JP2000129817A - 耐震・耐火構造物 - Google Patents
耐震・耐火構造物Info
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- JP2000129817A JP2000129817A JP10316928A JP31692898A JP2000129817A JP 2000129817 A JP2000129817 A JP 2000129817A JP 10316928 A JP10316928 A JP 10316928A JP 31692898 A JP31692898 A JP 31692898A JP 2000129817 A JP2000129817 A JP 2000129817A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の耐震・耐火構造物は、断熱効果を出す
ために断熱材3に厚みが必要で、容積が大きくなり、し
かもその施工に多く作業員と時間が必要になってコスト
高になる。また、震災等や火災が発生すると、断熱材3
がひび割れしたり高温に曝されて補強シート2から剥落
したり、断熱材3の割れ目から空気が侵入し、補強シー
ト2が高温下で焼損して補強部材としての機能を喪失
し、再使用できない。 【解決手段】 本発明の耐震・耐火構造物10は、構造
物11と、この構造物11の表面に被覆され且つこの構
造物11を補強する補強シート12とを備え、補強シー
ト12の表面を金属塗膜13で被覆して補強シート12
を外側から遮断すると共に、金属塗膜13の表面を発泡
性耐火塗膜14で被覆したことを特徴とする。
ために断熱材3に厚みが必要で、容積が大きくなり、し
かもその施工に多く作業員と時間が必要になってコスト
高になる。また、震災等や火災が発生すると、断熱材3
がひび割れしたり高温に曝されて補強シート2から剥落
したり、断熱材3の割れ目から空気が侵入し、補強シー
ト2が高温下で焼損して補強部材としての機能を喪失
し、再使用できない。 【解決手段】 本発明の耐震・耐火構造物10は、構造
物11と、この構造物11の表面に被覆され且つこの構
造物11を補強する補強シート12とを備え、補強シー
ト12の表面を金属塗膜13で被覆して補強シート12
を外側から遮断すると共に、金属塗膜13の表面を発泡
性耐火塗膜14で被覆したことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐震・耐火構造物
に関し、更に詳しくはコンクリート構造または鋼構造か
らなる土木または建築構造物の耐火性、耐熱性を向上さ
せた耐震・耐火構造物に関する。
に関し、更に詳しくはコンクリート構造または鋼構造か
らなる土木または建築構造物の耐火性、耐熱性を向上さ
せた耐震・耐火構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば高速道路の支持脚、橋脚等の土木
建造物や梁、支持柱等の建築構造物等の種々のコンクリ
ート構造物や鋼構造物には種々の耐震設計や耐火設計が
施されている。例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミ
ド繊維等の織布からなる補強シートをコンクリート構造
物や鋼構造物に貼り付けて耐震性を向上させたり、モル
タルセメント等の無機材料を断熱材として上記補強シー
トの上に貼り付けるなどして耐火性を向上させたりして
いる。
建造物や梁、支持柱等の建築構造物等の種々のコンクリ
ート構造物や鋼構造物には種々の耐震設計や耐火設計が
施されている。例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミ
ド繊維等の織布からなる補強シートをコンクリート構造
物や鋼構造物に貼り付けて耐震性を向上させたり、モル
タルセメント等の無機材料を断熱材として上記補強シー
トの上に貼り付けるなどして耐火性を向上させたりして
いる。
【0003】例えば、図2は耐震性、耐火性を有する耐
