JP2000136205A - 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法 - Google Patents

新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法

Info

Publication number
JP2000136205A
JP2000136205A JP10310231A JP31023198A JP2000136205A JP 2000136205 A JP2000136205 A JP 2000136205A JP 10310231 A JP10310231 A JP 10310231A JP 31023198 A JP31023198 A JP 31023198A JP 2000136205 A JP2000136205 A JP 2000136205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
emulsifier
group
emulsion
reactive emulsifier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10310231A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Hashimoto
賀之 橋本
Hisayuki Nishitani
寿行 西谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd filed Critical Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority to JP10310231A priority Critical patent/JP2000136205A/ja
Publication of JP2000136205A publication Critical patent/JP2000136205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/22Emulsion polymerisation
    • C08F2/24Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents
    • C08F2/30Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents non-ionic

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリマー回収時には容易にポリマーエマルシ
ョンを破壊し得、また、得られたポリマーの物性を著し
く改善できる乳化重合用の分解型反応性乳化剤を提供す
る。 【解決手段】 下記一般式(I)で表わされる新規分解
型反応性乳化剤。 [但し、式中R、Rは同一または異なる炭素数1〜
20のアルキル基もしくはアルケニル基または水素原子
であり、Rは水素原子またはアリル基である。Aは炭
素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、n
は1〜200の整数であり、nが2以上の場合、(A
O)nは、下式(i)で示される、1種の繰り返し単位
からなるホモポリマーであってもよく、又は下式(ii)
で示される、異なる置換基A(A、A、…)を有す
る2種以上の繰返し単位からなるブロックポリマー又は
ランダムポリマーであってもよい。] −(AO)−(AO)−(AO)− (i) −(AO)n−(AO)n−…… (但し、n+n+……=n) (ii)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一分子内に、酸
性条件下で容易に分解する1,3−ジオキソラン環と、
共重合性の不飽和基を合わせ持つ化合物からなる新規な
反応性乳化剤に関し、更に、本発明は該新規分解型反応
性乳化剤を利用するポリマー改質方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、乳
化重合用乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホ
コハク酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル
(アリール)エーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界
面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロック共重合体等の非イオン性界面活性剤、また、高級
脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等の石鹸類が単独あるいは併用
で使用されているが、ポリマーエマルションの安定性、
また該エマルションから得られた塗膜やポリマーの性質
等は、必ずしも充分に満足し得るものではなく、多くの
解決すべき問題点が残されている。即ち、エマルション
の重合安定性、工程中での泡トラブル、得られたエマル
ションの機械安定性、化学安定性、凍結融解安定性、顔
料混和性、貯蔵安定性等に問題があり、更に、エマルシ
ョンから塗膜を作成した際、使用した乳化剤が遊離の状
態で塗膜中に残留するため、塗膜の耐水性、接着性、耐
熱性、耐候性等が劣る等の問題を生じている。
【0003】また、エマルションを塩析、酸析等の手段
によって破壊し、ポリマーを取り出す際、ポリマー中に
乳化剤が残存した場合には、得られたポリマーの耐水性
や耐熱性、耐候性、ポリマー強度等、種々ポリマー物性
が低下する問題を生じている。従って、ポリマー中の乳
化剤を充分除去する為に多量の洗浄水を必要とし、更
に、排水中に多くの乳化剤が含有され、河川汚濁の原因
となる為に、乳化剤の除去、排水処理に多大の労力が必
要であるという問題があった。
【0004】これらの対策として、乳化重合時に使用す
る乳化剤量の低減、また、他工程で添加される界面活性
剤類の添加量低減、等の方法が試みられているが、これ
らは諸問題の根本的な解決には成り得ず、乳化重合時の
重合安定性、得られたエマルションの安定性や塗膜やポ
