JP2000119217A - エナンチオマ―的に純粋なβ―ヒドロキシエステルの製造方法 - Google Patents

エナンチオマ―的に純粋なβ―ヒドロキシエステルの製造方法

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JP2000119217A
JP2000119217A JP11278821A JP27882199A JP2000119217A JP 2000119217 A JP2000119217 A JP 2000119217A JP 11278821 A JP11278821 A JP 11278821A JP 27882199 A JP27882199 A JP 27882199A JP 2000119217 A JP2000119217 A JP 2000119217A
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Rainer Dr Stuermer
シュテュルマー ライナー
Martin Jochen Dr Klatt
ヨッヘン クラット マーティン
Armin Dr Boermer
ベルマー アルミン
Jens Dr Holz
ホルツ イエンス
Gudrun Voss
フォス グードルン
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/30Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group
    • C07C67/31Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by introduction of functional groups containing oxygen only in singly bound form

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ケトエステルの水素添加を、還元剤として水
素を使用し、製造が容易な触媒を使用し、高い基質:触
媒の比を可能にし、かつ高いエナンチオ選択性で実施す
る。 【解決手段】 β−ケトエステルと水素とを、式:LR
uX2:[式中、Xは、ハロゲン、アセテート、アリ
ル、メタリル、2−フェニルアリル等であり、Lは式
I: で示されるの二座のホスホランである]の触媒の存在下
で反応させることによって、エナンチオマー的に純粋な
β−ヒドロキシエステルを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルテニウム触媒の
存在下で水素添加によりエナンチオマー的に純粋なβ−
ヒドロキシエステルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ケトンおよびβ−ケトエステルのRu−
ジホスフィン錯体による触媒的水素添加は公知である
(例えばBurk et al., J.Am.Chem.Soc.1995, 117,4423;
A.Mortreux et al., Tetrahedron:Asymmetry, 7(2), 3
79-82, 1996;Noyori et al., Angew.Chem., Int.Ed.Eng
l., 36(3), 285-288, 1997; WO9713763A1)。
【0003】還元剤としてのギ酸/トリエチルアミン錯
体およびルテニウム触媒によるケトンの触媒的トランス
ファー水素添加(transfer hydrogenation)も公知であ
る(P.Knochel et al., Tetrahedron Lett., 37(45), 8
165-8168, 1996; Sammakia et al., J.Org.Chem., 62(1
8), 6104-6105, 1997(isopropanol as reducing agen
t))。
【0004】これらの全ての方法の共通の特徴は、使用
される配位子および触媒が非常に製造しづらいというこ
とである。更に、トランスファー水素添加においては、
廉価な水素ではなく、代わりにイソプロパノールまたは
ギ酸/第三級アミンが使用される。反応において第三級
アミンが使用される際には、後処理がより困難であり、
不随意にアセトンまたは二酸化炭素が生じる。
【0005】更に、一般にこれらの反応で使用される触
媒量は非常に多量であり、このことは従来の技術の方法
を高価なものにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、還元
剤として水素を使用し、製造が容易な触媒を使用し、高
い基質:触媒の比を可能にし、かつ高いエナンチオ選択
性で実施するケトエステルの水素添加の方法を見出すこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、β−ケトエ
ステルと水素とを、式:LRuX2:[式中、Xは、ハ
