JP2000119008A - 超微細セラミック酸化物粉末及びその製造方法とそれを用いるセラミックペースト及びその製造方法 - Google Patents

超微細セラミック酸化物粉末及びその製造方法とそれを用いるセラミックペースト及びその製造方法

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JP2000119008A JP10373830A JP37383098A JP2000119008A JP 2000119008 A JP2000119008 A JP 2000119008A JP 10373830 A JP10373830 A JP 10373830A JP 37383098 A JP37383098 A JP 37383098A JP 2000119008 A JP2000119008 A JP 2000119008A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温下の単一工程により、粒子が微細であ
り、反応性に優れたセラミック酸化物粉末と、これを用
いて、セラミックペーストとを製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 セラミック構成成分原料を溶媒に十分に
溶解させるか又は均一に分散させて、セラミック構成元
素を含む溶液を製造する段階と、セラミック構成成分が
溶解した溶液に、セラミック構成元素の陰イオンと酸化
−還元燃焼反応を起こすのに必要な量又はそれ以上のク
エン酸を添加して、混合液を製造する段階と、混合液を
低温で熱処理して、添加されたクエン酸が還元性燃焼助
剤として作用して、セラミック構成元素の陰イオンと非
爆発的酸化−還元燃焼反応を起こして除去されるように
し、この反応熱によりセラミック酸化物を飛散なしに形
成する段階とにより、粒径分布が均一な超微細セラミッ
ク酸化物粉末を得るとともに、この粉末を用いてセラミ
ックペーストを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超微細セラミック酸
化物粉末及びその製造方法と、これにより製造されたセ
ラミック酸化物粉末を用いるセラミックペースト及びそ
の製造方法に関するもので、より詳しくはクエン酸を燃
焼助剤として使用し低温での単一工程により反応性に優
れた超微細セラミック酸化物粉末を製造する方法と、こ
の方法により製造され、粒子が極めて微細であり、反応
性に優れたセラミック酸化物粉末と、このように製造さ
れた超微細セラミック酸化物粉末を用いたセラミックペ
ーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッド、メモリチップ、
圧電体など、セラミックを用いる各種デバイスの製作に
おいて原料となるセラミック酸化物粉末は、単位粒子の
微細化、粒径分布の均一化などが強調される。これは、
微細粒子の場合、表面処理により活性化エネルギーを減
少させるか、粒子を帯電させることにより、反応性と応
用性をよくし得るためである。
【0003】セラミック酸化物粉末を製造するために使
用される従来の方法は、固相法と燃焼法に大別される。
【0004】酸化物法ともいう固相法は、酸化物又は溶
融塩を用いてセラミック酸化物粉末を製造する方法であ
る。固相法は、粉末形態の原料物質を混合し1,000
〜1,200℃で熱処理した後、粉砕し焼結してセラミ
ック酸化物粉末を製造するもので、固相法によるセラミ
ック酸化物粉末の製造工程は図1の(a)に示されてい
る。
【0005】固相法により製造されるセラミック酸化物
粉末の粒径は原料粉末の粒径によって変わり、生成され
る粉末の粒径が0.2〜2μmで比較的大きいので、
0.1μm以下の粒子を得るには不適切であり、工程の
特性上1,000℃以上の高温での熱処理が要求される
欠点がある。
【0006】燃焼法は、セラミックを構成する原料物質
と溶媒に燃焼助剤を添加して均質溶液を製造し、製造さ
れた溶液を500℃以下の温度で熱処理して燃焼助剤の
燃焼反応を起こし、燃焼反応により生成される非晶質の
1次生成物を500℃以上の温度で追加熱処理して結晶
化することにより、セラミック酸化物粉末を製造する方
法であり、このような燃焼法によるセラミック酸化物粉
末の製造工程は図1の(b)に示されている。
【0007】一般に、燃焼助剤としては、硝酸、ポリア
クリル酸などの酸、又はグリシン(glycine)、尿素(u
rea)のような窒素含有化合物を使用する。このような
燃焼助剤の燃焼により生成される1,000℃以上の高
