JP2000123319A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JP2000123319A
JP2000123319A JP10298317A JP29831798A JP2000123319A JP 2000123319 A JP2000123319 A JP 2000123319A JP 10298317 A JP10298317 A JP 10298317A JP 29831798 A JP29831798 A JP 29831798A JP 2000123319 A JP2000123319 A JP 2000123319A
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JP10298317A
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Hiroshi Onuma
博 大沼
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 はみ出し記録量を低減して狭トラックピッチ
化に対応するとともに、製造が容易な薄膜磁気ヘッド及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 上層コア7の媒体対向面側と下層コア3
の媒体対向面側の幅狭部3aとが互いに略等しい幅に成
形されており、磁気ギャップGから漏洩する漏れ磁界の
広がりを抑えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性膜よりなる上
層コアと下層コアとが非磁性膜を介して積層され、上記
上層コアと下層コアとの間に薄膜コイルが設けられてな
る誘導型の薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野においては、記録密度の
高密度化や記録周波数の高周波化が進むにつれ、記録に
使用する磁気ヘッドとして高周波で高保磁力媒体に記録
可能な磁気ヘッドが要求されている。このような要求に
応えるべく、磁気コアやコイルを薄膜形成する薄膜磁気
ヘッドが開発され、ハードディスクシステム等における
記録用磁気ヘッドとして実用化されている。
【0003】この薄膜磁気ヘッドは、磁性膜よりなる下
層コアと上層コアとを備える。下層コアと上層コアと
は、媒体対向面となる一端側がギャップ膜を介して対向
するとともに、媒体対向面から離間した他端側が相互に
磁気的に接続されて、閉磁路を構成している。
【0004】また、薄膜磁気ヘッドは、下層コアと上層
コアとの間に巻装された薄膜コイルを備える。この薄膜
コイルは例えばスパイラル状に形成されており、内周側
の端部と外周側の端部とが外部電極と接続されている。
【0005】この薄膜磁気ヘッドを用いて信号の記録を
行う場合は、まず薄膜コイルに記録信号に応じた電流が
供給される。薄膜コイルは、供給された電流に応じた磁
界を発生する。この磁界は下層コアと上層コアとにより
構成される閉磁路を流れる。
【0006】このとき、下層コアと上層コアとは、媒体
摺動面側がギャップ膜を介して対向しているので、この
部分から漏れ磁界が発生する。そして、薄膜磁気ヘッド
は、この漏れ磁界を磁気記録媒体に印加することによ
り、磁気記録媒体に信号を記録するようにしている。
【0007】この薄膜磁気ヘッドにより磁気記録媒体に
記録される信号の記録幅は、一般的に、上層コアの媒体
対向面側の幅により決定される。すなわち、薄膜磁気ヘ
ッドにおいては、図13に示すように、上層コア101
の媒体対向面側の幅W1が下層コア102の媒体対向面
側の幅W2よりも小さくされており、下層コア102と
上層コア101との間に生じる漏れ磁界の幅を、上層コ
ア101の媒体対向面側の幅に応じた幅に制限してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、走行する磁
気テープに対して磁気ヘッドを摺動させて磁気テープへ
の信号の記録再生を行うテープストリーマーシステムに
おいては、近年、書き込み速度を向上させるために、磁
気テープの往路と復路の双方で記録を行う双方向記録が
主流となっている。
【0009】このような双方向記録を行うシステムに上
記薄膜磁気ヘッドを用いることを想定すると、往路と復
路とで信号の記録幅が異なるといった問題が生じる。す
なわち、薄膜磁気ヘッドにおいて、下層コア102と上
層コア101との間に生じる漏れ磁界の分布は、図13
中矢印Mで示すように、下層コア102側で広がったか
たちとなる。したがって、この薄膜磁気ヘッドに対して
磁気テープが図13中矢印A方向に摺動すると、磁気テ