ロゲン、アセテート、アリル、メタリル、2−フェニル
アリル、ペルクロレート、トリフルオロアセテート、テ
トラフルオロボレート、ヘキサフルオロアンチモネー
ト、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアル
セネート、トリクロロアセテートであり、Lは、式I:
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Bは、2個のリン原子間の1〜5
個の炭素原子を有する架橋結合であり、R1は、H、C1
〜C6−アルキル、アリール、アルキルアリールまたは
SiR2 3であり、R2は、アルキルまたはアリールであ
り、mは、0または1であり、R3は、HまたはOR4
あり、R4は、R1であるが、但しm=1であればR3
Hであり、m=0であればR3≠Hである)の二座のホ
スホランである]の触媒の存在下で反応させることによ
ってエナンチオマー的に純粋なβ−ヒドロキシエステル
を製造する方法によって解決されると判明した。
【0010】有利な架橋結合Bは、
【0011】
【化4】
【0012】であるものである。
【0013】n=1もしくは2またはr=0である架橋
結合Bが特に有利である。
【0014】二座のホスホラン配位子Lの製造は、特許
明細書DE19725796.8号およびDE1982
4121.6号ならびに本明細書の実施例の項目に記載
されている。
【0015】製造は自然源からエナンチオマー的に純粋
な形で得られる糖であるマンニトールから出発する。
【0016】触媒活性ルテニウム錯体LRuX2は、不
活性配位子を有するルテニウム錯体(例えば[RuCl
2(COD)]n、p−シメン−塩化ルテニウム二量体)
との慣用の反応(例えばUson, Inorg.Chim.Acta 73, 27
5(1983), EP-A 0158875, EP-A 437690)によって製造す
ることができる。
【0017】一般に、本発明の水素添加は−20〜15
0℃、有利には0〜100℃、特に有利には15〜40
℃で実施する。
【0018】本発明の水素添加法に関して、水素圧は、
0.1〜300バールの範囲内で変化させてよい。1〜
100バール、有利には1〜50バールの範囲内で非常
に良好な結果が得られる。
【0019】有利には、反応はアルカノールを含有する
溶剤中で実施する。
【0020】水素添加のために有利な溶剤は、C1〜C4
−アルカノール、特にMeOHである。あまり基質が溶
解しない場合には、溶剤混合物、例えばメタノールおよ
びCH2Cl2、THF、トルエンあるいは水が適当であ
る。
【0021】β−ケトエステル基質を構成するアルカノ
ールの使用は特に有利である。それというのも、不所望
のエステル交換反応を回避するからである。
【0022】通常、触媒は、水素添加の基質に対して
1:10〜1:1000000、有利には1:1000
〜1:100000(w/w)の量で使用される。
【0023】反応を、酸、殊に強酸、例えば鉱酸または
トリフルオロ酢酸もしくはトリクロロ酢酸の添加によっ
て収率と選択率の両者に関して改善することができる。
【0024】この場合、一般に酸は、触媒に対して0.
5〜2モル当量の量で添加する。
【0025】
【実施例】例1 ジホスホランLの製造:
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデ
ン−3,4−O−チオカルボニル−D−マンニトール
(1):E.J.Corey他の方法1を使用して、
1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−マン
ニトールを、塩化メチレン中の4−ジメチルアミノピリ
ジンの存在下にチオホスゲンと反応させた(収率90
%)。
【0029】E−3,4−ジデヒドロ−3,4−ジデオ
キシ−1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D
−トレオ−ヘキシトール(2):環式チオカルボネート
1を、文献2,3に従って亜リン酸トリエチル中で20時
間加熱し、トランスオレフィンが得られた(収率80〜
90%)。
【0030】3,4−ジデオキシ−1,2;5,6−ジ
−O−イソプロピリデン−D−トレオ−ヘキシトール
(3):Machinaga他の方法4の変法において
オレフィン2(10g)を、活性炭上10%白金(25
0mg)を使用してメタノール中で大気圧中で水素添加
し、化合物3を得た。カラムクロマトグラフィーによる
精製後に、収率は80〜90%であった。また、化合物
3は文献4に従って蒸留によっても精製することができ
る(沸点0.6mm=73℃)。
【0031】3,4−ジデオキシ−D−トレオ−ヘキシ
トール(4):イソプロピリデン基の酸加水分解を、1
Nの塩酸中で文献4に従って実施した。再結晶によって
収率85%で化合物が得られた。
【0032】(2S,5S)−1,6−ビス(ベンジル
オキシ)ヘキサン−2,5−ジオール(5):Marz
