JP2000134956A - 交直電力変換装置 - Google Patents

交直電力変換装置

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JP2000134956A
JP2000134956A JP10306720A JP30672098A JP2000134956A JP 2000134956 A JP2000134956 A JP 2000134956A JP 10306720 A JP10306720 A JP 10306720A JP 30672098 A JP30672098 A JP 30672098A JP 2000134956 A JP2000134956 A JP 2000134956A
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voltage
pulse pattern
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JP10306720A
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English (en)
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Masahiko Akamatsu
昌彦 赤松
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過渡時の動的な制御性能はPWM制御により
必要な応答特性を確保すると共に、定常時は所望のパル
スパターンで動作させることができる交直電力変換装置
を得ることを目的とする。 【解決手段】 電気量指令値dr、qrと電気量検出値
df、qfとを入力として動作し制御信号を出力する制
御手段71a、71b、制御手段71a、71bからの
制御信号に基づきPWM制御により交直電力変換手段3
のスイッチング素子をオンオフ制御するパルスパターン
信号を生成するパルス生成手段8、所望パルスパターン
に対応する直流電圧指令値Vdcrを生成する直流電圧
指令生成手段10、および直流電圧指令値Vdcrと直
流電圧検出値Vdcfとを入力として動作し制御信号x
を制御手段71a、71bへ送出する直流電圧制御手段
71cを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交直電力変換装
置に係り、特にその運転特性の改善技術に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図8に従来の交直電力変換装置の構成図
(単線接続図)を示す。図において、1は交流系統、2
は直流系統、3は交直電力変換器ユニット31a、31
bを備える交直電力変換手段、4は一次巻線41と二次
巻線42a、42bを持つ変圧器、5は交流側の電圧検
出手段51、電流検出手段52、直流側の電圧検出手段
53、電流検出手段54等を持つ電気量検出手段、6は
制御上の基準や値を制御に適した量に変換する電気量の
前処理手段、7は指令Coと検出手段の出力とを入力し
て所望値を帰還制御すると共にパルスパターン生成手段
8へ出力する制御手段、8は交直電力変換手段3の固体
スイッチング素子をON−OFFさせるパルスパターン
生成手段(以下、パルス生成手段と呼ぶ)である。
【0003】次に動作について説明する。図8におい
て、電気量検出手段5により検出された電気量を前処理
手段6により調整した後、その出力を制御手段7へ入力
し、制御手段7は指令Coも入力して交流電圧・電流や
直流電圧・電流を制御するいくつかのレギュレータを備
え、この出力に基づきパルス生成手段8がパルスを生成
して交直電力変換手段3を制御する。この際、パルス生
成手段8は固体スイッチング素子の通電時間や通電タイ
ミング(位相)を変え、いわゆるパルス幅変調(PW
M)により、交流出力電圧と直流電圧との比を変える結
果、交流出力電圧・電流を制御する事ができるものであ
る。この従来の装置においては、直流電圧は最大の交流
出力電圧に備えて、一定の直流電圧となるようレギュレ
ータを働かせ、直流電圧一定制御を行っていた。また、
図示しないが、可変周波数可変電圧インバータにおい
て、固定PWMパターン条件下で直流電圧や直流電流を
変える、いわゆる固定PWM式振幅変調制御(PAM)
をする例もあった。また、低速度領域においては固定直
流電圧の下でPWM(可変パルスパターン)制御し、高
速度領域においては固定パルスパターンを保ちながら直
流電圧を変化させる振幅変調で電圧と周波数とを比例制
御する例もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の固定直流電圧式
可変パルスパターン(PWM)制御においては、パルス
パターンの変化に伴って高調波成分が変化し、特に低次
の高調波が変化すると最終的に交流系統1へ漏出する高
調波が問題になる課題があった。逆に、高調波を減らす
ためには、交直電力変換器ユニット数を増やしたり、変
圧器の二次巻線数を増やす必要があり、変換器回路が複
雑になる課題があった。一方、従来の可変直流電圧式固
定パルスパターン制御においては、制御の特性が不十分
になる課題があった。例えば、別途直流電圧可変の電源
を備えない場合、自力で直流電圧を制御するには交流電
圧の発生位相を制御する方法しかなく、このため、制御
性能、特に動特性が低下する問題が生じたり、直流平滑
キャパシタの容量が大きい場合に電圧制御応答速度が遅
くなる問題が生じていた。
【0005】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、過渡時の動的な制御性能はPW
M制御により必要な応答特性を確保すると共に、定常時
は所望のパルスパターンで動作させることができる交直
電力変換装置を得ることを目的とする。ここで、所望の