リマーの種々物性の点で未だ充分な解決は図られていな
い。
【0005】このような観点から、従来の乳化剤の問題
点を改善するため共重合性の不飽和基を有する反応性乳
化剤が数多く提案されている。例えば、特公昭46−1
2472号、特開昭54−14431号、特公昭46−
34894号、特公昭54−29657号、特開昭51
−30285号、特公昭49−46291号及び特開昭
56−127697号等にはアニオン性の反応性界面活
性剤が記載され、また、特開昭56−28208号及び
特開昭50−98484号等には非イオン性の反応性界
面活性剤につきそれぞれ記載されており、各種モノマー
について乳化重合が試みられている。しかし、これらの
反応性乳化剤は乳化剤として単独使用したときには、エ
マルション重合時の安定性が不充分であり、使用に際し
ては、従来の乳化剤と併用しなければ重合が円滑に進行
しない場合が多く、また、該エマルションから得られた
塗膜は、耐水性、接着性、耐熱性、耐候性において未だ
充分満足するものが得られていないのが実情である。
【0006】また、エマルションを破壊してポリマーを
取り出す際、排水負荷の低減を目的として、反応性乳化
剤の使用が試みられているが、従来の反応性乳化剤で
は、塩析法や酸析法によりエマルションを破壊してポリ
マーを回収する際、ポリマーの析出、分離が不完全で、
容易にポリマーを取り出すことが出来ない場合やポリマ
ー回収率が低下する場合が多く、更に、従来の反応性乳
化剤では、必ずしもモノマーとの共重合性が充分ではな
いために、未反応の乳化剤が排水中に流出し、排水負荷
の問題を充分に解決するに至っていない。
【0007】これらの問題を改善する方策として、反応
性乳化剤とは異なる観点から、化学的処理により容易に
分解する分解型界面活性剤を乳化重合用乳化剤として利
用する技術が提案されている。例えば、特開平3−28
1602号では、酸処理により容易に分解する分解型界
面活性剤を乳化重合用乳化剤として使用し、酸析により
ポリマーを容易に回収する技術が開示されている。しか
しながら、分解型乳化剤では、乳化剤分子中の疎水基ま
たは親水基の種類によっては、酸処理後の分解生成物が
水に難溶である場合やポリマーに吸着される場合があ
り、多量のポリマー洗浄水が必要であり、また、ポリマ
ー洗浄後、ポリマー中に遊離の状態で残存した分解生成
物がポリマー物性において悪影響を及ぼす場合があり、
上記の諸問題を充分に解決するに至っていない。
【0008】また、ポリマーの改質を目的として、従
来、種々界面活性剤が使用され、親水性付与、帯電防止
性付与、防曇性付与、濡れ性付与、造膜性付与、相溶性
付与等、様々な目的で使用されている。しかしながら、
従来の界面活性剤では、界面活性剤が遊離の状態で存在
しているため、性能が経時的に低下し、また、性能面で
も充分満足するものではなかった。近年、これらの問題
を改善するために、反応性乳化剤をポリマー改質剤とし
て利用する試みがあるが、従来の反応性乳化剤では、必
ずしもモノマーとの共重合性が充分ではないために、性
能が経時的に低下する問題を完全に解決しておらず、更
にポリマーの諸物性が低下する等の問題があった。ま
た、反応性乳化剤は本質的に乳化剤として、その構造は
疎水基部位と親水基部位から成り、ポリマー改質の目
的、例えば親水性付与等においては、性能付与に対して
疎水基部位は必ずしも必要ではなく、概してポリマー物
性に悪影響を及ぼす場合が多く、上記の諸問題を充分に
解決するに至っていない。
【0009】[発明の目的]本発明は、上記実情に鑑み
てなされたものであって、その目的は乳化重合時の安定
性を良好なものとし得、また、エマルションから得られ
た塗膜の耐水性、接着性、及び耐熱性、耐候性が著しく
改善され、更に、ポリマー回収時には、容易にポリマー
エマルションを破壊し得、また、得られたポリマーの物
性を著しく改善できる乳化重合用の分解型反応性乳化剤
を提供するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたものである。 (1)発明の経過 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、同一分子内に、
酸性条件下で容易に分解する1.3−ジオキソラン環
と、共重合性の不飽和基を合わせ持つ化合物が、乳化重
合用乳化剤として適していることを見い出し、本発明に
到達したものである。
【0011】(2)発明の概要 以上の知見に基づき、本発明は、下記一般式(I)で表
される乳化重合用分解型反応性乳化剤(以下、「本発明
分解型反応性乳化剤」または単に「本発明乳化剤」とい
う。)を要旨とするものである。
【化2】 [但し、式中R、Rは同一または異なる炭素数1〜
20のアルキル基もしくはアルケニル基または水素原子
であり(但し、R、Rが共に水素原子であることは
ない)、Rは水素原子またはアリル基である。Aは炭
素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、n
は1〜200の整数であり、nが2以上の場合、(A
O)nは、下式(i)で示される、1種の繰り返し単位
からなるホモポリマーであってもよく、下式(ii)で示
される、異なる置換基A(A、A、…)を有する2
種以上の繰返し単位からなるブロックポリマー又はラン
ダムポリマーであってもよい。] −(AO)−(AO)−(AO)− (i) −(AO)n−(AO)n−…… (但し、n+n+……=n) (ii)。
【0012】(3)置換基 上記一般式(I)の化合物において、置換基R、R
は同一または異なる炭素数1〜20のアルキル基もしく
はアルケニル基または水素原子であり、例えば、アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、イコシル基、等が挙げられる。また、アルケニ
ル基として好ましくは、プロペニル基、ブテニル基、ペ
ンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル
基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセ
ニル基、トリドセニル基、テトラデセニル基、ペンタデ
セニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オク
タデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、等が挙
げられる。以上のアルキル基及びアルケニル基は、一般
式(I)の化合物中に混在していてもよい。
【0013】なお、R,Rが炭素数20を超える炭
化水素基である場合、酸析法によりポリマーを回収する
際、乳化剤の分解生成物が水または温水、アルコール類
に難溶もしくは不溶となり、またポリマーへ吸着しやす
くなる可能性があるといった問題が生じる。
【0014】Rは水素原子またはアリル基である。A
は炭素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基
であり、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基、イソブチレン基等である。
【0015】nは、1〜200の整数であり、より好ま
しくは5〜100の範囲である。前記nが2以上の場
合、一般式(I)における(AO)は、1種の繰り返
し単位からなるホモポリマー(前式(i)参照)であっ
てもよいし、異なる置換基A(A、A、……)を有
する2種以上の繰り返し単位からなるブロックポリマー
またはランダムポリマー(前式(ii)参照)であっても
よい。また、nが2以上の場合、(AO)がホモポリ
マー、ブロックポリマーあるいはランダムポリマーであ
る化合物の混合物であっても良い。
【0016】(4)合成 本発明の分解型反応性乳化剤を得るための反応条件は特
に限定されるものではなく、まず、長鎖アルキル基を有
する1,3−ジオキソラン化合物(化3)は、例えば、
長鎖アルデヒド類または長鎖ケトン類とグリセリンとを
酸触媒の存在下、脱水縮合反応させて得ることができ
る。また、α,β−アルキリデングリセリンのような環
状アセタール、例えば、1,2−イソプロピリデングリ
セリンをアセチル化し、次いで、長鎖アルデヒド類また
は長鎖ケトン類と酸触媒の存在下、アセタール交換反応
させた後、加水分解して得ることもできる。
【0017】更に、1,3−ジオキソラン化合物(化
3)とアリルフェニルグリシジルエーテルとを触媒の存
在下、加熱して反応させ、次いで、アルキレンオキサイ
ドを常法にて付加して目的の本発明の分解型反応性乳化
剤を得ることができる。
【化3】 (R、Rは[化1]と同じ)。
【0018】(5)乳化重合用モノマー 本発明の分解型反応性乳化剤を用いた乳化重合に適用さ
れ得るモノマーとしては各種のものを挙げることがで
き、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル
酸メチル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリ
ル酸ヒドロキシエステル等のアクリル系モノマー、スチ
レン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー、酢酸ビニ
ル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等のハロゲン化オレフィンモノマー、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等の共役系ジオレフィン
系モノマー等の他、エチレン、無水マレイン酸、マレイ
ン酸メチル等がある。なお、使用されるモノマーは上記
に限定されるものではない。本発明の分解型反応性乳化
剤は、上記モノマーの1種または2種以上の乳化重合ま
たは懸濁重合に利用できる。
【0019】(6)重合条件 本発明の分解型反応性乳化剤を使用した乳化重合反応で
は、重合開始剤は従来公知のものが使用できる。しかし
ながら、本発明の分解型反応性乳化剤は、酸性条件下で
分解するため、乳化重合系のpHは、重合中終始、pH
4以上に維持する必要があり、一般的な乳化重合用の重
合開始剤である過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等
の過硫酸塩を重合開始剤として使用する場合には、pH
調整剤を使用して、乳化重合系のpHを好適な条件に維
持する必要がある。そこで、本発明分解型反応性乳化剤
を使用した乳化重合反応では、重合開始剤として、重合
中のpH変化が小さく、pHコントロールが容易なレド
ックス系の重合開始剤が好適である。レドックス系重合
開始剤として、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタ
ンハイドロパーオキサイド、過酸化水素、等が使用でき
る。また、pH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が使用し得る。
【0020】なお、重合促進剤としては、ピロ重亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グル
コース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシド、ア
スコルビン酸およびそのナトリウム塩、等が使用でき
る。
【0021】本発明の分解型反応性乳化剤の乳化重合系
での使用量としては、特に制限はないが、通常、全モノ
マー100重量部に対して0.1〜20重量部が適当で
あり、より好ましくは、0.2〜8.0重量部が適当で
ある。なお、本発明の分解型反応性乳化剤をポリマー改
質の目的に使用する場合には、モノマーの種類、改質の
目的、要求される性能に応じて、使用量を決定すること
が可能であり、使用量は上記の範囲に限定されるもので
はない。
【0022】また、必要に応じて、他種乳化剤または保
護コロイド剤、連鎖移動剤、電解質、等を併用してもよ
い。また、モノマーおよび重合開始剤の重合系への添加
方法は、何れも特に限定されるものではなく、従来の乳
化重合で適用されている方法、例えば、一括添加法、連
続添加法、分割添加法、等の方法、条件を適宜選択でき
る。
【0023】(作用)本発明の分解型反応性乳化剤は、
その分子内に、酸性条件下で容易に分解する1,3−ジ
オキソラン環と、共重合性の不飽和基としてアリル基を
合わせ持つことを特徴とする新規な乳化重合用乳化剤で
ある。
【0024】本発明の分解型反応性乳化剤の使用によ
り、乳化重合系では、本質的に乳化剤として、重合を円
