JP2000122372A - 帯電装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及びこれを用いた画像形成装置

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JP2000122372A
JP2000122372A JP10292285A JP29228598A JP2000122372A JP 2000122372 A JP2000122372 A JP 2000122372A JP 10292285 A JP10292285 A JP 10292285A JP 29228598 A JP29228598 A JP 29228598A JP 2000122372 A JP2000122372 A JP 2000122372A
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blade
water
ionic conductive
charging
conductive medium
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JP10292285A
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English (en)
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Hitoshi Iwasaki
仁 岩崎
Noritaka Kuroda
能孝 黒田
Tomoki Kutsuwada
知己 轡田
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 規制部材から前記水あるいは電解質やイ
オン化可能な気体分子を分散させたイオン性導電性媒体
が多くすり抜けることが原因の画質欠陥と、規制部材が
像担持体に当接するために生じる長手方向にわたる不均
一な摩擦帯電が原因である縦筋状の画質欠陥の両方を同
時に防止可能とした帯電装置及びこれを用いた画像形成
装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 イオン性導電性媒体の接触位置よりも被
帯電部材の移動方向下流側に、前記被帯電部材の表面に
付着したイオン性導電性媒体を塞き止める規制部材を、
被帯電部材に当接させて配置するとともに、前記規制部
材に親水性を付与するように構成して課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真感光体
や静電記録誘電体等の像担持体を帯電する帯電装置、及
びかかる帯電装置を備えた電子写真複写機やレーザービ
ームプリンター、あるいは静電記録装置等の画像形成装
置に関し、特に、放電を伴わずに電荷注入により像担持
体の表面を帯電する帯電装置及びこれを用いた画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記電子写真感光体や静電記録誘電体等
の像担持体を帯電する帯電装置としては、従来よりコロ
ナ放電を行って像担持体を帯電するコロトロンが広く利
用されている。かかるコロトロンは、像担持体を均一に
帯電する手段としては有効であるが、像担持体を所定の
電位に帯電するために数kVという高電圧を印加しなけ
ればならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電
によって発生するオゾン等の放電生成物のため、ゴム部
品や像担持体の劣化を引き起こすのみならず、環境汚染
にもつながる。
【0003】そこで、コロトロンに代わる帯電装置とし
て、ロール状、ブラシ状、ブレード状、フィルム状やベ
ルト状などの種々の形状の導電性部材を像担持体に接触
させ、当該導電性部材に電圧を印加することで像担持体
を帯電させる接触型の帯電装置が開発されており、実際
に使用されていもいる。これらの接触型の帯電装置は、
オゾンの発生が極めて少なく、しかもコロトロンに比べ
て低い電源電圧を用いればよいという長所をもつ。
【0004】しかしながら、これらの接触型の帯電装置
は、導電性部材にDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を
印加して像担持体を帯電する場合、像担持体表面の移動
速度であるプロセススピードが速いと、AC電圧に対応
した帯電ムラ(所謂ACリップル)が大きくなり、画質
に濃度ムラとなって現れるため、AC電圧の周波数を高
く設定せざるを得ない。しかし、このように、導電性部
材に印加するAC電圧の周波数を高く設定すると、像担
持体に流れるAC電流が増加するため、感光体等の像担
持体がダメージを受け易く、クリーナーブレードによる
感光体等の像担持体の磨耗の大きな促進要因となる。し
たがって、導電性部材にDC電圧にAC電圧を重畳した
電圧を印加する接触型の帯電装置は、プロセススピード
が速い中高速の複写機等の画像形成装置には搭載できな
いのが現状である。
【0005】また、上記接触型の帯電装置は、導電性部
材にDC電圧のみを印加して像担持体を帯電する場合、
DC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加するものに比
べて帯電均一性が劣り、しかも印加電圧と逆極性に帯電
したトナー等が付着するなど、トナーなどによる汚染も
大きく、長期間の維持性にも問題をもつ。
【0006】そこで、接触型の帯電装置が有するこれら
の問題点を解決する帯電装置としては、水あるいは、電
解質やイオン化可能な気体分子などを分散させたイオン
性導電性媒体を像担持体に接触させ、このイオン性導電
性媒体に電圧を印加することで像担持体を帯電させる帯
電装置が考えられている。この種の新規な帯電装置に関
する技術としては、特開平7−140729号公報や、
特開平8−62932号公報、あるいは特開平7−32
5458号公報に開示されているものが既に提案されて
いる。
【0007】上記特開平7−140729号公報に係る
接触帯電方法は、水を含浸した吸水性のスポンジローラ
を感光体表面に摩擦接触せしめ、両者の間に直流電圧を
印加することにより、感光体表面の帯電を行うように構
成したものである。
【0008】しかしながら、この特開平7−14072
