JP2000128849A - フェニルナフタレン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

フェニルナフタレン誘導体及びその製造方法

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JP2000128849A
JP2000128849A JP10303879A JP30387998A JP2000128849A JP 2000128849 A JP2000128849 A JP 2000128849A JP 10303879 A JP10303879 A JP 10303879A JP 30387998 A JP30387998 A JP 30387998A JP 2000128849 A JP2000128849 A JP 2000128849A
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carbon atoms
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Masashi Osawa
政志 大澤
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 N相の上限温度を悪化させないか、あるいは
上昇させることができ、且つしきい値電圧を低下させる
液晶化合物を提供し、これを用いた、広いN相温度範囲
と低電圧駆動性を有する液晶組成物を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (R:C数1〜12のアルキル、C数2〜12のアルケ
ニル、アルコキシルアルキル、L:−CH2CH2−、単
結合、n:0、1、環A:トランス-1,4-シクロへキシ
レン、F原子で置換可能な1,4−フェニレン、X:H
原子、F原子)の化合物、その製造方法、これを含有す
る液晶組成物、これを用いた液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規液晶性化合物で
あるフェニルナフタレン誘導体とその製造方法及びそれ
を含有する液晶組成物に関する。これらは電気光学的液
晶表示用、特に低電圧駆動が可能なネマチック液晶材料
として有用である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。
【0003】これらの表示方式や駆動方式に応じて、液
晶材料としても種々の特性が要求されている。その中
で、低電圧駆動性は、最近特に重要な要求特性となって
おり、そのためには閾値電圧(Vth)が低い必要があ
る。また、室温を含む広い温度範囲で駆動が可能である
ことも重要である。
【0004】液晶素子において、閾値電圧の自乗は、誘
電率異方性に逆比例し、弾性定数に比例することは、よ
く知られている。従って、閾値電圧を低減させるために
は、液晶組成物の誘電率異方性(Δε)を大きくしなけ
ればならず、そのためには、Δεの大きな化合物(P型
液晶)が必要である。P型液晶の代表的なものとして
は、分子末端にシアノ基を有する化合物を挙げることが
できる。シアノ基を有する液晶性化合物としては、例え
ば一般式(A)
【0005】
【化6】
【0006】で表されるシアノビフェニル誘導体(式
中、Raは直鎖状アルキル基を表す。)等が用いられて
きた。しかしながら、式(A)の化合物は、閾値電圧を
大きく低下させることはできるが、そのものの液晶性が
低いため、液晶組成物を調製した際に、ネマチック相上
限温度(TN-I点)を低下させてしまう欠点があった。
【0007】また、液晶性の高いシアノ基を有する液晶
化合物としては、例えば一般式(B)
【0008】
【化7】
【0009】で表されるテルフェニル誘導体(式中、R
bは直鎖状アルキル基を表す。)等が用いられてきた。
確かに、式(B)の化合物は、TN-I点を大きく上昇さ
せ、Δεを大きくすることができる。しかしながら、式
(B)の化合物の弾性定数は非常に大きく、そのため、
前述の関係から、閾値電圧については大きく改善するこ
とは困難である。
【0010】式(A)の化合物及び式(B)の化合物の
中間的な性質を有するシアノ基を有する液晶化合物とし
て、一般式(C)
【0011】
【化8】
【0012】で表されるフェニルナフタレン誘導体(式
中、Rcは直鎖状アルキル基を表す。)が知られている
(Gray.G.W.,Lacey.D.:Mol.Cryst.Liq.Crest.99,123 (1
983))。しかしながら、本発明者らが検討したところで
は、式(C)の化合物は、TN- I点を上昇させ、Δεを
大きくすることはができるが、閾値電圧についての改善
効果は、あまり優れたものではない。
【0013】従って、TN-Iを悪化させないか、あるい
は上昇させることができ、且つ閾値電圧を低下させるこ
とのできる液晶化合物が求められている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じるため、ネマチック相上
限温度が比較的高く、大きな誘電率異方性を有するシア
ノ系のフェニルナフタレン誘導体である液晶性化合物を
提供し、さらにこれを用いて、広いネマチック相温度範
囲と低電圧駆動性を有する液晶組成物を提供することに
ある。
【0015】即ち、前記課題を解決するための手段とし
て、 1.一般式(I)
【0016】
【化9】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
素原子を表す。)で表されるフェニルナフタレン誘導
体。
【0017】2.一般式(I)において、nが0を表す
ところの上記1記載のフェニルナフタレン誘導体。 3.一般式(I)において、nが1を表し、Lが単結合
を表し、環Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基
を表すところの上記1記載のフェニルナフタレン誘導
体。 4.一般式(I)において、Rが炭素原子数2〜7の直
鎖状アルキル基又は炭素原子数4〜7の3−アルケニル
基を表すところの上記1、2又は3記載のフェニルナフ
タレン誘導体。
【0018】5.一般式(II)
【0019】
【化10】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
素原子を表す。)で表されるトリフラートを遷移金属触
媒存在下に、シアン化合物と反応させることを特徴とす
る上記1記載の一般式(I)で表されるナフタレン誘導
