JP2000319305A - 新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法 - Google Patents

新規分解型反応性乳化剤、及びこれを用いたポリマー改質方法

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JP2000319305A
JP2000319305A JP11131849A JP13184999A JP2000319305A JP 2000319305 A JP2000319305 A JP 2000319305A JP 11131849 A JP11131849 A JP 11131849A JP 13184999 A JP13184999 A JP 13184999A JP 2000319305 A JP2000319305 A JP 2000319305A
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polymer
group
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reactive emulsifier
emulsion
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JP11131849A
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Yoshiyuki Hashimoto
賀之 橋本
Hisayuki Nishitani
寿行 西谷
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/22Emulsion polymerisation
    • C08F2/24Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents

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  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ポリマー回収時にはエマルションを破壊し得、
得られたポリマーの物性を改善できる分解型反応性乳化
剤を提供する。 【解決手段】式(I)で表わされる分解型反応性乳化
剤。 式中R、Rは同一または異なる炭素数1〜20のア
ルキル基、アルケニル基または水素原子であり(但し、
、Rが共に水素原子であることはない)、R
水素原子またはメチル基、R、Rは同一または異な
っていてもよく、水素原子またはメチル基である。Xは
イオン性の親水性基であり、イオン性基としてはアニオ
ン性基、カチオン性基、両イオン性基である。Aは炭素
数2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、nは
0または1〜100の整数であり、nが2以上の場合、
(AO)nは下式(i)で示される、1種の繰り返し単
位からなるホモポリマーであってもよく、又は下式(i
i)で示される、異なる置換基A(A、A、…)を
有する2種以上の繰返し単位からなるブロックポリマー
又はランダムポリマーであってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一分子内に、酸
性条件下で容易に分解する1,3−ジオキソラン環と、
共重合性の不飽和基を合わせ持つ化合物からなる新規な
反応性乳化剤に関し、更に、本発明は該新規分解型反応
性乳化剤を利用するポリマー改質方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、乳
化重合用乳化剤としては、例えば、ドデシルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホ
コハク酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル
(アリール)エーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界
面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル(アリール)
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブ
ロック共重合体等の非イオン性界面活性剤、また、高級
脂肪酸石鹸、ロジン石鹸等の石鹸類が単独あるいは併用
で使用されているが、ポリマーエマルションの安定性、
また該エマルションから得られた塗膜やポリマーの性質
等は、必ずしも充分に満足し得るものではなく、多くの
解決すべき問題点が残されている。即ち、エマルション
の重合安定性、工程中の泡トラブル、得られたエマルシ
ョンの機械安定性、化学安定性、凍結融解安定性、顔料
混和性、貯蔵安定性等に問題があり、更に、エマルショ
ンから塗膜を作成した際、使用した乳化剤が遊離の状態
で塗膜中に残留するため、塗膜の耐水性、接着性、耐熱
性、耐候性等が劣る等の問題を生じている。
【0003】また、エマルションを塩析、酸析等の手段
によって破壊し、ポリマーを取り出す際、ポリマー中に
乳化剤が残存した場合には、得られたポリマーの耐水性
や耐熱性、耐候性、ポリマー強度等、種々ポリマー物性
が低下する問題を生じている。従って、ポリマー中の乳
化剤を充分除去する為に多量の洗浄水を必要とし、更
に、排水中に多くの乳化剤が含有され、河川汚濁の原因
となる為に、乳化剤の除去、排水処理に多大の労力が必
要であるという問題があった。
【0004】これらの対策として、乳化重合時に使用す
る乳化剤量の低減、また、他工程で添加される界面活性
剤類の添加量低減、等の方法が試みられているが、これ
らは諸問題の根本的な解決には成り得ず、乳化重合時の
重合安定性、得られたエマルションの安定性や塗膜やポ
リマーの種々物性の点で未だ充分な解決は図られていな
い。
【0005】このような観点から、従来の乳化剤の問題
点を改善するため共重合性の不飽和基を有する反応性乳
化剤が数多く提案されている。例えば、特公昭46−1
2472号、特開昭54−14431号、特公昭46−
34894号、特公昭54−29657号、特開昭51
−30285号、特公昭49−46291号及び特開昭
56−127697号等にはアニオン性の反応性界面活
性剤が記載され、また、特開昭56−28208号及び
特開昭50−98484号等には非イオン性の反応性界
面活性剤につきそれぞれ記載されており、各種モノマー
について乳化重合が試みられている。
【0006】しかし、これらの反応性乳化剤は乳化剤と
して単独使用したときには、エマルション重合時の安定
性が不充分であり、使用に際しては、従来の乳化剤と併
用しなければ重合が円滑に進行しない場合が多く、ま
た、該エマルションから得られた塗膜は、耐水性、接着
性、耐熱性、耐候性において未だ充分満足するものが得
られていないのが実情である。
【0007】また、エマルションを破壊してポリマーを
取り出す際、排水負荷の低減を目的として、反応性乳化
剤の使用が試みられているが、従来の反応性乳化剤で
は、塩析法や酸析法によりエマルションを破壊してポリ
マーを回収する際、ポリマーの析出、分離が不完全で、
容易にポリマーを取り出すことが出来ない場合やポリマ
ー回収率が低下する場合が多く、更に、従来の反応性乳
化剤では、必ずしもモノマーとの共重合性が充分ではな
いために、未反応の乳化剤が排水中に流出し、排水負荷