9号公報に係る接触帯電方法の場合には、水を含浸した
吸水性のスポンジローラを感光体表面に摩擦接触させる
ものであるため、感光体の表面に余分な水が付着する
と、水が感光体に付着したまま現像器に流入し、感光体
表面の水が付着した部分にトナーが付着して、画質欠陥
が発生するという問題点を有している。
【0009】そこで、かかる問題点を解決するため、特
開平7−325458号公報、特開平9−22160号
公報、特開平9−179367号公報及び特開平9−1
79377号公報等に開示されているように、含水した
部材に直流電圧を印加することによって、感光体の表面
を帯電させた後に、水が感光体に付着したまま現像器に
流入し、画質欠陥が発生してしまうのを防止するため
に、感光体上の水を拭い去るワイパー状のブレードを設
けるように構成したものが、既に提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の場合には、次のような問題点を有している。す
なわち、上記特開平7−325458号公報、特開平9
−22160号公報、特開平9−179367号公報及
び特開平9−179377号公報等に開示されているよ
うに、ある一定以上の圧接力でブレードを感光体に当接
させることで、確かに、水が多くブレードからすり抜け
てしまうために生じる画質欠陥を防止することができ
る。しかしながら、この方法では、ブレードエッジと感
光体の間に、潤滑効果をも果たすわずかな水が入り込む
部分と入り込まない部分が存在し、それらが、ブレード
の長手方向に沿って不均一に分布する。このとき、水が
入り込んだ部分では、その潤滑効果のためにブレードと
感光体間の摩擦は軽減されるが、水が入り込まない部分
では、その度合いに応じた摩擦が生じる。こうして、ブ
レード長手方向にわたって不均一な大きさの摩擦帯電が
起き、感光体の長手方向の電位むらが生じ、コピーをと
ると縦筋が発生してしまうという問題点を有していた。
【0011】また、かかる問題点が生じるのを防止する
ため、水を拭い去るブレードの圧接力を軽減すること
で、ブレードエッジと感光体の間にわずかな水が入り込
みやすいようにし、水の潤滑効果により摩擦帯電を軽減
しようと試みることはできる。しかしながら、この方法
では、ブレードの長手方向において、摩擦を軽減できる
部分もあるが、水がブレードをすり抜ける量が多くなり
すぎる部分も部分も同時に生じてしまい、水が感光体に
付着したまま現像器に流入し、画質欠陥が発生してしま
うという問題点が再度生じる。
【0012】このように、上記特開平7−325458
号公報、特開平9−22160号公報、特開平9−17
9367号公報及び特開平9−179377号公報等に
開示された技術による限り、ブレードなどの水の規制部
材から水がすり抜けることが原因の画質欠陥と、水がブ
レードエッジ部と感光体の間に入り込まないために発生
する摩擦帯電が原因の縦筋状の画質欠陥を、両方とも同
時に防止することができないという問題点を有してい
た。
【0013】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、オゾンの発生をほとんど完全に抑制し、か
つ、中高速の複写機等の画像形成装置でも使用すること
ができ、像担持体の磨耗がほとんど問題にならない特徴
を有する、水あるいは電解質やイオン化可能な気体分子
を分散させたイオン性導電性媒体を像担持体に接触さ
せ、このイオン性導電性媒体に電圧を印加することで像
担持体を帯電させる帯電装置において、規制部材から前
記水あるいは電解質やイオン化可能な気体分子を分散さ
せたイオン性導電性媒体が多くすり抜けることが原因の
画質欠陥と、規制部材が像担持体に当接するために生じ
る長手方向にわたる不均一な摩擦帯電が原因である縦筋
状の画質欠陥の両方を同時に防止可能とした帯電装置及
びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、イオン性導電性媒体を
移動する被帯電部材に接触させ、当該イオン性導電性媒
体に電圧を印加することによって被帯電部材の帯電を行
う帯電装置において、前記イオン性導電性媒体の接触位
置よりも被帯電部材の移動方向下流側に、前記被帯電部
材の表面に付着したイオン性導電性媒体を塞き止める規
制部材を、被帯電部材に当接させて配置するとともに、
前記規制部材に親水性を付与するように構成したもので
ある。
【0015】なお、上記規制部材としては、例えば、ド
クターブレードあるいはワイパーブレードが用いられ
る。
【0016】また、請求項2に記載の発明は、前記規制
部材として親水性のある高分子エラストマーを使用する
ことを特徴とする請求項1記載の帯電装置である。
【0017】さらに、請求項3に記載の発明は、前記規
制部材の表面に界面活性剤を含有する層を設けること、
あるいは、前記規制部材に界面活性剤を混練することで
親水性を付与することを特徴とする請求項1記載の帯電
装置である。
【0018】また更に、請求項4に記載の発明は、前記
規制部材に紫外線処理、プラズマ処理やコロナ放電処理
を施すことにより親水性を付与することを特徴とする請
求項1記載の帯電装置である。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、前記規制
部材の表面にカーボン、金属、金属酸化物などの層を設
けることにより親水性を付与することを特徴とする請求
項1記載の帯電装置である。
【0020】さらに、請求項6に記載の発明は、前記規
制部材の表面を粗面化処理することで親水性を付与する
ことを特徴とする請求項1記載の帯電装置である。
【0021】又、請求項7に記載の発明は、イオン性導
電性媒体を移動する像担持体に接触させ、当該イオン性
導電性媒体に電圧を印加することによって像担持体を所
定の電位に帯電させ、像担持体上に画像を形成する画像
形成装置において、前記イオン性導電性媒体の接触位置
よりも像担持体の移動方向下流側に、前記像担持体の表
面に付着したイオン性導電性媒体を塞き止める規制部材
を、像担持体に当接させて配置するとともに、前記規制
部材に親水性を付与したことを特徴とする画像形成装置
である。
【0022】
【作用】前記請求項1乃至7のように、イオン性導電性
媒体を移動する被帯電部材に接触させ、当該イオン性導
電性媒体に電圧を印加することによって被帯電部材の帯