ープに記録される信号の記録幅は上層コア101の幅に
ほぼ等しい幅W1となるのに対して、磁気テープが図1
3中矢印B方向に摺動すると、磁気テープに記録される
信号の記録幅はW1よりも広がったW3となる。
【0010】このように、往路と復路とで記録される信
号の記録幅が異なると、記録トラックのピッチを狭ピッ
チ化して記録密度の向上を図ることが困難となる。すな
わち、記録トラックの幅を磁気テープがA方向に摺動し
た際に記録される信号の記録幅W1とほぼ等しい幅に設
定すると、磁気テープがA方向に摺動する際は適切に信
号の記録が行われるが、磁気テープがB方向に摺動する
際は、記録幅W2の記録幅W1よりも広がった部分(以
下、この部分をはみ出し記録部といい、このはみ出し記
録部Sに記録される記録量をはみ出し記録量という。)
が、隣接する記録トラックに干渉し、再生時のノイズの
原因となる。
【0011】このようなはみ出し記録部の隣接トラック
への干渉を回避すべく、記録幅W3が記録トラックの幅
よりも小さくなるように、薄膜磁気ヘッドの上層コア1
01の幅を小さくすると、磁気テープがA方向に摺動し
た際に記録される信号の記録幅W1が小さくなりすぎ
て、出力不足となり、適切な再生が行えなくなってしま
う。
【0012】このように記録トラックの狭ピッチ化を阻
害するはみ出し記録量を低減するために、下層コア10
2の媒体対向面側の幅が上層コア101の媒体対向面側
の幅と等しくなるように薄膜磁気ヘッドを構成すること
が考えられる。しかしながら、このように下層コア10
2の媒体対向面側の幅と上層コア101の媒体対向面側
の幅とを等しい幅に設定すると、薄膜磁気ヘッド製造時
における下層コア102と上層コア101との位置合わ
せが困難となり、また、両者間に位置ずれが生じた場合
に所望の記録幅が得られなくなるという問題がある。
【0013】そこで、本発明は、はみ出し記録量を低減
して狭トラックピッチ化に対応するとともに、製造が容
易な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドは、上記課題を解決すべく創案されたものであり、
磁性膜よりなる上層コアと下層コアとが非磁性膜を介し
て積層され、上層コアと下層コアとの間に薄膜コイルが
設けられてなる誘導型の薄膜磁気ヘッドにおいて、上層
コアと非磁性膜とは、少なくとも媒体対向面側が記録ト
ラックに対応した幅に成形されており、下層コアは、そ
の媒体対向面側が非磁性膜に隣接する側からその厚み方
向の中途部まで、記録トラックに対応した幅に成形され
ているとともに、その他の部分が記録トラックに対応し
た幅よりも大となる幅に成形されていることを特徴とし
ている。
【0015】この薄膜磁気ヘッドは、上層コアの媒体摺
動面側の幅と下層コアの媒体摺動面側の厚み方向の中途
部までの幅とが、ともに記録トラックに対応した幅に設
定されており、略等しい幅とされているので、はみ出し
記録量の低減が図られる。
【0016】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法は、上記課題を解決すべく創案されたものであり、
磁性膜よりなる上層コアと下層コアとが非磁性膜を介し
て積層され、上層コアと下層コアとの間に薄膜コイルが
設けられてなる誘導型の薄膜磁気ヘッドを製造するに際
し、下層コアとなる磁性膜と非磁性膜と上層コアとなる
磁性膜とが順次積層されてなる積層体を形成した後に、
この積層体上にマスクを形成し、この積層体の少なくと
も媒体対向面側を上層コアとなる磁性膜側から下層コア
となる磁性膜の厚み方向の中途部にかけてエッチングし
て、この部分を記録トラックに対応した幅に成形するこ
とを特徴としている。
【0017】この薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、
上層コアと下層コアとの位置合わせといった煩雑な行程
を経ることなく、はみ出し記録量を低減することができ
る薄膜磁気ヘッドを容易に製造することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0019】ここでは、本発明に係る薄膜磁気ヘッドを
テープストリーマーシステムに用いられる磁気ヘッドと
して構成した例について説明する。なお、本発明に係る
薄膜磁気ヘッドは、この例に限定されるものではなく、
例えば、ハードディスクシステムにおける積層型の磁気
ヘッドの記録用ヘッドとして構成してもよい。
【0020】本発明に係る薄膜磁気ヘッド1は、図1に
示すように、例えばAl23―TiC系の非磁性材料
や、CaO―TiO2―NiO系の非磁性材料等の摺動
特性、摩耗特性に優れた材料よりなるベース基板2を備