パルスパターンは、例えば、同一の変換器回路条件にお
いて定常運転時の高調波を軽減すること、また、同一の
高調波発生条件において変換器回路の構成を簡素化でき
ること、更には、同一直流電圧の下で出力できる交流出
力電圧を高めること、従って、スイッチング素子の利用
率を高めてその定格仕様の軽減を図ること等を目標に設
定するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る交直電力
変換装置は、パルスパターン信号に基づきオンオフ制御
されるスイッチング素子を備え交流側と直流側との間で
電力を変換する交直電力変換手段、上記直流電圧および
上記交直電力変換手段に係る電気量を検出する検出手
段、電気量指令値と電気量検出値とを入力として動作し
制御信号を出力する電気量制御手段、およびこの電気量
制御手段からの制御信号に基づきPWM制御による上記
パルスパターン信号を生成するパルスパターン生成手段
を備えた交直電力変換装置において、上記パルスパター
ン信号が所望パルスパターンになるような直流電圧指令
値を生成する直流電圧指令生成手段を備え、上記直流電
圧が上記直流電圧指令値となるよう上記直流電圧を制御
するようにしたものである。
【0007】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その直流電圧指令値と直流電圧検出値とを入力とし
て動作し制御信号を出力する直流電圧制御手段を備え、
この直流電圧制御手段からの制御信号を電気量制御手段
の入力信号に加えるようにしたものである。
【0008】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その直流電圧指令値と直流電圧検出値とを入力とし
て動作し制御信号を出力する直流電圧制御手段を備え、
この直流電圧制御手段からの制御信号に基づきパルスパ
ターン信号の位相を制御するようにしたものである。
【0009】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量として交直電力変換手段の交流電圧およ
び交流電流を扱うものとし、直流電圧指令生成手段は、
下式の演算により直流電圧指令値を生成するようにした
ものである。 Vdcr=k・|Vs+Z・I| 但し、Vdcr:直流電圧指令値 k:回路と所望パルスパターンとで決まる比例係数 Vs:交流電圧検出値(ベクトル) Z:回路のインピーダンス I:交流電流検出値または指令値(ベクトル)
【0010】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量として交直電力変換手段の交流電圧を扱
うものとし、直流電圧指令生成手段は、下式の演算によ
り直流電圧指令値を生成するようにしたものである。 Vdcr=k・|Vacr| 但し、Vdcr:直流電圧指令値 k:回路と所望パルスパターンとで決まる比例係数 |Vacr|:電気量制御手段から出力される制御信号
である交流電圧制御指令値(ベクトルの絶対値)
【0011】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量制御手段からの制御信号またはパルスパ
ターン生成手段からのパルスパターン信号に基づきパル
ス幅変調に係る変調度合Mまたは時間比率Rを生成する
手段を備え、直流電圧指令生成手段は、上記変調度合M
または時間比率Rが所望パルスパターンに対応する値か
らずれた場合このずれ量が減少する方向に直流電圧指令
値が変化するよう予め設定された、変調度合Mまたは時
間比率Rと直流電圧指令値との関係特性を備え、この関
係特性に基づき、上記生成された変調度合Mまたは時間
比率Rに対応する直流電圧指令値を出力するようにした
ものである。
【0012】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量制御手段からの制御信号またはパルスパ
ターン生成手段からのパルスパターン信号に基づきパル
ス幅変調に係る変調度合Mまたは時間比率Rを生成する
手段を備え、直流電圧指令生成手段は、上記生成された
変調度合Mまたは時間比率Rと所望パルスパターンに対
応する変調度合Mまたは時間比率Rとの偏差が減少する
よう直流電圧指令値信号を出力する直流電圧指令値制御
手段を備えたものである。
【0013】また、この発明に係る交直電力変換装置の
直流電圧指令生成手段は、その生成出力を所定の範囲内
に制限するリミッタ機能を備えたものである。
【0014】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その交流線路が三相の場合、所望パルスパターン
は、交流電圧1サイクル1回のパルスで、そのパルス幅
を(180−30−60n)度(但し、n:0、1、
2)とするパルスパターンとしたものである。
【0015】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、一次巻線が三相の交流線路に接続され互いに30度
の位相差を設けた2つの二次巻線を有する変圧器を備
え、この変圧器の各二次巻線に交直電力変換手段を接続
する場合、所望パルスパターンは、交流電圧1サイクル
1回のパルスで、そのパルス幅を(180−15−30
n)度(但し、n:0、1、2、3、4、5)とするパ
ルスパターンとしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1における交直電力変換装置を示す構成図で
ある。図において、1は交流系統、2は直流系統、3は
後述するパルスパターン信号に基づきオンオフ制御され
るスイッチング素子を備え、交流系統1と直流系統2と
の間で電力を変換する交直電力変換器ユニット31a、
31bからなる交直電力変換手段、4は交流系統1に接
続された一次巻線41、および交直電力変換器ユニット
31a、31bの交流側端子に接続された二次巻線42
a、42aを備えた変圧器、5は直流電圧および交直電
