JPH09281773A - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JPH09281773A
JPH09281773A JP10586596A JP10586596A JPH09281773A JP H09281773 A JPH09281773 A JP H09281773A JP 10586596 A JP10586596 A JP 10586596A JP 10586596 A JP10586596 A JP 10586596A JP H09281773 A JPH09281773 A JP H09281773A
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JP
Japan
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charging
blade
roll
voltage
image carrier
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Application number
JP10586596A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Iwasaki
仁 岩崎
Yoichi Kaname
洋一 金目
Noritaka Kuroda
能孝 黒田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 像担持体をクリーニングするクリーニング装
置により清掃しきれないすり抜けトナーや外添剤、紙粉
等によって帯電が阻害されることなく、特に、そのプロ
セススピードの上昇に伴ってトナー等のすり抜け量が極
端に多くなるプロセススピード250mm/s以上の中
高速機においても帯電が阻害されるとなく、長期間に渡
り均一な帯電が可能な帯電装置を提供することを課題と
する。 【解決手段】 像担持体移動方向の上流側の接触帯電手
段には帯電ブレードを用い、下流側の接触帯電器には帯
電ロールを用いるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子写真複写
機、レーザービームプリンター、静電記録装置等の画像
形成装置に使用される帯電装置に関し、特に電子写真感
光体や静電記録誘電体等の像担持体を帯電する複数の接
触帯電手段を備えた帯電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記電子写真感光体や静電記録誘
電体等の像担持体を帯電する帯電装置としては、コロナ
放電を利用して感光体等の像担持体を帯電する所謂コロ
トロンが広く使用されている。このコロトロンは、感光
体等の像担持体を均一に帯電する手段としては有効な装
置であるが、像担持体を所定の表面電位に帯電するため
には、コロトロンに数KVという高い電圧を印加しなけ
ればならず、高圧電源が必要となり、電源のコストが高
くなる。また、コロナ放電によってオゾンが発生するた
め、オゾンによって画像形成装置内のゴム部品や感光体
等の劣化を引き起こすのみならず、環境汚染にもつなが
るという難点がある。
【0003】そこで、上記の如く高コストの電源やオゾ
ン対策等が必要となるコロトロンに代わる帯電装置とし
て、バイアス電圧を印加した帯電用のロールやブラシ、
またはブレード等の帯電手段を感光体等の像担持体に接
触させて帯電する接触型の帯電装置が注目されてきてお
り、実際に使用されてきてもいる。
【0004】しかし、1本の帯電ロールに交流電圧に直
流電圧を重畳した電圧を印加した接触帯電装置では、帯
電時に、帯電ロールと像担持体との間に交番電界による
吸着離反力が発生し、帯電ロールが振動するため騒音が
生じるという問題点がある。また、交流成分による放電
のため像担持体表面が劣化を起こし、像担持体表面をク
リーナーブレード等でこすることにより、像担持体表面
の磨耗が促進されるという問題点もある。さらに説明す
ると、帯電ロールに電圧を印加して像担持体を帯電させ
る接触帯電装置は、帯電ロールと像担持体との間の微小
ギャップに発生する放電によって、像担持体を帯電する
ものであるが、この微小ギャップに発生する放電の開始
電圧は、パッシェンの法則と呼ばれる法則によって規定
されることが知られている。このパッシェンの法則によ
れば、交流電圧を印加した場合に発生する放電は、直流
電圧のみを印加した場合の放電に比べて、放電量がトー
タル的に多くなることがわかる。そのため、上記帯電ロ
ールに直流電圧に重畳して交流電圧を印加した場合に
は、放電量がトータル的に多くなり、放電によるスパッ
タリングによって、感光体等の像担持体を構成する有機
化合物等の分子鎖が切断される。すると、この切断され
た有機化合物等の分子鎖が空気中の水酸基(OH)等と
反応して感光体の表面が劣化し、感光体表面の平滑性を
低下させて摩擦係数の上昇を招くと考えられる。摩擦係
数が上昇した感光体の表面は、クリーニングブレード等
によって磨耗され易くなり、感光体の寿命が短くなるば
かりか、帯電ロールが磨耗により膜減りするという問題
点が生じる。
【0005】そのため、帯電ロールの電流値を大きくす
ることができず、また交流周波数を高くすることもでき
ない。しかし、上記振動音や像担持体表面の磨耗等の問
題点の発生を防止するために、帯電ロールに印加する交
流電圧の周波数を低くすると、帯電ムラが大きくなり、
プリント上に黒筋が発生するという問題点が新たに生じ
る。
【0006】一方、帯電ロールに交流電圧を印加した場
合に生じる問題点を回避するため、1本の帯電ロールに
直流電圧のみを印加した接触帯電装置では、環境変動や
感光体の膜減りにより放電開始電圧が変わってしまい、
感光体等の像担持体の帯電電位が変動するため、かぶり
や濃度低下等の画質トラブルを起こし、高画質な画像を
得ることができないという別の問題点を有している。
【0007】そこで、2つの接触帯電手段を用いること
によって、これらの問題点の解決を図った帯電装置とし
ては、特開平4−301861号公報や特開平6−95
478号公報等に開示されているものが、既に提案され
ている。
【0008】また、本発明者らも、2つの接触帯電器を
有し、像担持体回転方向の上流側の接触帯電器には、像
担持体の膜減りに影響を及ぼさないレベルの低い周波数
に設定した交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を印加
し、下流側の接触帯電器には、上流側の帯電器により発
生する周波数ピッチの帯電ムラの少なくとも一部に放電
