JP2000119994A - 紙被覆用組成物及び塗被紙 - Google Patents

紙被覆用組成物及び塗被紙

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JP2000119994A JP10294278A JP29427898A JP2000119994A JP 2000119994 A JP2000119994 A JP 2000119994A JP 10294278 A JP10294278 A JP 10294278A JP 29427898 A JP29427898 A JP 29427898A JP 2000119994 A JP2000119994 A JP 2000119994A
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邦昭 川辺
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幸絵 小川
Mitsuo Kitahara
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 顔料100重量部に対し、水溶性高分子
2〜8重量部と以下の共重合体ラテックス5〜12重量
部(固形分換算)とを含有してなることを特徴とする紙
被覆用組成物。 共重合体ラテックス (A)脂肪族共役ジエン系単量体 25 〜55 重量部 (B)エチレン系不飽和酸単量体 0 〜 2 重量部 (C)アミド基含有不飽和単量体 0.5 〜 7 重量部 (D)その他共重合可能な不飽和単量体 36 〜74.5 重量部 (但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量部) からなり全単量体投入終了時の重合転化率を70%以下
に保持して乳化重合を行うことを特徴とし、得られた共
重合体ラテックスの平均粒子径が70〜150nmであ
り、かつゲル含率が85%以上である共重合体ラテック
ス。 【効果】 本発明の紙被覆用組成物は、ハイシェアー粘
度低減と機械的安定性が向上するため高速塗工時に発生
し易いブレード下のバックアップロール汚れ等に対し優
れた防止効果を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷用
紙に使用する紙被覆用組成物及び、該組成物を塗工して
なる印刷用紙に関するものである。更に詳しくは、機械
的安定性と高せん断速度下での流動性(以下ハイシェア
ー粘度と略称する)に優れるため高速塗工に好適な紙被
覆用組成物に関するものであり、該組成物を塗工してな
る印刷用紙はオフセット印刷用紙として固有の要求特性
である接着強度、耐ブリスター性等に優れ、更には損紙
や回収印刷用紙を再使用する際に重要な工程である離解
を容易に行える性質を有する紙被覆用組成物及び、該組
成物を塗工してなることを特徴とする印刷用紙に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】紙被覆用組成物(以下塗料と略称する)
のバインダー成分として塗工時の作業性、塗工紙の品質
からスチレン、ブタジエンを主たる成分とする共重合体
ラテックス(以下ラテックスと略称する)が従来から広
範に使用されている。近年、塗料を塗工するマシンは年
々高速化されており、高速塗工における作業性の問題と
してブレード塗工の際に発生するブリーディングの問
題、あるいは両面塗工における特に第二コーターのバッ
クアップロール汚れの発生等に対する改良要求が多くな
ってきている。又、印刷方式はオフセット印刷が主流で
あり、塗料を塗工した印刷用紙に求められる性質として
は印刷光沢、接着強度(ドライピック、ウエットピッ
ク)、耐ブリスター性及び、インキ受理性等があるが、
最近ではコスト低減の目的からバインダー量を減少させ
る要求が多くなってきており、このためより少量のバイ
ンダー配合でも十分な表面強度、印刷光沢等を示すバイ
ンダーが求められている。
【0003】一方、最近は環境保護の観点から一度使用
した印刷用紙を回収し、脱墨、離解工程を経て得られた
再生パルプを混合した所謂、再生印刷用紙の製造が増加
しており、中には100%再生パルプを用いた印刷用紙
も見受けられる様になった。しかしながら顔料塗工され
た印刷用紙は本来、接着強度、耐水性等に優れるため、
新聞紙等の非塗工紙と比較して離解工程に時間がかか
り、更には完全に離解されないまま原紙に混入し品質の
低下を招く等の問題があった。
【0004】これらの要求性能に対し、これまでバイン
ダーの主たる構成成分であるラテックスに種々の改良が
試みられてきた。一般的には共重合体組成比やゲル含率
を最適化する方法や、連鎖移動剤もしくは分子量調節剤
の特定、あるいはラテックスの粒子径とゲル含率の組み
合わせの最適範囲の指定等種々の方法が提案されてき
た。しかしながら、いずれの方法も塗工作業性や印刷適
性の向上のみを目指したものであり塗工紙を再使用する
際重要な工程である離解性に関しては全く配慮されてお
らず、逆に離解性はむしろほとんどが低下の傾向を示す
