JP2000128744A - ケラチン物質用処理剤及び処理方法 - Google Patents
ケラチン物質用処理剤及び処理方法Info
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Abstract
る。 【解決手段】 本発明のケラチン物質用処理剤は、卵殻
膜を含むことを特徴とするケラチン物質用の処理剤であ
る。また、本発明のケラチン物質用処理剤は、さらに、
ジスルフィド結合切断作用を有する還元剤を含有する。
本発明はかかる成分を含有することにより、改良された
パーマネントウェーブ用剤、パーマネントウエーブ用エ
ンドペーパー、羊毛改質剤、さらには羊毛仕上剤を提供
可能とする。さらに、本発明にかかる処理剤を用いるこ
とにより、改善されたパーマネントウェーブの処理方法
を提供可能とする。
Description
ラチン物質用の処理剤及び処理方法に関する。
という)の1つである毛髪をセット処理又はパーマネン
トウエーブ処理する場合には、還元剤を毛髪に適用する
が、その処理の際に、毛髪がしばしば損傷を受けること
はよく知られている。すなわち、該処理においては、毛
髪に還元剤を作用させて毛髪に含まれるシスチンジスル
フィド(−S−S−)結合を開裂させ、続いてセット等
の処理を行った後、臭素酸ナトリウムまたは過酸化水素
等によって酸化して、ジスルフィド結合を再生させる。
その際、前記還元作用をより効果的に行ってセットの持
続性を向上させるために、アルカリ剤、例えばアンモニ
アまたはモノエタノールアミン等を併用して還元剤を高
いpH領域で作用させることが通常行われている。その
ために毛髪は成分の一部分が溶離して著しく損傷し、特
に毛髪中のシスチンの一部分は、続いて作用させる酸化
剤によってシステイン酸等に化学変化を起こしてしま
い、再びシスチンに戻すことが困難となる。
としては、ケラチン加水分解物等を用いる方法(特開昭
57−165310号公報)や、コラーゲン加水分解物
や絹加水分解物を毛髪化粧料に配合して毛髪を保護する
方法(特開昭60−112710号公報)などが知られ
ているが、いまだ十分とはいえない。従って、ケラチン
物質用の処理剤であって、上記のような損傷を与えるこ
となくケラチン物質を保護し、更にはケラチン物質にセ
ット効果を付与し、優れた風合、弾力性のあるウエーブ
を与える等の効果を有するものの開発が望まれている。
用する毛髪の美容処理において、卵殻膜を毛髪の保護、
損傷の防止を目的としたケラチン物質用処理剤に応用
し、提供することを目的とするものである。また、本発
明は、毛髪以外の広くケラチン物質にも適用してそのケ
ラチン物質を強化あるいは改質し、ケラチン物質の持つ
機能を向上することができるケラチン用物質処理剤を提
供することを目的としてなされたものである。
解決するため鋭意研究を重ねた結果、シスチンと活性シ
ステインを多く含んでいる卵殻膜と還元剤とを含有する
処理剤で毛髪を処理することにより解決できることを見
い出し、また、この処理剤は、毛髪以外のケラチン物質
にも有効に働くことを見い出し、この知見に基づき本発
明を完成させた。
ケラチン物質用の処理剤を提供するものである。
合切断作用を有する還元剤を含有する、前記卵殻膜を含
むケラチン物質用の処理剤を提供するものである。
粉末(若しくは微細粉末)として使用するか、又は適用
な手段により可溶性卵殻膜として使用する前記記載の処
理剤を提供するものである。
て、毛髪(ヒト、その他の動物を含む)、又は獣毛繊維
である前記記載の処理剤を提供するものである。
粉末及び/又は可溶性卵殻膜と、ジスルフィド結合切断
作用を有する還元剤とを含有するパーマネントウェーブ
用剤、羊毛改質剤、さらには羊毛仕上剤をも提供するも
のである。
たパーマネントウエーブ用エンドペーパーを提供するも
のである。
ルフィド結合切断作用を有する還元剤のアルカリ水溶液
を用いるパーマネントウェーブの処理方法、又は前記卵
