JP2000119671A - 冷凍システム - Google Patents

冷凍システム

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JP2000119671A
JP2000119671A JP29826898A JP29826898A JP2000119671A JP 2000119671 A JP2000119671 A JP 2000119671A JP 29826898 A JP29826898 A JP 29826898A JP 29826898 A JP29826898 A JP 29826898A JP 2000119671 A JP2000119671 A JP 2000119671A
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JP
Japan
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refrigerant
oil
refrigerating machine
machine oil
refrigeration system
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JP29826898A
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Toshikazu Sakai
寿和 境
Kenji Takaichi
健二 高市
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷蔵庫等の冷凍システムにおいて、蒸発器内
での冷凍機油の滞留を防止することを目的とする。 【解決手段】 40℃での動粘度が2〜30mm2 /s
であり、−30℃での動粘度が200mm2 /s以下で
ある冷凍機油を用いることにより、冷媒封入量を極力抑
制した冷凍システムにおいて負荷変動により液冷媒が完
全に気化した場合でも、冷凍機油の流動性が確保でき、
冷媒量を削減しながら、油滞留の問題を回避することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫等の低い蒸
発温度で使用される冷凍システムの安全性向上および効
率向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、冷凍システムに利用されるハイド
ロフルオロカーボン(以下HFCという)系冷媒は、地
球温暖化への影響が大きいことから、ハイドロカーボン
(以下HCという)系冷媒のような自然冷媒への転換が
検討されている。しかしながら、HC系冷媒は可燃性が
あることから、外部へ漏洩した場合の影響を少なくする
ため、冷凍システムに使用する冷媒封入量を抑制する検
討が進められている。
【0003】特に、冷凍システム内に存在する冷凍機油
に溶解する冷媒は、冷凍機油に保持されたままになり、
それ自身冷却作用を果さないことから、本来必要のない
冷媒として削減する必要がある。
【0004】例えば、1994年ハノーバで開催された
自然冷媒に関する国際会議NewApplicatio
ns of Natural Working Flu
ids in Refrigeration and
Air Conditioningにおいて、H.O.
Spauschus氏がHC系冷媒の溶解量が少ない合
成冷凍機油として、ポリアルキレングリコール系油(以
下PAGという)やポリオールエステル系油(以下PO
Eという)の特性を評価している。この結果から、エー
テル結合やエステル結合等の極性の大きい官能基を多く
含む構造の合成冷凍機油に対して、プロパンやイソブタ
ン等のHC系冷媒は、溶解性が低くなるものと推定され
る。
【0005】以下、図面を参照しながら従来の冷凍シス
テムの特徴について説明する。図9はHC系冷媒を用い
た従来の冷凍システムの回路図である。図9において、
1は圧縮機,2は圧縮機1の底部に貯留された冷凍機
油,3は凝縮器,4は冷媒の減圧手段である膨張弁,5
は蒸発器である。ここで、冷凍機油2は40℃での動粘
度が10mm2 /sであり、−30℃での動粘度が20
00mm2 /sである。また、冷凍機油2はHC系冷媒
に対して非相溶であり、代表的な蒸発温度−30℃で約