の問題を充分に解決するに至っていない。
【0008】これらの問題を改善する方策として、反応
性乳化剤とは異なる観点から、化学的処理により容易に
分解する分解型界面活性剤を乳化重合用乳化剤として利
用する技術が提案されている。例えば、特開平3−28
1602号では、酸処理により容易に分解する分解型界
面活性剤を乳化重合用乳化剤として使用し、酸析により
ポリマーを容易に回収する技術が開示されている。しか
しながら、分解型乳化剤では、乳化剤分子中の疎水基ま
たは親水基の種類によっては、酸処理後の分解生成物が
水に難溶である場合やポリマーに吸着される場合があ
り、多量のポリマー洗浄水が必要であり、また、ポリマ
ー洗浄後、ポリマー中に遊離の状態で残存した分解生成
物がポリマー物性において悪影響を及ぼす場合があり、
上記の諸問題を充分に解決するに至っていない。
【0009】また、ポリマーの改質を目的として、従
来、種々界面活性剤が使用され、親水性付与、帯電防止
性付与、防曇性付与、濡れ性付与、造膜性付与、相溶性
付与等、様々な目的で使用されている。しかしながら、
従来の界面活性剤では、界面活性剤が遊離の状態で存在
しているため、性能が経時的に低下し、また、性能面で
も充分満足するものではなかった。近年、これらの問題
を改善するために、反応性乳化剤をポリマー改質剤とし
て利用する試みがあるが、従来の反応性乳化剤では、必
ずしもモノマーとの共重合性が充分ではないために、性
能が経時的に低下する問題を完全に解決しておらず、更
にポリマーの諸物性が低下する等の問題があった。ま
た、反応性乳化剤は本質的に乳化剤として、その構造は
疎水基部位と親水基部位から成り、ポリマー改質の目
的、例えば親水性付与等においては、性能付与に対して
疎水基部位は必ずしも必要ではなく、概してポリマー物
性に悪影響を及ぼす場合が多く、上記の諸問題を充分に
解決するに至っていない。
【0010】[発明の目的]本発明は、上記実情に鑑み
てなされたものであって、その目的は、乳化重合時の安
定性を良好なものとし得、また、エマルションから得ら
れた塗膜の耐水性、接着性、及び耐熱性、耐候性が著し
く改善され、さらに、ポリマー回収時には、容易にポリ
マーエマルションを破壊し得、また、得られたポリマー
の物性を著しく改善できる乳化重合用の分解型反応性乳
化剤を提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来の問題点に着目してなされたものである。
【0012】(1)発明の経過 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、同一分子内に、
酸性条件下で容易に分解する1,3−ジオキソラン環
と、共重合性の不飽和基を合わせ持つ化合物が、乳化重
合用乳化剤として適していることを見い出し、本発明に
到達したものである。
【0013】(2)発明の概要 以上の知見に基づき、本発明は、下記一般式(I)で表
される乳化重合用分解型反応性乳化剤(以下、「本発明
分解型反応性乳化剤」または単に「本発明乳化剤」とい
う。)を要旨とするものである。
【0014】
【化2】 [但し、式中R、Rは同一または異なる炭素数1〜
20のアルキル基もしくはアルケニル基または水素原子
であり(但し、R、Rが共に水素原子であることは
ない)、Rは水素原子またはメチル基、R、R
同一または異なっていてもよく、水素原子またはメチル
基である。Xはイオン性の親水性基である。Aは炭素数
2〜4のアルキレン基または置換アルキレン基、nは0
または1〜100の整数であり、nが2以上の場合(A
O)nは下式(i)で示される、1種の繰り返し単位か
らなるホモポリマーであってもよく、下式(ii)で示さ
れる、異なる置換基A(A、A、…)を有する2種
以上の繰返し単位からなるブロックポリマー又はランダ
ムポリマーであってもよい。] −(AO)−(AO)−(AO)− (i) −(AO)n−(AO)n−…… (但し、n+n+……=n) (ii)。
【0015】(3)置換基 上記一般式(I)の化合物において、置換基R、R
は同一または異なる炭素数1〜20のアルキル基もしく
はアルケニル基または水素原子であり、例えば、アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、イコシル基、等が挙げられる。
【0016】また、アルケニル基として好ましくは、プ
ロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル
基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニ
ル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリドセニル
基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセ
ニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデ
セニル基、イコセニル基、等が挙げられる。
【0017】以上のアルキル基及びアルケニル基は、一
般式(I)の化合物中に混在していてもよい。
【0018】なお、R,Rが炭素数20を超える炭
化水素基である場合、酸析法によりポリマーを回収する
際、乳化剤の分解生成物が水または温水、アルコール類
に難溶もしくは不溶となり、またポリマーへ吸着しやす
くなる可能性があるといった問題が生じる。
【0019】Rは水素原子またはメチル基である。ま
た、R、Rは同一または異なっていてもよく、水素
原子またはメチル基である。
【0020】Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置
換アルキレン基であり、例えば、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基、イソブチレン基等である。
【0021】nは、0または1〜100の整数である。
前記nが2以上の場合、一般式(I)における(AO)
は、1種の繰り返し単位からなるホモポリマー(前式
(i)参照)であってもよいし、異なる置換基A
(A、A、……)を有する2種以上の繰り返し単位
からなるブロックポリマーまたはランダムポリマー(前
式(ii)参照)であってもよい。また、nが2以上の場
合、(AO)がホモポリマー、ブロックポリマーある
いはランダムポリマーである化合物の混合物であっても
良い。
【0022】一般式(I)中のXは、−(CH
SO(式中、pは2〜4の整数であり、Mは水
素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
ム、アルカノールアミン残基)であってもよい(下記一
般式(II))。
【0023】
【化3】 一般式(I)のXは、−SO(式中、Mは水素
原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
ム、アルカノールアミン残基)であってもよい(下記一
般式(III))。
【0024】
【化4】 一般式(I)のXは、−CO−CH−CH(SO
)COOMまたは−CO−CH(SO)−C
COOMまたはこれらの混合物(式中、M、M
は水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、アルカノールアミン残基であり、このときM
、Mは同一であっても、異なっていてもよい)であ
ってもよい(下記一般式(IV))。
【0025】
【化5】 更に、一般式(I)中のXが、−(CH−COO