力変換手段3に係る電気量を検出する電気量検出手段
で、電圧検出手段51、電流検出手段52、直流電圧検
出手段53、更に、交直電力変換器ユニット31a、3
1bの交流入出力電流を制御するための変換器電流検出
手段55a、55bを備えている。
【0017】6は電気量検出手段5の出力を受けて制御
しやすい変数に変換する前処理手段で、このため、検出
された電気量を同期回転座標上の変数に変換する座標変
換手段や数値を規格化する手段等を備えている。7は電
気量指令値Coと電気量検出値(帰還値)とを入力とし
て動作し帰還制御による制御信号を出力する電気量制御
手段で、その詳細は後述する。ここで、電気量として
は、交流電圧Vs、有効電力P、無効電力Q、交流電流
I、有効電流Ip、無効電流Iq等を扱うことになる。
【0018】8は電気量制御手段7からの制御信号に基
づきPWM制御により、交直電力変換手段3のスイッチ
ング素子をオンオフ制御するためのパルスパターン信号
を生成するパルス生成手段、10は各電気量(検出値ま
たは指令値)から、パルスパターン信号が所望パルスパ
ターンになるような直流電圧指令値Vdcrを生成する
直流電圧指令生成手段で、その詳細は後述する。そし
て、直流電圧指令生成手段10からの直流電圧指令値V
dcrは電気量制御手段7の入力信号に加えられる。
【0019】図2は交直電力変換器ユニット31a、3
1bの内部構成例を示す図である。図2(a)は単相ブ
リッジ回路を示し、図2(b)は3レベル変換器の1相
分を示す。図において、Sa、Sb、Sc、Sdは固体
スイッチング素子、C、Ca、Cbは直流平滑キャパシ
タ、Da、Dbは電位クランプ用ダイオード、P、Nは
正負直流端子、Oは直流中間電位端子、U、V、ACは
それぞれ交流端子である。(a)においては、正極性の
出力電圧と負極性の出力電圧と、出力電圧ゼロ状態をス
イッチのON−OFFの組み合わせにより作りうる。
(b)においては、交流出力端子の電位を正端子電位状
態と、負端子電位状態と、中間端子電位状態とをスイッ
チング素子のON−OFF状態により作りうる。
【0020】次に電気量制御手段7の内部構成の具体例
および直流電圧指令生成手段10からの直流電圧指令値
Vdcrをもその入力信号とする電気量制御手段7の制
御動作を図3により説明する。ここでは、d軸、q軸の
2軸成分による制御を行っている。図3において、71
aはd軸成分の電気量指令値drと電気量検出値(帰還
値)dfとを入力信号として動作する制御手段で、扱う
電気量としては、例えばd軸電流Id、有効電力P、有
効電流Ip、d軸電力Pd等が考えられる。71bはq
軸成分の電気量指令値qrと電気量検出値qfとを入力
信号として動作する制御手段で、扱う電気量としては、
例えば、q軸電流Iq、無効電力Q、無効電流Iq、q
軸電力Pq等が考えられる。
【0021】71cは直流電圧指令生成手段10からの
直流電圧指令値Vdcrと電圧検出手段53からの直流
電圧検出値Vdcfとを入力信号として動作する直流電
圧制御手段で、その出力である制御信号xは制御手段7
1aおよび71bの入力信号に加えられる。74a、7
4bはそれぞれ制御手段71a、71bの出力側に挿入
された加減算手段、Vsd、Vsqは交流電圧のd軸お
よびq軸成分、XIqはq軸電流によるリアクタンス電
圧(リアクタンスXとIdとの乗算値)、Vdr、Vq
rはパルス生成手段8へ出力する交流電圧指令のd軸お
よびq軸成分である。
【0022】次に動作について説明する。図3におい
て、制御手段71aはd軸電気量(電流、電力など)の
指令drと検出手段5と前処理手段6から得られる同帰
還量dfとを比較してd軸誤差に応答する制御信号を出
力する。これに、d軸リアクタンス電圧XIqやd軸交
流電圧Vsdなどを加えてパルス生成手段8への交流電
圧指令Vdrを出力する。制御手段71bはq軸電気量
(電流、電力など)の指令qrと検出手段5と前処理手
段6から得られる同帰還量qfとを比較してq軸誤差に
応答する制御信号を出力する。これに、q軸リアクタン
ス電圧XIdやq軸交流電圧Vsqなどを加減してパル
ス生成手段8への交流電圧指令Vqrを出力する。上記
交流電圧指令Vdr、Vqrに基づき、パルス生成手段
8が交直電力変換器ユニット31a、31bの固体スイ
ッチング素子へ与えるパルスを生成する。この結果、前
記実施の形態で示した主回路が働き、d軸電気量又はq
軸電気量が帰還制御される訳である。
【0023】なお、電気量として交流電流を扱う場合、
この電流制御を安全確実に行う上で、変換器電流検出手
段55a、55b(図1)の出力Ia、Ib(変圧器を
考慮した合成により、一次電流Iに代わり得る電流を導
ける)を帰還制御に用いる事が望ましく、これにより変
圧器の磁気飽和の悪影響を軽減できる。
【0024】更に、直流電圧制御手段71cは直流電圧
指令値Vdcrと検出手段5および前処理手段6から得
られる同帰還量Vdcfとを比較して直流電圧誤差に応
答する制御信号xを出力する。この信号xは制御手段7
1a、または71bに与え、有効電流や有効電力など直
流電流や有効電力に関与する変数(有効電流Ipや有効
電力Pや位相に関与する変数、この変数はd軸、q軸の
取り方により変わる。例えば、有効電流・有効電力の指
令値又は帰還値、またはd軸が交流系統の交流電圧ベク
トルと同軸の場合はq軸電圧)を操作(例えば加減)す
る。基準軸と直交する軸の電圧を操作すれば変換器交流
出力電圧の位相が操作される。また、上記の変換器交流
出力電圧の操作は、パルス生成手段8により行うことも
事ができ、点線図示のように直流電圧制御手段71cか
らの制御信号(x)をパルス生成手段8へ与えても良
い。この場合、例えばパルス発生位相を加減したり、パ
ルス生成手段の時間軸基準を加減するなど、パルスパタ
ーン信号の位相を制御するようにしても、有効電流が加
減されるので、直流電圧の制御に使用しうる。
【0025】以上のごとく、直流電圧が制御できるの