15%の冷媒が飽和溶解し、この冷媒溶解時の動粘度は
約200mm2 /sとなる。
【0006】次に動作について説明する。圧縮機1で圧
縮された冷媒ガスが凝縮器3で液化され、さらに膨張弁
4で減圧されて気液混合状態となり、蒸発器5に送られ
て蒸発する。蒸発された冷媒は、再び圧縮機1に送り返
されて冷凍システムを循環する。この時、圧縮機1内に
滞留する冷凍機油2には5%以下のHC系冷媒が溶解す
るだけである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、凝縮器や蒸発器において液冷媒が常に存
在すること、すなわち液冷媒が存在して冷凍機油に飽和
溶解していることを前提にしており、冷媒封入量を極力
抑制した冷凍システムにおいて負荷変動により液冷媒が
完全に気化した場合には、冷凍機油への冷媒溶解量がほ
とんどなくなって動粘度が増大し、多量の冷凍機油が滞
留して冷媒の流路阻害の要因となる。特に、低温となる
蒸発器においてはこの現象が顕著に現れる。
【0008】また、蒸発器での冷凍機油の動粘度を下げ
るために、冷媒溶解量の比較的多い冷凍機油を用いて
も、液冷媒が存在しない場合には同様の現象が生じる。
【0009】従って、冷凍システム内に存在する冷凍機
油に溶解する冷媒量を削減しながら、油滞留の問題を回
避する方法が望まれている。
【0010】本発明は、冷蔵庫等の低い蒸発温度で使用
される冷凍システムの安全性向上および効率向上を目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の冷凍シス
テムは、HCを主成分とする冷媒と、40℃での動粘度
が2〜30mm2 /sであり、−30℃での動粘度が2
00mm2 /s以下である冷凍機油とからなるものであ
る。
【0012】この発明によれば、冷凍システム内、特に
低温となる蒸発器に存在する冷凍機油に溶解する冷媒量
を削減しながら、油滞留の問題を回避する効果が得られ
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、ハイドロカーボンを主成分とする冷媒と、40℃で
の動粘度が2〜30mm2 /sであり、−30℃での動
粘度が200mm2 /s以下である冷凍機油とからなる
冷凍システムであり、冷媒封入量を極力抑制した冷凍シ
ステムにおいて負荷変動により液冷媒が完全に気化した
場合でも、冷凍機油の流動性が確保でき、冷媒量を削減
しながら、油滞留の問題を回避するという作用を有す
る。
【0014】請求項2に記載の発明は、ポリアルファオ
レフィンを主成分とする冷凍機油からなる請求項1記載
の冷凍システムであり、冷媒封入量を極力抑制した冷凍
システムにおいて負荷変動により液冷媒が完全に気化し
た場合でも、冷凍機油の流動性が確保でき、冷媒量を削
減しながら、油滞留の問題を回避するという作用を有す
るとともに、比較的高い蒸留温度を確保することができ
るため高温となる圧縮機に潤滑やシールに高い効果を有
する。
【0015】請求項3に記載の発明は、エステルあるい
はエーテルあるいはカーボネート化合物を主成分とする
冷凍機油からなる請求項1記載の冷凍システムであり、
冷媒封入量を極力抑制した冷凍システムにおいて負荷変
動により液冷媒が完全に気化した場合でも、冷凍機油の
流動性が確保でき、冷媒量を削減しながら、油滞留の問
題を回避するという作用を有するとともに、比較的極性
が高く圧縮機内での冷媒の溶解量も削減するという作用
を有する。
【0016】請求項4に記載の発明は、炭素数10〜1
5のハイドロカーボン化合物を添加した冷凍機油からな
る請求項1記載の冷凍システムであり、冷媒封入量を極
力抑制した冷凍システムにおいて負荷変動により液冷媒
が完全に気化した場合でも、冷凍機油の流動性が確保で
き、冷媒量を削減しながら、油滞留の問題を回避すると
いう作用を有するとともに、比較的安価で低温動粘度の
高い鉱油等のハイドロカーボン系冷媒の溶解性が高い油
に炭素数10〜15のハイドロカーボン化合物を配合す
ることで、−30℃での動粘度が200mm2 /s以下
である冷凍機油を安価に実現することができる。
【0017】請求項5に記載の発明は、重合数1〜4の
アルキレングリコールあるいは重合数1〜4のアルキレ
ングリコールの誘導体を添加した冷凍機油からなる請求
項3記載の冷凍システムであり、冷媒封入量を極力抑制