震・耐火構造物の一部を拡大して示す図である。この耐
震・耐火構造物は、同図に示すように、コンクリート構
造物1と、コンクリート構造物1の表面に接着剤等を介
して貼り付けられた補強シート2と、この補強シート2
の表面に施された軽量モルタル等からなる断熱材3とを
備えている。断熱材3の表面には種々の上塗り塗料が塗
布され、耐震・耐火構造物の耐候性を高めると共に美観
を高めてある。
震・耐火構造物の一部を拡大して示す図である。この耐
震・耐火構造物は、同図に示すように、コンクリート構
造物1と、コンクリート構造物1の表面に接着剤等を介
して貼り付けられた補強シート2と、この補強シート2
の表面に施された軽量モルタル等からなる断熱材3とを
備えている。断熱材3の表面には種々の上塗り塗料が塗
布され、耐震・耐火構造物の耐候性を高めると共に美観
を高めてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
耐震・耐火構造物の場合には、断熱効果を出すために無
機材料等からなる断熱材3にはある程度の厚みが必要で
あり、それだけ耐震・耐火構造物の容積が大きくなり、
しかも断熱工事に多く作業員と時間が必要になってコス
ト高になるという課題があった。また、例えば、震災等
や火災が発生すると、振動、高熱により表面の断熱材3
にひびが入り爆裂等により補強シート2から剥落した
り、剥落までに到らずとも、断熱材3の割れ目から空気
が侵入し、高温下で補強シート2が焼損して補強部材と
しての機能を喪失するという課題があった。
耐震・耐火構造物の場合には、断熱効果を出すために無
機材料等からなる断熱材3にはある程度の厚みが必要で
あり、それだけ耐震・耐火構造物の容積が大きくなり、
しかも断熱工事に多く作業員と時間が必要になってコス
ト高になるという課題があった。また、例えば、震災等
や火災が発生すると、振動、高熱により表面の断熱材3
にひびが入り爆裂等により補強シート2から剥落した
り、剥落までに到らずとも、断熱材3の割れ目から空気
が侵入し、高温下で補強シート2が焼損して補強部材と
しての機能を喪失するという課題があった。
【0005】本発明は、容積を軽減して施工時間を短縮
して低コストで施工することができる耐震・耐火構造物
を提供することを目的としている。また、高温下に曝さ
れても補強シートを損傷することなく確実に保護するこ
とができる耐震・耐火構造物を併せて提供するものであ
る。
して低コストで施工することができる耐震・耐火構造物
を提供することを目的としている。また、高温下に曝さ
れても補強シートを損傷することなく確実に保護するこ
とができる耐震・耐火構造物を併せて提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の耐震・耐火構造物は、コンクリート構造または鋼構造
からなる土木または建築構造物と、この構造物の表面に
被覆され且つこの構造物を補強する補強部材とを備え、
上記補強部材の表面を遮蔽部材で被覆すると共に、上記
遮蔽部材の表面を発泡性耐火塗料で被覆したことを特徴
とするものである。
の耐震・耐火構造物は、コンクリート構造または鋼構造
からなる土木または建築構造物と、この構造物の表面に
被覆され且つこの構造物を補強する補強部材とを備え、
上記補強部材の表面を遮蔽部材で被覆すると共に、上記
遮蔽部材の表面を発泡性耐火塗料で被覆したことを特徴
とするものである。
【0007】また、本発明の請求項2に記載の耐震・耐
火構造物は、請求項1に記載の発明において、上記遮蔽
部材が金属を主成分とする塗料からなることを特徴とす
るものである。
火構造物は、請求項1に記載の発明において、上記遮蔽
部材が金属を主成分とする塗料からなることを特徴とす
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1に示す実施形態に基づ
いて本発明を説明する。尚、図1は本発明の耐震・耐火
構造物の一実施形態を示す断面図で、(a)は正常な状
態を示す図、(b)は高温下で発泡性耐火塗料が発泡し
断熱材として機能する状態を示す図、(c)は発泡耐火
塗料が炭化し断熱材として機能する状態を示す図であ
る。
いて本発明を説明する。尚、図1は本発明の耐震・耐火
構造物の一実施形態を示す断面図で、(a)は正常な状
態を示す図、(b)は高温下で発泡性耐火塗料が発泡し
断熱材として機能する状態を示す図、(c)は発泡耐火
塗料が炭化し断熱材として機能する状態を示す図であ
る。
【0009】本実施形態の耐震・耐火構造物10は、図
1の(a)に示すように、コンクリート構造物または鋼
構造物(以下、単に「構造物」と称す。)11と、この
構造物11の表面に被覆され且つこの構造物11を補強
する補強シート12とを備えている。補強シート12は
接着剤を介して構造物11の表面に貼り付け、あるいは
巻き付けられている。接着剤としては可燃物が使用され
る。この補強シート12の表面には金属を主成分とする
塗料(以下、単に「金属塗料」と称す。)を塗布した金
属塗膜13が形成され、この金属塗膜13によって補強
シート12は外部からの空気が遮断され、燃焼が防止さ
れている。金属塗膜13の表面には発泡性耐火塗料を塗
布した発泡性耐火塗膜14が形成され、この発泡性耐火
塗膜14によって内側の金属塗膜13及び補強シート1
2の高温による強度劣化及び焼損から保護されている。
更に、最上層には上塗り塗料が塗布され、この上塗り塗
膜15によって発泡性耐火塗膜14に耐候性を付与する
と共に構造物11の美観を高めている。
1の(a)に示すように、コンクリート構造物または鋼
構造物(以下、単に「構造物」と称す。)11と、この
構造物11の表面に被覆され且つこの構造物11を補強
する補強シート12とを備えている。補強シート12は
接着剤を介して構造物11の表面に貼り付け、あるいは
巻き付けられている。接着剤としては可燃物が使用され
る。この補強シート12の表面には金属を主成分とする
塗料(以下、単に「金属塗料」と称す。)を塗布した金
属塗膜13が形成され、この金属塗膜13によって補強
シート12は外部からの空気が遮断され、燃焼が防止さ
れている。金属塗膜13の表面には発泡性耐火塗料を塗
布した発泡性耐火塗膜14が形成され、この発泡性耐火
塗膜14によって内側の金属塗膜13及び補強シート1
2の高温による強度劣化及び焼損から保護されている。
更に、最上層には上塗り塗料が塗布され、この上塗り塗
膜15によって発泡性耐火塗膜14に耐候性を付与する
と共に構造物11の美観を高めている。
【0010】上記補強シート12は、ガラス、アラミド
樹脂、炭素等の繊維を原料とする織布、不織布等として
形成され、構造物11を補強し、その耐震性を高めてい
る。補強シート12としては従来公知のものを使用する
ことができる。上記金属塗膜13は、例えば亜鉛等の金
属成分を主体とする防錆塗料、例えば常温亜鉛メッキ用
のZ.R.C.(製品名:ZRCワールドワイルド社製)
等の公知のものを塗布して形成されている。この金属塗
膜13は、補強シート12を外部の空気から確実に遮断
し、仮に高温下に曝されても補強シート12の燃焼を確
実に防止することができる。金属塗膜13と同様の機能
を果たすものであれば、他の材料、例えばアルミ箔等の
金属箔を金属塗膜13に代えて使用することができる。
金属塗料は刷毛塗りやローラー塗り等により、あるいは
スプレーガン等による吹き付けにより塗布することがで
きる。上記発泡性耐火塗料は、例えばポリ燐酸アンモニ
ウム等からなる触媒、炭水化物等からなる炭素源、パラ
フィン樹脂等からなるバインダー、及び炭酸ガス等を発
生する発泡剤を含有してなるものである。発泡性耐火塗
料として例えばシステムS−605(ナリファイア社
製)等の従来公知のものを使用することができる。上記
発泡性耐火塗膜14は、補強シート12が損傷する温度
よりも低い温度例えば約150℃に達すると発泡剤が発
泡し始め、当初の塗膜厚が数10倍の発泡層(例えば1
mmの膜厚であれば数10mmの発泡層)を形成し、し
かも例えば約1000℃の高温下でも炭素源が炭化して
発泡層の厚さを維持して内側の材料(金属塗膜13、補
強シート12)の温度を低く抑えて高温による強度劣化
を防止し、火災から守る機能を有している。発泡性耐火
塗料は金属塗料と同要領で塗布することができる。ま
た、上塗り塗料としては従来公知の種々の塗料を使用す
ることができる。
樹脂、炭素等の繊維を原料とする織布、不織布等として
形成され、構造物11を補強し、その耐震性を高めてい
る。補強シート12としては従来公知のものを使用する
ことができる。上記金属塗膜13は、例えば亜鉛等の金
属成分を主体とする防錆塗料、例えば常温亜鉛メッキ用
のZ.R.C.(製品名:ZRCワールドワイルド社製)
等の公知のものを塗布して形成されている。この金属塗
膜13は、補強シート12を外部の空気から確実に遮断
し、仮に高温下に曝されても補強シート12の燃焼を確
実に防止することができる。金属塗膜13と同様の機能
を果たすものであれば、他の材料、例えばアルミ箔等の
金属箔を金属塗膜13に代えて使用することができる。
金属塗料は刷毛塗りやローラー塗り等により、あるいは
スプレーガン等による吹き付けにより塗布することがで
きる。上記発泡性耐火塗料は、例えばポリ燐酸アンモニ
ウム等からなる触媒、炭水化物等からなる炭素源、パラ
フィン樹脂等からなるバインダー、及び炭酸ガス等を発
生する発泡剤を含有してなるものである。発泡性耐火塗
料として例えばシステムS−605(ナリファイア社
製)等の従来公知のものを使用することができる。上記
発泡性耐火塗膜14は、補強シート12が損傷する温度
よりも低い温度例えば約150℃に達すると発泡剤が発
泡し始め、当初の塗膜厚が数10倍の発泡層(例えば1
mmの膜厚であれば数10mmの発泡層)を形成し、し
かも例えば約1000℃の高温下でも炭素源が炭化して
発泡層の厚さを維持して内側の材料(金属塗膜13、補
強シート12)の温度を低く抑えて高温による強度劣化
を防止し、火災から守る機能を有している。発泡性耐火
塗料は金属塗料と同要領で塗布することができる。ま
た、上塗り塗料としては従来公知の種々の塗料を使用す
ることができる。
【0011】次に、図1の(a)、(b)を参照しなが
ら耐震・耐火構造物の機能について説明する。図1の
(a)に示す耐震・耐火構造物10が例えば高温下に曝
されると、高熱により上塗り塗膜15及び発泡性耐火塗
膜14が一気に昇温する。上塗り塗膜15は焼損する
が、発泡性耐火塗膜14は熱を受けて炭素源が触媒によ
り放出された燐酸と結合して炭化層を形成する。一方、
バインダーが溶けると同時に、発泡剤が分解し、炭酸ガ
ス、アンモニア、水蒸気等のガスを発生し、バインダー
を泡状にして炭化層を図1の(b)で示すように徐々に
膨らませて発泡層14Aを形成する。
ら耐震・耐火構造物の機能について説明する。図1の
(a)に示す耐震・耐火構造物10が例えば高温下に曝
されると、高熱により上塗り塗膜15及び発泡性耐火塗
膜14が一気に昇温する。上塗り塗膜15は焼損する
が、発泡性耐火塗膜14は熱を受けて炭素源が触媒によ
り放出された燐酸と結合して炭化層を形成する。一方、
バインダーが溶けると同時に、発泡剤が分解し、炭酸ガ
ス、アンモニア、水蒸気等のガスを発生し、バインダー
を泡状にして炭化層を図1の(b)で示すように徐々に
膨らませて発泡層14Aを形成する。
【0012】その後も不燃性ガスを放出して発泡層14
Aが膨らみ続け、発泡作用が終了すると炭化発泡層14
Aが塗膜厚の数10倍に達して断熱性に優れた図1の
(c)で示す炭化発泡層14Bを形成する。この炭化発
泡層14Bにより外部から内部への入熱量を抑制し、炭
化発泡層14Bの内側の金属塗膜13及び補強シート1
2の高温による強度劣化防止及び焼損を防止する。
Aが膨らみ続け、発泡作用が終了すると炭化発泡層14
Aが塗膜厚の数10倍に達して断熱性に優れた図1の
(c)で示す炭化発泡層14Bを形成する。この炭化発
泡層14Bにより外部から内部への入熱量を抑制し、炭
化発泡層14Bの内側の金属塗膜13及び補強シート1
2の高温による強度劣化防止及び焼損を防止する。
【0013】その後、炭化発泡層14Bにひび割れが生
じ、その部分から空気が侵入しても、この空気は金属塗
膜13によって遮断される。しかも、金属塗膜13は金
属が主成分であるため温度上昇があっても塗膜は破れる
ことなく初期の塗膜を保持して補強シート12を外部か
ら確実に密封するため、炭化発泡層14B側から補強シ
ート12側へ空気が侵入することがなく、しかも補強シ
ート12と構造物11間の接着剤も熱により傷むことが
ない。このように金属塗膜13及び補強シート12はほ
ぼ元の状態を保持しているため、炭化発泡層14Bを除
去した後、金属塗膜13の表面をクリーニングし金属塗
料による補修塗装後、発泡性耐火塗料を塗布するだけで
図1の(a)に示す元の耐震・耐火構造物10として修
復することができる。
じ、その部分から空気が侵入しても、この空気は金属塗
膜13によって遮断される。しかも、金属塗膜13は金
属が主成分であるため温度上昇があっても塗膜は破れる
ことなく初期の塗膜を保持して補強シート12を外部か
ら確実に密封するため、炭化発泡層14B側から補強シ
ート12側へ空気が侵入することがなく、しかも補強シ
ート12と構造物11間の接着剤も熱により傷むことが
ない。このように金属塗膜13及び補強シート12はほ
ぼ元の状態を保持しているため、炭化発泡層14Bを除
去した後、金属塗膜13の表面をクリーニングし金属塗
料による補修塗装後、発泡性耐火塗料を塗布するだけで
図1の(a)に示す元の耐震・耐火構造物10として修
復することができる。
【0014】以上説明したように本実施形態によれば、
構造物11の補強シート12の表面を金属塗膜13で被
覆して補強シート12を外部から空気を遮断すると共
に、金属塗膜13の表面を発泡性耐火塗膜14で被覆し
たため、耐震・耐火構造物10が火災により高温下に曝
されても、発泡性耐火塗膜14が耐火発泡層となって発
泡して断熱作用を発揮し、金属塗膜13及び補強シート
12を確実に保護し、これら両者12、13の損傷を確
実に防止することができる。従って、耐震・耐火構造物
10が高温下に曝されて高価な金属塗膜13及び補強シ
ート12を確実に保護することができるため、耐震・耐
火構造物10の修復時には金属塗膜13の損傷部を金属
塗料により補修し発泡性耐火塗膜14を塗り換えるだけ
で済み、修復費用を格段に軽減することができる。しか
も、耐震・耐火構造物10を建設する場合には、従来の
ように嵩張る軽量モルタル等の断熱材を構造物11に塗
り付ける作業に代えて金属塗料及び発泡性耐火塗料を塗
布するという単なる塗装作業で済ませることができるた
め、施工費用を格段に軽減することができる。
構造物11の補強シート12の表面を金属塗膜13で被
覆して補強シート12を外部から空気を遮断すると共
に、金属塗膜13の表面を発泡性耐火塗膜14で被覆し
たため、耐震・耐火構造物10が火災により高温下に曝
されても、発泡性耐火塗膜14が耐火発泡層となって発
泡して断熱作用を発揮し、金属塗膜13及び補強シート
12を確実に保護し、これら両者12、13の損傷を確
実に防止することができる。従って、耐震・耐火構造物
10が高温下に曝されて高価な金属塗膜13及び補強シ
ート12を確実に保護することができるため、耐震・耐
火構造物10の修復時には金属塗膜13の損傷部を金属
塗料により補修し発泡性耐火塗膜14を塗り換えるだけ
で済み、修復費用を格段に軽減することができる。しか
も、耐震・耐火構造物10を建設する場合には、従来の
ように嵩張る軽量モルタル等の断熱材を構造物11に塗
り付ける作業に代えて金属塗料及び発泡性耐火塗料を塗
布するという単なる塗装作業で済ませることができるた
め、施工費用を格段に軽減することができる。
【0015】尚、構造物11の補強シート12の表面に
発泡性耐火塗料を塗布して発泡性耐火塗膜14で補強シ
ート12を被覆するだけでは発泡耐火塗膜14を通し火
災及び空気が補強シートへ入り補強シートが焼損し強度
劣化を起こし、炭化発泡層14Bのみでは構造物11を
耐震補強として保護することはできない。
