JP2000136466A - 熱収縮性包装用クロス - Google Patents

熱収縮性包装用クロス

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JP2000136466A
JP2000136466A JP30920198A JP30920198A JP2000136466A JP 2000136466 A JP2000136466 A JP 2000136466A JP 30920198 A JP30920198 A JP 30920198A JP 30920198 A JP30920198 A JP 30920198A JP 2000136466 A JP2000136466 A JP 2000136466A
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heat
cloth
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shrinkable
compound
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JP30920198A
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Yoji Nakano
洋二 中野
Kiyoshi Murata
清 村田
Yoshihiro Sunayama
好弘 砂山
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Toyo Heisei KK
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Heisei Polymer Co Ltd
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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  • Woven Fabrics (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱収縮性を有し、引裂強度、引張強度等の機
械的強度および耐ノッチ伝播性に優れ、かつ使用後の処
理が容易な熱収縮性包装用クロスを提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂と分解促進剤とを
含有する樹脂組成物からなる糸状物またはテープ状物
を、製織または編織してなり、前記分解促進剤は、生分
解性高分子と、1つ以上の不飽和二重結合を有する不飽
和化合物と、鉄化合物と、鉄以外の遷移金属化合物と、
芳香族ケトン類とを有することを特徴とする熱収縮性包
装用クロス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性を有し、
引裂強度、引張強度等の機械的強度および耐ノッチ伝播
性に優れ、かつ生分解性を有する熱収縮性包装用クロス
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被包装物を収縮包装するのに用い
られる熱収縮性の包装材としては、ポリ塩化ビニルや長
鎖分岐を有する低密度ポリエチレン(LDPE)などか
らなる熱収縮性フィルムが多く用いられている。しかし
ながら、これら熱収縮性フィルムは、引裂強度、引張強
度等の機械的強度に劣り、さらにノッチ伝播性があるた
め、被包装物の角端部や突端部で熱収縮性フィルムが破
断するという保管中や輸送中のトラブルが絶えなかっ
た。このため、従来の熱収縮性フィルムは、重包装分野
にはほとんど使用されず、機械的ダメージの比較的少な
い軽包装分野に使用されていた。
【0003】引裂強度、引張強度等の機械的強度および
耐ノッチ伝播性に優れた熱収縮性の包装材としては、直
鎖状ポリエチレンとポリプロピレンとの樹脂組成物から
なる糸状物またはテープ状物を製織または編織してる熱
収縮性包装用クロスが、特開昭59−15065号公
報、特開昭60−17141号公報等に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら熱収縮性フィル
ムや熱収縮性包装用クロスなどの熱収縮性包装材は、使
用後は熱収縮しているため、そのままでは熱収縮性包装
材として再利用することができず、洗浄後、再溶融成形
してリサイクルするか、焼却や埋立てなどの方法で廃棄
するしかなかった。しかしながら、リサイクルを行うに
はかなりの手間や費用が必要とされ、一方、焼却や埋立
てによって破棄する場合には、公害の発生等の環境上の
問題を引き起こす可能性があった。
【0005】本発明は、かかる課題を解決するものであ
り、熱収縮性を有し、引裂強度、引張強度等の機械的強
度および耐ノッチ伝播性に優れ、かつ使用後の処理が容
易な熱収縮性包装用クロスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱収縮性包装用
クロスは、ポリオレフィン系樹脂と分解促進剤とを含有
する樹脂組成物からなる糸状物またはテープ状物を製織
または編織してなり、前記分解促進剤は、生分解性高分
子と、1つ以上の不飽和二重結合を有する不飽和化合物
と、鉄化合物と、鉄以外の遷移金属化合物と、芳香族ケ
トン類とを有することを特徴とするものである。また、
本発明の熱収縮性包装用クロスは、前記熱収縮性包装用
クロスからなるクロス層と、ポリオレフィン系樹脂と前
記分解促進剤とを含有する樹脂組成物からなるラミネー
ト層とを有することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂としては、高圧法に
よる低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MD
PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチ
レン;ポリプロピレン;エチレンプロピレン共重合体;
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体等のエチレン共重合体などを
挙げることができる。中でも、直鎖状低密度ポリエチレ
ンとポリプロピレンのブレンド物、もしくは直鎖状低密
度ポリエチレンと高密度ポリエチレンのブレンド物が好
ましい。
【0008】上記直鎖状低密度ポリエチレンとは、遷移
金属化合物および有機金属化合物からなる触媒を用い
て、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα
−オレフィンとを、気相法、スラリー法、溶液法などの
重合法によって共重合させて得られるものである。直鎖
状低密度ポリエチレンの密度は、特に限定はされない
が、より熱収縮性や収縮包装性に優れることから、0.
