JP3880222B2 - 温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料およびこれを用いた温度補償型平面光導波路部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信、センサー、計測器等に用いられる光導波路型光フィルター、光波長合分波器等の平面型光導波回路に関し、さらに詳しくは、温度変動に伴う特性変動を抑制した平面型光導波回路であり、光導波回路そのものが温度補償効果を有する光導波回路に用いられる温度補償材料および温度補償型平面光導波路部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シリコンや石英に代表される基板上に設けられたコア、クラッド構造を持つ石英系光導波回路は、光導波路を伝搬する信号光の位相や干渉を制御することにより、光分岐、光スイッチ、波長多重等の機能を持つ光回路を構成でき、光通信や計測器における基本技術の一つになっている。
ところが、マッハツェンダ(MZ)型光フィルタやアレイ光導波路格子(AWG)型の光フィルタ・波長合分波器のようにその光フィルタ特性が光導波路長に依存する部品では部品温度の変化に対してフィルタ波長が大きく変化する。このため、フィルタ波長がズレる、あるいは異なる波長間(チャンネル間)へのクロストークが発生する等の問題が生じる。これを防ぐために、ヒーターもしくはぺルチェ素子と温度制御回路の導入で部品温度を安定化することが行われている。しかし、この温度制御に要する電力は部品当たり数ワットにのぼり、部品の消費電力が増大するとの問題が発生する。また、部品の価格を増大させるという問題、大型化するという問題等の問題も発生する。このため、部品の取扱いを向上させるためにも、環境温度に依存することなく安定に動作可能な光部品の実現が望まれている。
【0003】
そもそも温度によるフィルタ波長の変化は、光導波路を構成する材料の屈折率変化に起因する。この点に着目して、負の屈折率温度係数を持つ材料を光導波路に導入することによって、光導波路全体の屈折率温度係数を相殺する温度無依存化の手法が提案されている(1998年電子情報通信学会総合大会、C−3−116、C−3−117および、Y.Inoue 他,Electron Letters, Vol.33 No.23, P1945-1946,1997年)。
この提案では、負の温度係数の絶対値が、3.7〜3.9×10-4のシリコーン系樹脂を用いており、0℃〜85℃までの温度領域でAWG部品の透過スペクトルが極めて小さくなることが示されている。
【0004】
このように温度依存性を低減するためには、光導波路の設計として以下の式を満足する必要がある。
d(n1 ・ΔL1 )/dT+d(n2 ・ΔL2 )/dT=0
ここで、Tは温度、n1 は光導波路の実効屈折率、ΔL1 は隣接する光導波路との長さの差、n2 は負の温度係数を持つ材料の屈折率、ΔL2 は隣接する光導波路に挿入する負の温度係数を持つ材料の挿入長さである。この式から、負の温度係数を持つ材料を挿入する光導波路長は、負の温度係数の絶対値が大きいほど小さくできる事がわかる。負の温度係数を持つ材料を挿入する部分は通常のコア、クラッドを持つ光導波路の必要部分をエッチング等の方法で取り除くことになり、光の導波構造を持たない。このため、挿入部分の長さが長くなると、光の損失が大きくなるとの問題がある。通常、石英系平面型光導波回路に用いられる光導波路の実効屈折率の温度依存性は、1×10-5(/℃)であり、例えば、負の温度係数が−3.9×10-4であれば、光導波路の長さの1/39の長さの挿入部分があれば石英系光導波路の温度依存性を補償できる。
【0005】
ところで、これを提案されているAWGの例で見ると、該AWGでは、アレイ導波路の数が93であり、温度依存性を補償するためのΔL2 は1.3μmである。該提案の報告では、最も長い挿入長さは少なくとも120μm以上となる。このような長い距離をコア、クラッド構造を持たずに光が伝搬した場合、その損失は極めて大きくなる。これを防ぐには、負の温度係数を持つ材料を挿入する長さを短くする、すなわち、負の温度係数を持つ材料を挿入する部分を複数に分割することで、一つの挿入部分の最大挿入長を短くすることが必要である。しかしながら、負の温度係数の絶対値が十分高くない場合には、必要とされる挿入長は長くなり、挿入部分の分割が多くなることは避けられない。挿入部分の分割が多くなると、部品の作製では、挿入部分の面積を確保するために部品が大型化する、複数の挿入部分を精度良く作製するため素子作製の歩留まり確保に多大な労力を必要とする、また、ある場合には工程数が増加するという問題が生じ、複数の挿入部分を設けるために部品の設計が複雑になり、また、部品設計の自由度が低下する等、総じて、設計の自由度低下、作製時の多大な労力、挿入部分が増加することによる信頼性低下、部品作製における歩留まり低下等の問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における上記のような問題点を解決することを目的としてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、大きな負の屈折率温度依存係数の絶対値を持つ温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料とその材料を用いた温度補償型平面光導波路部品を提供することにあり、大きな負の屈折率温度依存係数の絶対値を持つ材料を提供することで、信頼性、経済性の高い部品を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、石英系材料からなるコアおよびクラッドを有する平面型光導波路の該コアおよび該クラッドの一方または両方の一箇所または複数箇所に充填される温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料であって、負の屈折率温度依存係数を持ち、かつ、示差熱分析において140℃以下の温度領域で5mJ/mg以上の吸熱域を示すポリエチレンからなることを特徴とする温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料である(請求項1)。
また、 前記ポリエチレンは、屈折率温度依存係数の異なる複数種のポリエチレンを混合してなることを特徴とする請求項1記載の温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料である(請求項2)。
更に、 請求項1または請求項2記載の温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料が充填されてなることを特徴とする温度補償型平面光導波路部品である(請求項3)。
。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の光学部品の一例(アレイ導波路格子型波長合分波器)の平面図で、図2は図1のA−A′線断面図で、(イ)は上部クラッド9のみに溝5を設け(コア10には溝を設けない)、ポリエチレン4を充填した場合の例を、(ロ)は上部クラッド9とコア10の両方に溝5を設け、ポリエチレン4を充填した場合の例を示す。(ハ)は下部クラッド8の途中まで溝5を設けた例で、場合によっては基板まで溝を設けてもよい。
【0009】
すなわち、図において、1は入射ポート、2はカップラあるいはスラブ導波路、3は(アレイ)導波路、4は充填剤、6は出射ポート、7は基板、8は下部クラッド、9は上部クラッド、10はコアで、光導波路3中にコア10およびクラッド8、9の一方または両方に溝5を設けて、溝5に本発明で用いられる特性のポリエチレン4が充填されており、入射ポート1よりλ1 ,λ2 …のように多数の波長の光が合波して入射し、出射ポート6よりλ1 ,λ2 …のそれぞれ単独の波長に分波されて出射される。
【0010】
本発明に使用されるポリエチレンは、光導波路に設ける溝幅を数十μm以下に押さえるかあるいは、溝の数を少なく抑えるために、大きな屈折率の温度依存係数が必要で、本発明によれば、負の屈折率温度依存係数の絶対値が5×10-4以上の値が得られる。そのためには、示差熱分析において140℃以下に吸熱域を持つポリエチレンを、目的用途に応じて適宜選択して使用すればよい。このために用いられるポリオレフィン系材料としては、120℃以下で吸熱域をもつものが好ましく、100℃以下で吸熱域を示すものが一層好ましい。なお、示差熱分析における140℃以下の吸熱量が大きいポリエチレン程好適であるが、少なくとも5mJ/mg以上あれば良く、より好ましくは15mJ/mg以上のものであり、さらに一層好ましくは30mJ/mg以上のポリエチレンを用いればよい。
