JP2000135275A - 人工皮膚基材又は細胞培養用基材の滅菌方法 - Google Patents

人工皮膚基材又は細胞培養用基材の滅菌方法

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JP2000135275A
JP2000135275A JP10310160A JP31016098A JP2000135275A JP 2000135275 A JP2000135275 A JP 2000135275A JP 10310160 A JP10310160 A JP 10310160A JP 31016098 A JP31016098 A JP 31016098A JP 2000135275 A JP2000135275 A JP 2000135275A
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artificial skin
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sterilization
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JP10310160A
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Toshimasa Sugie
稔正 杉江
Hiroaki Yanagawa
博昭 柳川
Akihisa Sugiyama
章寿 杉山
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Menicon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体由来材料及び/又は合成高分子材料から
なる人工皮膚基材又は細胞培養用基材を滅菌するに際し
て、それら基材への影響が極めて小さく、また、滅菌処
理後の毒性がなく、しかも無菌性を達成し得る人工皮膚
基材又は細胞培養用基材の滅菌方法を提供すること。 【解決手段】 生体由来材料及び/又は合成高分子材料
からなる人工皮膚基材又は細胞培養用基材に対して、電
子線を照射せしめて、滅菌する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、人工皮膚基材又は細胞培養用基
材の滅菌方法に係り、特に、生体由来材料及び/又は合
成高分子材料からなるそれら基材への影響が極めて小さ
く、また、滅菌処理後の毒性がなく、しかも無菌性を達
成し得る人工皮膚基材又は細胞培養用基材の滅菌方法に
関するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、熱傷や褥瘡等による皮膚欠損創面
に適用されて、それら傷等の治癒を促進させる人工皮膚
において、皮膚細胞の培養時や生体への適用時のベース
として使用される人工皮膚基材や、皮膚への刺激性、薬
品の毒性等を調べるために、皮膚細胞培養の足場として
用いられる細胞培養用基材は、従来より、生体由来材料
や合成高分子材料から構成されているが、それら基材の
使用に際しては、無菌状態であることが絶対条件とされ
ることから、適当な滅菌処理が必要不可欠とされてい
る。
【0003】ところで、一般的な物品の滅菌方法として
は、これまでに、オートクレーブ滅菌、乾熱滅菌、エチ
レンオキサイドガス(EOG)を用いた滅菌、γ線滅菌
等の、各種の手法が提案されている。具体的には、オー
トクレーブ滅菌は、被滅菌物が高温・高圧の水蒸気に対
して影響がない、若しくは少ない材質からなる場合に有
効であり、また乾熱滅菌は、被滅菌物が乾燥状態である
ことが不可欠で、被滅菌物が高温に耐え得る材質から構
成されている場合に有効である。一方、EOG滅菌は、
被滅菌物が熱に対して不安定な材質からなる場合に有利
であり、またγ線滅菌は、熱に弱い材質から構成される
被滅菌物や、細菌の侵入を阻止し得るような包装体にて
厳重に包装された被滅菌物の滅菌において、有効な方法
である。従って、物品(被滅菌物)の滅菌処理に際して
は、被滅菌物の特性に応じて、各種の手法のうち適切な
方法が選択されることとなる。
【0004】ここにおいて、前記人工皮膚基材又は細胞
培養用基材の滅菌処理にあっては、それらを構成する生
体由来材料や合成高分子材料が、熱に対して不安定であ
ることから、上記オートクレーブ滅菌及び乾熱滅菌を、
かかる基材の滅菌処理に適用することは著しく困難であ
ったのであり、それ故に、従来は、熱に弱い材質からな
る被滅菌物に対して有利なEOG滅菌やγ線滅菌が、そ
のような基材の滅菌処理に用いられてきたのであるが、
それらEOG滅菌やγ線滅菌の如き従来方法には、次の
ような問題が内在しているのである。
【0005】すなわち、EOGによる滅菌処理にあって
は、殺菌有効成分たるエチレンオキサイドが、滅菌処理
後にあっても、基材中に残留する問題があり、この残留
エチレンオキサイドが、細胞毒性を示したり、また、化