滑にかつ安定に進行させ、また、同時にその分子中の共
重合性の不飽和基がモノマーと反応して、ポリマー組成
に組み込まれ、得られたポリマーエマルションの泡立
ち、機械安定性、貯蔵安定性、等が著しく改善される。
【0025】また、得られたポリマーエマルションから
作成した塗膜中においては、遊離した状態で存在する乳
化剤量が著しく減少し、塗膜の耐水性、接着性、耐熱
性、耐候性、等の塗膜物性の向上に極めて優れた効果を
発揮する。
【0026】また、乳化重合後、ポリマーエマルション
に有機酸または無機酸を添加して、pHを下げることに
より、本発明の分解型反応性乳化剤分子内の1,3−ジ
オキソラン環が分解し、乳化剤としての性能を消失し、
容易にポリマーを分離、回収することができる。
【0027】本発明の分解型反応性乳化剤を使用して得
られたポリマーエマルションは、任意の時点で、容易に
ポリマーエマルションの分散状態を破壊することが可能
であり、また、ポリマーの回収、洗浄後の工程排水中に
排出される有機物質の総量を低減できる点において、非
常に有効である。
【0028】更に、本発明の分解型反応性乳化剤をポリ
マーの改質を目的として使用する場合には、乳化剤とし
てモノマーとの相溶性を良好にし得、乳化重合後、酸処
理することで、ポリマーに親水性部位のみを付与でき、
ポリマーに対して、親水性付与、帯電防止性付与、防曇
性付与、濡れ性付与、またポリマーアロイの為の相溶性
付与、等、ポリマー改質の効果を有し、且つ、性能が長
期間維持できる点において非常に有効である。
【0029】
【発明の実態の形態】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の実
施様態および効果につき述べるが、例示は単に説明用の
ものであって、発明思想の限定または制限を意図したも
のではない。なお、文中「%」および「部」とあるのは
それぞれ重量基準を意味する。
【0030】製造例1 撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を備え
た反応器に、2−トリデカノン198gとグリセリン1
10g、溶媒としてベンゼンを加え、更に触媒としてパ
ラトルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で24時間
脱水縮合反応させ、次いで、得られた反応粗製物を炭酸
カリウム水溶液にて洗浄し、更に蒸留水にて3回洗浄し
た後、減圧蒸留して、2−メチル−2−ウンデシル−4
−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランを得た。次
に、反応器に2−メチル−2−ウンデシル−4−ヒドロ
キシメチル−1,3−ジオキソラン272g(1モル)
を仕込み、触媒として三フッ化ホウ素エーテル錯体を加
え、50℃までの温度でアリルフェニルグリシジルエー
テル190g(1モル)を滴下した後、50℃で6時間
熟成した。次いで、得られた反応生成物をオートクレー
ブに移し、三フッ化ホウ素エーテル錯体を触媒として、
圧力1.5kg/cm、50℃の条件下で、エチレン
オキシド1320g(30モル)を付加して得られたエ
チレンオキシド30モル付加体を本発明分解型反応性乳
化剤[A]とした(以下、「エチレンオキシド」を単に
「EO」と記載する場合がある)。また、同様の操作に
てエチレンオキシド2640g(60モル)を付加し、
得られたエチレンオキシド60モル付加体を本発明分解
型反応性乳化剤[B]とした。
【化4】
【化5】
【0031】製造例2 撹伴装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を備え
た反応器に、7−トリデカノン198gとグリセリン1
10g、溶媒としてベンゼンを加え、更に触媒としてパ
ラトルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で24時間
脱水縮合反応させ、次いで、得られた反応粗製物を炭酸
カリウム水溶液にて洗浄し、更に蒸留水にて3回洗浄し
た後、減圧蒸留して、2,2−ジヘキシル−4−ヒドロ
キシメチル−1,3−ジオキソランを得た。次に、反応
器に2,2−ジヘキシル−4−ヒドロキシメチル−1,
3−ジオキソラン272g(1モル)を仕込み、重合禁
止剤としてハイドロキノン、触媒として塩化第二鉄を加
え、次にアリルフェニルグリシジルエーテル190g
(1モル)を滴下した後、100℃まで昇温し、更に1
00℃で6時間熟成した。次いで、得られた反応生成物
をオートクレーブに移し、トリエチルアミンを触媒とし
て、圧力1.5kg/cm、80℃の条件下で、エチ
レンオキシド660g(15モル)を付加して得られた
エチレンオキシド15モル付加体を本発明分解型反応性
乳化剤[C]とした。また、同様の操作にてエチレンオ
キシド1760g(40モル)を付加し、得られたエチ
レンオキシド40モル付加体を本発明分解型反応性乳化
剤[D]とした。
【化6】
【化7】
【0032】製造例3 撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を備え
た反応器に、1,2−イソプロピリデングリセリン13
2gと無水酢酸142gに、触媒としてピリジンを加
え、還流条件下で1時間反応させてアセチル化した後、
減圧蒸留して、アセチル−1,2−イソプロピリデング
リセリンを得た。次に、アセチル−1,2−イソプロピ
リデングリセリン174gとn−ドデカナール184
g、溶媒としてベンゼンを加え、更に触媒としてパラト
ルエンスルホン酸を加えて、還流条件下でアセタール交
換反応させた。次いで、水酸化ナトリウムのエタノール
溶液を加えて還流条件下でエステル部位を分解した後、
エタノールを減圧トッピングして得られた反応粗製物を
ジエチルエーテルで抽出し、更に蒸留水にて3回洗浄し
た。続いて、ジエチルエーテル層を硫酸マグネシウムで
乾燥した後、ジエチルエーテルを減圧トッピングし、更
に、減圧蒸留して2−ウンデシル−4−ヒドロキシメチ
ル−1,3−ジオキソランを得た。次に、反応器に2−
ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソ
ラン258g(1モル)を仕込み、重合禁止剤としてハ
