の円筒部の内周面と
永久磁石６の外周面との間に環状な隙間Ｓ２が形成され
ている。
へ延びた円板部４ａが一体に形成された環状な外側継鉄
部材４と、この外側継鉄部材４の内側に同心状に配設さ
れているとともに、一方の端部に半径方向外側へ延びた
円板部５ａが一体に形成された環状な内側継鉄部材５が
設けられている。また、外側継鉄部材４の円板部４ａと
内側継鉄部材５の円板部５ａとの間には、軸線方向に着
磁された円板状の永久磁石６が同心状に保持されてい
る。また更に、これら円板部４ａ，５ａの内周面と永久
磁石６の内周面は、同一の内径寸法に形成されていると
ともに、円板部５ａの外周面より永久磁石６の外周面が
高くなるように、永久磁石６の外径寸法が大きく形成さ
れている。そして、外側継鉄部材４の円筒部の内周面と
内側継鉄部材５の円板部５ａの外周面との間に環状な隙
間Ｓ１が形成され、外側継鉄部材４の円筒部の内周面と
永久磁石６の外周面との間に環状な隙間Ｓ２が形成され
ている。
【００１０】即ち、消磁コイル７の磁束回路に隙間Ｓ１
を形成することにより、消磁コイル７の磁束の消滅を早
め上述した制動時間が短縮されるようにしてある。また
隙間Ｓ１，Ｓ２により、永久磁石６の磁束が外側継鉄部
材４から内側継鉄部材５の円板部５ａに流れないように
して、後述するアーマチュア１４の磁気吸引力の低下を
防止している。
を形成することにより、消磁コイル７の磁束の消滅を早
め上述した制動時間が短縮されるようにしてある。また
隙間Ｓ１，Ｓ２により、永久磁石６の磁束が外側継鉄部
材４から内側継鉄部材５の円板部５ａに流れないように
して、後述するアーマチュア１４の磁気吸引力の低下を
防止している。
【００１１】また励磁装置２には、外側継鉄部材４と内
側継鉄部材５の円筒部、及び内側継鉄部材５の円板部５
ａとにより画定された環状溝２ａが形成されている。環
状溝２ａ内には、複数回巻線された消磁コイル７が収容
されている。なお、消磁コイル７の巻端部に結線した一
対のリード線を、ゴムブッシュを介して励磁装置２の外
側に引き出した後、環状溝２ａには絶縁樹脂が充填され
ている。また、その絶縁樹脂は、上述した隙間Ｓ１，Ｓ
２まで充填されている。
側継鉄部材５の円筒部、及び内側継鉄部材５の円板部５
ａとにより画定された環状溝２ａが形成されている。環
状溝２ａ内には、複数回巻線された消磁コイル７が収容
されている。なお、消磁コイル７の巻端部に結線した一
対のリード線を、ゴムブッシュを介して励磁装置２の外
側に引き出した後、環状溝２ａには絶縁樹脂が充填され
ている。また、その絶縁樹脂は、上述した隙間Ｓ１，Ｓ
２まで充填されている。
【００１２】励磁装置２の内周面には、非磁性材製の断
磁部材８が嵌合されている。断磁部材８は円筒状に形成
されているとともに、その一方の端部には、外側継鉄部
材４の円板部４ａの内周面に形成された大径部４ｂに嵌
合された環状なフランジ部８ａと、軸受が嵌合された環
状な圧入部８ｂとが形成されている。また、この断磁部
材８は、外側継鉄部材４の円板部４ａから内側継鉄部材
５の円板部５ａにわたる励磁装置２の内周面に嵌合され
一体に固着されている。また更に励磁装置２の環状溝２
ａの開口部分には、環状な摩擦板９が嵌合され固着され
ている。なお、断磁部材８の軸線方向の寸法を長くし
て、その先端が内側継鉄部材５と後述するアーマチュア
ハブ１２との間まで延びた構造にしてもよい。
磁部材８が嵌合されている。断磁部材８は円筒状に形成
されているとともに、その一方の端部には、外側継鉄部
材４の円板部４ａの内周面に形成された大径部４ｂに嵌
合された環状なフランジ部８ａと、軸受が嵌合された環
状な圧入部８ｂとが形成されている。また、この断磁部
材８は、外側継鉄部材４の円板部４ａから内側継鉄部材
５の円板部５ａにわたる励磁装置２の内周面に嵌合され
一体に固着されている。また更に励磁装置２の環状溝２
ａの開口部分には、環状な摩擦板９が嵌合され固着され
ている。なお、断磁部材８の軸線方向の寸法を長くし
て、その先端が内側継鉄部材５と後述するアーマチュア
ハブ１２との間まで延びた構造にしてもよい。
【００１３】このような構造からなる励磁装置２の中心
には、被制動機械のハウジング１に軸受を介して回転自
在に支持された回転軸１０が貫通している。回転軸１０
の軸端には、突き当て面１０ａが形成されている。この
突き当て面１０ａには、上述した軸受の内輪の端面が当
接している。そして、その軸受の内輪の端面に当接した
カラー１１を介して、アーマチュア組立体３が回転軸１