学反応を起こして、エチレングリコール、エチレンクロ
ルヒドリン等に変化し、細胞毒性や溶血性を示すという
問題を内在していた。加えて、このEOGによる滅菌
(微生物殺滅)作用は、エチレンオキサイドが微生物体
内のタンパク質が有するカルボキシル基、アミノ基、水
酸基と反応し、その結果、生命維持に必要な代謝等の各
種の働きが停止されることによって、為されると考えら
れているところから、特に、人工皮膚基材が、タンパク
質の如き生体由来材料から構成されている場合にあって
は、かかる基材が残留エチレンオキサイドと化学反応を
起こして変性し、生体適用後において、生体細胞への親
和性が低下するというような問題があったのである。そ
れ故に、EOG滅菌においては、滅菌処理の後、基材か
らのガス抜きのために、長時間のエアレーション(エチ
レンオキサイドの除去操作)が不可欠とされているので
あるが、残留するエチレンオキサイドを完全に除去する
ことは不可能であるところから、依然として、上記細胞
毒性や溶血性等の問題を解消し得なかったのである。ま
た、そのような長時間のエアレーション操作の採用は、
滅菌処理コストを上昇せしめ、更には生産性の向上にお
いて、ネックとなるものであった。
【0006】一方、γ線滅菌にあっては、γ線の物質へ
の影響度が高いことから、材質の分解劣化、破損、変色
等といった悪影響を基材に及ぼすといった問題を内在し
ていたのであり、特に、タンパク質等の生体由来材料か
らなる基材にあっては、γ線による材質への影響度が非
常に大きいことから、かかる基材の滅菌にγ線滅菌を適
用することは、極めて困難であったのである。
【0007】このようなことから、かくの如きEOG滅
菌やγ線滅菌は、人工皮膚基材や細胞培養用基材を滅菌
処理せしめる方法として必ずしも有効であるとは、言い
難かったのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、従来の滅菌方法たるEOG滅菌及びγ線滅菌に
代わる、生体由来材料及び/又は合成高分子材料からな
る人工皮膚基材又は細胞培養用基材の、有効で、新規な
滅菌方法を提供することにあり、また他の課題とすると
ころは、処理操作後における毒性がなく、且つそれら基
材に対する影響が極めて小さく、しかも充分なる無菌性
が保証され得る、新規な人工皮膚基材又は細胞培養用基
材の滅菌方法を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明は、上述の如き課題を解決
するために為されたものであって、その要旨とするとこ
ろは、生体由来材料及び/又は合成高分子材料からなる
人工皮膚基材又は細胞培養用基材に対して、電子線を照
射せしめて、滅菌することを特徴とする人工皮膚基材又
は細胞培養用基材の滅菌方法にある。
【0010】このような本発明に従う人工皮膚基材又は
細胞培養用基材の滅菌方法にあっては、電子線照射によ
る滅菌処理を採用することによって、EOG滅菌の場合
のように、エチレンオキサイドの残留の問題を全く生ず
ることがないところから、細胞毒性や溶血性等の問題を
惹起することが全くなく、前記基材を用いて細胞を培養
する際に、滅菌処理にてもたらされる毒性によって、細
胞の培養が妨げられることなく、有利に細胞培養を実施
することが出来るのであり、また、人工皮膚基材のよう
に、基材を生体に適用する場合にあっても、生体に対す
る安全性が、充分に確保されることとなるのである。
【0011】また、かかる本発明方法によれば、材質の
分解劣化等、電子線によって基材に及ぼされる影響が極
めて小さいのであって、それ故に、生体由来材料及び/
又は合成高分子材料からなる基材にあっても、そのよう
な基材に悪影響を及ぼすことなく、効果的に滅菌処理せ
しめることが出来るのであり、更には、電子線による滅
菌処理では、電子線の加速電圧等といった照射条件範囲
の選択自由度が大きいところから、照射条件を適宜に選
択することによって、各基材に適した滅菌処理を行なう
ことも、可能となるのである。
【0012】しかも、本発明方法にあっては、従来のE
OGによる滅菌手法の如き、長時間のエアレーション操
作が不必要となることから、簡便、且つ極めて短時間で
の滅菌処理が可能となるのであり、また、滅菌処理に際
して、所望の線量が得られるよう、電子線の加速電圧、
ビーム電流値及び照射時間等の照射条件を調整するだけ
で良いことから、管理がし易い等、滅菌操作が容易なら
しめられ得るのであって、以て、可及的なコストダウン
や生産性の向上が達成されるのであり、更に、そのよう
な短時間、簡便且つ容易な処理操作にても、有効な滅菌
効果が得られるのであり、滅菌処理後の基材における充
分なる無菌性が、効果的に保証されることとなる。
【0013】なお、かくの如き本発明に係る人工皮膚基
材又は細胞培養用基材の滅菌方法において、前記電子線
の線量としては、0.1〜65.0kGyの範囲内であ
ることが望ましいのであって、これによって、充分な滅
菌効果を確保し得ると共に、基材への悪影響を極めて小
さくすることが可能となる。
【0014】また、本発明に従う人工皮膚基材又は細胞