熱を用いて瞬間的にセラミック生成反応を進行させる。
【0008】粒径分布が均等なセラミック粉末を得るた
めには、原料物質として、金属アルコキシド、硝酸塩、
酢酸塩などを主として使用し、このような原料物質を溶
かし得る溶媒としては適切な有機溶媒又は水を使用す
る。
【0009】このような従来の燃焼法は、500℃程度
の低温で0.1μm以下の微細粉末を得ることができる
利点がある。
【0010】しかし、燃焼反応が激しくて、火炎及び気
体が急激に発生し、それにより粉末の飛散が発生し、燃
焼生成物の体積が膨張して、体積/重量比が大きすぎる
という欠点がある。
【0011】また、一般に、燃焼反応生成物は多量の未
燃焼炭素を含有する灰の形態で、未だ粒子の結晶化がな
されていない非晶質体であるため、結晶化させるために
は、生成物を500℃以上の温度で追加熱処理すべきで
ある欠点がある。
【0012】また、使用する原料によっては、中間生成
物が自体凝集して粘着力が高くなるため、取り扱いにく
い欠点がある。特に、クエン酸を添加する場合、粘着力
の高い中間体が形成される。
【0013】また、従来の方法でセラミック酸化物粉末
を製造する場合、過量の酸を添加するため、別に塩基を
添加してpHを調節すべきであるが、このとき、酸と塩
基の中和反応により過量の熱が発生して爆発が起こる危
険がある。
【0014】セラミックを用いる各種膜型デバイスを製
作することにおいて、従来には、セラミック酸化物粉末
を用いてセラミックペーストを製造し、これを振動板に
印刷するか、モールディングしてから熱処理する方法を
主として使用してきた。
【0015】特に、デバイスの微細化及び精巧化を重要
視する最近の状況を考慮するとき、微細パターンの印刷
又はモールディングが可能であるとともに、品質の均一
なペーストを開発することが急な課題である。
【0016】セラミックペーストを製造するため、従来
には、ペーストとしての固有特性を確保するバインダ、
セラミック粒子を均一に分散させてペーストを均一に
し、印刷又はモールディングに適用するため、適切な流
動性を付与するビークル(vehicle)、微細成形を可能
にする可塑剤、ペーストに均質性を付与する分散剤など
を溶媒に溶解させた溶液に、固相法により製造された平
均粒径1μmのセラミック粒子を添加した後、混合し攪
拌する方法を使用してきた。
【0017】前記のような従来のセラミックペーストの
製造方法は図3に示されている。
【0018】この際に、バインダとしてはエチルセルロ
ース(ethylcellulose)などのセルロース類の繊維質を
使用し、可塑剤としてはフタレート(phthalate)類を
使用し、溶媒としてはテルピネオル(terpineol)を主
として使用する。
【0019】従来の固相法により製造されたセラミック
酸化物粉末を使用する場合には、前記のような有機物を
必ず添加すべきであり、有機物を添加しなければ、セラ
ミックペーストの粘度調節がなされなく、セラミックペ
ーストを振動板にコーティングする場合、コーティング
がなされない問題点がある。
【0020】また、このような方法により製造されたセ
ラミックペーストは、セラミック粒子のサイズが大きい
ため、低温での成形が不可能であり、分散剤の場合、組
成あるいは製法に関する情報なしに一方的に供給者に依
存すべきである欠点がある。
【0021】前記方法により製造されたセラミックペー
ストを用いてセラミック膜を製造するためには、セラミ
ックペーストを振動板に印刷した後、130℃で乾燥
し、1,000℃以上で熱処理するが、乾燥後に熱処理
するする前、添加された有機成分を全く除去するための
脱バインダ作業のため、500℃以上で別の追加熱処理
を行うべきである問題点がある。
【0022】また、1,000℃以上で熱処理すべきで
あるため、選択可能な振動板の範囲が制限される問題点
がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点を解決する
ための本発明は、燃焼時に局部的に1,000℃以上の
高温を発生させながらも燃焼反応の様相が急でないクエ
ン酸を燃焼助剤として使用し、燃焼法でセラミック酸化
物粉末を製造することにより、低温での単一工程によ
る、粒径が非常に微細であるとともに反応性が非常に優
秀なセラミック酸化物粉末とその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0024】また、本発明は前記超微細セラミック酸化
物粉末を使用して、従来のセラミックペーストより低い
温度で成形可能であり、製造過程が簡単であるととも
に、実際適用時、セラミックの固有特性をより優秀に再
