JP2000132867A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2000132867A
JP2000132867A JP10321332A JP32133298A JP2000132867A JP 2000132867 A JP2000132867 A JP 2000132867A JP 10321332 A JP10321332 A JP 10321332A JP 32133298 A JP32133298 A JP 32133298A JP 2000132867 A JP2000132867 A JP 2000132867A
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Hideki Hirata
秀樹 平田
Tatsuya Kato
達也 加藤
Takeshi Komaki
壮 小巻
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貼り合わせ型の相変化型光記録媒体におい
て、オーバーライト時に記録マークとそれ以外の領域と
の間の光吸収率の差に起因して生じる記録マークの歪み
を、光透過性の高い反射層を設けることにより防ぎ、か
つ、接着層界面の凹凸に起因するジッター増大、トラッ
クサーボ不良およびフォーカスサーボ不良を防ぐ。 【解決手段】 少なくとも一方の表面に記録層と反射層
と光吸収層とをこの順で有する一対の基板を、接着層を
介して貼り合わせた構成を有し、記録層が光透過性を有
する相変化型のものであり、光吸収層が光吸収性を有す
るものであり、反射層が光透過性を有するものであり、
記録・再生波長における接着層の光透過率をTaとした
ときTa≧80%であり、記録・再生波長における光記
録媒体の光透過率をTdとしたときTd≦10%である
光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化型の光記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度記録が可能で、しかも記録
情報を消去して書き換えることが可能な光記録媒体が注
目されている。書き換え可能型の光記録媒体のうち相変
化型のものは、レーザー光を照射することにより記録層
の結晶状態を変化させて記録を行い、このような状態変
化に伴なう記録層の反射率変化を検出することにより再
生を行うものである。相変化型の光記録媒体は単一の光
ビームの強度を変調することによりオーバーライトが可
能であり、また、駆動装置の光学系が光磁気記録媒体の
それに比べて単純であるため、注目されている。
【0003】相変化型光記録媒体では、結晶−非結晶間
の反射率差を利用するため、記録マーク以外の領域(結
晶状態)における記録層の吸収率(Ac)と記録マーク
(非結晶状態)における記録層の吸収率(Aa)とが異
なることが多く、一般にAc<Aaとなっている。この
ため、オーバーライト領域が結晶であったか非結晶であ
ったかによって記録感度および消去率が異なることにな
る。この結果、オーバーライトによって形成される記録
マークに長さおよび幅のばらつきが生じて、ジッターが
大きくなり、エラーとなることもある。高密度化のため
に記録マークの両端に情報を担持させるマークエッジ記
録を行っている場合には、記録マークの長さの変動の影
響を受けやすいため、エラーが多くなってしまう。この
問題を解決するためには、Ac=Aaとするか、潜熱の
影響を考慮してAc>Aaとする必要がある。このため
には、記録層やそれを挟んで設けられる誘電体層の厚さ
を制御すればよいが、通常の構造の媒体では、Ac≧A
aとすると、記録マーク以外の領域における媒体からの
反射率(Rc)と記録マークにおける媒体からの反射率
(Ra)との差が小さくなって、C/Nが低くなるとい
う問題が生じてしまう。
【0004】このような事情から、例えば特開平5−2
98747号公報では、記録層上に誘電体層を介してA
uまたはAu合金からなる薄い(厚さ15nm以下)反射
層を設ける提案がなされている。同公報では、△A(=
Ac−Aa)として5%以上、△R(=Rc−Ra)と
して15%以上の値が得られている。
【0005】また、特開平8−124218号公報で
は、基体上に第1誘電体層、記録層、第2誘電体層、反
射層、第3誘電体層、紫外線硬化樹脂層を順に積層した
構成の光学情報記録媒体において、Ac>Aaとし、反
射層として透過性の極薄金属膜、SiまたはGeを用
い、第3誘電体層として屈折率が1.5より大きな誘電
体を用いる旨の提案がなされている。光透過性の反射層
と高屈折率の第3誘電体層とを設けることにより、Rc
−Raを大きく保ったままAc/Aaを大きくすること
が可能となる。
【0006】ところで、近年、DVDに代表されるよう
に、記録密度を向上させるために記録・再生波長を短く
したり、記録・再生光学系の対物レンズの開口数(N
A)を大きくしたりすることにより、記録・再生時のビ
ームスポット径を小さくすることが行われている。しか
し、高NA化によってチルトマージンが小さくなってし
まう。そこで、DVDではチルトマージンを確保するた
め、基板の厚さを従来の光ディスクの約半分(0.6m
m)としている。このため、基板の剛性が低くなるの
で、2枚の基板を貼り合わせることが必須となってい
る。
【0007】しかし、上記各公報に記載されているよう
な光透過性の高い反射層を設け、かつ、貼り合わせ基板
を用いると、次のような問題が生じる。2枚の基板の貼
り合わせには、ロールコート法やスクリーンコート法に
より形成した接着層を利用するが、接着層中の添加物
(微粒子等)や、接着層の塗布むら(主に筋状のもの)
によって透過光が散乱し、これが光ピックアップに戻っ
てノイズとなるため、ジッター増大やトラックサーボ不
良、フォーカスサーボ不良の要因となる。また、接着層
表面の凹凸(塗布むら)が基板表面の平滑性に影響を与
え、フォーカスエラーの増大を招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、貼り
合わせ型の相変化型光記録媒体において、オーバーライ
ト時に記録マークとそれ以外の領域との間の光吸収率の
差に起因して生じる記録マークの歪みを、光透過性の高
い反射層を設けることにより防ぎ、かつ、接着層界面の
凹凸に起因するジッター増大、トラックサーボ不良およ
びフォーカスサーボ不良を防ぐことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(5)のいずれかの構成により達成される。 (1) 少なくとも一方の表面に記録層と反射層と光吸
収層とをこの順で有する一対の基板を、接着層を介して
貼り合わせた構成の光記録媒体であって、前記記録層が
光透過性を有する相変化型のものであり、前記光吸収層
が光吸収性を有するものであり、前記反射層が光透過性
を有するものであり、記録・再生波長における前記接着
層の光透過率をTaとしたとき Ta≧80% であり、記録・再生波長における前記光記録媒体の光透
過率をTdとしたとき Td≦10% である光記録媒体。 (2) 前記光吸収層が染料を含有する紫外線硬化型樹
脂により形成されたものであり、前記光吸収層の光透過
率が、波長域S(波長400〜450nm)において85
%以上であり、記録・再生波長において55%以下であ
り、波長域L(800〜830nm)において80%以上
である上記(1)の光記録媒体。 (3) 前記光吸収層の基体側に、前記光吸収層に接し
て透明樹脂層を有する上記(1)または(2)の光記録
媒体。 (4) 前記接着層が、スピンコート法により形成され
たものである上記(1)〜(3)のいずれかの光記録媒
体。 (5) 前記接着層が紫外線硬化型アクリル樹脂から構
成される上記(1)〜(4)のいずれかの光記録媒体。
【0010】
【作用および効果】本発明では、図1および図2に示す
ような、基体2表面側に記録層4を有し、基体裏面側か
ら再生光が入射する構成の相変化型光記録媒体におい
て、記録層表面側に光透過率の高い反射層5を設ける。
これにより、オーバーライト時に記録マーク以外の領域
(結晶質)と記録マーク(非結晶)との間の光吸収率の
差に起因して生じる記録マークの歪みを防ぐ。
【0011】本発明では、反射層5の表面側に、記録・
再生波長において吸収を示す光吸収層6を設け、さら
に、この光吸収層6の表面側に、接着層7を設ける。光
ピックアップから出射され、基体2を通って接着層7と
光吸収層6との界面および接着層7の表面に到達した
後、そこで反射して光ピックアップに戻る光は、光吸収
層6を2回通過するため、大きく減衰する。このため、
接着層7の両界面に存在する塗布むらや、接着層中の気
泡などに起因する乱反射光が光ピックアップにほとんど
戻らなくなり、ノイズが著しく減少してジッター増大や
トラックサーボ不良、フォーカスサーボ不良が顕著に減
少する。なお、光吸収層6の光吸収性は、記録・再生波
長における媒体全体の光透過率Tdが10%以下となる
ように設定される。Tdが10%を超えるような光透過
性の高い光吸収層を設けた場合、上述した効果が得られ
なくなる。
【0012】本発明ではさらに、接着層7の光透過率T
aを80%以上と高くする。この光透過率Taは、光記
録媒体に接着層を形成する方法と同じ方法で透明基板上
に形成した接着層で測定する。接着層7の表面が塗布む
ら等により荒れていたり、接着層中に気泡が存在してい
たりすると、光が散乱するためTaが低くなる。このよ
うな接着層を有する基体同士を貼り合わせると、表面の
荒れや気泡の存在が基体2の表面性に反映されるので、
フォーカスエラー信号にノイズが乗って記録が正確にで
きなくなり、ビットエラーレート(BER)が増大して
しまう。本発明者らは、Taを80%以上とすることに
より、BERが臨界的に減少することを見いだした。す
なわち、光透過性の反射層を有する貼り合わせ型光記録
媒体では、反射層と接着層との間に単に光吸収層を設け
るだけではフォーカスエラー信号に乗るノイズを著しく
減少させることはできない。
【0013】本発明の好ましい態様では、短波長域(波
長域S)、記録・再生光の波長および長波長域(波長域
L)のそれぞれにおいて、以下に説明する光透過率をも
つように構成される。
【0014】上記波長域Sは紫外線硬化型樹脂を硬化さ
せるための光の波長域に相当する。本発明の好ましい態
様では、この波長域において光吸収層の光透過率が一定
値以上の高い値を示す。このため、紫外線硬化型樹脂を
含む光吸収層の硬化が十分に行える。
【0015】本発明の好ましい態様では、記録・再生波
長において、光吸収層の光透過率は一定値以下の値を示
す。このため、記録・再生の際に接着層側から基体側に
戻る反射光が低減され、上述した効果を生む。
【0016】上記波長域Lは初期化に用いるバルクイレ
ーザーの波長域に相当する。バルクイレーザーは、出力
の高いガスレーザーや半導体レーザーのビームをあまり
絞らずに照射して、多数のトラックを一挙に結晶化させ
ることが可能な装置であり、相変化型光記録媒体の初期
化を工業的に行うためには最も適当な手段である。バル
クイレーザーでは、記録層を限定的に加熱できるため基
体の温度上昇が小さくなるので、耐熱性の低い樹脂基体
の利用が可能となる。本発明の好ましい態様では、光吸
収層は波長域Lにおいて一定値以上の透過率を示す。す
なわち、バルクイレーザーから照射される大パワーレー
ザー光の吸収が少ないので、初期化の際に光吸収層の発
熱が抑えられ、熱による悪影響、例えばジッターの増大
や基体の変形などを防ぐことができる。
【0017】波長域Lの光透過率が好ましい範囲内であ
ってもやや低い場合、バルクイレーザーにより光吸収層
が発熱し、これが誘電体層や記録層に悪影響を及ぼすこ
とがあるが、光吸収層の基体側に光吸収層に接して透明
樹脂層を設ければ、光吸収層から誘電体層や記録層に到
達する熱を軽減できる。
【0018】なお、相変化型光記録媒体に光吸収層を設
けることについては、例えば以下に挙げるような提案が
なされている。
【0019】特公平5−44741号公報には、着色剤
を紫外線硬化型樹脂の中に混入して光吸収層を形成する
ことが記載されている。同公報では、雑音レベルが低
く、耐久性のよい光学的記録素子を得ることができると
している。同公報の実施例1では、ニトロセルロースを
主成分としたラッカー塗料にアニリンブラックを混入
し、溶剤を加えてスピンナーにより回転塗布して光吸収
層を形成し、記録部材を得ている。そして、同様にして
形成した記録部材を、ロールコータ塗布により形成した
粘着性ホットメルト型接着剤で貼り合わせ、両面記録型
の光学的記録素子を得ている。同公報において着色剤
は、読み出し光の波長の光を吸収することが重要である
とされ、具体例として、カーボンブラック、鉄黒、グラ
ファイト、アニリンブラック等の黒色のものが挙げら
れ、さらに、読み出し光にHe−NeレーザーまたはA
rレーザーを用いる場合には、黒色のものに加えて、フ
タロシアニンブルーやコバルトブルー、グンジョウ等の
青色着色剤も効果的であるとされている。
【0020】しかし、同公報には、粘着性ホットメルト
型接着剤からなる接着層の光透過率は記載されていな
い。本発明者らの研究によれば、ロールコータにより形
成した粘着性ホットメルト型接着剤層では表面を平滑に
することが難しい。このため、前記光透過率Taが50
%未満となってしまい、媒体全面においてフォーカスエ
ラー信号にノイズが発生し、BERが増大してしまう。
【0021】また、同公報に具体例として挙げられてい
る着色剤のうち黒色のものは、本発明の好ましい態様に
おける透過率の限定を満足しない。黒色の着色剤は、吸
収スペクトルが実質的にピークをもたないブロードなも
のである。このため、記録・再生波長における透過率を
低くすると、上記波長域Sにおける透過率が低くなりす
ぎるため、紫外線硬化型樹脂と組み合わせて光吸収層を
形成したときに、樹脂の硬化が不十分となってしまう。
また、上記波長域Lにおける透過率も低くなりすぎるた
め、バルクイレーザーによる初期化の際に光吸収層の発
熱が多くなり、樹脂製基体の変形などの問題が生じる。
【0022】また、同公報では、フタロシアニンブルー
などの青色着色剤の透過スペクトルは明示されておら
ず、これらの青色着色剤の上記波長域S、記録・再生波
長および上記波長域Lにおける透過率が本発明の好まし
い態様における限定を満足するかどうかは不明である。
フタロシアニンブルーは本発明で好ましく用いられる染
料の1種であるが、フタロシアニンブルーでは、導入す
る置換基によって吸収ピーク波長が移動するため、単に
フタロシアニンブルーを用いただけでは本発明の好まし
い態様における効果は実現しない。また、コバルトブル
ー(CoO・nAl23)およびグンジョウ[Na6
6(SiO46・2Na3SO4]は、樹脂に不溶であ
るため、好ましくない。また、同公報には、反射層を設
ける旨の記載もない。
【0023】なお、同公報には、光吸収層と記録部材と
の間に透光性を有する界面分離層を設けることが記載さ
れている。この界面分離層は、顔料等の粒子性の着色剤
を光吸収層に混入させた場合に生じる乱反射の影響を軽
減するためのものであり、本発明において設けられる透
明樹脂層とは作用効果が異なるものである。
【0024】特公平3−79770号公報では、情報記
録媒体を接着層により貼り合わせてなる光学的記録素子
において、接着層に不透明な染料あるいは顔料を混入す
ることが提案されている。同公報において接着層を不透
明とするのは、張り合わせた記録媒体の表面状態(例え
ば、接着層との界面における気泡や形成むら)に応じた
乱反射成分がS/NやC/Nを劣化させることを防ぐた
めであり、この点では本発明に類似する。しかし、同公
報において不透明な顔料あるいは染料として例示されて
いるのはカーボンブラックおよびアニリンブラックであ
る。これら黒色の顔料および染料は、透過スペクトルが
ブロードであるため、上記したように本発明の好ましい
態様における効果は実現しない。また、同公報記載の発
明は、光吸収層を設けず、接着層を不透明とする点で本
発明とは異なり、このため、接着層の塗布むらの影響を
軽減する効果が本発明よりも小さくなる。また、同公報
には、光透過性を有する反射層を設ける旨の記載はな
い。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明が適用される光記録媒体の
具体的な構成例を、図1および図2に示す。図1に示す
光記録媒体は、基体2上に第1誘電体層31、記録層
4、第2誘電体層32、反射層5、第3誘電体層33お
よび光吸収層6をこの順に設けた片面記録型(単板型)
媒体を2枚用い、光吸収層6が内側になるように接着層
7により接着した両面記録型のものである。図2に示す
光記録媒体は、第3誘電体層33と光吸収層6との間に
透明樹脂層8を設けたほかは、図1に示す光記録媒体と
同様な構成である。
【0026】ただし、本発明は、片面記録型媒体の上
に、接着層を介して保護基体を接着した、貼り合わせ型
の片面記録型媒体にも適用できる。
【0027】以下、各層の構成について説明する。
【0028】接着層7 接着層7の記録・再生波長における光透過率をTaとし
たとき、 Ta≧80% であり、好ましくは Ta≧85% である。Taが低すぎると、前述したようにフォーカス
エラー信号のノイズが増大してしまう。
【0029】本発明における接着層の光透過率は、次の
ようにして求めた値である。まず、媒体に用いる基体を
用意し、この基体上に媒体形成の際と同一の条件で接着
層だけを形成して測定用サンプルを作製し、これについ
て透過スペクトルを測定する。また、接着層を設けない
基体だけの透過スペクトルも測定する。これらの測定結
果を用いて、基体の影響を排除した接着層だけの透過ス
ペクトルを算出し、記録・再生波長における光透過率を
求める。なお、接着層を設けることにより増透効果が生
じて、Taが基体だけの場合の光透過率よりも高くなる
ことがある。
【0030】接着層7を構成する接着剤は特に限定され
ず、例えば、ホットメルト型接着剤、紫外線硬化型接着
剤、常温硬化型接着剤等のいずれであってもよく、粘着
剤であってもよい。ただし、光透過率Taを上記範囲と
するためには、スピンコート法で形成することが好まし
いので、スピンコート法により形成しやすく、かつ、そ
の場合に平滑な表面が得られやすい接着剤、具体的には
紫外線硬化型接着剤を用いることが好ましい。そして、
特に紫外線硬化型アクリル樹脂から接着層を構成するこ
とが好ましい。
【0031】紫外線硬化型接着剤は、少なくとも紫外線
硬化性成分と光重合開始剤とを含む。紫外線硬化性成分
としては、紫外線や電子線に対する感応性を示す二重結
合を有するアクリロイル基を1分子中に少なくとも1つ
有する飽和炭化水素系樹脂のオリゴマーが好ましい。こ
のようなオリゴマーとしては、例えば、水添ポリブタジ
エン、ポリブテン、水添ポリイソプレン、ポリイソブチ
レン等の1分子中に少なくとも1つの水酸基またはカル
ボキシル基を含有する飽和炭化水素系樹脂オリゴマーの
アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリ
レートまたはエステルアクリレートが好ましく、これら
の1種以上を用いることが好ましい。硬化後の接着層の
常温でのヤング率を低下させるには、例えば、紫外線硬
化成分として長鎖アルキルやポリオールなどの長鎖分子
をもつアクリレートモノマーやアクリレートオリゴマー
を用い、成分中のこれらの比率を高くすればよい。長鎖
分子の例としては、カプロラクトン変性2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート(PEG)、イソデシルアクリレート、イソオク
チルアクリレートなどが挙げられる。また、例えば、ポ
リオール構造をもつウレタンアクリレートオリゴマーを
主体とした紫外線硬化成分を用いることによっても、常
温でのヤング率を低下させることができる。光重合開始
剤としては、紫外線や電子線等の照射によりラジカルを
発生する通常の光重合開始剤を用いればよく、例えば、
ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチ
ルエーテル等のベンゾインエーテル系、ベンゾフェノ
ン、p−メトキシベンゾフェノン、p−ブロモベンゾフ
ェノン等のベンゾフェノン系、ベンジルメチルケター
ル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1,1−ジク
ロロアセトフェノン等のアセトフェノン系、2−クロロ
チオキサントン等のチオキサントン系、アントラキノ
ン、フェナントラキノン等のキノン系、ベンジルジスル
フィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスル
フィド系などが挙げられる。
【0032】ホットメルト型接着剤のベースポリマーと
しては、常温で粘着性を有するものであれば特に制限は
ないが、熱可塑性ブロック共重合エラストマーを用いる
ことが好ましい。熱可塑性ブロック共重合エラストマー
のブロック構成要素としては、ポリスチレン、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、エチレン−ブチレン共重合体
等が好ましく、これらの1種以上を用いることが好まし
い。特に、分子量2000〜12500程度のポリスチ
レンと、分子量1000〜250000程度のポリブタ
ジエン、ポリイソプレンまたはエチレン−ブチレン共重
合体とのブロック共重合エラストマーであることが好ま
しい。また、ブロック共重合エラストマーの分子量は3
000〜50万程度であることが好ましい。ベースポリ
マーには、これらの熱可塑性ブロック共重合エラストマ
ーの他、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ブチルゴム等の合成ゴム、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体等のポリ
オレフィンやポリオレフィン系共重合体などの1種以上
が必要に応じて含有されることが好ましい。
【0033】なお、前記した紫外線硬化性成分を含むホ
ットメルト型接着剤は、ホットメルト型接着剤としての
使用が可能である他、紫外線や電子線等の照射により重
合させることも可能である。
【0034】粘着剤としては、アクリル系等のベースポ
リマーに、上記したような粘着付与剤、軟化剤、充填
剤、老化防止剤、架橋剤等を添加したものを好ましく用
いることができる。
【0035】上記したホットメルト型接着剤および粘着
剤には、粘着付与剤が含有されることが好ましい。粘着
付与剤としては、ロジン樹脂、クマロン樹脂、水添石油
樹脂、水添テルペン樹脂、フェノール樹脂等の1種以上
が好ましい。水添タイプの粘着付与剤は、相溶性が良好
で、熱安定性に悪影響を与えず、また、吸水率が低いの
で耐食性への影響が小さい。また、さらに、必要に応じ
て軟化剤が含有されることが好ましい。軟化剤として
は、プロセス油、パラフィン油、ポリブテン、ポリイソ
ブチレン等の1種以上が好ましい。なお、可塑剤、ワッ
クス、紫外線吸収剤、充填剤、老化防止剤等の添加剤を
必要に応じて加えてもよい。
【0036】常温硬化型接着剤としては、シリコーンゴ
ム系接着剤、2液混合型接着剤、接触硬化型接着剤など
があるが、これらのなかではシリコーンゴム系接着剤が
好適である。
【0037】上述したように、接着剤の塗布にはスピン
コート法を用いることが好ましい。接着剤は、一対の基
体の一方の側だけに塗布してもよく、両方の側に塗布し
てもよい。両方の側に塗布する場合、両接着層において
Taを上記範囲とすることが好ましい。塗布後、必要に
応じて硬化を行う。なお、粘着剤をシート化したものを
基体に貼付した後、基体同士を貼り合わせる構成として
もよい。
【0038】接着層の厚さは、1〜100μmとするこ
とが好ましい。接着層が薄すぎると接着力が不十分とな
りやすく、接着層が厚すぎると耐久性が不十分となりや
すい。
【0039】光吸収層6 光吸収層6は、少なくとも記録・再生光の波長において
吸収性を示すものであり、その光透過率は、波長域S
(波長400〜450nm)において好ましくは85%以
上、より好ましくは90%以上であり、記録・再生光の
波長において好ましくは55%以下、より好ましくは5
0%以下であり、波長域L(800〜830nm)におい
て好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上で
ある。
【0040】本発明における光吸収層の光透過率は、次
のようにして求めた値である。まず、媒体に用いる基体
を用意し、この基体上に媒体と同条件で光吸収層だけを
形成して測定用サンプルを作製し、これについて透過ス
ペクトルを測定する。また、光吸収層を設けない基体だ
けの透過スペクトルも測定する。これらの測定結果を用
いて、基体の影響を排除した光吸収層だけの透過スペク
トルを算出し、波長域S、記録・再生波長および波長域
Lにおける光透過率を求める。なお、光吸収層を設ける
ことにより増透効果が生じて、特定の波長域における光
透過率が基体だけの光透過率よりも高くなることがあ
る。この場合、上記方法により算出される光吸収層の光
透過率は、100%を超えることになる。
【0041】波長域Sは、紫外線硬化型樹脂を硬化する
ためのメタルハライドランプや高圧水銀灯などの放射光
の主要波長(360〜450nm程度)を含むため、波長
域Sにおける光透過率が低すぎると光吸収層の硬化が不
十分となり、媒体作製が不可能となってしまう。
【0042】記録・再生波長における光透過率が高すぎ
ると、接着層の塗布むらによる乱反射を十分に抑制する
ことができなくなって、ジッターが大きくなり、トラッ
クサーボやフォーカスサーボに悪影響を与えることもあ
る。
【0043】波長域Lは、バルクイレーザーの波長域に
相当する。このため、波長域Lにおける光透過率が低す
ぎるとバルクイレーザーの大パワーレーザー光の吸収率
が高くなって過大な発熱が生じ、樹脂製基体の変形を招
くなどの問題が生じる。
【0044】なお、光吸収層6は、耐擦傷性や耐食性の
向上のために設けられる従来の樹脂製保護層と同様な働
きも示す。
【0045】光吸収層は、紫外線硬化型樹脂と、上記し
た透過率分布をもたせるための着色剤とを含有する紫外
線硬化型組成物を硬化させたものである。
【0046】着色剤としては、染料を用いる。顔料を用
いると、光吸収層の基体側界面の表面性が顔料粒子によ
り粗くなるため、再生光がこの界面で乱反射されてジッ
ターの増大を招く。
【0047】光吸収層に用いる染料は、上記した光透過
率分布が得られるものであれば特に限定されず、紫外線
硬化型樹脂を塗布する際の相溶性などを考慮して適宜選
択すればよいが、好ましくはフタロシアニン染料を用い
る。フタロシアニン染料としては、銅フタロシアニンに
脂肪鎖等の置換基を導入した油溶染料が好ましい。銅フ
タロシアニンに導入する置換基は、光透過率分布や相溶
性などを考慮して適宜選択すればよい。
【0048】なお、本発明で用いる染料は、溶液化した
ときに、波長域Sの下限から波長域Lの上限までの範囲
における光吸収率の最大ピークが、記録・再生波長±1
5nmの範囲に存在するものであることが好ましい。
【0049】紫外線硬化型樹脂は、紫外線硬化性成分と
光重合開始剤とを含有するものである。光吸収層に用い
る紫外線硬化型樹脂は特に限定されず、塗布する際の染
料との相溶性などを考慮して適宜選択すればよく、例え
ばオリゴエステルアクリレート等の通常の紫外線硬化性
成分と、後述する接着層の説明において挙げる光重合開
始剤などを用いればよい。
【0050】光吸収層の厚さは、上記した透過率分布が
得られ、かつ保護層として十分に働くように適宜決定す
ればよいが、通常、1〜100μm、好ましくは3〜5
0μmである。光吸収層が薄すぎると、記録・再生波長
において十分な吸収率を得るためには光吸収層中の着色
剤の含有量を多くしなければならなくなる。このため、
樹脂への未溶解部が多くなって塗布むら等が発生しやす
くなり、また、接着性の劣化にもつながる。また、光吸
収層が薄すぎると保護層としての働きが不十分となる。
一方、光吸収層が厚すぎると、接着性が弱くなり、ま
た、媒体の反りが大きくなる。
【0051】光吸収層中における着色剤と樹脂との比率
は特に限定されず、光吸収層の好ましい厚さ範囲におい
て上記した透過率分布が得られるように適宜決定すれば
よいが、通常、樹脂に対する着色剤の量は0.1〜5重
量%程度とする。
【0052】光吸収層の形成方法は特に限定されず、ス
ピンコート、スクリーン印刷、グラビア塗布、スプレー
コート、ディッピング等の通常の方法により形成すれば
よいが、表面を平滑にするために、スピンコートを利用
することが特に好ましい。
【0053】透明樹脂層8 光吸収層は、初期化時にバルクイレーザーの大パワーレ
ーザー光をいくらかは吸収するため、発熱する。光吸収
層の基体側に光吸収層に接して透明樹脂層8を設けるこ
とにより、誘電体層や記録層への光吸収層からの熱の伝
達を低減できる。したがって、バルクイレーザーのパワ
ーや、バルクイレーザーの波長域における光吸収層の光
透過率などを考慮し、必要に応じて透明樹脂層を設け
る。
【0054】透明樹脂層の構成材料は特に限定されず、
バルクイレーザーの波長域における光透過率が十分に高
い樹脂、好ましくは波長域Lにおける光透過率が85%
以上である樹脂を用いる。具体的には、紫外線硬化型樹
脂を用いることが好ましい。紫外線硬化型樹脂として
は、光吸収層に用いるものと同種のものから適宜選択す
ればよい。
【0055】透明樹脂層の厚さは、光吸収層からの熱を
十分に遮断できるように適宜決定すればよいが、通常、
1〜100μm、好ましくは3〜50μmである。透明樹
脂層が薄すぎると熱遮断効果が不十分となり、透明樹脂
層が厚すぎると反りが大きくなり、また、接着性も弱く
なる。
【0056】反射層5 反射層5は、光透過率が高い極薄の金属層から構成され
るか、記録・再生波長が含まれる近赤外から赤外域にか
けての透過性が高いSiやGe等から構成されることが
好ましい。反射層の厚さは、前述したように記録層の記
録マーク以外の領域と記録マークとの間での吸収率を補
正できるように適宜決定すればよい。反射層の好ましい
厚さ範囲は構成材料によって大きく異なるので、構成材
料に応じて厚さを適宜決定すればよい。例えばAu等の
金属を用いる場合には、反射層の厚さを好ましくは40
nm以下、より好ましくは10〜30nmとし、Siまたは
Geを用いる場合には、反射層の厚さを好ましくは80
nm以下、より好ましくは40〜70nmとする。反射層が
薄すぎるとC/Nの低下を招き、反射層が厚すぎると前
述した吸収率補正効果が不十分となる。
【0057】反射層を金属から構成する場合、Auまた
はAu合金が好ましい。Au合金としては、Auを主成
分とし、Al、Cr、Cu、Ge、Co、Ni、Mo、
Ag、Pt、Pd、Ta、Ti、BiおよびSbの少な
くとも1種を含むものが好ましい。
【0058】反射層は、スパッタ法や蒸着法等の気相成
長法により形成することが好ましい。
【0059】誘電体層31、32、33 第1誘電体層31は、記録層の酸化を防ぎ、また、記録
時に記録層から基体に伝わる熱を遮断して基体を保護す
る。第2誘電体層32は、記録層を保護すると共に、記
録後、記録層に残った熱を熱伝導により放出するために
設けられる。また、両誘電体層を設けることにより、変
調度を向上させることができる。
【0060】第1誘電体層および第2誘電体層に用いる
誘電体材料は特に限定されず、各種誘電体やそれらの混
合物、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、ZnS−Si
2など、透明な各種セラミックスを用いればよく、ま
た、各種ガラスなどを用いてもよい。また、例えば、L
a、Si、OおよびNを含有する所謂LaSiONや、Si、
Al、OおよびNを含有する所謂SiAlON、あるいはYを
含有するSiAlON等も好ましく用いることができる。
【0061】ただし、第1誘電体層および第2誘電体層
の少なくとも一方には、屈折率等の特性の最適化のため
に硫化亜鉛を含有させることが好ましい。以下、硫化亜
鉛を含有する誘電体層をZnS含有誘電体層という。Z
nS含有誘電体層には、0〜1000℃においてその硫
化物生成標準自由エネルギーがZnS生成標準自由エネ
ルギーより低い元素(以下、金属元素Aという)を含有
させることが好ましい。ZnS含有誘電体層中に金属元
素Aを含有させることにより、繰り返しオーバーライト
の際のS遊離を抑制することができ、これによりジッタ
ー増大を防ぐことができ、繰り返しオーバーライト可能
な回数を増やすことができる。
【0062】金属元素Aとしては、Ce、Ca、Mg、
Sr、BaおよびNaの少なくとも1種を用いることが
好ましく、硫化物生成標準自由エネルギーが小さいこと
から、Ceを用いることが特に好ましい。例えば300
Kでは、ZnS生成標準自由エネルギーは約−230kJ
/mol、CeS生成標準自由エネルギーは約−540kJ/m
ol、CaS生成標準自由エネルギーは約−510kJ/mo
l、MgS生成標準自由エネルギーは約−390kJ/mo
l、SrS生成標準自由エネルギーは約−500kJ/mo
l、BaS生成標準自由エネルギーは約−460kJ/mo
l、Na2S生成標準自由エネルギーは約−400kJ/mol
である。
【0063】ZnS含有誘電体層中において、全金属元
素に対する金属元素Aの比率は、2原子%未満、好まし
くは1.5原子%以下、より好ましくは1.3原子%以
下である。金属元素Aの比率が高すぎると、繰り返しオ
ーバーライト時のジッター増大抑制効果が実現しない。
なお、金属元素Aの添加による効果を十分に実現するた
めには、金属元素Aの比率を好ましくは0.01原子%
以上、より好ましくは0.03原子%以上とする。全金
属元素中の金属元素Aの比率は、蛍光X線分析やEPM
A(電子線プローブX線マイクロアナリシス)などによ
り測定することができる。なお、誘電体層中における全
金属には、Si等の半金属も含まれるものとする。
【0064】誘電体層中において、金属元素Aは、単
体、硫化物、酸化物、フッ化物等のいずれの形態で存在
していてもよい。
【0065】ZnS含有誘電体層には、硫化亜鉛以外の
化合物、例えば、各種酸化物、窒化物、フッ化物等が含
有されていることが好ましい。このような化合物として
は、例えば、酸化ケイ素(SiO2、SiO)、酸化タ
ンタル(Ta25)、酸化チタン(TiO2)、酸化ラ
ンタン(La23)、窒化ケイ素(Si34)、窒化ア
ルミニウム(AlN)、フッ化マグネシウム(Mg
2)、フッ化ナトリウム(NaF)およびフッ化トリ
ウム(ThF4)の少なくとも1種が好ましい。誘電体
層を実質的に硫化亜鉛だけから構成した場合には誘電体
層が硬くなりすぎ、繰り返しオーバーライトを行ったと
きの熱衝撃により剥離が生じるなど、耐久性が低くなっ
てしまうが、酸化ケイ素や窒化ケイ素などを含有させる
ことにより、オーバーライト耐久性が向上する。
【0066】ZnS含有誘電体層中における硫化亜鉛の
含有量は、好ましくは50〜95モル%、より好ましく
は70〜90モル%である。ZnSが少なすぎると、熱
伝導率が高くなりすぎると共に屈折率が小さくなりす
ぎ、高C/Nが得られにくくなる。一方、ZnSが多す
ぎると、オーバーライト耐久性が低くなってしまう。誘
電体層中のZnS含有量は、蛍光X線分析などにより求
めたS量とZn量とに基づいて決定し、例えばSに対し
Znが過剰であった場合には、過剰なZnは他の化合
物、例えばZnOとして含有されているものとする。
【0067】なお、以上ではZnS含有誘電体層中に金
属元素Aを含有させる構成について説明したが、ZnS
含有誘電体層と記録層との間に金属元素Aを含有する中
間層を設ける構成としてもよい。このような中間層とし
ては、例えば、酸化セリウム(CeO2)単体からなる
もの、あるいはZnS−CeO2混合物からなるものな
どが挙げられる。
【0068】第1誘電体層および第2誘電体層の一方だ
けをZnS含有誘電体層とする場合、他方の誘電体層、
すなわち硫化亜鉛を含有しない誘電体層に用いる誘電体
材料は特に限定されず、ZnS以外の上記各種誘電体を
用いればよい。
【0069】第1誘電体層および第2誘電体層の屈折率
は、波長400〜850nmの範囲で1.4以上、特に
1.8以上であることが好ましい。上記波長範囲は、現
在のCDプレーヤの使用波長である780nmや、次世代
の記録波長として実用化が進められている630〜68
0nmを含むものであり、本発明の光記録媒体に対し好ま
しく使用される波長範囲である。
【0070】第1誘電体層31の厚さは、好ましくは5
0〜300nm、より好ましくは100〜250nmであ
る。第1誘電体層をこのような厚さとすることにより、
記録に際しての基体損傷を効果的に防ぐことができ、し
かも変調度も高くなる。第2誘電体層32の厚さは、好
ましくは10〜30nm、より好ましくは13〜20nmで
ある。第2誘電体層をこのような厚さとすることにより
冷却速度が速くなるので、記録マークのエッジが明瞭と
なってジッターが少なくなる。また、このような厚さと
することにより、変調度を高くすることができる。
【0071】反射層5上に必要に応じて設けられる第3
誘電体層33は、好ましくは保護層6よりも屈折率の高
い材料から構成する。このような第3誘電体層を設ける
ことにより、前記特開平8−124218号公報記載の
発明と同様に、記録マークとそれ以外の領域との間の反
射率差を大きく保ったまま、前記Ac/Aaを大きくす
ることができる。
【0072】第3誘電体層の構成材料は、第1誘電体層
および第2誘電体層の説明において挙げた各種誘電体か
ら選択すればよい。ただし、第3誘電体層は記録層に接
していないため、上記金属元素Aを含有させる必要はな
い。
【0073】第3誘電体層の厚さは、好ましくは30〜
120nm、より好ましくは40〜90nmである。第3誘
電体層が薄すぎると信号出力が低くなってしまい、厚す
ぎると、隣接トラックの信号が消去される現象(クロス
イレーズ)が生じてしまう。
【0074】各誘電体層は、スパッタ法や蒸着法等の気
相成長法により形成することが好ましい。誘電体層中に
金属元素Aを含有させるためには、様々な方法を利用す
ることができる。例えば、金属元素AがCeである場合
には、Ce単体やCeO2からなるチップを、誘電体層
の主成分となる主ターゲット上に載せたものをターゲッ
トとして用いてもよく、主ターゲット中にCeO2やそ
の他のCe化合物として含有させてもよい。また、金属
元素AとしてCaやMgを用いる場合、上記主ターゲッ
ト上にCaOやMgOからなるチップを載せてターゲッ
トとしてもよいが、これらには潮解性があるので、好ま
しくない。したがって、この場合には、CaF2やMg
2からなるチップを主ターゲット上に載せてターゲッ
トとすることが好ましい。金属元素AとしてSr、B
a、Naなどを用いる場合も、潮解性の点で、酸化物チ
ップよりもフッ化物チップを用いるほうが好ましい。ま
た、Ca、Mg、Sr、Ba、Naは、酸化物やこれ以
外の化合物として主ターゲット中に含有させて用いても
よい。なお、主ターゲットには、ZnS−SiO2など
のような複合ターゲットを用いてもよく、主ターゲット
としてZnSとSiO2とをそれぞれ単独で用いるよう
な多元スパッタ法を利用してもよい。
【0075】ZnS含有誘電体層は、Ar中で通常のス
パッタ法により形成してもよいが、上記金属元素Aを含
有させる場合には、好ましくはArとO2との混合雰囲
気中でスパッタを行う。このような混合雰囲気中でスパ
ッタを行うことにより、繰り返しオーバーライト時のジ
ッター増大を抑える効果が、より高くなる。スパッタ時
のO2導入は、金属元素A単体からなるチップを上記主
ターゲット上に載せてスパッタを行う場合に特に有効で
あるが、金属元素Aの化合物からなるチップを主ターゲ
ットに載せたり、主ターゲットに金属元素Aの化合物を
含有させたりする場合にも有効である。スパッタ雰囲気
中へのO2導入量を分圧比O2/(Ar+O2)で表した
とき、この分圧比は好ましくは30%以下、より好まし
くは25%以下である。O2導入量が多すぎると、記録
パワーは低下するが消去パワーは変化しないため、消去
パワーマージンが極度に狭くなってしまい、好ましくな
い。なお、O2導入による効果を十分に発揮させるため
には、上記分圧比を好ましくは5%以上、より好ましく
は10%以上とする。
【0076】記録層4 記録層の組成は特に限定されないが、以下に説明するI
n−Ag−Te−Sb系組成やGe−Sb−Te系組成
に対し、本発明は特に有効である。
【0077】In−Ag−Te−Sb系組成の記録層で
は、構成元素の原子比を 式I {(InaAgbTe1-a-b1-cSbc1-dd で表したとき、好ましくは a=0.1〜0.3、 b=0.1〜0.3、 c=0.5〜0.8、 d=0〜0.05 であり、より好ましくは a=0.11〜0.28、 b=0.15〜0.28、 c=0.55〜0.65、 d=0.005〜0.05 である。
【0078】式Iにおいてaが小さすぎると、記録層中
のIn含有率が相対的に低くなりすぎる。このため、記
録マークの非晶質化が不十分となって変調度が低下し、
また、信頼性も低くなってしまう。一方、aが大きすぎ
ると、記録層中のIn含有率が相対的に高くなりすぎ
る。このため、記録マーク以外の領域の反射率が低くな
って変調度が低下してしまう。
【0079】式Iにおいてbが小さすぎると、記録層中
のAg含有率が相対的に低くなりすぎる。このため、記
録マークの再結晶化が困難となって、繰り返しオーバー
ライトが困難となる。一方、bが大きすぎると、記録層
中のAg含有率が相対的に高くなり、過剰なAgが記録
および消去の際に単独でSb相中に拡散することにな
る。このため、書き換え耐久性が低下すると共に、記録
マークの安定性および結晶質部の安定性がいずれも低く
なってしまい、信頼性が低下する。すなわち、高温で保
存したときに記録マークの結晶化が進んで、C/Nや変
調度が劣化しやすくなる。また、繰り返して記録を行な
ったときのC/Nおよび変調度の劣化も進みやすくな
る。
【0080】また、a+bが小さすぎるとTeが過剰と
なってTe相が形成される。Te相は結晶転移速度を低
下させるため、消去が困難となる。一方、a+bが大き
すぎると、記録層の非晶質化が困難となり、信号が記録
できなくなる可能性が生じる。
【0081】式Iにおいてcが小さすぎると、相変化に
伴なう反射率差は大きくなるが結晶転移速度が急激に遅
くなって消去が困難となる。一方、cが大きすぎると、
相変化に伴なう反射率差が小さくなって変調度が小さく
なる。
【0082】式Iにおける元素Mは、Ge、Sn、P
b、H、Si、C、V、W、Ta、Zn、Ti、Ce、
TbおよびYから選択される少なくとも1種の元素であ
る。元素Mは、書き換え耐久性を向上させる効果、具体
的には、書き換えの繰り返しによる消去率の低下を抑え
る効果を示す。また、高温・高湿などの悪条件下での信
頼性を向上させる。このような効果が強力であることか
ら、元素MのうちV、Ta、CeおよびYの少なくとも
1種が好ましく、VおよびTaの少なくとも1種がより
好ましく、Vが特に好ましい。
【0083】元素Mの含有率を表すdが大きすぎると、
相変化に伴なう反射率変化が小さくなって十分な変調度