開始電圧を越えて放電させる直流電圧を印加すること
で、これらの問題点の解決に成功した帯電装置につい
て、既に提案している(特願平7−133235号)。
【0009】図16は上記本発明者らの提案に係る帯電
装置を適用した画像形成装置を示すものである。
【0010】図において、100は感光体ドラムを示す
ものであり、この感光体ドラム100は、当該感光体ド
ラム100の表面に接触する帯電装置101によって所
定の電位に均一に帯電される。この接触帯電装置101
は、感光体ドラム100の回転方向の上流側に配置され
た第1帯電器102に、感光体の膜減りに影響を及ぼさ
ないレベルの低い周波数に設定した交流電圧に直流電圧
を重畳した電圧を印加して、感光体ドラム100の表面
を一次帯電した後、下流側に位置する第2帯電器103
に上流側の第1帯電器102により発生する周波数ピッ
チの帯電ムラの少なくとも一部に放電開始電圧を越えて
放電させる直流電圧を印加して、当該感光体ドラム10
0の表面を所定の電位に均一に二次帯電するように構成
されている。そして、上記帯電装置101によって帯電
された感光体ドラム100の表面には、画像露光104
を施して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像器10
5によって現像して顕像化した後、感光体ドラム100
上に形成されたトナー像を、当該トナー像と逆極性の電
圧が印加される転写ロール106によって記録紙107
上に転写し、図示しない定着器によって定着処理を施
す。なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ド
ラム100の表面は、クリーニング装置108のクリー
ニングブレード108aにより残留トナーやトナーの外
添剤、あるいは紙粉等が清掃されて、次の画像形成工程
に備えるようになっている。
【0011】上記本発明者らの提案に係る帯電装置以外
にも、2つの接触帯電手段を用いた帯電装置によって、
前記問題点の克服のほかに、像担持体の絶縁破壊の防
止、前の画像形成プロセスでの画像部と非画像部の電位
差の平滑化などを目的としたものも、特開昭56−91
253号公報、特開昭64−35459号公報、特開平
6−130778号公報等に開示されているように、既
に種々提案されている。
【0012】しかし、上記のような2つの接触帯電手段
を用いた帯電装置の場合には、図17に示すように、感
光体ドラム100をクリーニングするクリーニング装置
108により清掃しきれなかったすり抜けトナーや外添
剤、紙粉等の異物109が、接触帯電器102及び10
3に付着すると、帯電不良を起こしてかぶりなどの画質
欠陥が発生するという問題点がある。
【0013】本発明者らは、図16に示すような2つの
接触帯電器102、103を備えた帯電装置101を用
いた画像形成装置において、クリーニング装置108に
より清掃しきれなかったすり抜けトナーや外添剤、紙粉
等の異物109が、第1、第2の接触帯電器102及び
103にどの程度付着するかを確認する実験を行った。
その際、感光体ドラム100としては、負極帯電性の有
機感光体を使用したものを用いているため、帯電装置1
01により負極性の電荷を感光体ドラム100に与える
必要があり、第1帯電ロール102には例えばDC−6
60VにAC1500Vpp、500Hzを重畳した電
圧を印加し、第2帯電ロール103には例えばDC−1
350Vを印加した。また、感光体ドラム100のプロ
セススピードは300mm/sに設定した。
【0014】その結果、第2帯電ロール103上にトナ
ー等の汚れの付着が観察された。このトナー等の汚れ
は、感光体ドラム100をクリーニングするクリーニン
グブレード108aにより清掃しきれなかったすり抜け
トナーや外添剤、紙粉等の異物109が、第2帯電ロー
ル103の表面に付着したものと考えられる。上記本発
明者らの先行技術例における帯電ロール突入直後の感光
体ドラム100上と第2帯電ロール103上に付着した
すり抜けトナーなどの異物109の極性を図17に示し
た。
【0015】この場合、転写ロール106及びクリーニ
ングブレード108aを通過した第1帯電ロール突入前
の感光体ドラム100上のトナー等の異物109の極性
は、正極性に偏っていた。これは、感光体ドラム100
上に形成されたトナー像を記録紙107上に転写する際
に、転写ロール106による正極性の帯電を受けるため
と考えられる。また、第1帯電ロール102上には、ほ
とんどトナー等の異物108の付着は無かった。これ
は、第1帯電ロール102には交流電圧を印加している
ため、第1帯電ロール102と感光体ドラム100のニ
ップ近傍部における電界の向きが振動し、トナー等の異
物109が第1帯電ロール102上に一度吸着してもす
ぐに離反するためと考えられる。また、上記第1帯電ロ
ール102には、交流電圧を印加したため放電と逆放電
が繰り返し起こり、第1帯電ロール通過後の感光体ドラ
ム100に存在するトナー等の異物109の極性は、正
極性と負極性にほぼ均等に分かれていた。ところで、第
2帯電ロール103には、感光体ドラム100の帯電極
性である負極性の直流電圧を印加しているため、正極性
に帯電したトナー等の異物109が付着し、その量は非
常に多かった。これは第2帯電ロール103と感光体ド
ラム100のニップ近傍部における電界の向きが一定で
あるので、正極性のトナー等の異物109が第2帯電ロ
ール103上に静電的に吸着され、当該第2帯電ロール
103上に一度吸着すると、吸着したままの状態となる
ため大量に付着すると考えられる。ちなみに、第2帯電
ロール通過後の感光体ドラム100上におけるトナー等
の異物109の極性は負極性であった。
【0016】このように、初期的には第2帯電ロール1
03上に静電気的にトナー、外添剤、紙粉等の異物10
9が付着するが、プリントを繰り返すうちに、第2帯電
ロール103と感光体ドラム100の間における放電お
よび磨耗により発生する熱が、さらに第2帯電ロール1
03上に堆積した付着物109の温度を融解点付近まで
上昇させ、この結果、第2帯電ロール103上に付着物
109が固着するのを加速するものと考えられる。
【0017】このように、特に、直流電圧を印加した帯
電ロール(上記の例では第2帯電ロール103)上のト
ナー、外添剤、紙粉などの異物109の付着量は非常に
多く、付着物109が第2帯電ロール103上に付着す
ると、帯電ロール表面の抵抗が上昇し正常な放電が起き
なくなるため、感光体ドラム100の帯電不良が発生し
プリント上に黒筋や白筋などの画像欠陥が発生するとい
う問題点が生じる。また、付着物109が上記メカニズ