殻膜微粉末配合紙を用いたパーマネントウェーブの処理
方法を提供するものである。
分として卵殻膜、若しくはその誘導体を含有することを
特徴とするものである。また、本発明にかかるパーマネ
ントウェーブ用剤、羊毛改質剤、さらには羊毛仕上剤
は、その成分として卵殻膜、若しくはその誘導体を含有
することを特徴とするものである。さらに、本発明にか
かるパーマネントウエーブ用エンドペーパーは、卵殻膜
微細粉末を配合したことを特徴とするものである。さら
に、本発明にかかるパーマネントウェーブの処理方法
は、前記処理剤、または卵殻膜微粉末配合紙を用いたこ
とを特徴とするものである。
しく説明する。
は、鶏、うずら、鴨、あひるなどの鳥卵から採取される
卵殻膜を意味し、かかる種類には制限無く用いられる。
また、その使用の形状としては、該膜のサイズは適宜に
選択することが可能であり、必要ならば、望ましいサイ
ズの大きさに粉砕等して使用することが可能である。本
発明においては、特に粉末、若しくは微粉末状で使用す
ることが好ましい。かかる粉末、若しくは微粉末を得る
には、通常公知の種々の方法が使用可能であるが、例え
ば、特開平9−143275号公報に開示されている方
法、すなわち、粉砕機を用いて湿式法で微細に粉末化す
ることが可能である。得られた卵殻膜の粉末若しくは微
細粉末はそのままの状態で、または、乳酸、尿素、チオ
グリコール酸などで適宜処理して用いてもよい。
殻膜を酸、アルカリ、酸化剤、還元剤、酵素などで加水
分解し、水に可溶な性状とした可溶性卵殻膜をも含むも
のである。この場合、該加水分解条件を適宜選択するこ
とにより、得られるオリゴペプチド断片の大きさの程度
を調節することが可能であり、目的に応じて種々の程度
の分解物を得ることが可能となる。具体的には、特開平
3−190808号公報にその製造方法が開示されてい
る。かかる加水分解の程度は、適当な分析手段、例え
ば、オリゴペプチド分析用のクロマトグラフ法、質量分
析方法、分子量分布測定(GPC法等)等を用いて測定可
能である。
剤)本発明にかかる処理剤に配合する前記卵殻膜(可溶
性卵殻膜を含む)は、種々の形状で含有させることが可
能であるが、本発明においては特に卵殻膜微粉末の状態
で配合するのが好ましい。また、その含有量は、応用例
に合わせて適宜選択し最適化することは容易である。本
発明においては、通常0.01〜50重量%(特に0.
5〜20重量%)が好ましい範囲であるが、この範囲に
限定されることはない。
スルフィド結合切断作用を有する還元剤は、処理剤中に
配合されている前記の卵殻膜微細粉末中のケラチン物質
およびこの処理剤を適用するケラチン物質の二者のシス
チンのジスルフィド結合を切断する。この還元剤として
は、例えば、チオグリコール酸またはその塩類あるいは
それらのエステル等の誘導体、チオリンゴ酸またはその
塩類、チオ乳酸またはその塩類、チオグリセリンなどの
有機メルカプタン類、システインまたはその塩類あるい
はそれらの誘導体、システアミンまたはその塩類あるい
はそれらの誘導体、亜硫酸塩類、重亜硫酸塩類またはそ
れらの混合物が挙げられる。上記チオグリコール酸塩類
としてはチオグリコール酸アンモニウム、チオグリコー
ル酸ナトリウム、チオグリコール酸カリウム、チオグリ
コール酸モノエタノールアミン、チオグリコール酸ジエ
タノールアミン、チオグリコール酸トリエタノールアミ
ンなどが挙げられ、チオリンゴ酸塩としてはチオリンゴ
酸アンモニウム、チオリンゴ酸ナトリウム、チオリンゴ
酸カリウムなどが挙げられ、チオ乳酸塩類としてはチオ
乳酸アンモニウム、チオ乳酸ナトリウム、チオ乳酸カリ
ウムなどが挙げられ、亜硫酸塩類としては亜硫酸アンモ
ニウム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カ
リウムなどが挙げられる。また、システインまたはその
塩類あるいはそれらの誘導体としては、例えば、L−シ