０に装着されている。
には、被制動機械のハウジング１に軸受を介して回転自
在に支持された回転軸１０が貫通している。回転軸１０
の軸端には、突き当て面１０ａが形成されている。この
突き当て面１０ａには、上述した軸受の内輪の端面が当
接している。そして、その軸受の内輪の端面に当接した
カラー１１を介して、アーマチュア組立体３が回転軸１
０に装着されている。
【００１４】アーマチュア組立体３は、回転軸１０にキ
ー嵌合されスナップリングで抜け止めされたアーマチュ
アハブ１２と、このアーマチュアハブ１２のフランジ部
にスペーサを挟んで基端部が固定された板ばね１３と、
この板ばね１３の自由端部が固定されているとともに、
励磁装置２の摩擦板９と対向するように配設された円板
状のアーマチュア１４とを有する。なお、図面の電磁ブ
レーキは、消磁コイル７に通電している状態であり、板
ばね１３のばね力によりアーマチュア１４は励磁装置２
から離間している。そして、アーマチュア１４と励磁装
置２との間には、軸線方向の隙間Ｓ３が形成されてい
る。
ー嵌合されスナップリングで抜け止めされたアーマチュ
アハブ１２と、このアーマチュアハブ１２のフランジ部
にスペーサを挟んで基端部が固定された板ばね１３と、
この板ばね１３の自由端部が固定されているとともに、
励磁装置２の摩擦板９と対向するように配設された円板
状のアーマチュア１４とを有する。なお、図面の電磁ブ
レーキは、消磁コイル７に通電している状態であり、板
ばね１３のばね力によりアーマチュア１４は励磁装置２
から離間している。そして、アーマチュア１４と励磁装
置２との間には、軸線方向の隙間Ｓ３が形成されてい
る。
【００１５】このような構造からなる電磁ブレーキは、
消磁コイル７に通電しているときは、その消磁コイル７
の磁束により永久磁石６の磁束が消磁されているので、
板ばね１３のばね力によりアーマチュア１４が励磁装置
２から離間している。また、アーマチュア１４や回転軸
１０の制動が解放されているので、被制動機械の駆動が
可能な状態にある。一方、消磁コイル７へ通電していな
いときは、永久磁石６の磁束によりアーマチュア１４は
励磁装置２に磁気吸着され摩擦板９と摩擦係合する。ま
たアーマチュア１４と回転軸１０は、制動され静止した
状態に保持される。
消磁コイル７に通電しているときは、その消磁コイル７
の磁束により永久磁石６の磁束が消磁されているので、
板ばね１３のばね力によりアーマチュア１４が励磁装置
２から離間している。また、アーマチュア１４や回転軸
１０の制動が解放されているので、被制動機械の駆動が
可能な状態にある。一方、消磁コイル７へ通電していな
いときは、永久磁石６の磁束によりアーマチュア１４は
励磁装置２に磁気吸着され摩擦板９と摩擦係合する。ま
たアーマチュア１４と回転軸１０は、制動され静止した
状態に保持される。
【００１６】また、この発明の実施の形態として示した
電磁ブレーキは、外側継鉄部材４の円板部４ａから内側
継鉄部材５の円板部５ａにわたる内周面に断磁部材８を
嵌合した構造を採用したので、永久磁石６の磁束が軸受
を通り回転軸１０側へ漏洩することはない。
電磁ブレーキは、外側継鉄部材４の円板部４ａから内側
継鉄部材５の円板部５ａにわたる内周面に断磁部材８を
嵌合した構造を採用したので、永久磁石６の磁束が軸受
を通り回転軸１０側へ漏洩することはない。
【００１７】また更には、この発明の実施の形態として
示した電磁ブレーキは、各継鉄部材４，５と永久磁石６
及び断磁部材８を脱脂するとともに、これら部材の接着
面に接着剤が塗布される。また接着剤を塗布した後、外
側継鉄部材４の円板部４ａに嵌合された断磁部材８に永
久磁石６と内側継鉄部材５を嵌合することにより、各継
鉄部材４，５と永久磁石６は同心状に一体に固着され
る。したがって、特別な治具を使用して励磁装置２を組
み立てる必要がない。
示した電磁ブレーキは、各継鉄部材４，５と永久磁石６
及び断磁部材８を脱脂するとともに、これら部材の接着
面に接着剤が塗布される。また接着剤を塗布した後、外
側継鉄部材４の円板部４ａに嵌合された断磁部材８に永
久磁石６と内側継鉄部材５を嵌合することにより、各継
鉄部材４，５と永久磁石６は同心状に一体に固着され
る。したがって、特別な治具を使用して励磁装置２を組
み立てる必要がない。
【００１８】次に、別の実施の形態として示した図２の
電磁ブレーキを説明する。なお、先の実施の形態と同じ
部材には既に使用した符号を付けることにより、重複す
