JP2000119627A - 接着性硬化シリコーンシートの保存方法 - Google Patents

接着性硬化シリコーンシートの保存方法

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JP2000119627A
JP2000119627A JP10289316A JP28931698A JP2000119627A JP 2000119627 A JP2000119627 A JP 2000119627A JP 10289316 A JP10289316 A JP 10289316A JP 28931698 A JP28931698 A JP 28931698A JP 2000119627 A JP2000119627 A JP 2000119627A
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JP10289316A
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Kimio Yamakawa
君男 山川
Minoru Isshiki
実 一色
Yoshiko Otani
淑子 大谷
Katsutoshi Mine
勝利 峰
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存中に接着性の変化が少なく、その保護剤
と接着せず、製造後長期間にわたる保存後も種々の物品
や部材への接着性が優れており、特には、半導体チップ
を該チップ取付部を良好に接着でき、ひいては信頼性の
優れた半導体装置を製造することができる、接着性硬化
シリコーンシートの保存方法を提供する。 【解決手段】 硬化性シリコーン組成物、例えば、接着
性付与剤を含有するヒドロシリル化反応硬化型シリコー
ン組成物を剥離性基材間でシート状に硬化させてなる接
着性硬化シリコーンシートを、相対湿度が50%未満、
好ましくは25%未満である雰囲気、例えば、吸湿剤を
同封した密閉容器中に保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着性硬化シリコ
ーンシートの保存方法に関する。詳しくは、保存中に接
着性の変化が少なく、その保護剤と接着せず、製造後長
期間にわたる保存後も種々の物品や部材への接着性が優
れており、特には、半導体チップを該チップ取付部に良
好に接着でき、ひいては信頼性の優れた半導体装置を製
造することができる、接着性硬化シリコーンシートの保
存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体チップを該チップ取付部に
接着するには液状硬化性シリコーン組成物ないしはペー
スト状硬化性シリコーン組成物等のシリコーン系接着剤
が用いられていた。このようなシリコーン系接着剤とし
ては、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アル
ケニル基を有するオルガノポリシロキサン、一分子中に
少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオル
ガノポリシロキサンおよびヒドロシリル化反応用触媒か
ら少なくともなるヒドロシリル化反応硬化性シリコーン
組成物が知られていた。さらに、接着促進剤として、一
分子中にケイ素原子結合アルコキシ基およびケイ素原子
結合アルケニル基もしくはケイ素原子結合水素原子をそ
れぞれ少なくとも1個ずつ有するオルガノシロキサンオ
リゴマーを配合してなる硬化性シリコーン組成物(特開
平3−157474号公報参照)が知られていた。
【0003】しかし、このような硬化性シリコーン組成
物は、硬化途上に、低粘度の液状シリコーンが滲み出し
て、この組成物の周囲を汚染するという問題があった。
この低粘度液状シリコーンは、主成分のオルガノポリシ
ロキサンに含まれる低重合度のオルガノシロキサンオリ
ゴマーであったり、接着促進剤に含まれている低重合度
のオルガノシロキサンオリゴマーであるため、これらを
完全に取り除くことは非常に困難であった。このため、
このような硬化性シリコーン組成物を用いて半導体チッ
プと該チップ取付部を接着した後には、該チップ上のボ
ンディングパッドとボンディングワイヤやビームリード
とのワイヤボンダビリティ(接合性)が低下したりし
て、得られる半導体装置の信頼性が乏しくなるという問
題があった。このような問題点を解決する方法として、
硬化性液状シリコーン組成物を予め硬化させてシート状
に成形した接着剤を用いる方法が提案されている(特開
昭59−87840号公報参照)が、このような接着性
硬化シリコーンシートは、必ずしも保存安定性が充分で
はなく、長期間保存すると、接着性が低下したり、該シ
リコーン系接着性シートの保護材と接着してしまい、剥
離できなくなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題の達成について鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の目的は、保存中に接着性の変化
が少なく、その保護剤と接着せず、製造後長期間にわた
る保存後も種々の物品や部材への接着性が優れており、
特には、半導体チップを該チップ取付部を良好に接着で
き、ひいては信頼性の優れた半導体装置を製造すること
ができる、接着性硬化シリコーンシートの保存方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、硬化性シ
リコーン組成物を剥離性基材間でシート状に硬化させて
なる接着性硬化シリコーンシートを、相対湿度が50%未
満である雰囲気に保存することにより達成される。な
お、本発明では、硬化は完全硬化のみならず、硬化が不
完全な状態、いわゆる、半硬化を含む。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用される硬化性シリコ
ーン組成物は、室温ないし加熱下で架橋してゲル状ない
しゴム状になり、室温下あるいは加熱下で他の基材と接
触させておくことにより接着するものであれば、特に制
限されない。硬化機構の代表例として、縮合反応硬化
型、有機過酸化物硬化型およびヒドロシリル化反応硬化