現し得るセラミックペースト及びその製造方法を提供す
ることをほかの目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、セラミック構成成分原料を溶媒又は分散媒
に十分に溶解させるか又は均一に分散させて、セラミッ
ク構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段階
と、前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液
又は分散混合物に、前記セラミック構成元素の陰イオン
と酸化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又はそ
れ以上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段階
と、前記混合液を100〜500℃で熱処理して、溶媒
又は分散媒を蒸発させることで、前記添加されたクエン
酸が還元性燃焼助剤として作用して、前記セラミック構
成元素の陰イオンと非爆発的酸化−還元燃焼反応を起こ
して除去されるようにし、このときに発生する反応熱に
よりセラミック酸化物を飛散なしに形成する段階とによ
り、最終に粒径が1μm以下であり粒径分布が均一な超
微細セラミック酸化物粉末を得る超微細セラミック酸化
物粉末の製造方法とこの方法により製造された超微細セ
ラミック酸化物粉末にその特徴がある。
【0026】また、本発明は、セラミック構成成分原料
を溶媒又は分散媒に十分に溶解させるか又は均一に分散
させて、セラミック構成元素を含む溶液又は分散混合物
を製造する段階と、前記セラミック構成成分が溶解又は
分散された溶液又は分散混合物に、前記セラミック構成
元素の陰イオンと酸化−還元燃焼反応を起こすのに要求
される量又はそれ以上のクエン酸を添加して、混合液を
製造する段階と、前記混合液を100〜500℃で熱処
理して、溶媒又は分散媒を蒸発させることで、前記添加
されたクエン酸が還元性燃焼助剤として作用して、前記
セラミック構成元素の陰イオンと非爆発的酸化−還元燃
焼反応を起こして除去されるようにし、この時に発生す
る反応熱によりセラミック酸化物を飛散なしに形成し
て、最終に粒径が1μm以下であり粒径分布が均一な超
微細セラミック酸化物粉末を得る段階と、水又は有機溶
媒をベースとし、前記超微細セラミック酸化物粉末と同
一又は類似成分のセラミック構成元素を溶解してセラミ
ックゾル溶液を製造する段階と、前記超微細セラミック
酸化物粉末と前記セラミックゾル溶液を混合してセラミ
ックペーストを製造する段階とにより、前記セラミック
ゾル溶液が前記超微細セラミック酸化物粉末の表面で反
応媒体として作用して、粉末表面の反応性を向上させる
ことにより、低温での熱処理のみによっても焼成を可能
にするセラミックペーストの製造方法及びこの方法に製
造されたセラミックペーストにその特徴がある。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】まず、図2に示すような超微細セラミック
酸化物粉末を製造する方法について説明する。
【0029】本発明の超微細セラミック酸化物粉末の製
造方法は、セラミック構成成分原料を溶媒又は分散媒に
十分に溶解させるか又は均一に分散させて、セラミック
構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段階と、
前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液又は
分散混合物に、前記セラミック構成元素の陰イオンと酸
化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又はそれ以
上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段階と、前
記混合液を100〜500℃で熱処理する段階とを含
み、700〜900℃で追加熱処理して結晶性を向上さ
せる段階をさらに含むこともできる。
【0030】セラミック構成成分を含む原料としては、
セラミック構成元素の酸化物、炭酸化物又は硝酸化物な
どのセラミック構成元素と有機物又は無機物との塩、又
はセラミック構成元素の着体から選択して使用する。
【0031】前記セラミック構成元素としては、鉛(P
b)、チタン(Ti)を基本構成元素とする圧電/電歪
セラミック元素を使用することが好ましい。
【0032】特に、前記セラミック構成元素としては、
鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、