ムにより固着すると、第2帯電ロール103に付着した
固着物を除去することが困難になり、結果として、第2
帯電ロール103の寿命の低下につながるという問題点
もあった。
【0018】そこで、上記の如くクリーニング装置で除
去しきれなかったトナーや外添剤、あるいは紙粉などの
異物が、帯電ロール等の接触帯電部材に付着することに
よって発生する問題点を解決するため、特開平4−11
0872号公報に係る帯電装置のように、複数のエッジ
部を有する部材(帯電ブレード)を用いて帯電を行うと
同時に、被帯電体面に対してカウンター方向に当接させ
た少なくとも1つのエッジ部により、上記すり抜けトナ
ー等をクリーニングするように構成したものも、既に提
案されている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の場合には、次のような問題点を有している。す
なわち、上記従来の電子写真複写機、レーザービームプ
リンター、静電記録装置等の画像形成装置においては、
オフィス等における文書等のドキュメント処理の高生産
性化などに伴って、プロセススピードの高速化が強く求
められている。
【0020】本発明者らの実験によれば、プロセススピ
ードが250mm/s以上の中高速機になると、感光体
ドラムをクリーニングするクリーニング装置により清掃
しきれなかったすり抜けトナー、外添剤、紙粉等の付着
物の量がプロセススピードの遅い低速機に比べて急激に
増加することがわかった。
【0021】図18は上記実験の結果を示すものであ
る。この実験では、感光体ドラムのプロセススピードを
50mm/s、100mm/s、150mm/s、20
0mm/s、250mm/s、300mm/sと順次速
くしていった場合において、図16に示す2つの接触帯
電ロール102、103を用いた帯電装置101によっ
て、第1帯電ロール102にはDC−660VにAC1
500Vpp、500Hzを重畳した電圧を印加し、第
2帯電ロール103にはDC−1350Vを印加し、1
0枚間欠プリント(連続10枚プリントして休止するこ
とを繰り返すプリント)で5,000枚の耐久試験を行
った。この耐久試験後のプロセススピードと第2帯電ロ
ール103上の汚れ具合の関係を示したものが図18で
ある。第2帯電ロール103上の汚れ具合は、G1〜G
6までの6段階のグレードで表した。数値が小さいほど
汚れが少なく、G3以下であれば汚れがあっても帯電を
阻害せず画質上問題はないレベルである。
【0022】その結果、図18から明らかなように、プ
ロセススピードが250mm/s以上では、第2帯電ロ
ール103の汚れ具合が急激に悪くなることがわかっ
た。すなわち、プロセススピードが250mm/s以上
の時、感光体ドラム100をクリーニングするクリーニ
ング装置108により清掃しきれないすり抜けトナー等
の量が急激に多くなると考えられる。このように、すり
抜けトナー等の量が大量である場合には、感光体ドラム
100をクリーニングするクリーニングブレード108
aのニップ圧を高くすることで、すり抜けトナー等の量
を減少させることが可能であるが、こうした場合には、
同時に感光体ドラム100の感光体層の磨耗が促進され
てしまい、感光体ドラム100の寿命が大幅に短くなる
という新たな問題点を生じるので好ましくない。
【0023】ところで、このようにプロセススピードの
上昇に伴って、接触帯電部材の汚れ具合が急激に悪くな
るという実情下において、前記特開平4−110872
号公報に開示されているように、複数の接触帯電手段と
して両方とも帯電ブレードを使用した場合には、プロセ
ススピードが上昇したためにすり抜けトナー等の付着物
の量が大量であると、第1接触帯電手段が帯電ブレード
であってもさらにその帯電ブレードをすり抜ける微量な
トナー等の付着物が存在する。この第1帯電ブレードを
すり抜けたトナー等の付着物が第2帯電ブレードに付着
すると、第2帯電ブレードは、常に固定された面が感光
体ドラムの表面に接触しているため、この第2帯電ブレ
ードに付着するトナー等の量が比較的わずかであって
も、早期に帯電不良などが原因の画像欠陥が発生してし
まうという問題点があった。
【0024】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、複数の接触帯電手段を用いた帯電装置におい
て、像担持体をクリーニングするクリーニング装置によ
り清掃しきれないすり抜けトナーや外添剤、紙粉等によ
って帯電が阻害されることなく、特に、そのプロセスス
ピードの上昇に伴ってトナー等のすり抜け量が極端に多
くなるプロセススピード250mm/s以上の中高速機
においても帯電が阻害されるとなく、長期間に渡り均一
な帯電が可能な帯電装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の請
求項第1項に記載された発明は、像担持体に接触してそ
の表面を帯電させる複数の接触帯電手段を有する帯電装
置において、像担持体移動方向の上流側の接触帯電手段
には帯電ブレードを用い、下流側の接触帯電器には帯電
ロールを用いるように構成されている。
【0026】また、この発明の請求項第2項に記載され
た発明は、請求項1に記載の帯電装置において、前記像
担持体移動方向の上流側の接触帯電手段である帯電ブレ
ードには、交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を印加す
るように構成されている。
【0027】さらに、この発明の請求項第3項に記載さ
れた発明は、請求項1に記載の帯電装置において、前記
像担持体移動方向の上流側の帯電ブレードには交流電圧
に直流電圧を重畳した電圧を印加して像担持体を1次帯
電し、それにより発生する交流成分の周波数ピッチに対
応する像担持体の帯電電位むらの少なくとも一部に放電
を起こさせるような直流電圧を下流側の帯電ロールに印
加するように構成されている。
【0028】また、この発明の請求項第4項に記載され
た発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置
において、像担持体のプロセススピードが250mm/
s以上であるように構成したものである。
【0029】上記の構成において、第1帯電ブレード
は、感光体等の像担持体の磨耗を加速しないニップ圧に
設定するのが望ましい。
【0030】更にまた、この発明の請求項第5項に記載
された発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電
装置において、前記帯電ブレードのエッジ部を像担持体
に対してカウンター方向に当接させるように構成されて
いる。