電を行う帯電装置において、前記イオン性導電性媒体の
接触位置よりも被帯電部材の移動方向下流側に、前記被
帯電部材の表面に付着したイオン性導電性媒体を塞き止
める規制部材を、被帯電部材に当接させて配置するとと
もに、前記規制部材に親水性を付与するように構成する
ことにより、ある一定の圧接力で規制部材を像担持体等
に当接させることで、規制部材からイオン性導電性媒体
が多くすり抜けることが原因の画質欠陥を防止すること
ができる。さらに、上記規制部材に親水性を付与するこ
とにより、規制部材に水が付着しやすく、規制部材と感
光体との間に潤滑となるわずかな水が入り込み易くな
り、規制部材の長手方向にわたる不均一な摩擦帯電をな
くすことができ、それが原因の縦筋状の画質欠陥をも同
時に防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下にこの発明を図示の実施の形
態に基づいて説明する。
【0024】実施の形態1 図1はこの発明の実施の形態1に係る帯電装置を適用し
た画像形成装置を示すものである。
【0025】図1において、1は像担持体としての感光
体ドラムを示すものであり、この感光体ドラム1は、紙
面に垂直な方向に軸線を有し、図示の矢印方向に沿って
図示しない駆動手段により、所定の回転速度で回転駆動
されるようになっている。上記感光体ドラム1の表面
は、この発明の実施の形態1に係る帯電装置2によっ
て、所定の電位に一様に帯電された後、露光装置3によ
って画像が露光され、当該感光体ドラム1の表面には、
画像に応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム
1上に形成された静電潜像は、現像器4によって現像さ
れてトナー像となり、この感光体ドラム1上に形成され
たトナー像は、当該トナー像と同期して感光体ドラム1
の表面の転写位置へと搬送される転写用紙5上に、転写
ロール6が形成する転写電界と押圧力によって転写され
る。上記のごとくトナー像が転写された転写用紙5は、
感光体ドラム1の表面から分離され、図示しない定着装
置へと搬送されて、この定着装置によりトナー像が定着
されて、装置の外部に排出される。
【0026】なお、トナー像が転写用紙5上に転写され
た後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置7の
ディスターバーブラシ8とクリーナーブレード9によっ
て、残留したトナーや紙粉等が除去されて、次の画像形
成工程に備えるようになっている。
【0027】図2はこの発明の実施の形態1に係る帯電
装置を示すものである。
【0028】この発明の実施の形態1に係る帯電装置2
は、水あるいは電解質やイオン化可能な気体分子などを
分散させたイオン性導電性媒体を、像担持体としての感
光体ドラム1の表面に接触させ、当該イオン性導電性媒
体に電圧を印加することによって、このイオン性導電性
媒体である分散された水あるいは電解質やイオン化可能
な気体分子などを電離させイオン化させて、所定の極性
のイオンを感光体ドラム1の表面に静電気的に付着させ
ることにより、感光体ドラム1の表面を所定の電位に帯
電するものである。
【0029】上記帯電装置2は、図2に示すように、水
あるいは電解質やイオン化可能な気体分子などを分散さ
せたイオン性導電性媒体を保持する保持部材として、含
水した帯電用部材10を備えており、この含水した帯電
用部材10は、押圧部材11によって感光体ドラム1の
表面に接触するように配置されている。また、上記含水
した帯電用部材10には、直流電圧が帯電装置用電源1
2により給電されるようになっている。
【0030】上記帯電用部材10は、親水性のあるPV
A(ポリビニルアルコール)スポンジやウレタンスポン
ジなどの吸水性をもつ材料の中から適宜選択された材料
によって形成される。この帯電用部材10の形状は、パ
ッド状、ロール状、ブレード状など様々な形状のものを
使用することができる。
【0031】さらに、上記帯電用部材10には、純水、
蒸留水、水道水などの水、もしくは水、アルコールなど
の溶剤に電解質やイオン化可能な気体分子などを溶解さ
せたイオン性導電性媒体としての液体などが含浸され
る。また、上記水やアルコールなどの溶剤に溶解される
電解質としては、LiClO4 、Na2 SO4 、Na2
CO3 、NaHCO3 、NaCl、KCl、LiCl、
MgCl2 、CaCl3,(NH4 2 SO4 などさま
ざまな電解質を用いることができる。一方、イオン化可
能な気体分子などとしては、CO2 などが挙げられる。
このCO2 などのイオン化可能な気体分子は、水等の中
に自然に溶解したものを用いてもよいし、積極的に溶解
させたものを用いても勿論よい。
【0032】また、上記した物質を含浸した状態の帯電
用部材10の体積抵抗率は、例えば、102 〜109 Ω
cm程度の範囲内で適宜設定される。
【0033】この実施の形態で用いた帯電用部材10
は、図2に示すように、PVAからなる厚さ2mmのパ
ッド状の部材に形成されており、この帯電用パッド10
には、通常のイオン交換水として得られた純水が含浸さ
れている。また、上記帯電用パッド10は、感光体ドラ
ム1の表面と、当該感光体ドラム1の移動方向に沿って
5mmの接触幅で、当該感光体ドラム1の軸方向の略全
長に渡って接触するように配置されている。さらに、上
記帯電用パッド10は、感光体ドラム1の移動方向に沿
った両端部が上方に向けて数mmほど折り曲げられてい
る。なお、この含水した状態での帯電用パッド10の抵
抗値は、約106 Ωであり、帯電用パッド10の単位面
積当たりの含水量は、50mg/cm2 であった。
【0034】また、上記帯電用パッド10は、図2に示
すように、底面部の中央に長手方向に沿ってスリット状
の開口部11aが設けられた断面矩形状の細長い箱体状
の押圧部材11によって、スプリング40の弾発力で感
光体ドラム1の表面に所定の押圧力で接触するように配
置されている。上記押圧部材11には、帯電用パッド1
0に通常のイオン交換水として得られた純水を供給する
ための供給口13が開口されている。
【0035】なお、上記帯電用パッド10には、図1に
示すように、帯電装置用電源12によって所定の直流電
圧が給電されるようになっているが、この直流電圧の給
電の仕方は、帯電装置用電源12に接続されたリード線
