JP2000129766A - 暗きょ用筒状体の継手構造 - Google Patents

暗きょ用筒状体の継手構造

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JP2000129766A
JP2000129766A JP10304025A JP30402598A JP2000129766A JP 2000129766 A JP2000129766 A JP 2000129766A JP 10304025 A JP10304025 A JP 10304025A JP 30402598 A JP30402598 A JP 30402598A JP 2000129766 A JP2000129766 A JP 2000129766A
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Masako Nakamura
眞佐子 中村
Kazue Yonemoto
和枝 米本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 暗きょの耐震性を簡易、安価に向上させるた
めの暗きょ用筒状体の継手構造を提供する。 【解決手段】 端内壁部Q、Qを段差状に凹ませ連結用
凹部P、Pとした一対の暗きょ用筒状体11、11を突
き合わせて構成される筒継目部Tと、筒継目部Tで連続
状態とされる一対の端壁部Q、Qーに対し掛け渡される
複数の締結部材12、12と、筒継目部Tで連続状態と
される連結用凹部P、Pが形成する空間のうちで、少な
くとも露出空隙部P1に充填配置され、弾性小片(ゴム
製チップ等)及びバインダー(一液性バインダー等)の
混合物を硬化させて構成される弾性充填部16とを備え
る。隣接配置される各筒状体11、11の対応する開口
端面同士(11a及び11b)が、遊間部Wを維持した
状態で突き合わされる場合、上記の様な混合物で、遊間
部Wを充填してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暗きょ用筒状体の
継手構造に関し、暗きょの耐震性を簡易、且つ安価に向
上させるものである。
【0002】
【従来の技術】所謂、「暗きょ(カルバート)」には、
図2に示す様な暗きょ用筒状体(以下、「筒状体」とい
う。)11を、連続的に継ぎ合わせて構成されるものが
多い。かかる暗きょを構成する各筒状体11の端部側に
は、段差状に凹んだ連結用凹部P、が設けられているこ
とが多い。この種の暗きょでは、図5に示す様に、隣接
配置される筒状体11、11の開口端面同士(11a及
び11b)が突き合わされ、隣合う連結用凹部P、Pが
連続した状態とされることが多い。そして、この連続状
態とされた連結用凹部P、Pの各底面に相当する各端内
壁部Q、Qの間には、複数の締結部材12が掛け渡され
ることが多い。また、必要に応じて、連続状態とされた
連結用凹部P、Pの形成する空間のうちで、筒状体1
1、11の内方へと露出する露出空間部P1に、モルタ
ルコンクリート等で構成されたシール材が充填配置され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の暗きょが、
的確な設計、施工を経て構築されるものであれば、必要
な耐震性を備えるものと考えられるが、これらに更なる
改良を加え、より一層の耐震性の向上を図ることが重要
と考えられる。特に、「阪神淡路大震災」等の様な超大
型地震の際にも、十二分に耐え得る耐震性を確保するこ
とが、この種の連続構造物では重要と考えられる。即
ち、従来の「暗きょ」では、露出空間部P1が空隙のま
まであるか、モルタルコンクリート等の弾性に乏しいシ
ール材により充填されているに過ぎないため、暗きょ全
体の強度がこの箇所P1を中心に低くなり易い。このた
め、この箇所P1を十分に補強し、暗きょの耐震性のよ
り一層の向上を図ることが望ましいと考えられる。
【0004】本発明は、上記観点に鑑みてなされたもの
であり、暗きょの耐震性を簡易、且つ安価に向上させる
ための筒状体の継手構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意、研究を重ねた結果、上記露出空
間部Pに、予め、施工現場外で作製された弾性充填物、
弾性シート状物、金属板等の詰め物を、配置すれば良い
のではないかと考えた。しかしながら、この工法では、