(式中、qは1または2であり、Mは水素原子、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アル
カノールアミン残基)であってもよい(下記一般式
(V))。
【0026】
【化6】
【0027】(4)合成 本発明の分解型反応性乳化剤を得るための反応条件は特
に限定されるものではなく、まず出発物質となる長鎖ア
ルキル基を有する1,3−ジオキソラン化合物(下記一
般式(VI))は、例えば、長鎖アルデヒド類または長
鎖ケトン類とグリセリンとを酸触媒の存在下、脱水縮合
反応させて得ることができる。また、α,β−アルキリ
デングリセリンのような環状アセタール、例えば、1,
2−イソプロピリデングリセリンをアセチル化し、次い
で、長鎖アルデヒド類または長鎖ケトン類と酸触媒の存
在下、アセタール交換反応させた後、加水分解して得る
こともできる。
【0028】
【化7】
【0029】更に、1,3−ジオキソラン化合物(上記
一般式(VI))とビニルベンジルグリシジルエーテ
ル、メチルビニルベンジルグリシジルエーテル等とを触
媒の存在下、必要に応じて重合禁止剤を併用して反応さ
せ、次いで、公知の方法にてアルキレンオキサイドを付
加し、更に、以下に示す方法によりイオン性基を導入し
て目的の本発明の分解型反応性乳化剤(II)〜(V)
を得ることができる。
【0030】具体的には、一般式(II)の化合物は、
例えば、1,4−ブタンサルトン、1,3−プロパンサ
ルトン、およびイセチオン酸ソーダ、他、のスルホン化
剤を用いて公知の方法でスルホン化した後、必要に応じ
て種々公知の中和剤を用いて中和することにより目的の
本発明の分解型反応性乳化剤を得ることができる。
【0031】また、一般式(III)の化合物は、例え
ば、スルファミン酸−ピリジン混合物、サルファン−ピ
リジン混合物、他、の硫酸化剤を用いて、公知の方法で
硫酸エステル化した後、必要に応じて、種々公知の中和
剤を用いて中和することにより、目的の本発明の分解型
反応性乳化剤を得ることができる。
【0032】一般式(IV)の化合物は、例えば、無水
マレイン酸を触媒の存在下で反応させてモノエステル化
物を得、次いで、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリ
ウム等のスルホン化剤を用いて公知の方法でスルホン化
した後、必要に応じて種々公知の中和剤を用いて中和す
ることにより、目的の本発明の分解型反応性乳化剤を得
ることができる。
【0033】一般式(V)の化合物は、例えば、モノク
ロル酢酸、モノブロム酢酸、モノクロルプロピオン酢
酸、他のモノハロゲン化酢酸またはその塩を触媒の存在
下で公知の方法でカルボキシル化した後、必要に応じ
て、種々公知の中和剤を用いて中和することにより、目
的の本発明の分解型反応性乳化剤を得ることができる。
また、アクリロニトリル、アクリル酸エステル類を反応
させ、アルカリでケン化後、必要に応じて、種々公知の
中和剤を用いて中和することにより、目的の本発明の分
解型反応性乳化剤を得ることができる。
【0034】(5)乳化重合用モノマー 本発明の分解型反応性乳化剤を用いた乳化重合に適用さ
れ得るモノマーとしては各種のものを挙げることがで
き、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、アク
リルアミド、アクリル酸ヒドロキシエステル等のアクリ
ル系モノマー、スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族
モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン
モノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の
共役系ジオレフィン系モノマー等の他、エチレン、無水
マレイン酸、マレイン酸メチル等がある。なお、使用さ
れるモノマーは上記に限定されるものではない。
【0035】本発明の分解型反応性乳化剤は、上記モノ
マーの1種または2種以上の乳化重合または懸濁重合に
利用できる。
【0036】(6)重合条件 本発明の分解型反応性乳化剤を使用した乳化重合反応で
は、重合開始剤は従来公知のものが使用できる。しかし
ながら、本発明の分解型反応性乳化剤は、酸性条件下で
分解するため、乳化重合系のpHは、重合中終始、pH
4以上に維持する必要があり、一般的な乳化重合用の重
合開始剤である過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等
の過硫酸塩を重合開始剤として使用する場合にはpH調
整剤を使用して乳化重合系のpHを好適な条件に維持す
る必要がある。そこで、本発明の分解型反応性乳化剤を
使用した乳化重合反応では、重合開始剤として、重合中
のpH変化が小さく、pHコントロールが容易なレドッ
クス系の重合開始剤が好適である。レドックス系重合開
始剤として、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプ
ロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタン
ハイドロパーオキサイド、過酸化水素、等が使用でき
る。
【0037】また、pH調整剤としては、炭酸水素ナト
リウム、リン酸水素二ナトリウム、炭酸ナトリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用し得る。
【0038】なお、重合促進剤としては、ピロ重亜硫酸
ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、グル
コース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレー
ト、アスコルビン酸およびそのナトリウム塩、等が使用
できる。
【0039】本発明の分解型反応性乳化剤の乳化重合系
での使用量としては、特に制限はないが、通常、全モノ
マー100重量部に対して0.1〜20重量部が適当で
あり、より好ましくは、0.2〜8.0重量部が適当で
ある。なお、本発明の分解型反応性乳化剤をポリマー改
質の目的に使用する場合には、モノマーの種類、改質の
目的、要求される性能に応じて、使用量を決定すること
が可能であり、使用量は上記の範囲に限定されるもので
はない。
【0040】また、必要に応じて、他種乳化剤または保
護コロイド剤、連鎖移動剤、電解質、等を併用してもよ
い。
【0041】また、モノマーおよび重合開始剤の重合系
への添加方法は、何れも特に限定されるものではなく、
従来の乳化重合で適用されている方法、例えば、一括添
加法、連続添加法、分割添加法、等の方法、条件を適宜
選択できる。
【0042】(作用)本発明の分解型反応性乳化剤は、
その分子内に、酸性条件下で容易に分解する1,3−ジ
オキソラン環と、共重合性の不飽和基を合わせ持つこと
を特徴とする新規な乳化重合用乳化剤である。
【0043】本発明の分解型反応性乳化剤の使用によ
り、乳化重合系では、本質的に乳化剤として、重合を円
滑にかつ安定に進行させ、また、同時にその分子中の共
重合性の不飽和基がモノマーと反応して、ポリマー組成
に組み込まれ、得られたポリマーエマルションの泡立
ち、機械安定性、貯蔵安定性、等が著しく改善される。
【0044】また、得られたポリマーエマルションから
作成した塗膜中においては、遊離した状態で存在する乳
化剤量が著しく減少し、塗膜の耐水性、接着性、耐熱
性、耐候性、等の塗膜物性の向上に極めて優れた効果を