培養用基材の滅菌方法の好ましい態様の一つによれば、
前記生体由来材料は、コラーゲン、アテロコラーゲン、
ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニン、デルマタン硫
酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン
酸、ヘパリン、キチン、キサトン、及びアルギン酸カル
シウムからなる群より選択され、更に、本発明における
他の好ましい態様の一つによれば、前記合成高分子材料
は、ナイロン、シリコーン樹脂、弗素樹脂、ポリウレタ
ン、及びポリ塩化ビニルからなる群より選択されるもの
であって、このような皮膚等を構成する生体由来材料及
び/又は合成高分子材料からなる基材に対しても、その
材質に大きな影響を及ぼすことなく、効果的に滅菌せし
めることが出来るのである。
【0015】また、かかる本発明にあっては、好ましく
は、前記人工皮膚基材又は前記細胞培養用基材は、スポ
ンジ、シート、フィルム、不織布、マイクロ担体、繊
維、又は中空糸の形態を有している。
【0016】さらに、本発明の望ましい態様の一つにお
いては、前記人工皮膚基材又は前記細胞培養用基材とし
て、生体由来材料をコートしてなる形態が、好適に採用
されるものであり、このような形態を有する基材に対し
て、本発明は、有利に適用され得るのである。
【0017】そして、本発明に従う人工皮膚基材又は細
胞培養用基材の滅菌方法の好ましい態様の一つによれ
ば、前記人工皮膚基材又は前記細胞培養用基材は、乾燥
状態にあることが望ましい。けだし、それら基材が多く
の水分を含有している場合には、該水分によって、電子
線が吸収されてしまい、所望の滅菌効果が得られなくな
る恐れが生じるからである。
【0018】また更に、本発明における別の望ましい態
様の一つによれば、前記人工皮膚基材又は前記細胞培養
用基材が、電子線は透過するが細菌は侵入させ得ない収
納体内に収容されて、密封された状態下において、前記
電子線の照射が行なわれる手法が採用される。このよう
な方法に従えば、電子線照射による滅菌を、効率良く、
且つ効果的に実施し得るのであって、また、滅菌処理の
後、実際に使用されるまでの間において、かかる収納体
により、基材の汚染が回避され、以て無菌状態を確実に
維持しながら、基材を保存せしめることが出来るのであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】ところで、かくの如き本発明にお
ける、被滅菌対象物としての人工皮膚基材や細胞培養用
基材は、その表面上に、表皮細胞や線維芽細胞といった
皮膚細胞が培養されて、人工皮膚として、若しくは皮膚
への刺激性試験や薬剤の毒性試験に用いられるものであ
るところから、生体に対する適合性を考慮して、それら
は、生体由来材料及び/又は合成高分子材料から構成さ
れることとなる。
【0020】そして、そのような基材において、基材構
成材料たる生体由来材料としては、タンパク質の如き、
生体を形成する物質の中から、適宜に選択されることな
るが、好適には、コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラ
チン、フィブロネクチン、ラミニン、デルマタン硫酸、
ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ヘ
パリン、キチン、キサトン、及びアルギン酸カルシウム
からなる群の中から選択されて、用いられる。特に、本
発明では、それら生体由来材料の中でも、生体内で細胞
の支持、増殖の足場としての機能を果たしており、細胞
を結合して臓器、組織を形成しているコラーゲンが、そ
の高い生体親和性と、容易な成形性等の点から、基材構
成物質として、有利に採用され得るのである。なお、か
かるコラーゲンの両端には、コラーゲンの分子内若しく
は分子間の架橋に深く関係するテロペプチドが存在して
いる。そのテロペプチドが、抗原性、即ち免疫反応を惹
起するようなことがあることから、コラーゲンにペプシ
ンを反応させて、該テロペプチドを除去せしめることに
より得られるアテロコラーゲンが、免疫拒否反応を惹起
しない基材材料として、より一層好適に採用されるので
ある。
【0021】また、、基材の構成材料たる合成高分子材
料としては、生体(細胞)が細胞毒性の如き毒性を示さ
ないものであれば、何れも使用可能であるが、中でも、
本発明では、ナイロン、シリコーン樹脂、弗素樹脂、ポ
リウレタン、及びポリ塩化ビニルからなる群より選択さ
れるものが、有利に採用される。
【0022】なお、それら基材を、前記した生体由来材
料を単独にて若しくは複数を組み合わせてなる材料や、
前記合成高分子材料を単独にて若しくは複数を組み合わ
せてなる材料にて、形成することが出来ることは勿論、
上記生体由来材料及び合成高分子材料のうち、それぞれ
一つまたは複数を適宜に選択し、それらを組み合わせて
なる材料にて、形成しても良く、例えば、基材として、
合成高分子材料の表面の少なくとも一部、好ましくは全
