JP2000122110A - リレー光学系及びそれを有したカメラシステム - Google Patents

リレー光学系及びそれを有したカメラシステム

Info

Publication number
JP2000122110A
JP2000122110A JP10307876A JP30787698A JP2000122110A JP 2000122110 A JP2000122110 A JP 2000122110A JP 10307876 A JP10307876 A JP 10307876A JP 30787698 A JP30787698 A JP 30787698A JP 2000122110 A JP2000122110 A JP 2000122110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
optical system
relay optical
photographing
aperture stop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10307876A
Other languages
English (en)
Inventor
Shingo Hayakawa
慎吾 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10307876A priority Critical patent/JP2000122110A/ja
Publication of JP2000122110A publication Critical patent/JP2000122110A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 35mmフィルム用交換レンズをデジタルカ
メラに使用可能とするリレー光学系及びそれを用いたカ
メラシステムを得ること。 【解決手段】 撮影レンズが挿脱可能なカメラ本体内に
設けて、該撮影レンズによって形成される物体像を撮像
手段面上に再結像する為のリレー光学系において、該リ
レー光学系は物体側より順に、該撮影レンズの予定結像
面近傍に配置され集光作用を有する正の屈折力の第1レ
ンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、光軸方
向に移動可能に配置された開口絞りと、正の屈折力を有
する第3レンズ群とを有し、該撮影レンズの射出瞳位置
に応じて該開口絞りを移動させていること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影レンズの交換
可能なカメラ(カメラ本体)に装着されるリレー光学系
とこれを用いたカメラシステムに関するものであり、撮
影レンズによって形成された被写体像をリレー光学系に
よってCCD等の撮像手段面上に縮小して再結像させる
スチルカメラ、ビデオカメラ等のカメラシステムに好適
なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、CCD等の撮像素子を用いた
スチルカメラやビデオカメラは種々提案されている。特
に近年ではパーソナルコンピュータの入力機器、あるい
は銀塩カメラに置き換わる高解像力の画像入力機器とし
てデジタルスチルカメラの需要が高まってきている。こ
のような状況の下、さまざまな画角に対応した画像の入
力を可能とするレンズシステムが要望されてきている。
【0003】CCD等の半導体光電変換素子は、小型の
ものはビデオカメラ等の需要によって大量に生産され、
比較的安価となってきているが、大きな画面サイズに対
応したものはまだまだ高価である。また、さまざまな画
角に対応したレンズシステムとしては35mmフィルム
を使用する銀塩カメラの交換レンズシステムが存在して
いる。そこでこの銀塩カメラ用の交換レンズシステムを
画像入力用のレンズとして使用し、比較的安価な小型の
CCDを使用するデジタルスチルカメラの実現が待望さ
れてきている。
【0004】このようなデジタルスチルカメラを実現し
ようとした場合、まず35mmフィルムとCCD等の画
面サイズの違いを補完する手段が必要となる。このため
には、例えば特開平7-253537号公報では、銀塩カメラ用
の交換レンズシステムの予定結像面に形成される被写体
像をリレー光学系を用いて縮小し、CCD上に再結像さ
せるように構成したカメラシステムを提案している。こ
の際、リレー光学系は、交換レンズシステムの予定結像
面近傍に配置され、交換レンズ(撮影レンズ)の射出瞳
から射出してくる被写体光を再結像光学レンズの入射瞳
の方向に偏向させる集光レンズと、被写体像をCCD上
に縮小して結像させる再結像レンズより構成している。
このように構成したとき、交換レンズの射出瞳の位置と
再結像レンズの入射瞳の位置が略々共役となるように集
光レンズの屈折力を設定することが必要となるわけだ
が、交換レンズの射出瞳位置は交換レンズの設計により
さまざまとなっているのが一般的であって、この共役関
係を満足しなくなるためにCCDの周辺部分において光
量不足となる場合が多々発生する。
【0005】この問題を解決するべく構成したものが従
来より提案されている。
【0006】例えば特開平8-179393号公報や特開平8-18
4757号公報、特開平8-317258号公報、特開平9-105858号
公報等で提案されている。
【0007】特開平8-179393号公報に開示される第1の
従来例では、銀塩フィルムに被写体像を形成する撮影レ
ンズを通過した光束の一部をCCD上に再結像させてビ
デオカメラの機能を併せ持つカメラシステムにおいて、
ズーミング、あるいはフォーカシングの際の撮影レンズ
の射出瞳位置の変動に応じて、再結像光学系を構成する
一部のレンズ群を光軸上を移動させるようにして周辺光
束のけられを防止する構成を提案している。
【0008】特開平8-184757号公報に開示される第2の
従来例では、上記第1の従来例と同様のカメラシステム
において、撮影レンズの射出瞳から射出した光束を再結
像光学系の入射瞳の方向に偏向させる集光レンズを少な
くとも2枚のレンズより構成しておいて、これらのレン
ズの間隔を変化させることによって撮影レンズの交換や
ズーミングによる射出瞳位置の変化に伴なう周辺光量の
不足を防止する構成を提案している。
【0009】特開平8-317258号公報に開示される第3の
従来例では、銀塩カメラ用の交換レンズを利用してリレ
ー光学系を介して被写体像を縮小してCCD上に再結像
させる光学系において、集光レンズを交換可能に構成し
ておいて、撮影レンズの射出瞳位置の変化に応じて集光
レンズを選択的に交換する構成を提案している。
【0010】特開平9-105858号公報に開示される第4の
従来例では、上記第3の従来例と同様のカメラシステム