などを、帯電用パッド10の一部に接触させれば十分で
あり、帯電用パッド10の長手方向に沿って設けた電極
に通電するように構成しても勿論よい。
【0036】ところで、この実施の形態では、イオン性
導電性媒体の接触位置よりも被帯電部材の移動方向下流
側に、前記被帯電部材の表面に付着したイオン性導電性
媒体を塞き止める規制部材を、被帯電部材に当接させて
配置するとともに、前記規制部材に親水性を付与するよ
うに構成されている。
【0037】すなわち、この実施の形態に係る帯電装置
2は、図1に示すように、帯電用パッド10の感光体ド
ラム1の回転方向の下流側に、当該帯電用パッド10か
ら流出する水等の液体などを塞き止め、水等の液体など
が下流側へ流出するのを防止するための規制部材として
のドクターブレード14が配設されている。この規制部
材14の形状としては、本実施の形態ではドクターブレ
ード状となっているが、ワイパーブレード状、円柱状な
ど、様々な形状のものを使用することができ、適宜選択
される。また、規制部材の材料としても、ウレタンゴ
ム、ニトリルゴム、クロロプレーンゴム、シリコーンゴ
ム、天然ゴム、NBR、フッ素ゴム、シロキサンとメタ
クリル酸エステルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、PV
A、ポリ塩化ビニル、セルロース、PMMAなどの種々
のポリマーが使用可能であり、適宜選択される。
【0038】ここで、ドクターブレード14とは、図3
に示すように、当該ブレード14の先端部が感光体ドラ
ム1の回転方向上流側に圧接し、当該ブレード14の後
端部側が感光体ドラム1の回転方向下流側に位置し、尚
かつ当該ブレード14の後端部側が感光体ドラム1の表
面に対して傾斜した状態に配置されているブレードを意
味する。このドクターブレード14は、弾性材料によっ
て形成される場合には、図3(b)に示すように、その
先端部が感光体ドラム1の表面に圧接した状態で、上向
きにカーブするように湾曲した形状となる。
【0039】この実施の形態では、図3に示すように、
ドクターブレード14がポリウレタン製のブレードとな
っており、このブレード14は、厚さt=2mm、幅l
=15mm、長さが感光体ドラム1の略全長に形成さ
れ、そのセッテイングアングル(以下、「SA」とい
う)は20°、感光体ドラム1への食い込み量(以下、
「ニップ量」という)は、0.6mmに設定されてい
る。ただし、ドクターブレード14のSAやニップ量
は、他の値に設定しても良いことは勿論である。また、
上記ドクターブレード14の基端部の表面側には、ステ
ンレスやアルミニウム等からなる板金15が接着等の手
段により固着されており、当該ドクターブレード14
は、この板金15を図示しない支持フレームに取り付け
ることによって、上述したセッテイングアングルSAに
設定されている。
【0040】また、この実施の形態1では、ドクターブ
レード14からなる規制部材への親水性を付与するよう
に構成されている。このドクターブレード14からなる
規制部材に親水性を付与する方法としては、親水シリコ
ーンゴム、シロキサンとメタクリル酸エステルの共重合
体、ポリ酢酸ビニル、PVA、ポリ塩化ビニル、セルロ
ース、PMMAなどの親水性の比較的高い高分子を規制
部材の材料として使用すること、または、グリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレ
ングリコールの脂肪酸エステルまたはエーテル、ソルビ
トールエチレンオキシド付加物の脂肪酸エステル、高級
アルコールオキシカルボン酸エステル、多価アルコール
類の脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、グリセ
リンモノステアリン酸エステル、グリセリン脂肪酸乳酸
エステルなどの界面活性剤を規制部材を形成する材料に
混練すること、または、アルキルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムとポリアクリル酸、含フッ素界面活性剤とポリ
ビリルピロリドンをあわせたもの、含フッ素及び非フッ
素界面活性剤とアニオン性ポリアクリルアミドをあわせ
たものなどのように親水性高分子と界面活性剤をあわせ
て処理したものを規制部材に塗布すること、または、紫
外線処理、プラズマ処理やコロナ放電処理などによるヒ
ドロキシル基やカルボキシル基などの親水性官能基を規
制部材へ導入すること、または、PVAと微粒子状ポリ
シリカをあわせて処理したものなどの親水性樹脂を規制
部材の表面へコーテイングするなど、または規制部材表
面を粗面化すること、または、カーボンやアルミニウ
ム、銀、銅、亜鉛、すずなどの金属やそれらの酸化物な
どを規制部材の表面へコートすることなどの様々な手段
が適用でき、適宜選択される。
【0041】以上の構成において、この実施の形態に係
る帯電装置を適用した画像形成装置では、次のようにし
て、オゾンの発生をほとんど完全に抑制し、かつ、中高
速の複写機等の画像形成装置でも使用することができ、
像担持体の磨耗がほとんど問題にならない特徴を有す
る、水あるいは電解質やイオン化可能な気体分子を分散
させたイオン性導電性媒体を像担持体に接触させ、この
イオン性導電性媒体に電圧を印加することで像担持体を
帯電させる帯電装置において、規制部材から前記水ある
いは電解質やイオン化可能な気体分子を分散させたイオ
ン性導電性媒体が多くすり抜けることが原因の画質欠陥
と、規制部材が像担持体に当接するために生じる長手方
向にわたる不均一な摩擦帯電が原因である縦筋状の画質
欠陥の両方を同時に防止することが可能となっている。
【0042】すなわち、この実施の形態1に係る帯電装
置を適用した画像形成装置では、図1に示すように、感
光体ドラム1が矢印の方向に沿って所定の回転速度で回
転駆動されており、この感光体ドラム1の表面は、帯電
装置用電源12によって含水した帯電用パッド10にマ
イナスの直流電圧を印加することにより、所定の電位に
マイナス帯電される。このとき、上記帯電用パッド10
の含水量によっては、水が帯電用パッド10から感光体
ドラム1上に転移し、感光体ドラム1の回転に伴って、
感光体ドラム1と帯電用パッド10の接触部より下流側
に流出していく場合がある。
【0043】ところが、この実施の形態に係る帯電装置
2は、帯電用パッド10の感光体ドラム1の回転方向下