型があるが、副生物を発生することなく速やかに均一に
硬化する点で、ヒドロシリル化反応硬化型が好ましい。
そのうちでも、他の基材によく接着する点で、接着性
付与剤を含有するヒドロシリル化反応硬化型のものが好
ましい。接着性付与剤は、有機ケイ素化合物系の接着性
付与剤、すなわち、オルガノシラン系やオルガノシロキ
サンオリゴマー系のものが好ましい。
【0007】ヒドロシリル化反応硬化型シリコーン組成
物の代表例は、(A)一分子中に少なくとも2個のケイ
素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサ
ン、(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合
水素原子を有するオルガノポリシロキサン、(C)
(1)一分子中にケイ素原子結合アルケニル基もしくは
ケイ素原子結合水素原子およびケイ素原子結合アルコキ
シ基をそれぞれ少なくとも1個ずつ有するオルガノシロ
キサン、および/または(2)一分子中にケイ素原子結
合アルコキシ基を少なくとも1個有するオルガノシラン
もしくはオルガノシロキサンと(3)一分子中にケイ素
原子結合ヒドロキシ基とケイ素原子結合アルケニル基を
それぞれ少なくとも1個ずつ有するオルガノシロキサン
の混合物、および(D)ヒドロシリル化反応用触媒から
なるヒドロシリル化反応硬化型オルガノポリシロキサン
組成物である。
【0008】(A)成分は、上記組成物の主剤であり、
そのアルケニル基が(B)成分中のケイ素原子結合水素
原子とヒドロシリル化反応して架橋する。この(A)成
分の分子構造は、直鎖状が一般的であるが、一部分枝を
有する直鎖状、分枝鎖状あるいは網状であってもよい。
(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基としては、
ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキ
セニル基が例示され、ビニル基であることが好ましい。
(A)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合し
た基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキ
ル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基
等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラル
キル基;3-クロロプロピル基、3,3,3−トリフル
オロプロピル基、4,4,4,3,3-ペンタフルオロ
ブチル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非
置換の一価炭化水素基が例示され、特に、メチル基の
み、またはメチル基とフェニル基であることが好まし
い。また、得られる接着性硬化シリコーンシートが優れ
た耐寒性を有し、このシリコーン系接着性シートを用い
て製造した半導体装置の信頼性がより向上することか
ら、(A)成分中のケイ素原子に結合した有機基中のフ
ェニル基含有量が1モル%以上であることが好ましく、
1〜60モル%の範囲内であることが好ましく、1〜3
0モル%の範囲内であることがより好ましい。このアル
ケニル基の結合位置としては、分子鎖末端のみ、分子鎖
側鎖のみ、分子鎖末端と分子鎖側鎖が例示される。ま
た、(A)成分の粘度は限定されないが、硬化作業性の
点で、25℃における粘度が100〜1,000,000m
Pa・sであることが好ましい。
【0009】(B)成分は、(A)成分の架橋剤であ
り、そのケイ素原子結合水素原子が(A)成分中のアル
ケニル基とヒドロシリル化反応して、架橋させる。この
(B)成分の分子構造としては、直鎖状、一部分枝を有
する直鎖状、分枝鎖状、環状および網状が例示される。
(B)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合した基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル
基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等
のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキ
ル基;3-クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオ
ロプロピル基、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブ
チル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置
換の一価炭化水素基が例示される。特に、メチル基の
み、またはメチル基とフェニル基であることが好まし
い。また、この(B)成分の粘度は限定されないが、一
般に25℃における粘度が1〜10,000mPa・sであ
る。
【0010】(B)成分の配合量は、上記組成物を硬化
させるに十分な量であり、これは、上記(A)成分中の
ケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、ケイ素原
子結合水素原子が0.5〜10モルの範囲内となる量である
ことが好ましく、1〜3モルであることがより好まし
い。これは、上記組成物において、ケイ素原子結合アル
ケニル基1モルに対して、ケイ素原子結合水素原子がこ
の範囲未満のモル数であると、上記組成物が硬化しなく
なる傾向があり、一方、この範囲をこえるモル数である
と、上記組成物の硬化物の耐熱性が低下する傾向がある
からである。
【0011】(C)成分は、上記組成物の硬化物に良好
な接着性を付与するための成分である。これには、
(1)一分子中にケイ素原子結合アルケニル基もしくは
ケイ素原子結合水素原子およびケイ素原子結合アルコキ
シ基をそれぞれ少なくとも1個ずつ有するオルガノシロ
キサン、および/または(2)一分子中にケイ素原子結
合アルコキシ基を少なくとも1個有するオルガノシラン
もしくはオルガノシロキサンと(3)一分子中にケイ素