において、再結像光学系を光軸方向の位置の異なる複数
の入射瞳を持つように構成して、撮影レンズの射出瞳位
置の変化に応じて入射瞳を選択的に使用するという技術
思想を提案している。
【0011】一方、撮影レンズによって形成される被写
体像をリレー光学系によって縮小して再結像させる構成
であって、レンズ交換可能なカメラシステムにおいて、
撮影レンズの射出瞳位置の変化によって発生するこのよ
うな不具合に備えたものが、例えば特開平7-199264号公
報で提案されている。
【0012】特開平7-199264号公報に開示される第5の
従来例では、上記第3の従来例と同様のカメラシステム
において、撮影レンズ内のROMに格納された撮影レン
ズ固有のデータを基に、CCD等の撮像素子の周辺部に
けられが生じると判断された場合には警告を発するカメ
ラシステムを提案している。
【0013】
【発明が解決しようとしている課題】交換可能な結像レ
ンズによって形成された被写体像をリレー光学系によっ
てCCD等の上に縮小して再結像させる構成のカメラシ
ステムにおいては、画素数が十分に多く高解像力である
こと、比較的コンパクトな構成であって、多くの交換レ
ンズを良好に使用することのできること等が要望されて
いる。
【0014】35mmフィルム用に開発された交換レン
ズシステムを有効に活用して、さまざまな画角に対応し
た高画質のデジタル画像を得るようにしたカメラシステ
ムには、いくつかの課題が存在する。
【0015】まずCCD等の撮像素子については、小型
化とコストダウンのみを考慮すれば小さければ小さいほ
ど良いことになるが、高画素数化に伴なって単位画素の
面積が小さくなってS/N比が低化することと光学系の
製造上の困難さを考え併せるとあまり小型のものとする
ことはできず、可能な限り大きいほうが望ましい。
【0016】また再結像光学系の実効F値は明るいほど
良く、撮影レンズを通過する光束のうち、この実効F値
と縮小光学系の縮小倍率によって決定される光束のみを
使用した撮像光学系を構成することになる。ここで縮小
光学系の縮小倍率を低倍率とすると、CCD等の撮像素
子は小さくすることができるが、撮影光学系を通過する
光束のうちの有効光束が少なくなって、ぼけ味などの作
画効果を考慮した撮影ができなくなる。
【0017】このような事情を鑑みて再結像光学系を設
計すると、光学系は大口径レンズに好適なガウスタイプ
が望ましいことになる。
【0018】撮影レンズを交換したことによる射出瞳位
置の変動に伴なって画面周辺部の光量が低下することに
対する上記の従来例では、それぞれ次のような問題があ
った。
【0019】前記第1の従来例では、縮小光学系の一部
のレンズ群を光軸上を移動させる構成であって、縮小倍
率を一定に保つためや光学性能を良好に維持するために
高精度の鏡筒構造とする。
【0020】前記第2の従来例では、集光レンズの共役
関係を変えることによって撮影レンズの射出瞳位置の変
化に対応しようとしているが、正の屈折力の2枚の集光
レンズの互いの間隔を少し変化させる程度では射出瞳位
置の大きな変化に対応することが難しい。また集光レン
ズで発生する収差が変化するため再結像光学系を高性能
のまま維持することが難しい。
【0021】前記第3の従来例では、集光レンズの交換
によって共役関係を変える構成としているため、上記の
第2の従来例とは異なって撮影レンズの射出瞳位置の変
化には十分に対応可能とすることができるが、集光レン
ズの交換のための待避場所等の問題から装置が大型化し
てくる。また集光レンズで発生する収差が変化するため
再結像光学系を高性能のまま維持することが難しい。
【0022】前記第4の従来例では、上記の第1の従来
例から第3の従来例のような問題点はなく、技術思想と
しては最も優れている。しかしながら、前記第4の従来
例で開示している光学系では、リレー光学系による縮小
倍率が低倍率であるために、CCD等の撮像素子を高画
素数として高解像力の画像を得ることが難しくなること
や、ぼけ味などの作画効果を考慮した撮影が難しい。
【0023】本発明は、再結像光学系として、縮小倍率
を比較的高倍率としながらも実効F値を十分に明るく維
持し、かつ高解像力を実現するためにガウスタイプを改
良した光学系を採用することにより、撮影レンズの射出
瞳位置の変動に伴なう画像の周辺部の光量低下を克服し
て多くの交換レンズを良好に使用可能としながらも比較
的コンパクトな構成のリレー光学系及び、これを用いた
カメラシステムを実現することを目的としている。
【0024】この他本発明は、前記第4の従来例の光学
系を改良して、リレー光学系の縮小倍率を1/2倍程度
の低倍率とし、かつ十分に明るい実効F値を持つように
することにより、撮影レンズの射出瞳位置の変化に対応
することのできるカメラシステムの提供を目的とする。
【0025】この他本発明は、ここで改良して実現する
リレー光学系を用いて多くの35mmフィルム用交換レ
ンズを有効に使用可能とするデジタルカメラシステムの
提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のリレー光学系
は、 (1-1) 撮影レンズが挿脱可能なカメラ本体内に設けて、
該撮影レンズによって形成される物体像を撮像手段面上
に再結像する為のリレー光学系において、該リレー光学
系は物体側より順に、該撮影レンズの予定結像面近傍に
配置され集光作用を有する正の屈折力の第1レンズ群
と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、光軸方向に移
動可能に配置された開口絞りと、正の屈折力を有する第
3レンズ群とを有し、該撮影レンズの射出瞳位置に応じ
て該開口絞りを移動させていることを特徴としている。 (1-2) 撮影レンズが挿脱可能なカメラ本体内に設けて、
該撮影レンズによって形成される物体像を撮像手段面上
に再結像する為のリレー光学系において、該リレー光学
系は物体側より順に、該撮影レンズの予定結像面近傍に
配置され集光作用を有する正の屈折力の第1レンズ群
と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、光軸方向の異
なる位置に配置された複数の開口絞りと、正の屈折力を
有する第3レンズ群とを有し、該撮影レンズの射出瞳位
置に応じて該複数の開口絞りのうちの少なくとも1つを
選択的に使用することを特徴としている。
【0027】特に、 (1-2-1) 前記第2レンズ群は、少なくとも2枚の正レン
ズと、少なくとも1枚の負レンズを有していて、前記開
口絞り近傍において光束を略アフォーカルとすること。 (1-2-2) 前記第3レンズ群は、少なくとも2枚の正レン
ズと、少なくとも1枚の負レンズと、物体側に凸面を向
けたメニスカス形状のレンズを有すること。 (1-2-3) 前記第3レンズ群は、前記物体側に凸面を向け