【0031】前記請求項1のような構成にすることで、
像担持体移動方向の上流側の接触帯電器である帯電ブレ
ードで像担持体を一次帯電するとともに、像担持体をク
リーニングするクリーニングブレード等により清掃しき
れないすり抜けトナー、外添剤、紙粉などの汚れをクリ
ーニングし、さらに上流側帯電器である帯電ブレードを
すり抜ける微量のトナー等の汚れがついても、帯電不良
を起こしにくい回転型の帯電ロールを下流側の接触帯電
器として用いることで、帯電不良から生じるかぶりなど
の画像欠陥の発生を防止することができる。
【0032】また、前記請求項2のような構成にするこ
とで、像担持体移動方向の上流側の接触帯電器には帯電
ブレードを用いることですり抜けトナー等をクリーニン
グでき、さらに交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を印
加しているので、その帯電ブレード自身にも汚れが付着
せず所望の電位に一次帯電でき、さらに上流側帯電器で
ある帯電ブレードをもすり抜けるような微量のトナー等
の汚れがついても、帯電不良を起こしにくい回転型の帯
電ロールを用いることで、帯電不良から生じるかぶりな
どの画像欠陥の発生を防止することができる。
【0033】更に、請求項3のような構成にすること
で,上記に示したように汚れの付着から生じる帯電不良
を防止するとともに、上流側の接触帯電器には交流電圧
に直流電圧を重畳した電圧を印加し像担持体を1次帯電
し、それにより発生する交流成分の周波数ピッチに対応
する像担持体の帯電電位むらの少なくとも一部に放電を
起こさせるような直流電圧を下流側の接触帯電器である
帯電ロールに印加する印加方式を選択することで、長期
間に渡り均一な帯電を維持することができる。
【0034】また、請求項4のように、像担持体のプロ
セススピードが250mm/s以上である場合も前記請
求項1,2,3の構成にすることで、長期間に渡り均一
な帯電を維持することができる。
【0035】更にまた、請求項5のように、請求項1乃
至4のいずれかに記載の帯電装置において、前記帯電ブ
レードのエッジ部を像担持体に対してカウンター方向に
当接させるように構成し、帯電ブレードを所謂ドクター
ブレード型にすることで、放電は帯電ブレードと像担持
体との接触点の下流側に位置するギャップ部で起こる。
特に、帯電ブレードにAC電圧を印加する際、帯電ブレ
ードの下流側に位置するギャップは、像担持体の移動方
向に沿った下流側にいくにつれて次第に広がっていく形
状をしている。そのため、帯電ブレードと像担持体との
間の生じる放電は、両者の間に印加されるAC電圧を重
畳したDC電圧が、放電開始電圧を越えたところで常に
発生するので、帯電ブレードを通過した後の像担持体の
表面電位は、所望の電位に収束されやすく、帯電電位が
一定となる。
【0036】また、上記帯電ブレードのエッジ部を像担
持体に対してカウンター方向に当接させるように構成
し、帯電ブレードを所謂ドクターブレード型にすること
で、所謂ワイパー型に比べてクリーニングブレードをす
り抜けてくるトナーなどを効果的に除去することがで
き、下流側の帯電ロールの汚れを低減することができ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下にこの発明を図示の実施の形
態に基づいて説明する。
【0038】図1はこの発明に係る帯電装置を適用した
電子写真複写装置の一実施の形態を示すものである。
【0039】図において、1は像担持体としての感光体
ドラムを示すものであり、この感光体ドラム1は、紙面
に垂直な方向に軸線を有し、図示の矢印方向に沿って所
定の速度で回転駆動されるようになっている。上記感光
体ドラム1の表面は、この発明の一実施の形態に係る帯
電装置の帯電ブレード12及び帯電ロール11により所
定の電位に均一帯電された後、露光器2により露光を受
けて、光の当たった部分の電荷が消去されることによっ
て静電潜像が形成される。例えば、上記感光体ドラム1
として有機感光体を使用したものを用い、露光器2とし
てレーザービーム光を用いたデジタル複写機の場合、感
光体ドラム1の表面は、帯電装置の帯電ブレード12及
び帯電ロール11により負極性に均一帯電された後、レ
ーザービーム光によりドット状に露光されて、デジタル
方式の静電潜像が形成される。そして、上記感光体ドラ
ム1のレーザービーム光が当たった部分には、現像器3
によりトナーが付与されて可視像化され、トナー像とな
る。この場合、現像器3の現像ロール3aには、負極性
の現像バイアスが印加される。上記の如く感光体ドラム
1上に形成されたトナー像は、感光体ドラム1の転写位
置に所定のタイミングで搬送される記録紙6に重ね合わ
され、記録紙6の裏面から転写ロール4によってトナー
と逆極性の電荷が当該記録紙6に付与され、静電気力に
よりトナー像が記録紙6上に転写される。上記記録紙6
上に転写されたトナー像は、図示しない定着器によって
熱及び圧力の少なくとも一方が付与され、記録紙6上に
融着されて永久像となる。一方、記録紙6上に転写され
ずに感光体ドラム1上に残ったトナーやトナーの外添
剤、あるいは紙粉等の異物は、クリーニング装置5のク
リーニングブレード5aによって除去され、次の複写工
程に備えるようになっている。上記の如く帯電からクリ
ーニングに至る一連のプロセスで1回の画像複写サイク
ルが終了する。なお、図1中、30は転写ロール4に正
極性の転写用のバイアス電圧を印加するための転写ロー
ル用電源を示している。
【0040】このように構成される電子写真複写装置で
は、クリーニング装置5で除去しきれなかったトナー及
びその他の異物が、帯電装置の帯電ブレード12に到
る。このとき、上記のプロセスでは、クリーニング装置
5で除去しきれなかったトナー及びその他の異物の極性
は、接触転写ロール4に印加される正極性の電圧と同極
性のものが多い。
【0041】ところで、この実施の形態に係る帯電装置
は、像担持体移動方向の上流側の接触帯電手段には帯電
ブレードを用い、下流側の接触帯電器には帯電ロールを
用いており、前記像担持体移動方向の下流側の帯電ロー
ルには直流電圧を印加するように構成されている。
【0042】まず、上記帯電ロール11は、図2に示す
ように、導電性支持部材11aに下地ゴム層11bを形
成し、さらにその表面層11cとして体積抵抗が105
〜109 Ωcmの抵抗層を設けることが望ましい。上記
導電性支持部材11aとしては、例えば、鉄、銅、ステ
ンレス、アルミニウム等が用いられる。また、下地ゴム
層11bとしては、カーボンブラック等の導電性粒子を
分散させたEPDMゴム、又はLiClO4 等のイオン
