JP2000125891A - 微生物触媒を用いたα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法 - Google Patents

微生物触媒を用いたα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法

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JP2000125891A JP29564698A JP29564698A JP2000125891A JP 2000125891 A JP2000125891 A JP 2000125891A JP 29564698 A JP29564698 A JP 29564698A JP 29564698 A JP29564698 A JP 29564698A JP 2000125891 A JP2000125891 A JP 2000125891A
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Yoichi Kobayashi
洋一 小林
Koichi Hayakawa
公一 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基質濃度の低下による反応速度の低下の影響
が少なく、収率や製品純度の面で優れ、かつ高価な微生
物触媒の使用量を減少することができる、工業的に有利
なα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法を提供する
こと。 【解決手段】 微生物触媒により、α−ヒドロキシニト
リル化合物の反応液中濃度が、2段階で減少するように
(1段目反応で0.1〜5.0重量%、2段目反応で
0.1重量%未満から選択される濃度)反応させ、水性
溶媒中で加水分解して、α−ヒドロキシ酸アンモニウム
塩に変換する。1段目反応の反応槽を2〜8槽に分け、
2段目反応の反応槽を1〜2槽として、新鮮な微生物触
媒を第1反応槽に連続的及び/又は間欠的に添加し、順
次使用後の微生物触媒を次の反応槽に移送する、微生物
触媒をカスケード方式で使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の医薬・農薬
等の合成原料として工業的に重要であり、また、ある種
のものは食品添加物や飼料添加剤として利用されている
α−ヒドロキシ酸の製造原料であるα−ヒドロキシ酸ア
ンモニウム塩の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−ヒドロキシニトリル類から微生物に
よってα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩又はα−ヒドロ
キシ酸を製造する方法は、特公昭58−15120号公
報、特開昭63−222696号公報、特開昭64−1
0996号公報、特開平4−40897号公報、特開平
4−40898号公報、特表平10−507631号公
報等に記載されている。しかしながら、本発明のよう
に、基質濃度をコントロールする方法やカスケード法に
よる微生物反応の有効性については記載されていない。
【0003】また、新鮮な微生物触媒を反応中添加し生
産性を維持することが知られているが(Enzyme Catalys
is in Organic Synthesis, VCH, 1995)、反応槽を並べ
微生物触媒をカスケード方式で使用することにより、微
生物触媒の添加量を最小限に抑えることが可能となるこ
とは知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】微生物を用いてα−ヒ
ドロキシニトリルをα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩に
加水分解する反応の場合、微生物が産生する酵素による
加水分解反応であるため、酵素反応特有のミカエリスメ
ンテン型の反応が進行し、酵素基質であるα−ヒドロキ
シニトリルの反応液中濃度がKm値以下では、反応速度
は酵素が本来有する最大速度の2分の1以下となる。こ
のことから、α−ヒドロキシニトリルの反応液中濃度が
極端に低くなると、反応速度が極めて遅くなるという問
題がある。
【0005】一方、工業的α−ヒドロキシ酸アンモニウ
ム塩の製造においては、原料のα−ヒドロキシニトリル
を最大限反応させることにより、原料費を低減し、製品
中のα−ヒドロキシニトリルの残存濃度を最小限にして
製品純度を高くすることが必要である。また、微生物触
媒の製造コストは一般に高価であり、できるだけその使
用量を少なくすることが工業的に有利である。
【0006】本発明の課題は、基質濃度の低下による反
応速度の低下の影響が少なく、収率や製品純度の面で優
れ、かつ高価な微生物触媒の使用量を減少することがで
きる、工業的に有利なα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
の製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究し、基質濃度を2段階で減少す
るように反応させる、すなわち、第1段階反応では、酵
素の最大速度に近い反応速度で反応できるようなほぼ一
定な基質(α−ヒドロキシニトリル)濃度で、大部分の
α−ヒドロキシニトリルをα−ヒドロキシ酸アンモニウ
ム塩に変換し、反応速度が遅くなる第2段階反応で、残
存する少量のα−ヒドロキシニトリルをα−ヒドロキシ
酸アンモニウム塩に変換させるという方式を採用するこ
とにより、α−ヒドロキシニトリルからα−ヒドロキシ
酸アンモニウム塩への転換反応全体を通じての反応速度
と反応収率との調和を図り、連続反応工程における反応
の滞留時間を大幅に削減するとともに、高い生産性でα