した冷凍システムにおいて負荷変動により液冷媒が完全
に気化した場合でも、冷凍機油の流動性が確保でき、冷
媒量を削減しながら、油滞留の問題を回避するという作
用を有するとともに、比較的安価で低温動粘度の高いエ
ステル系油等のハイドロカーボン系冷媒の溶解性が低い
油に重合数1〜4のアルキレングリコールあるいは重合
数1〜4のアルキレングリコールの誘導体を配合するこ
とで、−30℃での動粘度が200mm 2 /s以下であ
る冷凍機油を安価に実現することができる。
【0018】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図8を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の冷凍システムの回路図
である。図1において、6は冷凍システム,7は圧縮
機,8は凝縮器,9は冷媒の減圧手段である膨張弁,1
0は蒸発器である。圧縮機7はシェル内低圧タイプであ
り、圧縮機7の底部に冷凍機油11を貯留している。冷
凍システム6に封入される冷媒はイソブタンを主成分と
する冷媒である。冷凍機油11は、40℃での動粘度が
約5mm2 /sであり、1−デセンの2量体を主成分と
するポリアルファオレフィン系の冷媒に対して相溶な冷
凍機油である。冷凍機油11の50%蒸留温度は約34
0℃であり、同粘度の鉱油よりも30℃程度高い。
【0019】また、図2は冷凍機油11の低温での動粘
度特性を実施例1として示したものである。ここで、比
較例1はイソブタン冷媒を使用する従来の冷凍システム
に適用されている鉱油系冷凍機油であり、イソブタン冷
媒と相溶である。比較例2と比較例3は比較例1の冷凍
機油にイソブタン冷媒がそれぞれ10%,20%溶解し
たものである。
【0020】次に動作について説明する。圧縮機7で圧
縮された冷媒ガスが凝縮器8で液化され、さらに膨張弁
9で減圧されて気液混合状態となり、蒸発器10に送ら
れて蒸発する。蒸発された冷媒は、再び圧縮機7に送り
返されて冷凍システム6を循環する。この時、圧縮機7
内は蒸発器10と同じ低圧に保たれており、滞留する冷
凍機油11には5%以下のHC系冷媒が溶解するだけで
ある。
【0021】このとき、冷媒封入量を極力抑制した冷凍
システム6において負荷変動により蒸発器10の出口で
液冷媒が完全に気化した場合でも、図2に示したように
冷凍機油11の動粘度は30〜300mm2 /sと低
く、冷凍機油の流動性を維持することができ、流路阻害
が防止できる。
【0022】一方、冷媒に相溶する冷凍機油を用いた従
来の冷凍システムでは、図2に示したように、比較例1
では動粘度が10000mm2 /s近くなる。これは、
従来の冷凍システムでは、蒸発器10内に余剰の液冷媒
が存在することを前提としており、冷媒に対して溶解性
が高く蒸発温度で相溶する冷凍機油を選択することで、
冷媒溶解による動粘度低下を期待しているためである。
【0023】図2で示したように、冷媒が溶解していな
い比較例1では10000mm2 /s近くなる動粘度
が、冷媒が溶解する比較例2,比較例3では1/10〜
1/100まで減少する。この結果、冷凍機油の流動性
を維持することができ、流路阻害が防止できるものであ
る。従って、冷媒封入量を極力抑制した冷凍システム6
においては、本実施例のように冷凍機油自身の動粘度を
制御する必要がある。
【0024】以上のように実施の形態1は、冷媒封入量
を極力抑制した冷凍システムにおいて負荷変動により液
冷媒が完全に気化した場合でも、冷凍機油の流動性が確
保でき、冷媒量を削減しながら、油滞留の問題を回避す
ることができる。また、比較的高い蒸留温度を確保する
ことができるため高温となる圧縮機に潤滑やシールに高
い効果が発揮できる。
【0025】なお、実施の形態1では冷凍機油の40℃
の動粘度を約5mm2 /sとしたが、2〜30mm2
sであれば、圧縮機内での潤滑性を維持することがで
き、同様の効果が期待できる。また、実施の形態1では
1−デセンの2量体を主成分とするポリアルファオレフ
ィン系の冷凍機油としたが、ポリアルファオレフィン単
一あるいは混合物を主成分とする冷凍機油であれば同様
の効果が得られる。
【0026】(実施の形態2)図3は本発明の冷凍シス
テムの回路図である。図3において、12は冷凍システ
ム,13は圧縮機,14は凝縮器,15は冷媒の減圧手
段である膨張弁,16は蒸発器である。圧縮機13はシ
ェル内低圧タイプであり、圧縮機13の底部に冷凍機油
17を貯留している。冷凍システム12に封入される冷
媒はイソブタンを主成分とする冷媒である。冷凍機油1
7は、40℃での動粘度が約5.5mm 2 /sであり、
冷媒に対して非相溶のエーテル系の冷凍機油である。
【0027】また、図4は冷凍機油17の低温での動粘
度特性を実施例2として示したものである。ここで、比
較例4はイソブタン冷媒を使用する従来の冷凍システム
に適用されるエーテル系冷凍機油であり、イソブタン冷
媒と非相溶である。比較例5と比較例6は比較例4の冷
凍機油にイソブタン冷媒がそれぞれ5%,10%溶解し
たものである。
【0028】次に動作について説明する。圧縮機13で
圧縮された冷媒ガスが凝縮器14で液化され、さらに膨
張弁15で減圧されて気液混合状態となり、蒸発器16
に送られて蒸発する。蒸発された冷媒は、再び圧縮機1
3に送り返されて冷凍システム12を循環する。この
時、圧縮機13内は凝縮器14と同じ高圧に保たれてい
るが、滞留する冷凍機油17には5%以下のHC系冷媒
が溶解するだけである。
【0029】このとき、冷媒封入量を極力抑制した冷凍
システム12において負荷変動により蒸発器16の出口
で液冷媒が完全に気化した場合でも、図4に示したよう
に冷凍機油17の動粘度は30〜300mm2 /sと低
く、冷凍機油の流動性を維持することができ、流路阻害
が防止できる。
【0030】一方、冷媒に相溶しない冷凍機油を用いた
従来の冷凍システムでは、図4の比較例4に示したよう
に、冷凍機油単体の動粘度は比較的低く−30℃で10
00mm2 /s程度に抑えられている。しかし、液冷媒
と2相分離した冷凍機油には5〜10%の冷媒が溶解し
て動粘度が低下する。図4に示したように、比較例4で
は1000mm2 /s近くなる動粘度が、冷媒が溶解す
る比較例5,比較例6では1/2〜1/4まで減少す
る。これは、従来の冷凍システムでは、蒸発器16内に
余剰の液冷媒が存在することを前提としており、冷媒に
対して非相溶な冷凍機油でも、冷媒溶解による動粘度低
下を期待しているためである。この結果、冷凍機油の流
動性を維持することができ、流路阻害が防止できるもの
である。従って、冷媒封入量を極力抑制した冷凍システ
ム12においては、本実施例のように冷凍機油自身の動
粘度を制御する必要がある。
【0031】以上のように実施の形態2は、冷媒封入量
を極力抑制した冷凍システムにおいて負荷変動により液
冷媒が完全に気化した場合でも、冷凍機油の流動性が確
保でき、冷媒量を削減しながら、油滞留の問題を回避す
ることができる。また、比較的極性が高く、シェル内高
圧タイプの圧縮機内での冷媒の溶解量も削減することが
できる。
【0032】なお、実施の形態2では冷凍機油の40℃
の動粘度を約5.5mm2 /sとしたが、2〜30mm
2 /sであれば、圧縮機内での潤滑性を維持することが
でき、同様の効果が期待できる。また、実施の形態2で
はHC冷媒に対して非相溶なエーテル系冷凍機油とした
が、エステルあるいはエーテルあるいはカーボネート化
合物を主成分とする冷凍機油であれば同様の効果が得ら
れる。
【0033】(実施の形態3)図5は本発明の冷凍シス
テムの回路図である。図5において、18は冷凍システ
ム,19は圧縮機,20は凝縮器,21は冷媒の減圧手
段である膨張弁,22は蒸発器である。圧縮機19はシ
ェル内低圧タイプであり、圧縮機19の底部に冷凍機油
23を貯留している。冷凍システム18に封入される冷
媒はイソブタンを主成分とする冷媒である。冷凍機油2
3は、冷媒に対して相溶な鉱油系冷凍機油に、炭素数1
2のハイドロカーボン化合物からなる添加剤を約30重
量%配合したものであり、40℃での動粘度が約6mm
2 /sである。
【0034】また、図6は冷凍機油23の低温での動粘
度特性を実施例3として示したものである。ここで、比
較例1はイソブタン冷媒を使用する従来の冷凍システム
に適用されている鉱油系冷凍機油であり、イソブタン冷
媒と相溶である。比較例2と比較例3は比較例1の冷凍
機油にイソブタン冷媒がそれぞれ10%,20%溶解し
たものである。
【0035】次に動作について説明する。圧縮機19で
圧縮された冷媒ガスが凝縮器20で液化され、さらに膨