945g/cm3 未満が好ましく、より好ましくは0.
905〜0.935g/cm3 である。直鎖状低密度ポ
リエチレンのメルトフローレート(190℃、2.16
kg、以下MFRと記す)は、特に限定はされないが、
より成形性、延伸性、機械的強度、熱収縮性に優れるこ
とから、0.1〜20g/10分の範囲が好ましい。
【0009】上記ポリプロピレンとしては、ポリプロピ
レンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマーが挙げら
れるが、中でもポリプロピレンホモポリマーが好まし
い。ポリプロピレンコポリマーでは、収縮応力保持性の
改良効果がやや小さい。ポリプロピレンのMFRは、特
に限定はされないが、より成形性、延伸性、熱収縮性に
優れることから、0.5〜8g/10分の範囲が好まし
く、より好ましくは1〜5g/10分の範囲である。上
記高密度ポリエチレンの密度は、特に限定はされない
が、通常0.941g/cm3 以上である。高密度ポリ
エチレンのMFRは、特に限定はされないが、より成形
性、延伸性、熱収縮性に優れることから、0.1〜5g
/10分の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜3
g/10分の範囲である。
【0010】直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレ
ンのブレンド物における各成分の配合割合は、特に限定
はされないが、より収縮包装性、熱収縮性、柔軟性、製
織時の分織性に優れることから、好ましくは直鎖状低密
度ポリエチレン20〜90重量%、ポリプロピレン10
〜80重量%の範囲である。直鎖状低密度ポリエチレン
と高密度ポリエチレンのブレンド物における各成分の配
合割合も同様に、直鎖状低密度ポリエチレン20〜90
重量%、高密度ポリエチレン10〜80重量%の範囲が
好ましい。
【0011】本発明に係る分解促進剤は、ポリオレフィ
ン系樹脂の光分解および微生物分解を誘引、促進するた
めの添加剤であり、生分解性高分子と、1つ以上の不飽
和二重結合を有する不飽和化合物と、鉄化合物と、鉄以
外の遷移金属化合物と、芳香族ケトン類とを有するもの
である。この分解促進剤を樹脂組成物に添加することに
より、本発明の熱収縮性包装用クロスに生分解性の機能
を付与することができる。このような分解促進剤として
は、例えば、デグラ・ノボン(ノボン・インターナショ
ナル社製)を適用することができる。
【0012】上記生分解性高分子は、地中の菌類やバク
テリア等の微生物よって分解される高分子化合物であ
り、天然高分子系や化学合成高分子系のいずれであって
もよい。例えば、デンプン、改質デンプン、セルロー
ス、セルロース誘導体、脂肪族ポリエステル(ε−カプ
ロラクトン系、ジカルボン酸とグリコールの縮合物
等)、ポリヒドロキシ酸、ポリオルトエステル、ポリデ
プシペプチド、ポリペプチド、ポリβ−ヒドロキシ酪酸
などが挙げられる。中でも、生分解性に優れ、安価なこ
とからデンプン、改質デンプンが好適に用いられる。生
分解性高分子の配合量は、特に限定はされないが、生分
解性と光分解性のバランスを考慮すると、分解促進剤に
おいて好ましくは70〜98重量%であり、より好まし
くは75〜90重量%である。
【0013】上記不飽和化合物は、少なくとも1つ以上
の不飽和二重結合を有しており、酸化によって過酸化物
および/またはヒドロペルオキシドを生成し、ポリオレ
フィン系樹脂の炭素−炭素結合を酸化分解するものであ
る。このような不飽和化合物としては、例えば、大豆
油、トウモロコシ油、オリーブ油、菜種油、綿実油、ひ
まわり油、落花生油、亜麻仁油等の植物油、天然ゴム、
合成ゴムなどが挙げられる。不飽和化合物の配合量は、
特に限定はされないが、光分解性と樹脂組成物の安定性
を考慮すると、分解促進剤において好ましくは1〜25
重量%であり、より好ましくは1.5〜10重量%であ