たメニスカスレンズの像側に像側に凸面を向けたメニス
カスレンズを有していること等を特徴としている。
【0028】本発明のカメラシステムは、 (2-1) 固有の撮影情報を記憶したレンズ情報メモリを搭
載した撮影レンズと、該撮影レンズによって形成される
物体像を撮像手段面上に再結像するリレー光学系を収納
した該撮影レンズを挿脱可能としたカメラ本体とを有
し、該撮影レンズは該カメラ本体に接続部を介して挿脱
可能に装着されており、該レンズ情報メモリに記憶した
撮影情報は該接続部を介して該カメラ本体内の演算手段
に伝達されており、該演算手段は該撮影情報を用いて、
該リレー光学系内の開口絞りの光軸方向の位置を求め、
該演算手段からの信号に基づいて該カメラ本体内に設け
た駆動手段で該開口絞りを駆動していることを特徴とし
ている。
【0029】特に、 (2-1-1) 前記撮影レンズの動作に応じて該撮影レンズの
固有の撮影情報が変化したときは、該変化に対応して、
前記リレー光学系内の開口絞りの位置を調整しているこ
とを特徴としている。 (2-2) 固有の撮影情報を記憶したレンズ情報メモリを搭
載した撮影レンズと、該撮影レンズによって形成される
物体像を撮像手段面上に再結像するリレー光学系を収納
した該撮影レンズを挿脱可能としたカメラ本体とを有
し、該撮影レンズは該カメラ本体に接続部を介して挿脱
可能に装着されており、該レンズ情報メモリに記憶した
撮影情報は該接続部を介して該カメラ本体内の演算手段
に伝達されており、該演算手段は該撮影情報を用いて、
該リレー光学系内に設けた複数の開口絞りのうちから少
なくとも1つの開口絞りを選択し、使用するようにして
いることを特徴としている。
【0030】特に、 (2-2-1) 前記撮影レンズの動作に応じて該撮影レンズの
固有の撮影情報が変化したときは、該変化に対応して、
前記リレー光学系内の複数の開口絞りのうちから、選択
する開口絞りを変更していることを特徴としている。
【0031】
【発明の実施の形態】図1,図2は本発明のリレー光学
系を用いたカメラシステムの要部側面図と要部背面図で
ある。
【0032】図1,図2において、1はカメラ本体10
1に対して交換可能な撮影レンズ、2は集光作用を有す
る第1レンズ群、3(3a,3b)は光学系の折り曲げ
用のミラーであり光路を90度方向に折り曲げている。
4はリレー光学系の中の一部分である縮小光学系であ
る。5はローパスフィルターや赤外カットフィルター等
より構成されるフェイスプレート、6はCCD等の撮像
素子を表わしている。縮小光学系4は第2レンズ群4
a、光軸上移動可能な開口絞り4b、第3レンズ群4c
を有している。第1レンズ群2、縮小光学系4はリレー
光学系102の一要素を構成している。
【0033】本実施形態では撮影レンズ1の焦点面(予
定結像面)近傍に配置された第1レンズ群2によって、
撮影レンズ1の射出瞳から射出された被写体光を集光し
て、ミラー3(3a,3b)を介して縮小光学系4の方
向に導き、かつ集光レンズ2によって撮影レンズ1の射
出瞳とリレー光学系の入射瞳を略共役関係とするように
構成している。そして、縮小光学系4に導かれた被写体
光は、縮小光学系4によって集光レンズ2の近傍に形成
された像に対しておよそ1/2倍程度に縮小してCCD
等の撮像素子6上に再結像するように構成している。
【0034】ここでフェイスプレート5は、CCD等の
画素ピッチに依存して発生するモアレを除去する目的の
ローパスフィルターやCCD等の分光感度と視感度の差
を補正する目的の赤外カットフィルターなどを含み、後
に示す数値実施例の中にも光学系の一部としてまとめて
記載している。なお、図1,図2において8はクイック
リターンミラー、9はファインダー光学系であって、撮
影レンズ1から第1レンズ群2に至る光路中に回動自在
に配置されたクイックリターンミラー8によってファイ
ンダー光学系9に光束を導いて撮影画像の観察を可能と
している。
【0035】ファインダー光学系9は撮影レンズ1によ
る物体像が形成される焦点板9a、焦点板9aに形成し
た物体像からの光束を集光するコンデンサーレンズ9
b、焦点板9aに形成した物体像を正立正像とする像反
転用のプリズム9c、プリズム9cからの光束を反射さ
せるミラー9d、そして焦点板9aに形成した物体像を
プリズム9cを介して正立正像とし、該正立正像をアイ
ポイント9fより観察する接眼レンズ9eとを有してい
る。
【0036】本実施形態では、図1,図2に示されるよ
うに、リレー光学系を2枚のミラー3によって折り曲げ
て配置し、カメラ全体を比較的コンパクトにするような
レイアウトとしている。
【0037】図3は図1,図2のリレー光学系の光路を
展開したときの要部断面図である。同図において各々の
要素に付した符号は図1,図2と対応している。図3に
おいて、リレー光学系102の開口絞り4bは、光軸上
を移動可能に構成されていて、図3(A)は、開口絞り
4bが最も像側に配置されたときの展開図、及び光路図
を表わしており、図3(B)は、開口絞り4bが最も物
体側に配置されたときの展開図、及び光路図を表わして
いる。図3においては、撮影レンズ1は薄肉単レンズ1
として示しており、この撮影レンズ1の射出瞳位置はこ
の薄肉単レンズ1の位置と一致しているものと見なすこ
とができる。同図に示されるように、本実施形態では、
撮影レンズを交換したときや、撮影レンズがズームレン
ズのとき、ズーミングを行ったときに撮影レンズ1の射
出瞳位置が変化した際にも、リレー光学系内の開口絞り
4bを効果的に光軸方向に移動させることによって撮影
画像の周辺部の光量を十分に確保することを可能として
いる。
【0038】図4は本発明の実施形態2に係るリレー光
学系の要部展開図である。同図においても各々の要素に
付した符号は図1,図2と対応している。図4におい
て、リレー光学系の開口絞り4bは、光軸方向の異なる
位置に2個配置されていて、図4(A)は、像側に配置
された開口絞りを使用するときの展開図、及び光路図を
表わしており、図4(B)は、物体側に配置された開口
絞りを使用するときの展開図、及び光路図を表わしてい
る。
【0039】図4に示したように開口絞り4bを複数
(2以上)設ける構成としても、図3に示したような開
口絞りを光軸上を移動させる構成とした際に準じて、撮
影画像の周辺部の光量を十分に確保することを可能とす
るという効果を得ることができる。
【0040】図5,図6は本発明の実施形態3,4のリ
レー光学系の要部展開図である。図5,図6に示す実施
形態では第3レンズ群4cをそれぞれ像側に凸面を向け
たメニスカスレンズと物体側に凸面を向けたメニスカス
レンズのうち一方を正レンズと負レンズの接合レンズと
することによって、リレー光学系で発生する緒収差をよ
り良好に補正するようにしている。特に図6に示した実
施形態4では、第3レンズ群4c中に像側に凸面を向け
たメニスカスレンズを用い、その中心肉厚を厚くするこ
とによって、リレー光学系の射出瞳と撮像面の距離が十
分に長くなるように構成している。
【0041】以上のように本発明は、交換可能な撮影レ
ンズを装着可能なカメラ(光学機器)において、リレー
光学系を物体側より順に、該撮影レンズ1の予定結像面
近傍に配置され集光作用を有する正の屈折力の第1レン
ズ群2と、該第1レンズ群2から広い空気間隔を隔てて
配置され正の屈折力を有する第2レンズ群4aと、光軸
方向に移動可能に配置された開口絞り4bと、正の屈折
力を有する第3レンズ群4cより構成し、前記撮影レン
ズの射出瞳位置に応じて前記開口絞りを光軸上の適切な
位置に移動させている。
【0042】又、開口絞り4bを光軸方向の異なる位置
に複数配置し、複数の開口絞りのうちから前記撮影レン
ズの射出瞳位置に応じて適切なものを選択して使用して
いる。
【0043】本発明では、前記第2レンズ群4aを、少
なくとも2枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズ
を有するようにして、前記開口絞り近傍において光束を
略アフォーカルとする構成にしてより良好な光学性能を
得ている。具体的には第2レンズ群4aは両レンズ面が
凸面の正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の
正レンズ、そして像面側に凹面を向けた負レンズの3つ
のレンズより構成している。
【0044】第2レンズ群4aは、このようなレンズ構
成として、いわゆるガウスの対物レンズの形状として開
口絞りの虚像(リレー光学系の入射瞳)を形成してい
る。光軸方向の異なる位置に配置された開口絞りの虚像
(リレー光学系の入射瞳)の相対的な位置関係は、この
第2レンズ群の作用によって、実際上の開口絞りの相対
的な位置関係よりも拡大される。本発明に係るリレー光
学系では、このようにして効果的に開口絞りの虚像(リ
レー光学系の入射瞳)の光軸方向の位置を変化させ、撮
影レンズの射出瞳位置の変化に対応して、撮影画像の周
辺部の光量不足やけられを防止している。
【0045】また、前記第3レンズ群4cを、少なくと
も2枚の正レンズと、少なくとも1枚の負レンズと、物
体側に凸面を向けたメニスカス形状のレンズを有するよ
うに構成している。第3レンズ群は、このような構成と
して、第2レンズ群と同様のガウスの対物レンズの形状
とすることによって、リレー光学系全体を開口絞りを挟
んで略々対称な形状の、いわゆるガウスタイプのレンズ
として緒収差を良好に補正し、明るい実効F値で比較的
高倍率の縮小光学系を実現している。
【0046】また、物体側に凸面を向けたメニスカス形
状のレンズを配置して、集光作用を有する前記第1レン
ズ群で発生する像面湾曲を良好に補正している。このメ
ニスカス形状のレンズは、屈折力は弱いものの、その物
体側のレンズ面と像側のレンズ面の曲率の差を利用して
光学系全体のペッツバール和を小さくする作用を有する
ものであって、その中心肉厚を厚くするとより効果的と
なる。
【0047】また、前記第3レンズ群中の、前記物体側
に凸面を向けたメニスカスレンズの像側に、さらに像側
に凸面を向けたメニスカスレンズを配置して、これによ
ってより望ましい実施形態を実現している。
【0048】単板式のカラーCCD等を使用するデジタ
ルスチルカメラでは、撮像素子の各画素の物体側近傍に
所定の配列のカラーフィルターを配置して複数の画素か
ら1つの画像情報を形成するのが一般的となっており、
各画素からは単一の色信号を取り出すように構成されて
いる。このような構成のCCD等を使用するとき、リレ
ー光学系の射出瞳から撮像面に至る光束とカラーフィル
ターの位置関係が不適切となって所定の画素に所定のカ
ラーフィルター以外の領域からの光束が到達するように
なると、各画素から出力されるべき単一の色信号が偽信
号となる。
【0049】一般の単板式カラーCCD等ではカラーフ
ィルターは各画素の物体側近傍に画素のピッチに合わせ
て配置されており、この問題を防止するために撮像光学
系の射出瞳位置(本発明の場合はリレー光学系の射出瞳
位置)はCCD等の撮像素子から十分に遠方とすること
が必要とされている。
【0050】前述のように第3レンズ群を構成し、特に
物体側に凸面を向けたメニスカスレンズで像面湾曲の補
正作用を強くしたとき、第3レンズ群によって形成され
る開口絞りの虚像(リレー光学系の射出瞳)の位置はよ
り像側に配置されるようになり、偽の色信号を発生しや
すくなる。これを解決する為に、第3レンズ群中の、前
記物体側に凸面を向けたメニスカスレンズの像側に、さ
らに像側に凸面を向けたメニスカスレンズを配置してい
る。このメニスカス形状のレンズも、屈折力は弱いもの
の、その物体側のレンズ面と像側のレンズ面の曲率の差
を利用して開口絞りの虚像(リレー光学系の射出瞳)の
位置を物体側へ移動させる作用を有するものであって、
その中心肉厚を厚くするとより効果的となる。
【0051】また、本発明に係るリレー光学系は、 (ア-1)前記開口絞りの光軸方向の最大移動量をds 、前
記第2レンズ群の焦点距離をf2 としたとき、 0.05 <ds /f2 < 0.5・・・(1a) を満足することを特徴としている。
【0052】又は、前記複数の開口絞りのうち最も物体
側に配置した開口絞りと最も像側に配置した開口絞りの
光軸上の位置の差をdp 、前記第2レンズ群の焦点距離
をf2 としたとき、 0.05 <dp /f2 < 0.5・・・(1b) を満足することを特徴としている。
【0053】条件式1a(1b)は、リレー光学系のう
ちの開口絞りより物体側に配置される第2レンズ群の焦
点距離と、開口絞りを配置する光軸方向の位置の差の最
大値の比を規定する式であって、物体側から見たときの
開口絞りの虚像(リレー光学系の入射瞳)の位置を適切
に設定するための条件式である。条件式1a(1b)の
下限値を超えてds (dp )小さく設定すると、開口絞
りの虚像(リレー光学系の入射瞳)の位置の最大変化量
が少なくなって種々の撮影レンズの射出瞳の位置との共
役関係を満足することができなくなり、撮影画面の周辺
部の光量が不足したり、けられが発生する撮影レンズが
多くなる。逆に条件式1a(1b)の上限値を超えてd
を大きく設定すると、リレー光学系の外径寸法が大きく
なるという問題や緒収差の補正が困難となるという問題
が発生する。
【0054】また、さらに本発明のリレー光学系は、 (イ-1)前記開口絞りの位置から像面までの距離をts
前記第3レンズ群の焦点距離をf3 としたとき、 0.5 <ts /f3 < 3.5・・・(2a) を満足することを特徴としている。
【0055】又は、前記複数の開口絞りのうち最も像側
に配置される開口絞りの位置から像面までの距離をt