発揮する。
【0045】また、乳化重合後、ポリマーエマルション
に有機酸または無機酸を添加して、pHを下げることに
より、本発明の分解型反応性乳化剤分子内の1,3−ジ
オキソラン環が分解し、乳化剤としての性能を消失し、
容易にポリマーを分離、回収することができる。
【0046】本発明の分解型反応性乳化剤を使用して得
られたポリマーエマルションは、任意の時点で、容易に
ポリマーエマルションの分散状態を破壊することが可能
であり、また、ポリマーの回収、洗浄後の工程排水中に
排出される有機物質の総量を低減できる点において、非
常に有効である。
【0047】更に、本発明の分解型反応性乳化剤をポリ
マーの改質を目的として使用する場合には、乳化剤とし
てモノマーとの相溶性を良好にし得、乳化重合後、酸処
理することで、乳化剤分子中の1,3−ジオキソラン環
が分解して、ポリマーに親水性部位のみを付与でき、ポ
リマーに対して、親水性付与、帯電防止性付与、防曇性
付与、濡れ性付与、またポリマーアロイの為の相溶性付
与、等、ポリマー改質の効果を有し、且つ、性能が長期
間維持できる点において非常に有効である。
【0048】また、ポリマー中に結合した分解型反応性
乳化剤分子中の1,3−ジオキソラン環の酸分解によ
り、該分解部位にグリセリン由来のジオールが生成し、
これはポリマーの変性、修飾および架橋反応に利用でき
る点において非常に有効である。
【0049】
【発明の実態の形態】
【0050】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の実
施様態および効果につき述べるが、例示は単に説明用の
ものであって、発明思想の限定または制限を意図したも
のではない。なお、文中「%」および「部」とあるのは
それぞれ重量基準を意味する。
【0051】製造例1 撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を備え
た反応器に、2−トリデカノン297gとグリセリン1
66g、溶媒としてトルエンを加え、更に触媒としてパ
ラトルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で24時間
脱水縮合反応させ、次いで、得られた反応粗製物を炭酸
カリウム水溶液にて洗浄し、更に蒸留水にて3回洗浄し
た後、減圧蒸留して、2−メチル−2−ウンデシル−4
−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランを得た。
【0052】次に、反応器に2−メチル−2−ウンデシ
ル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン32
6gを仕込み、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメ
チルエーテルを加え、触媒として三フッ化ホウ素エーテ
ル錯体を加え、40℃までの温度でビニルベンジルグリ
シジルエーテル228gを滴下した後、さらに40℃で
6時間熟成した。
【0053】次いで、得られた反応生成物462gをオ
ートクレーブに移し、三フッ化ホウ素エーテル錯体を触
媒として、40℃の条件下、2.0kg/cmまでの
圧力で、エチレンオキシド440g(10モル)を付加
した。
【0054】次に、得られたエチレンオキシド10モル
付加体722gを反応器に仕込み、溶媒としてトルエン
を加え、更に水酸化ナトリウム32gを加えて60℃に
加熱した。続いて、1,4−ブタンサルトン109gを
70℃までの温度で徐々に滴下した後、75℃まで昇温
し、6時間熟成した。熟成終了後、イソプロピリアルコ
ールを加えて撹拌し、析出塩を濾過により除去した後、
溶剤を減圧留去して得られる反応組成物を本発明分解型
反応性乳化剤[A]とした(以下、「エチレンオキシ
ド」を単に「EO」と記載する場合がある)。
【0055】
【化8】
【0056】製造例2 撹伴装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を備え
た反応器に、2−トリデカノン297gとグリセリン1
66g、溶媒としてトルエンを加え、更に触媒としてパ
ラトルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で24時間
脱水縮合反応させ、次いで、得られた反応粗製物を炭酸
カリウム水溶液にて洗浄し、更に蒸留水にて3回洗浄し
た後、減圧蒸留して、2−メチル−2−ウンデシル−4
−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランを得た。
【0057】次に、反応器に2−メチル−2−ウンデシ
ル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン32
6gを仕込み、重合禁止剤としてハイドロキノンを加
え、触媒として塩化第二鉄を加え、70℃までの温度で
メチルビニルベンジルグリシジルエーテル245gを滴
下した後、さらに80℃で6時間熟成した。
【0058】次いで、触媒を濾過により除去した後、得
られた反応生成物476gをオートクレーブに移し、ト
リエチルアミンを触媒として、80℃の条件下、2.0
kg/cmまでの圧力で、エチレンオキシド440g
(10モル)を付加した。
【0059】次に得られたエチレンオキシド10モル付
加体733gを反応器に仕込み、溶媒としてジメチルホ
ルムアミドを加えて、60℃に加熱した。続いて、硫酸
化剤として、スルファミン酸78gとピリジン93gの
撹拌混合物を70℃までの温度で徐々に滴下したのち、
80℃までの昇温し、2時間熟成した。熟成終了後、イ
ソプロピルアルコールを加えて撹拌し、析出塩を濾過に
より除去した後、溶剤を減圧留去して得られる反応組成
物を本発明分解型反応性乳化剤[B]とした。
【0060】また、同様の操作にて、2−メチル−2−
ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソ
ランのメチルビニルベンジルグリシジルエーテル1モ
ル、エチレンオキシド40モル付加体を硫酸エステル化
して得られた反応組成物を本発明分解型反応性乳化剤
[C]とした。
【0061】
【化9】
【化10】
【0062】製造例3 製造例2と同様にして得た2−メチル−2−ウンデシル
−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランのメチ
ルビニルベンジルグリシジルエーテル1モル、エチレン
オキシド10モル付加体733gを反応器に仕込み、溶
媒としてジメチルホルムアミドを加えて60℃に加熱し
た。続いて、硫酸化剤としてスルファミン酸78gとピ
リジン93gの撹拌混合物を70℃までの温度で徐々に
滴下した後、80℃まで昇温し、2時間熟成した。熟成
終了後、イソプロピルアルコールを加えて撹拌し、析出
塩を濾過により除去した後、水酸化ナトリウム32gを
含むメタノール溶液を加え、生成するアンモニアガスお
よび溶剤を減圧留去して得られる反応組成物を本発明分
解型反応性乳化剤[D]とした。
【0063】また、同様の操作にて、2−メチル−2−
ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソ
ランのメチルビニルベンジルグリシジルエーテル1モ
ル、エチレンオキシド40モル付加体を硫酸エステル化
して得られた反応組成物を本発明分解型反応性乳化剤
[E]とした。
【0064】
【化11】
【0065】
【化12】
【0066】製造例4 製造例2と同様にして得た2−メチル−2−ウンデシル