る。
【0014】上記鉄化合物は、紫外線、太陽光もしくは
熱の存在下で酸化分解反応の開始剤として働くものであ
る。この鉄化合物の作用により、過酸化物および/また
はヒドロペルオキシドが生成され、ポリオレフィン系樹
脂の炭素−炭素結合の酸化分解が進行する。鉄化合物は
一般式FeXn (Xは配位子、nは1以上の整数)で表
され、鉄の原子価は、特に限定されない。配位子は、例
えば、OH- 、Cl-、Br- 、I- 、NO2 -、N3 -
シュウ酸イオン、クエン酸イオン、EDTA、ポルフィ
リン、脂肪族カルボン酸イオンなどが挙げられる。鉄化
合物としては、ポリオレフィン系樹脂に可溶な点で、ス
テアリン酸鉄が好適に用いられる。鉄化合物の配合量
は、特に限定はされないが、光分解性と経済性のバラン
スを考慮すると、分解促進剤において好ましくは0.0
5〜5重量%であり、より好ましくは0.5〜2.5重
量%である。
【0015】上記鉄以外の遷移金属化合物は、過酸化物
および/またはヒドロペルオキシドを生成することによ
って還元された鉄化合物を、再酸化し、酸化分解反応を
促進するものである。鉄以外の遷移金属としては、周期
律表の第4周期の遷移金属が好ましく、中でも銅とバナ
ジウムが好ましい。鉄以外の遷移金属化合物は一般式M
X'n(Mは鉄以外の遷移金属、X’は配位子、nは1以
上の整数)で表される。配位子は、例えば、OH- 、C
- 、Br- 、I- 、NO2 -、N3 -、シュウ酸イオン、
クエン酸イオン、EDTA、脂肪族カルボン酸イオンな
どが挙げられる。鉄以外の遷移金属化合物としては、ポ
リオレフィン系樹脂に可溶な点で、ステアリン酸銅が好
適に用いられる。鉄以外の遷移金属化合物の配合量は、
特に限定はされないが、光分解性と経済性のバランスを
考慮すると、分解促進剤において好ましくは0.02〜
0.5重量%である。
【0016】上記芳香族ケトン類は、上記不飽和化合物
の酸化に相乗効果を有し、過酸化物および/またはヒド
ロペルオキシドを生成し、ポリオレフィン系樹脂の炭素
−炭素結合を酸化分解するものである。また、紫外線、
太陽光もしくは熱の存在下でのポリオレフィン系樹脂の
分解を容易にする。このような芳香族ケトン類として
は、例えば、ベンゾフェノン、アントラキノン、アント
ロン、アセチルベンゾフェノン、4−オクチルベンゾフ
ェノンなどが挙げられる。中でもベンゾフェノンが好ま
しい。芳香族ケトン類の配合量は、特に限定はされない
が、光分解性と経済性のバランスを考慮すると、分解促
進剤において0.05〜3.5重量%であり、好ましく
は0.1〜0.8重量%である。
【0017】このような分解促進剤が添加されたポリオ
レフィン系樹脂からなる熱収縮性包装用クロスは、土壌
中において、まず、中に含まれる生分解性高分子が微生
物によって生分解されることによって除去され、多孔質
性となる。ついで、多孔質性となり、空気との接触面が
増加した熱収縮性包装用クロスを構成するポリオレフィ
ン系樹脂は、紫外線、太陽光もしくは熱の存在下で、不
飽和化合物、鉄化合物、鉄以外の遷移金属化合物および
芳香族ケトン類の作用により、酸化分解され、分子量の
比較的小さい酸素含有ポリマーとなる。この酸素含有ポ
リマーは、生分解可能であり、最終的に微生物によっ
て、二酸化炭素や水等の無害な物質に分解される。
【0018】本発明に係る樹脂組成物は、少なくとも上
記ポリオレフィン系樹脂と分解促進剤を含有するものな
ので、機械的強度、熱収縮性および生分解性に優れる。
本発明に係る樹脂組成物は、好ましくは、ポリオレフィ
ン系樹脂65〜85重量%と、分解促進剤15〜35重
量%とを含有するものである。
【0019】本発明に係る樹脂組成物には、必要に応じ
て酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、ワック
ス類、着色剤、結晶化促進剤、帯電防止剤、難燃剤、無
機充填材等の添加剤などを添加してもよい。特に、分解
