JP2000119990A - 製紙用サイズ剤組成物 - Google Patents
製紙用サイズ剤組成物Info
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Abstract
が早く、且つ低温乾燥条件において良好なサイズ効果を
有する中性抄造用サイズ剤を提供する。 【解決手段】 サイズ剤成分として、下記式1で示され
るポリエステル反応物を含有する。 【化1】
Description
するものであって、特に中性抄紙系および低温乾燥条件
において極めて有効な内添サイズ剤、その製造方法、サ
イジング方法に関するものである。
ものが広く使用されていた。ロジン系サイズ剤のサイズ
発現は助剤として使用される硫酸バンドがロジン系サイ
ズ剤の歩留剤及び疎水化剤として作用することに起因し
ていることが古くから知られている。硫酸バンドは解離
すると酸性を呈するためロジン系サイズ剤は酸性で使用
されていた。
題、印刷用紙のコートカラー顔料としての炭酸カルシウ
ム普及に伴う古紙中の炭酸カルシウムの含有量の増大に
伴い中性系で紙を製造する動きが強まっている。従来の
ロジンエマルジョンサイズ剤は主としてα、β−不飽和
二塩基酸で変性した、いわゆる強化ロジンを使用したも
ので、上述したような系において、特に抄造pHが6.
5以上でそのサイズ効果は著しく低下する。そのため、
所定のサイズ度を得るためにはサイズ剤の使用量を増加
せざるを得ないが、そうすると過剰のサイズ剤が使用さ
れてコストが上昇するのみならず、抄紙系における発
泡、ピッチの生成などの操作上の不都合が生じ、また紙
質にも悪影響を及ぼす。また、pH7.5以上では添加
量を増加してもアルキルケテンダイマー(AKD)系、
アルケニルコハク酸無水物(ASA)系のサイズ剤等の
セルロースとの反応性サイズ剤に比べると、満足するサ
イズ性は得られない。AKD、ASAはカチオン澱粉等
を保護コロイドとした分散物として使用されるが、これ
ら反応性サイズ剤の分散物の安定性が悪く、抄紙系に蓄
積すると分散物の破壊に伴い粘着性が増大し、抄紙用具
の汚れなど操業性面で大きな問題となり改善が望まれて
いる。
検討される中で最近、ロジン系中性サイズ剤の提案がさ
れている。その一例として特公平6−4954号公報、
特開平6−313293号公報、特開平7−18917
3号公報、特公平2−36629号公報等に記載された
ものが知られている。
用いたロジン系サイズ剤は古くから知られている。例え
ば、米国特許第3044890号ではロジン類とグリセ
ロール、プロピレングリコールもしくはペンタエリスリ
トールの様な多価アルコール類でエステル化された強化
ロジン分散液が開示されている。英国特許第85978
9号には強化ロジンとアミノアルコール類でエステル化
の混合物が開示されている。これに対し、近年、特公平
2−36629号及び特公平6−4954号は特定の
α、βー不飽和二塩基酸変性ロジンエステルを含む水性
分散液を用いたものが提案されている。このうち、特公
平6−4954号はアルコール成分としてCHOからな
る3価又は4価の多価アルコールを、特公平2−366
29号は第三級アミノアルコールを使用している。
る多価アルコールのα、β−不飽和二塩基酸変性ロジン
エステルを含む水性分散液からなるものであるが、抄紙
pHが7以上のサイジングでのサイズ効果の低下が著し
く大きく中性紙用サイズ剤として必ずしも充分なサイズ
剤とは言えない。また、特公平2−36629号に記載
された発明は、英国特許第859787号のロジンのア
ルカノールアミンエステルと強化ロジン混合物のサイズ
効果は強化ロジンの存在だけから生じ、すなわちロジン
のアルカノールアミンエステルはサイズ性を付与してい
ないのに対し、ロジンの部分アミノアルコールエステル
をα、β−不飽和二塩基酸で変性することにより中性付
近のサイズ性を特徴とするものであることが述べられて
いる。これはアミノアルコールのロジンエステルのロジ
ン部にα、β−不飽和二塩基酸が導入され、これがサイ
ズ発現効果を示す内容と理解される。しかしながら、特
公平6−4954号公報に記された多価アルコールエス
テルに比べると中性付近のサイズ性は優れるが、この公
報に具体的に示されたサイズ剤では良好な乳化物を得る
ことが出来ず、中性付近のサイズ性面でも充分なサイズ
剤とは言えない。
は、アルケニル無水コハク酸類とロジンエステル類と分
散剤とから成るロジン系エマルションサイズ剤が提案さ
れているが、中性領域でのサイズ効果がなお不十分であ
り、改善が求められている。また、アルケニルコハク酸
無水物を中性抄紙用サイズ剤として用いると、エマルシ
ョンの安定性の悪さから、抄紙の直前に乳化分散しなけ
ればならないという作業上の問題や、操業上のピッチの
問題など、ロジン系サイズに劣る部分もある。
あって、安定性に優れ、特に中性領域での立ち上がりが
早く、且つ低温乾燥条件において良好なサイズ効果を得
ることを目的とするものである。
めに鋭意研究を行った結果、本発明者らは特定のロジン
エステル類が安定な形で水に分散されていることを特徴
とする中性抄造用サイズ剤を見い出し、本発明を完成し
た。本発明は、下記式1
不飽和二塩基酸付加ロジン残基、R2は多価アルコール
残基、R3 は炭素数6以上の直鎖状又は分岐鎖状アルキ
ル基又はアルケニル基を示し、n+mは多価アルコール
の水酸基の数に等しく、n、mは1〜3の整数を示す)