体が、生体由来材料にてコートせしめられてなる形態を
有するものも、好適に採用され得、以て、合成高分子材
料からなる基材の、細胞(生体)に対する適合性乃至は
親和性を、より一層高めることが可能である。
【0023】また、かかる基材は、所定の材料を調製し
た後、所望の形状に成形することによって得られるので
あるが、基材の形態としては、使用用途やその構成材料
の特性等に応じて、各種のものを採用することが出来、
中でも、スポンジ、シート、フィルム、不織布、マイク
ロ担体、繊維、又は中空糸の形態を有してなるものが、
有利に採用されることとなる。また、その外形形状も、
使用用途や材料の成形性等を考慮して、適宜に設定され
ることとなる。
【0024】そして、本発明にあっては、かくの如き生
体由来材料及び/又は合成高分子材料からなる人工皮膚
基材又は細胞培養用基材を用い、それに対して、電子線
を照射せしめることによって、その滅菌処理が施される
のである。
【0025】ここにおいて、かかる電子線照射は、良く
知られているように、電子線加速器によって高エネルギ
ーに加速した電子(粒子線)を照射することにより、為
されるものであるが、そのような電子を加速して、高い
エネルギーの電子線を発生する装置である電子加速器
は、代表的には静電型と線型に分類されて、科学研究
用、工業用、医療用等に広く用いられており、本発明に
あっては、そのような公知の電子加速器を用いて、基材
の滅菌処理が行なわれるのである。
【0026】そして、このような加速器を用いた電子線
照射において、照射する電子線の線量としては、一般に
0.1〜65.0kGy、好ましくは1〜55.0kG
y程度が採用されることとなる。なお、0.1kGyよ
りも少ない線量となると、滅菌効果が不充分となる恐れ
があり、また65.0kGyを超えるような線量となる
と、材質の分解劣化、破損、変色等、基材に悪影響を及
ぼす危険性が生ずるようになる。
【0027】なお、電子線照射における上記電子線の線
量設定は、電子線の加速電圧、ビーム電流値、及び照射
時間等の調整によって、為されることとなるが、それら
加速電圧、ビーム電流値、照射時間といった照射条件
は、かかる所望の線量が得られるように、基材の材質や
形状等を考慮して、適宜に調整されるものであって、例
えば、基材を構成する材質における電子の飛程を考慮し
て、基材内部まで充分に滅菌せしめ得るように、加速電
圧を制御したり、また、電子線の有するエネルギーが基
材表面で効果的に吸収され得るように加速電圧を調整せ
しめることにより、基材に及ぼす影響、特に基材内部に
与える影響を可及的に小ならしめるようにすることも、
可能である。なお、照射時間としては、加速電圧やビー
ム電流値の設定値にも依るが、所望の滅菌効果を得るに
は、一般に、10秒以下、数秒程度で充分であり、この
照射時間が短いことによって、短時間による滅菌処理を
可能ならしめ、製品の早期出荷を実現することが出来る
のである。
【0028】また、かかる照射条件の調整において、そ
の制御方法としては、通常、予め定められた加速電圧及
びビーム電流値となるように、電圧計及び電流計を目視
しながら、それぞれ調整つまみ等で調節すると共に、実
際の線量を線量モニタ等で確認しながら、所定の線量と
なるまで照射すれば良いのであるが、その照射時間が秒
オーダーで充分とされる本発明にあっては、電圧及び電
流値が照射中に大きく変化するようなことがないことか
ら、それら設定値を一度調節・設定すれば、後は照射時
間を調節するだけで良いのであって、要するに、極めて
単純な制御乃至は管理操作にて、滅菌処理を行ない得る
のである。
【0029】ところで、人工皮膚基材や細胞培養用基材
は、一般的には、湿潤状態で使用されることが有効であ
るとされているが、それら基材の本発明に従う滅菌処理
に際しては、基材が乾燥状態にあることが好ましく、具
体的には、基材中の水分の含有量は、好ましくは30重
量%以下とされる。けだし、基材が多量の水分を含有し
ている場合には、かかる水分によって、電子線が吸収さ
れてしまい、所望の滅菌効果が得られなくなる恐れが生
じるからである。なお、基材の乾燥方法としては、基材
が熱に弱い前記生体由来材料や合成高分子材料より構成
されていることから、加熱によらない乾燥方法、例え
ば、凍結乾燥機にて水分を昇華させることにより、基材
から水分を除去せしめる方法等が好適に採用される。勿
論、かかる乾燥操作の施された基材に対して、本発明に
従う滅菌処理が施された後、その使用に際して、精製水
や、公知の溶媒、例えばDMEM(ダルベッコ改変イー
グル培地)溶液等の細胞培養用溶媒に浸漬されることに
より、基材は、湿潤状態とされることとなる。
【0030】さらに、このような滅菌処理に際しては、
その後の基材の汚染を考慮して、基材は、所定の滅菌バ
ッグの如き収納体内に収容され、そして密封された状態
下において、電子線照射が施されることが望ましい。こ
こにおいて、基材を収容する収納体としては、電子線は
透過するが、細菌は侵入(通過)させ得ないものであれ