作用の開始を遅延させ、使用前、もしくは使用中におけ
る熱収縮性包装用クロスの機械的強度、熱収縮性等の諸
性能を保持させる目的で、酸化防止剤が好適に用いられ
る。酸化防止剤としては、ベンゼンプロパン酸、3,5
−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシオ
クタデシルエステル、p−tert−ブチルヒドロキシ
トルエン、p−tert−ブチルヒドロキシアニソール
等のヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適に用いら
れる。
【0020】また、上記熱安定剤としては、トリフェニ
ルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリスノ
ニルフェニルホスファイトなどが挙げられる。紫外線吸
収剤としては、p−tert−ブチルフェニルサリシレ
ート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキ
シベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロ
フェノンなどが挙げられる。滑剤としては、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウ
ム、パルミチン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0021】帯電防止剤としては、N,N−ビス(ヒド
ロキシエチル)アルキルアミン、アルキルアミン、アル
キルアリルスルホネート、アルキルスルホネートなどが
挙げられる。難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデ
カン、トリス−(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェ
ート、ペンタブロモフェニルアリルエーテルなどが挙げ
られる。無機充填材としては、炭酸カルシウム、シリ
カ、酸化チタン、タルク、マイカ、硫酸バリウム、アル
ミナなどが挙げられる。
【0022】本発明の熱収縮性包装用クロスに用いられ
る糸状物またはテープ状物は、上記樹脂組成物をインフ
レーション法などの公知の押出成形法によって溶融押出
してフィルムとし、このフィルムをスリットし、ついで
延伸することによって製造される。樹脂組成物の溶融押
出は、サーキュラーダイス、Tダイス等を備えた公知の
押出成形機を用いて行うことができる。押出温度は、一
般に170〜230℃、好ましくは180〜210℃で
ある。押出成形後の冷却は、例えば、水冷、空冷、チル
ロールによる接触などを用いることができる。
【0023】延伸方法としては、オーブン延伸法、ロー
ル延伸法、湿式延伸法、熱板延伸法等の公知の延伸方法
を用いることができる。延伸温度は、120℃未満であ
る。延伸温度を120℃以上にすると、延伸性が悪くな
るばかりでなく、分子鎖間に滑りが生じ、そのため延伸
操作が配向に有効に寄与せず、所定の機械的強度や熱収
縮率が得られない。また、70℃未満では白化が生じた
り、機械的強度や熱収縮性等の諸物性が低下したり、延
伸性が低下したりする傾向にあるので、70〜110℃
の範囲で延伸することが好ましい。特に好ましい延伸温
度は85〜105℃であり、この温度範囲で最も延伸性
が優れ、バランスの取れた物性が得られる。
【0024】延伸倍率は、所望の機械的強度、熱収縮性
などに依存するが、好ましくは2〜9倍、より好ましく
は2〜8倍である。延伸倍率が2倍未満では、糸状物ま
たはテープ状の機械的強度および熱収縮率が不十分とな
り、8倍を超えると延伸性に問題が生ずる。このよう
に、糸状物またはテープ状の強度は延伸倍率により調節
することができ、延伸倍率を高めることで強度を高める
ことができるが、あまり延伸倍率を高くするとテープが