原子結合ヒドロキシ基とケイ素原子結合アルケニル基を
それぞれ少なくとも1個ずつ有するオルガノシロキサン
の混合物がある。
【0012】この(C)(1)成分と(C)(2)成分の
うちのオルガノシロキサンの分子構造としては、直鎖
状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環状、網状が
例示され、直鎖状、分枝鎖状または網状が好ましい。こ
のオルガノシロキサン中のケイ素原子結合アルケニル基
としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニ
ル基、ヘキセニル基が例示され、ビニル基が好ましい。
また、このオルガノシロキサン中のケイ素原子結合アル
コキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示され、メ
トキシ基が好ましい。また、このオルガノシロキサン中
のアルケニル基、水素原子およびアルコキシ基以外のケ
イ素原子に結合した基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネ
チル基等のアラルキル基; 3−クロロプロピル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化ア
ルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;3
−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基
等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)プロピル基等の(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)アルキル基;4−オキシラニルブチル基、
8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル
基等のエポキシ含有一価有機基が例示される。各種基材
に対しても良好な接着性を付与することができることか
ら、一分子中にケイ素原子結合アルコキシ基を少なくと
も3個とエポキシ含有一価有機基を少なくとも1個有す
ることが好ましい。その粘度は限定されないが、25℃
において1〜500mPa・sであることが好ましい。
【0013】また、(C)(2)成分のうちのオルガノ
シラン中のケイ素原子に結合したアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基、メトキシエトキシ基が例示され、特に、メトキシ基
であることが好ましい。また、このオルガノシランはア
ルコキシ基以外に、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のア
ルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニ
ル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、ト
リル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベン
ジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル
基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロ
プロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは
非置換の一価炭化水素基;3−グリシドキシプロピル
基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキ
ル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル
基等の(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキル
基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオク
チル基等のオキシラニルアルキル基等のエポキシ含有一
価有機基を有していてもよい。各種の基材に対しても良
好な接着性を付与することができることから、一分子中
にケイ素原子結合アルコキシ基を少なくとも3個とエポ
キシ含有一価有機基を少なくとも1個有することが好ま
しい。
【0014】また、(C)(3)成分の分子構造として
は、直鎖状、一部分枝を有する直鎖状、分枝鎖状、環
状、網状が例示され、直鎖状、分枝鎖状または網状が好
ましい。このオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合
したアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテ
ニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基が例示され、ビニ
ル基が好ましい。また、このオルガノシロキサン中のヒ
ドロキシ基およびアルケニル基以外のケイ素原子に結合
した基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアル
キル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル
基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラ
ルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等の置換も
しくは非置換の一価炭化水素基が例示される。その粘度
は限定されないが、25℃において1〜500mPa・sで
あることが好ましい。
【0015】(C)(2)成分と(C)(3)成分の配合
比率は限定されないが、特に良好な接着性を付与するこ
とができることから、前者と後者の重量比率が1/99
〜99/1であることが好ましい。
【0016】(C)成分のうちでは、一分子中にケイ素
原子結合アルケニル基を少なくとも1個とケイ素原子結
合アルコキシ基を少なくとも3個とケイ素原子結合エポ