流側に、水等を規制するための規制部材としてのドクタ
ーブレード14が配設されているため、帯電用パッド1
0の接触部より下流側に流出した感光体ドラム1上の水
は、当該水等を規制するためのドクターブレード14に
より塞き止められ、それ以上、感光体ドラム1の回転方
向下流側に流出することはない。
【0044】その後、上記のごとく帯電装置2によって
所定の電位にマイナス帯電された感光体ドラム1の表面
には、露光装置3によって画像が露光され、静電潜像が
形成される。この感光体ドラム1上に形成された静電潜
像は、続いて、現像器4から供給されるマイナスのトナ
ーによって反転現像され、感光体ドラム1上に可視像化
される。その後、上記感光体ドラム1上の可視像化され
たトナー像は、転写ロール6により転写用紙5上に転写
される。なお、トナー像が転写された後、感光体ドラム
1上に残留したトナーは、ディスターバーブラシ8とク
リーナーブレード9により掻き取られ、感光体ドラム1
の表面は清掃され、次の画像形成に備える。
【0045】このように、上記実施の形態に係る帯電装
置を適用した画像形成装置では、帯電装置2の帯電用パ
ッド10に所定の電圧を印加することにより、当該帯電
用パッド10に含浸された通常のイオン交換水として得
られた純水、及びこの純水に溶解しているイオン化可能
な気体であるCO2 等が、次に示すように電離してイオ
ン化し、マイナスに電離したイオンを帯電用パッド10
にマイナス極性の電圧を印加することにより、感光体ド
ラム1の表面に静電気的に付着させ、当該感光体ドラム
1の表面を所定の電位に帯電するようになっている。 H2 O⇔H+ +OH- CO2 +H2 O⇔H2 CO32 CO3 ⇔H+ +HCO3 - HCO3 - ⇔H+ +CO3 2-
【0046】そのため、上記帯電装置2の帯電用パッド
10には、感光体ドラム1の帯電電位と等しい直流電圧
を印加すればよく、コロナ放電等は基本的には生じない
ので、オゾンの発生をほとんど完全に抑制することがで
きる。また、上記帯電用パッド10には、イオンを発生
させる通常のイオン交換水として得られた純水や、この
純水に溶解しているイオン化可能な気体であるCO2
を含浸させれば、これらの純水等が電離してイオン化す
ることにより、直ちに感光体ドラム1の表面を所定の電
位に帯電することができるので、中高速の複写機等の画
像形成装置でも十分使用することが可能である。さら
に、上記帯電用パッド10に印加する電圧は、感光体ド
ラム1の帯電電位と等しい直流電圧でよいので、接触型
の帯電部材にAC電圧を重畳させたDC電圧を印加する
必要がないので、AC電圧を印加することによって感光
体ドラム1の表面を損傷させる虞れがなく、感光体ドラ
ム1の磨耗がほとんど問題となることはない。
【0047】また、仮に、上記帯電用パッド10から感
光体ドラム1上に水等が流出してしまった場合でも、当
該帯電用パッド10の感光体ドラム1回転方向下流側に
は、水等の液体などが下流側へ流出するのを防止するた
めのドクターブレード14が配設されているので、帯電
用パッド10の下流側に流出した水等の液体などは、ド
クターブレード14によって確実に塞き止めて、それよ
り下流側に流出するのを防止することができるので、あ
る程度余分に帯電用パッド10に水等を供給した場合で
も、水等の液体などが現像器4側へ流れ込んで、画像に
欠陥を生じることがなく、水等の液体などを供給するシ
ステムの構成が複雑となりコスト高となるのを回避する
ことができるばかりか、水やイオン性導電性媒体等の消
費量を減らすことができ、更に、水やイオン性導電性媒
体等が感光体ドラム1上に付着したままになることで画
質欠陥が発生するのを防止することが可能となってい
る。
【0048】さらに、この実施の形態1では、規制部材
としてのドクターブレード14に親水性を付与するよう
に構成されているので、ある一定以上の圧接力でドクタ
ーブレード14を感光体ドラム1の表面に当接させるこ
とによって、水がドクターブレード14からすり抜けて
しまうために生じる画質欠陥を防止するように構成した
場合でも、ドクターブレード14が親水性を有するた
め、ドクターブレード14のエッジ部と感光体ドラム1
表面との間に、潤滑効果をも果たすわずかな水を常時ブ
レード14の長手方向に沿って保持することができる。
そのため、上記ドクターブレード14には、その長手方
向に沿って潤滑効果をも果たすわずかな水が均一に分布
することになり、水の潤滑効果のためにドクターブレー
ド14と感光体ドラム1表面との間の摩擦は、ドクター
ブレード14の長手方向全体に沿って常に軽減され、不
均一な摩擦帯電が起きることがなく、ドクターブレード
14から水が多くすり抜けることが原因の画質欠陥と、
ドクターブレード14が感光体ドラム1に当接するため
に生じる長手方向にわたる不均一な摩擦帯電が原因であ
る縦筋状の画質欠陥の両方を同時に防止することが可能
となる。
【0049】実験例1 次に、本発明者らは、図1に示すような画像形成装置に
おいて、規制部材であるドクターブレード14として、
通常よく感光体ドラムのクリーナーブレードとして使わ
れることが多いポリウレタンブレード、親水シリコーン
ゴムブレード、コロナ放電処理を施したポリウレタンブ
レード、紫外線処理を施したポリウレタンブレード、カ
ーボン蒸着処理を施したポリウレタンブレード、Ptを
蒸着したポリウレタンブレード、粗面化したポリウレタ
ンブレード、そして、親水性高分子と界面活性剤からな
る材料をコートしたポリウレタンブレード(以下、「界
面活性剤ブレード」という)をそれぞれ使用し、水漏れ
筋と摩擦筋の有無を調べるとともに、帯電用パッド通過
後の感光体ドラム1の表面電位と、さらにブレード14
通過後の感光体ドラム1の表面電位を測定する実験を行
った。
【0050】なお、以下に上記ブレードに親水性を付与
する処理方法を示す。コロナ放電処理は、交流のコロナ
処理装置で、高周波高電圧を印加し、約5分と約20分
行われ、親水性の異なる二種類のブレードを得た。ま
た、紫外線処理は、窒素雰囲気中で約30分行われた。
また、カーボンとPtの蒸着は、真空蒸着装置でそれぞ
れ約20μmの膜厚になるように行われた。また、ブレ
ード表面の粗面化は、ポリウレタンブレードを作るのに
使用する遠心成形器の内面を適度にあらす手法により行
われ、表面粗さRZ は約100μmであった。また、界
