JP2000136306A - 難燃性カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物及びその硬化体の製造方法 - Google Patents

難燃性カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物及びその硬化体の製造方法

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JP2000136306A
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俊哉 杉本
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Kazuhiko Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い機械強度を保持したまま、耐熱性及び難
燃性に優れた難燃性カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 一般式(1)、一般式(2)又は一般式
(3)で表されるユニットを構造単位中に持ち、重量平
均分子量が500以上であるカルボラン含有ケイ素系重
合体並びに無機充填剤からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、難燃性に
優れた材料として有用な難燃性カルボラン含有ケイ素系
樹脂組成物及びその硬化体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電装品、航空宇宙材料分野
への使用を意図した非常に高い耐熱性、難燃性及び機械
強度を兼ね備えたケイ素系樹脂組成物の開発が試みられ
ている。このようなケイ素系樹脂組成物には、例えば、
高分子反応により重合体を架橋させる方法を利用して分
子量や機械強度の向上が図られている例がある〔Organo
metallics, 15, 75(1996) 〕。
【0003】一方、カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物
については幾つか知られており、例えば、J. Macromol.
Sci. -Rev. Macromol. Chem., C17(2), 173-208 (197
9) には、ポリ(ドデカカルボラン−シロキサン)につ
いて報告されている。また、特表平8−505649号
公報には、有機ホウ素ポリマーが開示されており、カル
ボランを導入することによってシロキサンポリマーの熱
安定性が向上することが報告されている。
【0004】しかしながら、上記有機ホウ素ポリマーは
アセチレン基含有ジリチオ塩と両末端クロロ基含有カル
ボランシロキサンとの反応から得られるものであり、モ
ノマーであるカルボラン含有ケイ素系化合物の合成に数
段階を要するため、簡便な方法ではなかった。
【0005】また、上記従来の有機ホウ素ポリマー以外
に、カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物は殆ど知られて
おらず、耐熱性、難燃性及び機械強度を兼ね備えた新規
なカルボラン含有ケイ素系樹脂組成物の開発が期待され
ている。このようにケイ素系樹脂組成物は耐熱性、難燃
性に優れているので、電気絶縁体、塗料、積層品の接着
剤等として自動車電装品、航空宇宙材料、建築材料等に
広く用いられている。近年、用途が広がるにつれて、さ
らなる難燃化への要求が高まっているが、他の樹脂組成
物に比べて難燃剤の添加など難燃化に対する検討はあま
り行われていない。
【0006】上記ケイ素系重合体として、例えば、シリ
コーンゴムはその難燃性を示す酸素指数が25〜27で
あるが、用途により必ずしも十分なものではなかった
(「ポリマーの難燃化」西沢仁著、大成社出版)。ま
た、ケイ素系重合体のうち燃焼時の発煙量や発生する有
毒ガスの種類も少ないものは安全上有利な材料といえる
が、このようなケイ素系重合体に通常の難燃剤である有
機ハロゲン化物や三酸化アンチモン等を添加すると、物
性低下が大きくなり使用できなくなるという問題点があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点に鑑
み、高い機械強度を保持したまま、耐熱性及び難燃性に
優れた難燃性カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物及びそ
の硬化体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ケイ素系
重合体とシリル置換カルボラン誘導体とを複合化した重
合体に無機充填剤を添加することを試みた。その結果、
重合体中に導入されたカルボランと無機充填剤の効果に
より、機械強度などの物性を保持したまま、耐熱及び難
燃性のさらなる向上が期待できることが判明した。
【0009】本発明の難燃性カルボラン含有ケイ素系樹
脂組成物は、一般式(1)、一般式(2)又は一般式