体の製造方法。 6.一般式(II)においてXが水素原子を表すところ
の上記5記載の製造方法。
【0020】7.一般式(III)
【0021】
【化11】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
素原子を表す。)で表される化合物をアルキルリチウム
でリチオ化し、次いで二酸化炭素と反応させることによ
り、一般式(IV)
【0022】
【化12】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
素原子を表す。)で表される安息香酸誘導体を得て、こ
れをハロゲン化剤で安息香酸クロリドとし、アンモニア
と反応させアミドとし、これを脱水剤と反応させること
を特徴とする上記1記載の一般式(I)で表されるナフ
タレン誘導体の製造方法。 8.一般式(III)においてXがフッ素原子を表すと
ころの上記7記載の製造方法。
【0023】9.一般式(V)
【0024】
【化13】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
素原子を表し、X1、X2、X3及びX4はそれぞれ独立的
に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表
す。)で表される2−オキサゾリン誘導体を脱水剤と反
応させることを特徴とする上記1記載の一般式(I)で
表されるナフタレン誘導体の製造方法。 10.上記1記載の一般式(I)で表される化合物を含
有する液晶組成物。 11.上記10記載の液晶組成物を構成要素とする液晶
素子。を前記課題を解決するための手段として見出し
た。
【0025】
【課題を解決するための手段】以下に本発明の一例につ
いて説明する。
【0026】本発明は、上記課題を解決するために、一
般式(I)
【0027】
【化14】
【0028】で表されるフェニルナフタレン誘導体を提
供する。
【0029】式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル
基、又は炭素原子数2〜12のアルケニル基あるいはア
ルコキシルアルキル基を表すが、炭素原子数1〜7の直
鎖状アルキル基又は炭素原子数2〜7の直鎖状アルケニ
ル基が好ましく、特に炭素原子数2〜5の直鎖状アルキ
ル基又は炭素原子数2〜4のアルケニル基が好ましい。
Lは−CH2CH2−又は単結合を表し、nは0又は1を
表し、nが1のときには、環Aはトランス−1,4−シ
クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
い1,4−フェニレン基を表すが、トランス−1,4−
シクロヘキシレン基が好ましい。Xは水素又はフッ素原
子を表すが、フッ素原子が好ましい。
【0030】一般式(I)の化合物は例えば以下のよう
な方法により製造することができる。
【0031】(製法A) 一般式(II)
【0032】
【化15】
【0033】(式中、R、環A、L、n及びXは一般式
(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるトリフ
ラートをパラジウム(0)錯体、パラジウム(II)錯体、
ニッケル(0)錯体、ニッケル(II)錯体等の遷移金属触媒
存在下に、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、シ
アン化銅(I)等のシアン化合物と反応させることにより
得ることができる。ここで遷移金属触媒としてはテトラ
キストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等のパラジ
ウム(0)錯体が最も好ましい。反応溶媒は、トルエン、
キシレン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジメトキシエタン(DME)等のエーテル類、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒類、あるいは
これらの混合溶媒等が用いられるが非プロトン性極性溶
媒類が好ましい。
【0034】本発明は一般式(I)で表される化合物の
製造方法の第1としてこのように対応するトリフラート
を直接シアノ化することを特徴とする方法を提供するも
のであり、本方法は一般式(I)に於いてXが水素原子
を表す化合物の場合に於いて特に適している。
【0035】ここで、一般式(II)のトリフラートは
対応するメトキシ体(VI)
【0036】
【化16】
【0037】(式中、R、環A、L、n、及びXは一般
式(I)におけると同じ意味を表す。)から以下の工程
に基づいて製造することができる。
【0038】即ち、メトキシ体(VI)を臭化水素酸、
無水塩化アルミニウム、三臭化ホウ素又はトリメチルヨ
ードシラン等を用いて、脱メチル化することにより一般
式(VII)
【0039】
【化17】
【0040】(式中、R、環A、L、n、及びXは一般
式(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるフェ
ノール誘導体を得る。これをピリジンあるいはトリエチ
ルアミン等の塩基存在下に、トリフルオロメタンスルホ
ン酸無水物又はトリフルオロメタンスルホン酸クロリド
と反応させることにより、一般式(II)のトリフラー
トを得ることができる。
【0041】メトキシ体(VI)はその一般式における
環A、L、及びnに応じて以下のようにして製造するこ
とができる。
【0042】(イ)n=0の場合 6−ブロモ−2−メトキシナフタレン(VII)
【0043】
【化18】
【0044】と一般式(VIII)
【0045】
【化19】
【0046】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表し、Yは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を
表す。)で表されるグリニャール反応剤をニッケル(0)
錯体、ニッケル(II)錯体等の遷移金属触媒存在下に反応
させることにより、一般式(IXa)
【0047】
【化20】
【0048】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)で表される2−メトキシナフタレン誘導
体を得る。これを臭化水素酸、無水塩化アルミニウム、
三臭化ホウ素又はトリメチルヨードシラン等を用いて、
脱メチル化し、一般式(Xa)
【0049】
【化21】