フィブリル化しやすくなる傾向がある。糸状物またはテ
ープ状物の繊度は、機械的強度や生産性、取扱い性など
の点から、300〜3000デニールのものが好まし
い。
【0025】本発明の熱収縮性包装用クロスは、上記糸
状物またはテープ状物を経緯糸に用い、スルーザー織
機、サーキュラー織機などの従来の織機または編機で、
製織または編織してなるものである。熱収縮性包装用ク
ロスの打込密度は、その機械的強度を高く維持するため
には、できるだけ高密度のものがよい。熱収縮性包装用
クロスの打込密度は、例えば、500デニールの糸状物
またはテープ状物を用いた場合、縦3〜20本/イン
チ、横5〜15本/インチの範囲が好ましい。
【0026】本発明の熱収縮性包装用クロスは、前記熱
収縮性包装用クロスからなるクロス層と、前記ポリオレ
フィン系樹脂と分解促進剤とを含有する樹脂組成物から
なるラミネート層とを有するものでもよい。また、前記
熱収縮性包装用クロスを、サンドイッチラミネート法な
どの方法によって、2枚もしくはそれ以上を積層してな
るものでもよい。ラミネート層は、通常の押出ラミネー
ト法を用い、上記樹脂組成物をクロス層上に押出ラミネ
ートすることによって形成することができる。ラミネー
ト層をヒートシール用として設ける場合、ポリオレフィ
ン系樹脂としては、高圧法による低密度ポリエチレン
(LDPE)が好適に用いられる。ラミネート層用の樹
脂組成物は、クロス層用の樹脂組成物と同様に、好まし
くは、ポリオレフィン系樹脂65〜85重量%と、分解
促進剤15〜35重量%とを含有するものである。
【0027】本発明の熱収縮性包装用クロスは、上記ポ
リオレフィン系樹脂と分解促進剤とを含有する樹脂組成
物からなる糸状物またはテープ状物を製織または編織し
てなるものであるので、熱収縮性を有し、引裂強度、引
張強度等の機械的強度および耐ノッチ伝播性に優れ、か
つ生分解性、光分解性を有するものとなる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を詳しく説明す
る。本実施例における試験方法は、以下の方法を用いて
行った。 (機械的強度)JIS L 1068に準拠して、熱収
縮性包装用クロスの引張強度および引張伸度を測定し
た。 (熱収縮率)熱収縮性包装用クロスをグリセリンバス
中、所定温度で3分間浸漬後の熱収縮率を縦方向、横方
向について測定した。 (生分解性の評価)熱収縮性包装用クロス試験片(大き
さ:30cm×30cm)を、茨城県新治郡千代田町の
畑土を使用し、埋設深さ10cmの位置に地表と水平に
セットした。実験室内管理環境下25℃で24ヶ月間埋
設後の重量減少量(%)により評価した。
【0029】本実施例におけるポリオレフィン系樹脂お
よび分解促進剤は、以下のものを用いた。 ・直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと記
す):密度0.918g/cm3、MFR0.7g/1
0分 ・ポリプロピレンホモポリマー(以下PPと記す):M
FR1.2g/10分 ・高圧法による低密度ポリエチレン(以下LDPEと記
す):密度0.919g/cm3 、MFR3g/10分 ・分解促進剤:デグラ・ノボン(1AA1025)を使
用した。
【0030】(実施例) (テープの作製)LLDPE70重量%とPP30重量
%のブレンド物100重量部に、上記分解促進剤20重
量部添加した樹脂組成物を押出温度230℃でインフレ
ーション法により押し出し、冷却してフィルムを得た。
このフィルムを規定幅にスリットし、延伸倍率7.5
倍、延伸温度105℃の条件で延伸し、500デニール
のテープを得た。
【0031】(熱収縮性包装用クロスの製造)上記テー
プを経緯糸に用い、スルーザー織機で製織してクロスを
得た。熱収縮性包装用クロスの打込密度は縦10×横1
0(本/インチ)とした。このクロス上にLDPE80
重量%、分解促進剤20重量%の樹脂組成物を押出ラミ