キシ含有一価有機基を少なくとも1個有するオルガノシ
ロキサンが好ましく、特には、 平均単位式:(R1SiO3/2a(R2 2SiO2/2
b(R2 3SiO1/2c(R3 1/2d で表されるオルガノシロキサンが好ましい。上式中のR
1はエポキシ含有一価有機基であり、3−グリシドキシ
プロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキ
シアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)プロピル基等の(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)アルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキ
シラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基が例示
され、特に、グリシドキシアルキル基が好ましく、さら
には、3−グリシドキシプロピル基が好ましい。また、
上式中のR 2は置換もしくは非置換の一価炭化水素基で
あり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシ
リル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェ
ネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロ
ロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等
のハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価
炭化水素基が例示される。但し、この成分中の少なくと
も1個のR2はアルケニル基であることが必要である。
また、上式中のR3はアルキル基であり、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、メトキシエチル基が例
示され、メチル基またはエチル基が好ましい。また、上
式中のaは正数であり、bは正数であり、cは0または
正数であり、dは正数である。
【0017】(C)成分の配合量は、上記組成物の硬化
物に良好な接着性を付与するに十分な量であればよく、
例えば、(A)成分100重量部に対して0.01〜2
0重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部で
あることがより好ましい。これは、(C)成分の配合量
がこの範囲未満の量であると、硬化物の接着性が低下す
る傾向があり、一方、この範囲をこえても接着性が向上
せず、むしろ、接着性硬化シリコーンシートの安定性が
低下する傾向があるからである。
【0018】(D)成分は、(A)成分中のアルケニル
基と(B)成分中のケイ素原子結合水素原子間のヒドロ
シリル化反応による架橋を促進するための触媒である。
白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等の周
知のヒドロシリル化反応用触媒が例示される。価格と反
応速度の点で、白金系触媒が好ましく、白金微粉末、白
金微粉末担持シリカ微粉末、白金微粉末担持活性炭、塩
化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフ
ィン錯体、白金のジアルケニルテトラメチルジシロキサ
ン錯体が例示される。
【0019】(D)成分の配合量は、上記組成物の硬化
を促進するに十分な量であり、白金系触媒を用いる場合
には、上記組成物において、この触媒中の白金金属が重
量単位で0.01〜1000ppmとなる量であること
が好ましく、0.1〜500ppmであることがより好
ましい。 (D)成分の配合量がこの範囲未満の量であ
ると、得られる組成物の硬化速度が著しく遅くなる傾向
があり、一方、この範囲をこえる量であっても、さほど
硬化速度が向上せず、むしろ、着色等の問題を生じるか
らである。
【0020】上記組成物は、(A)成分〜(D)成分を
均一に混合することにより得られる。この組成物を室温
ないし加熱下、好ましくは、室温〜200℃、より好ま
しくは50〜150℃に保つとヒドロシリル化反応が起
こって架橋し、硬化物を形成する。半硬化物を目的とす
るときは、加熱時に上記組成物が完全に硬化してしまわ
ないように注意を要する。
【0021】上記組成物の保存安定性を向上させ、ヒド
ロシリル化反応速度を調整するために、上記組成物にヒ
ドロシリル化反応抑制剤を配合することが好ましい。ヒ
ドロシリル化反応抑制剤として、3−メチル−1−ブチ
ン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3
−オール、フェニルブチノール等のアルキンアルコー
ル;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジ
メチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;
1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テト
ラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テ
トラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロ
テトラシロキサン、ベンゾトリアゾールが例示される。
このヒドロシリル化反応抑制剤の配合量は、上記組成物
の保存条件や硬化条件により異なるが、(A)成分10
0重量部に対して0.001〜5重量部であることが好
ましい。
【0022】また、上記のような硬化性シリコーン組成
物には、その他任意成分として、沈降シリカないし湿式
シリカ、ヒュームドシリカのような補強性充填剤、これ
らの充填剤をオルガノハロシラン、オルガノアルコキシ
シラン、ヘキサオルガノジシラザン等の有機ケイ素化合
物により疎水化処理したもの、アルミナ、焼成シリカ、
酸化チタン、ガラス、石英、アルミノケイ酸、酸化鉄、
酸化亜鉛、炭酸カルシウム、、炭化ケイ素、窒化ケイ
