JP2000128058A - 補助動力装置付自転車 - Google Patents

補助動力装置付自転車

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JP2000128058A
JP2000128058A JP10309910A JP30991098A JP2000128058A JP 2000128058 A JP2000128058 A JP 2000128058A JP 10309910 A JP10309910 A JP 10309910A JP 30991098 A JP30991098 A JP 30991098A JP 2000128058 A JP2000128058 A JP 2000128058A
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auxiliary power
shaft
bicycle
sprocket
drive shaft
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JP10309910A
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Kiyoshi Yonemura
清 米村
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Toyo Electric Manufacturing Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一般用自転車に車体を何等変更することなく取
付けることができる補助動力装置を提供する。 【解決手段】巻き付けられた元の形状に巻き戻る性質を
有する定荷重ばねを、ペダルを逆方向に漕ぐことにより
ドラムに巻き取れる回転力蓄積手段を設け、ペダルを正
転方向に漕ぐときに回転力蓄積手段から、一方向クラッ
チ、スプロケット、段付ベルトを介してクランク軸に補
助動力を伝達して運転者のペダルを漕ぐ力を助勢するよ
うに構成した補助動力装置を、車体のハンガラグ下端部
と下パイプ下端部に係止して配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補助動力装置付自
転車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自転車は運転者のペダルを漕ぐ力のみに
より走行するため、発進時にペダルを踏み込んでの漕ぎ
出しや、急勾配路面の登坂走行に負担を強いられ、ま
た、運転者の脚力や疲労状態あるいは荷物の積載状態に
よって、自転車に乗らずに押して歩くときの押歩き量が
増加して難渋するなどの問題がある。そこで、自転車に
電動機とこの電動機に電力を供給する蓄電池とを搭載し
て組合せ、運転者の人力駆動力に応じて、電動機による
所定の補助動力を追加補助して利用し、運転者の負担を
軽減して走行するようにした補助動力装置付自転車があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の従来技術においては、次のような課題を生じるもので
あった。前記補助動力付自転車は、電動機や蓄電池を搭
載するための大きなスペースを有する車体を必要とし、
補助動力装置は一般用自転車には取付けられず、専用の
車体を製作したり一般車を改造しなければならないの
で、コストアップとなる欠点がある。また、一般用自転
車に較べて、構造が複雑となり重量増となるため、装置
の点検整備と車体が転倒したときの引起しに労力を要
し、取扱いの煩しさが新たに生ずるものとなる欠点があ
る。そして、補助動力は蓄電池から供給される構造であ
るので、蓄電池の消耗が大きく、走行中に消耗してしま
うと補助動力の付与が、途絶するのみならず、装置の重
量が人力走行の負担となり、補助動力駆動の自転車走行
距離は制約されるものとなる。この走行距離の延長を図
ると蓄電池が大型化するとともに、長時間に亘る充電を
頻繁に行わねばならず、この間の自転車の使用を控える
こととなり、使用時間と頻度において制限される欠点が
ある。
【0004】しかして、本発明の目的とするところは、
一般用自転車に車体を何等変更することなく取付けるこ
とができる補助動力装置であって、従って、装置の配置
に大きなスペースを必要とせず、簡単な構造で軽量にす
ることにより、点検整備を容易にし、転倒車体の引起し
に煩しさをなくし、また、補助動力の蓄積に長時間を要
しないようにして、自転車の使用時間と頻度および、補
助動力駆動による走行距離において規制の極めて少ない
補助動力装置付自転車を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述したような
点に鑑みなされたもので、つぎの如くに構成したもので
ある。すなわち、ケース内に嵌合された固定軸へ取付け
たドラムに、巻き始めを固着して巻き付けた定荷重ばね
と、この定荷重ばねの巻き終りが、前記ケース内に回転
自在に支持された駆動軸に取着されて一体回転するドラ
ムに巻取られた回転体とを備えた回転力蓄積手段と、前
期駆動軸に取着されて一体回転するラチェット歯車と、
このラチェット歯車に係合するラッチ爪とを組合せたラ
ッチ構造と、前記駆動軸の軸端に一方向クラッチとスプ
ロケットとを設け、このスプロケットに懸架させた段付
ベルトを介して自転車のクランク軸に設けたスプロケッ
トに、前記回転力蓄積手段から補助動力を伝達する構造
とを備えた補助動力切換手段とで構成した補助動力装置