【0050】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)で表される2−ナフトール誘導体を得
る。これをピリジンあるいはトリエチルアミン等の塩基
存在下に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物又はト
リフルオロメタンスルホン酸クロリドと反応させること
により、一般式(XIa)
【0051】
【化22】
【0052】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)で表されるトリフラートを得ることがで
きる。このトリフラートを一般式(XIIa)
【0053】
【化23】
【0054】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)で表されるグリニャール反応剤とパラジ
ウム(0)錯体、パラジウム(II)錯体、ニッケル(0)錯体、
ニッケル(II)錯体等の遷移金属触媒存在下に反応させる
ことにより、一般式(VI)で表される化合物のうち、
n=0であるところの一般式(VIa)
【0055】
【化24】
【0056】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)の化合物を得ることができる。
【0057】(ロ)n=1でかつLが単結合、環Aがト
ランス−1,4−シクロヘキシレン基を表す場合 6−ブロモ−2−メトキシナフタレン(VII)とマグ
ネシウムから調製したグリニャール反応剤を一般式(X
IIIa)
【0058】
【化25】
【0059】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)で表されるシクロヘキサンノン誘導体と
反応させ、得られたシクルヘキサノール誘導体をp−ト
ルエンスルホン酸等の酸触媒存在下に脱水させることに
より、一般式(XIVa)
【0060】
【化26】
【0061】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)で表されるシクロヘキセン誘導体を得
る。これをパラジウム炭素等の遷移金属触媒存在下に、
接触還元し、得られたシス/トランスの混合物から、必
要に応じて塩基存在下にトランス体への異性化を行った
後、トランス体を分離することによって、一般式(IX
b)
【0062】
【化27】
【0063】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)で表される化合物を得る。以下、n=0
の場合と同様にして一般式(VI)で表される化合物の
うち、n=1でかつLが単結合、環Aがトランス−1,
4−シクロヘキシレン基を表すところの一般式(VI
b)
【0064】
【化28】
【0065】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表す。)を得ることができる。
【0066】(ハ)n=1でかつ、Lが単結合、環Aが
フッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン
基を表す場合 6−ブロモ−2−メトキシナフタレン(VII)と一般
式(XV)
【0067】
【化29】
【0068】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表し、環Bはフッ素原子で置換されていてもよい
1,4−フェニレン基を表す。)で表されるフェニルホ
ウ酸誘導体をパラジウム(0)錯体、パラジウム(II)錯
体、ニッケル(0)錯体、ニッケル(II)錯体等の遷移金属
触媒存在下に反応させることにより、一般式(IXc)
【0069】
【化30】
【0070】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表し、環Bはフッ素原子で置換されていてもよい
1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物を得
る。以下、n=0の場合と同様にして一般式(VI)で
表される化合物のうち、n=0でかつ、Lが単結合、環
Aがフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニ
レン基を表すところの(VIc)
【0071】
【化31】
【0072】(式中、Rは一般式(I)におけると同じ
意味を表し、環Bはフッ素原子で置換されていてもよい
1,4−フェニレン基を表す。)の化合物を得ることが
できる。
【0073】(ニ)n=1でかつLが−CH2CH2−を
表す場合 前述にロ)において、(XIIIa)のシクロヘキサノ
ン誘導体に換えて、一般式(XIIIb)
【0074】
【化32】
【0075】(式中、R及び環Aは一般式(I)におけ
ると同じ意味を表す。)で表されるアルデヒドを用いた
他は同様にして、一般式(VI)で表される化合物のう
ち、n=1でかつLが−CH2CH2−を表すところの
(VId)
【0076】
【化33】
【0077】(式中、R及び環Aは一般式(I)におけ
ると同じ意味を表す。)を得ることができる。
【0078】(製法B) 一般式(III)
【0079】
【化34】
【0080】(式中、R、環A、L、n及びXは一般式
(I)におけると同じ意味を表す。)で表されるフルオ
ロベンゼン誘導体をアルキルリチウムによりリチオ化
し、次いで二酸化炭素を反応させることにより一般式
(IV)
【0081】
【化35】
【0082】(式中、R、環A、L、n及びXは一般式
(I)におけると同じ意味を表す。)で表される安息香
酸誘導体を得る。ここでアルキルリチウムとしては、市
販のn−ブチルリチウムあるいはメチルリチウムを用い
ることができ、n−ブチルリチウムが特に好ましい。こ
の安息香酸誘導体に塩素化剤を反応させて安息香酸クロ
リドとし、次いでアンモニアと反応させることにより対
応するアミドを得る。ここで塩素化剤としては塩化チオ
ニル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、オキ
シ塩化リン等を用いることができるが塩化チオニルが好
ましい。次に、得られたアミドを脱水剤と反応させるこ
とにより、一般式(I)の化合物を得ることができる。
脱水剤としては、塩化チオニル、塩化スルフリル、三塩
化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン等が好ましい。
【0083】本発明は、一般式(I)で表される化合物