素、窒化ホウ素等の無機質増量充填剤;シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の有機樹脂微粉末;
銀、銅、カーボンブラック等の導電性粉末、染料、顔
料、難燃剤、耐熱剤、溶剤等を配合することができる。
【0023】本発明で使用される、剥離性基材は、硬化
性シリコーン組成物の硬化物に対して剥離性を有する。
その材質としては、ガラス、セラミックス、金属、表面
を離型処理したガラス、セラミックスもしくは金属等の
無機質材料;有機樹脂、すなわち、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルスル
フォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可
塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂等の熱硬化性樹脂が例示される。剥離性と取り扱い
性の点で、有機樹脂からなる基材であることが好まし
い。この有機樹脂からなる基材は、これらの有機樹脂の
みからなる基材であってもよく、また、これらの有機樹
脂を表面や内部に有する複合基材であってもよい。この
複合基材としては、前記した無機質材料や有機樹脂の表
面を他の樹脂で被覆した基材が例示される。また、こら
らの基材の形状は限定されず、例えば、ブロック状、板
状、シート状、フィルム状が例示される。フィルム状の
剥離性基材を用いた場合には、そのまま保護材となるの
で至便である。
【0024】硬化性シリコーン組成物を剥離性基材間で
シート状に硬化させるには、硬化性シリコーン組成物を
剥離性基材の間に挟み込んだ状態で硬化させる方法、シ
ート状部材、例えば、シリコーンゴムシート、有機樹脂
シート、ガラスクロスまたは合成繊維織物の両面に硬化
性シリコーン組成物を均一に塗布した後、剥離性基材間
に挟み込んだ状態で硬化させる方法、シリコーンゴム粒
子、有機樹脂粒子または無機質系粒子を含有する硬化性
シリコーン組成物を剥離性基材間に挟み込んだ状態で硬
化させる方法が例示される。この際、硬化性シリコーン
組成物を挟んだ剥離性基材を2本ロールやプレス機等に
より軽く伸した後、もしくは伸しながら、この硬化性シ
リコーン組成物を硬化させることが好ましい。
【0025】上記の製造方法で製造される接着性硬化シ
リコーンシートは、少なくとも被着体に接する面が硬化
性シリコーン組成物の硬化物により形成されていればよ
い。被着体に接する面のみならず、内部も硬化性シリコ
ーン組成物の硬化物により形成されているものが代表的
である。しかし、内部がシリコーンゴム部材、ポリイミ
ド樹脂等の有機樹脂部材、またはシリカ、ガラス等の無
機質系部材からなり、表面層が硬化性シリコーン組成物
の硬化物により形成されているものでもよい。後者の接
着性硬化シリコーンシートにおいて、内部のシリコーン
ゴム部材としては、シリコーンゴムシート、シリコーン
ゴム粒子が例示され、有機樹脂部材としては、ポリイミ
ド樹脂シート、ポリイミド樹脂粒子、ポリエステル樹脂
シート、ポリエステル樹脂粒子、エポキシ樹脂シート、
エポキシ樹脂粒子等が例示され、無機質系部材として
は、金属箔、石英片、ガラスクロス、シリカ粒子、ガラ
ス粒子等が例示される。また、これらの接着性硬化シリ
コーンシートの形状は限定されないが、テープ状が使い
やすいので好ましい。その厚さは、使用上、1〜500
0μmであることが好ましく、10〜1000μmであ
ることがより好ましい。
【0026】このように製造された接着性硬化シリコー
ンシートを、相対湿度が50%未満、好ましくは、25%
以下の雰囲気で保存する。相対湿度が50%未満、好ま
しくは、25%以下の雰囲気中に保存しておくと、該接
着性硬化シリコーンシートの接着性が次第に低下した
り、該接着性硬化シリコーン系シートがその保護材と接
着してしまい、剥離できなくなるという問題が回避され
る。相対湿度50%未満、好ましくは25%以下の雰囲
気中に保存するには、除湿した空気や、予め乾燥したガ
ス中に保存すればよい。吸湿剤を内封した密閉容器中で
保存することが好ましい。そのための吸湿剤は特に限定
されず、シリカゲル、活性炭、モレキュラーシーブ等の
無機質系、酸化鉄等の金属酸化物系吸湿剤、塩化カルシ
ウム等のイオン結合化合物、濃硫酸、金属ナトリウムが
例示されるが、腐食性の少ないシリカゲル、活性炭、モ
レキュラーシーブ等の無機質系が好ましい。密閉容器内
の圧力は特に限定されないが、常圧または減圧であるこ
とが好ましい。密閉容器の材質は特に限定されなず、ガ
ラス、陶器等の無機質系、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ビニール系樹脂等の有機樹脂系、ステンレ
ス、ブリキ、アルミ等の金属系、およびこれらの複合材
料系等が例示されるが、防湿性があり、ヒートシール性
に優れる有機樹脂系が好ましい。かかる雰囲気を形成す
るガスは特に限定されず、空気、窒素ガス、アルゴンガ
スが例示される。さらに、保存温度は特に限定されない
が、常温もしくは常温以下であることが好ましい。
【0027】本発明における接着性硬化シリコーンシー
トは、接着面がむきだしでも良く、また保護材により保
護されていても良い。しかし、表面の汚染を防止するた
め、フィルム状の剥離性保護材により少なくともその接
着面が保護されていることが好ましい。接着性硬化シリ
コーンシートを被着体(例えば、半導体チップおよび該
チップ取付部)に貼り付ける際には、この保護材を剥が
して使用することが好ましい。また、剥離性基材兼保護
材の代わりに、別のフィルム状の剥離性保護材に貼り替
えてもよい。
【0028】かくして保存された接着性硬化シリコーン
シートは、種々の物品や部材に接触させて放置するか、
加熱するとよく接着するので、種々の物品や部材を同種
もしくは異種の物品や部材に接着させたり、種々の物品
や部材の表面をシリコーンコーテイングするのに有用で
ある。なお、接着性硬化シリコーンシートが半硬化状態
のものであるときは、硬化が進行しつつ接着する。被着
体の材質としては、ガラス、セラミックス、金属、シリ
コン、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴム、木材、紙、