【0011】
光導波路を作製する方法は、一般的な光導波路の作製方法を目的用途に応じて適宜選択して作製すればよい。例えば、「NTT R&D,Vol.43 No.11,p1273−1280,1994年」に記載の方法が挙げられる。
【0012】
導波路3に溝5を作製する方法としては、エッチングあるいはダイシングソーにより上部クラッドやコアを除去して作製するか、あるいは上部クラッドまたはコアの作製時に金属マスク等を置き、溝の部分だけ上部クラッドまたはコアを作製しないという手段等がある。なお、溝の作製は素子設計上で任意の形状あるいは分割してもよく、特に限定しない。作製上可能であれば、溝の幅すなわち負の温度依存係数を持つ材料を挿入する長さは短いことが望ましく、この目的で任意の形状および分割して作製してもよい。溝中に本発明のポリエチレンを充填する最も簡単な方法は、光導波路全体あるいは溝の部分を加熱することにより、ポリエチレンを加熱溶融して溝に流し込めば良い。他には、溶剤に溶解して塗布液とした状態で、溝に流し込み、溶剤を乾燥することにより充填することもできる。
【0013】
前述したように、フィルタ特性を向上させるためには、材料の屈折率温度依存係数と材料を充填する溝幅の積を精度よく一定にする必要がある。溝幅は加工によって決まるが、エッチングやダイシングにおいてマスクやブレードの厚みを調節して精度よく加工することは難しく、また、加工誤差を考慮する必要がある。このため、材料の屈折率温度依存係数を調整する方法が現実的である。幸い、屈折率温度依存係数は同種の材料であれば、ほぼ加成性が成り立つため2種類または3種類以上の材料の配合比を変えることにより、任意でかつ配合後の屈折率を予測できる。
【0014】
また、本発明で用いるような屈折率温度依存係数が大きい材料を使用する場合は、加工する充填箇所の実効的な幅が小さくなり、実効的な幅に対する加工精度の比がAWGのフィルタ特性に大きく影響する。この場合、実効的な溝の幅に合わせて、充填するポリエチレンの屈折率の温度依存係数値を最適化する方法がフィルタ特性を向上させる最も簡易な方法である。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<各種ポリオレフィンの屈折率温度依存係数と示差熱分析結果>
各種ポリオレフィン系材料のサンプルを加熱しながら加圧することにより、200から500μm程度の薄膜を作製した。これらのサンプルの各温度に対する屈折率はアタゴ社製のアッベ屈折率計2Tを用いて測定し、その温度に対する屈折率の傾きから屈折率温度依存係数(dn/dT)を求めた。その結果を表1に示す。
また、これらのサンプルの示差熱分析はセイコーインスツルメンツ社製のDSC6200を用いて測定し、その結果を表1に示してある。
なお、示差熱分析の温度条件は30℃で3分間保持した後に、10℃/分の昇温条件で30℃から150℃まで昇温し、更に100℃/分の降温条件で150℃から30℃まで冷却し、熱履歴を除去したのち、同様の温度条件で試験を行い、その測定結果を用いて評価した。
表1から、5×10-4以上の負の温度依存係数の絶対値が大きなポリオレフィン系材料は140℃以下に吸熱域があることを示しているが、ポリオレフィン系材料であっても、吸熱域がないものは負の温度依存係数の絶対値が小さく、本発明で使用される材料には含まれないことが判る。
【0016】
【表1】
【0017】
実施例1
アレイ導波路格子型波長合分波器(AWG)のクラッドおよびコアの一部に扇形状の溝(短辺5μm、長辺50.5μm)を反応性イオンエッチングにより、2個形成した。なお、ここで扇形の短辺、長辺はAWGの光導波路部分での寸法で表示してある。そこにポリエチレンフィルム( DIVERSIFIED BIOTECH社製、商品名;デュラシール)を細かく切断し、溝上に置き、180℃にAWGを加熱することにより、ポリエチレンを融解させ、溝に充填した。なお、本実施例および以下の実施例、比較例ではAWGの2ケのスラブ導波路を結ぶ光導波路の中間位置には、偏波依存性を解消するため、ポリイミド1/2波長板を挿入している。ポリイミド1/2波長板を挿入する方法について、例えば、NTT R&D,Vol.43 No.11,p1299−1308,1994年に記載されている方法を用いることができる。なお、デュラシールの示差熱分析グラフは図3に示すとおりである。