−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を製造することができる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、一般式[I] RCH(OH)CN (式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6
アルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6アルケニル
基、置換基を有してもよいC1〜C6アルコキシ基、置換
基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいア
リールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基を表
す。)で表されるα−ヒドロキシニトリル化合物[I]
を、微生物触媒により、水性溶媒中で加水分解して、一
般式[II] RCH(OH)COO-NH4 + (式中、Rは前記と同一の意味を表す。)で表されるα
−ヒドロキシ酸アンモニウム塩[II]に変換するα−ヒ
ドロキシ酸アンモニウム塩[II]の製造法において、前
記一般式[I]で表されるα−ヒドロキシニトリル化合
物の反応液中濃度が、2段階で減少するように反応させ
ることを特徴とする前記一般式[II]で表されるα−ヒ
ドロキシ酸アンモニウム塩の製造法に関する。
【0009】また本発明は、前記一般式[I]で表され
るα−ヒドロキシニトリル化合物の反応液中濃度を、1
段目反応で、0.1〜5.0重量%の範囲から選択され
る濃度に維持し、2段目反応で、0.1重量%未満の濃
度に維持する、前記一般式[II]で表されるα−ヒドロ
キシ酸アンモニウム塩の製造法に関する。
【0010】さらに本発明は、1段目反応の反応槽を2
〜8槽に分け、2段目反応の反応槽を1〜2槽として、
全体で3〜10槽の反応槽を並べ、新鮮な微生物触媒を
第1反応槽に連続的及び/又は間欠的に添加し、順次使
用後の微生物触媒を次の反応槽に移送し、微生物触媒を
カスケード方式で使用する、前記一般式[II]で表され
るα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のα−ヒドロキシ酸アンモ
ニウム塩[II]の製造法において、原料として用いられ
るα−ヒドロキシニトリル化合物は、一般式[I] RCH(OH)CN (式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6
アルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6アルケニル
基、置換基を有してもよいC1〜C6アルコキシ基、置換
基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいア
リールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基を表
す。)で表され、一般式[I]中のRとしては、水素原
子の他、メチル、エチル、メチルチオメチル、メチルチ
オエチル等の置換基を有してもよい、C1〜C6アルキル
基やC2〜C6のアルケニル基やC1〜C6のアルコキシ基
やアリール基やアリールオキシ基や複素環基を挙げるこ
とができる。
【0012】かかるα−ヒドロキシニトリルの具体例と
しては、ラクトニトリル、アセトンシアンヒドリン、マ
ンデロニトリル、2−ヒドロキシ−n−ブチロニトリ
ル、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル、
2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオニトリル、2,
4−ジヒドロキシ−3,3−ジメチルブチロニトリル、
2−ヒドロキシ−3−ブテロニトリル、2−ヒドロキシ
−3−メチル−3−ブテロニトリル、2−ピリジンアル
デヒドシアンヒドリン等を例示することができる。
【0013】本発明で使用される微生物触媒としては、
ニトリルから酸へ加水分解する能力、すなわち、ニトリ
ラーゼ活性、及び/又はニトリルヒドラターゼとアミダ
−ゼ活性を有するものであればどのようなものでも用い
ることができ、特に限定されるものではない。また、微
生物触媒の使用形態としては、かかる活性を有する微生
物自体、固定化微生物、粗酵素、固定化酵素等の微生物
処理物を例示することができる。
【0014】そして、ニトリルから酸へ加水分解する能
力を有する微生物としては、例えば、アエロモナス(Aer
omonas)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、アシネト
バクター(Acinetobacter)属、アルカリゲネス(Alcalige
nes)属、アースロバクター(Arthrobacter)属、エシェリ
シア(Escherichia)属、エルビニア(Erwinia)属、エンテ
ロバクター(Enterobacter)属、オーレオバクテリウム(A
ureobacterium)属、カセオバクター(Caseobacter)属、
キャンディダ(Candida)属、コクリオボラス(Cochliobol
us)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ゴル
ドナ(Gordona)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ス
トレプトマイセス(Streptomyces)属、セルロモナス(Cel
lulomonas)属、ノカルディア(Nocardia)属、バクテリジ
ウム(Bacteridium)属、バチルス(Bacillus)属、バリオ
ボラクス(Variovolax)属、パントエア(Pantoea)属、フ
ザリウム(Fusarium)属、フラボバクテリウム(Flavobact