導電化剤を分散させたポリウレタンゴム等が用いられ
る。この下地ゴム層11bの体積抵抗は、例えば、10
4 〜106 Ωcm程度に設定される。さらに、上記表面
層11cとしては、上述のような体積抵抗値に調整した
導電性粒子としてカーボンブラック、アルミニウム等を
用いた樹脂や、同じ体積抵抗値に調整した導電性粒子と
してLiClO4 等のイオン導電化剤を分散させたポリ
ウレタンゴム等が用いられる。この表面層11cを構成
する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等を使用し、当該
樹脂に分散される導電化剤としては、アルミニウム、カ
ーボンブラック等の電子導電化剤や、LiClO4 等の
イオン導電化剤が使用される。
【0043】また、上記帯電ロール11によって帯電さ
れる感光体ドラム1の感光体層に、ピンホール等の欠陥
がある場合に、このピンホールを通して感光体ドラム1
の導電体にリークするのを防止するため、シアノ系樹
脂、パイロン系樹脂にBaSO 4 を被覆したSnOX
を添加した耐圧層を、表面層11cと下地ゴム層11b
の間に設けても良い。この耐圧層の厚みは、例えば、1
0〜50μmの範囲内で使用耐圧に応じて選択される。
【0044】上記帯電ロール11の導電性支持部材11
aには、帯電ロール用電源21によって負極性の直流電
圧、例えば−1350Vの直流電圧が印加される。
【0045】後述する本テストで用いた帯電ロール11
には、下地ゴム層11bとしてカーボンブラックを分散
させたEPDM系ゴム、そして表面層11cにカーボン
ブラックを分散させた厚さ50μmのポリアミド系樹脂
を使用したものを用いた。
【0046】一方、上記第1帯電ブレード12として
は、図3に示すように、ステンレス、リン青銅等の厚さ
10〜1000μmの薄板12aの上に、カーボンブラ
ック等の導電性粒子を分散させた厚さ2mm程度のウレ
タンゴム12bを積層したものや、図4に示すように、
導電性粒子を分散させないウレタンゴム層12eの上に
順に電極層12cと、抵抗層12dとを積層した構成の
ものなどが用いられる。また、上記電極層12cは、ウ
レタンゴム層12eの上にカーボンブラック等の導電性
粒子が分散された塗料を塗布することによって形成され
る。さらに、上記抵抗層12dは、上述した帯電ロール
11の抵抗層11cと同様なものを用いることができ
る。すなわち、カーボンブラック等の導電性粒子を分散
させたポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、アク
リル等の合成樹脂や、LiClO4 等のイオン導電化剤
を分散させたポリウレタンゴム等を用いるようにしても
良い。この抵抗層12dの厚みは10〜50μmの範囲
内で適宜選択される。また、上記抵抗層12dの抵抗値
も103 〜109 Ωcmの範囲内で適宜設定される。
【0047】図3の上記帯電ブレード12の薄板12a
には、帯電ブレード用電源20によって負極性の直流電
圧、例えば−1350Vの直流電圧が印加される。図4
(a)の帯電ブレード12では、電極層12cに帯電ブ
レード用電源20によって電圧が印加される。あるいは
図4(b)に示すように、電極層12cをリン青銅等の
薄板12aと接触させることで、薄板12aに電圧を印
加しても良い。
【0048】本テストで用いた帯電ブレード12には、
図4に示すように、ウレタンゴム層12eの上に電極1
2cとしてカーボンブラックを分散させた塗料を塗布
し、さらにその上にカーボンブラックを分散させたアク
リル樹脂を抵抗層12dとして積層したものを用いた。
また、抵抗層12dの厚みは30μmで抵抗値は106
Ωcmであった。
【0049】また、この実施の形態に係る帯電装置は、
帯電ブレードのエッジ部を像担持体に対してカウンター
方向に当接させるように構成されている。
【0050】すなわち、上記帯電ブレード12は、図1
及び図19に示すように、感光体ドラム1と接触するエ
ッジ部12’に対して、当該帯電ブレード12が感光体
ドラム1の回転方向の下流側に位置するように、所謂ド
クターブレード型のブレードとして配置されている。さ
らに説明すると、上記帯電ブレード12は、図20に示
すように、感光体ドラム1と接触するエッジ部12’に
対して、当該帯電ブレード12が感光体ドラム1の回転
方向の下流側に位置するように配置されているため、帯
電ブレード12と感光体ドラム1とが回転方向の下流側
になす長さ1mmにおける接触角Aは、当該帯電ブレー
ド12と感光体ドラム1とが回転方向の上流側になす長
さ角度Bよりも小さな角度となっている。
【0051】尚、上記帯電ブレード12は、感光体ドラ
ム1と接触するエッジ部12’に対して、当該帯電ブレ
ード12が感光体ドラム1の回転方向の下流側に位置す
るのであれば、図21に示すように、帯電ブレード12
を支持する薄板12aは、感光体ドラム1の回転方向上
流側に必要に応じて湾曲させた状態で設けるように構成
しても良い。
【0052】この実施の形態では、上記帯電ブレード1
2のエッジ部12’を感光体ドラム1のに対してカウン
ター方向に当接させるように構成し、帯電ブレード12
を所謂ドクターブレード型にすることで、所謂ワイパー
型に比べてクリーニングブレードをすり抜けてくるトナ
ーなどを効果的に除去することができ、下流側の帯電ロ
ールの汚れを低減することができる。
【0053】ところで、本発明者らは、この発明に係る
帯電装置の効果を確認するため、図1に示すような画像
形成装置を試作し、接触帯電ブレード12及び帯電ロー
ル11の汚れ具合及び画質の良否を調べる実験を行っ
た。
【0054】本テストの条件としては、感光体ドラム1
の感光体層として赤外領域に感度を持つ有機感光体を使
用したものを用い、またそのときの感光体ドラム1の回
転スピード、即ちプロセススピードを300mm/sと
した。さらに、第1帯電ブレード12にはDC−135
0Vを、第2帯電ロール11にも同じく−1350Vを
それぞれ印加した。
【0055】初期的には、接触帯電ブレード12及び帯
電ロール11に汚れが付着していないので、第1接触帯
電器及び第2接触帯電器として、この実施の形態に係る
接触帯電ブレード12と帯電ロール11の組合せ以外
に、帯電ロール同志、帯電ロールと帯電ブレードや帯電
ブラシ等の接触帯電器とのどの組み合わせでも均一な帯
電が行え、良好な画質が得られる。
【0056】しかしながら、上記本テストに使用した画
像形成装置は、そのプロセススピードの大きさが300
mm/sであるため、感光体ドラム1をクリーニングす
るクリーニングブレード5aにより清掃しきれなかった
すり抜けトナーなどの量が多く、繰り返し画像形成を行