i他の方法5によって、3,4−ジデオキシ−D−トレ
オ−ヘキシトール(4)3.0g(20ミリモル)を、
3.70gの1,6−ジ−O−ベンジル化生成物5に変
換した(収率56%)。
【0033】(2S,5S)−1,6−ビス[(t−ブ
チルジフェニルシリル)オキシ]ヘキサン−2,5−ジ
オール(6):文献5によって、DMF中の3.0g
(20ミリモル)の化合物4を、イミダゾールの存在下
にt−ブチルジフェニルクロロシランと反応させ、誘導
体6が得られた(収率80%)。
【0034】(4S,7S)−4,7−ビス(ベンジル
オキシメチル)−2,2−ジオキソ[1,3,2]ジオ
キソチエパン(7):無水の四塩化炭素70ml中の
3.30g(10ミリモル)のジオール5を、アルゴン
下で塩化チオニル1.43g(12ミリモル)と緩慢に
混合し、次いで生成混合物を還流下に90分間加熱し
た。溶剤を回転蒸発器で除去した後に、残留物を、四塩
化炭素(40ml)、アセトニトリル(40ml)およ
び水(60ml)の混合物中に取り、RuCl3*3H2
O15mg(72マイクロモル)および過ヨウ素酸ナト
リウム4.28g(20ミリモル)を0℃で添加した。
次いで、混合物を室温で1時間撹拌し、次いで懸濁液に
水50mlを添加した。引き続き、ジエチルエーテル
(3×75ml)で抽出し、飽和NaCl溶液(100
ml)による有機相の洗浄によって、乾燥(Na2
4)後に残留物のカラムクロマトグラフィー(n−ヘ
キサン:AcOEt=2:1、Rf=0.20)によ
り、化合物7が得られた(収量3.37g(86
%))。
【0035】
【外1】
【0036】1,6−ジ−O−(t−ブチルジフェニ
ル)シリル−2,5−ジ−O−イソプロピリデン−3,
4−ジデオキシ−D−トレオ−ヘキシトール(8):文
5によって、6.27g(10ミリモル)の化合物6
を反応させ、イソプロピリデン誘導体8が得られた(収
率85%(5.67g))。該誘導体8を、特性決定の
ためにカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:ジエ
チルエーテル=19:1、Rf=0.2)を実施した。
引き続きの反応工程のために、化合物の精製を省くこと
ができる。
【0037】2,5−ジ−O−イソプロピリデン−3,
4−ジデオキシ−D−トレオ−ヘキシトール(9):
6.67g(10ミリモル)のシリル化合物8のシリル
基を、THF5中のフッ化テトラブチルアンモニウムを
使用して除去し、引き続きクロマトグラフィー(ジエチ
ルエーテル:MeOH=19:1、Rf=0.5)によ
る精製を実施し、1.7g(89%)のジオール9が得
られた。
【0038】2,5−ジ−O−イソプロピリデン−1,
6−ジ−O−メチル−3,4−ジデオキシ−D−トレオ
−ヘキシトール(10):THF30ml中の3.80
g(20ミリモル)のジオール9の溶液を、THF60
ml中のNaH1.06g(44ミリモル)の溶液に0
℃で添加した。アルコキシドの形成が終わったら、2.
2当量のヨウ化メチル(6.21g、44ミリモル)を
ゆっくり添加し、混合物を室温で撹拌した。反応終了後
に、過剰のNaHを水(30ml)で慎重に分解し、減
圧下でTHFを除去した。次いで、残留している水溶液
を塩化メチレンで抽出し(3×50ml)、合した有機
相を乾燥(Na2SO4)させ、濃縮した。生成残留物の
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcOEt
=2:1、Rf=0.40)によって、無色のシロップ
状物が得られた(収率84%(3.68g))。
【0039】
【外2】
【0040】(2S,5S)−1,6−ビス(ベンジル
オキシ)ヘキサン−2,5−ジオール(11):4.0
g(18.32ミリモル)の化合物10をTHF60m
lおよび1Nの塩酸60mlの混合物中で20分間かけ
て加水分解した。回転蒸発器における溶液の濃縮の後
に、3.20gの淡黄色のシロップ状物11がクロマト
グラフィー(EtOH:AcOEt=1:3、Rf
0.45)によって事実上定量的な収率で得られた。
【0041】
【外3】
【0042】(4S,7S)−4,7−ビス(メチルオ
キシメチル)−2,2−ジオキソ[1,3,2]ジオキ
ソチエパン(12):環式スルフェート7の製造と類似
に、1.78g(10ミリモル)のジオール11を目的
の化合物12に変換した。この工程においてはクロマト
グラフィーによる精製(n−ヘキサン:AcOEt=
1:2、Rf=0.4)は不必要である。それというの
も、生成物12はジエチルエーテル/n−ヘキサンか
ら、収率76%(1.83g)で白色の固体として再結
晶により単離できるからである。
【0043】
【外4】
【0044】1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−
ベンジルオキシメチルホスホラニル]ベンゼン(1
3):THF50ml中の1,2−ビス(ホスファニ
ル)ベンゼン0.52g(3.66ミリモル)を、2.