イドロキノン、触媒としてトリエチルアミンを加え、次
にアリルフェニルグリシジルエーテル190g(1モ
ル)を滴下した後、80℃まで昇温し、更に80℃で6
時間熟成した。次いで、得られた反応生成物をオートク
レーブに移し、塩化第二鉄を触媒として、圧力1.5k
g/cm、120℃の条件下で、まず、ブチレンオキ
シド216(3モル)を付加し、次いで、圧力1.5k
g/cm、100℃の条件下で、エチレンオキシド3
520g(80モル)を付加して得られたブチレンオキ
シド3モル、エチレンオキシド80モル付加体を本発明
分解型反応性乳化剤[E]とした(以下、「ブチレンオ
キシド」を単に「BO」と記載する場合がある)。
【化8】
【0033】製造例4 製造例1に準じて、n−オクタナールとグリセリンから
2−ヘプチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキ
ソランを得、次にアリルフェニルグリシジルエーテルと
反応させ、更にエチレンオキシド5モルを付加させて本
発明分解型反応性乳化剤[F]を得た。
【化9】
【0034】製造例5 製造例1に準じて、n−ヘキサナールとグリセリンから
2−ペンチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキ
ソランを得、次にアリルフェニルグリシジルエーテルと
反応させ、更にエチレンオキシド2モル、次いで、ブチ
レンオキサイド4モル、エチレンオキサイド60モルを
付加させて本発明分解型反応性乳化剤[G]を得た。
【化10】
【0035】製造例6 製造例1に準じて、n−オクタデカナールとグリセリン
から2−ヘプタデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3
−ジオキソランを得、次にアリルフェニルグリシジルエ
ーテルと反応させ、更にエチレンオキシド50モル、プ
ロピレンオキサイド5モルをランダム付加させて本発明
分解型反応性乳化剤[H]を得た(以下、「プロピレン
オキシド」を単に「PO」と記載する場合がある)。
【化11】
【0036】製造例7 製造例1に準じて、2−トリデカノンとグリセリンから
2−メチル−2−ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−
1,3−ジオキソランを得、次にジアリルフェニルグリ
シジルエーテルと反応させ、更にエチレンオキシド30
モルを付加させて本発明分解型反応性乳化剤[I]を得
た。
【化12】
【0037】使用例1 撹拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた
反応器に、イオン交換水294g、炭酸水素ナトリウム
0.5gを仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスを通
気して水中の溶存酸素を除去した。次に、アクリル酸ブ
チル100g、スチレン100gに表1に示す本発明の
分解型反応性乳化剤6gを溶解させ、その内の20%に
相当する41gを反応器に仕込み、次いで過硫酸アンモ
ニウム0.5gを加えて先行重合させた。続いて、重合
開始10分後より3時間かけて、残りのモノマーと乳化
剤の混合液165gを滴下して重合させた。更に続け
て、重合温度にて2時間熟成した後、冷却し、エマルシ
ョンを取り出し、供試サンプルとした。この乳化重合時
の凝集物量、得られたエマルションの固形分、機械安定
性、起泡性、乳化剤反応率およびこのエマルションより
作成したポリマーフィルムの耐水性の各試験結果を表1
に示した。また、比較として、炭酸水素ナトリウム無添
加で実施した乳化重合の結果を表1に示した。更に、表
1に示す従来の乳化剤についても同様の試験を実施し
た。
【0038】
【表1】 (固形分):エマルション2gを105℃、2時間乾燥
後、重量測定し、秤取したエマルション重量に対して%
表示した。 (凝集物量):エマルションを150メッシュ金網で濾
過し、残渣を水洗後、乾燥して得た凝集物重量を仕込み
モノマー重量に対して%表示した。 (機械安定性):エマルション50gをマーロン型試験
器にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間攪
拌し、生成した凝集物を150メッシュ金網で濾過し、
残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形
分に対して%表示した。 (起泡性):エマルションをイオン交換水で2倍希釈
し、100mlネスラー管に30cc入れ、1分間振と
うした後、静置5分後における泡の量を測定した。 (乳化剤反応率):エマルションにメタノールを加え
て、ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上済みを
用い、HPLCにて未反応の乳化剤量を測定して、乳化
剤の反応率を算出した。 (耐水性試験):ガラス板上に0.5mm厚のポリマー
フィルムを作製し、これを水中に浸漬し、前記フィルム
を透して4.5ポイント文字が読めなくなるまでの時間
を測定した。 *1− 良好なエマルションが得られず測定未実施 *2− 非反応タイプのため測定未実施
【0039】使用例2 反応器として耐圧性を有するガラス瓶、具体的には炭酸
飲料用の空き瓶にイオン交換水60gを仕込み、窒素ガ
スを通気して溶存酸素を除去した。次にガラス瓶を氷水
浴中で冷却した後、表2に示す本発明の分解型反応性乳
化剤1.2g、ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物
0.12g、ドデシルメルカプタン0.12g、スチレ
ン20g、パラメンタンヒドロペルオキシド0.03
g、硫酸第一鉄7水和物0.02g、ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシド0.01gを仕込んだ。次いで
メタノールドライアイス浴中の目盛付き試料採取管にボ
ンベからブタジエンを導入し、液化させて計量したブタ
ジエン22gをストップコック付きのシリンジを用いて
ガラス瓶に仕込み、2g分のブタジエンを気化させて空
気を追い出した後、直ちに打栓、振とうして、ガラス瓶
中の内容液を乳濁状態とした。次に、水温5℃に調整し
た回転式重合槽内のホルダーにガラス瓶をセットし、回