ううちに、その接触帯電器の組み合わせによっては、直
流電圧を印加した接触帯電器にトナーなどの汚れが付着
する。
【0057】そこで、本テストでは、第1接触帯電器と
第2接触帯電器の組み合わせとして帯電ブレード12と
帯電ロール11の組み合わせ以外に、図5及び図6にそ
れぞれ示したように、帯電ブレード12と帯電ブレード
13、そして帯電ロール10と帯電ロール11の組み合
わせでも、接触帯電器の汚れ等を調べる比較実験を行っ
た。
【0058】上記の条件下で10枚間欠プリント(連続
10枚プリントして休止することを繰り返すプリント)
で50,000枚の耐久試験を行った。耐久試験後の第
1接触帯電器と第2接触帯電器の汚れ具合と画質をそれ
ぞれ図7に示す。
【0059】その結果、図7からわかるように、帯電ロ
ール10と帯電ロール11の組み合わせは、両方の帯電
ロールの汚れがひどく、帯電不良が起こり、画質にかぶ
りが生じた。
【0060】また、帯電ブレード12と帯電ブレード1
3の組み合わせでは、両方の帯電ブレードとも、微量な
汚れが付着しており、画質上に主に白筋と一部黒点が現
れた。
【0061】これに対して、帯電ブレード12と帯電ロ
ール11の組み合わせでは、帯電ブレード12と帯電ブ
レード13の組み合わせと同様に両方の接触帯電器に微
量な汚れが付着していたが、画質は前者より良好であ
り、実用上問題がないレベルであった。
【0062】これは、すり抜けトナー等の汚れを第1帯
電ブレード12によりほとんどクリーニングすることが
できるので、第1接触帯電器に帯電ブレードを用いるの
は有効であるのだが、それでもプロセススピード300
mm/sと高速になると、第1帯電ブレード12で清掃
しきれない微量のトナー等が存在し、この第1帯電ブレ
ード12で清掃しきれないトナー等はごく微量でも、直
流電圧を印加した下流側の接触帯電器には付着してしま
うことを示唆している。
【0063】直流電圧を印加して帯電する場合、微量な
汚れが付着した部分では正常な放電が起こらなく感光体
ドラムの電位が所望の電位より極端に大きくなる(異常
放電)ことが多い。特に、下流側の帯電器として帯電ブ
レードを使用した比較例の場合には、固定型の接触帯電
器であるため、汚れた部分が異常放電すると筋状に電位
が高くなる。したがって、帯電ブレードと帯電ブレード
の組み合わせでは画質上白筋が現れたと考えられる。一
方、下流側の帯電器として帯電ロールを使用した場合
は、回転型の接触帯電器であるので、微量な汚れの付着
により異常放電しても画質上は白点として現れるが、目
視レベルでは確認できないことが多い。そのため、帯電
ブレードと帯電ロールの組み合わせでは前者の組み合わ
せより白筋などの画像の不良が生じにくくなったと考え
られる。
【0064】また、汚れが付着した部分で帯電不良を生
じると感光体ドラム1の電位が下がり画質にかぶりが生
じる。ところが、帯電ロールのように放電領域が十分に
広いと汚れが付着した部分以外の部分からの放電も長時
間受けるため均一な帯電が可能となる。しかし、放電領
域が狭いと汚れていない部分からの放電を十分な時間受
けられないため、均一な帯電には不利である。したがっ
て、帯電ロールに比べて十分に広い放電領域を確保でき
ない帯電ブレードを2つ用いたために、前者の組合わせ
では電位が落ちた部分は画質上に黒点として現れたと考
えられる。一方、後者の組み合わせでは第2接触帯電器
に放電領域が広い帯電ロールを用いたため、前者に比べ
て黒点などの画像の不良が生じにくくなったと考えられ
る。
【0065】以上のように、プロセススピード250m
m/s以上の(本テストでは300mm/s)中高速機
における2つの接触帯電器を用いた帯電装置において、
長期に渡って均一な帯電電位を得るためには、構成から
は第1帯電器には帯電ブレードを第2帯電器には帯電ロ
ールを用いる必要がある。また、プロセススピードが2
50mm/s未満の時でも、上記構成が優れているのは
明らかである。
【0066】実施の形態2 この実施の形態2では、図8に示すように、第1帯電ブ
レード12にはDCー750Vに、AC−1500V
P-P 、500Hzを重畳した電圧を印加し、第2帯電ロ
ール11にはDC−1350Vを印加した。この条件で
10枚間欠プリントで50,000枚の耐久試験を行っ
た。耐久試験後の第1接触帯電器と第2接触帯電器の汚
れ具合と画質の結果を図9に示す。
【0067】その結果、第1帯電ブレード12には汚れ
の付着はなく、第2帯電ロール11には微量の汚れの付
着が観察され、画質は前記実施の形態1の帯電ブレード
と帯電ロールの組み合わせよりも良好であった。ただ
し、感光体ドラム1上の画像には、第1帯電ブレード1
2に印加した交流電圧のリップルの影響が若干残った。
【0068】第1帯電ブレード12に汚れが付着しなか
ったのは、これは交流電圧を印加したため、第1帯電ブ
レード12と感光体ドラム1のニップ近傍部の電界の向
きが振動し、トナーなどの汚れが第1帯電ブレード12
上に一度吸着してもすぐに離反するためである。このた
め、前記実施の形態では、第1帯電ブレード12に直流
電圧のみを印加したため、当該帯電ブレード12に微量
ではあるが汚れが付着したのに対し、第1帯電ブレード
12に汚れの付着がなかったため、1次帯電として均一
な帯電を行うことができる。そして、さらに第2帯電器
としては、回転型であり、放電領域の広い帯電ロール1
2を用いているため、実施の形態1の場合よりも画質が
良好になったと考えられる。
【0069】また、この実施の形態に係る帯電装置は、
帯電ブレードのエッジ部を像担持体に対してカウンター
方向に当接させるように構成されている。
【0070】すなわち、上記帯電ブレード12は、図1
及び図19に示すように、感光体ドラム1と接触するエ
ッジ部12’に対して、当該帯電ブレード12が感光体
ドラム1の回転方向の下流側に位置するように、所謂ド
クターブレード型のブレードとして配置されている。さ
らに説明すると、上記帯電ブレード12は、図20に示
すように、感光体ドラム1と接触するエッジ部12’に
対して、当該帯電ブレード12が感光体ドラム1の回転
方向の下流側に位置するように配置されているため、帯
電ブレード12と感光体ドラム1とが回転方向の下流側
になす長さ1mmにおける接触角Aは、当該帯電ブレー
ド12と感光体ドラム1とが回転方向の上流側になす長
さ角度Bよりも小さな角度となっている。
【0071】尚、上記帯電ブレード12は、感光体ドラ
ム1と接触するエッジ部12’に対して、当該帯電ブレ
ード12が感光体ドラム1の回転方向の下流側に位置す
るのであれば、図21に示すように、帯電ブレード12