ステイン、DL−システイン、L−システイン塩酸塩、
DL−システイン塩酸塩、N−アセチル−L−システイ
ンなどが挙げられる。本発明の処理剤に配合するジスル
フィド結合切断作用を有する還元剤の量は、0.01〜
50重量%、特に0.5〜20重量%が好ましい。
7〜10に調製するのが好ましい。
合切断作用を有する還元剤の配合量が多いかまたはpH
が高い場合には、本発明の処理剤を処理しようとするケ
ラチン物質に施した後で、酸化剤、例えば、臭素酸カリ
ウム、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムまたは過
酸化水素などによってさらに処理し、ジスルフィド結合
の再生を促進させることが好ましい。
に、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノ
ニオン性界面活性剤または両性界面活性剤などの界面活
性剤、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニ
オン性ポリマーまたは両性ポリマーなどの水溶性ポリマ
ー、天然抽出油、高級脂肪酸、炭化水素、脂肪酸エステ
ル、グリセライド、ワックス、高級アルコール類、脂肪
酸アミドまたは各種変性シリコーンオイルなどの油分、
コラーゲン加水分解物、ケラチン加水分解物、絹加水分
解物またはエラスチン加水分解物などの蛋白質加水分解
物あるいはその誘導体、さらには保湿剤、低級アルコー
ル、増粘剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、キレート剤、
防腐剤、顔料、染料、香料、動物エキス、植物エキスな
ど従来より用いられている化合物を配合することができ
る。
ー、卵殻膜を浸漬したジスルフィド結合切断作用を有す
る還元剤のアルカリ水溶液卵殻膜微粉末配合紙)本発明
をパーマネントウエーブ処理に用いる場合には、卵殻膜
を微細粉末にし、この卵殻膜微細粉末と繊維組成物とを
水に分散させて紙料を調整し、抄紙した卵殻膜微細粉末
配合紙として用いることもできる。
例えば、特開平9−176998号公報に開示されてい
る方法を使用することが可能である。卵殻膜微細粉末配
合紙は卵殻膜の繊維構造が均質に広く分布しており、外
気との接触面積が増大するため、卵殻膜微細粉末の有す
る活性作用を大きく展開できる。これをパーマネントウ
エーブ処理の際にエンドペーパーとして使用すると、還
元剤処理時に毛髪表面に直接作用してキューティクルの
保護、剥離などの損傷を抑制することができる。なお、
この配合紙はなるべく薄く加工することによってワイン
ディング技術に支障なく、効率的に損傷しがちな毛先部
分に作用させることができるものである。
るケラチン物質とは、その一部(表面の一部を含む)若
しくは全部にケラチンを含む物質を意味する。また、該
物質は、生体由来の物質、生体由来であるが加工された
物質、若しくは人工物質をも含むものである。
羽毛および鳥の羽根などが挙げられる。獣毛としては、
例えば、犬、猫などのペット用動物の獣毛を始めとし
て、羊毛、ミンク毛、普通山羊毛、モヘア毛、チベット
毛、ラクダ毛、カシミア毛、ラマ毛、アルパカ毛、グア
ナコ毛、アンゴラ兎毛、牛毛、普通兎毛、馬毛、猫毛、
豚毛などが挙げられ、またこれら獣毛を原料とする繊維
材料、例えば、繊維、フィラメント、糸、織物、編物、
不織布、毛皮製品などの獣毛繊維が挙げられる。鳥の羽
毛および鳥の羽根としては、例えば、ガ鳥、アヒル、そ
の他の水鳥、ニワトリなどの羽毛および羽根が挙げられ
る。
ラチン物質が人の毛髪の場合には、毛髪の保護剤、強化
剤またはセット剤として用いることができ、また、毛髪
を損傷することの少ない保護性の高いパーマネントウエ
ーブ用剤として用いることもできる。
として使用する場合には、本発明の処理剤それ自体をパ
ーマネントウエーブ用第1剤として使用するか、あるい