る説明は省略する。
電磁ブレーキを説明する。なお、先の実施の形態と同じ
部材には既に使用した符号を付けることにより、重複す
る説明は省略する。
【００１９】図２は電磁ブレーキの断面図であり、被制
動機械のハウジング１５が非磁性材料により形成されて
いるとともに、図１における断磁部材８が一体に形成さ
れている。即ち、ハウジング１５には、断磁部材として
の段付き状の円筒部１５ａが形成され、その円筒部１５
ａの外周面に、外側継鉄部材４と内側継鉄部材５、及び
永久磁石６が同心状に組み立てられる構造になってい
る。また、円筒部１５ａの内周面に圧入嵌合された軸受
により、回転軸１０がハウジング１５に回転自在に支持
された構造になっている。その他の構造は、図１の電磁
ブレーキと同じである。
動機械のハウジング１５が非磁性材料により形成されて
いるとともに、図１における断磁部材８が一体に形成さ
れている。即ち、ハウジング１５には、断磁部材として
の段付き状の円筒部１５ａが形成され、その円筒部１５
ａの外周面に、外側継鉄部材４と内側継鉄部材５、及び
永久磁石６が同心状に組み立てられる構造になってい
る。また、円筒部１５ａの内周面に圧入嵌合された軸受
により、回転軸１０がハウジング１５に回転自在に支持
された構造になっている。その他の構造は、図１の電磁
ブレーキと同じである。
【００２０】
【発明の効果】以上のようにこの発明の電磁ブレーキ
は、外側継鉄部材４の円板部４ａから内側継鉄部材５の
円板部５ａにわたる内周面に断磁部材８を嵌合した構造
を採用したので、永久磁石６の磁束が軸受を通り回転軸
１０側へ漏洩することはない。したがって、消磁コイル
７に通電してからアーマチュア１４が解放されるまでの
解放時間と、消磁コイル７への通電を切った後にアーマ
チュア１４が励磁装置２に磁気吸着されるまでの制動時
間にバラツキが生じることがなく、消磁コイル７に通電
する励磁電流を調整しなくても安定した制動作用が得ら
れる電磁ブレーキを提供することができる。
は、外側継鉄部材４の円板部４ａから内側継鉄部材５の
円板部５ａにわたる内周面に断磁部材８を嵌合した構造
を採用したので、永久磁石６の磁束が軸受を通り回転軸
１０側へ漏洩することはない。したがって、消磁コイル
７に通電してからアーマチュア１４が解放されるまでの
解放時間と、消磁コイル７への通電を切った後にアーマ
チュア１４が励磁装置２に磁気吸着されるまでの制動時
間にバラツキが生じることがなく、消磁コイル７に通電
する励磁電流を調整しなくても安定した制動作用が得ら
れる電磁ブレーキを提供することができる。
【００２１】また、各継鉄部材４，５と永久磁石６及び
断磁部材８を脱脂して接着剤を塗布した後、外側継鉄部
材４の円板部４ａに嵌合された断磁部材８に永久磁石６
と内側継鉄部材５を嵌合することにより、各継鉄部材
４，５と永久磁石６は同心状に一体に固着されるように
したので、特別な治具を使用して組み立て作業をする必
要がない。しかも、外部振動による外側継鉄部材４と内
側継鉄部材５の芯ずれは断磁部材８により防止され、各
部材間の接着面が剥離することはないので、励磁装置２
の強度アップが図られる。したがって、比較的に脆い永
久磁石材料により製造された永久磁石を使用することも
可能になり、設計の自由度が増して電磁ブレーキの低廉
化が図られる。
断磁部材８を脱脂して接着剤を塗布した後、外側継鉄部
材４の円板部４ａに嵌合された断磁部材８に永久磁石６
と内側継鉄部材５を嵌合することにより、各継鉄部材
４，５と永久磁石６は同心状に一体に固着されるように
したので、特別な治具を使用して組み立て作業をする必
要がない。しかも、外部振動による外側継鉄部材４と内
側継鉄部材５の芯ずれは断磁部材８により防止され、各
部材間の接着面が剥離することはないので、励磁装置２
の強度アップが図られる。したがって、比較的に脆い永
久磁石材料により製造された永久磁石を使用することも
可能になり、設計の自由度が増して電磁ブレーキの低廉
化が図られる。
【００２２】またこの発明の電磁ブレーキは、被制動機
械の非磁性材製のハウジング１５に断磁部材としての円
筒部１５ａを一体に形成することにより、そのハウジン
グ１５に励磁装置２を直接組込むことができるので、例
えばブレーキ付き電動機の電磁ブレーキ２として使用す
れば生産性が向上され電動機の低廉化が図られる。
械の非磁性材製のハウジング１５に断磁部材としての円
筒部１５ａを一体に形成することにより、そのハウジン
グ１５に励磁装置２を直接組込むことができるので、例