で、この指令値Vdcrを可変制御することにより好適
なパルスパターンで定常運転するように出来る。即ち、
電気量指令値(Co)と電気量検出値とに差がある過渡
時は、パルス生成手段8のPWM制御によりパルス幅を
可変として速やかな制御応答が実行されるとともに、定
常状態では、直流電圧が直流電圧指令生成手段10にて
生成される直流電圧指令値Vdcrに落ち着くので、こ
の直流電圧指令値Vdcrに対応する所望パルスパター
ンの運転が実現し、例えば、高調波成分を低くする、ま
た、スイッチング素子の利用率を高めることができる所
望パルスパターンでの定常運転が可能となる訳である。
【0026】次に、直流電圧指令生成手段10により、
所望パルスパターンに関連させて直流電圧指令値Vdc
rを生成する具体的構成例について説明する。先ず、こ
こでは、交流電圧ベクトルVs(例えばVd、Vqを成
分とする)と交流電流ベクトルI(例えばId、Iqを
成分とする)より、例えば次式により直流電圧の指令値
を決める。
【0027】 Vdcr=k|Vs+Z・I| =k|(Vd+R・Id+X・Iq)+j(Vq+R・Iq-X・Id)| ≒k|Vs+jI・X| ………………………(1) ここに、k:回路と所望のパルスパターンとで決まる比
例係数、 X:交流回路リアクタンスと回路で決まる比例係数 R:交流回路の抵抗と回路で決まる比例係数
【0028】すなわち、交流電圧と変圧器インピーダン
ス電圧とのベクトル和の絶対値に係数kを掛ければ、所
望の好適なパルスパターンを維持するのに要する直流電
圧を求める事ができる。このほか、交直電力変換手段3
が発生すべき交流電圧の大きさは系統電圧に最も強く依
存するので、直流電圧指令値Vdcrを交流電圧Vsに
比例させても良い。また、変圧器リアクタンス電圧によ
る変換器電圧の増減は無効電流や無効電力に大きく依存
するので、無効電流によるリアクタンス電圧k・X・I
qを|Vs|や無負荷点直流電圧Vdcoに加える事に
よって{Vdcr≒k(|Vs|+X・Iq)、Vdc
r≒(Vdco+k・X・Iq)}簡単に近似しても良
い。このほか、種々の近似法を採用できる。また、電流
値は指令値や検出値を使うことができる。検出値を使う
場合や指令値が短時間中に速く変動する場合、フィルタ
や時間遅れ要素を通してPWM制御の結果に敏速に反応
させない様にする。また、直流電圧制御系の応答速度や
ゲインを下げても良い。
【0029】さらに、交流電流によるリアクタンス電圧
を考慮して前記の如く直流電圧指令値を変えるのに際し
て、PWM出力電圧が上限値や下限値にかかる場合、交
流電流が指令値に追従しないケースがあり得る。この問
題を回避するには、交流電流指令値を用いて直流電圧指
令を決めた方が良い。以上により、交流電圧Vsや交流
電流や交流電力により、所望パルスパターンとなるよ
う、必要な交流出力電圧と直流電圧とを比例的に制御で
きる。
【0030】次に、図2で説明した変換器回路によって
得られるパルスパターンを図4について説明する。即
ち、図2(a)(b)のスイッチング素子のON−OF
Fの組み合わせにより、図4(a)(b)に示す如く1
パルスPWMまたは多パルスPWMのパルスパターンで
電圧を出力できる。変圧器を使った場合、これらPWM
電圧パターンに適宜位相差を付けたり、積和演算で表さ
れる合成電圧が変圧器の開放一次電圧として得られる。
【0031】(a)の1パルスにおいては、固体スイッ
チング素子のスイッチング回数が基本波の1サイクルに
1回で済むので、変換器損失や固体スイッチング素子損
失が軽減される特長がある。また、固体スイッチング素
子損失が低いので、同一の固体スイッチング素子損失の
条件では、より大きい電流を流しうる特長が得られる。
他方、高調波低減の点で見れば、変圧器4がY△結線さ
れるなど30度の位相差を持つ場合、出力パルス幅φを
変えるのに際して、電圧ゼロ期間の角度αを15度、4
5度、75度、105度、135度、165度((15
+30n)度、但し、n=0、1、2、3、4、5)を
中心に変える事が望ましい。換言すれば、出力パルス幅
φを165度、135度、105度、75度、45度、
15度((180−15−30n)度)を中心に可変に
するのがよい。この理由は、上記角度を動作中心に選ぶ
と、(12(2n−1)±1)次の高調波が大幅に低減
され、かつ、Y△結線で(6(2n−1)±1)次の高
調波が消えているので、ほぼ24相相当の高調波量にま
で低減できる。しかも、三相3レベル変換器ではY△結
線で済むので変圧器及び変圧器への配線が簡潔になる特
長が得られる。変圧器の結線を図示しない2レベル単相
変換器でも高調波が低減され、しかも、変換器ユニット
数や変圧器巻線数が軽減できる。
【0032】変圧器の組み合わせによる30度の位相差
が得られない場合には、(6(2n−1)±1)次の高
調波を抑制するパルスパターンを設定する必要がある。
このときの出力パルス幅φは、上記の表現に従えば、1
50度、90度、30度((180−30−60n)
度、但し、n=0、1、2)を中心に可変するのがよ
い。
【0033】上記、高調波低減に有利なパルス幅を中心
としてPWM制御するために、前記の直流電圧の可変制
御が極めて有効である。すなわち、出力すべき交流出力
電圧に比例する直流電圧指令を与えたので、過渡的にパ
ルス幅が変わるが、定常状態ではほぼ同一の所望パルス
パターンに戻った状態で運転が続くことになる。換言す
れば、変調度がほぼ同一となるように直流電圧を可変制
御している訳である。
【0034】図4(b)の多パルスの場合、パルスの幅
φa、φbやその発生位相θa、θb、(π−θa)を
変えるのに際して、あらかじめ計算されたパターンにす
る事により、特定高調波を消去したり少なくする条件を
保ちながら基本波出力を変え得る。消去する特定高調波
として5、7、11次高調波を選べば、変圧器による位
相差も不要にできる場合もあり得る。すなわち、一巻線
でもすむ。換言すれば、変換器用変圧器無しまたは3レ