を車体のハンガラグ下端部と下パイプ下端部とに係止し
て配設したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜図9
に基いて説明する。図1は、本発明の補助動力装置2を
自転車1に装着した状態を示す正面図である。この自転
車1は、一般に市販され汎用されている一般用自転車で
あって、パイプ材を組合せ形成したフレーム体構造とな
っている。図1において、車幅方向に貫挿するパイプ形
状に形成したハンガラグ3には、下パイプ4と立パイプ
5及び一対のリヤフレーム6の各一端側が固着されてい
る。下パイプ4の他端側はヘッドパイプ7に固着されて
いる。ヘッドパイプ7には、前フォーク9が回動自在に
支持されている。前フォーク9の上端にはハンドル8が
取着され、下端には前輪10が回転自在に支持されてい
る。ヘッドパイプ7に一端側を固着され、他端側を立パ
イプ5に固着された上パイプ11が、ヘッドパイプ7と
立パイプ5との間に懸架して設けられている。立パイプ
5に一端側を固定された一対の後フォーク12の他端
と、ハンガラグ3に一端側を固着された一対のリヤフレ
ーム6の他端とを、後輪取付部において固定するととも
に、後輪13が回転自在に支持されている。この後輪1
3にはフリーホイル構造の後歯車16が設けられてい
る。また、ハンガラグ3の内周車幅方向には、クランク
軸(図示せず)が回転自在に挿通されて設けられ、この
クランク軸の一端には左クランク14Lが、他端には右
クランク14Rと前歯車15とが固着されていて、左右
クランク14L,14Rの先端には、ペダル18L,1
8Rが設けられている。前歯車15と後歯車16との間
にチェーン17が懸架されている。
【0007】下パイプ4とハンガラグ3との下端部に係
止されて補助動力装置2が配設されている。この補助動
力装置2には、駆動軸18が設けられていて、この駆動
軸18にはスプロケット19が一方向クラッチ(図示せ
ず)を介して取着されている。左クランク14L側のク
ランク軸(図示せず)にはスプロケット20が固着され
ている。スプロケット19とスプロケット20との間に
は段付ベルト21が懸架されている。
【0008】以上のような構成の自転車1において、運
転者の人力によって、進行方向に前輪10と前フォーク
9に設けられたハンドル8で操向するとともに、ペダル
18L,18Rが漕がれると、右クランク14R側の前
歯車15が図1において反時計方向に回転駆動され、こ
の駆動力がチェーン17を介して後輪13の後歯車16
に伝達され、後輪13が回転駆動して自転車1が人力に
よって前進走行する。このとき、運転者がペダル18
L,18Rを漕ぐのを止めて、前歯車15の回転を停止
してチェーン17の駆動を止め、後歯車16の回転を停
止させたり、或いは、ペダル18L,18Rを逆回転方
向、すなわち、図1において時計方向に漕いで、チェー
ン17を自転車1の前進方向とは逆方向に駆動して後歯
車16を逆回転させると、後歯車16はフリーホイル構
造であるので、後輪13には回転力が伝達されず、後歯
車16は独自に停止したり空転して、自転車1は人力の
影響を受けず楕走する。
【0009】しかし一方、このとき運転者がペダル18
L,18Rを逆回転方向に漕ぐ場合には、左クランク1
4L側のクランク軸(図示せず)に固着されているスプ
ロケット20も図1において時計方向に回転駆動され、
この駆動力が段付ベルト21を介してスプロケット19
に伝達されるようになっていて、このスプロケット19
と駆動軸18との間に設けられている一方向クラッチ
(図示せず)がスプロケット19から駆動軸18に向っ
て係合するように設定されている。従って、駆動軸18
は自転車1の前進走行方向とは逆方向の回転力を付与さ
れて回転し、補助動力装置2内に設けた、後述する、回
転力蓄積手段に自転車1の前進走行を助勢する回転力を
蓄積するようになっている。
【0010】ついで、この回転力蓄積手段に蓄積された
回転力で助勢されて自転車1を前進走行させるには、補
助動力装置2内に設けられた、後述する、補助動力切換
手段を操作することによって、回転力蓄積手段から回転
力をスプロケット19に伝達したり拘束したりして、運
転者が選択することによって、行われるものとなってい
る。すなわち、運転者がペダル18L,18Rを漕い
で、右クランク14R側の前歯車15が走行方向である
反時計方向に回転駆動されると、左クランク14L側の
クランク軸(図示せず)に固着されたスプロケット19
が反時計方向に回転される。この場合、このスプロケッ
ト19と駆動軸18との間に設けられた一方向クラッチ
(図示せず)は、反時計方向に回転する駆動軸18から
スプロケット19に向っての回転力伝達ができるように
設定されている。従って、補助動力切換手段を操作し
て、駆動軸18が反時計方向に回転しないよう拘束する
場合には、一方向クラッチはスリップして、スプロケッ
ト19は空転し、自転車1は人力のみで前進走行される
こととなる。
【0011】しかし、この場合とは逆に、補助動力切換
手段を操作して、図1において、駆動軸18が反時計方
向に蓄積された回転力で回転できる状態にした場合に
は、一方向クラッチは係合し、駆動軸18から蓄積され
た回転力がスプロケット19へ伝達され、この回転力が
段付ベルト21を介してスプロケット20に伝達され、
クランク軸を回転駆動するように作用し、運転者の漕ぐ
力と合成され自転車1の前進走行を助勢して補助動力装
置付自転車を構成するものとなっている。
【0012】図2は図1における補助動力装置の近傍の