えばブレーキ付き電動機の電磁ブレーキ２として使用す
れば生産性が向上され電動機の低廉化が図られる。
【図１】この発明の実施の形態として示された電磁ブレ
ーキの断面図である。
ーキの断面図である。
【図２】この発明の実施の形態として示された別の電磁
ブレーキの断面図である。
ブレーキの断面図である。
１ ハウジング ２ 励磁装置 ４ 外側継鉄部材 ５ 内側継鉄部材 ６ 永久磁石 ７ 消磁コイル ８ 断磁部材 ９ 摩擦板 １４ アーマチュア １５ ハウジング
Claims (2)
- 【請求項１】 ハウジングから回転軸が突設された被制
動機械に装着され前記回転軸を制動する電磁ブレーキに
おいて、前記回転軸の軸回りに嵌合され前記ハウジング
に固定されるとともに、外側継鉄部材の半径方向内側へ
延びた円板部と内側継鉄部材の半径方向外側へ延びた円
板部との間に保持された円板状の永久磁石と、前記外側
継鉄部材の円筒部と前記内側継鉄部材の円筒部及び前記
内側継鉄部材の円板部により画定された環状溝に収容さ
れた消磁コイルとが設けられた励磁装置と、この励磁装
置の環状溝の開口側に配設された摩擦板と摩擦係合する
とともに、前記回転軸に軸線方向にのみ移動自在に支持
されたアーマチュアと、前記励磁装置の内周面のうち、
少なくとも前記外側継鉄部材の円板部から前記内側継鉄
部材の円板部にわたる内周面に嵌合された非磁性材製の
断磁部材とが設けられていることを特徴とする電磁ブレ
ーキ。 - 【請求項２】 請求項１に記載された電磁ブレーキにお
いて、前記断磁部材は前記ハウジングと一体に形成され
ていることを特徴とする電磁ブレーキ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10311896A JP2000136837A (ja) | 1998-11-02 | 1998-11-02 | 電磁ブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10311896A JP2000136837A (ja) | 1998-11-02 | 1998-11-02 | 電磁ブレーキ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000136837A true JP2000136837A (ja) | 2000-05-16 |
Family
ID=18022730
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10311896A Pending JP2000136837A (ja) | 1998-11-02 | 1998-11-02 | 電磁ブレーキ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000136837A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102401050A (zh) * | 2010-09-13 | 2012-04-04 | 陈秀凤 | 一种电磁刹车 |
-
1998
- 1998-11-02 JP JP10311896A patent/JP2000136837A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102401050A (zh) * | 2010-09-13 | 2012-04-04 | 陈秀凤 | 一种电磁刹车 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060117 |
|
| A601 | Written request for extension of time |
Effective date: 20060417 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 |
|
| A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20060420 |
|
| A521 | Written amendment |
Effective date: 20060530 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060905 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |