JP2000121850A - 温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料およびこれを用いた温度補償型平面光導波路部品 - Google Patents

温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料およびこれを用いた温度補償型平面光導波路部品

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JP2000121850A
JP2000121850A JP30174998A JP30174998A JP2000121850A JP 2000121850 A JP2000121850 A JP 2000121850A JP 30174998 A JP30174998 A JP 30174998A JP 30174998 A JP30174998 A JP 30174998A JP 2000121850 A JP2000121850 A JP 2000121850A
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辰志 小林
Takeshi Sukegawa
健 助川
Hidesumi Kobuchi
秀澄 小渕
Koichi Arishima
功一 有島
Takuji Yoshida
卓史 吉田
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Tomoegawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石英系材料は正の温度係数を有するため、石
英ガラス導波路で波長フィルターを製作した場合、波長
シフトが発生する。これを押さえる従来の方法では、消
費電力が大きく、導波路コストが高く、部品が大型化さ
れていた。また、有機材料を併用して石英系材料の屈折
率温度係数を零に近づけるという提案もあるが、光損失
が大きかったり、素子が大きくなったり素子設計上制約
があった。 【解決手段】 コアおよびクラッドを有する平面型光導
波路において、該コアおよびクラッドに負の屈折率温度
依存係数を有する温度補償特性を有し、示差熱分析にお
いて140℃以下の温度領域で吸熱域を示すポリオレフ
ィン系材料を用いることにより前記問題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、センサ
ー、計測器等に用いられる光導波路型光フィルター、光
波長合分波器等の平面型光導波回路に関し、さらに詳し
くは、温度変動に伴う特性変動を抑制した平面型光導波
回路であり、光導波回路そのものが温度補償効果を有す
る光導波回路に用いられる温度補償材料および温度補償
型平面光導波路部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコンや石英に代表される基板上に設
けられたコア、クラッド構造を持つ石英系光導波回路
は、光導波路を伝搬する信号光の位相や干渉を制御する
ことにより、光分岐、光スイッチ、波長多重等の機能を
持つ光回路を構成でき、光通信や計測器における基本技
術の一つになっている。ところが、マッハツェンダ(M
Z)型光フィルタやアレイ光導波路格子(AWG)型の
光フィルタ・波長合分波器のようにその光フィルタ特性
が光導波路長に依存する部品では部品温度の変化に対し
てフィルタ波長が大きく変化する。このため、フィルタ
波長がズレる、あるいは異なる波長間(チャンネル間)
へのクロストークが発生する等の問題が生じる。これを
防ぐために、ヒーターもしくはぺルチェ素子と温度制御
回路の導入で部品温度を安定化することが行われてい
る。しかし、この温度制御に要する電力は部品当たり数
ワットにのぼり、部品の消費電力が増大するとの問題が
発生する。また、部品の価格を増大させるという問題、
大型化するという問題等の問題も発生する。このため、
部品の取扱いを向上させるためにも、環境温度に依存す
ることなく安定に動作可能な光部品の実現が望まれてい
る。
【0003】そもそも温度によるフィルタ波長の変化
は、光導波路を構成する材料の屈折率変化に起因する。
この点に着目して、負の屈折率温度係数を持つ材料を光
導波路に導入することによって、光導波路全体の屈折率
温度係数を相殺する温度無依存化の手法が提案されてい
る(1998年電子情報通信学会総合大会、C−3−1
16、C−3−117および、Y.Inoue 他,Electron Le
tters, Vol.33 No.23, P1945-1946,1997年)。この提案
では、負の温度係数の絶対値が、3.7〜3.9×10
-4のシリコーン系樹脂を用いており、0℃〜85℃まで
の温度領域でAWG部品の透過スペクトルが極めて小さ
くなることが示されている。
【0004】このように温度依存性を低減するために
は、光導波路の設計として以下の式を満足する必要があ
る。 d(n1 ・ΔL1 )/dT+d(n2 ・ΔL2 )/dT
=0 ここで、Tは温度、n1 は光導波路の実効屈折率、ΔL
1 は隣接する光導波路との長さの差、n2 は負の温度係
数を持つ材料の屈折率、ΔL2 は隣接する光導波路に挿
入する負の温度係数を持つ材料の挿入長さである。この
式から、負の温度係数を持つ材料を挿入する光導波路長
は、負の温度係数の絶対値が大きいほど小さくできる事
がわかる。負の温度係数を持つ材料を挿入する部分は通
常のコア、クラッドを持つ光導波路の必要部分をエッチ
ング等の方法で取り除くことになり、光の導波構造を持
たない。このため、挿入部分の長さが長くなると、光の
損失が大きくなるとの問題がある。通常、石英系平面型
光導波回路に用いられる光導波路の実効屈折率の温度依
存性は、1×10-5(/℃)であり、例えば、負の温度
係数が−3.9×10-4であれば、光導波路の長さの1
/39の長さの挿入部分があれば石英系光導波路の温度
依存性を補償できる。
【0005】ところで、これを提案されているAWGの
例で見ると、該AWGでは、アレイ導波路の数が93で
あり、温度依存性を補償するためのΔL2 は1.3μm
である。該提案の報告では、最も長い挿入長さは少なく
とも120μm以上となる。このような長い距離をコ
ア、クラッド構造を持たずに光が伝搬した場合、その損
失は極めて大きくなる。これを防ぐには、負の温度係数
を持つ材料を挿入する長さを短くする、すなわち、負の
温度係数を持つ材料を挿入する部分を複数に分割するこ
とで、一つの挿入部分の最大挿入長を短くすることが必
要である。しかしながら、負の温度係数の絶対値が十分
高くない場合には、必要とされる挿入長は長くなり、挿
入部分の分割が多くなることは避けられない。挿入部分
の分割が多くなると、部品の作製では、挿入部分の面積
を確保するために部品が大型化する、複数の挿入部分を
精度良く作製するため素子作製の歩留まり確保に多大な
労力を必要とする、また、ある場合には工程数が増加す
るという問題が生じ、複数の挿入部分を設けるために部
品の設計が複雑になり、また、部品設計の自由度が低下
する等、総じて、設計の自由度低下、作製時の多大な労
力、挿入部分が増加することによる信頼性低下、部品作
製における歩留まり低下等の問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記のような問題点を解決することを目的として
なされたものである。すなわち、本発明の目的は、大き
な負の屈折率温度依存係数の絶対値を持つ温度補償型平
面光導波路部品用温度補償材料とその材料を用いた温度
補償型平面光導波路部品を提供することにあり、大きな
負の屈折率温度依存係数の絶対値を持つ材料を提供する
ことで、信頼性、経済性の高い部品を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、石英系材料か
らなるコアおよびクラッドを有する平面型光導波路にお
いて、該コアおよび該クラッドの一方または両方の一箇
所または複数箇所に充填する材料であって、負の屈折率
温度依存係数を持つ該平面型光導波路の温度補償特性を
有し、示差熱分析において140℃以下の温度領域で吸
熱域を示すポリオレフィン系材料からなることを特徴と
する温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料であ
る。また、本発明の温度補償型石英系平面型光導波路部
品は、石英系材料からなるコアおよびクラッドを有する
平面型光導波路において、該コアおよび該クラッドの一
方または両方の一箇所または複数箇所を、示差熱分析に
おいて140℃以下の温度領域で吸熱域を示すポリオレ
フィン系材料で充填したものである。さらに、光導波路
型部品光部品に充填するポリオレフィン系材料は、石英
系材料からなるコアおよびクラッドを有する平面型光導
波路において、該コアおよび該クラッドの一方または両
方の一箇所または複数箇所に、示差熱分析において14
0℃以下の温度領域で吸熱域を示すポリオレフィン系材
料を、当該個所がコアを切断した実効的な幅に応じた最
適な屈折率温度変化率を持つように複数混合したもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の光学部
品の一例(アレイ導波路格子型波長合分波器)の平面図
で、図2は図1のA−A′線断面図で、(イ)は上部ク
ラッド9のみに溝5を設け(コア10には溝を設けな
い)、ポリオレフィン系材料4を充填した場合の例を、
(ロ)は上部クラッド9とコア10の両方に溝5を設
け、ポリオレフィン系材料4を充填した場合の例を示
す。(ハ)は下部クラッド8の途中まで溝5を設けた例
で、場合によっては基板まで溝を設けてもよい。
【0009】すなわち、図において、1は入射ポート、
2はカップラあるいはスラブ導波路、3は(アレイ)導
波路、4は充填剤、6は出射ポート、7は基板、8は下
部クラッド、9は上部クラッド、10はコアで、光導波
路3中にコア10およびクラッド8、9の一方または両
方に溝5を設けて、溝5に本発明で用いられる特性のポ
リオレフィン系材料4が充填されており、入射ポート1
よりλ1 ,λ2 …のように多数の波長の光が合波して入
射し、出射ポート6よりλ1 ,λ2 …のそれぞれ単独の
波長に分波されて出射される。
【0010】本発明に使用されるポリオレフィン系材料
は、光導波路に設ける溝幅を数十μm以下に押さえるか
あるいは、溝の数を少なく抑えるために、大きな屈折率
の温度依存係数が必要で、本発明によれば、負の屈折率
温度依存係数の絶対値が5×10-4以上の値が得られ
る。そのためには、示差熱分析において140℃以下に
吸熱域を持つポリオレフィン系材料を、目的用途に応じ
て適宜選択して使用すればよい。このために用いられる
ポリオレフィン系材料としては、120℃以下で吸熱域
をもつものが好ましく、100℃以下で吸熱域を示すも
のが一層好ましい。なお、示差熱分析における140℃
以下の吸熱量が大きいポリオレフィン系材料程好適であ
るが、少なくとも5mJ/mg以上あれば良く、より好
ましくは15mJ/mg以上のものであり、さらに一層
好ましくは30mJ/mg以上のポリオレフィン系材料
を用いればよい。
【0011】光導波路を作製する方法は、一般的な光導
波路の作製方法を目的用途に応じて適宜選択して作製す
ればよい。例えば、「NTT R&D,Vol.43
No.11,p1273−1280,1994年」に記
載の方法が挙げられる。
【0012】導波路3に溝5を作製する方法としては、
エッチングあるいはダイシングソーにより上部クラッド
やコアを除去して作製するか、あるいは上部クラッドま
たはコアの作製時に金属マスク等を置き、溝の部分だけ
上部クラッドまたはコアを作製しないという手段等があ
る。なお、溝の作製は素子設計上で任意の形状あるいは
分割してもよく、特に限定しない。作製上可能であれ
ば、溝の幅すなわち負の温度依存係数を持つ材料を挿入
する長さは短いことが望ましく、この目的で任意の形状
および分割して作製してもよい。溝中に本発明のポリオ
レフィン系材料を充填する最も簡単な方法は、光導波路
全体あるいは溝の部分を加熱することにより、ポリオレ
フィン系材料を加熱溶融して溝に流し込めば良い。他に
は、溶剤に溶解して塗布液とした状態で、溝に流し込
み、溶剤を乾燥することにより充填することもできる。
【0013】前述したように、フィルタ特性を向上させ
るためには、材料の屈折率温度依存係数と材料を充填す
る溝幅の積を精度よく一定にする必要がある。溝幅は加
工によって決まるが、エッチングやダイシングにおいて
マスクやブレードの厚みを調節して精度よく加工するこ
とは難しく、また、加工誤差を考慮する必要がある。こ
のため、材料の屈折率温度依存係数を調整する方法が現
実的である。幸い、屈折率温度依存係数は同種の材料で
あれば、ほぼ加成性が成り立つため2種類または3種類
以上の材料の配合比を変えることにより、任意でかつ配
合後の屈折率を予測できる。
【0014】また、本発明で用いるような屈折率温度依
存係数が大きい材料を使用する場合は、加工する充填箇
所の実効的な幅が小さくなり、実効的な幅に対する加工
精度の比がAWGのフィルタ特性に大きく影響する。こ
の場合、実効的な溝の幅に合わせて、充填するポリオレ
フィン系材料の屈折率の温度依存係数値を最適化する方
法がフィルタ特性を向上させる最も簡易な方法である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 <各種ポリオレフィンの屈折率温度依存係数と示差熱分
析結果>各種ポリオレフィン系材料のサンプルを加熱し
ながら加圧することにより、200から500μm程度
の薄膜を作製した。これらのサンプルの各温度に対する
屈折率はアタゴ社製のアッベ屈折率計2Tを用いて測定
し、その温度に対する屈折率の傾きから屈折率温度依存
係数(dn/dT)を求めた。その結果を表1に示す。
また、これらのサンプルの示差熱分析はセイコーインス
ツルメンツ社製のDSC6200を用いて測定し、その
結果を表1に示してある。なお、示差熱分析の温度条件
は30℃で3分間保持した後に、10℃/分の昇温条件
で30℃から150℃まで昇温し、更に100℃/分の
降温条件で150℃から30℃まで冷却し、熱履歴を除
去したのち、同様の温度条件で試験を行い、その測定結
果を用いて評価した。表1から、5×10-4以上の負の
温度依存係数の絶対値が大きなポリオレフィン系材料は
140℃以下に吸熱域があることを示しているが、ポリ
オレフィン系材料であっても、吸熱域がないものは負の
温度依存係数の絶対値が小さく、本発明で使用される材
料には含まれないことが判る。
【0016】
【表1】
【0017】実施例1 アレイ導波路格子型波長合分波器(AWG)のクラッド
およびコアの一部に扇形状の溝(短辺5μm、長辺5
0.5μm)を反応性イオンエッチングにより、2個形
成した。なお、ここで扇形の短辺、長辺はAWGの光導
波路部分での寸法で表示してある。そこにポリエチレン
フィルム( DIVERSIFIED BIOTECH社製、商品名;デュラ
シール)を細かく切断し、溝上に置き、180℃にAW
Gを加熱することにより、ポリエチレンを融解させ、溝
に充填した。なお、本実施例および以下の実施例、比較
例ではAWGの2ケのスラブ導波路を結ぶ光導波路の中
間位置には、偏波依存性を解消するため、ポリイミド1
/2波長板を挿入している。ポリイミド1/2波長板を
挿入する方法について、例えば、NTT R&D,Vo
l.43 No.11,p1299−1308,199
4年に記載されている方法を用いることができる。な
お、デュラシールの示差熱分析グラフは図3に示すとお
りである。
【0018】なお、作製したAWGは波長1.55μm
の帯域で動作し、そのチャンネル間隔は1.6nm、チ
ャンネル数は1×8本、隣接する導波路格子の長さの差
は49.2μm、隣接する溝の長さの差は1.3μm、
アレイ導波路本数93本である。1本の入射ポートに波
長可変レーザを接続し、ある1本の出射ポートからフィ
ルター光をモニターした。素子全体を温度湿度を正確に
制御できる環境試験器に入れ、温度をステップ的に上昇
させ、十分に熱平衡状態になってからフィルター光の波
長を調査した。その結果、溝を形成し、ポリエチレンフ
ィルムを充填しなかった従来のAWGと比較すると、0
から85℃における中心波長の変化は、従来のAWGで
は0.95nmであったものが、本発明のAWGでは
0.04nmと低減することができた。また、ポリエチ
レン挿入溝を設けたことによる過剰損失は1.8dBで
あった。
【0019】実施例2 実施例1において、ポリエチレンをデュラシール( DIV
ERSIFIED BIOTECH社製)の代わりに、220P(三井化
学社製)を用い、AWGのクラッドおよびコアの一部に
扇形状の溝を実施例1と同様に作製し、この時、扇形の
短辺20μm、長辺49.5μmとした以外は、実施例
1と同様にしてAWGを作製した。このAWGの1本の