この詰め物自体の作製コストが高くなり易い。また、一
の暗きょに存在する全ての露出空間部Pの形状、大きさ
等が統一されていることは稀であると共に、実際の施工
現場の状況は千差万別である。従って、この工法を用い
た場合、形状、大きさ等の異なる幾通りもの詰め物を準
備した上で、施工の際に、ある程度の手直しが必要とな
り、施工上の手間及びコストが大きくなり易い。そし
て、本発明者らは、これらの欠点を解決するために、更
に鋭意研究を重ね、本第1〜3発明を完成したのであ
る。
【0006】即ち、本第1発明の暗きょ用筒状体の継手
構造(以下、「継手構造」という。)は、内壁の端部側
に位置する端内壁部を段差状に凹ませ、開口端面に至る
連結用凹部とした一対の暗きょ用筒状体の対応する開口
端面同士を、所定の遊間部を維持した状態、若しくは略
接触した状態で突き合わせて構成される筒継目部と、該
筒継目部で連続状態とされる一対の端内壁部にそれぞれ
掛け渡されながら、該筒継目部の内周方向に沿って周回
状に配置される複数の締結部材と、上記筒継目部で連続
状態とされる一対の連結用凹部が形成する空間のうち
で、少なくとも該筒継目部の内方へと露出する露出空間
部に充填配置され、所定の弾性小片及び所定のバインダ
ーの混合物を硬化させて構成される弾性充填部と、を備
えることを特徴とする。
【0007】本発明では、「露出空間部」を弾性に優れ
た「弾性充填部」により充填しているため、継手構造の
耐震性が向上する。また、この「弾性充填部」を現場施
工により形成できる。即ち、この「弾性充填部」は、筒
継め目部の内方より「露出空間部」内に「混合物」を挿
入し、硬化させるだけで、各「露出空間部」にフィット
したものとなる。従って、高い施工性、低い施工コスト
の下で、高い耐震性を備えた継手構造とできる。
【0008】上記の如く、一対の筒状体の対応する開口
端面同士は、所定の遊間部を維持した状態で突き合わさ
れても、略接触する状態で突き合わされてもよい。但
し、前者の場合には、通常、遊間部に、所定の充填物
(シール材等)が配置される。この充填物の材質、構成
等は種々選択されるが、本第2発明に示す様に、上記
「弾性充填部」と同様な材質、構成等とすることもでき
る。即ち、本第2発明では、上記対応する開口端面同士
が上記遊間部を維持した状態で突き合わされると共に、
所定の弾性小片及び所定のバインダーの混合物を硬化し
て構成される弾性シール部により、該遊間部を充填して
いる。本第2発明によれば、開口端面間の遊間部にも、
弾性が高く、施工が容易な「弾性シール部」を備えるた
め、本第1発明の継手構造が、更に一層、高性能なもの
となる。
【0009】上記「弾性小片」の材質は種々選択される
が、本第3発明に示す「ゴム製チップ」が特に好適に用
いられる。この「ゴム製チップ」としては、ウレタンゴ
ム、SBR、NBR、CR、EPM、EPDM、FPM
等の合成ゴムのチップや、天然ゴムのチップの他に、合
成ゴムのチップと天然ゴムのチップとの混合物等を例示
できる。また、この「チップ」としては、古タイヤ(ブ
チルゴム製等)、自動車部品の廃物(EPDM、ポリウ
レタン使用品の廃物等)や、各種樹脂成形品の製造仮定
で生ずる廃材(ポリウレタンの廃材等)を適宜、粉砕し
て利用したものでもよい。尚、廃材の粉砕物の利用は、
省資源、リサイクルの点で好ましい。
【0010】また、上記「弾性小片」の形状を、平面円
形状、平面正多角形等の対称性の高いものとしてもよい
が、対称性の低いものとすることもできる。後者の例と
して、長手寸法と横手寸法とが一致しない略ひじき形状
のものが挙げられる。この形状の場合、「弾性充填部」
(若しくは、「弾性充填部」及び「弾性シール部」)を
構成する各弾性小片同士が、互いに絡み合い易くなり、
「弾性充填部」等の賦形性、弾性がより一層、向上す
る。また、上記「弾性小片」を、カールの掛かった状態
としてもよい。かかる場合にも、各弾性小片同士が互い
に絡み合い易くなり、賦形性、弾性のより一層の向上が
図られる。
【0011】上記「バインダー」の材質、組成等は、種
々選択されるが、例えば、ウレタン系のバインダー、ス
チレン−ブタジエンゴム系のバインダー、ニトリルゴム
系のバインダー、クロロプレンゴム系のバインダー、ビ
ニルピリジンゴム系のバインダー等のゴム系のバインダ
ーや、その他の液状ゴムからなるバインダーの様に、弾