ベル変換器1台で済ませ得る場合もあり得る。また、Y
△結線で(6(2n−1)±1)次の高調波を消してお
き、パルスパターンで11、13次高調波を消去しなが
ら(3パルスでは23または25次を消すか、または2
3、25次の両方を少々軽減する事も可能)基本波を変
え得る。この場合、さらに高い次数の高調波まで低減で
きる。さらに、前記説明の通り、必要な交流出力電圧に
比例的に直流電圧を可変にする事により、過渡的にパル
ス幅が変わるが、定常状態ではほぼ同一の所望パルスパ
ターンに戻った状態で運転が続くことになる。換言すれ
ば、変調度がほぼ同一となるように直流電圧を可変制御
している訳である。従って、変調度(AC電圧/DC電
圧比率)の高い状態や高調波にとって好適な状態で定常
運転できる。
【0035】上記実施の形態により、固体スイッチング
素子の通電時間幅を可変にして上記交流端子の交流出力
を制御すると共に、同時間帯にリアルタイムに直流電圧
が所望パルスパターンに対応する直流電圧指令値になる
よう直流電圧を可変制御する手段を備えたので、定常状
態では交直電力変換手段の交流出力電圧と直流電圧とが
比例的に変化する。このため、パルスパターンを有利な
変調度(または出力電圧比率)の状態(所望パルスパタ
ーン)で定常運転できる効果が得られる。交流電圧に交
流電流によるインピーダンス電圧を加えた電圧に基づき
直流電圧指令を生成する事により、上記AC電圧とDC
電圧との関係を一層好適にできる。
【0036】実施の形態2.この発明による他の一実施
形態による構成図を図5に示す。図において、制御手段
7の内部の電流制御手段の出力など変換器の交流出力電
圧指令と見なせる出力Vacrが存在する。例えば、図
3のVdr、Vqrがこれに当たり、これら電圧ベクト
ルがあるのでVacr=Vdr+jVqrとして交流電
圧ベクトルが表される。従って、(1)式の(Vs+Z
・I)に代えて、上記交流電圧ベクトルVacr=Vd
r+jVqrを代入すれば良い。すなわち、直流電圧指
令生成手段10は電気量制御手段7から交流出力電圧指
令Vacrを得ることが出来るので、この絶対値を演算
して比例係数kを掛ければ、直流電圧指令値Vdcrを
出力できる。
【0037】図5(a)は、電気量制御手段7内で得ら
れる交流出力電圧指令値Vdr、Vqrから直流電圧指
令値Vdcrを求める場合の要部を示す構成図である。
図に示すように、交流出力電圧指令値Vdr、Vqrを
直接、直流電圧指令生成手段10へ送出して、直流電圧
指令生成手段10内でVdcr=k・|Vacr|の演
算をしてもよいが、電気量制御手段7内に絶対値演算手
段72を設け、絶対値|Vacr|の出力を直流電圧指
令生成手段10へ送出するようにしてもよい。絶対値演
算手段72では、ベクトル要素Vdr、Vqrの二乗の
和の平方根を演算する。但し、制御座標が固定子座標
で、交流信号の場合は、整流後の平均値を取るようにし
てもよい。
【0038】この場合の電圧関係を図5(b)に示す。
同図において、Vdcoは動作中心とする直流電圧、Δ
Vdcrはこれを中心に変化させる場合の直流電圧変化
分を表す。また、必要に応じて上限値UL、下限値LL
を付けるリミッタを付加しても良い。直流電圧の極端な
変動による制御系の乱れを未然に防止する効果がある。
また、直流電圧指令値Vdcr、ΔVdcrの出力また
は演算、或いは交流電圧指令Vacrの入力に当たっ
て、電気量制御手段7への干渉による不安定を避けるた
め、時間遅れ要素やフィルタほか安定化伝達関数を介し
て入出力または演算するようにしてもよい。上記のほ
か、他の目的で交流出力電圧絶対値が演算される場合、
その絶対値|Vacr|を直流電圧指令生成手段10へ
入力しても良いことは言うまでもない。
【0039】その他の作用は前記実施の形態1と同様で
ある。すなわち、動的にはPWMにより基本制御を行
い、定常状態においては直流電圧制御により、パルスパ
ターンが好適な状態へ収束させるという作用は前記実施
例と同じである。
【0040】前記実施の形態1と同様の効果が得られ
る。また、電気量制御手段7内の変数により直流電圧を
変えるべき指令を演算できる。
【0041】実施の形態3.この発明による交直電力変
換装置の他の一実施形態を示す構成図を図6(a)に示
す。図において、電気量制御手段7内の変数からパルス
パターンとの相関が大きいパルス幅の時間比率Rまたは
変調度合Mに係る変数がある。ここで、時間比率Rと
は、例えば、先の図4(a)で示すパルスパターンの場
合、(パルス幅時間/半周期時間)=φ/πや(零時間
/半周期時間)=α/π等で表現される概念である。ま
た、変調度合Mは例えば、PWM制御における、変調度
=(変調信号振幅値/キャリア信号振幅値)やこれに相
当する概念である。電気量検出手段5から電気量の情報
が入力されているので、例えば、比率演算手段73によ
り、前記交流出力電圧指令の絶対値|Vacr|と直流
電圧(Vdc/k)との比や交流電圧Vs、更には変換
器交流出力電圧指令値の絶対値|Vacr|との比を求
め、この比から変調度合Mまたは時間比率Rが演算でき
る。さらにまた、パルス生成手段8のパルスパターン信
号にも同様に変調度合Mまたは時間比率Rに関する情報
が含まれている。従って、パルスパターン信号M’、
R’を入力して、これを分析して変調度合Mまたは時間
比率Rを演算する手段13を直流電圧指令生成手段10
に設けても良い。
【0042】次に動作について説明する。動的にはPW
Mにより基本制御を行い、定常状態においては直流電圧
制御により、パルスパターンが好適な状態へ収束させる
作用は前記実施例と同じである。次に、上記変調度合M
または時間比率Rを用い、同図(b)に示す如く動作中
心点Poを中心にして、比例的関係折れ線Fa.Fbで
示される直流電圧指令値Vdcrを出力する。即ち、直
流電圧指令生成手段10は、変調度合Mまたは時間比率
Rが動作中心点Poに相当する値(換言すると所望パル