−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランのメチ
ルビニルベンジルグリシジルエーテル1モル、エチレン
オキシド10モル付加体733gを反応器に仕込み、触
媒として酢酸ナトリウムを加え、続けて無水マレイン酸
78gを加えた後、80℃まで昇温し、4時間反応させ
た。続いて、亜硫酸ナトリウム101gを水120gに
溶解して加え、次いでイソプロピルアルコール120g
を加え、80℃で3時間反応させた後、水および溶剤を
減圧留去して得られる反応組成物を本発明分解型反応性
乳化剤[F]とした。
【0067】また、同様の操作にて、2−メチル−2−
ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソ
ランのメチルビニルベンジルグリシジルエーテル1モ
ル、エチレンオキシド40モル付加体をスルホン化して
得られた反応組成物を本発明分解型反応性乳化剤[G]
とした。
【0068】
【化13】
【0069】
【化14】
【0070】製造例5 製造例2と同様にして得た2−メチル−2−ウンデシル
−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソランのメチ
ルビニルベンジルグリシジルエーテル1モル、エチレン
オキシド10モル付加体733gを反応器に仕込み、続
いて、モノクロル酢酸ナトリウム94gを加え、更に、
水酸化ナトリウム32gをメタノール溶液として徐々に
添加した後、50℃で15時間熟成した。熟成終了後、
アセトンを加えて撹拌し、析出塩を濾過により除去した
後、溶剤を減圧留去して得られる反応組成物を本発明分
解型反応性乳化剤[H]とした。
【0071】また、同様の操作にて、2−メチル−2−
ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソ
ランのメチルビニルベンジルグリシジルエーテル1モ
ル、エチレンオキシド40モル付加体をカルボキシ化し
て得られた反応組成物を本発明分解型反応性乳化剤
[I]とした。
【0072】
【化15】
【0073】
【化16】
【0074】製造例6 撹伴装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を備え
た反応器に、7−トリデカノン297gとグリセリン1
66g、溶媒としてトルエンを加え、更に触媒としてパ
ラトルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で24時間
脱水縮合反応させ、次いで、得られた反応粗製物を炭酸
カリウム水溶液にて洗浄し、更に蒸留水にて3回洗浄し
た後、減圧蒸留して、2,2−ジヘキシル−4−ヒドロ
キシメチル−1,3−ジオキソランを得た。
【0075】次に、反応器に2,2−ジヘキシル−4−
ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン326gを仕
込み、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエー
テル、触媒として四塩化スズを加え、40℃までの温度
でビニルベンジルグリシジルエーテル228gを滴下し
た後、50℃まで昇温し、50℃で6時間熟成した。
【0076】次いで、得られた反応生成物462gをオ
ートクレーブに移し、四塩化スズを触媒として、40℃
の条件下、1.5kg/cmまでの圧力で、エチレン
オキシド220g(5モル)を付加して得られたエチレ
ンオキシド5モル付加体を製造例2に準じて、スルファ
ミン酸−ピリジン混合物により硫酸エステル化して得ら
れた反応生成物を本発明分解型反応性乳化剤[J]とし
た。
【0077】
【化17】
【0078】製造例7 撹拌装置、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管を備え
た反応器に、1,2−イソプロピリデングリセリン19
8gと無水酢酸230gに、触媒としてピリジンを加
え、還流条件下で1時間反応させてアセチル化した後、
減圧蒸留して、アセチル−1,2−イソプロピリデング
リセリンを得た。
【0079】次に、アセチル−1,2−イソプロピリデ
ングリセリン226gとn−ドデカナール221g、溶
媒としてトルエンを加え、更に触媒としてパラトルエン
スルホン酸を加えて、還流条件下でアセタール交換反応
させた。次いで、水酸化ナトリウムのエタノール溶液を
加えて還流条件下でエステル部位を分解した後、エタノ
ールを減圧留去して得られた反応粗製物をジエチルエー
テルで抽出し、更に蒸留水にて3回洗浄した。続いて、
ジエチルエーテル層を炭酸カリウムで乾燥した後、ジエ
チルエーテルを減圧留去し、更に、減圧蒸留して2−ウ
ンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラ
ンを得た。
【0080】次に、反応器に2−ウンデシル−4−ヒド
ロキシメチル−1,3−ジオキソラン284gを仕込
み、触媒として活性白土を加え、80℃までの温度でビ
ニルベンジルグリシジルエーテル209gを滴下した
後、100℃まで昇温し、100℃で6時間熟成した。
【0081】次いで、触媒を濾過により除去した後、得
られた反応生成物448gをオートクレーブに移し、水
酸化カリウムを触媒として、120℃の条件下、2.0
kg/cmまでの圧力で、まず、ブチレンオキシド2
16g(3モル)を付加し、次いで、エチレンオキシド
3520g(80モル)を付加して得られたブチレンオ
キシド3モル、エチレンオキシド80モル付加体を製造
例2に準じて、スルファミン酸−ピリジン混合物により
硫酸エステル化して得られた反応生成物を本発明分解型
反応性乳化剤[K]とした(以下、「ブチレンオキシ
ド」を単に「BO」と記載することもある)。
【0082】
【化18】
【0083】製造例8 製造例1に準じて、n−オクタナールとグリセリンから
2−ヘプチル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキ
ソランを得、次にビニルベンジルグリシジルエーテル1
モルと反応させ、更にエチレンオキシド1モルを付加さ
せ、次いで、製造例3に準じてスルファミン酸−ピリジ
ン混合物により硫酸エステル化した反応生成物を本発明
分解型反応性乳化剤[L]を得た。
【0084】
【化19】
【0085】製造例9 製造例1に準じて、n−オクタデカナールとグリセリン
から2−ヘプタデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3
−ジオキソランを得、次にビニルベンジルグリシジルエ
ーテル1モルと反応させ、更にエチレンオキシド30モ
ル付加させ、次いで、製造例3に準じてスルファミン酸
−ピリジン混合物により硫酸エステル化した反応生成物
を本発明分解型反応性乳化剤[M]を得た。
【0086】
【化20】
【0087】製造例10 製造例1に準じて、n−ドデカナールとグリセリンから
2−ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオ
キソランを得、次にビニルベンジルグリシジルエーテル
1モルと反応させ、更にエチレンオキシド20モル、プ
ロピレンオキサイド5モルをランダム付加させ、次い
で、製造例3に準じてスルファミン酸−ピリジン混合物
により硫酸エステル化した反応生成物を本発明分解型反
応性乳化剤[N]を得た(以下、「プロピレンオキシ
ド」を単に「PO」と記載する場合がある)。
【0088】