部分拡大図である。図3は図2のA−A矢視平面図であ
る。図2及び図3を併せて参照して、補助動力装置2の
自転車1への取着状態を説明する。補助動力装置2の一
方の頂部に2つの取付部材22,22が一体固着されて
いて、この取付部材22,22に対応した2つの係止具
23,23とで補助動力装置2をハンガラグ3の下端部
に係止して取着する。取付部材22,22は略直方体形
状で、この頂部に雌ねじ構造22Aを各1箇所に設けた
平面部22Bと、上方に開口した断面半円状の環状溝2
2Cとを備えて形成されている。この環状溝22Cは駆
動軸18と平行な軸線を有する溝構造で、この環状溝2
2Cの曲率半径はハンガラグ3の外周径に略一致し同心
である。係止具23,23は平板金属材を折曲し、取付
穴23Aを各一箇所に設けた平面部23Bと、下方に開
口した断面半円状の環状溝23Cとを備えて形成されて
いる。この環状溝23Cの曲率半径はハンガラグ3の外
周径に略一致し同心である。そして、取付部材22,2
2の環状溝22Cをハンガラグ3の下端部に当接した
後、係止具23,23の環状溝23Cをハンガラグ3の
上端部に当接するとともに、取付部材22,22と係止
具23,23の、各平面部22B,22Bと23B,2
3Bとを相互に当接し、取付穴23Aと雌ねじ構造22
Aとを対応させ、2本のねじ24,24で螺着し締付け
て固定することにより、取付部材22,22の環状溝2
2Cと、係止具23,23の環状溝23Cとの間に、ハ
ンガラグ3の外周径を圧接して、補助動力装置2をハン
ガラグ3の下端部に係止して配設されるものとなる。
【0013】次に、補助動力装置2の他方の平面頂部と
半円筒状部に続く箇所には、下パイプ4の下端部に当接
して補助動力装置2を取着するための取付部材25が一
体固着されていて、上方向に開口した断面半円状の内壁
からなる環状溝25Aが、この溝方向に底面を開口方向
に反らせる如く形成されていて、この環状溝25Aの外
壁側は、溝方向に平行な鍔状の平面25B,25Bが形
成されている。この鍔状の平面25B,25Bに垂直
で、かつ環状溝25Aの底面に開口しない貫通穴である
取付穴25C,25C・・が複数設けられている。そし
て、前期ハンガラグ3の下端部における取付部材22,
22と係止具23,23とで係止した、補助動力装置2
を図2に示す矢印B方向に回動させ、環状溝25Aの底
面をしたパイプ4の下端部に当接させる。ついで、取付
穴(図示せず)を有する取付金具26を、下パイプ4の
上端から覆って被せ、取付金具26の取付穴と環状溝2
5Aの外壁側の鍔状の平面25B,25Bに設けた取付
穴25Cとを対向させ、一組のボルト26Aとナット2
6Bとで締付けて、補助動力装置2を下パイプ4の下端
部に係止して配設されるものとなる。
【0014】図4は図2のC−C矢視断面の平面図であ
る。図4において、補助動力装置2の構成部品を収納す
る筐体は、一方側を開口した有底の、半円筒壁と、平面
壁とを組合せた箱体状に形成されたケース30と、この
ケース30の開口部を塞ぐ板状の蓋部材31とからな
り、ケース30の開口縁部に設けた複数の雌ねじ構造3
0Aに蓋部材31に設けた取付穴31Aを対応させ、複
数のねじ30Eで螺合して締付け、ケース30と蓋部材
31とを結合して構成されている。ケース30には、孔
および凸部からなる軸取付部30B、軸受取付部30C
が設けられており、この取付部30B,30Cにそれぞ
れ対応して、蓋部材31には孔および凸部からなる軸取
付部31B,軸受取付部31Cが設けられ、この軸受取
付部31の中心には、蓋部材31を貫通して孔31Eが
設けられている。
【0015】そして、軸取付部30B,31Bには軸3
2が両端を嵌合して取付けられている。この軸32に
は、ドラム33が配設されている。ドラム33は円筒状
の芯管とその両端を挟持するように円板状の鍔を平行に
有して一体に形成されていて、ドラム33の芯管内周両
端側の2箇所にボールベアリング32A,32Aの外輪
が嵌合され、内輪は、軸32に形成された環状溝に各々
取付けられた係止部材32B,32Bに位置決めされて
それぞれ嵌合され、軸32に回転自在に取付けられてい
る。このドラム33の芯管外周面には、定荷重ばね34
が、その巻き始め端部を固着され巻き付けられている。
【0016】軸受取付部30C,31Cには、ボールベ
アリング30D,31Dの外輪が、嵌合され、内輪は、
駆動軸18に嵌合されていて、駆動軸18はケース30
と蓋部材31に回転自在に支持されている。この駆動軸
18にはドラム38が配設されている。ドラム38は、
円筒状の芯管とその両端を挟持するように円板状の鍔を
平行に有して一体に形成されていて、芯管内周面の軸長
さ方向に設けたキー溝と、駆動軸18の外周面の軸長さ
方向に設けたキー溝とを対向させてキー39を係合させ
ることにより、ドラム38と駆動軸18とは一体に回転
するようになっている。ついで、ドラム33に予め巻き
付けられた定荷重ばね34の巻き終わりを引出し、この
引出端部をドラム38の芯管外周面に固着した後、駆動
軸18を回転させることにより、ドラム33に巻き付け
られた定荷重ばね34をドラム38に巻き取れるように
してある。
【0017】駆動軸18の一端の軸端は、蓋部材31に
設けられた孔31Eを挿通して外部に突出し、駆動軸1
8の入出力軸端を形成している。この軸端には一方向ク
ラッチ35が、その内輪を嵌合させて取付けられてい
る。この一方向クラッチ35の外輪にはスプロケット1
9が、その内周径を嵌合されて取付けられている。そし
て、一方向クラッチ35は、スプロケット19が時計方