は本発明の処理剤と別のパーマネントウエーブ用第1剤
とを同時に、または混合して使用することができる。こ
こで、パーマネントウエーブ剤とはコールド式パーマネ
ントウエーブ剤、加温式パーマネントウエーブ剤、スト
レートパーマネントウエーブ剤および亜硫酸塩などを使
用したカーリング剤を意味する。また、ストレートパー
マ等に同様に用いる場合は、必要に応じて従来のパーマ
ネントウエーブ用第1剤よりも若干高めのpH(pH1
0程度)に調整して用いることもできる。
卵殻膜微細粉末と、ジスルフィド結合切断作用を有する
還元剤とが配合されている。従って、卵殻膜微細粉末を
構成するケラチンのジスルフィド結合の少なくとも一部
分が前記還元剤によって開裂されている。この処理剤
を、被処理ケラチン物質例えば毛髪に適用すると、開裂
したケラチンが毛髪に付着する。続いて空気酸化または
化学酸化によって毛髪上でジスルフィド結合を再生させ
ると開裂したケラチンが毛髪上で架橋されることによっ
て、毛髪の保護、強化、あるいは毛髪に特異な性質を付
与することができる。また、前記処理剤を被処理ケラチ
ン物質に適用すると、処理剤中の還元剤によって被処理
ケラチン物質のジスルフィド結合の一部分も開裂される
ことがある。この開裂したケラチンと、卵殻膜微細粉末
の開裂したケラチンとの間で、ジスルフィド結合の再生
が起こることもある。更には、被処理ケラチン物質同士
が、卵殻膜微細粉末由来の開裂したケラチンとの間のジ
スルフィド結合の再生によって架橋されることもある。
それによって例えば被処理ケラチン物質が毛髪の場合に
は、毛髪表面キューティクルの保護や毛髪強度の保持に
有効である。
チンの一部は処理剤液中の還元剤の濃度とpHに応じて
液中に溶解するが、溶解の程度は液中の還元剤の濃度が
高いほど、またpHのアルカリ性が高いほど多くなる。
卵殻膜微細粉末由来の開裂したケラチンが液中に溶解し
ていてもしていなくても問題はないが、例えば特に上述
の毛髪表面キューティクルの保護や毛髪強度の保持等の
目的には卵殻膜微細粉末由来の開裂したケラチンを多く
溶解せしめるために、まず高いpH(pH11〜13)
領域に卵殻膜微細粉末を置いた後、pHを下げて一旦溶
解した卵殻膜微細粉末由来の開裂したケラチンをゲル状
に分散せしめて用いることもできる。
用することが可能であり、これにより羊毛を改質し、風
合い等で優れた仕上がりとすることが可能となる。
るが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもの
ではない。
ーおよび12mmロドを用いてワインディングを行い、
パーマネントウェーブ用剤第1剤を塗布する。コールド
式パーマネントウエーブ剤(チオグリコール酸アンモニ
ウム14.0%)を用いる場合は32℃、また加温式パ
ーマネントウエーブ剤(チオグリコール酸アンモニウム
10.0%)を用いる場合は40℃の恒温槽中に放置す
る。 15分後、約1分間湯洗し、タオルで余分な水分
を拭き取る。さらに、パーマネントウエーブ用剤第2剤
を塗布し、室温下で7分間静置する。その後、軽く湯洗
し、タオルで余分な水分を拭き取ったあと、ウエーブを
崩さないようにロッドを外し毛束のウエーブ力の測定に
供する。
エーブ用剤第2剤は、すべて共通であり、下記にその処
方を示す。
次式により求める(図1参照)。 ウエーブ力(rod)=平均波長(L)/ ロッドの直
径(mm) ただし、L=l/n l:根元および毛先の1山を除いたウエーブの長さ(m
m) n:ウエーブ数(山の数)
力が強く、大きいほど、ウエーブ力が弱いことを表す。
び触感により以下のように評価を行う。 評価基準 ◎:非常に弾力性がある ○:弾力性がある △:あまり弾力性がない ×:弾力性がない
シエチレン(2モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
1.0%水溶液)に3時間浸漬し、次いで精製水中に2