が得られなくなる。dが小さすぎると、元素M添加によ
る効果が不十分となる。
【0084】この組成系では、記録層にはAg、Sb、
Te、Inおよび必要に応じて添加されるMだけを用い
ることが好ましいが、Agの一部をAuで置換してもよ
く、Sbの一部をBiで置換してもよく、Teの一部を
Seで置換してもよく、Inの一部をAlおよび/また
はPで置換してもよい。
【0085】AuによるAgの置換率は、好ましくは5
0原子%以下、より好ましくは20原子%以下である。
置換率が高すぎると、記録マークが結晶化しやすくなっ
て高温下での信頼性が悪化する。
【0086】BiによるSbの置換率は、好ましくは5
0原子%以下、より好ましくは20原子%以下である。
置換率が高すぎると記録層の吸収係数が増加して光の干
渉効果が減少し、このため結晶−非晶質間の反射率差が
小さくなって変調度が低下し、高C/Nが得られなくな
る。
【0087】SeによるTeの置換率は、好ましくは5
0原子%以下、より好ましくは20原子%以下である。
置換率が高すぎると結晶転移速度が遅くなりすぎ、十分
な消去率が得られなくなる。
【0088】Alおよび/またはPによるInの置換率
は、好ましくは40原子%以下、より好ましくは20原
子%以下である。置換率が高すぎると、記録マークの安
定性が低くなって信頼性が低くなる。なお、AlとPと
の比率は任意である。
【0089】なお、この組成系において繰り返し書き換
え後の記録層の吸収係数kは、結晶状態のときが3.3
程度、微結晶ないし非晶質のときが2.2程度である。
【0090】この組成系の記録層の厚さは、好ましくは
9.5〜50nm、より好ましくは13〜30nmである。
記録層が薄すぎると結晶相の成長が困難となり、相変化
に伴なう反射率変化が不十分となる。一方、記録層が厚
すぎると、記録マーク形成時に記録層の厚さ方向へAg
が多量に拡散し、記録層面内方向へ拡散するAgの比率
が小さくなってしまうため、記録層の信頼性が低くなっ
てしまう。また、記録層が厚すぎると、反射率および変
調度が低くなってしまう。
【0091】Ge−Sb−Te系組成の記録層では、構
成元素の原子比を 式II GeaSbbTe1-a-b で表わしたとき、好ましくは 0.08≦a≦0.25、 0.20≦b≦0.40 である。
【0092】式IIにおいてaが小さすぎると、記録マー
クが結晶化しにくくなり、消去率が低くなってしまう。
aが大きすぎると、多量のTeがGeと結合することに
なり、その結果、Sbが析出して記録マークが形成しに
くくなる。
【0093】式IIにおいてbが小さすぎると、Teが多
くなりすぎるために高温での保存時に記録マークが結晶
化しやすくなって、信頼性が低くなってしまう。bが大
きすぎると、Sbが析出して記録マークが形成しにくく
なる。
【0094】この組成系における記録層の厚さは、好ま
しくは14〜50nmである。記録層が薄すぎると結晶相
の成長が困難となり、相変化に伴なう反射率変化が不十
分となる。一方、記録層が厚すぎると、反射率および変
調度が低くなってしまう。
【0095】記録層の組成は、EPMAやX線マイクロ
アナリシス、ICPなどにより測定することができる。
【0096】記録層の形成は、スパッタ法により行う。
スパッタ条件は特に限定されず、例えば、複数の元素を
含む材料をスパッタする際には、合金ターゲットを用い
てもよく、ターゲットを複数個用いる多元スパッタ法を
用いてもよい。
【0097】基体2 本発明の光記録媒体では基体2を通して記録層4に光ビ
ームが照射されるので、基体2は、用いる光ビームに対
して実質的に透明である材質、例えば、樹脂やガラスな
どから構成されることが好ましい。樹脂としては、アク
リル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリオレ
フィン等を用いればよい。基体の形状および寸法は特に
限定されないが、通常、ディスク状とし、厚さは0.5
〜3mm程度、直径は50〜360mm程度とする。基体の
表面には、トラッキング用やアドレス用等のために、グ
ルーブ等の所定のパターンが必要に応じて設けられる。
【0098】本発明の光記録媒体を、単板型媒体と保護
基体とを接着層を介して貼り合わせた片面記録型媒体と
する場合、保護基体には、記録層を形成する基体と同じ
ものを用いてもよく、材質、厚さ、光透過率などが異な
るものを用いてもよい。
【0099】書き換え 本発明により製造された光記録媒体に対する書き換え
(オーバーライト)は、従来の相変化型光記録媒体と同
様に行われる。記録パワーは、パルス状に加えてもよ
い。一つの信号を少なくとも2回の照射で記録すること
により記録マークでの蓄熱が抑制され、記録マーク後端
部の膨れ(ティアドロップ現象)を抑えることができる
ので、C/Nが向上する。また、パルス状照射により消
去率も向上する。記録パワーおよび消去パワーの具体的
値は、実験的に決定することができる。なお、再生用レ
ーザー光には、記録層の結晶状態に影響を与えない低パ
ワーのものを用いる。
【0100】記録に際し、レーザー光に対する記録層の
線速度は、通常、0.8〜20m/s程度、好ましくは
1.2〜16m/sである。
【0101】上記組成の光記録媒体は、記録・再生光を
広い波長域から選択できるが、本発明では、記録・再生
光の波長を460〜790nm、好ましくは470〜78
0nmの範囲から選択する。
【0102】
【実施例】サンプルNo.1 射出成形によりグルーブ(幅0.6μm、深さ65nm、
ピッチ1.2μm)を同時形成した直径120mm、厚さ
0.6mmのディスク状ポリカーボネート基体2の表面
に、第1誘電体層31、記録層4、第2誘電体層32、
反射層5、第3誘電体層33および光吸収層6を形成し
て単板型の光記録ディスクを作製し、波長810nmのバ
ルクイレーザーにより初期化した後、接着層7を介して
上記ディスク状ポリカーボネート基体2を貼り合わせ
て、貼り合わせ型の片面記録媒体サンプルNo.1を作製
した。
【0103】第1誘電体層31は、スパッタ法により形
成した。ターゲットには、ZnS(85モル%)−Si
2(15モル%)を用いた。第1誘電体層の厚さは2
50nmとした。
【0104】記録層4は、スパッタ法により形成した。
記録層の組成は、原子比でGe0.225Sb0.225Te
0.550とした。記録層の厚さは12nmとした。
【0105】第2誘電体層32は、第1誘電体層31と
同様にして形成した。第2誘電体層の厚さは15nmとし
た。
【0106】反射層5は、Siターゲットに用いてスパ
ッタ法により形成した。反射層の厚さは60nmとした。
【0107】第3誘電体層33は、第1誘電体層31と
同様にして形成した。第3誘電体層の厚さは80nmとし
た。
【0108】光吸収層6は、染料と紫外線硬化型樹脂と
を、重量比で染料:樹脂=1:99となるように混合し
て塗料を調製し、この塗料をスピンコート法により塗布
後、高圧水銀灯により硬化して形成した。硬化後の光吸
収層厚さは5μmであった。染料には、保土ヶ谷化学製
の銅フタロシアニン誘導体を用いた。紫外線硬化型樹脂
には、大日本インキ製のSD−211を用いた。
【0109】接着層7は、紫外線硬化型の接着剤を光吸
収層6上にスピンコート法により塗布した後、高圧水銀
灯により硬化して形成した。硬化後の接着層厚さは約4