性に富んだものを用いることが望ましい。また、一液性
のバインダーでも、二液性のバインダーでもよいが、一
液性のバインダーを用いた場合、作業性が特に良好とな
る。また、硬化時間も、作業時間等を考慮して、適宜、
選択できる。
【0012】更に、上記「混合物」中の「弾性小片」
と、「バインダー」の混合割合も種々選択できる。但
し、「弾性小片」100重量部(以下、「部」とい
う。)に対するバインターの投入量は、10〜30部程
度(特に、好ましくは、15〜25部)にすることが好
ましい。このバインターの混合量が、10部未満であれ
ば、「弾性充填部」(若しくは、「弾性充填部」及び
「弾性シール部」)の賦形性が低くなり、30部を越え
ると、「弾性賦形部」等の弾性が十分に確保されない恐
れがあるからである。
【0013】また、「弾性小片」と、「バインダー」と
を混合攪拌する前に、バインダーの接着性の向上を意図
して、「弾性小片」を所定の「表面処理剤」と共に混合
攪拌することもできる。このときの「表面処理剤」の混
合量は、「弾性小片」100部に対して、2〜8部程度
(特に、好ましくは、3〜7部)にすることが好まし
い。この「表面処理剤」の混合量が、2部未満であれ
ば、「表面処理剤」を混合する効果が小さく、8部を越
えると、かえって接着性が悪くなる恐れがあるからであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。 (1)実施の形態1 本形態では、図1に示す様な継手構造Aについて述べ
る。この継手構造Aは、一対の筒状体11、11の対応
する開口端面11a、11b同士を突き合わせて構成さ
れた筒継目部Tと、筒継目部Tの内周方向に多数配置さ
れた締結部材12と、各締結部材12毎に2つずつ取着
されたアンカー部材13、13と、弾性充填部16と、
補助シート17とを備えている。
【0015】このうち、各筒状体(構造;鉄筋コンクリ
ー構造)11、11は、図1及び2を用いて示される様
に、縦断面が略正方形リング状とされた筒状の外形(外
径;約2800〜2900mm、内径;約2550〜2
650mm、肉厚;約170〜190mm)を備えてい
る。そして、各筒状体11、11の内壁は、両端部側の
端内壁部Q、Qにおいて段差状に凹んでいる。この結
果、各筒状体11、11の両端部側には、各開口端面1
1a、11bに通じ、且つ略正方形リング状の空間形状
とされた各連結用凹部(深さ;約70mm、幅;約12
0mm、周回長;約1000mm)P、Pが形成されて
いる。但し、上記各筒状体11、11の双方、若しくは
一方が、一方の端部側にのみ、この様な連結用凹部Pを
備えてもよい。尚、この様に、一方の端部側にのみ、連
結用凹部Pを備えた筒状体11は、暗きょの端部等に配
置される。
【0016】また、図11に示す様に、上記「対応する
開口端面11a、11b」の間には、約20mmの遊間
部Wが設けられている。そして、この遊間部Wには、筒
継目部Tの内方より順に、コーキング材(筒状体11の
板厚方向に沿った厚み;約20mm)K、バックアップ
材(同厚み;約10mm)M及び止水目地材(同厚み;
約140mm)Nが充填配置されている。更に、各筒状
体11、11の各連結用凹部P、Pは、この遊間部Wを
挟んで、略連続した状態にされている。また、端内壁部
Q、Qも、遊間部Wを挟んで略連続した状態(面一の状
態)にされている。
【0017】上記多数の締結部材(商品名;「ガイドト
プジョイント」、中外道路社製)12は、連続状態とな
った端内壁部Q、Qの間に、それぞれ掛け渡されてい
る。そして、各締結部材12は、隣接する他の締結部材
12と間に所定の間隔をおきながら、筒継目部Tの内周
方向を略周回する状態に連続配置されている。また、個
々の締結部材12は、一対の植え込みボルト(M16×
75mm)121、121と、連結用ベルト122と、
一対の座金123、123と、一対の締め付け用ナット
(M16)124、124とを備えている。また、連結
用ベルト(ブチルゴム製)122は、中間部をU字形状
とし、且つ各端部を平板形状とすると共に、各端部の略
中心に各貫通孔を備えている。更に、各座金123、1
23は、所定の鋼板の略中心に、連通孔を形成して構成
されるものである。
【0018】また、各植え込みボルト121、121
は、図1に示す様に、予め、頭部、及び軸部の下方側
を、筒状体11、11に埋め込んだ状態とされている。