塗装板、織物、不織布が例示される。よく接着させるに
は、加熱時の温度は、50〜200℃が好ましい。
【0029】本発明に係る接着性硬化シリコーンシート
が適用された半導体装置を説明する。この半導体装置で
は、少なくとも半導体チップ該が接着性硬化シリコーン
シートにより該チップ取付部に接着されている。そのた
めの半導体装置として、ダイオード、トランジスタ、サ
イリスタ、モノリシックIC、ハイブリッドIC、LS
I、VLSIが例示される。これらの半導体装置におい
ては、ダイオード、トランジスタ、サイリスタ、モノリ
シックIC等のメモリ、さらにはハイブリッドIC中の
半導体チップ等の半導体チップの片面の一部ないしは全
部を接着性硬化シリコーンシートにより該チップ取付部
に接着していることを特徴としている。
【0030】この半導体装置の一例であるハイブリッド
IC(断面図)を図1に、LSI(断面図)を図2にそ
れぞれ示した。図1に示される半導体装置では、半導体
チップ1が接着性硬化シリコーンシートの硬化物2によ
り回路基板3に接着されており、半導体チップ1と外部
リードに接続した回路配線4とがボンディングワイヤ5
により電気的に接続されている。回路基板3はセラミッ
ク、ガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フォノー
ル樹脂、ベークライト樹脂、メラミン樹脂、ガラス繊維
強化エポキシ樹脂等から形成されている。また、回路配
線4は金、銅、アルミニウム、銀パラジウム、インジウ
ムチンオキサイド(ITO)等から形成されている。ま
た、ボンディングワイヤ5は、金、銅、アルミニウムか
ら形成されている。また、半導体素子1は封止樹脂6に
より樹脂封止されている。封止樹脂6を形成する樹脂と
しては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレ
ンサルファイド樹脂の熱硬化性樹脂が例示される。ま
た、この回路基板2上には、半導体チップ1の他にも、
抵抗、コンデンサー、コイル等の電子部品が搭載されて
いてもよい。
【0031】図2に示される半導体装置では、半導体チ
ップ1が接着性硬化シリコーンシートの硬化物2により
回路基板7に接着しており、半導体チップ1と回路基板
7上の回路配線4とがバンプ8により電気的に接続され
ている。回路基板7はポリイミド樹脂、セラミック、ガ
ラス繊維強化エポキシ樹脂等から形成されている。ま
た、バンプ8は金、アルミニウム、ハンダ等から形成さ
れている。また、この半導体チップ1と回路基板7との
間のバンプ8の周囲は液状樹脂9により含浸されてい
る。液状樹脂9を形成する樹脂としては、液状硬化性シ
リコーン樹脂、液状硬化性エポキシ樹脂が例示される。
また、必要に応じて、この半導体チップ1は封止樹脂6
により樹脂封止されている。
【0032】図1に示される半導体装置を製造するに
は、次のような方法が例示される。半導体チップ1に接
着性硬化シリコーンシートを貼り付けた後、このシート
に回路基板3を貼り付けるか、または、この回路基板3
上に接着性硬化シリコーンシートを貼り付けた後、この
シートに半導体チップ1を貼り付け、室温または加熱下
放置する。50〜200℃で放置することが好ましい。
この際、このシートを押圧しながら放置することが好ま
しい。その後、半導体チップ1と回路配線4とをボンデ
ィングワイヤ5により電気的に接続する。続いて、半導
体チップ1を必要により封止樹脂6により樹脂封止す
る。
【0033】また、図2に示される半導体装置を製造す
るには、次の方法が例示される。半導体チップ1に接着
性硬化シリコーンシートを貼り付けた後、このシートに
回路基板7を貼り付けるか、または、回路基板7に接着
性硬化シリコーンシートを貼り付けた後、このシートに
半導体チップ1を貼り付け、室温または加熱下で放置す
る。50〜200℃で放置することが好ましい。この
際、このシートを押圧しながら放置することが好まし
い。その後、半導体チップ1と回路配線4とをバンプ8
の融着により電気的に接続する。続いて、バンプ8の周
囲を樹脂9により含浸する。さらに、半導体チップ1を
必要により封止樹脂6により樹脂封止する。
【0034】
【実施例】本発明に係る接着性硬化シリコーンシートの
保存方法を実施例により説明する。また、該シートの半
導体装置への応用例を説明する。なお、実施例中の粘度
は25℃において測定した値であり、相対湿度は、静電
容量式湿度センサー(サーミスタ)を用いて測定した。
接着性硬化シリコーンシートは次のように保存した。す
なわち、接着性硬化シリコーンシートに対して剥離性を
有する、実施例で使用した有機樹脂シート間に該シリコ
ーン系接着性シートをはさんだままで、所定の方法によ
り相対湿度を調製した有機樹脂製の密閉容器中に、温度
25℃で1ヶ月保存した。接着性硬化シリコーンシート
の接着性および半導体装置の信頼性は下記のようにして
評価した。
【0035】[接着性硬化シリコーンシートの接着性]
接着性硬化シリコーンシートをシリコンウエハー(3c
m×3cm)およびポリイミド樹脂(3cm×3cm)
上にそれぞれ1cm×1cmとなるように貼り付けた
後、150℃の熱風循環式オーブン中で2時間加熱し
て、この硬化シリコーンシートを接着させた試験体を作
成した。この硬化シリコーンシートを金属製のへらを用
いて取り除き、痕跡を観察して接着性を評価した。よく
接着して硬化シリコーンが残存している場合を○、剥離
している場合を×として示した。
【0036】[半導体装置の信頼性の評価(その1)]
図1に示した半導体装置により信頼性を評価した。すな
わち、表面に印刷により形成された回路配線4および端
部に外部リードを有するガラス繊維強化エポキシ樹脂製
の回路基板3上に調製直後または1ヶ月保存後の接着性
硬化シリコーンシートを貼り付け、次に、このシートに
半導体チップ1を貼り付けた半導体装置を20個作成し
た。この半導体装置は、半導体チップ1を回路基板3に
接着性硬化シリコーンシートを用いて貼り付けた直後に
150℃の熱風循環式オーブン中で2時間加熱したもの
である。次に、半導体チップ1と回路配線4とをボンデ
ィングワイヤ5により電気的に接続した。その後、この
半導体装置をエポキシ系封止樹脂6で樹脂封止した。こ