転数50rpmにて5時間重合させた。重合反応終了
後、ガラス瓶を開栓し、N,N−ジエチルヒドロキシル
アミンを添加して重合を停止させ、続いて減圧下で残存
モノマーを留去して得られたポリマーラテックスを供試
サンプルとした。この乳化重合時の凝集物量、得られた
ラテックスの固形分、機械安定性、起泡性、ポリマーフ
ィルムの吸水率、耐熱着色性の各試験結果を表2に示し
た。また、得られたポリマーラテックスについて、1%
硫酸を添加してpHを2以下としたところ、ラテックス
が破壊され、直ちにポリマーが析出した。更に、引き続
き攪拌しながら60℃に昇温した後、静置してポリマー
を浮上させ、これを回収して温水で3回洗浄した後、ポ
リマーを脱水し、60℃で減圧乾燥した。この時の得ら
れた乾燥ポリマーの回収率を表2に示した。なお、比較
として従来の乳化剤についても同様の試験を実施し、表
2にその試験結果を示した。
【0040】
【表2】 (固形分):ラテックス2gを105℃、1時間減圧乾
燥後、重量測定し、秤取したラテックス重量に対して%
表示した。 (凝集物量):ラテックスを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、減圧乾燥して得た凝固物重量を仕込
みモノマー重量に対して%表示した。 (機械安定性):ラテックス50gをマーロン型試験器
にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間攪拌
し、生成した凝集物を150メッシュ金網で濾過し、残
渣を水洗後、減圧乾燥し、その重量をラテックスの固形
分に対して%表示した。 (起泡性):ラテックスをイオン交換水で2倍希釈し、
100mlネスラー管に30cc入れ、30回倒立させ
てから静置5分後における泡の量を測定した。 (吸水率):ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィ
ルムを作製し、ガラス板からフィルムを注意深く引き剥
がし、フィルムを縦100mm×横100mmの大きさ
に切断して試験片を作成した。これを水中に浸漬し、2
4時間後に取り出し、素早く2枚の濾紙間で水分を除去
し、重量測定し、重量増加分を浸漬前の重量に対して%
表示した。 (耐熱着色性):ガラス板上に0.5mm厚のポリマー
フィルムを作製し、250℃に調整した熱風乾燥器内で
30分間熱処理して、ポリマーフィルムの着色を調べ
た。 (ポリマー回収率):得られた乾燥ポリマーの重量を、
エマルションの固形分値から算出した理論固形分重量に
対して%表示した。 *1:ノニルフェノールのアリルグリシジルエーテル1
モル、エチレンオキシド30モル付加体 *2:下記構造の反応性乳化剤
【化13】 *3:下記構造の分解型乳化剤
【化14】
【0041】使用例3 攪拌機、温度計および冷却、加熱装置を備えたオートク
レーブに、イオン交換水500g、表3に示す本発明の
分解型反応性乳化剤25g、ナフタレンスルホン酸ホリ
マリン縮合物2.5g、炭酸ナトリウム2.5g、ドデ
シルメルカプタン2.5gを仕込み、更に過硫酸カリウ
ム1.5gを加えた後、オートクレーブ内を窒素置換し
た。続いて、オートクレーブに5℃の冷却水を通水して
内容物を冷却した後、ブタジエンボンベからオートクレ
ーブにブタジエン500gを導入し、攪拌を高速にして
内容物を乳濁状態とした。次に、内温を60℃まで昇温
し、35時間重合させた。重合終了後、冷却し、減圧下
で未反応ブタジエンを留去してポリブタジエンラテック
スを得た。この乳化重合時の凝集物量および得られたポ
リマーラテックスの固形分、平均粒子径について表3に
示した。次に、攪拌機、還流冷却器、温度計および滴下
漏斗を備えた反応器に、上記操作にて調製したポリブタ
ジエンラテックスを固形分換算で320g、イオン交換
水180g(ただし、ポリマーラテックス固形分に応じ
て微調整する)を仕込み、そして、スチレン225g、
アクリロニトリル95g、イオン交換水300g、更に
乳化剤としてポリブタジエンラテックス調製時と同一の
本発明分解型反応性乳化剤9.6gをホモディスパーに
より混合して得たモノマー乳濁液の内、65gを攪拌し
ながら反応器に加えた後、窒素置換した。次いで、反応
器を冷却して、内温が10℃となった時点で、パラメン
タンヒドロペルオキシド1.2g、硫酸第一鉄7水和物
0.6g、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシド
0.3gを加えて先行重合させた。次に、重合開始15
分後より3時間かけて、残りのモノマー乳濁液を3時間
かけて滴下して重合させた。さらに、続けて重合温度に
て2時間熟成した後、N,N−ジエチルヒドロキシルア
ミンを添加して重合を停止させ、続いて、窒素ガス通
気、減圧条件下で残存モノマーを留去して得られたポリ
マーラテックスを供試サンプルとした。この乳化重合時
の凝集物量および得られたポリマーラテックスの固形
分、平均粒子径、乳化剤反応率の各試験結果を表4に示
した。また、得られたポリマーラテックス250gにつ
いて、1%硫酸を添加してpHを2以下としたところ、
ラテックスが破壊され、直ちにポリマーが析出した。引
き続き、攪拌しながら60℃に昇温した後、静置してポ
リマーを浮上させ、これを回収して温水で3回洗浄した
後、ポリマーを脱水、乾燥した。この時のポリマーの回
収率とポリマー回収時の全排水を回収、濃縮して測定し
た全有機炭素(TOC)量、ポリマー成形時の滞留着色
性の測定結果を表4に示した。なお、比較として従来の
乳化剤についても同様の試験を実施し、表4にその試験
結果を示した。
【0042】
【表3】 (固形分):ラテックス2gを105℃、1時間減圧乾
燥後、重量測定し、秤取したラテックス重量に対して%
表示した。 (凝集物量):ラテックスを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、減圧乾燥して得た凝固物重量を仕込
みモノマー重量に対して%表示した。 (平均粒子径):島津レーザー回析式粒度分布測定装置
SALD−2000を使用して、ラテックスの平均粒子
径を測定した。 *1、*2は、前記使用例2で比較例として使用した反
応性乳化剤。 *3は、前記使用例2で比較例として使用した分解型乳
化剤。