p 、前記第3レンズ群の焦点距離をf3 としたとき、 0.5 <tp /f3 < 3.5・・・(2b) を満足することを特徴としている。
【0056】条件式2a(2b)は、リレー光学系のう
ちの開口絞りより像側に配置される第3レンズ群の焦点
距離と、開口絞りを最も像側に配置した際の開口絞りか
ら像面までの距離の比を規定する式であって、像側から
見たときの開口絞りの虚像(リレー光学系の入射瞳)の
位置を適切に設定するための条件式である。条件式2a
(2b)の下限値を超えて小さく設定すると、一般的な
カラーCCD等の撮像素子を用いた際に偽の色信号を発
生しやすくなるという問題があり、逆に条件式2a(2
b)の上限値を超えて大きく設定すると、光学系の全長
が長くなるという問題がある。
【0057】以上説明したリレー光学系を用いることを
想定したデジタルスチルカメラにおいて、本発明は、さ
らに以下に記すような構成とすることによって、35m
mフィルム用交換レンズを利用することを前提とした好
適なカメラシステムを実現している。
【0058】本発明では、交換可能な撮影レンズに該撮
影レンズに固有の情報を格納するレンズ情報格納部(メ
モリ)を有し、カメラ(カメラ本体)に装着した際に接
続される接点を介して、該固有の情報をカメラに伝達し
て演算手段で種々の演算または動作を行なうシステムを
構成している。このとき、前記撮影レンズに固有の情報
を予め設定された閾値と比較し、あるいは予め設定され
た演算式に従って演算して、該比較結果、あるいは該演
算結果に基づいて、駆動手段でリレー光学系内の開口絞
りの位置を光軸上の適切な位置に移動させることによっ
て好適なカメラシステムを実現している。
【0059】又、本発明では、撮影レンズに固有の情報
を予め設定された閾値と比較し、あるいは予め設定され
た演算式に従って演算して、該比較結果、あるいは該演
算結果に基づいて、リレー光学系内の複数の開口絞りの
うちの適切なものを選択的に使用することことによって
好適なカメラシステムを実現している。
【0060】そして、このとき特に前記撮影レンズに固
有の情報を、結像レンズの射出瞳位置情報とすれば最も
良好なカメラシステムを構築することができる。
【0061】近年の35mm一眼レフレックスカメラ用
の交換レンズは、カメラとの間で各種の電気的な通信を
行なうように構成されているものが一般的となってい
る。このうち交換レンズの固有の情報として焦点距離、
F値、射出瞳位置、周辺光量等の情報を撮影レンズ内の
メモリーに格納し、カメラ側でこれらの情報のうちの適
切なものを利用して各種制御を行なうようにしている。
【0062】本発明のカメラシステムは、このように撮
影レンズ内のメモリーに格納される各種の情報のうちの
適切な情報、すなわちこの場合は射出瞳位置の情報を用
いて、撮影レンズの射出瞳が集光作用を持つ前記第1レ
ンズ群によって共役関係となるリレー光学系内の位置を
算出し、この位置にリレー光学系の開口絞りを移動させ
るようにしている。また、光軸方向の移動量の制約等に
よって、開口絞りを共役関係の算出結果に基づく所定の
位置まで移動できない場合には、最も物体側、あるいは
最も像側の所定位置に移動させるようにしている。
【0063】本発明のカメラシステムは、あるいは、撮
影レンズの射出瞳と共役関係となるリレー光学系内の位
置を算出する際には、このように演算を行なうことの他
に、より簡易的に数値テーブルを参照して適切な位置を
選択的に決定するようにしても良く、開口絞りも移動さ
せることなく複数配置するようにしても良い。開口絞り
を複数配置する際には、不使用の開口絞りは有効光束を
遮蔽しないように内径を十分に大きくしておくことが必
要となる。この際、開口絞り機構の外径寸法が大きくな
ることが懸念されるため、装置全体の小型化のためにこ
れらの開口絞りの光軸方向の間隔をあまり大きく設定す
ることが難しくなる。この際にも前述の本発明のリレー
光学系は好適な構成となっている。
【0064】上述の本発明のカメラシステムは、さらに
前記撮影レンズの使用状態の変化に対応して該撮影レン
ズに固有の情報が変化し、前記該比較結果、あるいは該
演算結果が変化した際には、リレー光学系内の開口絞り
の位置を光軸上のより適切な位置に移動させる、あるい
はまた、リレー光学系内の複数の開口絞りのうちから少
なくとも1つを選択し適切なものに変更するように構成
することが望ましい。
【0065】撮影レンズの射出瞳位置は、像側から見た
撮影レンズ内の開口絞りの虚像の位置であるため、撮影
レンズの絞りより像側の光学系の状態の変化に応じて変
化する。この射出瞳位置の変化がある程度以上大きく変
化した際には、当然のことながら、リレー光学系内の開
口絞りの位置をより適切な位置となるように変更するこ
とが必要となる。例えば撮影レンズとしてズームレンズ
が装着され、ズーミングによって射出瞳位置が変化する
際には、ズーミングに応じてリレー光学系内の開口絞り
の位置を変更するように構成し、あるいは、マクロレン
ズ等の近接撮影可能なレンズが装着され、近距離へのフ
ォーカシングによって射出瞳位置が変化する際には、フ
ォーカシングに応じてリレー光学系内の開口絞りの位置
を変更するように構成することが望ましい。
【0066】このような撮影レンズの状態の変化に際し
ても各々の状態に対応した射出瞳位置の情報に基づいて
開口絞りを移動、または複数の開口絞りのうち1以上を
選択するのが望ましいが、ズームレンズの焦点距離情報
やズームレンズの距離情報によって簡略的に開口絞りを
移動、または選択するようにしても良い。
【0067】本実施形態では、以上説明したような種々
の構成のリレー光学系によって、その縮小倍率を1/2
倍程度の低倍率とし、かつ十分に明るい実効F値を持つ
ようにした上で、撮影レンズの射出瞳位置の変化に対応
することのできる構成を実現している。
【0068】また、同時に本実施形態では、ここで改良
して実現するリレー光学系を用いて多くの35mmフィ
ルム用交換レンズを有効に使用可能とするデジタルカメ
ラシステムを実現している。
【0069】図7は本発明のリレー光学系を用いた光学
機器の要部概略図である。本実施形態は交換可能な撮影
レンズ1をデジタルスチルカメラ21に装着した場合を
示している。
【0070】図7において、交換レンズ11内のメモリ
ー12には、撮影レンズ1の焦点距離、F値、射出瞳位
置等の交換レンズ固有の情報が格納されており、これら
の情報は交換レンズ11をデジタルスチルカメラ21に
装着した際にマウント13に設けられた接点(接続部)
を介してデジタルスチルカメラ21内のマイクロコンピ
ュータ22に伝達され、マイクロコンピュータ22で演
算等を行なって適切な開口絞り4bの位置、あるいは使
用する開口絞りの選択を決定する。同時に開口絞りの絞
り径は、それぞれ適切な径に初期設定される。ここで開
口絞り4bを光軸上を移動させる構成とした場合には、