張弁21で減圧されて気液混合状態となり、蒸発器22
に送られて蒸発する。蒸発された冷媒は、再び圧縮機1
9に送り返されて冷凍システム18を循環する。この
時、圧縮機19内は凝縮器22と同じ低圧に保たれてお
り、滞留する冷凍機油19には5%以下のHC系冷媒が
溶解するだけである。
【0036】このとき、冷媒封入量を極力抑制した冷凍
システム18において負荷変動により蒸発器22の出口
で液冷媒が完全に気化した場合でも、図6に示したよう
に冷凍機油23の動粘度は30〜300mm2 /sと低
く、冷凍機油の流動性を維持することができ、流路阻害
が防止できる。
【0037】一方、冷媒に相溶する冷凍機油を用いた従
来の冷凍システムでは、図6に示したように、比較例1
では動粘度が10000mm2 /s近くなる。これは、
従来の冷凍システムでは、蒸発器22内に余剰の液冷媒
が存在することを前提としており、冷媒に対して溶解性
が高く蒸発温度で相溶する冷凍機油を選択することで、
冷媒溶解による動粘度低下を期待しているためである。
図6で示したように、冷媒が溶解していない比較例1で
は10000mm2 /s近くなる動粘度が、冷媒が溶解
する比較例2,比較例3では1/10〜1/100まで
減少する。この結果、冷凍機油の流動性を維持すること
ができ、流路阻害が防止できるものである。従って、冷
媒封入量を極力抑制した冷凍システム18においては、
本実施例のように冷凍機油自身の動粘度を制御する必要
がある。
【0038】以上のように実施の形態3は、冷媒封入量
を極力抑制した冷凍システムにおいて負荷変動により液
冷媒が完全に気化した場合でも、冷凍機油の流動性が確
保でき、冷媒量を削減しながら、油滞留の問題を回避す
ることができる。また、冷凍機油に配合した炭素数12
のハイドロカーボン化合物は、低温での粘度が低く配合
量によって粘度調整が容易であるため、安価な原料を用
いた基油を選定できる。
【0039】なお、実施の形態3では冷凍機油の40℃
の動粘度を約6mm2 /sとしたが、2〜30mm2
sであれば、圧縮機内での潤滑性を維持することがで
き、同様の効果が期待できる。また、実施の形態3で
は、炭素数12のハイドロカーボン化合物を添加剤とし
て冷凍機油に配合したが、炭素数10〜15のハイドロ
カーボン化合物であれば同様の効果が期待できる。
【0040】(実施の形態4)図7は本発明の冷凍シス
テムの回路図である。図7において、24は冷凍システ
ム,25は圧縮機,26は凝縮器,27は冷媒の減圧手
段である膨張弁,28は蒸発器である。圧縮機25はシ
ェル内高圧タイプであり、圧縮機25の底部に冷凍機油
29を貯留している。冷凍システム24に封入される冷
媒はイソブタンを主成分とする冷媒である。冷凍機油2
9は、冷媒に対して非相溶なエーテル系冷凍機油に、ト
リエチレングリコールのジメチルエーテルからなる添加
剤を約30重量%配合したものであり、40℃での動粘
度が約5.2mm2 /sである。
【0041】また、図8は冷凍機油29の低温での動粘
度特性を実施例4として示したものである。ここで、比
較例4はイソブタン冷媒を使用する従来の冷凍システム
に適用されるエーテル系冷凍機油であり、イソブタン冷
媒と非相溶である。比較例5と比較例6は比較例4の冷
凍機油にイソブタン冷媒がそれぞれ5%,10%溶解し
たものである。
【0042】次に動作について説明する。圧縮機25で
圧縮された冷媒ガスが凝縮器26で液化され、さらに膨
張弁27で減圧されて気液混合状態となり、蒸発器28
に送られて蒸発する。蒸発された冷媒は、再び圧縮機2
5に送り返されて冷凍システム24を循環する。この
時、圧縮機25内は凝縮器26と同じ高圧に保たれてい
るが、滞留する冷凍機油29には5%以下のHC系冷媒
が溶解するだけである。
【0043】このとき、冷媒封入量を極力抑制した冷凍
システム24において負荷変動により蒸発器28の出口
で液冷媒が完全に気化した場合でも、図8に示したよう
に冷凍機油29の動粘度は30〜300mm2 /sと低
く、冷凍機油の流動性を維持することができ、流路阻害
が防止できる。
【0044】一方、冷媒に相溶しない冷凍機油を用いた
従来の冷凍システムでは、図8の比較例4に示したよう
に、冷凍機油単体の動粘度は比較的低く−30℃で10
00mm2 /s程度に抑えられている。しかし、液冷媒
と2相分離した冷凍機油には5〜10%の冷媒が溶解し