の製造方法の第2としてこのように対応するフルオロベ
ンゼン誘導体から、安息香酸誘導体を経てさらに直接シ
アノ化することを特徴とする方法を提供するものであ
り、本方法は一般式(I)に於いてXがフッ素原子を表
す化合物の場合に於いて特に適している。
【0084】ここで、一般式(III)のフルオロベン
ゼン誘導体は製法Aに於いて、グリニャール反応剤(X
IIa)に換えて、一般式(XIIb)
【0085】
【化36】
【0086】(式中、Xは一般式(I)に於けると同じ
意味を表す。)で表されるグリニャール反応剤を用い、
同様にして得ることができる。
【0087】(製法C) 一般式(V)
【0088】
【化37】
【0089】(式中、R、環A、L、n及びXは一般式
(I)におけると同じ意味を表し、X 1、X2、X3及び
4はそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1から
5のアルキル基を表す。)で表されるオキサゾリン誘導
体を脱水剤と反応させることにより一般式(I)の化合
物を得ることができる。脱水剤としては塩化チオニル、
塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化
リン等を用いることができるがオキシ塩化リンが特に好
ましい。
【0090】本発明は、一般式(I)で表される化合物
の製造方法の第3としてこのように対応するオキサゾリ
ン誘導体を直接シアノ化することを特徴とする方法を提
供するものであり、本方法は一般式(I)に於いてXが
フッ素原子あるいは水素原子を表すいずれの場合にも適
している。
【0091】ここで、一般式(III)のフルオロベン
ゼン誘導体は製法Aに於いて、グリニャール反応剤(X
IIa)
【0092】
【化38】
【0093】(式中、X、X1、X2、X3及びX4は一般
式(V)の於けると同じ意味を表す。)で表されるグリ
ニャール反応剤を用いることにより同様にして得ること
ができる。
【0094】斯くして製造される、本発明の代表的な化
合物(I)の具体例をその相転移温度とともに第1表に
まとめて示す。
【0095】
【表1】
【0096】(表中、Cは結晶相を、Nはネマチック相
を、Iは等方性液体相を、( )内はその相がモノトロ
ピックであることをそれぞれ表す。)
【0097】一般式(I)の化合物を液晶組成物中に添
加することにより得られる優れた効果は以下の通りであ
る。
【0098】第1表中に示された式(I−1)
【0099】
【化39】
【0100】の化合物20重量%及び現在汎用されてい
るホスト液晶組成物(H)
【0101】
【化40】
【0102】80重量%からなる液晶組成物(H−1)
を調製した。
【0103】ここでホスト液晶(H)の物性値ならびに
それを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性値は以
下の通りである。
【0104】 ネマチック相温度範囲 <−40〜55℃ 誘電率異方性(Δε): 6.7 閾値電圧(Vth) : 1.60V
【0105】ここで、閾値電圧(Vth)は厚さ8μm
のTNセルに封入して20℃で測定した値である。
【0106】これに対して、本発明の(H−1)の物性
値ならびにそれを用いて作成した液晶素子の電気光学的
特性値は以下の通りとなった。
【0107】 ネマチック相温度範囲 −70〜59℃ 誘電率異方性(Δε): 8.2 閾値電圧(Vth) : 1.22V
【0108】従って、本発明に関わる式(I−1)の化
合物を添加することにより、ネマチック相上限温度(T
N-I)を4°上昇させることができたうえに、低温域は
−70℃までと大きく拡大している。また、式(I−
1)化合物の添加により誘電率異方性を増大させ、閾値
電圧を0.38Vも大きく低減させていることがわか
る。
【0109】次に、第1表中に示された式(I−2)
【0110】
【化41】
【0111】の化合物5重量%及びホスト液晶組成物
(H)95重量%からなる液晶組成物(H−2)を調製
した。この組成物の物性値ならびにそれを用いて作成し
た液晶素子の電気光学的特性値は以下の通りとなった。
【0112】 ネマチック相温度範囲 −70〜54℃ 誘電率異方性(Δε): 7.7 閾値電圧(Vth) : 1.22V
【0113】従って、本発明に関わる式(I−2)の化
合物を添加することにより、ネマチック相上限温度(T
N-I)については1℃低下させてしまうものの、低温域
は−70℃まで大きく拡大している。また、式(I−
2)の化合物を5%といった少量の添加にもかかわら
ず、誘電率異方性を増大させ、閾値電圧を0.38Vも
大きく低減させていることがわかる。
【0114】これに対して前述のビフェニル誘導体(A
−1)
【0115】
【化42】
【0116】の化合物20重量%及びホスト液晶(H)
80重量%からなる組成物(HR−1)を調製したとこ
ろ、ネマチック相上限温度(TN-I)は49℃と降下し
てしまい、閾値電圧は、1.47Vまでしか低減させる
ことができなかった。
【0117】次に、前述のターフェニル誘導体(B−
1)
【0118】
【化43】
【0119】の化合物20重量%及びホスト液晶(H)
80重量%からなる組成物(HR−2)を調製した。こ
の組成物のネマチック相上限温度(TN-I)は87℃と
大きく上昇させているが、同時にその融点(TC-N)も
23℃と大きく上昇させている。また、閾値電圧は、
1.86Vとなり、むしろ悪化させていることがわか
る。
【0120】さらに、前述のフェニルナフタレン誘導体
(C−1)
【0121】
【化44】
【0122】の化合物20重量%及びホスト液晶(H)
80重量%からなる組成物(HR−3)を調製した。こ
の組成物のネマチック相上限温度(TN-I)は70℃と
上昇させているが、閾値電圧は、1.78Vとなり、む
しろ悪化させている。
【0123】以上のように、広い温度範囲と、低い閾値
電圧を兼ね備えた液晶組成物を得る上において、本発明
に関わる式(I−1)の化合物及び式(I−2)の化合
物は従来の化合物より優れた効果を有していることがわ
かる。
【0124】従って、一般式(I)の化合物は、他のネ
マチック液晶化合物との混合物の状態で、TN型あるい
はSTN型等の電界効果型表示セル用として、特に温度
範囲が広く低電圧駆動が可能な液晶材料として好適に使
用することができる。本発明はこのように一般式(I)
で表される化合物の少なくとも1種類をその構成成分と
して含有する液晶組成物をも提供するものである。