を支持する薄板12aは、感光体ドラム1の回転方向上
流側に必要に応じて湾曲させた状態で設けるように構成
しても良い。
【0072】ところで、この実施の形態に係るドクター
ブレード型の帯電ブレード12の場合には、図22に示
すように、帯電ブレード12と感光体ドラム1との間隙
が次第に大きくなるので、帯電ブレード12と感光体ド
ラム1との間隙に生じる放電は、両者の間の印加電圧が
放電開始電圧を下回ったところで停止する。即ち、上記
帯電ブレード12と感光体ドラム1との間に生じる放電
は、帯電ブレード12に印加される電圧によって規定さ
れ、放電が常に一定の条件に収束した状態で終了するた
め、感光体ドラム1の帯電電圧を常に一定に維持するこ
とができる。
【0073】これに対して、所謂ワイパーブレード型の
帯電ブレード12の場合には、図23に示すように、帯
電ブレード12と感光体ドラム1との間隙が次第に小さ
くなるので、帯電ブレード12と感光体ドラム1との間
に生じる放電は、一旦放電が生じると、常に放電開始電
圧以上の条件で発生する。そのため、感光体ドラム1の
帯電電圧は、放電が終了したときの放電の状態によって
左右され、終了時の放電状態は、最も放電が起こり易い
状態となっているため、感光体ドラム1の表面状態や印
加電圧の交流成分によって大きく変動する。その結果、
感光体ドラム1の表面を均一に帯電することが困難とな
る。
【0074】さらに、本発明者らは、上記実施の形態に
係る帯電ブレードの作用効果を確認するため、帯電ブレ
ード12に交流電圧を重畳した直流電圧を印加したとき
に、帯電ブレード12と感光体ドラム1との間に発生す
る放電の状態を確認する計算と実験を行った。
【0075】上記帯電ブレード12と感光体ドラム12
との間のギャップは、図24(a)に示すように、曲率
半径7mmの円弧形状とした。また、上記帯電ブレード
12に印加する電圧は、図24(b)に示すように、A
C1500VP-P 、2000Hz、DC−500Vにそ
れぞれ設定した。図24(c)は、パッシェンの法則と
呼ばれる法則に基づいて求められた放電が開始するスレ
ッショールド値Aと、帯電ブレード12と感光体ドラム
1との間に印加する電圧Bを示すものであり、帯電ブレ
ード12と感光体ドラム1との間に印加する電圧Bがス
レッショールド値Aを越えたところで放電が発生し、感
光体ドラム1が帯電される。その結果、感光体ドラム1
の表面は、図24(d)に示すように、一定の電圧値に
安定した状態で収束し、所定の値に帯電されることがわ
かる。
【0076】これに対して、ワイパーブレード型の帯電
ブレード12の場合には、図25(a)〜(d)に示す
ように、放電状態が安定しないことがわかる。
【0077】このように、上記実施の形態2では、上記
帯電ブレード12のエッジ部12’を感光体ドラム1に
対してカウンター方向に当接させるように構成し、帯電
ブレード12を所謂ドクターブレード型にすることで、
放電は帯電ブレード12と感光体ドラム1との接触点の
下流側に位置するギャップ部で起こる。特に、帯電ブレ
ード12にAC電圧を印加する際、帯電ブレード12の
下流側に位置するギャップは、感光体ドラム1の移動方
向に沿った下流側にいくにつれて次第に広がっていく形
状をしている。そのため、帯電ブレード12と感光体ド
ラム1との間の生じる放電は、両者の間に印加されるA
C電圧を重畳したDC電圧が、放電開始電圧を越えたと
ころで常に発生するので、帯電ブレード12を通過した
後の感光体ドラム1の表面電位は、所望の電位に収束さ
れやすく、帯電電位が一定となる。
【0078】また、上記帯電ブレード12のエッジ部1
2’を感光体ドラム1に対してカウンター方向に当接さ
せるように構成し、帯電ブレード12を所謂ドクターブ
レード型にすることで、所謂ワイパー型に比べてクリー
ニングブレードをすり抜けてくるトナーなどを効果的に
除去することができ、下流側の帯電ロール11の汚れを
低減することができる。
【0079】実施の形態3 この実施の形態3では、図10に示すように、第1帯電
ブレード12にはDC−660VにAC1500
P-P 、500Hzを重畳した電圧を印加し、第2帯電
ロール11にはDC−1350Vを印加した。感光体ド
ラム1のプロセススピードは300mm/sであった。
この条件で10枚間欠プリントで50,000枚の耐久
試験を行った。耐久試験後の第1接触帯電器と第2接触
帯電器の汚れ具合と画質の結果を図11に示す。
【0080】その結果、実施の形態2の場合と同様に第
1帯電ブレード12には汚れの付着はなく、第2帯電ロ
ール11には微量の汚れの付着が観察された。また、画
質は実施の形態2の帯電ブレードと帯電ロールの組み合
わせよりも良好であった。
【0081】実施の形態2と同様に、第1帯電ブレード
12には交流電圧を印加し、第2接触帯電器に帯電ロー
ル11を用いているため、汚れによる帯電の阻害はかな
り低く抑えられている。
【0082】しかも、第1帯電ブレード12には、感光
体ドラム1の振動による騒音、感光体の膜減りに影響を
及ぼさないレベルの低周波数に設定した交流電圧に直流
電圧を重畳した電圧を印加して一次帯電を行い、その結
果生じてしまう周波数ピッチの帯電ムラをなくすため
に、その帯電ムラの少なくとも一部に放電開始電圧を越
えて放電させる直流電圧を第2帯電ロール11に印加す
ることで、感光体ドラム1の振動による騒音と感光体ド
ラム1の感光体層の磨耗促進を防止し、同時に均一な帯
電を可能としている。このため、実施の形態2の場合よ
り画質は良好であったといえる。
【0083】図12に第1帯電ブレード通過直後の感光
体上の帯電電位の状態、図13に少なくとも谷の部分に
放電を起こさせる電圧、例えば−1350V(放電開始
電圧−600V)を第2帯電ロール11に印加した場合
の第2帯電ロール通過直後の感光体上の帯電電位の状態
を示した。
【0084】以上のように、上記の構成と印加方式を選
択することで、長期に渡り均一な帯電が可能となった。
【0085】このように、帯電装置の第2帯電ロール1
1に対し、第1帯電ブレード12の一次帯電により発生
する交流成分の周波数ピッチに対応する帯電ムラの全体
が放電開始電圧を越えて放電するような直流電圧を印加
した場合には、環境条件(温度湿度)が変動しても感光
体の帯電電位の安定化が図れる。
【0086】すなわち、直流電圧を印加した1本の帯電
ロールのみで感光体1を帯電される帯電装置の場合に
は、図14に示すように、環境条件の変動により帯電時
の放電開始電圧が変わるため、感光体表面の帯電電位も
変動してしまう。つまり、同じ印加電圧(−1380
V)で帯電を行なっても高温高湿(28℃、85%R
H)と低温低湿(10℃、30%RH)との間では帯電