向に回転して駆動軸18に回転力を伝達する場合と、駆
動軸18が反時計方向に回転してスプロケット19に回
転力を伝達する場合にのみ、係合状態を維持するよう設
定されている。更に、駆動軸18には、押板37が軸端
に設けた環状溝18Aに嵌め込まれた係止具36によっ
て位置決めされて、軸方向への抜止めがなされて取付け
られている。スプロケット19には段付ベルト21が懸
架され、スプロケット20(図2参照)に接続されてい
る。
【0018】図5は、図4のD−D矢視断面の正面図で
ある。図5を参照して回転力の蓄積手段を説明する。図
5において、ケース30の軸取付部に嵌合されて固定さ
れた軸32に、ボールベアリング32Aを介してドラム
33が回転自在に取付けられている。一方、ケース30
にボールベアリング(図示せず)を介して回転自在に支
持された駆動軸18に、キー39を係合させて一体に回
転するようにしてドラム38が取付けられている。そし
て、ドラム33の芯管外周面に巻き始めを固定して、定
荷重ばね34が反時計回り方向に巻き付けられ、ついで
巻き終り端をドラム38の芯管外周面に固着した後、駆
動軸18に時計方向の回転駆動力を与え、ドラム38を
拘束し停止状態にしてある。
【0019】この定荷重ばね34は、薄板帯鋼に熱処理
を施して、ドラム33に巻きつけた密着重ね巻きの渦巻
ばね34であつて、図5に示すような状態において、駆
動軸18に与えた拘束力を釈放すると、かってドラム3
3に巻き付けられた元の形状に巻き戻る性質を有してい
る。従って、定荷重ばね34は、ドラム33の芯管外周
面に固着された巻き始めに向って巻き戻る力を発揮する
から、ドラム33の芯管は時計方向に軸32を軸とし
て、ボールベアリング32Aを介して回転しようとする
回転力を維持するものとなる。このため、ドラム33と
ドラム38との間の定荷重ばね34には一定の張力を維
持するため、ドラム38は反時計方向回転力を得て、こ
の回転力は一体回転する駆動軸18に伝達され、反時計
方向に回転が可能となる。以上のようにして、駆動軸1
8を時計方向に外力で回転して、一体回転するドラム3
8の芯管に定荷重ばね34を時計回り方向に巻き取るこ
とにより、駆動軸18に反時計方向に回転する回転力を
蓄積する手段を構成する。
【0020】図6は、図4のE−E矢視断面の正面図で
ある。図4及び図6等を参照して補助動力切換手段を説
明する。図6において、駆動軸18にはラチェット歯車
40が配設されている。ラチェット歯車40は円板状で
外周縁に矩歯状の歯先40Aと歯底40Bとを複数有
し、内周面の軸方向にはキー溝が設けてある。このキー
溝と駆動軸18の外周面軸方向に設けたキー溝とを対向
させてキー39を係合させ、ラチェット歯車40と駆動
軸18とは一体に回転するようになっている。そして、
ラチェット歯車40と、このラチェット歯車40の歯先
40Aと歯底40Bに噛合う歯41Eを有するラッチ爪
41とを組合わせて、ラッチ構造を構成している。ラッ
チ爪41は、軸穴41Aを有していて、この軸穴41A
を、ケース30の壁面に立設した軸42に挿通して、回
転自在に取付けられている。この軸42の外周には、ケ
ース30の壁面とラッチ爪41とが対向する間に、隙間
空間を設けて、コイルばね43を配置し、このコイルば
ね43の付勢力によつて爪41とラチェット歯車40と
が、常時には噛合せ状態となるようにしている。
【0021】図9は、図6に示すラッチ構造の近傍の部
品配設状態における分解斜視図である。図中一点鎖線
は、軸や軸穴の中心位置を示し、一点鎖線に沿って、部
品配設されることを示している。図9において、ケース
30の壁面に立設した軸42は、ケース30の壁面側が
径大部42Aとなっていて、軸端側は径大部42Aより
小径とした径小部42Bとなっている。コイルばね43
は一方の巻き端が巻径の接線上に延設された直線部43
Aの形状となっており、他方の巻き端は巻径の位置で巻
き長さ方向に折曲して延設された直線部43Bの形状と
なっている。コイルばね43の内径を直線部43Aの側
から、軸42の径大部42Aに押入し、軸42の近傍で
ケース30の壁面に立設した円柱状のばね受け44に、
コイルばね43の直線部43Aを交叉させて当接する。
コイルばね43の直線部43Bを適当な工具等で支持
し、軸42の径大部42Aの外周面に軸端から見て時計
方向に、コイルばね43を巻き締めて緩まないように維
持しておく。ついで、ラッチ爪41の軸穴41Aを軸4
2の径小部42Bに遊嵌状態に嵌合するとともに、ラッ
チ爪41に設けたばね係止穴41Bに、コイルばね43
の直線部43Bを挿入する。つぎに、軸42の小径部4
2Bの先端に設した環状溝42Cに嵌め込まれた係止部
材45によって軸方向に位置決めされ抜け止めされる。
このため、コイルばね43は、軸42の径大部42Aの
外周面で拡開しようとして、軸42の軸端から見て反時
計方向に復原するばね力を生じ、このばね力によりラッ
チ爪41のばね係止穴41Bに挿入されているコイルば
ね43の直線部43Bは、軸42の回りに反時計方向の
回転力を与えるので、ラッチ爪41の歯41Eとラチェ
ット歯車40の歯底40Bとは常時は噛合うこととな
る。
【0022】再び図6において、駆動軸18を時計方向
に回転させると、ラチェット歯車40の歯底40Bから
反時計方向に歯先40Aに向って上り傾斜に形成されて
いる傾斜面が、時計方向に移動するから、この傾斜面に
平行に当接しているラッチ爪41の歯41Eの傾斜面は
図中左側方向に僅かづつ押し遣られるので、ラッチ爪4
1は、この間、軸穴41Aを軸として時計方向に、コイ