即ち、筒状体11、11の作製時に、各植え込みボルト
121、121は、筒状体11、11に取着された状態
になる。但し、一の締結部材12を構成することとなる
一対の植え込みボルト121、121は、各端内壁部
Q、Qの遊間部Wを挟んで対称な箇所から、軸部の上方
側を突出させている。
【0019】更に、連結用ベルト122は、一対の植え
込みボルト121、121の軸部の上方側を、上記各貫
通孔に挿入しながら、各連結用凹部P、P間に掛け渡さ
れている。また、一対の座金123、123は、一対の
植え込みボルト121、121の軸部の各上方側を、上
記各連通孔に挿入しながら、連結用ベルト122の各端
部の上に配置されている。そして、各植え込みボルト1
21、121の各雄螺子部に、各締め付け用ナット12
4、124を螺合させれば、個々の締結部材12の取着
を完了する。
【0020】尚、本実施の形態では、各植え込みボルト
121、121の先端側に、略T字状の縦断面を備えた
アンカー部材13、13が取着されている。このアンカ
ー部材13、13は、上記弾性充填部16の固定状態を
より一層、強固にするためのものである。但し、このア
ンカー部材13、13の配置を省略することもできる。
上記弾性充填部16は、連続状態とされた連結用凹部
P、Pが形成する空間のうちで、筒継目部Tの内方へと
露出する部分、即ち、露出空間部P1を充填するもので
ある。このため、弾性充填部16の全体の外形は、略四
角リング形状となる。但し、弾性充填部16の裏面側
(端内壁部Q、Qを向いた面の側)には、締結部材12
及びアンカー部材13、13の凸形状と凹凸の反転した
形状の凹部が形成されている。
【0021】そして、この弾性充填部16は、図3
(a)に示す様に、円柱状〔直径;約1mmφ、長さ;
1〜3mm〕のゴム製チップ(タイヤの廃材のチップ)
161と、各チップ161間の3次元的な結合及び各チ
ップ161間の空隙の充填を行う一液性のウレタンバイ
ンダー(商品名;「エラストコート EC1210」、
ポリウレタン化成社製、粘度;3600〜4600cp
s、NCO含有量;7.8〜9.0%)162と、で構
成されている。但し、上記ゴム製チップ161を、角柱
状等の他の外形を備えたものとしても良いし、ゴム製チ
ップ161が、図3(b)に示す様に、カールの掛けら
れたものであってもよい。また、ゴム製チップ161の
サイズ、構成原料等は、本第1発明等の目的を達成でき
る範囲で種々選択できる。また、バインダー162の種
類はここに示すものに限定されない。
【0022】また、図1に示す様に、露出空間部P1
表面と、弾性充填部16との境界には、所定のプライマ
ー層166が形成されている。このプライマー層166
は、弾性充填部16の露出空間部P1に対する定着を、
より強固にするために用いられる。従って、このプライ
マー層166の形成を省略することもできる。上記補助
シート(筒状体11の軸線に沿った幅;約300mm、
厚み;約1mm)17は、弾性充填部16の露出面を隠
蔽する様に配置されている。また、この補助シート17
は、繊維入りの未加硫のブチルゴムシートを用いて構成
されいるが、その材質、構造等は、これに限定されな
い。
【0023】この補助シート17を配置する主な目的
は、露出空間部P1に充填された弾性充填部16の原料
(後述の混合物)が硬化するまでの間、この原料の露出
空間部P1からの漏れを防止することである。従って、
この補助シート17により、弾性充填部16の露出面全
体を覆う様に配置する必要はない。例えば、露出面のう
ちで、下方側を向いた部分にのみ、この補助シート17
を配置してもよい。但し、補助シート17は、弾性充填
部16を水分等から保護するための保護シートとしても
機能できる。かかる機能を重視する場合には、この補助
シート17が、弾性充填部16の露出面全体を覆うのが
好ましい。その反面、弾性充填部16の構成原料(混合
物)が、十分な粘り気を有していれば、補助シート17
の配置を省略することもできる。
【0024】次に、本継手構造の施工例を簡単に説明す
る。先ず、施工現場に上記筒状体11を多数配置し、上
記筒継目部Tの形成、各筒継目部Tに対する上記締結部
材12の取着を行う。次いで、約100部の上記ゴム製
チップ161が収納されたバケツ若しくはミキシングタ
ンキ等の内に、約20部の上記バインダー162を投入
して、所定の時間(例えば、4〜6分間)攪拌する。こ