のようにして作成した半導体装置を85℃、相対湿度8
5%の条件下で1000時間放置した後、外部リード間
の電気導通試験を行い、それぞれの導通不良の半導体装
置の数(不良率)を求めた。
【0037】[半導体装置の信頼性の評価(その2)]
図2で示した半導体装置により信頼性の評価を行った。
ポリイミド樹脂製の回路基板7に調製直後または1ヶ月
保存後の接着性硬化シリコーンシートを貼り付け、この
シートに半導体素子1を貼り付けた後、回路基板7上の
回路配線4とを金製のバンプ8により電気的に接続して
半導体装置20個を作成した。この半導体装置は、半導
体チップ1を回路基板7に接着性硬化シリコーンシート
を用いて貼り付けた直後に150℃の熱風循環式オーブ
ン中で2時間加熱したものである。次に、この半導体装
置の半導体チップ1と回路基板7の間のバンプ8の周囲
を液状シリコーン系樹脂9で含浸した後、半導体素子1
をエポキシ系封止樹脂で樹脂封止した。このようにして
作成した半導体装置を85℃、相対湿度85%の条件下
で1000時間放置した後、外部リード間の電気導通試
験を行い、それぞれの導通不良の半導体装置の数(不良
率)を求めた。
【0038】
【実施例1】(A)成分として、粘度40,000mPa・
sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチ
ルポリシロキサン(ケイ素原子結合ビニル基の含有量=
0.08重量%)72重量部、および粘度6,000mPa
・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメ
チルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体(ケ
イ素原子結合ビニル基の含有量=0.84重量%)15
重量部、(B)成分として、粘度5mPa・sの分子鎖両末
端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチ
ルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合
水素原子の含有量=0.7重量%)3重量部、(C)成
分として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ンと粘度40mPa・sの分子鎖両末端ジメチルヒドロキシ
基封鎖メチルビニルポリシロキサン(ケイ素原子結合ビ
ニル基の含有量=31重量%)との重量比1:1の混合
物1.0重量部、(D)成分として、白金の1,3−ジビ
ニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体
(本組成物において、この錯体中の白金金属が重量単位
で5ppmとなる量)、および付加反応抑制剤として、
3−フェニル−1−ブチン−3−オール0.01重量部
を均一に混合して、粘度25,000mPa・sである、ヒ
ドロシリル化反応硬化型の硬化性シリコーン組成物を調
製した。
【0039】この硬化性シリコーン組成物を、厚さ10
0μmのポリエチレンテレフタレート樹脂シートの間に
はさみ、クリアランスを調整したステンレス製の2本ロ
ールにより、該組成物の厚さを200μmとした状態
で、80℃の熱風循環式オーブン中で30分間加熱する
ことにより、半硬化であり、ゴム状の接着性硬化シリコ
ーンシートを調製した。この接着性硬化シリコーンシー
トは該樹脂シートから容易に剥がすことができ、ほぼ2
00μmの均一な厚さであった。この接着性硬化シリコ
ーンシートを、相対湿度が5%の空気を内包した密閉容
器内で保存した。接着性および半導体装置の信頼性を上
記方法により評価し、それらの結果を表1に示した。
【0040】
【比較例1】実施例1で調製した接着性硬化シリコーン
シートを、相対湿度が85%である空気を内包した密閉
容器内で保存した。接着性および半導体装置の信頼性を
上記方法により評価し、それらの結果を表1に示した。
なお、1ヶ月保存後は、該シリコーン系接着性シートと
該ポリエチレンテレフタレート樹脂シートが接着してお
り、接着性および半導体の信頼性は評価できなかった。
【0041】
【実施例2】実施例1で調製した接着性硬化シリコーン
シートを、水蒸気透過性フィルムで包んだ乾燥シリカゲ
ル粉末を同封することにより相対湿度が5%未満となる
ように調整した空気を内包した密閉容器内で保存した。
接着性および半導体装置の信頼性を上記方法により評価
し、それらの結果を表1に示した。
【0042】
【実施例3】実施例1で用いた硬化性シリコーン組成物
において、(C)成分として、該混合物の替わりに粘度
20mPa・sの平均単位式: {G(CH2)3SiO3/2}0.18{(CH2)(CH2=CH)SiO2/2}0.4
7(CH3O1/2)0.35 (式中、Gはグリシジロキシプロピル基である)で示さ
れるオルガノシロキサンオリゴマー(ケイ素原子結合ビ
ニル基の含有量=16重量%)を1.0重量部配合した
以外は実施例1と同様にして、粘度25,000mPa・sの
硬化性シリコーン組成物を調製した。厚さ100μmの
ポリテトラフルオロエチレン樹脂シートの間にこの硬化
性シリコーン組成物をはさみ、クリアランスを調整した
ステンレス製の2本ロールにより、該組成物の厚さを2
00μmとした状態で、80℃の熱風循環式オーブン中
で30分間加熱することにより、半硬化であり、ゴム状
の接着性硬化シリコーンシートを調製した。この接着性
硬化シリコーンシートは該樹脂シートから容易に剥がす
ことができ、ほぼ200μmの均一な厚さであった。こ
の接着性硬化シリコーンシートを実施例1と同様にして
相対湿度が5%の空気を内包した密閉容器内で保存し
た。接着性および半導体装置の信頼性を上記方法により
評価し、それらの結果を表1に示した。
【0043】
【比較例2】実施例3で調製した接着性硬化シリコーン
シートを、相対湿度が85%である空気を内包した密閉
容器内で保存した。接着性および半導体装置の信頼性を
上記方法により評価し、それらの結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明に係る保存方法で保存された接着
性硬化シリコーンシートは、長期間保存後においても接
着性の安定性に優れ、その保護剤と接着せず、また、種