えている。このベース基板2上には、金属磁性材料より
なる下層コア3が設けられている。この下層コア3に用
いられる金属磁性材料としては、例えば、Co系の非晶
質合金や、Fe系の微結晶材料、パーマロイ等が挙げら
れる。この下層コア3は、その一端側が薄膜磁気ヘッド
1の媒体対向面1aから外部に露呈するように、ベース
基板2上に設けられている。
【0021】下層コア3上には、媒体摺動面1aから離
間した側の他端部を除いて、ギャップ膜4が設けられて
いる。このギャップ膜4は、例えばAl23等の非磁性
非導電性材料がスパッタリング等により薄膜形成されて
なり、媒体摺動面1a側の端部が下層コア3と後述する
上層コア7との間に介在して、磁気ギャップGとして作
用する。
【0022】ギャップ膜4上には、Cu等の導電材料よ
りなる薄膜コイル5が形成されている。この薄膜コイル
5は、例えばスパイラル状に形成されており、内周側の
端部と外周側の端部とが外部電極と接続されている。
【0023】また、ギャップ膜4上には、薄膜コイル5
を保護すると共に、この薄膜コイル5と後述する上層コ
ア7との絶縁を図るためのコイル保護膜6が設けられて
いる。このコイル保護膜6は、例えばレジスト等の高分
子材料からなり、薄膜コイル5を被覆するようにギャッ
プ膜4上に設けられている。
【0024】ギャップ膜4、薄膜コイル5及びコイル保
護膜6がそれぞれ形成された下層コア3上には、金属磁
性材料よりなる上層コア7が設けられている。この上層
コア7は、その一端側が薄膜磁気ヘッド1の媒体摺動面
1aから外部に露呈するように設けられている。そし
て、この上層コア7の媒体摺動面1a側の一端部は、ギ
ャップ膜4を介して下層コア3の媒体摺動面1a側の一
端部と対向している。また、この上層コア7の媒体摺動
面1aから離間した側の他端部は、下層コア3の媒体摺
動面1aから離間した他端部と接続されており、上層コ
ア7と下層コア3とにより閉磁路が構成されている。
【0025】この上層コア7に用いられる金属磁性材料
としては、下層コア3と同様に、例えば、Co系のの非
晶質合金や、Fe系の微結晶材料、パーマロイ等が挙げ
られる。
【0026】上層コア7上には、この上層コア7を保護
するための保護膜8が形成されている。この保護膜8
は、例えばAl23等の非磁性非導電性材料がスパッタ
リング等により薄膜形成されてなり、上面が平坦化され
ている。
【0027】上層コア7上には、ベース基板2と同様
に、例えばAl23―TiC系の非磁性材料や、CaO
―TiO2―NiO系の非磁性材料等の摺動特性、摩耗
特性に優れた材料よりなる保護基板9が接合されてい
る。本例の薄膜磁気ヘッド1は、このようにベース基板
2と保護基板9とにより閉磁路を構成する下層コア3及
び上層コア7と薄膜コイル5とを挟持する構成とされて
おり、これにより磁気テープに対して適当な当たり幅が
得られるようになされている。
【0028】以上のように構成される薄膜磁気ヘッド1
は、薄膜コイル5に記録信号に応じた電流が供給される
と、薄膜コイル5が供給された電流に応じた磁界を発生
する。この磁界は下層コア101と上層コア102とに
より構成される閉磁路を流れ、下層コア3と上層コア7
との媒体対向面1a側の間隙である磁気ギャップGから
漏れ磁界として外部に漏洩する。そして、薄膜磁気ヘッ
ド1は、この漏れ磁界を図1中矢印Aで示す方向と図1
中矢印Bで示す方向との双方向に走行する磁気テープに
印加することにより、この磁気テープに信号を記録する
ようにしている。
【0029】ところで、この薄膜磁気ヘッド1の閉磁路
を構成する下層コア3及び上層コア7は、図2に示すよ
うに、媒体対向面1a側のギャップ膜4を挟んで対向す
る部分が互いに略等しい幅に成形されている。すなわ
ち、この薄膜磁気ヘッド1において、上層コア7は、媒
体対向面1a側の一部が記録トラックに対応した幅W1
となるように成形されている。また、この薄膜磁気ヘッ
ド1において、下層コア3は、媒体対向面1a側の一部
が、上層コア7と対向する側から厚み方向の中途部にか
けて、上層コア7と略等しい幅、すなわち、記録トラッ
クに対応した幅W1と略等しい幅となるように成形され
ている。
【0030】下層コア3及び上層コア7が以上のように
成形された本発明に係る薄膜磁気ヘッド1の磁気ギャッ
プGから外部に漏洩する漏れ磁界は、図2中矢印Mで示
すように、下層コア3側で広がることなく記録トラック
に対応した分布をとる。したがって、この薄膜磁気ヘッ
ド1は、往路と復路との双方向で走行する磁気テープに
対して記録を行う磁気ヘッドとして用いられても、はみ
出し記録量を低減して、適切な記録を行うことができ
る。