面活性剤処理は、市販されている自動車ガラスの水濡れ
性を増加させるための液体(主成分は界面活性剤)を二
種類使用し、それぞれポリウレタンブレードに塗布する
ことで、二種類のブレードを作成した(以下、界面活性
剤ブレードAとBとする)。
【0051】本実験例のドクターブレードでは、図3に
示したように、自由長L=10mm、厚さt=2mm、
その感光体への取り付け角度であるセッテイングアング
ル(SA)=20°であり、感光体への食込み量(ニッ
プ量)は0.6mmにそれぞれ設定した。
【0052】また、本実験例での感光体ドラム1のプロ
セススピードは、160mm/sであり、帯電用パッド
10には−650Vの直流電圧を印加した。
【0053】そして、上記各ドクターブレード14を装
着した画像形成装置を用い、コピーの画質欠陥の様子を
観察する実験を行った。同時に、図4に示すように、帯
電用パッド10通過後と、さらにドクターブレード14
通過後の感光体ドラム1の表面電位をそれぞれ表面電位
計30と31により測定した。
【0054】図5は上記実験の結果を示すものである。
【0055】この図5から明らかなように、親水性シリ
コーンゴムブレード、コロナ放電処理ブレード(処理時
間20分)、紫外線処理ブレード、カーボン蒸着ブレー
ド、Pt蒸着ブレード、粗面化ブレード、界面活性剤ブ
レードAでは、水漏れ筋、摩擦筋とも発生しなかった。
しかし、コロナ放電処理ブレード(処理時間5分)で
は、水漏れ筋は発生しなかったが、摩擦筋が発生してし
まった。また、界面活性剤ブレードBでは、摩擦筋は発
生しなかったものの、水漏れ筋が発生してしまった。
【0056】また、コロナ放電処理ブレード(処理時間
5分)では、帯電用パッド10通過後の電位は、帯電用
パッド10に印加したバイアス電圧−650[V]と同
一であったが、ブレード通過後の電位は、−660
[V]とその絶対値は上昇していた。その他のブレード
では、帯電用パッド通過後の電位、ブレード通過後の電
位ともに、−650[V]であった。
【0057】さらに、図5に各ブレードの水の接触角を
併記したが、摩擦筋に関しては、コロナ放電処理ブレー
ド(処理時間5分)の水の接触角の値は70°であり、
親水性処理を施していないポリウレタンブレードの80
°と比較して低下しているものの、摩擦筋を防止できる
ほど水の濡れ性が高まってはいなかったといえる。しか
し、水の接触角が65°以下になると十分な親水効果が
あり、摩擦帯電を防止できるようになって、親水シリコ
ーンゴムブレード、コロナ放電処理ブレード(処理時間
20分)、紫外線処理ブレード、カーボン蒸着ブレー
ド、Pt蒸着ブレード、粗面化ブレード、界面活性剤ブ
レードA、Bは、いずれも摩擦筋の発生を防止すること
ができることがわかる。
【0058】上記したように、界面活性剤ブレードBで
もその接触角の値は25°と小さく、親水効果のために
摩擦筋は発生していないが、逆に、水漏れ筋が発生して
しまった。これは、その親水性が高すぎるために、ブレ
ードエッジと感光体間に水が入り込み過ぎ、ブレード1
4からすり抜ける水の量が多くなりすぎたためであると
考えられる。
【0059】以上のように、規制部材としてのドクター
ブレード14に適度な親水性をもたせることにより、規
制ブレード14の長手方向の不均一な摩擦帯電を無くす
ことができ、それが原因の摩擦筋を防止することができ
ることがわかった。また、同時に、従来通り、ある一定
の圧接力(ここでは、食い込み量0.6mm)で、規制
ブレードを感光体に当接させることで、その規制ブレー
ド14から水が多くすり抜けることが原因の画質欠陥を
防止することができた。
【0060】比較例1 また、本発明者らは、図1に示すような画像形成装置に
おいて、規制部材であるドクターブレード14として、
従来のポリウレタンブレードを用い、コピーの画質欠陥
の様子を観察する比較実験を行った。同時に、図4に示
すように、帯電用パッド通過後とさらに規制ブレード通
過後の感光体の表面電位をそれぞれ表面電位計30と3
1とにより測定した。なお、これらの比較実験は、規制
部材としてのポリウレタンブレードの食い込み量を0か
ら1.0mmまで変化させ、そのそれぞれに対して行わ
れた。その他の条件は、前記実験例1と同じである。
【0061】図6及び図7は上記比較例1の結果を示す
ものである。
【0062】図6はブレードの食い込み量と画質欠陥の
グレードの関係を示すものである。ここでは、水濡れ筋
と摩擦筋の二つの画質欠陥が観察されており、一つは規
制ブレードの食い込み量が少なく十分な水規制が行われ
ないときに、水が感光体に付着したまま現像器に突入し
正常な現像ができないときに発生した。予想できるよう
に、規制ブレード14の食い込み量を大きくしブレード
の感光体への圧接力を大きくしていくと、水漏れ筋は軽
減していった。画質欠陥の形態はまだら状の筋(前記の
記載も含め、「水漏れ筋」という)として観察された。
【0063】二つ目の画質欠陥は、縦筋状の濃度むらと
して観察され、規制ブレード14の食い込み量が小さい
と発生しないが、食い込み量が大きくなるにつれてその
程度もひどくなっている。これは、次のように考えられ
る。規制ブレード14と感光体の間での圧接力が大きく
なると、ブレードエッジと感光体の間に、潤滑となるわ
ずかな水が入り込みにくくなり、摩擦帯電が生じる。こ
の摩擦帯電は、ブレード長手方向にわたって均一ではな
いので、感光体ドラム1の長手方向の表面電位むらが大
きくなり、コピー上では縦筋状の濃度むら(前記の記載
も含め、「摩擦筋」という)として現れるのである。
【0064】また、図7に示したように、摩擦筋のうち
特に周囲の濃度より薄くなった筋に対応した部分の表面
電位を測定すると、帯電用パッド10通過後の感光体表
面電位が、ブレードの食い込み量にかかわらず、帯電用
パッド10に印加したバイアス電圧−650[V]と同
一であるのに対し、ブレードを通過した後の電位は、食
い込み量が大きくなるにつれて、その絶対値が650よ
りも大きくなっている。
【0065】このように、ブレード14の食い込み量と
ブレード通過後の電位の関係と、ブレード14の食い込
み量と摩擦筋の程度の関係とが同一であることからして
も、この筋はブレードエッジでの摩擦が原因であると考
えられる。
【0066】以上、図6に示したように、水漏れ筋が発
生しない領域は、規制ブレード14の食い込み量が0.