ネートし、クロス層とラミネート層の2層からなる熱収
縮性包装用クロスを得た。得られた熱収縮性包装用クロ
スについて、引張強度、引張伸度および熱収縮率(80
℃、100℃、110℃)を測定した。結果を表1に示
す。さらに、生分解性についても評価を行った。結果を
図1、Aのグラフに示す。
【0032】(比較例)分解促進剤を添加しなかった以
外は、実施例と同様にして熱収縮性包装用クロスを得
た。得られた熱収縮性包装用クロスについて、引張強
度、引張伸度および熱収縮率(80℃、100℃、11
0℃)を測定した。結果を表1に示す。さらに、生分解
性についても評価を行った。結果を図1、Bのグラフに
示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱収縮性
包装用クロスは、上記ポリオレフィン系樹脂と分解促進
剤とを含有する樹脂組成物からなる糸状物またはテープ
状物を、製織または編織してなるものであるので、熱収
縮性を有し、引裂強度、引張強度等の機械的強度および
耐ノッチ伝播性に優れ、かつ生分解性および光分解性を
有するものとなる。そのため、本発明の熱収縮性包装用
クロスは、熱収縮性包装材として使用している間はその
性能を保持することができ、そして、使用後、土壌中に
破棄することによって二酸化炭素や水などに分解されて
しまうので、焼却処分が不要で環境に悪影響を及ぼすこ
とはなく、処理の手間と費用を節約することができる。
また、本発明の熱収縮性包装用クロスは、機械的強度が
高いので、重包装用分野にも使用することができ、例え
ば、タイヤや電線等の環状包装や、パレットの包装にも
適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明および従来の熱収縮性包装用クロスの
生分解性を示すグラフである。
【符号の説明】
A 本発明の熱収縮性包装用クロスの生分解性試験のグ
ラフ B 従来の熱収縮性包装用クロスの生分解性試験のグラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂山 好弘 東京都中央区日本橋小舟町4番1号 平成 ポリマー株式会社内 Fターム(参考) 3E086 BA04 BA15 BA18 BA35 BB67 BB75 BB85 BB90 CA33 4F100 AA02A AA02B AH02A AH02B AK01A AK01B AK02A AK02B AK03A AK03B AK06 AK07 AK63 BA02 CA30A CA30B DG01A DG11A DG12A DG13A EH17 EH23 EJ37 GB15 JA03A JC00A JC00B JK02 JK03 4L048 AA15 AA48 AA49 AA56 AB28 BA02 CA01 CA03 CA15 DA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂と分解促進剤とを
    含有する樹脂組成物からなる糸状物またはテープ状物
    を、製織または編織してなり、 前記分解促進剤は、生分解性高分子と、1つ以上の不飽
    和二重結合を有する不飽和化合物と、鉄化合物と、鉄以
    外の遷移金属化合物と、芳香族ケトン類とを有すること
    を特徴とする熱収縮性包装用クロス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱収縮性包装用クロスか
    らなるクロス層と、ポリオレフィン系樹脂と前記分解促
    進剤とを含有する樹脂組成物からなるラミネート層とを
    有することを特徴とする熱収縮性包装用クロス。
JP30920198A 1998-10-29 1998-10-29 熱収縮性包装用クロス Pending JP2000136466A (ja)

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