【化21】
【0089】製造例11 製造例1に準じて、n−ドデカナールとグリセリンから
2−ウンデシル−4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオ
キソランを得、次にビニルベンジルグリシジルエーテル
1モルと反応させ、次いで、製造例3に準じてスルファ
ミン酸−ピリジン混合物により硫酸エステル化した反応
生成物を本発明分解型反応性乳化剤[O]を得た。
【0090】
【化22】
【0091】使用例1 アクリル酸ブチル100g、スチレン100g、イオン
交換水194gおよび表1に示す本発明の分解型反応性
乳化剤6gをホモディスパーにより混合してモノマー乳
濁液を調製した。次に、撹拌機、還流冷却器、温度計お
よび滴下ロートを備えた反応器に、イオン交換水100
g、炭酸水素ナトリウム0.5gを仕込み、80℃まで
昇温させ、窒素ガスを通気して水中の溶存酸素を除去し
た。続いて、上記モノマー乳濁液の内、80gを撹拌し
ながら反応器に加え、更に過硫酸アンモニウム0.5g
を加えて先行重合させた。そして、重合開始10分後よ
り3時間かけて、残りのモノマー乳濁液320gを滴下
して重合させた。更に続けて、重合温度80℃を維持し
て2時間熟成した後、冷却し、エマルションを取り出
し、供試サンプルとした。
【0092】この乳化重合時の凝集物量、得られたエマ
ルションの固形分、機械安定性、起泡性、乳化剤反応率
およびこのエマルションより作成したポリマーフィルム
の耐水性の各試験結果を表1に示した。
【0093】また、比較として、炭酸水素ナトリウム無
添加で実施した乳化重合の結果を表1に示した。更に、
表1に示す従来の乳化剤についても同様の試験を実施し
た。
【0094】
【表1】 (固形分):エマルション2gを105℃、2時間乾燥
後、重量測定し、秤取したエマルション重量に対して%
表示した。 (凝集物量):エマルションを150メッシュ金網で濾
過し、残渣を水洗後、乾燥して得た凝集物重量を仕込み
モノマー重量に対して%表示した。 (機械安定性):エマルション50gをマーロン型試験
器にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間攪
拌し、生成した凝集物を150メッシュ金網で濾過し、
残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形
分に対して%表示した。 (起泡性):エマルションをイオン交換水で2倍希釈
し、100mlネスラー管に30ml入れ、1分間振と
うした後、静置5分後における泡の量を測定した。 (乳化剤反応率):エマルションにメタノールを加え
て、ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上済みを
用い、HPLCにて未反応の乳化剤量を測定して、乳化
剤の反応率を算出した。 (耐水性試験):ガラス板上に0.5mm厚のポリマー
フィルムを作製し、これを水中に浸漬し、前記フィルム
を透して4.5ポイント文字が読めなくなるまでの時間
を測定した。 *1− 良好なエマルションが得られず測定未実施 *2− 非反応タイプのため測定未実施。
【0095】使用例2 撹拌機、還流冷却器、温度計および滴下ロートを備えた
反応器に、イオン交換水290g、炭酸水素ナトリウム
0.5gを仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスを通
気して水中の溶存酸素を除去した。次に、酢酸ビニル1
40g、アクリル酸ブチル60gに表2に示す本発明の
分解型反応性乳化剤10gを溶解させ、その内の20%
に相当する42gを反応器に仕込み、次いで過硫酸アン
モニウム0.5gを加えて先行重合させた。続いて、重
合開始10分後より3時間かけて、残りのモノマーと乳
化剤の混合液168gを滴下して重合させた。更に続け
て、重合温度にて2時間熟成した後、冷却し、エマルシ
ョンを取り出し、供試サンプルとした。
【0096】この乳化重合時の凝集物量、得られたエマ
ルションの固形分、機械安定性、起泡性、乳化剤反応率
およびこのエマルションより作成したポリマーフィルム
の耐水性の各試験結果を表2に示した。
【0097】また、比較として、炭酸水素ナトリウム無
添加で実施した乳化重合の結果を表2に示した。更に、
表2に示す従来の乳化剤についても同様の試験を実施し
た。
【0098】
【表2】 (固形分):エマルション2gを105℃、2時間乾燥
後、重量測定し、秤取したエマルション重量に対して%
表示した。 (凝集物量):エマルションを150メッシュ金網で濾
過し、残渣を水洗後、乾燥して得た凝集物重量を仕込み
モノマー重量に対して%表示した。 (機械安定性):エマルション50gをマーロン型試験
器にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間攪
拌し、生成した凝集物を150メッシュ金網で濾過し、
残渣を水洗後、乾燥し、その重量をエマルションの固形
分に対して%表示した。 (起泡性):エマルションをイオン交換水で2倍希釈
し、100mlネスラー管に30ml入れ、1分間振と
うした後、静置5分後における泡の量を測定した。 (乳化剤反応率):エマルションにメタノールを加え
て、ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上済みを
用い、HPLCにて未反応の乳化剤量を測定して、乳化
剤の反応率を算出した。 (耐水性試験):ガラス板上に0.5mm厚のポリマー
フィルムを作製し、これを水中に浸漬し、前記フィルム
を透して4.5ポイント文字が読めなくなるまでの時間
を測定した。 *1− 良好なエマルションが得られず測定未実施 *2− 非反応タイプのため測定未実施。
【0099】使用例3 反応器として耐圧性を有するガラス瓶、具体的には炭酸
飲料用の空き瓶にイオン交換水60gを仕込み、窒素ガ
スを通気して溶存酸素を除去した。次にガラス瓶を氷水
浴中で冷却した後、表3に示す本発明の分解型反応性乳
化剤1.2g、ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物
0.12g、ドデシルメルカプタン0.12g、スチレ
ン20g、パラメンタンヒドロペルオキシド0.03
g、硫酸第一鉄7水和物0.02g、ナトリウムホルム
アルデヒドスルホキシド0.01gを仕込んだ。次いで
メタノールドライアイス浴中の目盛付き試料採取管にボ
ンベからブタジエンを導入し、液化させて計量したブタ
ジエン22gをストップコック付きのシリンジを用いて
ガラス瓶に仕込み、2g分のブタジエンを気化させて空
気を追い出した後、直ちに打栓、振とうして、ガラス瓶
中の内容液を乳濁状態とした。
【0100】次に、水温5℃に調整した回転式重合槽内
のホルダーにガラス瓶をセットし、回転数50rpmに
て5時間重合させた。重合反応終了後、ガラス瓶を開栓
し、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンを添加して重
合を停止させ、続いて減圧下にて残存モノマーを留去し
て得られたポリマーラテックスを供試サンプルとした。
【0101】この乳化重合時の凝集物量、得られたラテ
ックスの固形分、機械安定性、起泡性、ポリマーフィル
ムの吸水率、耐熱着色性の各試験結果を表3に示した。
【0102】また、得られたポリマーラテックスについ
て、1%硫酸を添加してpHを2以下としたところ、ラ
テックスが破壊され、直ちにポリマーが析出した。更
に、引き続き攪拌しながら60℃に昇温した後、静置し