ば、如何なる材質のものも使用可能であり、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリカーボネート等の高分子材料か
らなる材質が好適に用いられることとなるが、またガラ
ス、陶器、金属等の材質にあっても、その厚さが薄けれ
ば、電子線の透過は可能であるところから、そのような
材質から構成される収納体も採用可能である。なお、収
納体の形状としては、基材の1つ若しくはその複数を収
容することの出来る、公知の各種の密封可能な構造、例
えば袋状容器や箱型容器等の形状のものが、何れも、用
いられ得るものである。そして、かくの如き収納体を採
用すれば、電子線照射による滅菌を、効率良く、且つ効
果的に実施することが出来るのである。
【0031】また、かかる収納体を用いて滅菌処理を行
なう場合にあっては、特に、有効な滅菌効果が得られる
ように、その処理に際して、上記の如く、基材は乾燥状
態とされるのが望ましいのである。また、収納体を用い
て滅菌処理を施した場合には、一般には、基材は、収納
体内に密封された状態下で保存されて、その使用時に包
装体から取り出されることとなるが、このような保存期
間においても、基材が汚染されることが皆無ならしめら
れ、以て、基材の無菌状態が容易に且つ確実に維持され
得るのである。なお、滅菌処理の後、そのような保存期
間を設けることなく、直ちに、包装体から基材を取り出
して使用することが可能であることは、言うまでもない
ところである。
【0032】このように、本発明にあっては、生体由来
材料及び/又は合成高分子材料からなる人工皮膚基材及
び細胞培養用基材の滅菌処理を、電子線を利用すること
によって行なうものであるところから、EOG滅菌処理
の如く、エチレンオキサイドが残留して、細胞毒性や溶
血性等といった問題を惹起することが全くないのであっ
て、以て、基材上に細胞を培養する場合には、滅菌処理
を行なうことによりもたらされる毒性によって、細胞の
培養が妨げられるようなことがなく、有利に細胞の培養
が実施され得るのであり、また、人工皮膚基材として、
基材を生体に適用するに際しても、生体に対する安全性
が充分に確保されることとなる。
【0033】また、電子線の物質に対する影響度は極め
て小さいことから、被照射体が、生体由来材料及び/又
は合成高分子材料からなる基材であっても、材質の分解
劣化等の影響を最小限に抑えて、効果的に滅菌処理する
ことが出来るのであり、特に、その影響度の大きさの故
に、従来のγ線滅菌の適用が著しく困難とされていた、
一部若しくは全体が生体由来材料にて構成される基材に
あっては、有効な滅菌効能を確保しつつ、基材への影響
の回避という利益を更に効果的に享受することが出来る
のである。加えて、電子線照射では、電子線の加速電圧
の如き照射条件の選択(調整)範囲が大きいことから、
基材の有する特性に応じて、照射条件を調整することに
より、材質に対する影響をより一層小さくするようなこ
とも、為し得るのである。
【0034】さらに、従来のEOGによる滅菌手法にお
いて必須とされた、長時間に亘るエアレーション操作
や、エアレーション後における無菌試験を行なうことか
ら解放されると共に、電子線による照射時間は、可及的
に短く設定されても充分であるところから、滅菌工程が
簡略化、短縮化されるのであって、また、滅菌処理に際
して、EOG滅菌処理の如く、濃度、温度、湿度、時
間、圧力等の多項目の厳しい管理は要求されず、所望の
線量が得られるよう、単に、電子線の加速電圧、ビーム
電流値及び照射時間等の照射条件を調整、制御すれば良
く、その操作も単純であるところから、容易な滅菌処理
を実現出来るのである。従って、結果的には、製品出荷
を早めることが出来、また、コストの低減にも大きく寄
与し得ることとなったのであり、しかも、本発明では、
そのような短時間、簡便且つ容易な処理操作にも拘ら
ず、有効且つ充分なる滅菌効果が得られるのである。
【0035】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0036】−滅菌効果試験− 実施例 1 先ず、1w/w%のアテロコラーゲン水溶液を準備し、
そして該水溶液を、矩形箱型形状のプラスチックケース
に収容した後、かかるアテロコラーゲン水溶液をアンモ
ニア雰囲気に晒して、ゲル化せしめた。次いで、超低温
フリーザにて、そのゲル化したアテロコラーゲンを凍結
せしめ、更にその後、凍結乾燥機にて水分を昇華させる
ことにより、プラスチックケースの内法形状と略同じブ
ロック形状を呈する、スポンジ状の中間成形品を得た。
更に、この中間成形品に対して、主波長が254nmの
UV光を、その表面及び裏面から照射せしめることによ
り、かかる中間成形品を構成するアテロコラーゲンを架
橋させて、目的とするアテロコラーゲン・スポンジを得
た。
【0037】次いで、かくの如くして成形して得られた
アテロコラーゲン・スポンジから、100mm×100mm
×2mmの大きさのスポンジ試料を2枚採取した。そし
て、その切り出した各試料を、37℃の温度に保持され