で示されるポリエステル反応物が優れたサイズ効果を発
揮することを見いだして完成したものである。上記サイ
ズ剤成分はa)ロジン類とb)多価アルコールとc)ア
ルキル又はアルケニルコハク酸類とd)α、β−不飽和
二塩基酸類とを同時または順次反応させて製造すること
ができるが、好ましくは、ロジンと多価アルコールとを
反応させ、その後アルキルまたはアルケニルコハク酸
類、α、β−不飽和二塩基酸類を反応させるのが良い。
本発明に使用されるa)ロジン類としてはトールロジ
ン、ガムロジン、ウッドロジンあるいはこれらの水素添
加、不均化、ホルミル化変性物があげられる。本発明に
使用されるb)多価アルコールとしてはエチレングリコ
ール、プロピレングリコールなどの2価アルコール、グ
リセリン、トリメチルロールプロパン、トリメチロール
エタンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトールなどの4価アルコール等が用い
られる。これらは単独あるいは混合して用いてもよい。
本発明に使用されるc)アルキル又はアルケニルコハク
酸類は、オレフィン無水マレイン酸との反応生成物を言
い、下記一般式2
好ましくは8〜18の直鎖状又は分岐状のアルキル基又
はアルケニル基を示す)で示される無水物、及びその開
環し酸となったもので、これらは単独あるいは混合して
用いても良い。本発明に使用されるd)α、β−不飽和
二塩基酸類としては無水マレイン酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸無水物、イタコン酸あるいはこれらの
低級アルコールモノエステル等を挙げることができる。
ロジンエステルの仕込み時の全カルボキシル基当量に対
する水酸基当量の比率が、COOH/OH=1/0.5
〜1.2であり、上記α、β−不飽和二塩基酸類の添加
量がロジン100重量部に対して、2〜20重量部であ
ることが好ましい。また、アルキルまたはアルケニルコ
ハク酸類はロジン類に対して1〜40%重量、好ましく
は5〜20%重量で、1%より少ないとサイズ性が不十
分であり、20%以上となると、乳化性に問題あり、サ
イズ性も向上しない。本発明で示される、特定のロジン
エステルは安定な水分散物を調製して用いられる。その
調製方法は特に限定はされない。即ち、ロジンエステル
を溶融した物を分散剤を用いて、水に分散させてもよ
く、ベンゼン、トルエン等の溶剤を用いて混合後、水分
散物とした後、それらの溶剤を分散物から取り除くこと
で水分散物を得てもよい。乳化分散剤としては、特に限
定しないが、基本的には疎水性基、非イオン性親水基及
び/またはイオン性親水基を持つ合成高分子あるいは一
般の天然高分子系乳化剤が使用でき、例えば、スチレン
(メタ)アクリル酸系モノマーの共重合体部分鹸化物ま
たは完全鹸化物等例示することができる。
施例は本発明を説明するものであり、それを何ら限定す
るものではない。以下の説明において「部」は特に指定
しない限り「重量部」を示す。
ガス導入管を具備した1000m1用四つ口フラスコ
に、窒素ガス導入下でトール油ロジン(酸価170)6
00部を160℃に加熱溶解する。この温度にてプロピ
レングリコール76重量部を仕込む。(COOH:OH
=0.9:1)仕込み終了後、2時間かけて250℃ま
で昇温する。250℃において脱水を反応を行ないなが
ら8時間反応を行う。その後160℃において、平均炭
素数16のオレフィンと無水マレイン酸から得られたア
ルケニルコハク酸無水物を60部仕込み同温度で5時間
反応しIRスペクトルにより無水環の吸収の消失、GP
C分析によりアルケニルコハク酸無水物の反応を確認し
た。ついで無水マレイン酸72部を仕込み、210℃で
2時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は110であっ
た。
かえてグリセリンを62部を用い(COOH:OH=
0.9:1)た他は合成例1と同様にして反応し酸価8
5の樹脂を得た。
かえて、ペンタエリスリトールを69部用い、(COO
H:OH=0.9:1)、無水マレイン酸を54部用い
た他は合成例1と同様にして酸価60の樹脂を得た。
700部にし、アルケニルコハク酸無水物を反応しなか
った以外は合成例2と同様な反応をして酸価78の樹脂
を得た。
700部にし、アルケニルコハク酸無水物、無水マレイ
ン酸を反応しなかった以外は合成例2と同様な反応をし
て酸価45の樹脂を得た。
部に溶解し、アニオン性ポリマー乳化剤50部(有効成
分20%)、イオン交換水350部を添加し、40℃に
てホモミキサーで混合した。続いてこの分散物をピスト
ン型高圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細
分散物を得た。その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若
干の水を溜去して、水分散物を得た。得られた乳化物は
固形分37%を含有していた。上記アニオン性ポリマー
乳化剤は下記のように製造した。80%スチレンスルホ
ン酸ナトリウム粉末18.8部、アクリル酸25部、メ
タクリル酸メチル25部、アクリル酸n−ブチル20
部、アクリル酸2−エチルヘキシル15部、30%ポリ
オキシエチレン(重合度10)ノニルフェニルエーテル
硫酸エステル26.7部、ポリオキシエチレン(重合度