てポリマーを浮上させ、これを回収して温水で3回洗浄
した後、ポリマーを脱水し、60℃で減圧乾燥した。こ
の時の得られた乾燥ポリマーの回収率を表3に示した。
【0103】なお、比較として従来の乳化剤についても
同様の試験を実施し、表3にその試験結果を示した。
【0104】
【表3】 (固形分):ラテックス2gを105℃、1時間減圧乾
燥後、重量測定し、秤取したラテックス重量に対して%
表示した。 (凝集物量):ラテックスを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、減圧乾燥して得た凝固物重量を仕込
みモノマー重量に対して%表示した。 (機械安定性):ラテックス50gをマーロン型試験器
にて荷重10kg、回転数1000rpmで5分間攪拌
し、生成した凝集物を150メッシュ金網で濾過し、残
渣を水洗後、減圧乾燥し、その重量をラテックスの固形
分に対して%表示した。 (起泡性):ラテックスをイオン交換水で2倍希釈し、
100mlネスラー管に30ml入れ、30回倒立させ
てから静置5分後における泡の量を測定した。
【0105】◎ (吸水率):ガラス板上に0.5mm厚のポリマーフィ
ルムを作製し、ガラス板からフィルムを注意深く引き剥
がし、フィルムを縦100mm×横100mmの大きさ
に切断して試験片を作成した。これを水中に浸漬し、2
4時間後に取り出し、素早く2枚の濾紙間で水分を除去
し、重量測定し、重量増加分を浸漬前の重量に対して%
表示した。 (耐熱着色性):ガラス板上に0.5mm厚のポリマー
フィルムを作製し、250℃に調整した熱風乾燥器内で
30分間熱処理して、ポリマーフィルムの着色を調べ
た。 [評価基準]◎:全く着色が認められない ○:極僅かに着色が認められる △:淡い黄色に着色している ×:濃い褐色に着色している (ポリマー回収率):得られた乾燥ポリマーの重量を、
ラテックスの固形分値から算出した理論固形分重量に対
して%表示した。 *1:ノニルフェノールのアリルグリシジルエーテル1
モル、エチレンオキシド20モル付加体の硫酸エステル
アンモニウム塩 *2:下記構造の反応性乳化剤。
【0106】
【化23】 *3:下記構造の分解型乳化剤。
【0107】
【化24】
【0108】使用例4 攪拌機、温度計および冷却、加熱装置を備えたオートク
レーブに、イオン交換水500g、表4に示す本発明の
分解型反応性乳化剤25g、ナフタレンスルホン酸ホリ
マリン縮合物2.5g、炭酸ナトリウム2.5g、ドデ
シルメルカプタン2.5gを仕込み、更に過硫酸カリウ
ム1.5gを加えた後、オートクレーブ内を窒素置換し
た。続いて、オートクレーブに5℃の冷却水を通水して
内容物を冷却した後、ブタジエンボンベからオートクレ
ーブにブタジエン500gを導入し、攪拌を高速にして
内容物を乳濁状態とした。次に、内温を60℃まで昇温
し、35時間重合させた。重合終了後、冷却し、減圧下
で未反応ブタジエンを留去してポリブタジエンラテック
スを得た。この乳化重合時の凝集物量および得られたポ
リマーラテックスの固形分、平均粒子径について表4に
示した。
【0109】次に、攪拌機、還流冷却器、温度計および
滴下漏斗を備えた反応器に、上記操作にて調製したポリ
ブタジエンラテックスを固形分換算で320g、イオン
交換水180g(ただし、ポリマーラテックス固形分に
応じて微調整する)を仕込み、そして、スチレン225
g、アクリロニトリル95g、イオン交換水300g、
更に乳化剤としてポリブタジエンラテックス調製時と同
一の本発明分解型反応性乳化剤9.6gをホモディスパ
ーにより混合して得たモノマー乳濁液の内、65gを攪
拌しながら反応器に加えた後、窒素置換した。次いで、
反応器を冷却して、内温が10℃となった時点で、パラ
メンタンヒドロペルオキシド1.2g、硫酸第一鉄7水
和物0.6g、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシ
ド0.3gを加えて先行重合させた。次に、重合開始1
5分後より3時間かけて、残りのモノマー乳濁液を滴下
して重合させた。さらに続けて、重合温度を維持して2
時間熟成した後、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン
を添加して重合を停止させ、続いて、窒素ガス通気、減
圧条件下で残存モノマーを留去して得られたポリマーラ
テックスを供試サンプルとした。
【0110】この乳化重合時の凝集物量および得られた
ポリマーラテックスの固形分、平均粒子径、乳化剤反応
率の各試験結果を表5に示した。
【0111】また、得られたポリマーラテックス250
gについて、1%硫酸を添加してpHを2以下としたと
ころ、ラテックスが破壊され、直ちにポリマーが析出し
た。
【0112】引き続き、攪拌しながら60℃に昇温した
後、静置してポリマーを浮上させ、これを回収して温水
で3回洗浄した後、ポリマーを脱水、乾燥した。この時
のポリマーの回収率とポリマー回収時の全排水を回収、
濃縮して測定した全有機炭素(TOC)量、ポリマー成
形時の滞留着色性の測定結果を表5に示した。
【0113】なお、比較として従来の乳化剤についても
同様の試験を実施し、表4、表5にその試験結果を示し
た。
【0114】
【表4】 (固形分):ラテックス2gを105℃、1時間減圧乾
燥後、重量測定し、秤取したラテックス重量に対して%
表示した。 (凝集物量):ラテックスを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、減圧乾燥して得た凝固物重量を仕込
みモノマー重量に対して%表示した。 (平均粒子径):島津レーザー回析式粒度分布測定装置
SALD−2000を使用して、ラテックスの平均粒子
径を測定した。 *1、*2は、前記使用例3で比較例として使用した反
応性乳化剤 *3は、前記使用例3で比較例として使用した分解型乳
化剤。
【0115】
【表5】 (固形分):ラテックス2gを105℃、2時間減圧乾
燥後、重量測定し、ラテックス重量に対して%表示し
た。 (凝集物量):ラテックスを150メッシュ金網で濾過
し、残渣を水洗後、減圧乾燥して得た凝固物重量を仕込
みモノマー重量に対して%表示した。 (平均粒子径):島津製作所製レーザー回析式粒度分布
測定装置SALD−2000を使用して、ラテックスの
平均粒子径を測定した。 (乳化剤反応率):ラテックスにメタノールを加えて、
ポリマーを凝固し、遠心分離処理後、その上済みを用
い、HPLCにて未反応の乳化剤量を測定して、乳化剤
の反応率を算出した。 (ポリマー回収率):得られた乾燥ポリマーの重量を、
ラテックスの固形分値から算出した理論固形分重量に対
して%表示した。 (全有機炭素(TOC)量):ポリマー回収時の全排水
(ポリマー洗浄水を含む)を回収し、250mlまで濃
縮した後、その一部を採取して島津製作所製TOC−5
00を使用して、全有機炭素(TOC)量を測定した。 (滞留着色性):得られた乾燥ポリマーを成形温度25
0℃、金型温度50℃で成形し、縦125mm×横12
5mm×厚さ3.5mmの参照試験片を作成した。同様
に、250℃の成形機内で20分間滞留させて成形した
試験片について、参照試験片と比較して着色を調べた。 [評価基準]◎:全く着色が認められない ○:極僅かに着色が認められる △:淡い黄色に着色している ×:濃い褐色に着色している *1、*2は、前記使用例3で比較例として使用した反
応性乳化剤 *3は、前記使用例3で比較例として使用した分解型乳
化剤 *4は、非反応タイプのため測定未実施。
