JPH0723288B2 - ケラチン物質処理剤 - Google Patents

ケラチン物質処理剤

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JPH0723288B2
JPH0723288B2 JP1143087A JP1143087A JPH0723288B2 JP H0723288 B2 JPH0723288 B2 JP H0723288B2 JP 1143087 A JP1143087 A JP 1143087A JP 1143087 A JP1143087 A JP 1143087A JP H0723288 B2 JPH0723288 B2 JP H0723288B2
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洋一 上村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、動物毛粉末と還元剤とを含有する、ケラチン
物質の処理剤に関し、特にはケラチン物質の保護剤、強
化剤、セット剤、染色剤および改質剤に関する。
〔従来の技術〕
ケラチン物質である毛髪をセット処理またはコールドパ
ーマ処理等する場合には、還元剤を毛髪に適用する。そ
の際、毛髪がしばしば損傷を受けることはよく知られて
いる。すなわち、還元剤をケラチン物質に作用させ、ケ
ラチン物質に含まれるシスチンジスルフィド(−S−S
−)結合を開裂させる。続いて、セット等の処理を行っ
た後、臭素酸ナトリウムまたは過酸化水素等によって酸
化して、ジスルフィド結合を再生する。その際、還元作
用をより効果的に行ってセットの持続性を向上させるた
めに、アルカリ剤例えばアンモニアまたはモノエタノー
ルアミン等を併用して還元剤を高いpH領域で作用させる
ことが通常行われている。そのために、ケラチン物質は
成分の一部分が溶離して著しく損傷し、特にケラチン物
質中のシスチンの一部分は、続いて作用させる酸化剤に
よってシステイン酸等に化学変化を起こし、再びシスチ
ンに戻ることができなくなる。
前記のように、毛髪等のケラチン物質を還元剤で処理す
る工程で、毛髪等を保護する方法としては、例えばケラ
チン加水分解物等を用いる方法が知られている(特開昭
57−165310号公報)。
また、コラーゲン加水分解物や絹加水分解物(例えば特
開昭60−112710号公報)を毛髪化粧料に配合して毛髪を
保護する方法も提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記のケラチン加水分解物、コラーゲン
加水分解物、または絹加水分解物によるケラチン物質の
保護作用は満足すべきものではなかった。すなわち、コ
ラーゲン加水分解物および絹加水分解物は被処理ケラチ
ン物質とは別種のタンパク質であり、特に、ケラチン物
質中にその構成アミノ酸として多く含有されているシス
チンを殆ど含んでいない。従って後述する本発明のよう
な作用は全く期待できない。また、従来のケラチン加水
分解物はシスチンを含有しているものの分子量が小さい
ために、本発明のような作用を発揮できない。
従って、本発明の目的は、還元剤を使用する毛髪の美容
処理において、毛髪を保護し、損傷を防止することので
きるケラチン物質処理剤を提供することにある。更に、
本発明の目的は、広くケラチン物質に適用してそのケラ
チン物質を強化または改質し、しかも風合等を少なくと
も維持するかまたはむしろ改良することのできるケラチ
ン物質処理剤を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
前記の目的は、平均長径200μm以下の動物毛粉末とジ
スルフィド結合切断作用を有する還元剤とを含有する、
ケラチン物質処理剤によって達成することができる。
本発明の処理剤が対象とする「ケラチン物質」として
は、動物毛(後に定義する)例えば人の毛髪、犬もしく
は猫等のペット用動物の獣毛、または羊毛、カシミア、
アンゴラもしくはモヘア等の獣毛、およびそれらの動物