0μmであった。
【0110】光吸収層の透過スペクトルを調べるため
に、ポリカーボネート基体上に光吸収層だけを形成した
測定用サンプルについて透過スペクトルを測定し、ま
た、ポリカーボネート基体の透過スペクトルも測定し
た。なお、この光吸収層は、サンプルNo.1の光吸収層
と同条件で形成した。この測定結果を用いて、ポリカー
ボネート基体の影響を排除した光吸収層だけの透過スペ
クトルを求めた。その結果、この光吸収層の各波長域に
おける透過率は、 波長域S:100%、 記録・再生波長(680nm):40%、 波長域L:100% であった。
【0111】サンプルNo.1に用いた染料をイソプロピ
ルアルコールに溶解して1重量%の溶液を調製し、この
溶液の吸光度を測定したところ、記録・再生波長より1
0nm短い波長で吸光度ピークを示すことがわかった。
【0112】また、接着層の透過スペクトルを調べるた
めに、ポリカーボネート基体上に接着層だけを形成した
測定用サンプルについて透過スペクトルを測定し、ま
た、ポリカーボネート基体の透過スペクトルも測定し
た。なお、この接着層は、サンプルNo.1の接着層と同
条件で形成した。この測定結果を用いて、ポリカーボネ
ート基体の影響を排除した接着層だけの透過スペクトル
を求めた。この透過スペクトルから求めた接着層の記録
・再生波長(680nm)における光透過率Taを、表1
に示す。
【0113】また、サンプルNo.1全体の記録・再生波
長における光透過率Tdを測定した。結果を表1に示
す。
【0114】サンプルNo.2 光吸収層6に混合する染料として日本化薬製の銅フタロ
シアニン誘導体を用いたほかはサンプルNo.1と同様に
して作製した。このサンプルの光吸収層についても、サ
ンプルNo.1と同様にして透過率を求めた。その結果、
この光吸収層の各波長域における透過率は、 波長域S:98%、 記録・再生波長(680nm):86%、 波長域L:100%超 であった。
【0115】また、このサンプル全体の記録・再生波長
における光透過率Tdを測定した。結果を表1に示す。
【0116】サンプルNo.3 光吸収層6に染料を混合しなかったほかはサンプルNo.
1と同様にして作製した。このサンプルの光吸収層につ
いても、サンプルNo.1と同様にして透過率を求めた。
その結果、この光吸収層の各波長域における透過率は、 波長域S:100%、 記録・再生波長(680nm):100%、 波長域L:100% であった。
【0117】また、このサンプル全体の記録・再生波長
における光透過率Tdを測定した。結果を表1に示す。
【0118】サンプルNo.4 ホットメルト型接着剤をロールコータで光吸収層6上に
塗布することにより接着層7を形成したほかはサンプル
No.1と同様にして作製した。
【0119】このサンプルの接着層についても、サンプ
ルNo.1と同様にして記録・再生波長(680nm)にお
ける光透過率Taを求めた。結果を表1に示す。
【0120】また、このサンプル全体の記録・再生波長
における光透過率Tdを測定した。結果を表1に示す。
【0121】サンプルNo.5 サンプルNo.3と同様に光吸収層6に染料を混合せず、
かつ、ホットメルト型接着剤をサンプルNo.4と同様に
ロールコータで光吸収層6上に塗布することにより接着
層7を形成したほかはサンプルNo.1と同様にして作製
した。
【0122】このサンプル全体の記録・再生波長におけ
る光透過率Tdを測定した。結果を表1に示す。
【0123】評価 各サンプルに、波長680nm、NA0.6の光ヘッドを
もつ測定器を用いて線速度12m/sで(1−7)RLL
の記録信号を最短ビット長0.34μmで記録し、全面
ビットエラーレート(全面BER)およびフォーカスエ
ラー信号のノイズを測定した。これらの結果を表1に示
す。
【0124】
【表1】
【0125】表1において、全体の光透過率Tdが10
%を超えているサンプルNo.2およびNo.3では、接着層
中の気泡による光散乱のためフォーカスエラー信号のノ
イズが多くなり、その結果、正確な記録ができなくなっ
てビットエラーレートが増大してしまっている。また、
ホットメルト型接着剤をロールコータで塗布することに
より形成した接着層を有するサンプルNo.4、5では、
接着層の塗布むらにより光透過率Taが30%と低くな
ったため、全体の光透過率Tdが10%以下であるにも
かかわらず、フォーカスエラー信号のノイズが多く、ビ
ットエラーレートが増大してしまっている。これに対し
サンプルNo.1では、フォーカスエラー信号のノイズが
著しく少なく、その結果、ビットエラーレートが極めて
低くなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の構成例を示す部分断面図
である。
【図2】本発明の光記録媒体の構成例を示す部分断面図
である。
【符号の説明】
2 基体 31 第1誘電体層 32 第2誘電体層 33 第3誘電体層 4 記録層 5 反射層 6 光吸収層 7 接着層 8 透明樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小巻 壮 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB16 JC04 MA03 MA15 RA02 RA28 RA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の表面に記録層と反射層
    と光吸収層とをこの順で有する一対の基板を、接着層を
    介して貼り合わせた構成の光記録媒体であって、 前記記録層が光透過性を有する相変化型のものであり、
    前記光吸収層が光吸収性を有するものであり、前記反射
    層が光透過性を有するものであり、記録・再生波長にお
    ける前記接着層の光透過率をTaとしたとき Ta≧80% であり、記録・再生波長における前記光記録媒体の光透
    過率をTdとしたとき Td≦10% である光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記光吸収層が染料を含有する紫外線硬
    化型樹脂により形成されたものであり、前記光吸収層の
    光透過率が、波長域S(波長400〜450nm)におい
    て85%以上であり、記録・再生波長において55%以
    下であり、波長域L(800〜830nm)において80
    %以上である請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記光吸収層の基体側に、前記光吸収層
    に接して透明樹脂層を有する請求項1または2の光記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 前記接着層が、スピンコート法により形
    成されたものである請求項1〜3のいずれかの光記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 前記接着層が紫外線硬化型アクリル樹脂
    から構成される請求項1〜4のいずれかの光記録媒体。
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