【0116】使用例5 使用例3と同様の操作にてポリブタジエンラテックスを
調製し、以後、ポリブタジエンラテックス中でスチレ
ン、アクリロニトリルを乳化重合する際に使用する本発
明分解型反応性乳化剤量を32gに変更した以外は同様
の条件で重合してポリマーラテックスを得た。更に得ら
れたポリマーラテックスからポリマーを回収、乾燥を行
った。この時得られたポリマーを成形温度250℃、金
型温度50℃で成形し、縦125mm×横125mm×
厚さ3.5mmの試験片を作成した。この試験片につい
て、接触角、表面固有抵抗の測定を行った。その各試験
の結果について表6に示した。
【0117】なお、比較として従来の乳化剤についても
同様の試験を実施し、表6にその試験結果を示した。
【0118】
【表6】 (接触角):得られた乾燥ポリマーを成形温度250
℃、金型温度50℃で成形し、縦125mm×横125
mm×厚さ3.5mmの試験片を作成し、接触角測定器
により水滴の接触角を測定した。 (表面固有抵抗):得られた乾燥ポリマーを成形温度2
50℃、金型温度50℃で成形した試験片について、温
度20℃、湿度45%の雰囲気中に24時間放置した
後、表面固有抵抗値を測定した。 *1、*2は、前記使用例3で比較例として使用した反
応性乳化剤 *3は、前記使用例3で比較例として使用した分解型乳
化剤。
【0119】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、乳化
重合時における安定性および得られたポリマーエマルシ
ョンの安定性を良好にし得、工程中での泡トラブルを解
消し、しかも、ポリマー回収工程におけるポリマーの回
収率を向上させ、生産性の向上に著しく寄与し、更に、
ポリマーの回収、洗浄工程で排出される有機物量を著し
く低減できる新規な乳化重合用の分解型反応性乳化剤を
提供することができる。
【0120】また、ポリマーエマルションから得られた
ポリマーおよびポリマー塗膜の耐水性および耐熱性を著
しく改善できる新規な乳化重合用の分解型反応性乳化剤
を提供することができる。
【0121】さらに、本発明の新規な乳化重合用の分解
型反応性乳化剤を使用することにより、得られたポリマ
ーおよびポリマー塗膜の物性を改良するポリマー改質方
法を提供することができる。
【0122】これらの効果により、本発明は関連産業界
の発展および需要者の利益に寄与する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AB15 AB20 AC01 BA07 BA12 BA13 BA14 CA03 CA04 CA15 DC02Y DC04Y DC07Y DC08Z DC10Y DC10Z DC12Y DC19Y DC24Z DC26Y DC56Y DC57Y DD05Y DD08Y DD09Y DD10Y DD32Y DD33Y DE02Y DE07Y DE08Y DE12Y 4J011 AA05 KA06 KA09 KA14 4J027 AC02 AC03 AC04 AC07 AC09 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA13 BA14 BA17 BA18 CD08 4J100 AA02P AB02P AB16P AC03P AC04P AG04P AJ02P AK32P AL03P AL04P AL09P AL41P AM02P AM15P AS02P AS03P AS07P BA03H CA01 CA31 FA03 HA08 HB52 HC27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で表わされる新規分解型
    反応性乳化剤。 【化1】 [但し、式中R、Rは同一または異なる炭素数1〜
    20のアルキル基もしくはアルケニル基または水素原子
    であり(但し、R、Rが共に水素原子であることは
    ない)、Rは水素原子またはメチル基、R、R
    同一または異なっていてもよく、水素原子またはメチル
    基である。Xはイオン性の親水性基であり、イオン性基
    としてはアニオン性基、カチオン性基、両イオン性基で
    ある。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または置換アル
    キレン基、nは0または1〜100の整数であり、nが
    2以上の場合、(AO)nは下式(i)で示される、1
    種の繰り返し単位からなるホモポリマーであってもよ
    く、又は下式(ii)で示される、異なる置換基A
    (A、A、…)を有する2種以上の繰返し単位から
    なるブロックポリマー又はランダムポリマーであっても
    よい。] −(AO)−(AO)−(AO)− (i) −(AO)n−(AO)n−…… (但し、n+n+……=n) (ii)
  2. 【請求項2】一般式(I)中のXが、−(CH
    SO(式中、pは2〜4の整数であり、Mは水
    素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
    ム、アルカノールアミン残基)であることを特徴とする
    請求項1記載の新規分解型反応性乳化剤。
  3. 【請求項3】一般式(I)のXが、−SO(式
    中、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
    属、アンモニウム、アルカノールアミン残基)であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の新規分解型反応性乳化
    剤。
  4. 【請求項4】一般式(I)のXが、−CO−CH−C
    H(SO)COOMまたは−CO−CH(SO
    )−CHCOOMまたはこれらの混合物(式
    中、M、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土
    類金属、アンモニウム、アルカノールアミン残基であ
    り、このときM、Mは同一であっても、異なってい
    てもよい)であることを特徴とする請求項1記載の新規
    分解型反応性乳化剤。
  5. 【請求項5】一般式(I)中のXが、−(CH
    COOM(式中、qは1または2であり、Mは水素
    原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
    ム、アルカノールアミン残基)であることを特徴とする
    請求項1記載の新規分解型反応性乳化剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の分解
    型反応性乳化剤の存在下で、モノマーを乳化重合した
    後、ポリマー中に共重合した該乳化剤分子内の1,3−
    ジオキソラン環部位を酸分解することにより、ポリマー
    中に親水性部位を付与することを特徴とするポリマーの
    改質方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012167206A (ja) * 2011-02-15 2012-09-06 Sumitomo Rubber Ind Ltd 共重合体、ゴム組成物及び空気入りタイヤ
CN106977428A (zh) * 2017-03-17 2017-07-25 内蒙古工业大学 改进制备十二烷基硫酸钠的方法

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