内容であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記した技術
的課題を背景になされたものであり、塗工紙の接着強度
を大幅に改良し、白紙光沢、印刷光沢、耐ブリスター性
等が向上し、更には塗料のハイシェアー粘度が低く耐ブ
ロッキング性にも優れるため、塗工時のブリーディング
やバックアップロール汚れ等の作業性が良好であり、塗
工された印刷用紙の離解が容易な共重合体ラテックスの
提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の単量体
で構成されるラテックスを乳化重合にて合成するにあた
り、単量体添加中の重合転化率、粒子径及びゲル含率を
所定の範囲に調整することにより得られたラテックスの
乾燥フィルムは耐ブロッキング性と再乳化性に優れるこ
とを発見した。該ラテックスと鉱物性顔料とを主として
含有する塗料はハイシェアー粘度が低いため高速塗工に
好適で、更にラテックスがブロッキングしずらいためロ
ールへの付着が認められず又、得られた塗工紙は接着強
度、印刷光沢、白紙光沢及び耐ブリスター性等の優れた
印刷適性を保持し、更に、ラテックスフィルムが再乳化
性に優れるため塗工紙が離解し易いことを見出し本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、顔料100重量部に対
し、水溶性高分子2〜8重量部と以下の共重合体ラテッ
クス5〜12重量部(固形分換算)とを含有してなるこ
とを特徴とする紙被覆用組成物と、該組成物を塗工して
なるオフセット印刷用紙を提供するものである。
【0008】 共重合体ラテックス (A)脂肪族共役ジエン系単量体 25 〜55 重量部 (B)エチレン系不飽和酸単量体 0 〜 2 重量部 (C)アミド基含有不飽和単量体 0.5 〜 7 重量部 (D)その他共重合可能な不飽和単量体 36 〜74.5 重量部 (但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量部) からなる単量体混合物を分割もしくは連続にて投入し、
全単量体投入終了時の重合転化率を70%以下に保持し
て乳化重合を行うことを特徴とし、得られた共重合体ラ
テックスの平均粒子径が70〜150nmであり、かつ
ゲル含率が85%以上である共重合体ラテックス。
【0009】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明に用いられるラテックスの製造において、該
ラテックスを構成する単量体のうち、(A)脂肪族共役
ジエンとしては例えば、1,3−ブタジエン、2−メチ
ル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジ
エン等が挙げられ、単独あるいは複数種併用で使用する
ことができるが、特に1,3−ブタジエンが好ましい。
脂肪族共役ジエンは25〜55重量部の範囲で使用する
ことができるが25重量部未満ではドライピック等の接
着強度が低下し55重量部を越えると離解性が低下する
ため、好ましくは30〜50重量部、更に好ましくは3
5〜45重量部である。
【0010】(B)エチレン系不飽和酸単量体としては
例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、
クロトン酸、(無水)マレイン酸等のモノ(ジ)カルボ
ン酸やスチレンスルホン酸、2−スルホエチルアクリレ
ート、アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン
酸基含有不飽和単量体及びその塩が挙げられ、単独ある
いは複数種併用で使用することができる。エチレン系不
飽和酸単量体は2重量部を越えると塗料のハイシェアー
下での粘度が高くなり高速塗工に不適となり更に、離解
性も低下するため2重量部以下の使用が好ましい。更に
好ましくは0.1〜1.0重量部である。
【0011】(C)アミド基含有不飽和単量体としては
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチロール(メタ)
アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−ブトキシメチロール(メタ)アクリルアミド
等が挙げられ、これらのアミド基含有不飽和単量体は単
独あるいは複数種併用で使用することができる。アミド
基含有不飽和単量体は0.5〜7重量部の範囲で使用さ
れるが0.5部未満では接着強度、耐ブロッキング性が
低下し、7重量部を越えると塗料のハイシェアー下での
粘度が高くなり高速塗工に不適となるため好ましくは1
〜5重量部、更に好ましくは2〜4重量部である。
【0012】(D)その他共重合可能な不飽和単量体の
種類に関して特に制約はないが、例えばスチレン、α−
メチルスチレン、パラメチルスチレン等の芳香族系ビニ
ル単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等