開口絞りの光軸方向への駆動機構23を駆動させること
が必要となる。また開口絞りを複数設ける構成とした際
には、不使用の開口絞りの径は撮影画面周辺部へ到達す
る被写体光を遮蔽しないように図4に示されるように十
分大きく開放することが必要となる。
【0071】次にデジタルスチルカメラ21内の測光手
段24によって測定された被写体の輝度に基づいて、マ
イクロコンピュータ22によって制御される絞り値が決
定されると、所定位置に移動された開口絞り、あるいは
複数の開口絞りのうち使用すると選択された開口絞りを
所定量だけ絞り込み、不図示のシャッターを所定秒時だ
け開放させて被写体像の撮像が行われる。この際のシャ
ッターは、図1,図2の集光作用を有する第1レンズ群
の近傍、即ち撮影レンズ1の予定焦点面近傍に配置され
るフォーカルプレーンシャッターや、リレー光学系の開
口絞りそのものをシャッターとするレンズシャッター、
あるいは撮像素子近傍に配置されるフォーカルプレーン
シャッター等が適用可能である。
【0072】次にリレー光学系の開口絞りを光軸上を移
動可能に構成する際について、交換レンズ11の射出瞳
情報から開口絞りの位置を算出する方法について図8に
示した模式図に従って説明する。
【0073】図8において各々の符号は図1,図2と対
応している。交換レンズ11内のメモリー12に格納さ
れたレンズ固有の情報のうちの射出瞳位置情報より算出
できる撮影レンズ1の射出瞳位置から集光作用を有する
第1レンズ群2までの距離(実際上のレンズ系では撮影
レンズ1の射出瞳位置から第1レンズ群2の物体側主点
までの距離)をt、第1レンズ群2の焦点距離をf1
第1レンズ群から正の屈折力を有する第2レンズ群4a
までの距離(実際上のレンズでは第1レンズ群2の像側
主点から第2レンズ群4aの物体側主点までの距離)を
s、第2レンズ群4aの焦点距離をf2 、第2レンズ群
4aから開口絞り4bまでの距離(実際上のレンズでは
第2レンズ群4aの像側主点から開口絞り4bまでの距
離)をdとし、第2レンズ群4aから開口絞り4bの虚
像までの距離(実際上のレンズでは第2レンズ群4aの
物体側主点から開口絞り4bの虚像までの距離)をdx
とすると以下の関係が成り立つ(ただし、各々の数値は
正の値を持つとする)。
【0074】1/d−1/dx =1/f2 1/t+1/(s+dx )=1/f1 従って、第2レンズ群4aから開口絞り4bまでの距離
(実際上のレンズ系では第2レンズ群4aの像側主点か
ら開口絞り4bまでの距離)dは、次式によって求める
ことができる。
【0075】d=1/[1/f2 +1/{1/(1/f
1 −1/t)−s}] 本発明では、リレー光学系の開口絞りの位置をこのよう
に算出して適切に配置するのを基本的な実施形態として
いる。リレー光学系に複数の開口絞りを設け、使用する
開口絞りを選択的に決定する構成とする場合も、基本的
にはこのような演算の結果に基づいて算出される開口絞
りの位置に近いものを選択するものである。その場合に
はより簡易的に撮影レンズの射出瞳位置情報からデータ
テーブルを参照して適切な開口絞りを選択するようにす
るのが望ましい。
【0076】また、開口絞りを最も物体側、あるいは最
も像側に配置させた場合でも上記関係式を満足し得ない
場合には、画像の周辺部の光量不足の発生の程度に応じ
て、撮影の許可の可否判断を行ない、好ましくない結果
となる場合には撮影を禁止したり、警告を発するように
構成しておけば、より望ましいものとなる。
【0077】後述するすべての数値実施例において共通
にCCD等の撮像素子のイメージサークルはφ17m
m、実効開放F値はF2.8としている。また、各数値
実施例において結像位置はフェースプレートの射出面、
即ち最終レンズ面に一致するようにしている。
【0078】又、数値実施例において*印の付されてい
るレンズ面は非球面を表わしている。
【0079】本実施形態では、縮小光学系4の中の少な
くとも一つのレンズ面を非球面とすることによって、開
口絞りの位置が実質的に変化し、縮小光学系の中の光束
の通過領域が変化した場合にも諸収差の発生をより良好
に補正することが可能としている。
【0080】参考のため、図9に本発明の実施形態1の
リレー光学系の物体側に撮影レンズとして公知の特開平
5-157964号公報の第1実施例に記載のレンズを装着した
ときの展開図、及び光路図を示す。このときリレー光学
系の開口絞りは図3(B)に示したように最も物体側に
配置するのが望ましい。図10にこのときの収差図を示
す。撮影画像の残存収差はマスターレンズの光学性能に
依存するが、本実施形態のリレー光学系によれば、図1
0に示されるように緒収差の良好に補正された撮影画像
を得ることができる。この他の実施例のリレー光学系も
同様に緒収差を良好に補正しているが収差図等は省略す
る。
【0081】次に本発明のリレー光学系の数値実施例を
示す。数値実施例においてriは物体側より順に第i番
目のレンズ面の曲率半径、diは物体側より第i番目の
レンズ厚及び空気間隔、niとνiは各々物体側より順
に第i番目のレンズd線に対するガラスの屈折率とアッ
ベ数である。又、前述の各条件式と数値実施例における
諸数値との関係を表−1に示す。
【0082】又、非球面形状はレンズ面の中心部の曲率
半径をRとし、光軸方向(光の進行方向)をX軸とし、
光軸と垂直方向をY軸とし、B,C,D,Eをそれぞれ
非球面係数としたとき、
【0083】
【数1】 で表されるものとする。尚、「D−x」の表記は「×1
-X」を表す。
【0084】
【外1】
【0085】
【外2】
【0086】
【外3】
【0087】
【外4】 各実施形態のこの他の詳細な諸元を以下に示す。
【0088】
【表1】 但し、βは縮小光学系4の縮小倍率、dはリレー光学系
内で開口絞りの光軸上の移動量、又は開口絞りを複数有
するときは最も物体側と最も像面側の開口絞りの間隔、
W はリレー光学系の開口絞りを最も像側に配置したと
きに共役となる撮影レンズの予定結像面からの射出瞳位
置、TT はリレー光学系の開口絞りを最も物体側に配置
したときに共役となる撮影レンズの予定結像面からの射
出瞳位置、TrWはリレー光学系の開口絞りを最も像側に
配置したときの撮像面からのリレー光学系の射出瞳位
置、TrTは、リレー光学系の開口絞りを最も像側に配置
したときの撮像面からのリレー光学系の射出瞳位置をそ
れぞれ表すものとする。ここで射出瞳位置の符号は光束
の進行方向を正としている。
【0089】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、再結像光
学系として、縮小倍率を比較的高倍率としながらも実効
F値を十分に明るく維持し、かつ高解像力を実現するた
めにガウスタイプを改良した光学系を採用することによ
り、撮影レンズの射出瞳位置の変動に伴なう画像の周辺