4時間浸漬した後、軽く水洗、乾燥し、この処理の前後
のウエーブの保持性を以下のように評価する。 評価基準 ◎:充分なウエーブ力を保持している ○:大体ウエーブ力を保持している △:あまりウエーブ力を保持していない ×:ウエーブ力を保持していない
トウエーブ用剤第1剤の試作品により5回繰り返し処理
し、湯洗、乾燥の後、柔軟性、平滑性、しなやかさ、し
っとり感について、以下のように官能評価する。 評価基準 ◎:非常によい ○:よい △:ややわるい ×:わるい
W型:不動工業(株)製)を用いて測定する。測定方法
は、各処理について毛髪50本を測定して平均値を求める
ものとする。
(S−2400型:日立製作所(株)製)により観察す
る。
以下のように調製した。
た。得られた卵殻膜の水浸漬物を磨砕処理した後に、濾
過、水洗した。さらにこの磨砕処理を繰り返すことによ
り平均粒子径40μm以下の卵殻膜微細粉末を得た。
ーブ力評価試験:表1に実施例1、2、および比較例
1、2で用いたパーマネントウエーブ用剤第1剤の処方
を示した。実施例で用いたパーマネントウエーブ用剤第
1剤には、前記製造した卵殻膜微細粉末が0.5重量%
添加されている。また、実施例1と2、若しくは比較例
1と2ではチオグリコール酸アンモニウム液(50%
品)がそれぞれ14.0%、10.0%添加されている
点で異なる。
エーブ力の結果を示した。ここでウエーブ力評価試験の
対象毛として、均一な毛束そのままの未処理毛と、以下
に述べる方法で作成した損傷毛Iを用いた。
い、次いで比較例1で用いたパーマ処理を2回行った
後、シャンプー剤液(ポリオキシエチレン(2モル)ラ
ウリルエーテル硫酸ナトリウム1.0%水溶液)に3時
間浸漬した後、精製水中に24時間浸した後、軽く水洗
し、乾燥して作成した。
る、卵殻膜微細粉末が添加されたパーマネントウエーブ
用剤第1剤を用いた場合には、未処理毛、損傷毛Iのい
ずれにおいても比較例1および2に比べてウエーブ力が
明らかに強いことが示された。
ネントウエーブ用剤第1剤で処理した毛髪表面の倍率1
000倍での走査型電子顕微鏡写真を示した。同様に、
図4には、比較例1で調製したパーマネントウエーブ用
剤第1剤で処理した毛髪表面の倍率800倍での走査型
電子顕微鏡写真を示した。
は比較例1で使用した組成のパーマネントウエーブ用剤
第1剤中に毛髪を32℃で24時間浸漬した後、水洗
し、次いでパーマネントウエーブ用剤第2剤中に室温で
1時間浸漬し、軽く水洗の後乾燥した。それぞれの毛髪
の引張強度を前記測定方法を用いて測定した結果を表2
に示す。
の低下が見られないことを示している。すなわち、卵殻
膜微細粉末を配合したパーマネントウエーブ用剤による
処理によって、このように毛髪の損傷を抑制することが
できることを示す。表1および表2の結果をまとめる
と、卵殻膜微細粉末を配合したパーマネントウエーブ用
剤による処理によって、毛髪の損傷を抑制することがで
き、かつ強いウエーブ力を付与することが可能となるこ
とを示す。
ントウエーブ用剤による処理:下記組成(重量部)の配
合で混合して室温で7日間放置した後、卵殻膜微細粉末
をろ過して除き、無色透明の安定なパーマネントウエー
ブ用剤第1剤を得た。
象毛としては、実施例1(ウエーブ力評価試験)で用い
た未処理毛、損傷毛I、及び下記の処理で作成した損傷
毛IIを用いた。
次いで比較例1で用いたパーマ処理4回後、シャンプー
剤液(ポリオキシエチレン(2モル)ラウリルエーテル
硫酸ナトリウム1.0%水溶液)に3時間浸漬し、その
後、精製水中に24時間浸した後、軽く水洗し、乾燥し
て作成した。
第1剤または比較例1で使用したパーマネントウエーブ
用剤第1剤を用いて、未処理毛、損傷毛I、損傷毛IIの
ウエーブ力(rod)の評価を前記測定方法により測定
して得た結果を表3に示す。
損傷毛IIいずれも実施例4のパーマネントウエーブ用剤
第1剤を用いると、強いウエーブ力、弾力のあるウエー
ブを形成することが示された。