電位が約50Vも異なってしまう。これに対し、前記実
施の形態の場合によれば、図15に示すように、仮に環
境条件が高温高湿から低温低湿になったとしても、一次
帯電により発生する帯電電位むらの山部(又は谷部)が
二次帯電により帯電電位(−740V)から突出するの
で、その分だけ帯電電位の平均値が目標電位(−780
V)に近づいたものとなる。図15中の2点鎖線は直流
電圧を印加した1本の帯電ロールのみで帯電を行なった
場合の低温低湿下での帯電電位(−730V)を示す。
このようにして感光体の帯電電位の安定化が図れるもの
である。この帯電電位の安定化効果は、感光体表面の膜
減りが生じた場合にも同様にして得られる。
【0087】
【発明の効果】この発明は、以上の構成及び作用よりな
るもので、像担持体に接触してその表面を帯電させる2
つの接触帯電手段をもつ帯電装置において、(1)像担
持体移動方向の上流側の接触帯電器には帯電ブレードを
用い、下流側の接触帯電器には帯電ロールを用いる構成
をとること、(2)上流側の接触帯電器に交流電圧に直
流電圧を重畳した電圧を印加した帯電ブレードを用い、
下流側の接触帯電器には帯電ロールを用いること、
(3)上流側の接触帯電器である帯電ブレードには交流
電圧に直流電圧を重畳した電圧を印加し像担持体を一次
帯電し、それにより発生する交流成分の周波数ピッチに
対応する感光体の帯電電位むらの少なくとも一部に放電
を起こさせるような直流電圧を下流側の接触帯電器であ
る帯電ロールに印加することにより、像担持体をクリー
ニングするクリーニングブレード等により清掃しきれな
いすり抜けトナー、外添剤、紙粉等によって帯電が阻害
されることがなく、特に、そのプロセススピードの大き
さが原因でトナー等のすり抜け量が多くなるプロセスス
ピード250mm/s以上の中高速機においても帯電が
阻害されることなく、長期に渡り均一な帯電を維持する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係る帯電装置を適用した電
子写真複写装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】 図2は帯電ロールを示す断面図である。
【図3】 図3は帯電ブレードを示す断面図である。
【図4】 図4(a)(b)は帯電ブレードの他の例を
それぞれ示す断面図である。
【図5】 図5は比較例を示す構成図である。
【図6】 図6は比較例を示す構成図である。
【図7】 図7はテスト例の結果を示す図表である。
【図8】 図8はこの発明に係る帯電装置を適用した電
子写真複写装置の実施の形態2を示す構成図である。
【図9】 図9はテスト例の結果を示す図表である。
【図10】 図10はこの発明に係る帯電装置を適用し
た電子写真複写装置の実施の形態3を示す構成図であ
る。
【図11】 図11はテスト例の結果を示す図表であ
る。
【図12】 図12は感光体の帯電状態を示すグラフで
ある。
【図13】 図13は感光体の帯電状態を示すグラフで
ある。
【図14】 図14は従来の感光体の帯電状態を示すグ
ラフである。
【図15】 図15は実施の形態3に係る感光体の帯電
状態を示すグラフである。
【図16】 図16は従来の帯電装置を適用した電子写
真複写装置を示す構成図である。
【図17】 図17は従来の帯電装置の帯電ロールにお
ける異物の付着状態を示す構成図である。
【図18】 図18はプロセススピードと帯電ロールの
汚れ具合を示すグラフである。
【図19】 図19はこの発明の一実施の形態に係る帯
電ブレードを示す構成図である。
【図20】 図20は同帯電ブレードの要部を示す説明
図である。
【図21】 図21はこの発明の他の実施の形態に係る
帯電ブレードを示す構成図である。
【図22】 図22はこの発明の実施の形態2に係る帯
電ブレードの帯電状態を示す説明図である。
【図23】 図23は比較例に係る帯電ブレードの帯電
状態を示す説明図である。
【図24】 図24(a)〜(d)は帯電ブレードの帯
電状態をそれぞれ示すグラフである。
【図25】 図25(a)〜(d)は比較例の帯電ブレ
ードの帯電状態をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体ドラム、11 帯電ロール、12 帯電ブレ
ード、20 帯電ブレード用電源、21 帯電ロール用
電源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体に接触してその表面を帯電させ
    る複数の接触帯電手段を有する帯電装置において、像担
    持体移動方向の上流側の接触帯電手段には帯電ブレード
    を用い、下流側の接触帯電器には帯電ロールを用いるこ
    とを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 前記像担持体移動方向の上流側の接触帯
    電手段である帯電ブレードには、交流電圧に直流電圧を
    重畳した電圧を印加することを特徴とする請求項1記載
    の帯電装置。
  3. 【請求項3】 前記像担持体移動方向の上流側の帯電ブ
    レードには交流電圧に直流電圧を重畳した電圧を印加し
    て像担持体を1次帯電し、それにより発生する交流成分
    の周波数ピッチに対応する像担持体の帯電電位むらの少
    なくとも一部に放電を起こさせるような直流電圧を下流
    側の帯電ロールに印加することを特徴とする請求項1記
    載の帯電装置。
  4. 【請求項4】 前記像担持体のプロセススピードが25
    0mm/s以上であることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の帯電装置。
  5. 【請求項5】 前記帯電ブレードのエッジ部を像担持体
    に対してカウンター方向に当接させることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電装置。
JP10586596A 1996-02-15 1996-04-25 帯電装置 Pending JPH09281773A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007114418A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
WO2014007091A1 (ja) * 2012-07-02 2014-01-09 キヤノン株式会社 画像形成装置

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