毛の繊維材料例えば繊維、フィラメント、糸、織物、編
物、不織布、毛皮製品等が含まれる。
本発明の処理剤は、前記のケラチン物質が人の毛髪の場
合には、毛髪の保護剤、強化剤またはセット剤として用
いることができる。また、毛髪の保護に有効なパーマネ
ントウェーブ第1剤として、更に顔料または染料等を併
用することにより毛髪の保護に有効な染毛剤として用い
ることもできる。前記ケラチン物質が犬または猫等のペ
ット用動物の獣毛である場合には、同様な目的に用い
て、例えば美的効果を付与することができる。
前記のケラチン物質が羊毛、カシミア、アンゴラまたは
モヘア等の獣毛繊維である場合には、風合いまたは感触
の改質あるいは染色または洗浄等の処理の際の繊維の損
傷防止等の目的に用いて、衣料、敷物、寝具、毛皮製品
等の分野に応用することができる。
本発明の処理剤をコールドパーマ処理に使用する場合に
は、本発明の処理剤それ自体をパーマネントウェーブ第
1剤として使用するか、あるいは本発明の処理剤と別の
パーマネントウェーブ第1剤とを同時にまたは混合して
使用することができる。また、ストレートパーマ等に同
様にして用いることもできる。その場合は、必要に応じ
て一般のパーマネントウェーブ第1剤よりも若干高めの
pH(pH10程度)に調整して用いることもできる。本発明
の処理剤を染毛剤または染色剤として使用する場合に
は、本発明の処理剤に顔料もしくは染料を混合して使用
するか、あるいは顔料もしくは染料を含有する組成物と
同時にまたは混合して使用することができる。
本明細書において「動物毛」とは、獣毛、人間の毛髪、
鳥の羽毛および鳥の羽根を意味する。獣毛としては、例
えば羊毛、ミンク毛、普通山羊毛、モヘア毛、チベット
毛、らくだ毛、カシミア毛、ラマ毛、アルパカ毛、グア
ナコ毛、アンゴラ兎毛、牛毛、普通兎毛、馬毛、猫毛、
豚毛等がある。鳥の羽毛および鳥の羽根としては、例え
ばガ鳥、アヒル、その他の水鳥、ニワトリ等の羽毛およ
び羽根がある。
本発明の処理剤に配合する動物毛粉末は前記の動物毛の
粉末であって平均長径200μm以下、好ましくは平均長
径100μm以下、更に好ましくは平均長径50μm以下の
ものである。
前記の動物毛粉末のうち、比較的粒度の大きいものは公
知の粉末例えば凍結粉砕法によって調製した粉末をその
まま使用することができる。また、比較的粒度の小さい
ものは、循環真空粉砕技術を利用することによって調製
することができる。循環真空粉砕は、本発明者の発明に
なる公知の真空式粉砕装置(特公昭52−11787号)を更
に改良した循環式真空粉砕装置を使用して実施する。前
記の公知の真空式粉砕装置は、前記公報に記載されてい
るとおり、(イ)被処理原料を装填する被粉砕物収容
器、(ロ)ハンマーおよび突条片を備えた粉砕機、
(ハ)生成物を収集する粉砕物収容器および(ニ)それ
らの間に介在する連結移送手段、ならびに(ホ)前記の
被粉砕物収容器(イ)および粉砕物収容器(ハ)と連結
する真空ポンプから主に構成されている。本発明者はそ
の真空式粉砕装置に改良を加え、前記粉砕機(ロ)内の
ハンマーおよび突条片を回転刃および固定刃に置き換え
ると共に、前記粉砕物収容器(ハ)の出口と被粉砕物収
容器(イ)の入口とを連結して真空下で循環粉砕を実施
できるようにした。この改良装置を使用して前記の動物
毛を循環真空粉砕すると、動物毛は従来のものより格段
に微細に粉砕される。
前記の循環真空粉砕は、2〜30mmHg、好ましくは2〜10
mmHgの真空下で実施する。循環は2回〜10回、好ましく
は3回行なう。前記の循環真空粉砕を行なう前に、原料
となる動物毛を有機溶剤例えばジエチルエーテル、アセ
トン、クロロホルムまたはトリクロルエタン等で脱脂す
るか、あるいは各種の界面活性剤によって脱脂・洗浄す
ることができる。脱脂・洗浄処理後の市販製品をそのま
ま使用することもできる。
循環真空粉砕処理後に、その生成物を分級する。分級方
法としては、それ自体公知の方法例えばフルイ分け、湿
式分級または乾式分級を使用することができる。乾式分
級装置例えば重力分級装置、特には遠心分級装置を使用