下のように調製した。すなわち、鶏卵から得た卵殻膜を
水洗、乾燥したもの50gに、水500g、苛性ソーダ
40g、エタノール320gを加え、攪拌しながら40
℃で5時間処理して卵殻膜を可溶化した。得られた液を
ろ紙にてろ別し、ろ液を中和、脱塩した後、乾燥して可
溶性卵殻膜26gを得た。
配合し、微黄色の安定なパーマネントウエーブ用剤第1
剤を得た。この第1剤または比較例1で使用したパーマ
ネントウエーブ用剤第1剤を使用して、パーマ処理を繰
り返し5回行い、処理毛束を前記官能評価方法により評
価、その結果を表4に示した。
用した場合は、柔軟性、平滑性、しなやかさ、しっとり
感といった髪の風合いがよいことが示された。
膜微細粉末配合紙:卵殻膜微細粉末配合紙は以下のよう
に作製した。すなわち、水に前記卵殻膜微細粉末と、塩
化ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(卵殻膜
微細粉末の総重量に対して0.02重量%)とを配合し
て得られる卵殻膜微細粉末の分散液と、カナディアン標
準濾水度(JIS P−8121に準拠するパルプの濾
水度試験方法)650mlに叩解されたパルプ(NBK
P)の分散液とを、卵殻膜微細粉末とパルプの重量比が
40:60となるように混合した。更にこの混合された
分散液に、湿潤紙力増強剤トータス604T(ポリアミ
ドエポキシ系樹脂、日華化学(株)製)をパルプに対し
て0.5重量%を添加して混合均一にし、抄紙用紙料を
調整した。この紙料をJIS P−8209に従い湿式
抄紙し、約110℃で乾燥して、卵殻膜微細粉末配合紙
を得た。
用剤第1剤と上記で得た卵殻膜微細粉末配合紙をエンド
ペーパーとして用いてパーマ処理を行ったところ、未処
理毛および損傷毛でウエーブ力は向上した。また、損傷
毛においては毛先まで非常になめらかでしなやかであ
り、均一なウエーブを形成した。
率1000倍での走査型電子顕微鏡写真を示した。
1、2で使用したパーマネントウエーブ用剤第1剤を使
用して、ブリーチ1回、パーマ処理を繰り返し5回処理
を行い、ウエーブ力、弾力性、保持性試験、および処理
毛束の官能評価を行った結果を表5に示す。
1,2で、はいずれもウエーブ力が同等あるいは強く、
ウエーブの弾力性、保持性にも優れており、柔軟性、平
滑性、しなやかさ、しっとり感といった髪の感触もよい
ことがわかる。
リーチ処理を1回行ったものに、実施例1のパーマネン
トウエーブ用剤第1剤、実施例4のパーマネントウエー
ブ用剤第1剤と卵殻膜微細粉末配合紙をエンドペーパー
として使用したもの、または比較例1を用いてパーマ5
回処理後、それらの毛髪の表面キューティクルを走査型
電子顕微鏡(S−2400型、日立製作所(株)製)に
より観察した結果を、それぞれ図2、図3、図4に示し
た。
剤で繰り返し処理した毛髪表面は全体にキューティクル
の浮き・剥がれがあまり見られなかった。さらに実施例
4のパーマネントウエーブ用剤第1剤と共に卵殻膜微細
粉末配合をエンドペーパーとして使用して繰り返し処理
するとキューティクル部位の破壊もなく、ほぼ処理前の
状態を維持しており、毛髪表面キューティクルに対して
明らかな損傷抑制効果が認められた。
製したパーマネントウエーブ用剤第1剤 80mlを使
用し、実際に頭髪に施術(放置時間15分)し、第2剤
80mlを使用(放置時間20分)したところ、実施
例4では非常になめらかでやわらかく、弾力のあるウエ
ーブが形成された。
比較例1で使用したパーマネントウエーブ用剤第1剤を
使用してウール布を以下のように処理した。すなわち、
ウール布に対して浴比1:5となる量の実施例1または
比較例1のパーマネントウエーブ用剤第1剤に浸漬して
32℃の恒温槽で放置した。15分後、ウール布を取り出
して水ですすいだ後、パーマ第2剤に浸漬して7分間放
置した。後、ウール布を取り出して水で充分にすすいだ
後、乾燥した。処理後のウール布について前記官能評価