々の物品や部材への接着性に優れ、特には、半導体チッ
プと該チップ取付部を良好に接着でき、信頼性の優れた
半導体装置を製造することができるという優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 接着性硬化シリコーンシートが適用された半
導体装置の一例であるハイブリッドICの断面図であ
る。
【図2】 接着性硬化シリコーンシートが適用された半
導体装置の一例であるLSIの断面図である。
【符号の説明】
1 半導体チップ 2 接着性硬化シリコーンシートの硬化物 3 ガラス繊維強化エポキシ樹脂製の回路基板 4 回路配線 5 ボンディングワイヤ 6 エポキシ系封止樹脂 7 ポリイミド樹脂製の回路基板 8 金製のバンプ 9 シリコーン系樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一色 実 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 大谷 淑子 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 (72)発明者 峰 勝利 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内 Fターム(参考) 4J004 AA11 AB04 CA03 CA04 CA06 CA07 CA08 CC00 CC02 DB03 FA05 4J040 EK011 EK041 EK051 EK061 EK091 GA02 GA03 GA05 GA08 GA11 HD32 JA09 JB02 JB04 KA14 LA05 MA02 MA04 MA10 MB05 NA20 PA43

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性シリコーン組成物を剥離性基材間
    でシート状に硬化させてなる接着性硬化シリコーンシー
    トを、相対湿度が50%未満である雰囲気に保存すること
    を特徴とする、接着性硬化シリコーンシートの保存方
    法。
  2. 【請求項2】 雰囲気が、吸湿剤を同封した密閉容器中
    の雰囲気であることを特徴とする、請求項1記載の接着
    性硬化シリコーンシートの保存方法。
  3. 【請求項3】 雰囲気の相対湿度が25%以下であること
    を特徴とする、請求項1または請求項2記載の接着性硬
    化シリコーンシートの保存方法。
  4. 【請求項4】 剥離性基材が有機樹脂シートであること
    を特徴とする、請求項1ないし請求項3記載の接着性硬
    化シリコーンシートの保存方法。
  5. 【請求項5】 硬化性シリコーン組成物が接着性付与剤
    を含有するヒドロシリル化反応硬化型のものであること
    を特徴とする、請求項1ないし請求項4記載の接着性硬
    化シリコーンシートの保存方法。
  6. 【請求項6】 ヒドロシリル化反応硬化型の硬化性シリ
    コーン組成物が、(A)一分子中に少なくとも2個のケ
    イ素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキ
    サン、(B)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結
    合水素原子を有するオルガノポリシロキサン、(C)
    (1)一分子中にケイ素原子結合アルケニル基もしくは
    ケイ素原子結合水素原子およびケイ素原子結合アルコキ
    シ基をそれぞれ少なくとも1個ずつ有するオルガノシロ
    キサンオリゴマー、および/または(2)一分子中にケ
    イ素原子結合アルコキシ基を少なくとも1個有するオル
    ガノシランもしくはオルガノシロキサンオリゴマーと
    (3)一分子中にケイ素原子結合ヒドロキシ基とケイ素
    原子結合アルケニル基をそれぞれ少なくとも1個ずつ有
    するオルガノシロキサンオリゴマーの混合物、および
    (D)ヒドロシリル化反応用触媒からなることを特徴と
    する、請求項5記載の接着性硬化シリコーンシートの保
    存方法。
  7. 【請求項7】 (C)(1)成分が、一分子中にケイ素
    原子結合アルケニル基とケイ素原子結合アルコキシ基と
    ケイ素原子結合エポキシ含有一価有機基をそれぞれ少な
    くとも1個ずつ有するオルガノシロキサンオリゴマーで
    あり、(C)(2)成分が一分子中にケイ素原子結合ア
    ルコキシ基とケイ素原子結合エポキシ含有一価有機基を
    それぞれ少なくとも1個ずつ有するオルガノシランもし
    くはオルガノシロキサンオリゴマーであることを特徴と
    する、請求項6記載の接着性硬化シリコーンシートの保
    存方法。
  8. 【請求項8】 (C)(1)成分が、平均単位式: (R1SiO3/2)a(R2 2SiO2/2)b(R2 3SiO1/2)
    c(R31/2)d (式中、R1はエポキシ含有一価有機基であり、R2は置
    換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、但し、この
    成分中の少なくとも1個のR2はアルケニル基であり、
    3はアルキル基であり、aは正数であり、bは正数で
    あり、cは0または正数であり、dは正数である。)で
    表されるオルガノシロキサンオリゴマーであることを特
    徴とする、請求項7記載の接着性硬化シリコーンシート
    の保存方法。
  9. 【請求項9】 表面層が硬化性シリコーン組成物の硬化
    物により形成されており、内部が該硬化物以外である部
    材から形成されていることを特徴とする、請求項1記載
    の接着性硬化シリコーンシートの保存方法。
  10. 【請求項10】 接着性硬化シリコーンシートが、半導
    体チップを該チップ取付部に接着させるためのものであ
    ることを特徴とする、請求項1または請求項9記載の接
    着性硬化シリコーンシートの保存方法。
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