するのが好ましく、強制渦遠心分級装置を使用するのが
特に好ましい。適当な分級手段を採用することにより、
動物毛の最外層を形成するキューティクル(毛小皮)を
主成分とする微粉末〔この場合には、例えば強制渦遠心
分級装置(分離径0.5〜50μm好ましくは0.5〜30μm)
を使用する〕あるいはその他の部分すなわちコーテック
ス(皮質)およびメデュラ(毛髄)を多く含む微粉末を
得ることができる。
前記の動物毛の染色、漂白、その他の表面処理等は、循
環真空粉砕処理の前後または分級処理の前後のいずれに
おいても行なうことができるが、分級処理後に行なうの
が好ましい。
前記の循環真空粉砕および分級によって、平均長径30μ
m以下およびアスペクト比4以上の微粉末が得られる。
得られた微粉末は主に鱗片状(平板状)の微粉末から構
成されている。
本明細書において、前記の循環真空粉砕および分級によ
って得られる微粉末の寸法は以下のようにして測定す
る。
得られた微粉末をアセトン等の分散媒に懸濁させ、これ
をアルミニウム製の試料台に乗せ、乾燥した後に金蒸着
を行って試料とし、鱗片状微粉末を上方から見た電子顕
微鏡写真をとる。微粉末の映像図形は不定形であるか
ら、その一番長い径を「長径」とし、少なくとも50個好
ましくは100個以上の微粉末について長径を測定し、そ
の平均値を「平均長径」とする。また、前記の「長径」
と直角方向の径の中で一番長い径を「短径」とし、個々
の微粉末について二軸平均すなわち(「長径」+「短
径」)×1/2を算出し、個別の二軸平均から前記と同様
にして求めた平均値を「平均二軸平均」とする。一方、
微粉末から同様にして試料を作製し、試料台を約45゜に
傾けて鱗片状微粉末を側面から見た電子顕微鏡写真をと
り、映像図形の最長の厚さを微粉末の「厚さ」とし、前
記と同様にして「平均厚さ」を求める。次に、「平均二
軸平均」/「平均厚さ」を計算し、これを「アスペクト
比」とする。
前記の方法で測定した前記の微粉末は、平均長径30μm
以下好ましくは1〜20μm更に好ましくは2〜10μm、
平均二軸平均1〜20μm好ましくは2〜10μm、平均厚
さ5μm以下好ましくは0.1〜2μm、そしてアスペク
ト比4以上好ましくは7〜100を有する。
前記の微粉末の表面積をBET法で測定すると0.1m2/g以上
であり、特には0.5〜5m2/gである。
前記の微粉末を電子顕微鏡で観察すると、多数の鱗片状
粉体が見える。また、その微粉末のアミノ酸組成では、
セリン、プロリンおよびシスチンの量が多いので、キュ
ーティクルが主成分になっているものと考えられる。従
って、前記の循環真空粉砕処理によって個々のキューテ
ィクルの単位にまで粉砕が行なわれている。前記のとお
り、個々のキューティクルの単位にまで粉砕が行なわれ
るので、動物毛のコーテックス(皮質)およびメデュラ
(毛髄)の部分においても各々少なくとも部分的には同
様の粉砕が行なわれているものと考えられる。
本発明の処理剤に配合する動物毛粉末は粒度が細かく、
表面積が大きいものが好ましい。粒度が大きいと液中に
分散しにくく、ケラチン物質に適用した場合に感触が悪
い。表面積が小さいと液中の還元剤の作用が受けにく
く、ケラチン物質との接触面積が少なくなる。一方、粒
度が細かすぎると、動物毛粉末特有の効果が得られな
い。
本発明の処理剤に配合する、ジスルフィド結合切断作用
を有する還元剤は、同じく処理剤に配合されている前記
の動物毛粉末のケラチン物質または処理剤を適用するケ
ラチン物質のシスチンのジスルフィド結合を切断する。
前記の還元剤としては、例えばチオグリコール酸、チオ
グリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸ナトリウ
ム、チオグリコール酸カリウム等のチオグリコール酸
塩、チオリンゴ酸、チオリンゴ酸アンモニウム、チオリ
ンゴ酸ナトリウム、チオリンゴ酸カリウム等のチオリン
ゴ酸塩、チオ乳酸、チオ乳酸アンモニウム、チオ乳酸ナ
トリウム、チオ乳酸カリウム等のチオ乳酸塩、1−チオ
グリコール、2−チオグリコール、亜硫酸アンモニウ