入射ポートに波長可変レーザを接続し、ある1本の出射
ポートからフィルター光をモニターした。素子全体を温
度湿度を正確に制御できる環境試験器に入れ、温度をス
テップ的に上昇させ、十分に熱平衡状態になってからフ
ィルター光の波長を調査した。その結果、溝を形成し、
ポリエチレン材料を充填しなかった従来のAWGと比較
すると、0から85℃における中心波長の変化は、従来
のAWGでは0.95nmであったものが、本発明のA
WGでは0.03nmと低減することができた。ポリエ
チレン挿入溝を設けたことによる過剰損失は8.0dB
であった。なお、220Pの示差熱分析グラフは図4に
示すとおりである。
【0020】実施例3 実施例1において、ポリエチレンをデュラシール( DIV
ERSIFIED BIOTECH社製)の代わりに、ネオワックスLA
05(ヤスハラケミカル社製)を用い、AWGのクラッ
ドおよびコアの一部に扇形状の溝を実施例1と同様に作
製し、この時、扇形の短辺10μm、長辺46.5μm
とし、溝の数を1個とした以外は、実施例1と同様にし
てAWGを作製した。このAWGの1本の入射ポートに
波長可変レーザを接続し、ある1本の出射ポートからフ
ィルター光をモニターした。素子全体を温度湿度を正確
に制御できる環境試験器に入れ、温度をステップ的に上
昇させ、十分に熱平衡状態になってか1フィルター光の
波長を調査した。その結果、溝を形成し、ポリエチレン
材料を充填しなかった従来のAWGと比較すると、0か
ら85℃における中心波長の変化は、従来のAWGでは
0.95nmであったものが、本発明のAWGでは0.
04nmと低減することができた。ポリエチレン挿入溝
を設けたことによる過剰損失は5.0dBであった。な
お、ネオワックスLA05の示差熱分析グラフは図5に
示すとおりである。
【0021】実施例4 実施例3において、93本のアレイ導波路を横切る扇型
の短い弧が5.0μm、長い弧が45.0μmとなるよ
うに作製した。この場合の隣接する溝の長さの差は、4
0.0μm/92=0.435μmである。そこで、こ
の光路差に合うような屈折率温度変化係数を求めると、 1.0 ×10-5×49.2/0.435 =11.3×10-4 となった。波長1.55μmで11.3×10-4の温度係数を有す
る材料を作製するため、表1のポリエチレンよりネオワ
ックスLA05とネオワックスLを選択し、最適混合比
を計算した。この時、温度係数(dn /dT) を波長589.3
nmに換算すると、必要な温度係数は−16.1×10-4であっ
た。その結果、ネオワックスLA05とネオワックスL
を68:32の割合で混合すればよいことが判る。そこ
でネオワックスLA05とネオワックスLを上記割合で
溶融混合し、混合物の固形物を得た。混合物の屈折率温
度依存係数をアッベ屈折計で測定したところ、dn/dT が
−16.1×10-4であった。AWGの扇の部分に本混合物を
充填した。充填後のAWGのフィルタ特性の温度依存性
は0°から85°における中心波長の温度変化は、従来
のAWGでは0.95nmであったものが、本発明のA
WGでは0.03nmと低減できた。また、過剰損失は
4.0dBと低かった。なお、本例では2種を混合して
いるが、必要に応じて3種類以上でも構わない。
【0022】比較例1 実施例1において、ポリエチレンをデュラシール( DIV
ERSIFIED BIOTECH社製)の代わりに、COC T910
(ヘキスト社製)を用いた以外は、実施例1と同様にし
てAWGを作製した。このAWGの1本の入射ポートに
波長可変レーザを接続し、ある1本の出射ポートからフ
ィルター光をモニターした。素子全体を温度湿度を正確
に制御できる環境試験器に入れ、温度をステップ的に上
昇させ、十分に熱平衡状態になってからフィルター光の
波長を調査した。その結果、溝を形成し、ポリエチレン
材料を充填しなかった従来のAWGの0から85℃にお
ける中心波長の変化が0.95nmに対して、比較例の
AWGでは0.6nmと低減率が小さかった。また、扇
形状の溝(短辺20μm、長辺80μm)を8個設ける
ことにより、0から85℃における中心波長の変化は
0.10nmに低減したが、ポリエチレン挿入溝を設け
たことによる過剰損失は15.0dBと大きくなってし
まった。