(3)で表されるユニットを構造単位中に持ち、重量平
均分子量が500以上であるカルボラン含有ケイ素系重
合体100重量部、並びに、無機充填剤3〜300重量
部からなることを特徴とする。
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】式中、R1 、R2 は、ケイ素原子に結合し
た、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜30の
アリール基を示し、それぞれ同一であっても異なってい
てもよい。R3 は、炭素数1〜20のアルキレン基又は
炭素数6〜30のアリーレン基を示すがなくてもよい。
なお、R3 がない場合は、ケイ素原子にビニル基が直接
結合している。カルボラン導入反応の起こりやすさの点
から、好ましくはR3がなく、ケイ素原子にビニル基が
直接結合している場合が挙げられる。また、Zは水素、
水酸基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30
のアリール基または炭素数1〜20のアルコキシ基を示
す。なお、二つのエチニレン基のベンゼン環に対する位
置は任意である。カルボラン導入反応の起こりやすさの
点から、好ましくは水酸基が挙げられる。また、CBp
HqCは、2価のかご状のホウ素化合物であるカルボラ
ンを表し、p、qは3〜16の整数を示す。
【0014】上記R1 、R2、Zで表される炭化水素基
の炭素数は、脂肪族の場合多くなると結合が切れやすく
なり耐熱性が低下するため、芳香族の場合多くなると溶
媒に対する溶解性が低下するため、上記範囲に限定され
る。
【0015】上記R1 、R2 、 Zで表されるアルキル
基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル
基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル
基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。カル
ボラン導入反応の起こりやすさの点から、好ましくはR
1 、R2 がメチル基が挙げられる。
【0016】上記R1 、R2 、Zで表されるアリール基
としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル
基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル等が挙
げられる。カルボラン導入反応の起こりやすさの点か
ら、好ましくはR1 、R2 がフェニル基が挙げられる。
【0017】上記R3 で表されるアルキレン基として
は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン
基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシ
レン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレ
ン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデ
シレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、エイコ
シレン基等が挙げられる。
【0018】上記R3 で表されるアリーレン基として
は、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン
基、ビフェニレン基、ナフタレニレン基、アントラセニ
レン基等が挙げられる。
【0019】上記R1 、R2 で表されるアルキル基又は
アリール基は、以後についても上記と同様であり、ま
た、R3 で表されるアルキレン基又はアリーレン基は、
以後についても上記と同様である。
【0020】また、上記カルボランとしては、例えば、
ドデカカルボラン(CB10H10C)、デカカルボラン
(CB8 H8 C)、ヘプタカルボラン(CB5 H5
C)、ヘキサカルボラン(CB4 H4 C)、ペンタカル
ボラン(CB3 H3 C)等が挙げられる。
【0021】本発明で用いられるカルボラン含有ケイ素
系重合体の製造方法は、特に限定されないが、一般式
(4)で示される炭化水素基と一般式(5)の組み合わ
せからなる側鎖の末端に二重結合を持つケイ素系重合体
と、一般式(6)で表されるシリル置換カルボラン誘導
体とを触媒を用いて反応させることにより得られる。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】式中、R1 、R2 はケイ素原子に結合した
炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜30のアリー
ル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよ
い。R3 は炭素数1〜20のアルキレン基または炭素数