0当量のn−BuLi(4.58ml、n−ヘキサン中
の1.6M溶液)と緩慢に混合し、2時間後に、生成し
た黄色の溶液をTHF20ml中の2.86g(7.3
2ミリモル)の環式スルフェート7と緩慢に混合した。
混合物を、室温で2時間以上撹拌し、次いで最後に更に
2.2当量のn−BuLi(5.03ml、n−ヘキサ
ン中の1.6M溶液)を添加した。溶液を一晩撹拌し、
過剰のBuLiを最後にMeOH2mlによって分解し
た。減圧下で溶剤を除去し、残留物を嫌気的条件下で水
20ml中に取り、次いで塩化メチレン(2×50m
l)で抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、溶
剤を除去し、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサ
ン:AcOEt=4:1、Rf=0.35)によって所
望の生成物を淡黄色のシロップ状物として収量0.52
g(19%)で単離した。
【0045】
【外5】
【0046】1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−
ベンジルオキシメチルホスホラニル]ベンゼン(1
4):ビスホスホラン13の製造と類似に、環式スルフ
ェート7の代わりに化合物12を反応させ、所望のメト
キシメチル置換ビスホスホラン14が得られた。カラム
クロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcOEt=2:
1、Rf=0.20)によって精製した後に、無色のシ
ロップ状物を収量0.80g(48%)で単離した。
【0047】
【外6】
【0048】1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−
ベンジルオキシメチルホスホラニル]エタン−ボラン錯
体(15):ビス(ホスファニル)エタン348mg
(3.70ミリモル)をTHF中で室温においてヘキサ
ン中の1.6Mのn−BuLi溶液7.40ミリモル
(4.63ml)と混合し、混合物を2時間撹拌した。
次いで、THF20ml中の2.90g(7.40ミリ
モル)の環式スルフェートの溶液をゆっくり添加し、2
時間以上撹拌し続けた。引き続き更なるn−BuLi溶
液5.09ml(8.14ミリモル)を添加して反応を
完了させ、反応混合物を一晩撹拌した。この混合物をボ
ランアダクトを形成するために−20℃に冷却し、1M
のBH3*THF溶液9.25ml(9.25ミリモル)
を添加した。2時間後、過剰のBuLiおよびBH3
MeOH2mlの添加によって分解し、減圧下で溶剤を
除去した。残留物を水中に取り、次いで塩化メチレンで
抽出した。引き続き抽出物を乾燥させ(Na2SO4)、
濃縮し、残留している残留物をカラムクロマトグラフィ
ー(n−ヘキサン:AcOEt=4:1、Rf=0.2
0)によって精製した。これにより、粘稠のシロップ状
物350mg(13%)が得られた。
【0049】
【外7】
【0050】1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−
メチルオキシメチルホスホラニル]エタン−ボラン錯体
(16):化合物15の製造と類似に、2.14g
(8.91ミリモル)の環式スルフェート12およびビ
ス(ホスファニル)エタン0.42g(4.45ミリモ
ル)を反応させ、所望のボラン保護されたビスホスホラ
ン16が得られた。これをn−ヘキサン:AcOEt=
2:1(Rf=0.15)でのクロマトグラフィーによ
って精製した。これにより結晶性生成物が収量0.71
g(39%)で得られた。
【0051】
【外8】
【0052】1,2−ビス[(2R,5R)−2,5−
ベンジルオキシメチルホスホラニル]エタン(17):
0.30g(0.42ミリモル)のボラン錯体15をト
ルエン6ml中のDABCO0.142g(1.26ミ
リモル)の嫌気的溶液と混合し、混合物を40℃で撹拌
した。反応の完了後に、溶液を濃縮し、カラムクロマト
グラフィー(n−ヘキサン:AcOEt=4:1、Rf
=0.55)によって迅速に精製した。ビスホスホラン
17が収量0.21g(73%)で得られ、直ちに錯体
形成のために使用した。
【0053】
【外9】
【0054】参考文献1 E.J.Corey;P.B.Hopkins Te
trahedron Lett.23(1982)19
79〜1982;2 M.Marzi;D.Misiti Tetrahe
dron Lett.30(1989)6075〜60
76;3 A.Haines Carbohydrate Re
s.1(1965)214〜228;4 N.Machinaga;C.Kibayashi
J.Org.Chem.57(1992)5178〜5
189;5 M.Marzi;P.Minetti;D.Mis
iti Tetrahedron 48(1992)10
127〜10132。
【0055】例2 ジホスホランLの製造: 1,2;5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−マン
ニトール(1):FLUKAから市販されている(オー
ダー番号38410)。
【0056】
【化7】
【0057】3,4−ジ−O−ベンジル−1,2;5,
6−ジ−O−イソプロピリデン−D−マンニトール
(2):J.Jurcak,T.Bauer,M.Ch
mielewski,Carbohydr.Res.1
64(1987)493に従って製造した。
【0058】
【化8】
【0059】3,4−ジ−O−ベンジル−D−マンニト
ール(3):J.Jurcak,T.Bauer,M.