部の光量低下を克服して多くの交換レンズを良好に使用
可能としながらも比較的コンパクトな構成のリレー光学
系及び、これを用いたカメラシステムを達成することが
できる。
【0090】又、本発明によれば、リレー光学系の縮小
倍率を1/2倍程度の低倍率とし、かつ十分に明るい実
効F値を持つようにすることにより、撮影レンズの射出
瞳位置の変化に対応することのできるカメラシステムを
達成することができる。
【0091】又、本発明によれば、多くの35mmフィ
ルム用交換レンズを有効に使用可能とするデジタルカメ
ラシステムを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリレー光学系を有したカメラシステ
ムの要部側面図
【図2】 本発明のリレー光学系を有したカメラシステ
ムの要部背面図
【図3】 本発明のリレー光学系の実施形態1の要部断
面図
【図4】 本発明のリレー光学系の実施形態2の要部断
面図
【図5】 本発明のリレー光学系の実施形態3の要部断
面図
【図6】 本発明のリレー光学系の実施形態4の要部断
面図
【図7】 本発明のリレー光学系を有したカメラシステ
ムの要部概略図
【図8】 本発明のリレー光学系の模式図
【図9】 本発明のリレー光学系を撮影レンズに適用し
たときの説明図
【図10】 図9に基づく収差図
【符号の説明】
1 撮影レンズ 2 第1レンズ群 3 ミラー 4 縮小光学系 4a 第2レンズ群 4b 開口絞り 4c 第3レンズ群 5 フェースプレート 6 CCD等の撮像素子 8 クイックリターンミラー 9 ファインダー光学系 11 交換レンズ 12 メモリー 13 マウント 21 デジタルスチルカメラ 22 マイクロコンピュータ 23 開口絞りの駆動手段 24 測光手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/238 H04N 5/238 Z

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撮影レンズが挿脱可能なカメラ本体内に設
    けて、該撮影レンズによって形成される物体像を撮像手
    段面上に再結像する為のリレー光学系において、該リレ
    ー光学系は物体側より順に、該撮影レンズの予定結像面
    近傍に配置され集光作用を有する正の屈折力の第1レン
    ズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、光軸方向
    に移動可能に配置された開口絞りと、正の屈折力を有す
    る第3レンズ群とを有し、該撮影レンズの射出瞳位置に
    応じて該開口絞りを移動させていることを特徴とするリ
    レー光学系。
  2. 【請求項2】撮影レンズが挿脱可能なカメラ本体内に設
    けて、該撮影レンズによって形成される物体像を撮像手
    段面上に再結像する為のリレー光学系において、該リレ
    ー光学系は物体側より順に、該撮影レンズの予定結像面
    近傍に配置され集光作用を有する正の屈折力の第1レン
    ズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、光軸方向
    の異なる位置に配置された複数の開口絞りと、正の屈折
    力を有する第3レンズ群とを有し、該撮影レンズの射出
    瞳位置に応じて該複数の開口絞りのうちの少なくとも1
    つを選択的に使用することを特徴とするリレー光学系。
  3. 【請求項3】前記第2レンズ群は、少なくとも2枚の正
    レンズと、少なくとも1枚の負レンズを有していて、前
    記開口絞り近傍において光束を略アフォーカルとするこ
    とを特徴とする請求項1または2のリレー光学系。
  4. 【請求項4】前記第3レンズ群は、少なくとも2枚の正
    レンズと、少なくとも1枚の負レンズと、物体側に凸面
    を向けたメニスカス形状のレンズを有することを特徴と
    する請求項1、2または3のリレー光学系。
  5. 【請求項5】前記第3レンズ群は、前記物体側に凸面を
    向けたメニスカスレンズの像側に像側に凸面を向けたメ
    ニスカスレンズを有していることを特徴とする請求項4
    のリレー光学系。
  6. 【請求項6】前記開口絞りの光軸方向の最大移動量をd
    s 、前記第2レンズ群の焦点距離をf2 としたとき、 0.05 <ds /f2 < 0.5 を満足することを特徴とする請求項1のリレー光学系。
  7. 【請求項7】前記複数の開口絞りのうち最も物体側に配
    置した開口絞りと最も像側に配置した開口絞りの光軸上
    の位置の差をdp 、前記第2レンズ群の焦点距離をf2
    としたとき、 0.05 <dp /f2 < 0.5 を満足することを特徴とする請求項2のリレー光学系。
  8. 【請求項8】前記開口絞りの位置から像面までの距離を
    s 、前記第3レンズ群の焦点距離をf3 としたとき、 0.5 <ts /f3 < 3.5 を満足することを特徴とする請求項1のリレー光学系。
  9. 【請求項9】前記複数の開口絞りのうち最も像側に配置
    される開口絞りの位置から像面までの距離をtp 、前記
    第3レンズ群の焦点距離をf3 としたとき、 0.5 <tp /f3 < 3.5 を満足することを特徴とする請求項2のリレー光学系。
  10. 【請求項10】固有の撮影情報を記憶したレンズ情報メ
    モリを搭載した撮影レンズと、該撮影レンズによって形
    成される物体像を撮像手段面上に再結像するリレー光学
    系を収納した該撮影レンズを挿脱可能としたカメラ本体
    とを有し、該撮影レンズは該カメラ本体に接続部を介し
    て挿脱可能に装着されており、該レンズ情報メモリに記
    憶した撮影情報は該接続部を介して該カメラ本体内の演
    算手段に伝達されており、該演算手段は該撮影情報を用
    いて、該リレー光学系内の開口絞りの光軸方向の位置を
    求め、該演算手段からの信号に基づいて該カメラ本体内
    に設けた駆動手段で該開口絞りを駆動していることを特
    徴とするカメラシステム。
  11. 【請求項11】固有の撮影情報を記憶したレンズ情報メ
    モリを搭載した撮影レンズと、該撮影レンズによって形
    成される物体像を撮像手段面上に再結像するリレー光学
    系を収納した該撮影レンズを挿脱可能としたカメラ本体
    とを有し、該撮影レンズは該カメラ本体に接続部を介し
    て挿脱可能に装着されており、該レンズ情報メモリに記
    憶した撮影情報は該接続部を介して該カメラ本体内の演
    算手段に伝達されており、該演算手段は該撮影情報を用
    いて、該リレー光学系内に設けた複数の開口絞りのうち
    から少なくとも1つの開口絞りを選択し、使用するよう