て動粘度が低下する。図8に示したように、比較例4で
は1000mm2 /s近くなる動粘度が、冷媒が溶解す
る比較例5,比較例6では1/2〜1/4まで減少す
る。これは、従来の冷凍システムでは、蒸発器28内に
余剰の液冷媒が存在することを前提としており、冷媒に
対して非相溶な冷凍機油でも、冷媒溶解による動粘度低
下を期待しているためである。この結果、冷凍機油の流
動性を維持することができ、流路阻害が防止できるもの
である。従って、冷媒封入量を極力抑制した冷凍システ
ム24においては、本実施例のように冷凍機油自身の動
粘度を制御する必要がある。
【0045】以上のように実施の形態4は、冷媒封入量
を極力抑制した冷凍システムにおいて負荷変動により液
冷媒が完全に気化した場合でも、冷凍機油の流動性が確
保でき、冷媒量を削減しながら、油滞留の問題を回避す
ることができる。また、比較的極性が高く、シェル内高
圧タイプの圧縮機内での冷媒の溶解量も削減することが
できる。また、冷凍機油に配合したトリエチレングリコ
ールのジメチルエーテルは、HC冷媒に非相溶であると
ともに、低温での粘度が低く配合量によって粘度調整が
容易であるため、安価な原料を用いた基油を選定でき
る。
【0046】なお、実施の形態4では冷凍機油の40℃
の動粘度を約5.2mm2 /sとしたが、2〜30mm
2 /sであれば、圧縮機内での潤滑性を維持することが
でき、同様の効果が期待できる。また、実施の形態4で
はHC冷媒に対して非相溶なエーテル系冷凍機油を基油
としたが、エステルあるいはエーテルあるいはカーボネ
ート化合物を主成分とする冷凍機油であれば同様の効果
が得られる。また、実施の形態4では、トリエチレング
リコールのジメチルエーテルを添加剤として冷凍機油に
配合したが、重合数1〜4のアルキレングリコールある
いは重合数1〜4のアルキレングリコールの誘導体であ
れば同様の効果が期待できる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、40℃で
の動粘度が2〜30mm2 /sであり、−30℃での動
粘度が200mm2 /s以下である冷凍機油を用いるこ
とで、冷媒封入量を極力抑制したHC冷媒用冷凍システ
ムにおいて負荷変動により液冷媒が完全に気化した場合
でも、冷凍機油の流動性が確保でき、冷媒量を削減しな
がら、油滞留の問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す冷凍システムの回
路図
【図2】本発明の実施の形態1の冷凍機油の低温での動
粘度を示す図
【図3】本発明の実施の形態2を示す冷凍システムの回
路図
【図4】本発明の実施の形態2の冷凍機油の低温での動
粘度を示す図
【図5】本発明の実施の形態3を示す冷凍システムの回
路図
【図6】本発明の実施の形態3の冷凍機油の低温での動
粘度を示す図
【図7】本発明の実施の形態4を示す冷凍システムの回
路図
【図8】本発明の実施の形態4の冷凍機油の低温での動
粘度を示す図
【図9】従来の冷凍システムの回路図
【符号の説明】
6 冷凍システム 11 冷凍機油

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロカーボンを主成分とする冷媒
    と、40℃での動粘度が2〜30mm2 /sであり、−
    30℃での動粘度が200mm2 /s以下である冷凍機
    油とからなる冷凍システム。
  2. 【請求項2】 ポリアルファオレフィンを主成分とする
    冷凍機油からなる請求項1記載の冷凍システム。
  3. 【請求項3】 エステルあるいはエーテルあるいはカー
    ボネート化合物を主成分とする冷凍機油からなる請求項
    1記載の冷凍システム。
  4. 【請求項4】 炭素数10〜15のハイドロカーボン化
    合物を添加した冷凍機油からなる請求項1記載の冷凍シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 重合数1〜4のアルキレングリコールあ
    るいは重合数1〜4のアルキレングリコールの誘導体を
    添加した冷凍機油からなる請求項3記載の冷凍システ
    ム。
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