Chmielewski,Carbohydr.Re
s.164(1987)493に従って製造した。
【0060】
【化9】
【0061】3,4−ジ−O−ベンジル−1,6−ジ−
O−トルエンスルホニル−D−マンニトール(4):
J.Fittremann,A.Dureault,
J.−C.Depezay,Tetrahedron
Letters 35(1994)1201に従って製
造した。
【0062】
【化10】
【0063】(2R,3R,4R,5R)−3,4−ジ
ベンジルオキシヘキサン−2,5−ジオール(5):T
HF30ml中の10g(14.9ミリモル)のジトシ
レート4からなる溶液をTHF100ml中のLiAl
42.25g(59.6ミリモル)の懸濁液に室温で
ゆっくり滴加した。懸濁液を1時間撹拌し、次いで2時
間還流させた。冷却しながら、水2.25ml、15%
濃度のNaOH2.25mlおよび更に水6.75ml
を慎重に連続的に添加することによってヒドリドを分解
した。溶液を濾過し、沈殿した無機化合物を除去し、残
留物をSoxhlet装置において塩化メチレンで抽出
した。合した溶液を乾燥させ、蒸留によって溶剤を除去
した後に残留物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキ
サン:AcOEt=1:2;Rf=0.45)によって
精製した。
【0064】
【外10】
【0065】(4R,5R,6R,7R)−5,6−ジ
ベンジルオキシ−4,7−ジメチル[1,3,2]ジオ
キサチエパン−2,2−ジオキシド(6):四塩化炭素
20ml中の4.75g(14.4ミリモル)のジオー
ル5を、塩化チオニル1.3mlと一緒に還流下に1.
5時間加熱した。混合物が冷却されたら、溶剤を回転蒸
発器において除去し、得られた残留物を、四塩化炭素1
0ml、アセトニトリル10mlおよび水15ml中に
取った。溶液を0℃に冷却し、次いでRuCl3*3H2
O0.021g(0.08ミリモル)を添加し、引き続
き過ヨウ素酸ナトリウム6.2g(29.0ミリモル)
を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、水75mlと
混合し、ジエチルエーテル(4×100ml)で抽出し
た。合した抽出物を1回飽和NaCl溶液で洗浄し、次
いでNa2SO4上で乾燥させケイソウ土で濾過した。エ
ーテル性溶液を濃縮し、環式スルフェート6をカラムク
ロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcOEt=9:
1、Rf=0.25)によって精製した。
【0066】
【外11】
【0067】1,2−ビス((4S,5S,6S,7
S)−5,6−ジベンジルオキシ−4,7−ジメチルホ
スホラニル)ベンゼン(7):THF70ml中の1,
2−ビス(ホスファニル)ベンゼン0.564g(3.
96ミリモル)の溶液を、n−BuLi(ヘキサン中
1.6M)4.95ml(7.93ミリモル)と室温で
滴加して混合した。生成する透明の黄色溶液を2時間以
上撹拌し、次いでTHF15ml中の3.11g(7.