    にしていることを特徴とするカメラシステム。
  12. 【請求項12】前記固有の撮影情報は、前記撮影レンズ
    の射出瞳位置情報であることを特徴とする請求項10又
    は11のカメラシステム。
  13. 【請求項13】前記撮影レンズの動作に応じて該撮影レ
    ンズの固有の撮影情報が変化したときは、該変化に対応
    して、前記リレー光学系内の開口絞りの位置を調整して
    いることを特徴とする請求項10又は12のカメラシス
    テム。
  14. 【請求項14】前記撮影レンズの動作に応じて該撮影レ
    ンズの固有の撮影情報が変化したときは、該変化に対応
    して、前記リレー光学系内の複数の開口絞りのうちか
    ら、選択する開口絞りを変更していることを特徴とする
    請求項11又は12のカメラシステム。
JP10307876A 1998-10-14 1998-10-14 リレー光学系及びそれを有したカメラシステム Pending JP2000122110A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10307876A JP2000122110A (ja) 1998-10-14 1998-10-14 リレー光学系及びそれを有したカメラシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10307876A JP2000122110A (ja) 1998-10-14 1998-10-14 リレー光学系及びそれを有したカメラシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000122110A true JP2000122110A (ja) 2000-04-28

Family

ID=17974235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10307876A Pending JP2000122110A (ja) 1998-10-14 1998-10-14 リレー光学系及びそれを有したカメラシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000122110A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009192808A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Olympus Corp 撮像本体部及びそれを備えた撮像装置
JP2017026983A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 キヤノン株式会社 撮像装置及びそれを有する撮像システム
JP2017026984A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 キヤノン株式会社 撮像装置
US10578843B2 (en) 2015-07-28 2020-03-03 Canon Kabushiki Kaisha Image pickup apparatus, rear attachment lens, and image pickup system including the same
WO2021256049A1 (ja) * 2020-06-19 2021-12-23 コニカミノルタ株式会社 変倍対物レンズおよびそれを備える測光測色計

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009192808A (ja) * 2008-02-14 2009-08-27 Olympus Corp 撮像本体部及びそれを備えた撮像装置
JP2017026983A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 キヤノン株式会社 撮像装置及びそれを有する撮像システム
JP2017026984A (ja) * 2015-07-28 2017-02-02 キヤノン株式会社 撮像装置
US10578843B2 (en) 2015-07-28 2020-03-03 Canon Kabushiki Kaisha Image pickup apparatus, rear attachment lens, and image pickup system including the same
WO2021256049A1 (ja) * 2020-06-19 2021-12-23 コニカミノルタ株式会社 変倍対物レンズおよびそれを備える測光測色計

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4234957B2 (ja) ズームレンズ、撮像装置および携帯情報端末システム
JP3709000B2 (ja) 超広角ズームレンズカメラ
JP3387524B2 (ja) 変倍ファインダ光学系
US6891684B2 (en) Image taking lens system
KR20030089634A (ko) 렌즈계 및 그것을 가지는 촬상장치
JPH07119888B2 (ja) 再結像光学系
JP3191296B2 (ja) パノラマ撮影可能なカメラ
JP4097932B2 (ja) 接眼レンズを備えた一眼レフカメラ
JP4914121B2 (ja) 接眼光学系及びそれを有するファインダー光学系
JP4792896B2 (ja) 縮小光学系及びこれを搭載する光学機器
JP2840283B2 (ja) 撮影レンズ系
JP2000122110A (ja) リレー光学系及びそれを有したカメラシステム
US5392082A (en) Photographing apparatus having a trimming photographic mode
JPH073503B2 (ja) バツクフオ−カスの長い広角レンズ
US5495365A (en) Finder optical system
JPH07199067A (ja) 撮像サイズ変換光学系
JP3382317B2 (ja) 2次結像方式のファインダー光学系
JP4212295B2 (ja) 接眼レンズを備えた一眼レフカメラ
JP2004070133A (ja) ズームレンズおよびカメラ装置
JP2000147378A (ja) クローズアップレンズ及びクローズアップ撮影補助装置
JP2879458B2 (ja) 写真用広角レンズ
JP2780460B2 (ja) トリミング撮影機構を有した撮影装置
JP3375170B2 (ja) 変倍リレー光学系
JP3010813B2 (ja) ファインダ光学系
JP4438045B2 (ja) ズームレンズ