【0023】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の温度補償型平
面光導波路部品用温度補償材料とその温度補償型平面光
導波路部品を用いれば、波長フィルター、アレイ導波路
格子型波長合分波器において、導波路を切断する溝幅を
小さくあるいは溝の数を低減しても、温度変化による波
長シフトが非常に小さくなり、温度変動の大きな場所で
も温度制御装置による温度管理を必要とせずに使用で
き、かつ高信頼性、低コスト化、部品および装置の小型
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学部品の一例の平面図
【図2】図1のA−A′線断面図で、(イ)は上部クラ
ッドのみに溝を設けて(コアには溝を設けない)、ポリ
オレフィン系材料を充填した場合、(ロ)は上部クラッ
ドおよびコアに溝を設けて、ポリオレフィン系材料を充
填した場合、(ハ)は下部クラッドの途中まで溝を設け
て、ポリオレフィン系材料を充填した場合を示す。
【図3】本発明の実施例1のデュラシールの示差熱分析
グラフ。
【図4】本発明の実施例2の220pの示差熱分析グラ
フ。
【図5】本発明の実施例3のネオックスLA05の示差
熱分析グラフ。
【符号の説明】
1 入射ポート 2 カップラあるいはスラブ導波路 3 (アレイ)導波路 4 充填剤(ポリオレフィン系材料) 5 溝 6 出射ポート 7 基板 8 下部クラッド 9 上部クラッド 10 コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 助川 健 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 (72)発明者 小渕 秀澄 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 (72)発明者 有島 功一 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 吉田 卓史 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA02 KA04 KA12 KB06 LA01 LA19 QA04 QA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英系材料からなるコアおよびクラッド
    を有する平面型光導波路において、該コアおよび該クラ
    ッドの一方または両方の一箇所または複数箇所に充填す
    る材料であって、負の屈折率温度依存係数を持つ該平面
    型光導波路の温度補償特性を有し、示差熱分析において
    140℃以下の温度領域で吸熱域を示すポリオレフィン
    系材料からなることを特徴とする温度補償型平面光導波
    路部品用温度補償材料。
  2. 【請求項2】 石英系材料からなるコアおよびクラッド
    を有する平面型光導波路において、該コアおよび該クラ
    ッドの一方または両方の一箇所または複数箇所を、示差
    熱分析において140℃以下の温度領域で吸熱域を示す
    ポリオレフィン系材料で充填してなることを特徴とする
    温度補償型平面光導波路部品。
  3. 【請求項3】 石英系材料からなるコアおよびクラッド
    を有する平面型光導波路において、該コアおよび該クラ
    ッドの一方または両方の一箇所または複数箇所に、示差
    熱分析において140℃以下の温度領域で吸熱域を示す
    ポリオレフィン系材料を、当該個所がコアを切断した実
    効的な幅に応じた最適な屈折率温度変化率を持つように
    複数混合し、充填してなることを特徴とする温度補償型
    平面光導波路部品。
JP30174998A 1998-10-09 1998-10-09 温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料およびこれを用いた温度補償型平面光導波路部品 Expired - Fee Related JP3880222B2 (ja)

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