【0125】この組成物中において、一般式(I)の化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘ
キサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、
4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェ
ニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置
換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,
4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4
−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−
置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置
換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換
ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’
−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチ
ル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フ
ェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換
フェニルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)
ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミ
ジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリ
ミジン及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換
基を有する化合物等を挙げることができる。
【0126】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0127】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。組成物の「%」は「重
量%」を表す。
【0128】(実施例1) 2−(3−フルオロ−4−
シアノフェニル)−6−プロピルナフタレン(第1表中
の式(I−1)の化合物)合成 (1−a) 2−プロピル−6−メトキシナフタレンの
合成
【0129】
【化45】
【0130】マグネシウム15.0gをテトラヒドロフ
ラン30mlに懸濁し、1−ブロモプロパン68gのテ
トラヒドロフラン340ml溶液をテトラヒドロフラン
が穏やかに還流する速さで滴下した。さらに1時間撹拌
後、過剰のマグネシウムを濾別し、6−ブロモ−2−メ
トキシナフタレン100g及びビス(ジフェニルホスフ
ィノエタン)ジクロロニッケル(II)0.6gのテトラヒ
ドロフラン400ml溶液に室温で滴下した。さらに1
時間撹拌後、水200mlを加えた。トルエン800m
lで抽出し、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。溶媒を溜去し、2−プロピル−6−メ
トキシナフタレン84.0gを得た。
【0131】(1−b) 6−プロピル−2−ナフトー
ルの合成
【0132】
【化46】
【0133】2−プロピル−6−メトキシナフタレン8
4.0gに酢酸260ml及び48%臭化水素酸260
mlを加え12時間加熱還流させた。室温まで放冷し、
水500mlを加え、析出した結晶を濾過した。得られ
た結晶を水で良く洗滌し、減圧下で乾燥し、6−プロピ
ル−2−ナフトール72.0gを得た。
【0134】(1−c) トリフルオロメタンスルホン
酸6−プロピルナフタレン−2−イルの合成
【0135】
【化47】
【0136】6−プロピル−2−ナフトール20.0g
にジクロロメタン100mlとトリフルオロメタンスル
ホン酸無水物36.4gを加え、5℃に冷却した。20
℃を越えない速さでピリジン12.7gのジクロロメタ
ン50ml溶液を滴下した。滴下後、撹拌しながら室温
に戻し、水150mlを加えた。有機層を水、飽和食塩
水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜
去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ジ
クロロメタン)で精製し、トリフルオロメタンスルホン
酸6−プロピルナフタレン−2−イル33.9gを得
た。
【0137】(1−e) 2−(3−フルオロ−4−メ
トキシフェニル)−6−プロピルナフタレンの合成
【0138】
【化48】
【0139】マグネシウム3.2gをテトラヒドロフラ
ン5mlに懸濁し、2−フルオロ−4−ブロモアニソー
ル24.0gのテトラヒドロフラン100ml溶液をテ
トラヒドロフランが穏やかに還流する速さで滴下した。
室温で1時間撹拌後、過剰のマグネシウムを濾別し、ト
リフルオロメタンスルホン酸6−プロピルナフタレン−
2−イル30.0gとテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)2.2gのテトラヒドロフラン1
20ml溶液に室温で滴下した。室温で1時間撹拌後、
水200mlを加えた。トルエン200mlで抽出し、
水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(トルエン)で精製し、2−(3−フルオロ−4−メ
トキシフェニル)−6−プロピルナフタレン27.0g
を得た。
【0140】(1−f) 2−フルオロ−4−(6−プ
ロピルナフタレン−2−イル)フェノールの合成
【0141】
【化49】
【0142】2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニ
ル)−6−プロピルナフタレン25.0gに酢酸250
ml及び48%臭化水素酸250mlを加え36時間加
熱還流させた。室温まで放冷し、水500mlを加え、
析出した結晶を濾過した。得られた結晶を水で良く洗滌
し、減圧下で乾燥し、2−(3−フルオロ−4−ヒドロ
キシフェニル)−6−プロピルナフタレン21.2gを
得た。