【0031】本発明に係る薄膜磁気ヘッド1において、
はみ出し記録量は、下層コア3の記録トラックに対応し
た幅W1と略等しい幅となるように成形さた部分(以
下、この部分を幅狭部3aという。)の厚みに依存し、
この幅狭部3aの厚みを大きくするに従ってはみ出し記
録量は低減され、幅狭部3aの厚みを一定以上とする
と、はみ出し記録量は判断できないほど小さくなる。
【0032】この下層コア3の幅狭部3aの厚みとはみ
出し記録量との関係を図3に示す。なお、ここでは、上
層コア7の媒体対向面1a側の幅及び下層コア3の幅狭
部3aの幅を約30μmとし、磁気ギャップGのギャッ
プ長を約2μmに設定した薄膜磁気ヘッド1を用いて、
この薄膜磁気ヘッド1により磁気テープに記録された記
録パターンをMFMを用いて観察し、下層コア3の幅狭
部3aの厚みを変化させた場合のそれぞれのはみ出し記
録量を測定した。また、この薄膜磁気ヘッド1の上層コ
ア7の厚みは約6μm、下層コア3の全体の厚みは約6
μm、下層コア3の全体の幅は約50μmに設定してあ
る。この図3において、横軸は下層コア3の幅狭部3a
の厚みを示し、縦軸は測定されたはみ出し記録量を示し
ている。
【0033】この図3から分かるように、下層コア3の
幅狭部3aの厚みが0のとき、すなわち、従来の薄膜磁
気ヘッドのように下層コアが記録トラックに対応した幅
に成形されていない場合は、はみ出し記録量が約6μm
となっている。この場合、例えば、トラックピッチが3
4μmに設定されたシステムにおいては、2μm分のは
み出し記録量が隣接する記録トラックに干渉することに
なる。
【0034】これに対して、下層コア3の幅狭部3aの
厚みを0.5μmとした場合、はみ出し記録量が2μm
程度に低減される。はみ出し記録量をこの程度低減させ
ることができれば、記録トラックの狭ピッチ化に十分対
応することができる。さらに、下層コア3の幅狭部3a
の厚みを2.0μm程度まで増やすと、はみ出し記録量
は判断できないほど小さくなる。
【0035】以上のことから、本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッド1において、下層コア3の幅狭部3aの厚みは、
0.5〜2.0μm程度とすることが望ましい。
【0036】本発明に係る薄膜磁気ヘッド1は、以上説
明したように、上層コア7の媒体対向面1a側と下層コ
ア3の媒体対向面1a側の幅狭部3aとが互いに略等し
い幅に成形されており、磁気ギャップGから漏洩する漏
れ磁界の広がりを抑えるようにしているので、はみ出し
記録量が低減され、トラックピッチの狭ピッチ化に対応
しながら適切に信号の記録及び再生を行うことができ
る。
【0037】次に、本発明に係る薄膜磁気ヘッド1の製
造方法について説明する。
【0038】この薄膜磁気ヘッド1を製造する際は、ま
ず、図4に示すように、最終的に薄膜磁気ヘッド1のベ
ース基板2となる非磁性基板10を用意する。そして、
この非磁性基板の主面に対して研磨加工等を施し、この
面を平坦化する。
【0039】次に、図5に示すように、平坦化された非
磁性基板10の主面上に、下層コア3となる金属磁性材
料11をスパッタリング等により成膜する。そして、こ
の金属磁性膜11を所定の下層コア3のパターンに加工
する。具体的には、フォトリソ工程において所定のレジ
ストパターンを形成し、このレジストパターンをマスク
としてイオンミリング等の手法で物理的なエッチングを
施した後に、フォトレジストを剥離することにより、所
定の下層コア3のパターンを得る。このとき、下層コア
3のパターン幅は記録トラックの幅よりも大となるよう
に設定しておく。
【0040】次に、下層コア3となる金属磁性膜11が
成膜された非磁性基板10上にAl23等よりなる平坦
化膜12を成膜し、下層コア3となる金属磁性膜11の
表面が露呈するまで、この平坦化膜12に対して研磨加
工を施す。
【0041】次に、図6に示すように、この平坦化され
た面上に、ギャップ膜4となる非磁性非導電性材料13
をスパッタリング等により成膜する。そして、下層コア
3パターンの後端側、すなわち媒体対向面1aとなる側
から離間した側の一部分上に成膜された非磁性非導電性
膜13を除去し、図7に示すように、この部分の下層コ
ア3パターンを外部に露呈させる。
【0042】次に、図8に示すように、ギャップ膜4と
なる非磁性非導電性膜13上に、Cu等よりなる薄膜コ
イル5を形成する。具体的には、非磁性非導電性膜13
上にメッキ下地膜を形成した後に、フォトリソ行程にお
いて所定のレジストパターンを形成し、硫酸銅メッキ等
を施す。その後、レジストパターンを剥離し、イオンミ
リング加工等を施して下地膜をエッチングすることによ