ム、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫
酸水素ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウ
ム、硫化アンモニウム、硫化ナトリウム、硫化カリウ
ム、水酸化ホウ素ナトリウム等またはそれらの混合物を
使用することができる。
本発明の処理剤は、その用途に応じて配合成分の濃度が
変化する。一般には、前記の動物毛粉末0.01〜50重量%
特には0.5〜20重量%、および還元剤0.01〜50重量%特
には0.5〜20重量%を含有する。
本発明の処理剤は、pH4〜11、特にはpH7〜10に調製する
のが好ましい。
本発明の処理剤において、還元剤の濃度が高いかまたは
PH値が高い場合には、本発明の処理剤を目的ケラチン物
質に施こした後で、酸化剤例えば臭素酸カリウム、臭素
酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムまたは過酸化水素等
によって更に処理し、ジスルフィド結合の再生を促進さ
せることが好ましい。
本発明の処理剤には、前記配合成分の他に、アニオン性
界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活
性剤または両イオン性界面活性剤等の界面活性剤、アニ
オン性ポリマー、カチオン性ポリマー、ノニオン性ポリ
マーまたは両イオン性ポリマー等の水溶性ポリマー、天
然抽出油、高級脂肪酸、炭化水素、脂肪酸エステル、グ
リセライド、ワックス、高級アルコール類、脂肪酸アミ
ドまたは各種変性シリコーンオイル等の油分、コラーゲ
ン加水分解物、ケラチン加水分解物、絹加水分解物また
はエラスチン加水分解物等のタンパク加水分解物あるい
はその誘導体、更に保湿剤、低級アルコール、増粘剤、
pH調整剤、紫外線吸収剤、キレート剤、防腐剤、顔料、
染料、香料、動物エキス、植物エキス等を配合すること
ができる。
〔作 用〕
本発明の処理剤には、ケラチン物質である動物毛の粉末
と、ジスルフィド結合切断作用を有する還元剤とが配合
されている。従って、動物毛粉末を構成するケラチンの
ジスルフィド結合の少なくとも一部分が前記還元剤によ
って開裂されている。この処理剤を、被処理ケラチン物
質例えば毛髪に適用すると、開裂したケラチンが毛髪に
付着する。続いて空気酸化または化学酸化によって毛髪
上でジスルフィド結合を再生させると開裂したケラチン
が毛髪上で架橋化するので、毛髪が保護され、強化され
る。また、毛髪に特異な性質を付与することができる。
更に、前記処理剤を被処理ケラチン物質に適用すると、
処理剤中の還元剤によって被処理ケラチン物質のジスル
フィド結合の一部分も開裂されることがある。この開裂
したケラチンと、動物毛粉末由来の開裂したケラチンと
の間で、ジスルフィド結合の再生が起こることもある。
更には、被処理ケラチン物質同士が、動物毛粉末由来の
開裂したケラチンとの間のジスルフィド結合の再生によ
って架橋されることもある。それによってたとえば被処
理ケラチン物質が毛髪の場合には、枝毛の防止或いは枝
毛の修復に有効である。被処理ケラチン物質が羊毛等の
繊維である場合には、繊維同士が接着されることにより
繊維のほつれや糸玉の生成を抑える等の損傷防止効果を
発揮する。
なお、動物毛粉末由来の開裂したケラチンの一部は処理
剤液中の還元剤の濃度とpHに応じて液中に溶解するが、
溶解の程度は液中の還元剤の濃度が高いほど、またpHの
アルカリ性が高いほど多くなる。動物毛粉末由来の開裂
したケラチンが液中に溶解していてもしていなくても問
題はないが、たとえば特に上述の枝毛の防止或いは枝毛
の修復等の目的には動物毛粉末由来の開裂したケラチン
を多く溶解せしめるために、まず高いpH(pH11〜13)で
置いたのちpHを下げていったん溶解した動物毛粉末由来
の開裂したケラチンをゲル状に分散せしめて用いること
もできる。
〔発明の効果〕
本発明の処理剤は、ケラチン物質を強化し、改質し、そ
して保護することができる。更に、ケラチン物質にセッ
ト効果を付与し、風合を改良し、かさ高くし、そして弾