発泡性耐火塗料を塗布して発泡性耐火塗膜14で補強シ
ート12を被覆するだけでは発泡耐火塗膜14を通し火
災及び空気が補強シートへ入り補強シートが焼損し強度
劣化を起こし、炭化発泡層14Bのみでは構造物11を
耐震補強として保護することはできない。
【0016】
【発明の効果】本発明の請求項1及び請求項2に記載の
発明によれば、火災時には補強シートを火炎及び高温に
より保護し強度劣化及び焼損を防止すると共に、火災後
の補修においても金属塗料及び発泡性耐火塗料、上塗り
塗料の補修のみでよく、高温下に曝されても補強シート
を損傷することなく確実に保護することができる信頼性
の高い耐震・耐火構造物を提供することができる。
発明によれば、火災時には補強シートを火炎及び高温に
より保護し強度劣化及び焼損を防止すると共に、火災後
の補修においても金属塗料及び発泡性耐火塗料、上塗り
塗料の補修のみでよく、高温下に曝されても補強シート
を損傷することなく確実に保護することができる信頼性
の高い耐震・耐火構造物を提供することができる。
【図1】本発明の耐震・耐火構造物の一実施形態を示す
断面図で、(a)は正常な状態を示す図、(b)は高熱
に曝されて発泡性耐火塗料が発泡し断熱材として機能す
る状態を示す図、(c)は発泡耐火塗料が炭化し断熱材
として機能する状態を示す図である。
断面図で、(a)は正常な状態を示す図、(b)は高熱
に曝されて発泡性耐火塗料が発泡し断熱材として機能す
る状態を示す図、(c)は発泡耐火塗料が炭化し断熱材
として機能する状態を示す図である。
【図2】従来の耐震・耐火構造物の一例を示す図1の
(a)に相当する断面図である。
(a)に相当する断面図である。
10 耐震・耐火構造物 11 構造物(コンクリート構造物または鋼構造物) 12 補強シート(補強部材) 13 金属塗膜(遮蔽部材) 14 発泡性耐火塗膜
Claims (2)
- 【請求項1】 コンクリート構造または鋼構造からなる
土木または建築構造物と、この構造物の表面に被覆され
且つこの構造物を補強する補強部材とを備え、上記補強
部材の表面を遮蔽部材で被覆すると共に、上記遮蔽部材
の表面を発泡性耐火塗料で被覆したことを特徴とする耐
震・耐火構造物。 - 【請求項2】 上記遮蔽部材が金属を主成分とする塗料
からなることを特徴とする請求項1に記載の耐震・耐火
構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10316928A JP2000129817A (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | 耐震・耐火構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10316928A JP2000129817A (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | 耐震・耐火構造物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129817A true JP2000129817A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=18082493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10316928A Pending JP2000129817A (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | 耐震・耐火構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000129817A (ja) |
-
1998
- 1998-10-20 JP JP10316928A patent/JP2000129817A/ja active Pending
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