6〜30のアリーレン基を示すがなくてもよい。なお、
R3 がない場合は、ケイ素原子にビニル基が直接結合し
ている。また、二つのエチニレン基のベンゼン環に対す
る位置は任意である。CBpHqCは、2価のかご状の
ホウ素化合物であるカルボランを表し、p、qは3〜1
6の整数を示す。
【0026】上記反応に使用される触媒としては、例え
ば、塩化白金酸〔H2 PtCl5 ・6H2 O)、ヘキサ
ロジウムヘキサデカカルボニル、ビス(ジビニルテトラ
メチルジシロキサン)白金{Pt[CH2=CHSi(CH3)2OSi(CH
3)2CH=CH2]2}等が挙げられる。
【0027】上記触媒の使用量は、少なくなると反応が
十分進行せず、多くなると合成後の重合体中に残存しや
すくなり、耐熱性が低下するため、ケイ素系重合体の構
成単位に対して0.001〜20mol%が好ましく、
より好ましくは0.01〜10mol%である。
【0028】上記反応に使用されるケイ素系重合体とシ
リル置換カルボラン誘導体とのモル比は、カルボランの
導入量が少なすぎると得られる重合体の耐熱性、難燃性
があまり向上しないため、ケイ素系重合体:シリル置換
カルボラン誘導体=1:0.01〜20が好ましく、よ
り好ましくは1:0.1〜10である。
【0029】上記反応に使用される溶媒は極性、無極性
いずれでもよいが、好ましくはトルエン、テトラヒドロ
フランなどの非プロトン性溶媒である。上記溶媒の使用
量は、ケイ素系重合体の構成単位の濃度で0.01〜5
0mol/L(リットル)が好ましく、より好ましくは
0.05〜5mol/Lである。
【0030】上記反応は室温から溶媒の沸点の間の温度
で行われる。また、この反応は空気中又は不活性ガス雰
囲気下のいずれでも行えるが、好ましくはアルゴンガス
又は窒素ガス雰囲気下である。上記反応の反応時間は短
すぎるとカルボランの導入反応が十分に進行しないため
耐熱性が向上せず、逆に長くなりすぎると架橋反応が進
行して溶媒に溶けなくなり、取り扱いが困難になるた
め、1〜72時間が好ましい。
【0031】反応終了後、ケイ素系重合体の精製方法と
しては、再沈殿法又はゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)による分取等が挙げられる。
【0032】上記カルボラン含有ケイ素系重合体の重量
平均分子量は、小さくなると十分な耐熱性が得られなく
なるため500以上に限定され、逆に大きくなると溶媒
に対する溶解性が低下するため500万以下が好まし
い。
【0033】本発明のカルボラン含有ケイ素系樹脂組成
物は、上記カルボラン含有ケイ素系重合体及び無機充填
剤からなる。
【0034】上記無機充填剤としては、例えば、金属の
炭酸塩、水酸化物、酸化物、ケイ酸塩、ホウ酸塩等の
他、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
【0035】上記金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、
炭酸バリウムなどが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0036】上記金属の水酸化物としては、例えば、水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロン
チウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウムなどが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0037】上記金属の酸化物としては、例えば、酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、
酸化バリウムなどが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0038】上記金属のケイ酸塩としては、例えば、ケ
イ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0039】上記金属のホウ酸塩としては、例えば、ホ
ウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウ
ム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0040】上記カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物に
おいて、無機充填剤の量が少なくなると難燃性向上の効
果が発揮されず、多くなると材料の成形性が低下するた
め、上記カルボラン含有ケイ素系重合体100重量部に
対して、3〜300重量部に制限され、好ましくは5〜
200重量部である。
【0041】本発明者らは、ケイ素系重合体とシリル置
換カルボラン誘導体とを複合化した重合体と無機充填剤
とを混練し、成形体を得た後、熱処理を行うことにより
強度を保持しつつ難燃性の向上が期待できることを見出
した。