力性を与える等の効果がある。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、
これは本発明を限定するものではない。
動物毛粉末の調製 製造例1:循環真空粉砕を利用する羊毛微粉末 通常の方法にによって、脱脂・洗浄し、予め細切したメ
リノー種の羊毛50kgを、真空式粉砕装置(成和化成:SWM
−48型)の循環式改良装置の被粉砕物収容器に装填し、
系内を真空(5mmHg)とした後、5.5kWhおよび3000rpmの
条件下で6時間運転して粉砕を行なった。なお、この装
置を循環させずに同様に粉砕を行なった場合の所用時間
は2時間であったので、この処理によって平均3回の繰
り返し粉砕処理が行なわれたことになる。
続いて、強制渦遠心分級装置〔日清エンジニアリング:T
C−15N型)分離径20μm)〕を用いて分級を行ない、20
μm以下の微粉末4.5kgを得た。得られた微粉末を走査
型電子顕微鏡(日本電子:JSN−T100型)により観察した
結果を第1図および第2図に示す。
こうして得られた微粉末はキューティクルを主成分とす
るものと考えられる。その理由は以下のとおりである。
(1)微粉末のアミノ酸組成が、原料の羊毛のキューテ
ィクルのアミノ酸組成と良く一致した(全羊毛と比べて
キューティクルではセリン、シスチンおよびプロリンが
多い)。
(2)電子顕微鏡写真(第1図および第2図)に現われ
た微粉末の形状が鱗片状であり、キューティクルの形状
と一致する。
(3)微粉末の収率が羊毛におけるキューティクルの重
量比率(約1割)にほぼ一致する。
前記の羊毛微粉末は、平均長孔7.6μmおよびアスペク
ト比10.8をもっていた。
製造例2:循環真空粉砕を利用するガ鳥羽毛微粉末 前記製造例1と同様の方法によって、ガ鳥の羽毛を処理
したところ、同様の微粉末が得られた。
製造例3:循環真空粉砕を利用するモヘア微粉末 前記製造例1と同様の方法によってモヘアを処理したと
ころ、同様の微粉末が得られた。
製造例4:凍結粉砕による羊毛粉末 通常の方法によって脱脂・洗浄したメリノー種の羊毛10
0gを水1.0kgに3時間浸漬し、続いて遠心脱水を行い、
含水量を80gとした。これを液体窒素(−196℃)中で凍
結させ、粉砕機〔不二電気工業:サンプルミル(K II−
1型)〕を用いて粉砕した。こうして得られた羊毛粉末
を走査型電子顕微鏡(日本電子:JSM−T100型)で観察し
た結果を第3図に示す。この羊毛粉末の平均長径は100
μmであった。
ケラチン物質処理剤の場合 実施例1:毛髪保護剤 以下の第1表に示す成分組成(単位:重量%)の5種類
の毛髪保護剤を調製した。得られた毛髪化粧料につい
て、女性パネル50名による感触試験を実施した。すなわ
ち、各パネルはラウリルエーテルサルフェート系の通常
のシャンプーで毛髪を洗浄した後、毛髪の量に応じて20
〜40gの前記毛髪保護剤のいずれか1種(1種について
パネル10名ずつ)毛髪に充分馴染ませた後、ドライヤー
で乾燥し、乾燥後の毛髪の感触について比較した。評価
は以下の基準で行った。
5…良好 4…やや良好 3…普通 2…やや不良 1…不良 結果(パネル10名の平均)を以下の第1表に示す。
実施例2:毛髪強化剤 以下の各成分から本発明による毛髪強化剤Xを調製し
た。
(重量%) チオリンゴ酸 2.0 製造例2のガ鳥羽毛微粉末 5.0 ポリオキシエチレン(15EO)ノニルフェニルエーテル 0.4 ケラチン加水分解物(平均分子量1000) 1.2 グリセリンモノイソステアレート 1.0 ジメチルポリシロキサン 0.5 ポリ塩化N,N′−ジメチル−3,5メチレンピペリジウム 0.5 コラーゲン加水分解物(平均分子量300)イソステアリ
ン酸縮合物のトリエタノールアミン塩 1.0 炭酸アンモニウム 1.7 モノエタノールアミン 0.5 エデト酸 0.1 香料 適量 精製水 全体を100にする量 次に、チオリンゴ酸とガ鳥羽微粉末とを使用しないこと
以外は前記と同様の方法によって比較用の毛髪強化剤Y
を調製した。
通常のチオグリコール酸系パーマネントウェーブ第1剤