たコラゲナーゼ溶液に浸漬せしめることにより溶解させ
て、アテロコラーゲンの溶液試料を調製した。更に、メ
ンブランフィルタ法に従って、それら溶液を吸引濾過し
た後、フィルタ上に残留付着した真菌及び細菌の数を計
測した。なお、フィルタ上のコロニー数とフィルタ上の
菌数は、重複しない限り1:1で対応するものであると
ころから、フィルタ上のコロニー数を計測することによ
り、それらフィルター上の菌数を推定することが出来る
のであり、以てスポンジ試料内の菌数を推定することが
出来る。その測定結果を、下記表1に示すが、試料は、
未滅菌の状態では、真菌や細菌によって汚染されている
ことが認められる。
【0038】
【表1】
【0039】一方、上記で得られたアテロコラーゲン・
スポンジから、100mm×100mm×2mmの大きさのス
ポンジ試料を8枚採取し、そしてその試料のうち6枚
を、プラスチックケースに収容し、更にポリエチレン製
の滅菌バッグに収容して、密封せしめた後、電子線照射
装置:ダイナミトロン(米国:RDI社製、5MeV)
を用いて、加速電圧:4.8MeV、ビーム電流値:2
0mAの条件で、電子線を照射することにより、各スポ
ンジ試料に対して滅菌処理を施した。なお、かかる滅菌
処理においては、照射時間を調整することによって、2
0kGy、40kGy、60kGyの電子線を照射せし
めた試料No.1、2、3を、それぞれ2枚ずつ得た。ま
た、比較例として、残りの試料2枚をガス透過性の滅菌
バッグに収容して、密封せしめた後、EOGによる滅菌
処理(滅菌温度:40℃、滅菌時間:8時間、エアレー
ション:12時間)を施して、比較用試料No.4とし
た。
【0040】このようにして滅菌処理が施されたスポン
ジ試料No.1〜4の各2枚ずつを、無菌室内において、
プラスチックケース又は滅菌バッグから取り出した後、
それぞれ、37℃の温度に保持されたコラゲナーゼ溶液
に浸漬せしめることにより溶解させて、溶液試料No.1
〜4(各2つずつ)を得た。そして、メンブランフィル
タ法に従って、それら溶液試料を吸引濾過した後、フィ
ルタ上の真菌及び細菌の有無を観察した。その観察結果
を、下記表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】上記表2の結果から明らかなように、本発
明に従って滅菌された試料No.1〜3にあっては、電子
線照射による滅菌処理によって、完全に滅菌されている
ことが認められるのであり、また、EOG滅菌処理を施
した試料No.4と比較しても、その滅菌効果において、
何等遜色のないものであると判断出来る。
【0043】−強度試験(材質に対する影響の評価)− 実施例 2 実施例1と同様にして得られたアテロコラーゲン・スポ
ンジから、20mm×30mm×2mmの形状を有するスポン
ジ試料を5枚採取し、更に各試料に対して、20mmの長
さの切り込みを設けた。そして、かかる試料の中から3
枚を任意に選択して、それぞれ、試料No.5〜7とし、
それらに対して、実施例1の試料No.1〜3と同様の方
法にて、電子線滅菌処理を施した。なお、その時の電子
線の照射線量は、試料No.5、6、7に対して、それぞ
れ20、40、60kGyであった。また、残りの試料
2枚のうち、一方を、実施例1の試料No.4と同様の方
法にてEOG滅菌処理せしめて、試料No.8とし、ま
た、他方を、未滅菌試料No.9とした。
【0044】次いで、上記スポンジ試料No.5〜9を、
それぞれ25℃の温度に保持した恒温水槽中に、約21
時間浸漬せしめて、状態調節した後、材料試験機(米
国:インストロン社製、MODEL No.4301)を
用いて、その2つのエアチャックにて、各試料に設けら
れた切り込みを挟む両側の端部部位を把持せしめ、更に
それらの両端部を、試料面に垂直な方向で且つ互いに反
対方向に引張せしめることにより、各試料を引き裂い
た。ここにおいて、試料の引裂時に要した荷重値を測定
し、該荷重値に基づいて、各試料が、人工皮膚基材及び
細胞培養用基材として、適当な強度を有しているか、ど
うかを評価した。その評価結果を、下記表3に示す。な
お、表3において、試料が、充分な強度を有していると
判断された場合には◎、問題ない程度の強度を有してい
ると判断された場合には○、と表わした。
【0045】
【表3】
【0046】かかる表3の結果から明らかな如く、本発
明に従って滅菌処理が施された試料No.5〜7にあって
は、従来方法たるEOG滅菌処理が施された試料No.8
と略同程度の強度を有しており、基材として、適当な強
度を有しているということが認められることから、本発
明方法は、材質に及ぼす影響が、極めて小さいと言うこ
とが出来る。
【0047】実施例 3 先ず、前記した方法にて得られたアテロコラーゲン・ス
ポンジから、30mm×30mm×2mmの形状を有するスポ
ンジ試料を5枚採取した。そして、その5枚の試料のう
ち、3枚(試料No.10〜12)に対して、実施例1の
試料No.1〜3と同様の方法にて、電子線による滅菌処
理を施した。なお、その時の電子線の線量は、試料No.