の不飽和カルボン酸アルキルエステル類、(メタ)アク
リロニトリル等のシアン化ビニル単量体等が好適であ
る。
【0013】本発明におけるラテックスは前記した単量
体を用い、水性媒体(通常は水)に乳化剤、重合開始
剤、分子量調節剤を加えて単量体混合物を分割もしくは
連続で投入しながら乳化重合を行う方法にて製造される
が、全単量体を投入する際、投入終了時の重合転化率を
70%以下に制御して乳化重合を行うことが必須条件で
ある。最終的な重合転化率は、95%以上にするのが好
ましい。重合転化率の制御は重合温度や単量体の投入速
度を適切に制御するか、重合開始剤や分子量調節剤種類
の選択や添加量、添加方法の調節あるいは、これらの方
法の適宜組み合わせにより行われる。単量体投入中の重
合転化率が70%を越えて乳化重合を行った場合は接着
強度と耐ブリスター性のバランスが低下する。重合転化
率は70%以下であれば特に制約はないが、低すぎると
ラテックス中に未反応単量体が多量に残り、残存単量体
の除去に多大な工数がかかるため好ましくは50〜70
%、更に好ましくは60〜70%で行うのが望ましい。
ここで言う重合転化率とは乳化重合中の固形分を測定し
以下の計算式によって求められる。
【0014】 理論固形分:試料採取時点までに投入した単量体量、乳
化剤量、分子量調節剤量、開始剤量は全て固形分、仕込
水量は揮発分とみなして算出した値。
【0015】本発明における乳化重合を行う際に使用さ
れる乳化剤あるいは重合開始剤については特に制限はな
く、乳化剤の例としては例えば高級アルコールの硫酸エ
ステルやアルキルベンゼンスルホン酸の金属塩、アルキ
ルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸の金属塩等のア
ニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキ
ルエステル類、アルキルフェニルエーテル類、アルキル
エーテル類等のノニオン性界面活性剤、及びベタイン類
等の両性界面活性剤が挙げられ単独もしくは複数種併用
で用いられる。又、重合開始剤としては例えば、過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の
過硫酸塩や過酸化水素水等の水溶性開始剤、更には過酸
化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性
開始剤が挙げられ、単独もしくは複数種併用で用いるこ
とができるが、これらの中で特に過硫酸塩類が好適であ
る。本発明の乳化重合における反応温度は50〜100
℃の範囲で選ばれることが望ましいが、より低温での重
合を行う場合には酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン
酸あるいはエルソルビン酸の塩類等、ロンガリットなど
の還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる所謂、レド
ックス重合を行うことができる。又、分子量調節剤とし
ては例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチル
メルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロ
ピオン酸、及びそのエステル類等の硫黄化合物、テトラ
エチルチウラムジスルフィド、ジエチルキサントゲンジ
スルフィド等のジスルフィド類、四塩化炭素、臭化エチ
レン等のハロゲン化アルキル類、ターピノーレン等のテ
ルペノイド類、2,4−ジフェニル−4−メチル1−ペ
ンテン(α−メチルスチレンダイマー)、3−フェニル
−1−ペンテン、1,4−シクロヘキサジエン、ヒドロ
キノン、t−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t
−ブチルフェノール、2,6−キシレノール、等の油溶
性の分子量調節剤、メルカプトエタノール,メルカプト
プロピオン酸、イソプロピルアルコール、アリルアルコ
ール、(メタ)アリルスルホン酸の水溶性の分子量調節
剤等が挙げられる。又、これらの公知の分子量調節剤は
単独でも複数種併用して用いても構わない。本発明にお
いては必要に応じ、重合調節剤として例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム等の金属塩類を添加
することができる。
【0016】本発明におけるラテックスの平均粒子径は
70〜150nmに調整されるが、70nm未満の場合
には白紙光沢、印刷光沢の低下が認められ、150nm
を越えると塗料のハイシェアー下での粘度が高くなり高
速塗工適性が劣るため好ましくは80〜130nm更に
好ましくは90〜120nmである。粒子径の調整は乳
化剤の種類と量の適性化等の公知の方法により行われ
る。尚、共重合体ラテックスの平均粒子径はラテックス
を純水で所定濃度に希釈後コールターエレクトロニクス
社製サブミクロン粒子径測定機にて測定する。又、ラテ
ックスのゲル含率は85%以上が好ましく、85%未満