スパターンに対応する値)からずれた場合、このずれ量
が減少する方向に直流電圧指令値Vdcrが変化するよ
う予め設定された、変調度合Mまたは時間比率Rと直流
電圧指令値Vdcrとの関係特性を備えており、この関
係特性に基づき、直流電圧指令値Vdcrを出力する。
上記関係特性は、具体的には、関数テーブルやリミッタ
付き比例増幅器で容易に実現することができる。ここ
で、勾配を高くすれば(Fa→Fb)、ゲインが高くな
り、定常運転中の変調度合Mまたは時間比率Rを限られ
た狭い目標動作点へ近づけ得る。従って、前記実施例と
同じく動作中心点Poを高調波や交流出力電圧/直流電
圧比の点で有利な点に選んで置けば、前記実施の形態
1、2と同様の作用効果が得られる。
【0043】所望の変調度合Mまたは時間比率Rに近づ
ける様に直流電圧指令を決めることが出来るので、前記
実施の形態1、2と同様の効果が得られる。また、この
実施の形態においては、電気量制御手段7内の変数だけ
でなく、パルス生成手段8のパルスパターン信号やその
他の内部情報、更には固体スイッチング素子のゲートパ
ルス情報からも直流電圧を変えるべき指令を演算でき
る。
【0044】実施の形態4.この発明による交直電力変
換装置の他の一実施形態を示す構成図を図7(a)に示
す。図において、電気量制御手段7内の変数やパルス生
成手段8からパルスパターンとの相関の高いパルス幅の
時間比率Rまたは変調度合Mに係る変数がある事を応用
する点は前記実施の形態3(図6)と同じである。ここ
では、所望パルスパターンに対応するパルス幅の時間比
率Rまたは変調度合Mの値を指令値Rr、Mrとして与
え、直流電圧指令生成手段10により、上記所望時間比
率Rrまたは変調度合Mrとなるよう直流電圧指令値V
dcrを制御する。この具体例を図7(b)に示す。す
なわち、PI制御器などのレギュレータ11を用い、必
要に応じて加減手段12を付加し、変化分ΔVdcrと
ベース値Vdcoとの加減により、直流電圧指令値Vd
crを決めることができる。変化分ΔVdcrで指令す
るか、直流電圧Vdcrで指令するかは自由である。ま
た、前記実施の形態1、2、3においても同様にVdc
r、ΔVdcrのいずれで指令しても良い。
【0045】次に動作について説明する。動的にはPW
Mにより基本制御を行い、定常状態においては直流電圧
制御により、パルスパターンが好適な状態へ収束させる
作用は前記実施例と同じである。実施の形態4において
は、時間比率Rまたは変調度合M自体が所望の指令値R
r、Mrになるよう帰還制御系を構成したので、一層直
接的にパルス時間比率Rや変調度合Mを制御する事が出
来る。しかも、レギュレータ11により動特性を自由に
合せやすく、且つ、ハイゲイン要素または積分制御要素
を付加できるので、定常運転中のパルスパターンやパル
ス幅の時間比率Rまたは変調度合Mを目標値へ高精度に
合わせ込む事が出来る。
【0046】前記実施の形態3と同様の効果が得られ、
さらに、パルスパターンやパルス幅の時間比率Rまたは
変調度合Mが好適な値になるよう高精度に調整できる効
果が得られる。
【0047】なお、以上の各実施の形態では、制御の具
体的方法を分かりやすくするため単純なもので説明した
が、制御手段や数学的処理が変形自由なように多数の変
形があり得る。それら変形はこの発明から排除されるも
のではない。即ち、例えば、交流系統1についていえ
ば、三相に限らず、単相交流系等でもよく、また、交直
電力変換手段3は必ずしも変圧器4を介して交流系統1
に接続する場合に限らず、交流系統1に直接接続する回
路構成の場合にあっては、この発明は同様に適用するこ
とができ同等の効果を奏する。更に、交直電力変換器ユ
ニット31の構成も図2に示すものに限られるものでは
ない。
【0048】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る交直電力
変換装置は、パルスパターン信号に基づきオンオフ制御
されるスイッチング素子を備え交流側と直流側との間で
電力を変換する交直電力変換手段、上記直流電圧および
上記交直電力変換手段に係る電気量を検出する検出手
段、電気量指令値と電気量検出値とを入力として動作し
制御信号を出力する電気量制御手段、およびこの電気量
制御手段からの制御信号に基づきPWM制御による上記
パルスパターン信号を生成するパルスパターン生成手段
を備えた交直電力変換装置において、上記パルスパター
ン信号が所望パルスパターンになるような直流電圧指令
値を生成する直流電圧指令生成手段を備え、上記直流電
圧が上記直流電圧指令値となるよう上記直流電圧を制御
するようにしたので、過渡時の動的な制御性能はPWM
制御により必要な応答特性を確保すると共に、定常時は
所望のパルスパターンで動作させることができる。従っ
て、定常運転時の高調波を軽減することができる。ま
た、高調波発生条件を同一とすると変換器回路の構成を
簡素化できる。また、スイッチング素子の利用率を高め
てその定格仕様の軽減を図ることができる。
【0049】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その直流電圧指令値と直流電圧検出値とを入力とし
て動作し制御信号を出力する直流電圧制御手段を備え、
この直流電圧制御手段からの制御信号を電気量制御手段
の入力信号に加えるようにしたので、直流電圧制御手段
および電気量制御手段の帰還動作により定常時の直流電
圧が所定の指令値となるよう確実な制御動作が得られ
る。
【0050】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その直流電圧指令値と直流電圧検出値とを入力とし
て動作し制御信号を出力する直流電圧制御手段を備え、
この直流電圧制御手段からの制御信号に基づきパルスパ
ターン信号の位相を制御するようにしたので、パルスパ
ターン生成手段の位相制御動作により、定常時の直流電
圧が所定の指令値となるよう確実な制御動作が得られ