方法により柔軟性、弾力性、平滑性を測定し、その結果
を表6に示した。
粉末の添加により、柔らかで、かつ弾力性のある風合い
が付与されることが示された。
毛仕上剤を以下のように作製した。すなわち、下記の組
成(重量部)で塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、セタノール、モノステアリン酸グリセリンの混合物
を80℃に溶解し、これに80℃に加温した精製水を加
え、さらに加温して均一に混合した。次いで撹拌しつつ
40℃まで冷却し、可溶性卵殻膜(または比較例として
加水分解ケラチン液(プロモイスWK、成和化成(株)
製)を加え、充分均一になるよう撹拌して羊毛仕上剤を
調製した。
液で軽く洗浄した後、水分をよく拭き取って、実施例1
1または比較例3で作製した羊毛仕上剤を全体に塗布し
た。ウール布をもみ込んでなじませた後、水で充分にす
すぎ乾燥した。処理後のウール布について前記官能評価
方法により評価した結果を表7に示した。
剤で処理すると明らかな風合い向上効果が確認された。
ば、ケラチン物質を強化し、改質し、そして保護するこ
とができる。更にケラチン物質にセット効果を付与し、
風合いを改良し、弾力性のあるウエーブを与える等の効
果があり、毛髪の処理特にパーマネントウエーブ処理や
羊毛繊維の仕上げ処理に有用である。
毛髪毛束のウエーブ力を求めるために測定する個所を説
明する図である。
ーブ用剤第1剤で処理した毛髪表面の倍率1000倍で
の走査型電子顕微鏡写真である。
ーブ用剤第1剤および卵殻膜粉末配合紙をエンドペーパ
ーに使用して処理した毛髪表面の倍率1000倍での走
査型電子顕微鏡写真である。
ーブ用剤第1剤で処理した毛髪表面の倍率800倍での
走査型電子顕微鏡写真である。
Claims (9)
- 【請求項1】 卵殻膜を含有するケラチン物質用処理
剤。 - 【請求項2】 さらに、ジスルフィド結合切断作用を有
する還元剤を含有する、請求項1記載の処理剤。 - 【請求項3】 前記卵殻膜が、卵殻膜微細粉末、または
可溶性卵殻膜である、請求項1または2のいずれか1項
に記載の処理剤。 - 【請求項4】 前記ケラチン物質が、毛髪である、請求
項1〜3のいずれか1項に記載の処理剤。 - 【請求項5】 前記ケラチン物質が獣毛繊維である、請
求項1〜3のいずれか1項に記載の処理剤。 - 【請求項6】 卵殻膜微細粉末及び/又は可溶性卵殻膜
と、ジスルフィド結合切断作用を有する還元剤とを含有
する、パーマネントウェーブ用剤。 - 【請求項7】 卵殻膜微細粉末を配合した、パーマネン
トウエーブ用エンドペーパー。 - 【請求項8】 卵殻膜を浸漬したジスルフィド結合切断
作用を有する還元剤のアルカリ水溶液を用いる、パーマ
ネントウェーブの処理方法。 - 【請求項9】 卵殻膜微粉末配合紙を用いたパーマネン
トウェーブの処理方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2013032318A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-14 | Milbon Co Ltd | パーマネントウェーブ用中間処理剤 |
JP2018016610A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 株式会社グリーンテクノ21 | 卵殻膜タンパク質可溶化物及びその製造方法、並びに、該卵殻膜タンパク質可溶化物を含有する組成物、毛髪化粧料用組成物及び該毛髪化粧料用組成物を用いた毛髪処理方法 |
-
1998
- 1998-10-27 JP JP32147998A patent/JP3459367B2/ja not_active Expired - Fee Related
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