【0018】
なお、作製したAWGは波長1.55μmの帯域で動作し、そのチャンネル間隔は1.6nm、チャンネル数は1×8本、隣接する導波路格子の長さの差は49.2μm、隣接する溝の長さの差は1.3μm、アレイ導波路本数93本である。
1本の入射ポートに波長可変レーザを接続し、ある1本の出射ポートからフィルター光をモニターした。素子全体を温度湿度を正確に制御できる環境試験器に入れ、温度をステップ的に上昇させ、十分に熱平衡状態になってからフィルター光の波長を調査した。その結果、溝を形成し、ポリエチレンフィルムを充填しなかった従来のAWGと比較すると、0から85℃における中心波長の変化は、従来のAWGでは0.95nmであったものが、本発明のAWGでは0.04nmと低減することができた。また、ポリエチレン挿入溝を設けたことによる過剰損失は1.8dBであった。
【0019】
実施例2
実施例1において、ポリエチレンをデュラシール( DIVERSIFIED BIOTECH社製)の代わりに、220P(三井化学社製)を用い、AWGのクラッドおよびコアの一部に扇形状の溝を実施例1と同様に作製し、この時、扇形の短辺20μm、長辺49.5μmとした以外は、実施例1と同様にしてAWGを作製した。
このAWGの1本の入射ポートに波長可変レーザを接続し、ある1本の出射ポートからフィルター光をモニターした。素子全体を温度湿度を正確に制御できる環境試験器に入れ、温度をステップ的に上昇させ、十分に熱平衡状態になってからフィルター光の波長を調査した。その結果、溝を形成し、ポリエチレン材料を充填しなかった従来のAWGと比較すると、0から85℃における中心波長の変化は、従来のAWGでは0.95nmであったものが、本発明のAWGでは0.03nmと低減することができた。ポリエチレン挿入溝を設けたことによる過剰損失は8.0dBであった。なお、220Pの示差熱分析グラフは図4に示すとおりである。
【0020】
実施例3
実施例1において、ポリエチレンをデュラシール( DIVERSIFIED BIOTECH社製)の代わりに、ネオワックスLA05(ヤスハラケミカル社製)を用い、AWGのクラッドおよびコアの一部に扇形状の溝を実施例1と同様に作製し、この時、扇形の短辺10μm、長辺46.5μmとし、溝の数を1個とした以外は、実施例1と同様にしてAWGを作製した。
このAWGの1本の入射ポートに波長可変レーザを接続し、ある1本の出射ポートからフィルター光をモニターした。素子全体を温度湿度を正確に制御できる環境試験器に入れ、温度をステップ的に上昇させ、十分に熱平衡状態になってか1フィルター光の波長を調査した。その結果、溝を形成し、ポリエチレン材料を充填しなかった従来のAWGと比較すると、0から85℃における中心波長の変化は、従来のAWGでは0.95nmであったものが、本発明のAWGでは0.04nmと低減することができた。ポリエチレン挿入溝を設けたことによる過剰損失は5.0dBであった。なお、ネオワックスLA05の示差熱分析グラフは図5に示すとおりである。
【0021】
実施例4
実施例3において、93本のアレイ導波路を横切る扇型の短い弧が5.0μm、長い弧が45.0μmとなるように作製した。この場合の隣接する溝の長さの差は、40.0μm/92=0.435μmである。
そこで、この光路差に合うような屈折率温度変化係数を求めると、
1.0 ×10-5×49.2/0.435 =11.3×10-4
となった。波長1.55μmで11.3×10-4の温度係数を有する材料を作製するため、表1のポリエチレンよりネオワックスLA05とネオワックスLを選択し、最適混合比を計算した。この時、温度係数(dn /dT) を波長589.3 nmに換算すると、必要な温度係数は−16.1×10-4であった。その結果、ネオワックスLA05とネオワックスLを68:32の割合で混合すればよいことが判る。