10、11、12に対して、それぞれ20、40、60
kGyであった。また、残りの2枚は、比較例として、
それぞれ、実施例1の試料No.4と同様の方法にてEO
G滅菌せしめた試料No.13、及び未滅菌試料No.14
とした。
【0048】その後、それらスポンジ試料No.10〜1
4を、DMEM溶液中に、それぞれ約10分間浸漬せし
めた後、2本のピンセットにて、各試料の2端を把持し
て摘み上げることにより、各試料の摘み上げ易さを評価
した。その評価結果を、下記表4に示すが、この表4に
おいて、摘み上げが、充分に容易であった場合には◎、
容易であった場合には○、と表わした。
【0049】
【表4】
【0050】上記表4に示されるように、本発明に従っ
て滅菌処理を施した試料No.10〜12にあっては、人
工皮膚基材及び細胞培養皮膚基材として、有効な摘み上
げ易さを有していることが認められるのであり、従っ
て、本発明方法は、材質に対する影響度において、極め
て小さいものであると認められる。
【0051】−細胞毒性試験− 実施例 4 先ず、実施例1と同様の方法にて得られたアテロコラー
ゲン・スポンジから、約1gのスポンジ試料を3枚採取
し、そのうち1枚を、実施例1の試料No.1の如く、電
子線照射により滅菌せしめ(試料No.15、線量:20
kGy)、また別の1枚を、実施例1の試料No.4の如
くして、EOGにより滅菌した(試料No.16)。ま
た、残りの1枚は、未滅菌試料No.17とした。
【0052】次いで、それらスポンジ試料No.15〜1
7を、それぞれ、鋏を用いて細片とした後、別個のシャ
ーレ内に収容し、更に各シャーレ内にDMEM溶液を1
0ml添加した後、37℃の温度に保温されたインキュベ
ータに挿入して、24時間、抽出操作を施した。そし
て、この抽出操作にて得られた各抽出液を、抽出液濃度
が下記表5に示す値となるように、DMEM溶液で希釈
せしめた後、その希釈溶液に、ウシ胎児血清を、該希釈
溶液に対する濃度が10%となるように添加した。更
に、チャイニーズ・ハムスター肺由来線維芽細胞(V7
9)が1ウェルあたり50cells 播種された細胞培養用
マルチプレートに、そのようなウシ胎児血清含有の希釈
溶液を1mlずつ分注した後、それを37℃に保持された
インキュベータに収容して、6日間の培養を行ない、そ
の後、マルチプレートを染色して、プレート上のコロニ
ー数を測定した。ここで、各試料毎に、抽出液濃度が0
%でのコロニー数を100%として、他の抽出液濃度で
のコロニー数を換算することにより、それぞれの抽出液
濃度におけるコロニー形成率を算出した。その結果を、
下記表5に示す。なお、抽出液濃度が同じ試料を比較し
た場合において、コロニー形成率が大きいということ
は、高い細胞親和性を有する、即ち細胞毒性が低いとい
うことを表わしている。
【0053】
【表5】
【0054】かかる表5の結果から明らかなように、本
発明手法に従って滅菌処理された試料No.15にあって
は、従来法たるEOG滅菌処理を施した試料No.16に
比して、コロニー形成率が高いことが認められると共
に、未滅菌試料No.17と略同等のコロニー形成率が認
められることから、本発明例である試料No.15は、細
胞毒性を殆ど示さない、換言すれば、人工皮膚基材及び
細胞培養用基材として、有効且つ安全であると判断する
ことが出来る。
【0055】−細胞増殖能力試験− 実施例1と同様にして得られたアテロコラーゲン・スポ
ンジから、30mm×30mm×2mmのスポンジ試料を4枚
採取した。次に、そのうちの3枚に対して、実施例1の
試料No.1〜3の如く、電子線の線量が20、40、6
0kGyとなるように電子線滅菌処理を施して、それぞ
れを試料No.18,19,20とし、また、残りの1枚
には、実施例1の試料No.4の如くEOG滅菌処理を実
施して、それを試料No.21とした。
【0056】次に、DMEM溶液に、ヒト皮膚由来線維
芽細胞(HF)を加え、更にウシ胎児血清を、該溶液に
対する濃度が10%となるように添加せしめて、混合溶
液を調製した。そして、その得られた混合溶液を、播種
密度が3×104cells/cm2となるように、上記各スポン
ジ試料に滴下した後、それら試料を、雰囲気温度が37
℃に保たれたインキュベータに収容して、14日間、H
Fの培養を行なった。その後、HFが培養された各試料
を、コラゲナーゼ溶液にて溶解せしめて、HF懸濁液と
し、そのHF懸濁液におけるHF数を測定することによ
り、各試料における細胞増殖性を評価した。その結果
を、下記表6に示すが、そこにおいて、◎:極めて高い
増殖性が認められた場合、○:人工皮膚基材及び細胞培
養用基材として適当な増殖性が認められた場合を、それ
ぞれ表わしている。
【0057】
【表6】
【0058】上記表6の結果から明らかな如く、本発明
に従う方法にて滅菌処理せしめた試料No.18〜20に
あっては、従来のEOG滅菌処理手法(試料No.21)
と比しても、何等遜色がなく、人工皮膚基材及び細胞培
養用基材として、有利な細胞増殖能力を有していること
が認められる。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う人工皮膚基材及び細胞培養用基材の滅菌方法によ