および臭素酸ナトリウム系第2剤を用いてコールドパー
マネント処理を行った毛髪(長さ5cm、100本)に対し
て、本発明の毛髪強化剤Xまたは比較用の毛髪強化剤Y
各50gを用いて30分間処理した後、自然乾燥した。これ
らの毛髪とコールドパーマネント処理のみを行い、毛髪
強化剤処理を行っていない毛髪とについて、レオメータ
(不動工業(株)、NRM−2010J−CW型)を用いて引張強
度の測定を行った。各100本の測定を行って平均値を求
めた結果を以下の第2表に示す。
本発明の毛髪強化剤Xは、明らかに毛髪の引張強度を向
上させた。
本発明の強化剤Xを前記と同じパーマネントウェーブ第
1剤と同時に、またはパーマネントウェーブ第1剤に事
前にもしくは直前に混合して使用したところ、前記と同
様に引張強度が向上した。
前記の本発明の強化剤Xに赤色2号0.5重量%を配合
し、通常の方法で毛髪を染めたところ、赤色の感触が良
く、色むらのない毛髪が得られた。また、犬の毛を染め
たところ、同様に良好な染色が得られた。
実施例3:毛髪セット剤 以下の第3表に記載の各成分組成から本発明による2種
類の毛髪セット剤XおよびYを調整した。
前記セット剤Xはそれ単独で、毛髪セット剤として用い
る。前記セット剤Yはそれ単独で、前記セット剤Xより
も少量で毛髪セット剤として用いることができるほか
に、パーマネントウェーブ第1剤として用いることもで
きる。なお、そのときのパーマネントウェーブ第2剤と
しては、臭素酸ナトリウムまたは過酸化水素等を主剤と
する通常用いられているパーマネントウェーブ第2剤を
そのまま用いることができる。
さらには、これらをペット用動物の獣毛あるいは毛皮製
品等に用いて、人の毛髪と同様にセットを行って毛並み
を整え美的効果を挙げることができる。
実施例4:獣毛繊維改質剤 以下の各成分から本発明による獣毛繊維改質剤を調製し
た。
(重量%) チオグリコール酸アンモニウム 8.0 製造例1の羊毛微粉末 2.0 コラーゲン加水分解物(平均分子量1000) 0.5 モノエタノールアミン 0.8 アンモニア(28%) 0.5 炭酸水素アンモニウム 0.8 水酸化ナトリウム pH9.0にする量 ニデト酸二ナトリウム 0.05 水 全体を100にする量 前記の本発明による獣毛繊維改質剤20kgに羊毛50kgを浸
漬して15分間処理し、羊毛を取り出して水でゆすいだ
後、5%臭素酸ナトリウム水溶液20kgに浸漬して20分間
処理した。羊毛を取り出して水で充分にゆすいだ後、乾
燥した。得られた羊毛はかさが高くなり、弾力性に富
み、感触も良好であった。この羊毛から布団を製作して
使用試験を行ったところ、初期の前記のような特性を半
永久的に維持した。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は共に循環真空粉砕を利用して得
た、羊毛微粉末の形状を示す電子顕微鏡写真であって、
第1図は倍率1,000倍、第2図は倍率5,000倍のものであ
る。 第3図は、凍結粉砕によって得た羊毛粉末の形状を示す
倍率100倍の電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/13 8615−4C D06M 11/54 13/252 // D06M 101:12 (72)発明者 中野 年雄 大阪府東大阪市布市町1丁目2番14号 株 式会社成和化成内 (72)発明者 安達 敬 大阪府東大阪市布市町1丁目2番14号 株 式会社成和化成内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均長径200μm以下の動物毛粉末とジス
    ルフィド結合切断作用を有する還元剤とを含有すること
    を特徴とする、ケラチン物質処理剤。
JP1143087A 1986-01-22 1987-01-22 ケラチン物質処理剤 Expired - Lifetime JPH0723288B2 (ja)

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