【0042】本発明の難燃性カルボラン含有ケイ素系硬
化体の製造方法は、上記カルボラン含有ケイ素系重合体
100重量部、及び無機充填剤3〜300重量部を混練
し、加熱圧縮成形することにより成形体を得、200℃
以上で加熱硬化処理することを特徴とする。
【0043】本発明で用いられるカルボラン含有ケイ素
系重合体及び無機充填剤については上記したものが同様
に用いられる。
【0044】加熱圧縮成形の方法としては、通常の方法
が用いられ、例えばケイ素系重合体と無機充填剤とを混
練し、加圧せずに予備加熱を行い、ガス抜きを行った後
加圧状態で一定の時間保持して成形体を得る方法が挙げ
られる。
【0045】加熱硬化処理の方法としては、通常の方法
が用いられ、熱処理の温度は低すぎると、硬化反応が進
行しないという点から200℃以上に限定される。な
お、400℃を超えると、酸化反応が進行する。
【0046】また、本発明者らは、カルボラン含有ケイ
素系重合体と無機充填剤とを混練し、酸化させて硬化さ
せることによって難燃性の向上が期待できることを見出
した。
【0047】酸化させて硬化させる方法としては酸素存
在下での高温加熱;紫外線・放射線・電子線など活性光
線の照射;コロナ処理;プラズマ処理などが挙げられ
る。これら酸化反応はカルボラン含有ケイ素系重合体の
硬化反応を伴うので、無機充填剤を混練して成形した後
で行われる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を説明す
る。
【0049】(実施例1)アルゴン置換した還流管付1
L(リットル)の4つ口フラスコにポリ(m−ジエチニ
ルベンゼン・フェニルビニルシリレン)20.5114
g(80mmol)を入れ、トルエン500mlに溶解
した後、反応液を50℃に昇温し、触媒〔ビス(ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン)白金〕のトルエン溶液を
ポリ(m−ジエチニルベンゼン・フェニルビニルシリレ
ン)のビニル基に対し0.5mol%になるように加え
て10分間撹拌した。次いで、1,7−ビス(フェニル
メチルシリル)ドデカカルボラン20.8650gのト
ルエン溶液80mlを滴下後、オイルバスの温度を12
5℃に昇温して10時間加熱還流した。続いて、反応溶
液を減圧留去した後、イソプロパノール1.7L中に投
入した。生成した沈殿を濾別して重合体(黄白色の粉
末)28.5gを得た。この重合体の重量平均分子量は
ポリスチレン換算で26,900であった。
【0050】得られた重合体の 1H−NMRスペクトル
(ブルカー社製「DRX300」で測定)を図1に示
す。図1では、0.7〜4ppmにかけてカルボランに
基づくプロトンのピークがみられる。また、0.07〜
0.6ppmにケイ素原子に結合したメチル基、メチレ
ン基のプロトンのピークが、7〜8ppmにはフェニル
基のプロトンのピークがそれぞれ確認された。従って、
得られた重合体は、一般式(1)、一般式(2)又は一
般式(3)で表されるユニットを構造単位中に持つカル
ボラン含有ケイ素系重合体であることを確認した。
【0051】上記の重合反応で得られたカルボラン含有
ケイ素系重合体1.17 gとタルク(含水ケイ酸マグネ
シウム;日本タルク社製「P−4」)0.35g(カル
ボラン含有ケイ素系重合体を100重量部とするとタル
ク30重量部)とを乳鉢中ですり混ぜた。この混合物を
250℃で加圧せずに4分間予熱を行い、30秒間に1
0回ガス抜きを行った後、加圧状態で30秒間保持し
た。その後、圧力を解除して加熱を停止し、50℃/時
の冷却速度で冷却して、成形体を作製した。その後、赤
外炉(真空理工社製「RHL−E410」)にて空気
中、300℃で5時間加熱硬化処理して硬化体を得た。
【0052】上記硬化体を試験片として曲げ試験を行っ
たところ(使用測定装置:島津製作所製「テンシロンU
TA−500」)、曲げ弾性率は3.02GPaであっ
た。また、上記成形体を試験片として酸素濃度を変えて
燃焼試験を行うことにより、燃焼を継続しない最大酸素
濃度を求めたところ53%であった。
【0053】(実施例2)実施例1のカルボラン含有ケ
イ素系重合体1.17gと水酸化マグネシウム(協和化
学社製「キスマ5」)0.35g(カルボラン含有ケイ
素系重合体を100重量部とすると水酸化マグネシウム
30重量部)とを乳鉢中ですり混ぜた。この混合物を実
施例1と同様にして加熱硬化処理した試験片の曲げ試験
を行ったところ、曲げ弾性率は2.64GPaであっ
た。また、上記硬化体を試験片として酸素濃度を変えて
燃焼試験を行うことにより、燃焼を継続しない最大酸素
濃度を求めたところ50%であった。
【0054】(実施例3)実施例1のカルボラン含有ケ
イ素系重合体1.17gとガラスファイバー(日本電気
硝子社製「ECS 03 T−488H」)0.35g
(カルボラン含有ケイ素系重合体を100重量部とする
とガラスファイバー30重量部)とを乳鉢中ですり混ぜ
た。この混合物を実施例1と同様にして加熱硬化処理し
た試験片の曲げ試験を行ったところ、曲げ弾性率は2.