ルばね43の付勢力に抗して徐々に回動しつづけ、やが
て、歯41Eが歯先40Aを乗り越すと、ラッチ付41
がコイルばね43の付勢力により軸穴41Aを軸として
反時計方向に回動し、歯41Eがラチェット歯車40の
次の歯底40Bに落下することを繰返し、順次ラチェッ
ト歯車40の回転を妨げないから、駆動軸18の時計方
向への回転は許容される。この駆動軸18の時計方向へ
の回転は図1に基いて説明した如く運転者が自転車の走
行方向とは逆方向にペダルを漕いで、スプロケット20
を時計方向に回転させ、この回転力を段付ベルト21を
介してスプロケット19を時計方向に回転させて伝達
し、一方向クラッチ35が係合し、駆動軸18に回転力
を伝達するとともに、回転軸18に配置する回転力蓄積
手段に回転力を蓄積されるものとなる。
【0023】そして、この蓄積された回転力で、駆動軸
18を反時計方向に回転させようとした場合には、ラチ
ェット歯車40の歯先40Aから反時計方向に歯底40
Bに向って形成されているラチェット歯車40の半径方
向に垂直な面が、反時計方向に回転移動しようとするか
ら、ラッチ爪41の歯41Eの水平面とは平行に重なっ
て当接し、かつ、コイルばね43の付勢力によりラッチ
爪41の歯41Eは、ラチェット歯車40の歯底40B
に向って噛合うよう押付けられているので、ラッチ爪4
1は軸穴41Aを軸として時計方向に回動する力を得ら
れず、ラチェット歯車40とラッチ爪41とは噛合って
係合を維持し、ラチェット歯車40の回転を妨げるか
ら、駆動軸18の反時計方向への回転力は拘束される。
【0024】この駆動軸18の反時計方向への回転力の
拘束を解除するには、ラッチ爪41の歯41Eとラチェ
ット歯車40とで構成されているラッチ構造の係合を解
除することによって行なうことができるから、従って、
外力によってラッチ爪41を軸穴41Aを軸に回動させ
ラッチ構造を解除すると、駆動軸18は反時計方向に回
転し、一方向クラッチ35が係合してスプロケット19
を反時計方向に回転させ、この回動力を段付ベルト21
を介してスプロケット20に伝達し、運転者の漕ぐ力と
合成させて自転車の前進走行を助勢することができる。
再びラッチ構造を再係合する場合には、駆動軸18は拘
束され、スプロケット19は空転して自転車は人力のみ
で走行される。このように、ラッチ構造の係合を外力に
よって解除と再係合を運転者が選択して行うことによ
り、回転力蓄積手段から回転力を補助動力として、自転
車に供給または遮断する補助動力切換手段を構成するも
のであって、以下に詳述する。
【0025】再び図9において、連結部材45A,45
Bの一端には、ラッチ爪41の両端部2箇所を別々に厚
さ方向に挟持するための、対向した壁面を形成した溝構
造を有していて、この対向した壁面に貫通した連通孔4
5C,45Dが設けられている。連結部材45A,45
Bの溝構造に挟持される、ラッチ爪41の両端部には、
孔41C,41Dが形成されている。この孔41C,4
1Dと連結部材45A,45Bに設けた連通孔45C,
45Dとを対応させ、これらの孔に連通して頭付ピン4
6A,46Bを遊嵌状態で嵌合し、この頭付ピン46
A,46Bの軸端に設けた環状溝46C,46Dに嵌め
込まれた係止具48で抜け止めがなされ、ラッチ爪41
の両端部にそれぞれ連結部材45A,45Bが、頭付ピ
ン46A,46Bを軸として回動自在に取り付けられて
いる。この頭付ピン46A,46Bと軸線を平行に有し
て、連結部材45A,45Bの他端に軸47A,47B
が固着されている。この軸47A,47Bに円板の中心
に孔を有する鍔49A,49Bを挿通した後、ケース3
0の壁面を貫通して設けた長穴50A,50Bに軸47
A,47Bを挿通させ、軸端をケース30の壁裏面外部
側へ突出させてある。この、突出させた軸端には、円板
の中心に孔を有する鍔49C,49Dを挿通した後、略
正方形の左,右側面を有し、かつ、長方形の正面,背
面,平面,底面とを有する直方体で、正面の中央位置か
ら背面に至る貫通穴を設けた取付部材51A,51B
が、その貫通穴に軸47A,47Bの軸端を嵌合し、固
着して取付けられている。鍔49A,49Bとケース3
0の壁面及び鍔49C,49Dとの間は、所定距離だけ
離間して対向するように、軸47A,47Bの軸方向に
位置決めされていて、軸47A,47Bが軸線と直角で
水平方向にケース30の壁面に設けた長穴50A,50
B内を所定距離に移動が可能になるように設定されてい
る。
【0026】図8は図6の背面図である。図8におい
て、ケース30の内部から、裏面外部側に突出させた軸
47A,47Bの軸端に、取付部材51A,51Bが、
その正面中心位置から背面に至って設けられた貫通穴に
嵌合されて取付けられている。この嵌合部分に、取付部
材51A,51Bの側面略正方形の中心位置から、軸4
7A,47Bの軸線に直角に交叉するように、共明けで
左右の側面間に貫通する貫通穴52A,52Bが穿設さ
れている。そして、取付部材51A,51Bの平面中央
位置から底面に向って、軸47A,47Bとともに共明
けで、前記、貫通穴52A,52B内に開口する雌ねじ
構造53A,53Bで形成させている。合成樹脂等で形
成した中空のチューブ54A,54Bが、ケース30に
立設した固定具56A,56B及び57A,57Bに固
着されている。この中空のチューブ54A,54Bに被
覆され、チューブ内を軸線方向に移動自在に内臓され
て、鋼線等を縒合せて形成した索体のインナ54C,5
4Dが挿通されている。このインナ54C,54Dの一
端を、取付部材51A,51Bに穿設された貫通穴52