erium)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ペ
ニシリウム(Penicillium)属、マイコプラナ(Mycoplana)
属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rh
odococcus)属、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)
属等の微生物を挙げることができる。
【0015】より具体的には、例えば以下の微生物を例
示することができる。Aeromonas punctata IFO 13288、
Alcaligenes faecalis ATCC 8750、Arthrobacter oxyda
ns IFO 12138、Arthrobacter sp. NSSC104 (FERM P-154
24)、Escheichia coli IFO 3301、Ervinia herbicola I
FO 12686、Aureobacterium testaceum IAM 1561、Candi
da guilliermondii IFO 0566、Corynebacterium nitril
ophilus ATCC 21419、Gordona terrae MA-1 (FERM BP-4
535)、Pseudomonas synxanta IAM12356、Streptomyces
griseus IFO 3355、Cellulomonas fimi IAM 12107、Noc
ardia asteroides IFO 3384、Nocardia calcarea KCCAO
191、Nocardia polychromogenes IFM 19、Bacteridium
sp. R341 (FERM P-2719)、Bacteridium sp. R340 (FER
M P-2718)、Bacillus sp. R332 (FERM P-2717)、Bacill
us subtilis ATCC 21697、Bacillus licheniformis IFO
12197、Bacillus megaterium ATCC 25833、Variovorax
paradoxus IAM 12374、Pantoea agglommerans NH-3
(FERM P-11349)、Flavobacterium flavescens ATCC 831
5、Brevibacterium acetylicum IAM1790、Brevibacteri
um helvolum ATCC11822、Micrococcus luteus ATCC 38
3、Micrococcus varians IAM 1099、Micrococcus roseu
s IFO 3768、Micrococcus sp. A111 (FERM P-2720)、My
coplana dimorpha ATCC 4297、Rhodococcus sp. HT29-7
(FERM BP-3857)、Rhodococcus sp. HT40-6 (FERM BP-5
231)、Rhodococcus sp. SK92 (FERM BP-3324)、Rhodoco
ccus rhodochrous ATCC 12674、Rhodococcus erythropo
lis IFM155、同IFO 12320、同IFO 12538及び同IFO 1254
0。
【0016】本発明のα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩
[II]の製造法は、一般式[I]で表されるα−ヒドロ
キシニトリル化合物の反応液中濃度を2段階で減少させ
ることを特徴としている。この場合、基質となるα−ヒ
ドロキシニトリル化合物[I]の反応液中濃度を、2段
階反応における1段目反応で、0.1〜5.0重量%の
範囲から選択される濃度に維持し、2段目反応で、0.
1重量%未満から選択される濃度に維持することが、α
−ヒドロキシニトリルからα−ヒドロキシ酸アンモニウ
ム塩への転換反応全体を通じての反応速度と反応収率と
の調和を図り、反応の滞留時間を大幅に削減するととも
に、高い生産性でα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩を製
造する上で好ましい。
【0017】また本発明は、1段目反応の反応槽を2〜
8槽に分け、2段目反応の反応槽を1〜2槽として、全
体で3〜10槽の反応槽を並べ、新鮮な微生物触媒を第
1反応槽に連続的及び/又は間欠的に添加し、順次使用
後の微生物触媒を次の反応槽に移送し、微生物触媒をカ
スケード方式で使用する、α−ヒドロキシニトリル化合
物の反応液中濃度を2段階で減少させるとともに、微生
物触媒をカスケード方式で使用して、α−ヒドロキシ酸
アンモニウム塩を連続的に製造することを特徴としてい
る。
【0018】このように、基質濃度を2段階で減少させ
るとともに微生物触媒をカスケード方式で使用するに
は、反応槽と分離機を組み合わせた反応装置を並べた反
応方式を採用することが好ましい。かかる分離機として
は、例えば膜分離機や遠心分離機等を挙げることができ
る。また、反応装置として、攪拌型反応槽と分離機を一
体化した膜型リアクター等のプラグフローリアクターも
採用できる。
【0019】次に、1段目反応を2槽で、2段目反応を
1槽で行った場合の例を図1に示す。1段目反応槽にα
−ヒドロキシニトリルを連続的及び/又は間欠的に供給
することにより、1段目反応のα−ヒドロキシニトリル
の反応液中濃度を、微生物触媒の最大速度に近い反応速
度が得られる範囲の濃度になるように制御する。α−ヒ
ドロキシニトリルの反応液中濃度の制御方法は、例え
ば、「Enzyme Catalysisin Organic Synthesis, VCH, 1
995,p148」に記載されている公知の方法で実施するこ