り、例えばスパイラル形状の薄膜コイル5を形成する。
そして、薄膜コイル5が形成された非磁性非導電性膜1
3上に、コイル保護膜6となるレジスト等の高分子材料
14を成膜し、表面を平坦化する。
【0043】次に、図9に示すように、表面が平坦化さ
れた高分子材料膜14上に、上層コア7となる金属磁性
材料15をスパッタリング等により成膜する。そして、
この上層コア7となる金属磁性膜15に対してエッチン
グ加工を施して所定の形状の上層コア7を形成する。こ
のとき、上層コア7となる金属磁性膜15だけでなく、
ギャップ膜4となる非磁性非導電性膜13及び下層コア
3のパターンに対してもその厚み方向の中途部までエッ
チング加工を施すようにする。
【0044】具体的には、図10に示すように、まず、
フォトリソ工程において、上層コア7となる金属磁性膜
15上に所定のレジストパターン16を形成する。この
ときのレジストパターンのパターン幅は、所望の記録ト
ラックのトラック幅に対応した幅に設定しておく。次
に、このレジストパターン16をマスクとして、イオン
ミリング等の手法で物理的なエッチングを施し、上層コ
ア7及びギャップ膜4のの媒体対向面1a側の幅を記録
トラックのトラック幅に対応した幅となるように成形す
ると共に、下層コア3の上層コア7と対向する側の一部
の幅を記録トラックのトラック幅に対応した幅となるよ
うに成形し、レジストパターン16を除去して所望の形
状の下層コア3及び上層コア7を得る。
【0045】このときのエッチングは、入射角0〜10
度で行い、エッチング量は、下層コア3の記録トラック
のトラック幅に対応した幅となるように成形された部分
の厚みが、0.5〜2.0μmとなるように設定するこ
とが望ましい。
【0046】次に、図11に示すように、上層コア7を
被覆するように、保護膜8となる非磁性非導電性材料1
7を成膜し、表面を平坦化する。
【0047】次に、図12に示すように、表面が平坦化
された非磁性非導電性膜17上に、保護基板9となる非
磁性基板18をエポキシ樹脂等の接着剤を用いて接合
し、チップサイズに切断して、媒体対向面1aとなる部
分に円筒研磨加工を施す。これにより、先に図1に示し
た薄膜磁気ヘッド1が完成する。
【0048】以上のように、薄膜磁気ヘッド1を製造す
るようにすれば、上層コア7と下層コア3との位置合わ
せといった煩雑な行程を経ることなく、はみ出し記録量
を低減することができる薄膜磁気ヘッド1を容易に製造
することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、上層コ
アの媒体対向面側と下層コアの媒体対向面側の一部とが
互いに略等しい幅に成形されており、磁気ギャップから
漏洩する漏れ磁界の広がりを抑えるようにしているの
で、はみ出し記録量が低減され、トラックピッチの狭ピ
ッチ化に対応しながら適切に信号の記録及び再生を行う
ことができる。
【0050】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法によれば、下層コアとなる磁性膜と非磁性膜と上層
コアとなる磁性膜とが順次積層されてなる積層体を形成
した後に、この積層体上にマスクを形成し、この積層体
の少なくとも媒体対向面側を上層コアとなる磁性膜側か
ら下層コアとなる磁性膜の厚み方向の中途部にかけてエ
ッチングして、この部分を記録トラックに対応した幅に
成形するようにしているので、上層コアと下層コアとの
位置合わせといった煩雑な行程を経ることなく、はみ出
し記録量を低減することができる薄膜磁気ヘッドを容易
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの要部縦断面図で
ある。
【図2】上記薄膜磁気ヘッドの上層コア及び下層コアを
媒体摺動面側からみた模式図である。
【図3】下層コアの幅狭部の厚みとはみ出し記録量との
関係を示す図である。
【図4】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図で
あり、ベース基板となる非磁性基板の縦断面図である。
【図5】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図で
あり、下層コアとなる金属磁性膜及び平坦化膜が成膜さ
れた状態を示す縦断面図である。
【図6】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図で
あり、ギャップ膜となる非磁性非導電性膜が成膜された
状態を示す縦断面図である。
【図7】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図で
あり、下層コアパターンの後端側の一部分上に成膜され