A,52Bに挿通し、ねじ53C,53Dを雌ねじ構造
53A,53Bに螺合して締め付けることによって、貫
通穴52A,52B内でインナ54C,54Dの一端が
取付部材51A,51Bに固定されている。
【0027】ハンドル8の走行方向左端部に設けられた
後輪ブレーキレバー(図示せず)の一端のブレーキワイ
ヤ接続箇所には、後輪ブレーキの解除用ばねに付勢され
て弛緩することなく引っ張られたブレーキワイヤが連結
されていて、このブレーキレバーをハンドル8のにぎり
部とともに握ると、ブレーキワイヤはブレーキ解除用ば
ねのばね力に抗して牽引され後輪ブレーキがかかるよう
になっている。インナ54Cの他端は、この後輪ブレー
キレバーとブレーキワイヤとの接続箇所にともに連結さ
れていて、ブレーキレバーが操作されると、インナ54
Cも牽引されるようになっている。インナ54Dの他端
は、ハンドル8のにぎり近傍または上パイプ11などに
配置した操作レバー(図示せず)に連結されている。こ
の操作レバーは、固定軸に回動可能に設けられた挺子式
のレバーであって、運転者の指または掌による手動操作
でレバーを押遣り、引戻したり、または押倒し、引起し
たりして回動させ、回動位置に係止して保持できるよう
になっていて、連結されたインナ54Dを軸線方向に牽
引または弛緩させて維持するようになっている。このイ
ンナ54Dの弛緩により、取付部材51Bの固定端から
操作レバーの連結端迄のインナ54Dに生じるたるみを
除去するために、取付部材51Bと固定具56Bとの間
にコイルばね55を設けて、インナ54Dにばね力を付
勢してたるみを吸収するようにしてある。以上のように
構成した補助動力切換手段の操作と作用ついて以下に詳
述する。
【0028】図7は、図6に示す係合状態にあるラッチ
構造を、解除状態のラッチ構造に変化させた状態を示し
た図である。図7において、ラチェット歯車40の歯と
ラッチ爪41の歯41Eとは噛合っていないので、駆動
軸18は反時計方向に回転自在の状態となっていて、回
転力蓄積手段から回転力を補助動力として自転車に供給
できる状態となっている。図6に示すような、係合状態
のラッチ構造から、図7に示すような解除状態のラッチ
構造にする場合を説明する。図8において、コイルばね
55が圧縮される方向にインナ54Dを牽引するよう
に、前記操作レバー(図示せず)を運転者が回動操作
し、回動位置に係止させ保持させることにより、取付部
材51Bを図中右方向に移動させると、この取付部材5
1Bに一体に固着された軸47Bが、ケース30に設け
た長穴50B内を図中右方向に移動する。そして、図7
において、この軸47Bと一体に固定されている連結部
材45Bが図中左方向に引張られて移動していて、この
連結部材45Bに頭付ピン46Bで遊嵌されているラッ
チ爪41の歯41E部分を有する端部に設けた孔41D
(図9参照)において、ラッチ爪41は図中左方向への
引張り力が与えられている。この引張り力は、ラッチ爪
41が軸42を軸として、コイルばね43の反時計方向
へ回動させようとする付勢力に抗して、図6に示すラッ
チ爪41の状態から図7に示すラッチ爪41の状態に回
動させるように働き、この回動位置は、前記操作レバー
が係止して保持していることにより、維持されるように
なっているので、ラッチ爪41の歯41Eとラチェット
歯車40とのラッチ構造は、係合状態から変化して、解
除状態に維持されるものとなる。そして同時に、ラッチ
爪41が軸42を軸として時計方向に回動したことによ
って、ラッチ爪41の歯41Eを有しない端部の孔41
C(図9参照)において遊嵌されている頭付ピン46A
も軸42を軸として時計方向に回動するから、この頭付
ピン46Aを支持している連結部材45Aが図中右方向
に移動し、この連結部材45Aに一体に固着された軸4
7Aが図中右方向に連動して移動する。そして再び図8
において、軸47Aはケース30に設けた長穴50A内
を図中左方向に移動し、この軸47Aと一体に固着され
た取付部材51Aを連動させるので、この取付部材51
Aに穿設された貫通穴52A内に固定されているインナ
54Cを図中左方向に一定移動距離を牽引する。従っ
て、インナ54Cの他端は、前述の如く後輪ブレーキレ
バーとブレーキワイヤとの連結箇所にともに連結されて
いて、この連結箇所で一定移動距離にブレーキワイヤを
牽引することになる。しかし、インナ54Cは、この移
動距離だけ予め緩めて、たるみを持たせておくので、ブ
レーキワイヤを牽引するような影響を与えることは無い
ようになっている。
【0029】次に、図7に示すような解除状態にあるラ
ッチ構造から、図6に示すような係合状態のラッチ構造
に変化させて、ラチェット歯車40とラッチ爪41とを
再係合状態にすることにより、回転力蓄積手段から自転
車への補助動力の供給を遮断状態にする場合を説明す
る。図8において、コイルばね55が圧縮状態から釈放
される方向に、インナ54Dを弛緩させるように、前記
操作レバー(図示せず)を運転者が回動操作して、解除
状態にあるラッチ構造を指定する操作レバーの回動位置
の係止による保持を釈放すると、取付部材51Bは図中
左方向に移動していき、この取付部材51Bに一体に固
着された軸47Bもケース30に設けた長穴50B内を
図中左方向に移動していく。そして図7において、この
軸47Bと一体に固着された連結部材45Bが図中右方
向に移動していき、この連結部材45Bに頭付ピン46
Bで遊嵌されているラッチ爪41の歯41E部分を有す
る端部の孔41D(図9参照)において、ラッチ爪41