る。
【0051】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量として交直電力変換手段の交流電圧およ
び交流電流を扱うものとし、直流電圧指令生成手段は、
下式の演算により直流電圧指令値を生成するようにした
ので、交流電圧と直流電圧との比を、所望パルスパター
ンに対応する所望の値に保つことができる。 Vdcr=k・|Vs+Z・I| 但し、Vdcr:直流電圧指令値 k:回路と所望パルスパターンとで決まる比例係数 Vs:交流電圧検出値(ベクトル) Z:回路のインピーダンス I:交流電流検出値または指令値(ベクトル)
【0052】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量として交直電力変換手段の交流電圧を扱
うものとし、直流電圧指令生成手段は、下式の演算によ
り直流電圧指令値を生成するようにしたので、交流電圧
と直流電圧との比を、所望パルスパターンに対応する所
望の値に保つことができる。 Vdcr=k・|Vacr| 但し、Vdcr:直流電圧指令値 k:回路と所望パルスパターンとで決まる比例係数 |Vacr|:電気量制御手段から出力される制御信号
である交流電圧制御指令値(ベクトルの絶対値)
【0053】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量制御手段からの制御信号またはパルスパ
ターン生成手段からのパルスパターン信号に基づきパル
ス幅変調に係る変調度合Mまたは時間比率Rを生成する
手段を備え、直流電圧指令生成手段は、上記変調度合M
または時間比率Rが所望パルスパターンに対応する値か
らずれた場合このずれ量が減少する方向に直流電圧指令
値が変化するよう予め設定された、変調度合Mまたは時
間比率Rと直流電圧指令値との関係特性を備え、この関
係特性に基づき、上記生成された変調度合Mまたは時間
比率Rに対応する直流電圧指令値を出力するようにした
ので、変調度合Mまたは時間比率Rを、所望パルスパタ
ーンに対応する値に保つことができる。
【0054】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その電気量制御手段からの制御信号またはパルスパ
ターン生成手段からのパルスパターン信号に基づきパル
ス幅変調に係る変調度合Mまたは時間比率Rを生成する
手段を備え、直流電圧指令生成手段は、上記生成された
変調度合Mまたは時間比率Rと所望パルスパターンに対
応する変調度合Mまたは時間比率Rとの偏差が減少する
よう直流電圧指令値信号を出力する直流電圧指令値制御
手段を備えたので、変調度合Mまたは時間比率Rを、所
望パルスパターンに対応する値に保つことができる。
【0055】また、この発明に係る交直電力変換装置の
直流電圧指令生成手段は、その生成出力を所定の範囲内
に制限するリミッタ機能を備えたので、直流電圧の極端
な変動による制御系の乱れを未然に防止することができ
る。
【0056】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、その交流線路が三相の場合、所望パルスパターン
は、交流電圧1サイクル1回のパルスで、そのパルス幅
を(180−30−60n)度(但し、n:0、1、
2)とするパルスパターンので、定常運転時の高調波の
発生量が効果的に抑制される。
【0057】また、この発明に係る交直電力変換装置
は、一次巻線が三相の交流線路に接続され互いに30度
の位相差を設けた2つの二次巻線を有する変圧器を備
え、この変圧器の各二次巻線に交直電力変換手段を接続
する場合、所望パルスパターンは、交流電圧1サイクル
1回のパルスで、そのパルス幅を(180−15−30
n)度(但し、n:0、1、2、3、4、5)とするパ
ルスパターンので、変圧器の位相差による効果と相俟っ
て定常運転時の高調波の発生量が一層抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における交直電力変
換装置を示す構成図である。
【図2】 図1の交直電力変換器ユニットの内部構成例
を示す図である。
【図3】 図1の電気量制御手段の内部構成例を示す図
である。
【図4】 図2の交直電力変換器ユニットで得られるパ
ルスパターンを示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2における交直電力変
換装置を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3における交直電力変
換装置を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4における交直電力変
換装置を示す図である。
【図8】 従来の交直電力変換装置を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 交流系統、2 直流系統、3 交直電力変換手段、
31a,31b 交直電力変換器ユニット、4 変圧
器、41 一次巻線、42a,42b 二次巻線、5
電気量検出手段、53 直流電圧検出手段、7 電気量
制御手段、71a,71b 制御手段、71c 直流電
圧制御手段、8 パルス生成手段、10 直流電圧指令
生成手段、11 レギュレータ、Sa〜Sd スイッチ
ング素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02M 7/5387 H02M 7/5387 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルスパターン信号に基づきオンオフ制
    御されるスイッチング素子を備え交流側と直流側との間
    で電力を変換する交直電力変換手段、上記直流電圧およ
    び上記交直電力変換手段に係る電気量を検出する検出手
    段、電気量指令値と電気量検出値とを入力として動作し