とができる。すなわち、高速液体クロマトグラフィー等
により反応液中のα−ヒドロキシニトリル濃度を連続的
及び/又は間欠的に検知し、α−ヒドロキシニトリルの
供給速度を徐々に減少させる方法及び/又は新鮮な微生
物触媒を供給する方法により、α−ヒドロキシニトリル
の反応液中濃度を一定範囲内に維持することができる。
【0020】1段目反応のα−ヒドロキシニトリルの最
適な濃度は、用いる微生物触媒によって異なるが、上記
のように、反応液中濃度0.1〜5.0重量%の範囲か
ら選択される一定の濃度とすることが好ましい。この場
合、1段目反応で供給されたα−ヒドロキシニトリルの
大部分が反応してα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩にな
るが、残存した少量のα−ヒドロキシニトリルは、分離
機で微生物触媒と分離された清澄溶液として、2段目反
応槽に送液される。2段目反応においても、α−ヒドロ
キシニトリルの反応液中濃度を0.1%未満の濃度にす
ることが好ましく、この反応系においては、反応速度は
1段目反応より遅くなるが、反応させるべきα−ヒドロ
キシニトリルの絶対量が1段目反応よりはるかに少ない
ので、短時間で反応は完結する。
【0021】微生物触媒を各反応槽にある一定濃度で初
期に仕込んだ後、各反応槽毎で循環使用し、活性低下に
伴いα−ヒドロキシニトリルの添加速度を減少して反応
制御する方式も採用することができるが、工業的には生
産性が経時変化することから望ましくない。そこで、一
定の生産性を維持するために微生物触媒の初期仕込みに
加えて追加仕込みを行うことが好ましい。その際、図1
に示すように、新鮮な微生物触媒を第1段目反応槽の第
1反応槽のみに添加し、第2反応槽以降は順次前の槽で
使用した後の微生物触媒を移送添加する。この場合、各
反応槽においては、微生物触媒の大半が元の反応槽に戻
され回収使用され、一部が次の反応槽に移送される。
【0022】反応は水性溶媒中で行われ、水性溶媒とし
ては水単独または有機溶媒を含む水溶液が用いられる。
また、微生物触媒の反応液中濃度は反応槽毎に任意に選
択できるが、通常乾燥菌体として0.15〜7.5重量
%の範囲で制御される。反応のpHは1段目反応と2段
目反応で同一でも変えてもよく、適当な緩衝剤もしくは
酸・アルカリによって5〜10の範囲から選択される値
に保てばよい。反応の温度は1段目反応と2段目反応で
同一でも変えてもよく、4〜50℃、好ましくは20〜
40℃の範囲から選択される温度に保てばよい。かくし
て、α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の10〜70重量
%の水性溶媒溶液が2段目反応装置の分離機から清澄液
として得られる。
【0023】本発明により製造されるα−ヒドロキシ酸
アンモニウム塩[I]としては、グリコール酸、乳酸、
マンデル酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ
酪酸、α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸、α−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオン酸、α−ヒドロキシ−2
−フェニルプロピオン酸、α,β−ジヒドロキシ−3,
3−ジメチル酪酸、α−ヒドロキシ−3−ブテン酸、α
−ヒドロキシ−3−メチル−3−ブテン酸、2−ピリジ
ニル−α−ヒドロキシ酢酸等のアンモニウム塩を具体的
に挙げることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。なお、α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の定量
は、両方の合計量を高速液体クロマトグラフィーにより
定量した。
【0025】[実施例1]MF膜分離機、自動希釈装置
・オートインジェクター付きのオンライン高速液体クロ
マトグラフィー装置、pHコントローラーを備えた30
0ml容攪拌型反応槽を3槽、図1のように並べた。第
1反応槽、第2反応槽および第3反応槽に、微生物触媒
として Arthrobacter sp. NSSC104 を乾燥重量として、
それぞれ9.0g、9.0g及び4.5g初期仕込みと
して添加し、水で第1反応槽及び第2反応槽は200m
lに、第3反応槽は100mlに希釈した。この第1反
応槽及び第2反応槽に2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブチロニトリルを0.12ml/minのスピードで連
続的に添加し、合計で102.3g加え終わった時点
で、図1に示すような配管系で、第1反応槽と第2反応
槽に2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルを
引き続き連続的に添加しながら、第1反応槽と第2反応
槽から膜分離機を透過したろ液を第3反応槽に移送し
た。第3反応槽の膜透過ろ液は2−ヒドロキシ−4−メ
チルチオブタン酸アンモニウム塩の水溶液として取得し
た。
【0026】また微生物触媒のカスケード方式での使用
は次のように行った。第1反応槽に新鮮な Arthrobacte
r sp. NSSC104 の水懸濁液の追加仕込みを行った。第1
反応槽の反応液は膜分離機に移送され、膜分離機を透過
しない菌体スラリー液の大部分は第1反応槽に戻され、
残りの一部は第2反応槽に移送された。第2反応槽でも
同様に、菌体スラリー液の大部分は第2反応槽に戻さ
れ、残り一部が第3反応槽に移送された。第3反応槽で
は菌体スラリー液の大部分が第3反応槽に戻され、残り
一部が廃棄された。
【0027】以上連続反応の間、オンライン高速液体ク
ロマトグラフィーにより、2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブチロニトリルの反応液中濃度を検知し、第1反応