では接着強度が低下し、離解性が劣る。ゲル含率とは以
下の測定方法によって求められる。
【0017】ポリプロピレン板上に均一にラテックスを
塗工し、室温で一週間放置後80℃の熱風循環乾燥機中
で一時間乾燥する。得られた皮膜を1g精秤し、100
mlのトルエン中に2日間浸漬した後トルエン溶液を1
0ml採取し乾燥後の固形分を秤量する。ゲル含率は以
下の方法で算出する。
【0018】
【0019】本発明の塗料で使用される鉱物性顔料とし
ては例えば、カオリンクレー、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、酸化チタン、サチン白、タルク等の無機
顔料、ポリスチレン、SBR及びフェノール樹脂、尿素
樹脂等の有機顔料がある。又、水溶性高分子としてはデ
ンプン類、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が
挙げられる。
【0020】本発明の塗料中にラテックスは5〜12重
量部の範囲で配合されるが、5重量部未満では塗工紙の
接着強度が劣り印刷時にピッキングが発生する。12重
量部を越えると白紙光沢が低下し、離解性が悪くなる。
水溶性高分子は2〜8重量部の範囲で配合されるが、2
重量部未満では塗料の保水性が低下し、塗工時にブリー
ディングが発生し易くなる。8重量部を越えると塗料の
流動性が悪くなり高速塗工に適さなくなるため好ましく
は3〜8重量部、更に好ましくは3〜6重量部である。
又、本塗料には必要に応じ他のバインダー成分としてポ
リ酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸共重合体のエマルシ
ョンや公知の分散剤、耐水化剤、粘度調節剤、消泡剤等
の添加剤を塗工適性、塗工紙の各種物性、及び離解性を
損なわない程度に併用しても構わない。本紙被覆用組成
物を各種ブレードコーター、ロールコーター等公知の塗
工方法によって原紙に塗工した後、所定の乾燥を経てオ
フセット印刷用紙を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例により何等限定されるものでは
ない。尚、実施例、比較例に用いられる%、及び部数は
特に断りのない限り重量%を意味する。
【0022】〈共重合体ラテックスの製造例A〜G〉撹
伴機付きオートクレーブに、純水100部、表−1に示
す部数の過硫酸ナトリウムとイタコン酸、更に必要量の
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを仕込み窒素置
換にて脱酸素を行った後、撹伴しながら表−1に示す温
度まで昇温を行った。一方、別の撹伴機付きオートクレ
ーブに、表−1に示す部数の単量体、連鎖移動剤ないし
は分子量調節剤、純水40部、及びドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.2部を仕込み混合撹伴を行った
後、一定速度で表―1に示す時間をかけ先のオートクレ
ーブに添加した。添加終了後温度を70℃に昇温し重合
転化率が98%になるまで撹伴を継続した。得られた反
応生成物は水酸化ナトリウム水溶液でPH8.0に調整
した後、スチームストリッピングにより未反応の単量体
及び低揮発分を除去するとともに固形分濃度を50%に
濃縮し、共重合体ラテックスA〜Gを得た。
【0023】
【表1】
【0024】〈共重合体ラテックスの比較製造例H〜
O〉表―2に示す部数の単量体、開始剤、連鎖移動剤等
の原料、及び添加時間に従い製造例と同様の操作を行い
共重合体ラテックスH〜Oを得た。
【0025】
【表2】
【0026】〈実施例1〜7及び比較例1〜11〉共重
合体ラテックスA〜G、及びH〜Oを用いて表−3及び
4に示す配合により紙被覆用組成物を調製した。得られ
た紙被覆用組成物を上質紙に片面の塗工量が乾燥重量が
15g/m2となるようにCLC−6000(Cyli
ndrical LaboratoryCoater:
Weyerhae――user社製)にて塗工速度を1
500m/分で塗工し、赤外線乾燥装置によって20秒
間乾燥を行い、塗工紙を得た。得られた塗工紙を温度2
0℃相対湿度65%の条件にて一昼夜シーズニングを行
い、その後スーパーカレンダー処理を2回行い、オフセ
ット印刷用紙を得た。得られた共重合体ラテックス、塗
料及び、オフセット印刷用紙の各種性能評価を以下の試
験方法に従い行った。評価結果を表−5及び6に示し
た。
【0027】試験方法 (1)ラテックスフィルムの耐ブロッキングテスト ラテックスをポリエステルフィルムの上にドクターブレ
ードにより130℃、40秒間の乾燥した時のフィルム
膜厚が10μになる様に塗工した。その後ラテックスフ
ィルム上に黒羅紗紙を重ねて、線圧50Kg・cm、6
5℃の条件下でカレンダーを通し圧着させた後、黒羅紗
紙をラテックスフィルム上より剥離した。判定は黒羅紗
紙繊維のラテックスフィルム上への転移の程度を目視で
判定し5点法で評価した(5点は転写なし、1点はラテ
ックスフィルム上全面に転写)。