【0143】(1−g) トリフルオロメタンスルホン
酸2−フルオロ−4−(6−プロピルナフタレン−2−
イル)フェニルの合成
【0144】
【化50】
【0145】2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)−6−プロピルナフタレン21.0gにジクロロ
メタン200mlとトリフルオロメタンスルホン酸無水
物25.4gを加え、5℃に冷却した。20℃を越えな
い速さでピリジン8.9gのジクロロメタン40ml溶
液を滴下した。滴下後、撹拌しながら室温に戻し、水1
00mlを加えた。有機層を水、飽和食塩水で洗滌し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ジクロロメタ
ン)で精製し、トリフルオロメタンスルホン酸2−フル
オロ−4−(6−プロピルナフタレン−2−イル)フェ
ニル31.0gを得た。
【0146】(1−g) 2−(3−フルオロ−4−シ
アノフェニル)−6−プロピルナフタレン(第1表中の
式(I−1)の化合物)の合成
【0147】
【化51】
【0148】トリフルオロメタンスルホン酸2−フルオ
ロ−4−(6−プロピルナフタレン−2−イル)フェニ
ル20.0gをテトラヒドロフラン80mlに溶解し、
シアン化カリウム4.0g及びテトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(0)3.3gを加え36時間
加熱還流させた。室温まで放冷し、水50mlを加え、
酢酸エチル100mlで抽出した。有機層を水、飽和食
塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
溜去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:
トルエン)で精製し、2−(3−フルオロ−4−シアノ
フェニル)−6−プロピルナフタレン13.2gを得
た。さらにエタノールから再結晶し、精製物8.0gを
得た。相転移温度は第1表にまとめて示した。
【0149】同様にして以下の化合物を得る。
【0150】2−(3−フルオロ−4−シアノフェニ
ル)−6−エチルナフタレン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−6−ブチ
ルナフタレン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−6−ペン
チルナフタレン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−6−(3
−ブテニル)ナフタレン
【0151】(実施例2) 2−(3,5−ジフルオロ
−4−シアノフェニル)−6−プロピルナフタレン(第
1表中の式(I−2)の化合物)の合成
【0152】(2−a) 2−(3,5−ジフルオロフ
ェニル)−6−プロピルナフタレンの合成
【0153】
【化52】
【0154】マグネシウム3.2gをテトラヒドロフラ
ン5mlに懸濁し、3,5−ジフルオロ−1−ブロモベ
ンゼン23.0gのテトラヒドロフラン100ml溶液
をテトラヒドロフランが穏やかに還流する速さで滴下し
た。室温で1時間撹拌後、過剰のマグネシウムを濾別
し、トリフルオロメタンスルホン酸6−プロピルナフタ
レン−2−イル29.0gとテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(0)1.1gのテトラヒドロフ
ラン120ml溶液に室温で滴下した。室温で1時間撹
拌後、水200mlを加えた。トルエン200mlで抽
出し、水、飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を溜去し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン)で精製し、2−(3,5−ジフル
オロフェニル)−6−プロピルナフタレン24.6gを
得た。
【0155】(2−b) 2,6−ジフルオロ−4−
(6−プロピルナフタレン−2−イル)安息香酸の合成
【0156】
【化53】
【0157】2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6
−プロピルナフタレン24.6gをテトラヒドロフラン
100mlに溶解し、−70℃に冷却した。n−ブチル
リチウム、n−ヘキサン溶液(1.53mol/l)7
0mlを液温が−60℃以下を保つ速度で滴下した。さ
らに30分撹拌後、二酸化炭素を液温が−60℃以下を
保つ速度で系内に導入した。発熱が収まった後、室温に
戻し、10%塩酸50mlを加え、酢酸エチル250m
lで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗滌し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去し、2,6−ジ
フルオロ−4−(6−プロピルナフタレン−2−イル)
安息香酸29.0gを得た。
【0158】(2−c) 2−(3,5−ジフルオロ−
4−シアノフェニル)−6−プロピルナフタレン(第1
表中の式(I−2)の化合物)の合成
【0159】
【化54】
【0160】2,6−ジフルオロ−4−(6−プロピル
ナフタレン−2−イル)安息香酸29.0gに1,2−
ジクロロエタン120ml、塩化チオニル16.0g及
びピリジン数滴を加え6時間加熱還流させた。室温まで
放冷し、減圧下、溶媒及び過剰の塩化チオニルを溜去
し、ジクロロメタン150mlを加え10℃以下に冷却
した。撹拌下、液温を20℃以下に保つ速度で、アンモ
ニアを液中に導入した。発熱が収まった後、減圧下に溶
媒を溜去し、N,N−ジメチルホルムアミド150ml
を加え10℃以下に冷却した。液温が10℃以下を保つ
速度でオキシ塩化リン27.0gを滴下した。室温に戻
し、溶液を砕いた氷に注ぎ、析出した結晶を濾過した。
得られた結晶を水でよく洗滌し、減圧下で乾燥した。シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:トルエン)
で精製し、2−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェ
ニル)−6−プロピルナフタレン21.3gを得た。さ
らにエタノールから再結晶し、精製物13.7gを得
た。相転移温度は第1表にまとめて示した。
【0161】同様にして以下の化合物を得る。