そこでネオワックスLA05とネオワックスLを上記割合で溶融混合し、混合物の固形物を得た。混合物の屈折率温度依存係数をアッベ屈折計で測定したところ、dn/dT が−16.1×10-4であった。AWGの扇の部分に本混合物を充填した。充填後のAWGのフィルタ特性の温度依存性は0°から85°における中心波長の温度変化は、従来のAWGでは0.95nmであったものが、本発明のAWGでは0.03nmと低減できた。また、過剰損失は4.0dBと低かった。
なお、本例では2種を混合しているが、必要に応じて3種類以上でも構わない。
【0022】
比較例1
実施例1において、ポリエチレンをデュラシール( DIVERSIFIED BIOTECH社製)の代わりに、COC T910(ヘキスト社製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてAWGを作製した。
このAWGの1本の入射ポートに波長可変レーザを接続し、ある1本の出射ポートからフィルター光をモニターした。素子全体を温度湿度を正確に制御できる環境試験器に入れ、温度をステップ的に上昇させ、十分に熱平衡状態になってからフィルター光の波長を調査した。その結果、溝を形成し、ポリエチレン材料を充填しなかった従来のAWGの0から85℃における中心波長の変化が0.95nmに対して、比較例のAWGでは0.6nmと低減率が小さかった。
また、扇形状の溝(短辺20μm、長辺80μm)を8個設けることにより、0から85℃における中心波長の変化は0.10nmに低減したが、ポリエチレン挿入溝を設けたことによる過剰損失は15.0dBと大きくなってしまった。
【0023】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料とその温度補償型平面光導波路部品を用いれば、波長フィルター、アレイ導波路格子型波長合分波器において、導波路を切断する溝幅を小さくあるいは溝の数を低減しても、温度変化による波長シフトが非常に小さくなり、温度変動の大きな場所でも温度制御装置による温度管理を必要とせずに使用でき、かつ高信頼性、低コスト化、部品および装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学部品の一例の平面図
【図2】図1のA−A′線断面図で、(イ)は上部クラッドのみに溝を設けて(コアには溝を設けない)、ポリエチレンを充填した場合、(ロ)は上部クラッドおよびコアに溝を設けて、ポリエチレンを充填した場合、(ハ)は下部クラッドの途中まで溝を設けて、ポリオレフィン系材料を充填した場合を示す。
【図3】本発明の実施例1のデュラシールの示差熱分析グラフ。
【図4】本発明の実施例2の220pの示差熱分析グラフ。
【図5】本発明の実施例3のネオックスLA05の示差熱分析グラフ。
【符号の説明】
1 入射ポート
2 カップラあるいはスラブ導波路
3 (アレイ)導波路
4 充填剤(ポリエチレン)
5 溝
6 出射ポート
7 基板
8 下部クラッド
9 上部クラッド
10 コア
Claims (3)
- 石英系材料からなるコアおよびクラッドを有する平面型光導波路の該コアおよび該クラッドの一方または両方の一箇所または複数箇所に充填される温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料であって、負の屈折率温度依存係数を持ち、かつ、示差熱分析において140℃以下の温度領域で5mJ/mg以上の吸熱域を示すポリエチレンからなることを特徴とする温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料。
- 前記ポリエチレンは、屈折率温度依存係数の異なる複数種のポリエチレンを混合してなることを特徴とする請求項1記載の温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料。
- 請求項1または請求項2記載の温度補償型平面光導波路部品用温度補償材料が充填されてなることを特徴とする温度補償型平面光導波路部品。
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