に与えられていた図中左方向への引張り力が急激に減少
し消滅する。従って、ラッチ爪41は軸42を軸とし
て、コイルばね43の反時計方向へ回動させる付勢力に
よって、図7に示すラッチ爪41の状態から図6に示す
ラッチ爪41の状態に回動し、この回動位置はコイルば
ね43の付勢力で維持されるので、ラチェット歯車40
とラッチ爪41とのラッチ構造は、解除状態から変化し
て、再係合状態に維持されるものとなる。そして同時
に、ラッチ爪41が軸42を軸として反時計方向に回動
したことによって、ラッチ爪41の歯41Eを有しない
端部の孔41C(図9参照)において遊嵌されている頭
付ピン46Aも軸42を軸として反時計方向に回動する
から、この頭付ピン46Aを支持している連結部材45
Aが図中左方向に移動し、この連結部材45Aに一体に
固着された軸47Aが図中左方向に連動して移動する。
そして再び図8において、軸47Aはケース30に設け
た長穴50A内を図中右方向に移動し、この軸47Aと
一体に固着された取付部材51Aを連動させるので、こ
の取付部材51Aに穿設された貫通穴52A内に固定さ
れているインナ54Cが図中右方向に一定距離移動す
る。このインナ54Cは前述の如く、予め緩めてたるみ
を持たしてあるので、一定距離分弛緩して、たるみを生
じている。
【0030】更に、前述した図7に示すような解除状態
にあるラッチ構造から、図6に示すような再係合状態に
変化させる動作は、後輪ブレーキのブレーキレバーの操
作に応じてもなされるようになっていて、以下に説明す
る。前述の如く、後輪ブレーキをかけるために、ハンド
ルのにぎりとともにブレーキレバーを握ると、ブレーキ
ワイヤとともにインナ54Cも牽引されるようになって
いる。従って、ブレーキレバーが操作されてインナ54
Cが牽引されると、図8において、インナ54Cが図中
右方向に牽引されるが、前述の如くこのインナ54Cに
は一定距離だけ予め緩めてたるみを持たせてあるので、
このたるみが除去され更に牽引されて、インナ54Cを
貫通穴52A内に固定した取付部材51Aとこの取付部
材51Aに一定固着されている軸47Aが、図中右方向
に移動する。そして図7において、軸47Aと一体に固
着された連結部材45Aが図中左方向に移動し、この連
結部材45Aに頭付ピン46Aで遊嵌されているラッチ
爪41の歯41Eを有しない端部の孔41C(図9参
照)において、図中左方向に引張り力が与えられる。こ
の引張り力は、ラッチ爪41が軸42を軸として反時計
方向に回動する力として働き、コイルばね43の反時計
方向への回動する付勢力にも助勢され、図7に示すラッ
チ爪41の状態から図6に示す状態に回動し、この回動
位置は、ブレーキの操作を中断した後も、コイルばね4
3の付勢力で維持されるので、ラチェット歯車40とラ
ッチ爪41とのラッチ構造は、解除状態から変化して再
係合状態に維持されるものとなる。一方このとき同時
に、ラッチ爪41が軸42を中心として反時計方向に回
動したことによって、ラッチ爪41の歯41Eを有する
端部の孔41D(図9参照)において遊嵌されている頭
付ピン46Bも、軸42を軸として反時計方向に回転動
するから、この頭付ピン46Bも、軸42を軸として反
時計方向に回動するから、この頭付ピン46Bを支持し
ている連結部材45Bが図中右方向に移動し、この連結
部材45Bに一体固着された軸47Bが図中右方向に連
動して移動する。そして再び図8において、軸47Bは
ケース30に設けた長穴50A内を図中左方向に移動
し、この軸47Bと一体に固着された取付部材51Bを
連動させるので、この取付部材51Bに穿設された貫通
穴52B内に固定されいるインナ54Dを図中左方向
に、すなわちコイルばね55の圧縮状態を釈放する方向
に牽引するものとなる。このインナ54Dの他端は操作
レバー(図示せず)に連結されていて、このとき、操作
レバーは運転者が回動操作したことによって、ラッチ構
造が図7に示すような解除状態となるよう、回動位置を
指定してインナ54Dを操作レバーに向って牽引してい
て、係止し保持された状態になっている。このため、ラ
ッチ構造が図6に示すような再係合状態に変化させるた
めに、操作レバーの回動位置の係止による保持を、ブレ
ーキレバーの操作によって釈放できるような設定になっ
ていて、ブレーキレバーの操作を中断した後は、コイル
ばね43の付勢力でラッチ爪41が回動されて回動位置
を維持するものとなっている。すなわち、コイルばね4
3の付勢力の大きさは、運転者が操作レバーの回動操作
によって操作できる範囲内の大きさであり、また、操作
レバーの係止による保持力の大きさは、コイルばね43
の付勢力を超えて大きく、このコイルばね43の付勢力
と運転者がブレーキレバーを操作してインナ54Dを牽
引するときの牽引力との和の大きさより小さく設定され
ているものである。
【0031】
【発明の効果】以上のべたように、本発明によれば以下
のような効果を奏する。本発明の補助動力装置は、ケー
ス内に嵌合された固定軸へ回転自在に取付けたドラム
に、巻き始めを固定して巻きつけた定荷重ばねと、この
定荷重ばねの巻き終りが、ケース内に回転自在に支持さ
れた駆動軸と一体回転するドラムに固着されて構成され
る回転力蓄積手段と、駆動軸と一体回転するラチェット
歯車と、このラチェット歯車に係合するラッチ爪とを組
合せたラッチ構造を備えるとともに、駆動軸に一方向ク
ラッチとスプロケットとを設け、段付ベルトを介して自
転車のクランク軸に設けたスプロケットに、回転力蓄積
手段から補助動力を伝達する構造を備えた補助動力切換
手段とで構成されていて、この補助動力装置を自転車の