れば、従来のEOG滅菌やγ線滅菌処理とは異なり、処
理操作後における毒性がないことから、それら基材を用
いて、有利に細胞培養を実施することが出来ると共に、
人工皮膚基材として生体に適用する場合にあっても、生
体に対する安全性が確保され得るのであり、また更に、
基材に対する影響が極めて小さい電子線を利用すること
から、生体由来材料及び/又は合成高分子材料からなる
基材であっても、そのような基材に悪影響を及ぼすこと
なく、効果的に滅菌処理せしめることが出来るのであ
る。
【0060】しかも、本発明に従う滅菌方法にあって
は、EOG滅菌処理の如く、長時間のエアレーション操
作や無菌試験を要さないものであることから、簡便、且
つ極めて短時間での滅菌処理を行ない得るのであり、ま
た、電子線照射による滅菌処理においては、処理条件の
制御・管理が単純であることから、滅菌処理操作が容易
ならしめられるのであって、結果的に、可及的なコスト
ダウンや生産性の向上という効果を奏し得ることとな
る。そして、そのような短時間、簡便且つ容易な処理操
作にても、有効な滅菌効果が得られるのであって、以て
滅菌処理後の基材における充分なる無菌性が保証される
こととなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 章寿 愛知県春日井市高森台五丁目1番地10 株 式会社メニコン総合研究所内 Fターム(参考) 4C058 AA12 AA17 BB06 CC07 EE12 KK03 KK23 KK32 4C081 AA02 AA12 AB19 BA14 BA17 BB08 BC02 CA041 CA131 CA211 CA231 CA271 CD041 CD051 CD061 CD071 CD081 CD091 CD121 CD131 CD151 CD171 CD34 DA01 DA02 DA04 DA05 DA06 DC03 EA02 EA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体由来材料及び/又は合成高分子材料
    からなる人工皮膚基材又は細胞培養用基材に対して、電
    子線を照射せしめて、滅菌することを特徴とする人工皮
    膚基材又は細胞培養用基材の滅菌方法。
  2. 【請求項2】 前記電子線の線量が、0.1〜65.0
    kGyの範囲内である請求項1記載の人工皮膚基材又は
    細胞培養用基材の滅菌方法。
  3. 【請求項3】 前記生体由来材料が、コラーゲン、アテ
    ロコラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミニ
    ン、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫
    酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、キチン、キサトン、及び
    アルギン酸カルシウムからなる群より選択される請求項
    1又は請求項2記載の人工皮膚基材又は細胞培養用基材
    の滅菌方法。
  4. 【請求項4】 前記合成高分子材料が、ナイロン、シリ
    コーン樹脂、弗素樹脂、ポリウレタン、及びポリ塩化ビ
    ニルからなる群より選択される請求項1又は請求項2記
    載の人工皮膚基材又は細胞培養用基材の滅菌方法。
  5. 【請求項5】 前記人工皮膚基材又は前記細胞培養用基
    材が、スポンジ、シート、フィルム、不織布、マイクロ
    担体、繊維、又は中空糸の形態を呈している請求項1乃
    至請求項4の何れかに記載の人工皮膚基材又は細胞培養
    用基材の滅菌方法。
  6. 【請求項6】 前記人工皮膚基材又は前記細胞培養用基
    材が、生体由来材料をコートしたものである請求項1乃
    至請求項5の何れかに記載の人工皮膚基材又は細胞培養
    用基材の滅菌方法。
  7. 【請求項7】 前記人工皮膚基材又は前記細胞培養用基
    材が、乾燥状態にある請求項1乃至請求項6の何れかに
    記載の人工皮膚基材又は細胞培養用基材の滅菌方法。
  8. 【請求項8】 前記人工皮膚基材又は前記細胞培養用基
    材が、電子線は透過するが細菌は侵入させ得ない収納体
    内に収容されて、密封された状態下において、前記電子
    線の照射が行なわれる請求項1乃至請求項7の何れかに
    記載の人工皮膚基材又は細胞培養用基材の滅菌方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003534857A (ja) * 2000-05-29 2003-11-25 アウグスチナス バデル, レシピエント特異的組織移植片または組織インプラントの作製方法
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JP2014507135A (ja) * 2011-01-19 2014-03-27 セウォン セロンテック カンパニー リミテッド 放射線架橋化されたコラーゲンゲル及びその製造方法と使用方法

Cited By (4)

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