た非磁性非導電性膜が除去された状態を示す縦断面図で
ある。
【図8】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図で
あり、薄膜コイル及びコイル保護膜が形成された状態を
示す縦断面図である。
【図9】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図で
あり、上層コアとなる金属磁性膜が成膜された状態を示
す縦断面図である。
【図10】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図
であり、上層コア及び下層コアを成形する様子を示す模
式図である。
【図11】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図
であり、保護膜となる非磁性非導電性材料が成膜された
状態を示す縦断面図である。
【図12】上記薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明する図
であり、保護基板となる非磁性基板を接合した状態を示
す縦断面図である。
【図13】従来の薄膜磁気ヘッドの上層コアと下層コア
との関係を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 薄膜磁気ヘッド、2 ベース基板、3 下層コア、
3a 幅狭部、4 ギャップ膜、5 薄膜コイル、6
コイル保護膜、7 上層コア、8 保護膜、9保護基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性膜よりなる上層コアと下層コアとが
    非磁性膜を介して積層され、上記上層コアと下層コアと
    の間に薄膜コイルが設けられてなる誘導型の薄膜磁気ヘ
    ッドにおいて、 上記上層コアと上記非磁性膜とは、少なくとも媒体対向
    面側が記録トラックに対応した幅に成形されており、 上記下層コアは、その媒体対向面側が、上記非磁性膜に
    隣接する側からその厚み方向の中途部まで上記記録トラ
    ックに対応した幅に成形されているとともに、その他の
    部分が上記記録トラックに対応した幅よりも大となる幅
    に成形されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 上記下層コアの上記記録トラックに対応
    した幅に成形されている部分の厚みが、0.5〜2.0
    μmの範囲内とされていることを特徴とする請求項1記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 磁気記録媒体が上記上層コア側から下層
    コア側へ向けて走行する往路と、上記下層コア側から上
    層コア側へ向けて走行する復路との双方で記録及び/又
    は再生を行う記録及び/又は再生装置に用いられること
    を特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 磁性膜よりなる上層コアと下層コアとが
    非磁性膜を介して積層され、上記上層コアと下層コアと
    の間に薄膜コイルが設けられてなる誘導型の薄膜磁気ヘ
    ッドを製造するに際し、 上記下層コアとなる磁性膜と上記非磁性膜と上記上層コ
    アとなる磁性膜とが順次積層されてなる積層体を形成し
    た後に、この積層体上にマスクを形成し、この積層体の
    少なくとも媒体対向面側を上記上層コアとなる磁性膜側
    から上記下層コアとなる磁性膜の厚み方向の中途部にか
    けてエッチングして、この部分を記録トラックに対応し
    た幅に成形することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 上記下層コアとなる磁性膜を上記上層コ
    ア側から厚み方向に0.5〜2.0μmの範囲内で記録
    トラックに対応した幅に成形することを特徴とする請求
    項4記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7457079B2 (en) 2002-07-03 2008-11-25 Sony Corporation Magnetic head with rectangular-shaped planar spiral coil and leading core width smaller than trailing core width

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