【表4】 (固形分):ラテックス2gを105℃、2時間減圧乾
燥後、重量測定し、ラテックス重量に対して%表示し
た。 (凝集物量):ラテックスを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、減圧乾燥して得た凝固物重量を仕込
みモノマー重量に対して%表示した。 (平均粒子径):島津製作所製レーザー回析式粒度分布
測定装置SALD−2000を使用して、ラテックスの
平均粒子径を測定した。 (乳化剤反応率):ラテックスにメタノールを加えて、
ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上済みを用
い、HPLCにて未反応の乳化剤量を測定して、乳化剤
の反応率を算出した。 (ポリマー回収率):得られた乾燥ポリマーの重量を、
ラテックスの固形分値から算出した理論固形分重量に対
して%表示した。 (全有機炭素(TOC)量):ポリマー回収時の全排水
(ポリマー洗浄水を含む)を回収し、250mlまで濃
縮した後、その一部を採取して島津製作所製TOC−5
00を使用して、全有機炭素(TOC)量を測定した。 (滞留着色性):得られた乾燥ポリマーを成形温度25
0℃、金型温度50℃で成形し、縦125mm×横12
5mm×厚さ3.5mmの参照試験片を作成した。同様
に、250℃の成形機内で20分間滞留させて成形した
試験片について、参照試験片と比較して着色を調べた。 *1、*2は、前記使用例2で比較例として使用した反
応性乳化剤 *3は、前記使用例2で比較例として使用した分解型乳
化剤 *4は、非反応タイプのため測定未実施
【0043】使用例4 使用例3と同様の操作にてポリブタジエンラテックスを
調製し、以後、ポリブタジエンラテックス中でスチレ
ン、アクリロニトリルを乳化重合する際に使用する本発
明分解型反応性乳化剤量を32gに変更した以外は使用
例3と同様の条件で重合してポリマーラテックスを得
た。更に得られたポリマーラテックスからポリマーを回
収、乾燥を行った。この時得られたポリマーを成形温度
250℃、金型温度50℃で成形し、縦125mm×横
125mm×厚さ3.5mmの試験片を作成した。この
試験片について、接触角、表面固有抵抗の測定を行っ
た。その各試験の結果について表5に示した。なお、比
較として従来の乳化剤についても同様の試験を実施し、
表5にその試験結果を示した。
【0044】
【表5】 (接触角):得られた乾燥ポリマーを成形温度250
℃、金型温度50℃で成形し、縦125mm×横125
mm×厚さ3.5mmの試験片を作成し、接触角測定器
により水滴の接触角を測定した。 (表面固有抵抗):得られた乾燥ポリマーを成形温度2
50℃、金型温度50℃で成形した試験片について、温
度20℃、湿度45%の雰囲気中に24時間放置した
後、表面固有抵抗値を測定した。 *1、*2は、前記使用例2で比較例として使用した反
応性乳化剤 *3は、前記使用例2で比較例として使用した分解型乳
化剤
【0045】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、乳化
重合時における安定性および得られたポリマーエマルシ
ョンの安定性を良好にし得、工程中での泡トラブルを解
消し、しかも、ポリマー回収工程におけるポリマーの回
収率を向上させ、生産性の向上に著しく寄与し、更に、
ポリマーの回収、洗浄工程で排出される有機物量を著し
く低減できる新規な乳化重合用の分解型反応性乳化剤を
提供したことにある。また、ポリマーエマルションから
得られたポリマーおよびポリマー塗膜の耐水性および耐
熱性を著しく改善できる新規な乳化重合用の分解型反応
性乳化剤を提供したことにある。更に、本発明の新規な
乳化重合用の分解型反応性乳化剤を使用することによ
り、得られたポリマーおよびポリマー塗膜の物性を改良
するポリマー改質方法を提供したことにある。これら本
発明の効果により、関連産業界の発展および需要者の利
益に寄与する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AB15 AC01 BA07 BA15 BA20 CA02 CA03 CA04 CA14 CA15 DC01Y DC04Y DC07Y DC08Z DC10Z DC12Y DC16Z DC19Y DD05Y DD08Y DD09Y DD32Y DD33Y DE02Y DE04Y DE07Y DE08Y DE12Y 4J011 KA14 KB05 KB22 4J100 AA02P AB02P AB07Q AB15Q AB16P AC03P AC04P AG04P AJ02P AK32P AL03P AL04P AL09P AL36P AM02P AM15P AS02P AS03P AS07P BA02H BA02Q BA03H BA08Q BC59Q CA04 FA20 GC07 GC17 HB37 HB52

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる新規分解型
    反応性乳化剤。 【化1】 [但し、式中R、Rは同一または異なる炭素数1〜
    20のアルキル基もしくはアルケニル基または水素原子
    であり(但し、R、Rが共に水素原子であることは
    ない)、Rは水素原子またはアリル基である。Aは炭
    素数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、n
    は1〜200の整数であり、nが2以上の場合、(A
    O)nは、下式(i)で示される、1種の繰り返し単位
    からなるホモポリマーであってもよく、又は下式(ii)
    で示される、異なる置換基A(A、A、…)を有す
    る2種以上の繰返し単位からなるブロックポリマー又は
    ランダムポリマーであってもよい。] −(AO)−(AO)−(AO)− (i) −(AO)n−(AO)n−…… (但し、n+n+……=n) (ii)
  2. 【請求項2】請求項1記載の分解型反応性乳化剤の存在
    下で、モノマーを乳化重合した後、ポリマー中に共重合
    した該乳化剤分子内の1,3−ジオキソラン環部位を酸
    分解することにより、ポリマー中に親水性部位を付与す
    ることを特徴とするポリマーの改質方法。