4mm以上であり、摩擦筋が発生しない領域は0.05
mm以下であり、両方の画質欠陥が発生しない領域は存
在しない。このように、通常の感光体ドラムのクリーナ
ーブレードなどにしばしば使われるポリウレタンなどの
材料を規制ドクターブレードに用いたとき、水漏れ筋と
摩擦筋を両方とも発生しないようにするのは非常に難し
いことがわかる。
【0067】実施の形態2 図8はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記
実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明
すると、この実施の形態2では、規制部材としてドクタ
ーブレードではなく、ワイパーブレードを使用するよう
に構成されている。
【0068】すなわち、この実施の形態2に係る帯電装
置2は、図8に示すように、帯電用パッド10の感光体
ドラム1の回転方向の下流側に、当該帯電用パッド10
から流出する水等の液体などを塞き止め、水等の液体な
どが下流側へ流出するのを防止するための規制部材とし
てのワイパーブレード14が配設されている。
【0069】ここで、ワイパーブレード14とは、図9
に示すように、当該ブレード14の先端部が感光体ドラ
ム1の回転方向下流側に圧接し、当該ブレード14の基
端部側が感光体ドラム1の回転方向上流側に位置し、尚
かつ当該ブレード14の基端部側が感光体ドラム1の表
面に対して傾斜した状態に配置されているブレードを意
味する。このワイパーブレード14は、弾性材料によっ
て形成される場合には、図9(b)に示すように、その
先端部が感光体ドラム1の表面に圧接した状態で、上向
きにカーブするように湾曲した形状となる。
【0070】この実施の形態では、図8に示すように、
ワイパーブレード14がポリウレタン製のブレードとな
っており、このブレード14は、厚さt=2mm、幅l
=15mm、長さが感光体ドラム1の略全長に形成さ
れ、そのセッテイングアングル(以下、「SA」とい
う)は60°、感光体ドラム1への食い込み量(以下、
「ニップ量」という)は、0.4mmに設定されてい
る。ただし、ワイパーブレード14のSAやニップ量
は、他の値に設定しても良いことは勿論である。また、
上記ワイパーブレード14の基端部の表面側には、ステ
ンレスやアルミニウム等からなる板金15が接着等の手
段により固着されており、当該ワイパーブレード14
は、この板金15を図示しない支持フレームに取り付け
ることによって、上述したセッテイングアングルSAに
設定されている。
【0071】また、この実施の形態2でも、ワイパーブ
レード14からなる規制部材への親水性を付与するよう
に構成されている。このワイパーブレード14からなる
規制部材に親水性を付与する方法は、前記実施の形態1
と同様である。
【0072】この実施の形態2に係る帯電装置を適用し
た画像形成装置においても、前記実施の形態1と同様
に、オゾンの発生をほとんど完全に抑制し、かつ、中高
速の複写機等の画像形成装置でも使用することができ、
像担持体の磨耗がほとんど問題にならない特徴を有す
る、水あるいは電解質やイオン化可能な気体分子を分散
させたイオン性導電性媒体を像担持体に接触させ、この
イオン性導電性媒体に電圧を印加することで像担持体を
帯電させる帯電装置において、規制部材から前記水ある
いは電解質やイオン化可能な気体分子を分散させたイオ
ン性導電性媒体が多くすり抜けることが原因の画質欠陥
と、規制部材が像担持体に当接するために生じる長手方
向にわたる不均一な摩擦帯電が原因である縦筋状の画質
欠陥の両方を同時に防止することが可能となっている。
【0073】実験例2 次に、本発明者らは、図8に示すような画像形成装置に
おいて、規制部材であるワイパーブレード14として、
通常よく感光体ドラムのクリーナーブレードとして使わ
れることが多いポリウレタンブレード、親水シリコーン
ゴムブレード、コロナ放電処理を施したポリウレタンブ
レード、紫外線処理を施したポリウレタンブレード、カ
ーボン蒸着処理を施したポリウレタンブレード、Ptを
蒸着したポリウレタンブレード、粗面化したポリウレタ
ンブレード、そして、親水性高分子と界面活性剤からな
る材料をコートしたポリウレタンブレード(以下、「界
面活性剤ブレード」という)をそれぞれ使用し、水漏れ
筋と摩擦筋の有無を調べるとともに、帯電用パッド通過
後の感光体ドラム1の表面電位と、さらにブレード14
通過後の感光体ドラム1の表面電位を測定する実験を行
った。なお、各ブレードに親水性を付与する処理方法
は、実験例1と同様である。
【0074】そして、上記各ワイパーブレード14を装
着した画像形成装置を用い、コピーの画質欠陥の様子を
観察する実験を行った。同時に、図4に示すように、帯
電用パッド10通過後と、さらにドクターブレード14
通過後の感光体ドラム1の表面電位をそれぞれ表面電位
計30と31により測定した。
【0075】図10は上記実験の結果を示すものであ
る。
【0076】この図10から明らかなように、結果は実
験例1と同様な傾向であるが、画質欠陥及び表面電位と
もにワイパーブレード14の方が若干良好であり、ほと
んどのブレードで画質欠陥が発生せず、しかも感光体の
表面電位も所定の値と等しくなっている。ただし、ワイ
パーブレード14の水の接触角が大きいと摩擦筋が若干
発生し、逆に小さいと水漏れ筋が若干発生している。ま
た、摩擦筋が発生しているときのブレード通過後の電位
も、その絶対値は、帯電用パッド10に印加した電圧−
650[V]よりも大きくなっている。これらの理由
は、実験例1と同様である。
【0077】しかしながら、本実験例2のワイパーブレ
ード14の構成において、両方の画質欠陥を防止できる
水の接触角のラチチュードは、約70°〜40°であ
り、実験例1のドクターブレード14のラチチュード約
65°〜40よりも広くなっている。
【0078】このように、上限の接触角の値がドクター
ブレードよりもワイパーブレードの方が大きかったの
は、前記したように、ワイパーブレードの方がドクター
ブレードより摩擦の影響が出難いために、ワイパーブレ
ードの濡れ性がドクターブレードのそれより悪くても、
それ程問題がなかったためである。また、下限の接触角
については、多くの水準をとれなかったため、ワイパー
ブレードとドクターブレードで、実際にはどちらがより
下限まで水濡れを発生させないかは断定しかねる。しか
しながら、その規制部材の形状、材料、そのセッテイン
グパラメータに応じて、水濡れ筋と摩擦筋を同時に防止
するための適切な水の接触角の範囲があることが判明し
たことは、規制部材の設計において大きな意味をもって
いる。
【0079】以上のように、規制部材としてワイパーブ
レード14を用いた場合でも、適度な親水性をもたせる
ことにより、規制ブレード14の長手方向の不均一な摩
擦帯電を無くすことができ、それが原因の摩擦筋を防止
することができることがわかった。また、同時に、従来
通り、ある一定の圧接力(ここでは、食い込み量0.4
mm)で、規制ブレードを感光体に当接させることで、
その規制ブレード14から水が多くすり抜けることが原
因の画質欠陥を防止することができた。
【0080】比較例2 また、本発明者らは、図8に示すような画像形成装置に
おいて、規制部材であるワイパーブレード14として、
従来のポリウレタンブレードを用い、コピーの画質欠陥
の様子を観察する比較実験を行った。同時に、図8に示
すように、帯電用パッド通過後とさらに規制ブレード通
過後の感光体の表面電位をそれぞれ表面電位計30と3