【0028】(2)塗料粘度及びハイシェアー粘度測定 塗料はB型粘度計(60rpm、25℃)にて静置粘度
を、ハーキュレスハィシェアー粘度計(Max8800
rpm、Fボブ)にて8800rpmの見掛粘度を測定
した。
【0029】(3)塗料安定性試験 塗料100gを不揮発分50%に調整し、マロン式機械
安定性試験機にて温度を50℃に保ちながら、加重15
Kg、にて20分間試験した。試験後塗料を#300メ
ッシュの金網で濾過し、濾過残さの乾燥重量を測定し、
ppmで表示した。残さ量が少ない程塗料の安定性は優
れる。
【0030】(4)印刷用紙のドライ強度試験 RI印刷適性試験機(明製作所製)を用い、インキ(東
洋インキSMXタック15)の印刷にて塗工紙表面のむ
け状態を目視にて判定し5点法で評価した(5点を優、
1点を劣)。
【0031】(5)印刷用紙のウエット強度試験 RI印刷適性試験機(明製作所製)を用い、塗工表面に
湿し水を与えた後、インキ(東洋インキSMXタック1
5)の印刷にて、塗工紙表面のむけ状態を目視にて判定
し5点法で評価した(5点を優、1点を劣)。
【0032】(6)印刷用紙の白紙光沢 塗工紙費用面の光沢を村上色差計を使用して60°の角
度で測定した。
【0033】(7)印刷用紙の印刷光沢 RI印刷適性試験機(明製作所製)を用いてオフセット
印刷インキをベタ塗りし、村上色差計を使用して60°
の角度で測定した。
【0034】(8)ブリスター試験 上質紙の表裏面にそれぞれ片面塗工量が乾燥重量で15
g/m2となるようにベンチコーターを用い10m/分
の速度で塗料を塗工し、乾燥は150℃で行った。その
後60℃、線圧150Kg・cmの条件にてスーパーキ
ャレンダー処理を表裏それぞれ2回行い、これにて得ら
れた塗被紙を150〜200℃のオイルバスに浸漬し、
発生するブリスターの数で採点し(ブリスターなし=5
点)、試験片20個の平均で評価した。
【0035】(9)塗工紙の離解性 実施例、比較例で製造した各塗工紙と黒羅紗紙及び水を
以下の配合にて家庭用のミキサーに仕込み60秒間撹伴
した後、濾紙上に吸引濾過した。 塗工紙 2g 黒羅紗紙 2g 水 1000g 濾紙上の離解パルプの状態を目視にて観察し以下の基準
に従って判定した。 濾紙上の状態 評 価 ─────────────────────────────── 均一な灰色で白い塊なし 5点(優) 均一な灰色中に白い微細な塊がわずかに存在 4点 均一な灰色中に白い微細もしくは小さな塊が多く存在 3点 均一な灰色中に白い大小の塊が多く存在 2点 ほとんどが白い大小の塊 1点
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、重合転化率70%以下
で重合し、所定の粒子径とゲル含率に調整された特定の
単量体で構成される共重合体ラテックスはラテックスフ
ィルムの耐ブロッキング性が向上し、更に該ラテックス
を主として含有する紙被覆用組成物のハイシェアー粘度
低減と機械的安定性が向上するため高速塗工時に発生し
易いブレード下のバックアップロール汚れやブリーディ
ング等に対し優れた防止効果を示す。また、該紙被覆用
組成物を塗工してなる塗被紙はオフセット印刷に要求さ
れる表面強度、白紙光沢、耐ブリスター性等の特性に対
して優れるとともに離解が容易でリサイクル使用に好適
なオフセット印刷用紙を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 三男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4L055 AG11 AG27 AG48 AG63 AG70 AG71 AG72 AG74 AG76 AG89 AG97 AH02 AH37 AJ04 EA16 EA29 EA32 EA33 FA13 FA30 GA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料100重量部に対し、水溶性高分子
    2〜8重量部と以下の共重合体ラテックス5〜12重量
    部(固形分換算)とを含有してなることを特徴とする紙
    被覆用組成物。 共重合体ラテックス (A)脂肪族共役ジエン系単量体 25 〜55 重量部 (B)エチレン系不飽和酸単量体 0 〜 2 重量部 (C)アミド基含有不飽和単量体 0.5 〜 7 重量部 (D)その他共重合可能な不飽和単量体 36 〜74.5 重量部 (但し、(A)+(B)+(C)+(D)=100重量部) からなる単量体混合物を分割もしくは連続にて投入し、
    全単量体投入終了時の重合転化率を70%以下に保持し
    て乳化重合を行うことを特徴とし、得られた共重合体ラ
    テックスの平均粒子径が70〜150nmであり、かつ
    ゲル含率が85%以上である共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の紙被覆用組成物を塗工し
    てなるオフセット印刷用紙。
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