JP10310231A 1998-10-30 1998-10-30 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法 Pending JP2000136205A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10310231A JP2000136205A (ja) 1998-10-30 1998-10-30 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10310231A JP2000136205A (ja) 1998-10-30 1998-10-30 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000136205A true JP2000136205A (ja) 2000-05-16

Family

ID=18002772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10310231A Pending JP2000136205A (ja) 1998-10-30 1998-10-30 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000136205A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335572A (ja) * 2000-05-26 2001-12-04 Kuraray Co Ltd 環状アセタール誘導体の製造方法
CN103797034A (zh) * 2012-01-16 2014-05-14 第一工业制药株式会社 乳液聚合用乳化剂
JP2014176844A (ja) * 2013-02-15 2014-09-25 Kobe Univ 反応性界面活性剤

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001335572A (ja) * 2000-05-26 2001-12-04 Kuraray Co Ltd 環状アセタール誘導体の製造方法
JP4562861B2 (ja) * 2000-05-26 2010-10-13 株式会社クラレ 環状アセタール誘導体の製造方法
CN103797034A (zh) * 2012-01-16 2014-05-14 第一工业制药株式会社 乳液聚合用乳化剂
CN103797034B (zh) * 2012-01-16 2015-03-04 第一工业制药株式会社 乳液聚合用乳化剂
JP2014176844A (ja) * 2013-02-15 2014-09-25 Kobe Univ 反応性界面活性剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5767369B2 (ja) 乳化重合用乳化剤およびそれを用いる乳化重合方法
US3988508A (en) High internal phase ratio emulsion polymers
EP0464454A2 (en) Surfactant
US4657999A (en) Polymerization emulsifiers
JPH08512064A (ja) 水性重合体エマルションを製造する方法
WO2013051205A1 (ja) 反応性乳化剤を用いた乳化重合方法、それにより得られる水系ポリマーディスパージョン及びポリマーフィルム
CN107226916B (zh) 一种制备聚异戊二烯橡胶胶乳的方法
CN113881052A (zh) 一种超支化改性纳米材料及其制备方法和在稠油降粘剂中的应用
EP1760095B1 (en) Emulsifier for emulsion polymerization, production method of polymer emulsion and polymer emulsion
US4705889A (en) Aminosuccinic acid derivatives and their use as emulsifiers for polymer dispersions
KR840006488A (ko) 중 합 방 법
US5191009A (en) Process for producing stable latex
WO2002022692A1 (fr) Agent de surface destine a la polymerisation d'une emulsion
JP2000136205A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2000169520A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマ―改質方法
JP2000198782A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマ―改質方法
JP2000117087A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2000319307A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2000117088A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2000319305A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2000319306A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP4226179B2 (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2001261719A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2001170472A (ja) 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法
JP2007063338A (ja) 乳化重合用乳化剤、ポリマーエマルションの製造方法及びポリマーエマルション