1とにより測定した。なお、これらの比較実験は、規制
部材としてのポリウレタンブレードの食い込み量を0か
ら1.0mmまで変化させ、そのそれぞれに対して行わ
れた。その他の条件は、前記実験例1と同じである。
【0081】図11及び図12は上記比較例2の結果を
示すものである。
【0082】図11はポリウレタンブレードの食い込み
量と画質欠陥のグレードの関係を示すものである。ドク
ターブレードの場合と同様に水濡れ筋と摩擦筋の二つの
画質欠陥が観察された。水濡れ筋はワイパーブレードの
食い込み量を増やすことでなくなり、摩擦筋は食い込み
量を減らすことで減少する。これもドクターブレードの
場合と同様の傾向であり、結局、両方を満たす領域は存
在しなかった。しかしながら、水濡れ筋未発生領域は、
ブレードの食い込み量0.2mm以上、摩擦筋未発生領
域は0.1以下と、ドクターブレードの場合と比較し
て、どちらのラチチュードとも広い。また、図12に示
したように、実験例1と同様に、摩擦筋に対応する感光
体表面電位も食い込み量の増加とともにその上昇が観察
された。しかしながら、これも、ドクターブレードと比
較してその上昇の度合いは低かった。
【0083】これは、次のように考えられる。感光体進
行方向に対するブレードのエッジの当接のさせ方が、ド
クター方式だとカウンター的に迎えうつので、摩擦の影
響が大きくなる。一方、ワイパー方式の場合には、感光
体進行方向に対し、逆らう方向には当接していないの
で、比較的、潤滑となる水が入りやすく摩擦の影響が少
ない。また、ドクター方式の場合、上述したように、摩
擦の影響が大きいため、あまりに摩擦が強いところでは
局所的に異常な動きが起こり、同時に水漏れを誘発する
ことがある。これに対し、ワイパー方式では、感光体進
行方向に対し、逆らう方向には当接していないので、前
記した異常な動きにはなりにくく、水漏れもドクターブ
レードに比べ発生しにくい。これらのために、ワイパー
ブレードの方がドクターブレードに比べて、両方のラチ
チュードともに広かったと考えられる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、請求項1乃至7のように、イオン性導電性媒体を移
動する被帯電部材に接触させ、当該イオン性導電性媒体
に電圧を印加することによって被帯電部材の帯電を行う
帯電装置において、前記イオン性導電性媒体の接触位置
よりも被帯電部材の移動方向下流側に、前記被帯電部材
の表面に付着したイオン性導電性媒体を塞き止める規制
部材を、被帯電部材に当接させて配置するとともに、前
記規制部材に親水性を付与するように構成することによ
り、ある一定の圧接力で規制部材を像担持体等に当接さ
せることで、規制部材からイオン性導電性媒体が多くす
り抜けることが原因の画質欠陥を防止することができ
る。さらに、上記規制部材に親水性を付与することによ
り、規制部材に水が付着しやすく、規制部材と感光体と
の間に潤滑となるわずかな水が入り込み易くなり、規制
部材の長手方向にわたる不均一な摩擦帯電をなくすこと
ができ、それが原因の縦筋状の画質欠陥をも同時に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係る帯電装置を適用した画
像形成装置の実施の形態1を示すものである。
【図2】 図2はこの発明の一実施の形態に係る帯電装
置を示す構成図である。
【図3】 図3はドクタブレードを示す構成図である。
【図4】 図4は像担持体の表面電位の測定箇所を示す
説明図である。
【図5】 図5は実験例1の実験結果を示す図表であ
る。
【図6】 図6は比較例1の実験結果を示すグラフであ
る。
【図7】 図7は比較例1の実験結果を示すグラフであ
る。
【図8】 図8はこの発明に係る帯電装置を適用した画
像形成装置の実施の形態2を示すものである。
【図9】 図9はワイパーブレードを示す構成図であ
る。
【図10】 図10は実験例2の結果を示す図表であ
る。
【図11】 図11は比較例2の実験結果を示すグラフ
である。
【図12】 図12は比較例2の実験結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1:感光体ドラム(像担持体)、2:帯電装置、10:
帯電用パッド、14:ドクターブレード(規制部材)、
12:帯電装置用電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 轡田 知己 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA18 BB11 CC04 DD03 EE11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン性導電性媒体を移動する被帯電部
    材に接触させ、当該イオン性導電性媒体に電圧を印加す
    ることによって被帯電部材の帯電を行う帯電装置におい
    て、前記イオン性導電性媒体の接触位置よりも被帯電部
    材の移動方向下流側に、前記被帯電部材の表面に付着し
    たイオン性導電性媒体を塞き止める規制部材を、被帯電
    部材に当接させて配置するとともに、前記規制部材に親
    水性を付与したことを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 前記規制部材として親水性のある高分子
    エラストマーを使用することを特徴とする請求項1記載
    の帯電装置。
  3. 【請求項3】 前記規制部材の表面に界面活性剤を含有
    する層を設けること、あるいは、前記規制部材に界面活
    性剤を混練することで親水性を付与することを特徴とす
    る請求項1記載の帯電装置。
  4. 【請求項4】 前記規制部材に紫外線処理、プラズマ処
    理やコロナ放電処理を施すことにより親水性を付与する
    ことを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  5. 【請求項5】 前記規制部材の表面にカーボン、金属、
    金属酸化物などの層を設けることにより親水性を付与す
    ることを特徴とする請求項1記載の帯電装置。
  6. 【請求項6】 前記規制部材の表面を粗面化処理するこ
    とで親水性を付与することを特徴とする請求項1記載の
    帯電装置。
  7. 【請求項7】 イオン性導電性媒体を移動する像担持体
    に接触させ、当該イオン性導電性媒体に電圧を印加する
    ことによって像担持体を所定の電位に帯電させ、像担持
    体上に画像を形成する画像形成装置において、前記イオ
    ン性導電性媒体の接触位置よりも像担持体の移動方向下
    流側に、前記像担持体の表面に付着したイオン性導電性
    媒体を塞き止める規制部材を、像担持体に当接させて配
    置するとともに、前記規制部材に親水性を付与したこと
    を特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004043721A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Nichirin Co Ltd 塗料組成物
JP2012042770A (ja) * 2010-08-20 2012-03-01 Sharp Corp 現像装置及び画像形成装置

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