【0162】2−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフ
ェニル)−6−エチルナフタレン 2−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)−6
−ブチルナフタレン 2−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)−6
−ペンチルナフタレン 2−(3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)−6
−(3−ブテニル)ナフタレン
【0163】(実施例3)液晶組成物の調製(1) 現在汎用されているホスト液晶(H)
【0164】
【化55】
【0165】を調製した。この組成物の物性値ならび
に、これを用いて作製したTNセル(セル厚8μm)の
閾値電圧(Vth)の20℃における測定値は以下の通
りであった。
【0166】 ネマチック相温度範囲 <−40〜55℃ 誘電率異方性(Δε): 6.7 閾値電圧(Vth): 1.60V
【0167】次に、このホスト液晶(H)の80%及び
実施例1で得た本発明の化合物である式(I−1)
【0168】
【化56】
【0169】の化合物20%からなる液晶組成物(H−
1)を調製し、同様に測定したところ以下の通りであっ
た。
【0170】 ネマチック相温度範囲 −70〜59℃ 誘電率異方性(Δε): 8.2 閾値電圧(Vth): 1.22V 以上から、マチック相上限温度は59℃に上昇し、融点
は−70℃まで低下した。さらに、誘電率異方性を増大
させ、閾値電圧を大きく低減させていることがわかる。
【0171】(実施例4) 液晶組成物の調製(2) ホスト液晶(H)の95%及び実施例2で得た本発明の
化合物である式(I−2)
【0172】
【化57】
【0173】の化合物5%からなる液晶組成物(H−
2)を調製し、同様に測定したところ以下の通りであっ
た。
【0174】 ネマチック相温度範囲 −70〜54℃ 誘電率異方性(Δε): 7.7 閾値電圧(Vth): 1.22V
【0175】以上から、ネマチック相上限温度は殆ど変
わらないが、融点が大きく低下していることがわかる。
また。5%といった少ない添加量にもかかわらず、誘電
率異方性を増大させ、閾値電圧を大きく低減させている
ことがわかる。
【0176】(比較例1)ホスト液晶(H)80%及び
ビフェニル誘導体である式(A−1)
【0177】
【化58】
【0178】の化合物20%からなる液晶組成物(HR
−1)を調製し、同様に測定したところ以下の通りであ
った。
【0179】 ネマチック相温度範囲 −70〜49℃ 誘電率異方性(Δε): 7.3 閾値電圧(Vth): 1.47V
【0180】以上から、ネマチック相上限温度が大きく
低下してしまった。また、誘電率異方性を増大させてい
るにもかかわらず、閾値電圧は、あまり低下していない
ことがわかる。
【0181】(比較例2)ホスト液晶(H)の80%及
びターフェニル誘導体である式(B−1)
【0182】
【化59】
【0183】の化合物20%からなる液晶組成物(HR
−2)を調製し、同様に測定したところ以下の通りであ
った。
【0184】 ネマチック相温度範囲 23〜87℃ 誘電率異方性(Δε): 8.9 閾値電圧(Vth): 1.86V
【0185】以上から、ネマチック相上限温度を大きく
上昇させているが、同時に融点も大きく上昇させてしま
っている。また、誘電率異方性を増大させてはいるにも
かかわらず、閾値電圧については、逆に上昇させてしま
っていることがわかる。
【0186】(比較例3)ホスト液晶(H)の80%及
びフェニルナフタレン誘導体である式(C−1)
【0187】
【化60】
【0188】の化合物20%からなる液晶組成物(HR
−3)を調製し、同様に測定したところ以下の通りであ
った。
【0189】 ネマチック相温度範囲 −70〜70℃ 誘電率異方性(Δε): 7.8 閾値電圧(Vth): 1.78V
【0190】以上から、ネマチック相上限温を上昇さ
せ、融点も大きく低下していることがわかる。しかしな
がら、誘電率異方性を増大させてはいるものの、閾値電
圧の低減効果は、本発明に関わる式(I−1)の化合物
及び式(I−2)の化合物に及ばないことがわかる。
【0191】以上のように、広い温度範囲と、低い閾値
電圧を兼ね備えた液晶組成物を得る上において、本発明
に関わる式(I−1)の化合物及び式(I−2)の化合
物は、従来の化合物より優れた効果を有していることが
理解できる。
【0192】
【発明の効果】本発明により提供されるフェニルナフタ
レン誘導体は、液晶性及び現在汎用の液晶化合物あるい
は組成物との相溶性に極めて優れる。従って、これを従
来の液晶組成物に添加することにより、低温域から高温
域まで広い温度範囲を有する液晶組成物を容易に得るこ
とができる。また、誘電率異方性が大きくその添加によ
り閾値電圧の低減化をはかることが可能である。さら
に、実施例にも示したように工業的にも製造が容易であ
り、無色で化学的にも安定である。従って、これを含有
する液晶組成物は実用的液晶として、特に温度範囲が広
く低電圧駆動を必要とする液晶表示用として極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA01 AB64 AC22 AC46 AC54 BA02 BA21 BA25 BA44 BA48 BB11 BB15 BB20 BB22 BB24 BB26 BE41 BE56 BE62 BJ50 BM71 FC52 FC54 FE74 QN16 TB03 4H027 BA01 BD01 BD02 BD04 BD05 BD09 CL01 CM04 DK04 4H039 CA70 CD30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
    素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
    アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
    し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
    クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
    い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
    素原子を表す。)で表されるフェニルナフタレン誘導