の攪拌により、ゴム製チップ161の表面に、バインダ
ー162がまぶされた状態となり混合物が作成される。
【0025】但し、ゴム製チップ161及びバインダー
162の重量比、攪拌時間等は種々、選択できる。ま
た、バインダー162を投入する前の段階で、バケツ内
等に所定の表面処理剤〔例えば、「エラストコート E
C1410(ポリウレタン化成社製)」と称されるもの
を5部程度〕が投入され、所定時間(例えば、3〜5
分)、攪拌されていてもよい。更に、上記バインダー1
62と共に、顔料、促進剤等を投入してもよい。特に、
冬季における施工の際には、促進剤を投入することが望
ましい。
【0026】次いで、筒継目部Tの内部より、露出空間
部P1の露出面、即ち、筒継目部Tの内部へと露出する
連結用凹部P、Pの面、各締結部材12の表面及びアン
カー部材13、13の表面に、プライマー液(ゴム系の
接着剤等)を塗布し、上記プライマー層166を形成す
る。続いて、「こて」等の治具を用いて、上記混合物を
筒継目部T(筒状体11、11)の内側から露出空間部
1内に挿入する(塗り込む)。次いで、露出空間部P1
を隠蔽する様に、上記補助シート17を取着する。この
補助シート17の取着は、その周縁部を、筒状体11、
11の内壁の露出空間部P1の周囲に位置する部分に、
ローラー圧着させながら行う。そして、所定時間(夏場
で、10〜30分、冬季で30〜60分程度)経過すれ
ば、各露出空間部P1に、弾性充填部16が形成され
る。
【0027】以上の様に、本継手構造Aは、露出空間部
1に弾性に優れた弾性充填部16を充填配置してい
る。従って、暗きょに大きな振動が加わっても、隣接し
合う一対の筒状体11、11が、筒継ぎ目Tを中心にし
て屈曲等したり、互いに離脱しようとすること等が防止
できる。このため、継手構造Aを利用すれば、地震(特
に、大型地震)に対して、十分に耐え得る暗きょを構築
できる。また、弾性充填部16自体が十分なシール性能
を発揮するため、締結部材12の腐食、劣化等を確実に
防止できる。この点からも、暗きょ全体の強度が高めら
れる。更に、上記の様に、優れた性能を備えた弾性充填
部16を、個々の露出空間部P1の大きさ、形状に十分
にフィットさせながら、現場施工により容易に形成でき
る。以上の様に、本継手構造Aを用いれば、高い施工
性、低い施工コストの下で、耐震性、シール性の高い暗
きょを得ることができる。
【0028】(2)実施の形態2 本形態では、図4に示す様な継手構造Bについて述べ
る。この継手構造Bは、以下の点で異なる他は、上記継
手構造Aと同様である。即ち、一対の筒状体11、11
の対応する開口端面11a、11bの間に形成される遊
間部Wの間に、図4に示す様な弾性シール部181を形
成すると共に、弾性シール部181の内側(各連結用凹
部P、Pの側)の端部を、第2補助シート182で隠蔽
している点が異なっている。上記弾性シール部181
は、実施の形態1と同様な混合物を用いて構成されてい
る。そして、一対の筒状体11、11を突き合わせた後
に、「こて」等を用いて、遊間部W内に、この混合物を
挿入し、硬化させて形成される。
【0029】また、第2補助シート182は、実施の形
態1の補助シート16と同様なものである。そして、こ
の第2補助シート182は、混合物の遊間部Wからの漏
れを防止するために用いられる。尚、この第2補助シー
ト182は、必ずしも、弾性シール部181の内側の端
部全体を被覆する必要はないし、この第2補助シート1
82の配置を省略することもできる。そして、この混合
物の上記遊間部Wへの挿入と、第2補助シート182の
取着を行った後に、実施の形態1で述べた「締結部材1
2」、「プライマー層166の形成」、「露出空間部P
1への混合物の挿入」及び「補助シート17の取着」を
行えば、本継手構造Bが形成される。
【0030】本継手構造Bでは、各筒状体11、11の
開口端面11a、11bの間にも、弾性に富み、施工が
容易な弾性シール部181が形成される。従って、より
一層、耐震性、シール性の高い暗きょを、高い施工性の
下、低い施工コストで得ることができる。尚、本発明に
おいては、上記具体的な実施の形態に示すもに限らず、
目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した別の
実施の形態、変形的な形態、別の実施例、変形例とする