ハンガラグ下端部と下パイプ下端部とに係止して配置す
るようにしたことにより、この配置のスペースは大きな
スペースを必要としないから、一般用自転車の車体に何
等変更を要しないで取着できて、低コストで補助動力装
置付自転車を得ることができる効果を奏する。また、電
動機や蓄電池を搭載する補助動力装置付自転車に較べ、
構成が簡単で軽量なので、装置の点検整備が容易であ
り、転倒車体の引起しにも、堅牢であり煩しさが無く、
人力走行時においても車体重量が運転者に大きな負担に
ならないという効果を奏する。更に、蓄電池の充電時間
のような長時間の順備時間を必要としないから、自転車
の使用時間と頻度において制限されることは極めて僅か
であり、運転者のペダルを漕ぐ力のみに基いて、補助動
力を蓄積し、走行途中であっても充電器等の設備を必要
とせずに補助動力の再蓄積ができ、また、ブレーキが作
動状態にあるときには、補助動力の供給を遮断して、無
駄な補助動力の消費を抑制するから、補助動力の助勢に
よる走行距離を延長できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の補助動力装置を自転車に装着し
た状態を示す正面図である。
【図2】図2は図1における補助動力装置の近傍の部分
拡大図である。
【図3】図3は図2のA−A矢視平面図である。
【図4】図4は図2のC−C矢視断面の平面図である。
【図5】図5は図4のD−D矢視断面の正面図である。
【図6】図6は図4のE−E矢視断面の正面図である。
【図7】図7は図6に示すラッチ構造の係合状態を解除
状態にした図である。
【図8】図8は図6の背面図である。
【図9】図9は図6に示すラッチ構造の近傍の部品配設
状態における分解斜視図である。
【符号の説明】
1 自転車 2 補助動力装置 3 ハンガラグ 4 下パイプ 5 立パイプ 6 リアフレーム 7 ヘッドパイプ 8 ハンドル 9 前フォーク 10 前輪 11 上パイプ 12 後フォーク 13 後輪 14L 左クランク 14R 右クランク 15 前歯車 16 後歯車 17 チェーン 18 駆動軸 18A 環状溝 18L ペダル 18R ペダル 19 スプロケット 20 スプロケット 21 段付ベルト 22 取付部材 22A 雌ねじ構造 22B 平面部 22C 環状溝 23 係止具 23A 取付穴 23B 平面部 23C 環状溝 24 ねじ 25 取付部材 25A 環状溝 25B 鍔状の平面 25C 取付穴 26 取付金具 26A ボルト 26B ナット 30 ケース 30A 雌ねじ構造 30B 軸取付部 30C 軸受取付部 30D ボールベアリング 30E ねじ 31 蓋部材 31A 取付穴 31B 軸取付部 31C 軸受取付部 31D ボールベアリング 31E 孔 32 軸 32A ボールベアリング 32B 係止部材 33 ドラム 34 定荷重ばね 35 一方向クラッチ 36 係止具 37 押板 38 ドラム 39 キー 40 ラチェット歯車 40A 歯先 40B 歯底 41 ラッチ爪 41A 軸穴 41B 係止穴 41C 孔 41D 孔 41E 歯 42 軸 42A 径大部 42B 径小部 42C 環状溝 43 コイルばね 43A 直線部 43B 直線部 44 ばね受 45 係止部材 45A 連結部材 45B 連結部材 45C 連通孔 45D 連通孔 46A 頭付ピン 46B 頭付ピン 46C 環状溝 46D 環状溝 47A 軸 47B 軸 48 係止具 49A 鍔 49B 鍔 49C 鍔 49D 鍔 50A 長穴 50B 長穴 51A 取付部材 51B 取付部材 52A 貫通穴 52B 貫通穴 53A 雌ねじ構造 53B 雌ねじ構造 53C インナ固定ねじ 53D インナ固定ねじ 54A チューブ 54B チューブ 54C インナ 54D インナ 55 コイルばね 56A 固定具 56B 固定具 57A 固定具 57B 固定具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に嵌合された固定軸へ回転自在
    に取付けたドラムに、巻き始めを固着して巻き付けた定
    荷重ばねと、この定荷重ばねの巻き終わりが、前記ケー
    ス内に回転自在に支持された駆動軸に取着されて一体回
    転するドラムに固着され巻取られた回転体とを備えた回
    転力蓄積手段と、前記駆動軸に取着されて一体回転する
    ラチェット歯車と、このラチェット歯車に係合するラッ
    チ爪とを組合せたラッチ構造と、前記駆動軸の軸端に一
    方向クラッチとスプロケットとを設け、このスプロケッ
    トに懸架させた段付ベルトを介して自転車のクランク軸
    に設けたスプロケットに、前記回転力蓄積手段から補助
    動力を伝達する構造とを備えた補助動力切換手段とで構
    成した補助動力装置を車体のハンガラグ下端部と下パイ
    プ下端部とに係止して配設したことを特徴とする補助動
    力装置付自転車。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014118149A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Yang Tai He 伝動輪システム
CN112918610A (zh) * 2021-04-12 2021-06-08 浙江阿波罗摩托车制造有限公司 电动助力自行车

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