92ミリモル)の環式スルフェート6の溶液と緩慢に混
合した。色が橙赤色に変化した。4時間後に反応混合物
に更なるn−BuLi5.45ml(8.71ミリモ
ル)を添加し、室温で16時間撹拌し続けた。生成した
赤色溶液をメタノール3mlの添加および減圧下でのT
HFの除去により後処理した。残留物を塩化メチレン5
0ml中に取り、嫌気的条件下において水(20ml)
で洗浄した。乾燥(Na2SO4)、溶剤の除去およびク
ロマトグラフィー(n−ヘキサン:AcOEt=9:
1、Rf=0.2)による精製によって、収率42%で
無色のシロップ状物が得られた。
【0068】
【外12】
【0069】例3 触媒の製造:シクロオクタジエンルテニウムビス(2−
メタリル)(100mg、0.32ミリモル)およびホ
スホラン配位子0.32ミリモルをヘプタン5ml中で
容器中に導入し、60〜70℃で12時間撹拌した。溶
剤を除去し、残留物をメチルエチルケトンもしくはアセ
トン5ml中に取り、そこに2当量のメタノール性HB
rを添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、濾過し、
かつ濃縮した。生成物は、ホスホラノルテニウム−二臭
素錯体であった。
【0070】HBrの代わりに、他の酸、例えばHC
l、HI、TFA、HBF4およびその類似物を使用し
てもよい。その際、相応の対イオン(counterions)を
有する錯体が得られる。
【0071】例4 水素添加:例3からの触媒をメタノール中に溶解させ、
10000当量のβ−ケトエステルを添加した。所望で
あれば、水および酸(0.5〜2当量(触媒に対して)
の無機鉱酸もしくは強有機酸、例えばTFA、トリクロ
ロ酢酸およびその類似物)を添加してもよい。水素(1
0バール)を注入し、反応混合物を水素の取り込みがな
くなるまで35℃で撹拌した。
【0072】実施例:以下の実験を前記の方法によって
実施した。
【0073】
【表1】
【0074】変換率および鏡像体過剰率は、それぞれH
PLCおよびGCによって測定した。
【0075】(3S)−3−ヒドロキシオクタン2酸ジ
メチルエステルの分析データ
【0076】
【化11】
【0077】
【表2】
【0078】3−ヒドロキシペンタンカルボン酸メチル
エステル:LIPODEX A、50m、55℃
【0079】
【外13】
【0080】3−ヒドロキシブタンカルボン酸メチル
ステル:LIPODEX A、50m、55℃
【0081】
【外14】
【0082】3−ヒドロキシブタンカルボン酸エチル
ステル:LIPODEX A、50m、50℃
【0083】
【外15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 マーティン ヨッヘン クラット ドイツ連邦共和国 バート デュルクハイ ム ゾンネンヴェントシュトラーセ 64 (72)発明者 アルミン ベルマー ドイツ連邦共和国 ロシュトック イム ヴィンケル 40 (72)発明者 イエンス ホルツ ドイツ連邦共和国 ロシュトック トーマ ス−ミュンツァー−プラッツ 24 (72)発明者 グードルン フォス ドイツ連邦共和国 ロシュトック アウグ ステンシュトラーセ 73

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−ケトエステルと水素とを、式:LR
    uX2:[式中、Xは、ハロゲン、アセテート、アリ
    ル、メタリル、2−フェニルアリル、ペルクロレート、
    トリフルオロアセテート、テトラフルオロボレート、ヘ
    キサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロホスフェ
    ート、ヘキサフルオロアルセネート、トリクロロアセテ
    ートであり、Lは、式I: 【化1】 (式中、Bは、2個のリン原子間の1〜5個の炭素原子
    を有する架橋結合であり、R1は、H、C1〜C6−アル
    キル、アリール、アルキルアリールもしくはSiR2 3
    あり、R2は、アルキルもしくはアリールであり、m
    は、0または1であり、R3は、HまたはOR4であり、
    4は、R1であるが、但し、m=1であればR3=Hで
    あり、かつm=0であればR3≠Hである)の二座のホ
    スホランである]の触媒の存在下で反応させることによ
    って、エナンチオマー的に純粋なβ−ヒドロキシエステ
    ルを製造する方法。
  2. 【請求項2】 反応を0〜100℃の温度範囲で実施す
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 反応を0〜100バールの水素圧で実施
    する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 反応をアルカノールを含有する溶剤中で
    実施する、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 使用される溶剤がβ−ケトエステルを構
    成するアルカノールである、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 触媒をケトエステルに対して1:10〜
    1:1000000の重量比で使用する、請求項1記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 反応を酸の存在下で実施する、請求項1
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 使用されるβ−ケトエステルが式II: 【化2】 [式中、R5、R6は、置換または非置換のアルキル、ア
    リールもしくはアルキルアリールであり、R7、R8は、
    H、置換または非置換のアルキル、アリールもしくはア
    ルコキシである]の化合物である、請求項1記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 R6は、−CH2−CH2−CH2−CH2
    −COOR5であり、R7およびR8はHである、請求項
    8記載の方法。
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