ことができる。即ち、実施の形態1及び2では、ボック
スカルバートへの適用例を述べたが、各継手構造A、B
は、アーチカルバート等の他の形状の暗きょに対しても
適用できる。また、本第1〜3発明の変形例として、混
合物の代わりに、粘性の高い液状ゴムを利用したものを
例示できる。
【0031】
【発明の効果】以上の様に、本第1〜3発明の継手構造
を用いれば、暗きょの耐震性を簡易、且つ安価に向上さ
せられる。また、暗きょの筒継目部のシール性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の継手構造Aの一部縦断面図であ
る。
【図2】実施の形態1の継手構造A及び従来例の継手構
造を構成する筒状体の斜視図である。
【図3】(a)は実施の形態1の弾性充填部16の概略
的な縦断面図、(b)は実施の形態1の変形例に係わる
弾性充填部16の概略的な縦断面図である。
【図4】実施の形態2の継手構造Bの一部縦断面図であ
る。
【図5】従来例に係わる継手構造を説明するための一部
縦断面図である。
【符号の説明】
A、B;継手構造、11;筒状体、11a、11b;開
口端面、T;筒継目部、Q;端内壁部、P;連結用凹
部、P1;露出空間部、W;遊間部、12;締結部材、
121;植え込みボルト、122;連結用ベルト、12
3;座金1、124;締め付け用ナット、13;アンカ
ー部材、16;弾性充填部、161;ゴム製チップ、1
62;一液性のバインダー、166;プライマー層、1
7;補助シート、181;弾性シール部、182;第2
補助シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米本 和枝 愛知県東海市加木屋町北鹿持1−109 Fターム(参考) 2D063 BA05 BA26 BA27 BA28 3J039 AA07 BB02 KA02 MA01 MA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁の端部側に位置する端内壁部を段差
    状に凹ませ、開口端面に至る連結用凹部とした一対の暗
    きょ用筒状体の対応する開口端面同士を、所定の遊間部
    を維持した状態、若しくは略接触した状態で突き合わせ
    て構成される筒継目部と、 該筒継目部で連続状態とされる一対の端内壁部にそれぞ
    れ掛け渡されながら、該筒継目部の内周方向に沿って周
    回状に配置される複数の締結部材と、 上記筒継目部で連続状態とされる一対の連結用凹部が形
    成する空間のうちで、少なくとも該筒継目部の内方へと
    露出する露出空間部に充填配置され、所定の弾性小片及
    び所定のバインダーの混合物を硬化させて構成される弾
    性充填部と、を備えることを特徴とする暗きょ用筒状体
    の継手構造。
  2. 【請求項2】 上記対応する開口端面同士が上記遊間部
    を維持した状態で突き合わされると共に、所定の弾性小
    片及び所定のバインダーの混合物を硬化して構成される
    弾性シール部により、該遊間部を充填している請求項1
    記載の暗きょ用筒状体の継手構造。
  3. 【請求項3】 上記弾性小片が、所定のゴム製チップで
    構成され、且つ上記バインダーが一液性のバインダーと
    される請求項1又は2記載の暗きょ用筒状体の継手構
    造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6570288B1 (en) * 2000-06-20 2003-05-27 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Outer rotor type brushless direct current motor
JP2006249721A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The 二重可撓継手の取付構造

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JP4496994B2 (ja) * 2005-03-09 2010-07-07 横浜ゴム株式会社 二重可撓継手の取付構造

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