    体。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、nが0を表すと
    ころの請求項1記載のフェニルナフタレン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、nが1を表し、
    Lが単結合を表し、環Aがトランス−1,4−シクロへ
    キシレン基を表すところの請求項1記載のフェニルナフ
    タレン誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、Rが炭素原子数
    2〜7の直鎖状アルキル基又は炭素原子数4〜7の3−
    アルケニル基を表すところの請求項1、2又は3記載の
    フェニルナフタレン誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(II) 【化2】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
    素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
    アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
    し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
    クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
    い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
    素原子を表す。)で表されるトリフラートを遷移金属触
    媒存在下に、シアン化合物と反応させることを特徴とす
    る請求項1記載の一般式(I)で表されるナフタレン誘
    導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(II)においてXが水素原子を
    表すところの請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(III) 【化3】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
    素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
    アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
    し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
    クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
    い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
    素原子を表す。)で表される化合物をアルキルリチウム
    でリチオ化し、次いで二酸化炭素と反応させることによ
    り、一般式(IV) 【化4】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
    素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
    アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
    し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
    クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
    い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
    素原子を表す。)で表される安息香酸誘導体を得て、こ
    れをハロゲン化剤で安息香酸クロリドとし、アンモニア
    と反応させアミドとし、これを脱水剤と反応させること
    を特徴とする請求項1記載の一般式(I)で表されるナ
    フタレン誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(III)においてXがフッ素原
    子を表すところの請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(V) 【化5】 (式中、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭
    素原子数2〜12のアルケニル基あるいはアルコキシル
    アルキル基を表し、Lは−CH2CH2−又は単結合を表
    し、nは0又は1を表し、環Aはトランス−1,4−シ
    クロへキシレン基、又はフッ素原子で置換されいてもよ
    い1,4−フェニレン基を表し、Xは水素原子又はフッ
    素原子を表し、X1、X2、X3及びX4はそれぞれ独立的
    に水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を表
    す。)で表される2−オキサゾリン誘導体を脱水剤と反
    応させることを特徴とする請求項1記載の一般式(I)
    で表されるナフタレン誘導体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の一般式(I)で表され
    る化合物を含有する液晶組成物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の液晶組成物を構成要
    素とする液晶素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000204162A (ja) * 1998-12-09 2000-07-25 Dow Corning Corp シロキサンの重合方法
WO2015199061A1 (ja) * 2014-06-26 2015-12-30 Dic株式会社 液晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子

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