15)ラウリルエステル5部、水400部と過硫酸カリ
ウム2部を混合撹拌し、85℃で5時間保った後、50
℃まで冷却し、20%水酸化ナトリウム61部を徐々に
添加混合し、水を添加し固形分20%、ケン化率90%
の乳白色水溶液を得た。
して乳化物を得た。得られた乳化物は固形分37%を含
有していた。
して乳化物を得た。
と同様にして乳化物を得た。得られた乳化物は固形分3
7%を含有していた。
ン化トールロジン(トールロジン100部に対し無水マ
レイン酸を15部加熱下に反応させて得られる)80部
とアルケニルコハク酸無水物20部をトルエン200部
に溶解し、実施例1と同様にして乳化物を得た。
ニルコハク酸無水物20部をトルエン200部に溶解
し、実施例1と同様にして乳化物を得た。
ムを所定量加え攪拌する。攪拌下でカチオン澱粉を加
え、2分後サイズ剤を添加する。その30秒後に液体硫酸
バンドを添加する。その30秒後、ポリアクリルアマイ
ド系歩留剤を添加する。その30秒後に常法に従い手抄
き試験機を用いて手抄紙(66〜70g/m2 )を調製
した。得られた手抄紙は、温度20℃、湿度65%の恒
温恒湿室にて1日放置後サイズ試験に供した。pHの調
整pH7.5 炭酸カルシウム10%対パルプ、液体硫
酸バンド1%
0.5gを分散させ,液体硫酸アルミニウム(Al
4.2%含有)0.7gを加えてpHを7.3に調整す
る。この液にNa2 SO4 を加えて電気伝導度1000
μS/cmに調整し、この液を合成白水として使用す
る。 方法:上記合成白水にてサイズ剤を希釈し、サイズ剤濃
度0.05%(固形)試験溶液を調整し40℃にてテス
トする。200mlメスシリンダーに100ml試験溶
液を入れ密栓し,10回強く上下に振り,静置し生じた
泡の変化を観察する。
水性分散液500gを入れ、温度25℃にて2ヶ月間保
存して貯蔵安定性テストを行う。生成した凝集沈澱物を
200メッシュ金網にて濾別し、全樹脂に対する析出量
を示す。
法; 大塚電子製) で測定した。 貯蔵安定性:25℃でサイズ剤を保存し、二ヶ月経過後
の析出樹脂%で示した。 泡立ち評価:静置5分後の泡容積: ◎:5ml以下
〇 :6〜30ml △:31ml以上
抄紙系において特に、サイズ添加量の少ない条件及び低
温乾燥条件において優れたサイズ効果を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 サイズ剤成分として、下記式1で示され
るポリエステル反応物を含有することを特徴とする中性
抄造用サイズ剤。 【化1】 (式中、R1 はロジン残基、又はα,βー不飽和二塩基
酸付加ロジン残基、R2は多価アルコール残基、R3 は
炭素数6以上の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基又はアル
ケニル基を示し、n+mは多価アルコールの水酸基の数
に等しく、n、mは1〜3の整数を示す) - 【請求項2】 a)ロジン類とb)多価アルコールとを
反応させ、次いでc)アルキル又はアルケニルコハク酸
類及びd)α,βー不飽和二塩基酸類を反応させ、下記
式1 【化1】 (式中、R1 はロジン残基、又はα,βー不飽和二塩基
酸付加ロジン残基、R2は多価アルコール残基、R3 は
炭素数6以上の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基又はアル
ケニル基を示し、n+mは多価アルコールの水酸基の数
に等しく、n、mは1〜3の整数を示す)で示される化
合物を得、これを水分散させ固形分濃度20〜60%と
した中性抄造用サイズ剤。 - 【請求項3】 ロジン類に対しアルキル又はアルケニル
コハク酸類が1〜40%重量である請求項1又は2記載
の中性抄造用サイズ剤。
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---|---|---|---|
JP30637898A JP4180710B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | 中性抄造用サイズ剤の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30637898A JP4180710B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | 中性抄造用サイズ剤の製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30637898A Expired - Lifetime JP4180710B2 (ja) | 1998-10-12 | 1998-10-12 | 中性抄造用サイズ剤の製造方法 |
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JP (1) | JP4180710B2 (ja) |
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1998
- 1998-10-12 JP JP30637898A patent/JP4180710B2/ja not_active Expired - Lifetime
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