槽及び第2反応槽では約0.3重量%に、第3反応槽で
は0.03重量%以下となるように、2−ヒドロキシ−
4−メチルチオブチロニトリルの添加速度、新鮮菌体の
添加速度及び反応ろ液の各槽間移送速度をコントロール
した。その際、新鮮菌体の添加速度および菌体スラリー
液の各槽間移送速度は、できるだけ2−ヒドロキシ−4
−メチルチオブチロニトリルの添加速度が一定となるよ
うにコントロールした。反応中、反応温度は25℃に保
持し、pHは7.0になるようにアンモニア水添加でコ
ントロールした。また反応槽中の反応液量が一定となる
ように水を添加した。
【0028】このようにして、第3反応槽から膜分離機
を通して2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン酸アン
モニウム塩の約32重量%水溶液が0.94ml/mi
nで得られた。この連続反応を約1ヵ月行い、全体の物
質収支として、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリルに対する2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ン酸アンモニウム塩のモル収率は98%であり、2−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルの残存率は
0.07%であった。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、α−ヒドロキシニトリ
ルの反応液中濃度を2段階で減少させることにより、酵
素が有する反応速度を最大限有効に利用して、α−ヒド
ロキシ酸アンモニウム塩を高い生産性で得ることができ
る。また、微生物触媒をカスケード方式で使用すること
により、工業的に有利にα−ヒドロキシ酸アンモニウム
塩を生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をカスケード方式で行う場合の反応装置
の模式図である。
【符号の説明】
1 α−ヒドロキシニトリル 2 新鮮微生物触媒 3 微生物触媒スラリー液 4 α−ヒドロキシ酸アンモニウム塩溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:06)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] RCH(OH)CN (式中、Rは水素原子、置換基を有してもよいC1〜C6
    アルキル基、置換基を有してもよいC2〜C6アルケニル
    基、置換基を有してもよいC1〜C6アルコキシ基、置換
    基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいア
    リールオキシ基又は置換基を有してもよい複素環基を表
    す。)で表されるα−ヒドロキシニトリル化合物[I]
    を、微生物触媒により、水性溶媒中で加水分解して、一
    般式[II] RCH(OH)COO-NH4 + (式中、Rは前記と同一の意味を表す。)で表されるα
    −ヒドロキシ酸アンモニウム塩[II]に変換するα−ヒ
    ドロキシ酸アンモニウム塩[II]の製造法において、前
    記一般式[I]で表されるα−ヒドロキシニトリル化合
    物の反応液中濃度が、2段階で減少するように反応させ
    ることを特徴とする前記一般式[II]で表されるα−ヒ
    ドロキシ酸アンモニウム塩の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式[I]で表されるα−ヒドロキシ
    ニトリル化合物の反応液中濃度を、1段目反応で、0.
    1〜5.0重量%の範囲から選択される濃度に維持し、
    2段目反応で、0.1重量%未満の濃度に維持する請求
    項1記載のα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法。
  3. 【請求項3】 1段目反応の反応槽を2〜8槽に分け、
    2段目反応の反応槽を1〜2槽として、全体で3〜10
    槽の反応槽を並べ、新鮮な微生物触媒を第1反応槽に連
    続的及び/又は間欠的に添加し、順次使用後の微生物触
    媒を次の反応槽に移送する、微生物触媒をカスケード方
    式で使用する請求項1又は2記載のα−ヒドロキシ酸ア
    ンモニウム塩の製造法。
JP29564698A 1998-10-16 1998-10-16 微生物触媒を用いたα−ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造法 Withdrawn JP2000125891A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002052027A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Nippon Soda Co., Ltd. Procede de production d'une substance a l'aide d'un catalyseur microbien
WO2003062437A1 (fr) * 2002-01-18 2003-07-31 Nippon Soda Co.,Ltd. Procede de production de sel d'ammonium d'$g(a)-hydroxyacide
WO2005066352A1 (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Nippon Soda Co., Ltd. 生体触媒を用いたα-ヒドロキシ酸アンモニウム塩の製造方法

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