88GPaであった。また、上記硬化体を試験片として
酸素濃度を変えて燃焼試験を行うことにより、燃焼を継
続しない最大酸素濃度を求めたところ53%であった。
【0055】(実施例4)実施例1のカルボラン含有ケ
イ素系重合体1.17gと低融点ガラス(日本琺瑯釉薬
社製「FRA−34」)0.35g(カルボラン含有ケ
イ素系重合体を100重量部とすると低融点ガラス30
重量部)とを乳鉢中ですり混ぜた。この混合物を実施例
1と同様にして加熱硬化処理した試験片の曲げ試験を行
ったところ、曲げ弾性率は2.27GPaであった。ま
た、上記硬化体を試験片として酸素濃度を変えて燃焼試
験を行うことにより、燃焼を継続しない最大酸素濃度を
求めたところ53%であった。
【0056】(比較例1)実施例1のカルボラン含有ケ
イ素系重合体1.42gのみを実施例1と同様に加熱圧
縮成形して成形体を作製した後、赤外炉にて空気中、3
00℃で5時間加熱硬化処理した。上記硬化体を試験片
として曲げ試験を行ったところ(使用測定装置:島津製
作所製「テンシロンUTA−500」)、曲げ弾性率は
2.29GPaであった。また、上記硬化体を試験片と
して酸素濃度を変えて燃焼試験を行うことにより、燃焼
を継続しない最大酸素濃度を求めたところ45%であっ
た。
【0057】
【発明の効果】本発明の難燃性カルボラン含有ケイ素系
樹脂組成物及びその硬化体は、上述の通りであり、高い
機械強度を有し、かつ耐熱性、難燃性に優れているの
で、宇宙・航空材料、建築材料などの用途に好適に用い
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に用いたカルボラン含有ケイ素系重合
体の 1H−NMRスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 一彦 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)、一般式(2)又は一般式
    (3)で表されるユニットを構造単位中に持ち、重量平
    均分子量が500以上であるカルボラン含有ケイ素系重
    合体100重量部、並びに、無機充填剤3〜300重量
    部からなることを特徴とする難燃性カルボラン含有ケイ
    素系樹脂組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、R1 、R2 はケイ素原子に結合した、炭素数1
    〜20のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を
    示し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R
    3 は、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜3
    0のアリーレン基を示すがなくてもよい。なお、R3 が
    ない場合は、ケイ素原子にビニル基が直接結合してい
    る。また、Zは水素、水酸基、炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数6〜30のアリール基又は炭素数1〜20
    のアルコキシ基を示す。なお、二つのエチニレン基のベ
    ンゼン環に対する位置は任意である。CBpHqCは、
    2価のかご状のホウ素化合物であるカルボランを表し、
    p、qは3〜16の整数を示す)
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)、一般式(2)又は一
    般式(3)におけるR1 、R2 がメチル基もしくはフェ
    ニル基であって同一であっても異なっていてもよく、R
    3 部分はケイ素原子にビニル基が直接結合しており、Z
    は水酸基であることを特徴とする請求項1 記載の難燃性
    カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記カルボラン含有ケイ素系重合体10
    0重量部、及び無機充填剤3〜300重量部を混練し、
    加熱圧縮成形することにより成形体を得、200℃以上
    で加熱硬化処理することを特徴とする難燃性カルボラン
    含有ケイ素系硬化体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記カルボラン含有ケイ素系重合体10
    0重量部、及び無機充填剤3〜300重量部を混練し、
    加熱圧縮成形することにより成形体を得、酸化させて硬
    化させることを特徴とする難燃性カルボラン含有ケイ素
    系硬化体の製造方法。
JP20310899A 1998-08-28 1999-07-16 難燃性カルボラン含有ケイ素系樹脂組成物及びその硬化体の製造方法 Expired - Fee Related JP3636940B2 (ja)

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