    制御信号を出力する電気量制御手段、およびこの電気量
    制御手段からの制御信号に基づきPWM制御による上記
    パルスパターン信号を生成するパルスパターン生成手段
    を備えた交直電力変換装置において、 上記パルスパターン信号が所望パルスパターンになるよ
    うな直流電圧指令値を生成する直流電圧指令生成手段を
    備え、上記直流電圧が上記直流電圧指令値となるよう上
    記直流電圧を制御するようにしたことを特徴とする交直
    電力変換装置。
  2. 【請求項2】 直流電圧指令値と直流電圧検出値とを入
    力として動作し制御信号を出力する直流電圧制御手段を
    備え、この直流電圧制御手段からの制御信号を電気量制
    御手段の入力信号に加えるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の交直電力変換装置。
  3. 【請求項3】 直流電圧指令値と直流電圧検出値とを入
    力として動作し制御信号を出力する直流電圧制御手段を
    備え、この直流電圧制御手段からの制御信号に基づきパ
    ルスパターン信号の位相を制御するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の交直電力変換装置。
  4. 【請求項4】 電気量として交直電力変換手段の交流電
    圧および交流電流を扱うものとし、直流電圧指令生成手
    段は、下式の演算により直流電圧指令値を生成するよう
    にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の交直電力変換装置。 Vdcr=k・|Vs+Z・I| 但し、Vdcr:直流電圧指令値 k:回路と所望パルスパターンとで決まる比例係数 Vs:交流電圧検出値(ベクトル) Z:回路のインピーダンス I:交流電流検出値または指令値(ベクトル)
  5. 【請求項5】 電気量として交直電力変換手段の交流電
    圧を扱うものとし、直流電圧指令生成手段は、下式の演
    算により直流電圧指令値を生成するようにしたことを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の交直電力
    変換装置。 Vdcr=k・|Vacr| 但し、Vdcr:直流電圧指令値 k:回路と所望パルスパターンとで決まる比例係数 |Vacr|:電気量制御手段から出力される制御信号
    である交流電圧制御指令値(ベクトルの絶対値)
  6. 【請求項6】 電気量制御手段からの制御信号またはパ
    ルスパターン生成手段からのパルスパターン信号に基づ
    きパルス幅変調に係る変調度合Mまたは時間比率Rを生
    成する手段を備え、直流電圧指令生成手段は、上記変調
    度合Mまたは時間比率Rが所望パルスパターンに対応す
    る値からずれた場合このずれ量が減少する方向に直流電
    圧指令値が変化するよう予め設定された、変調度合Mま
    たは時間比率Rと直流電圧指令値との関係特性を備え、
    この関係特性に基づき、上記生成された変調度合Mまた
    は時間比率Rに対応する直流電圧指令値を出力するよう
    にしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の交直電力変換装置。
  7. 【請求項7】 電気量制御手段からの制御信号またはパ
    ルスパターン生成手段からのパルスパターン信号に基づ
    きパルス幅変調に係る変調度合Mまたは時間比率Rを生
    成する手段を備え、直流電圧指令生成手段は、上記生成
    された変調度合Mまたは時間比率Rと所望パルスパター
    ンに対応する変調度合Mまたは時間比率Rとの偏差が減
    少するよう直流電圧指令値信号を出力する直流電圧指令
    値制御手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の交直電力変換装置。
  8. 【請求項8】 直流電圧指令生成手段は、その生成出力
    を所定の範囲内に制限するリミッタ機能を備えたことを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の交直電
    力変換装置。
  9. 【請求項9】 交流線路が三相の場合、所望パルスパタ
    ーンは、交流電圧1サイクル1回のパルスで、そのパル
    ス幅を(180−30−60n)度(但し、n:0、
    1、2)とするパルスパターンであることを特徴とする
    請求項1ないし8のいずれかに記載の交直電力変換装
    置。
  10. 【請求項10】 一次巻線が三相の交流線路に接続され
    互いに30度の位相差を設けた2つの二次巻線を有する
    変圧器を備え、この変圧器の各二次巻線に交直電力変換
    手段を接続する場合、所望パルスパターンは、交流電圧
    1サイクル1回のパルスで、そのパルス幅を(180−
    15−30n)度(但し、n:0、1、2、3、4、
    5)とするパルスパターンであることを特徴とする請求
    項1ないし8のいずれかに記載の交直電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009261169A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Daikin Ind Ltd コンバータの制御方法

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JP2009261169A (ja) * 2008-04-18 2009-11-05 Daikin Ind Ltd コンバータの制御方法

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