又は鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(T
i)/鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、ニオブ(N
b)を含む成分からなったものを使用することが好まし
い。
【0033】セラミック構成成分原料を溶解又は分散さ
せるための溶媒又は分散媒としては、水又は有機溶媒の
うち、セラミック構成成分を含む原料を溶かすか分散す
ることができるものの一つ又はそれ以上を選択して使用
する。有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド(dime
thyl formamide)、メトキシエタノール(methoxyethan
ol)、酢酸、アルコール類などを主として使用する。
【0034】燃焼助剤としては、燃焼反応を起こし得る
有機化合物であるクエン酸を使用する。従来の方法にお
いては、クエン酸が燃焼助剤でない着物形成剤で、反応
の均質性を付与するために使用され、ペチニ法(Pechin
i process)のような工程に応用され、クエン酸の可燃
性と着物形成効果を用いることにより、速度の調節され
た燃焼反応を誘発し得る。
【0035】セラミック構成成分が溶解又は分散された
溶液又は分散混合物にクエン酸を加え混合して混合液を
製造する。添加するクエン酸の量としては、前記セラミ
ック構成元素の陰イオンと酸化−還元燃焼反応を起こす
のに要求される量又はそれ以上を添加する。添加するク
エン酸の量によって反応の進行速度を調節し得る。
【0036】クエン酸をくわえて混合した混合液を10
0〜500℃で熱処理する。熱処理の温度が高くなるほ
どにセラミック相の結晶性は向上されるが、熱処理温度
が100℃以上だけになってもクエン酸の燃焼反応が十
分に開始でき、500℃以上で熱処理しても反応が起こ
り得るが、それ以上の温度で熱処理することは従来の方
法に比べて意味がない。
【0037】より好ましくは150〜300℃で熱処理
し、この温度範囲はかなり低温での熱処理でありながら
もセラミック相の結晶性を十分に確保し得る。
【0038】前記燃焼反応過程でクエン酸が除去され、
このときに発生されるクエン酸の反応熱によりセラミッ
ク酸化物が飛散なく形成される。
【0039】このような反応において、セラミック構成
元素のほかの成分は十分な時間の燃焼反応により除去さ
れるので、不純物が残留しない純粋な形態のセラミック
酸化物粉末が形成される。
【0040】前記方法により製造されたセラミック酸化
物粉末は、粒径が1μm以下、特に0.01〜0.1μ
mで、極めて微細であり、粒径分布が均一な粉末であ
り、基本粒子が独立体又は弱い凝集体(soft aggregat
e)の形態として存在し、全く燃焼されたセラミックで
あるので、追加の熱処理によっても重量が減少しない。
【0041】また、表面の反応性が優秀であって、低温
での熱処理のみによって成形できるので、振動板の自由
度が高く、振動板に印刷する方法を多様に適用し得る。
【0042】製造された超微細セラミック酸化物粉末の
結晶性を向上させるためには、製造されたセラミック酸
化物粉末を700〜900℃で更に熱処理する段階を含
むこともできる。
【0043】前記のように製造された超微細セラミック
酸化物粉末を用いてセラミックペーストを製造する方法
は図4に示すようである。
【0044】セラミックペーストの原料としては、セラ
ミック酸化物粉末及びセラミック酸化物粉末と親和性を
有する同一又は類似成分のセラミック構成元素を溶解さ
せて製造したセラミックゾル溶液を混合して使用する。
【0045】セラミック酸化物粉末としては、自体の反
応性を考慮して、低温成形の可能なシステムを確保する
ためには、微細な粉末を使用することが効果的であるの
で、前記方法により製造されたセラミック酸化物粉末を
使用する。
【0046】室温でセラミック酸化物粉末の表面は単一
層以上の水と結合して存在し、ここで、表面に結合され
た水はセラミック酸化物粉末表面の酸性度及び塩基性度
に影響を及ぼし、セラミック酸化物粉末とセラミックゾ
ル溶液を混合したときに触媒作用をする。
【0047】セラミックゾル溶液は、水又は有機溶媒を
ベースとし、セラミック構成元素を溶解させて製造す
る。ベースとなる有機溶媒は色々のものを使用し得る
が、主として酢酸、ジメチルホルムアミド、メトキシエ
タノール、グリコール類、アルコール類から選択して使
用することが好ましい。
【0048】セラミックゾル溶液の製造時に使用するセ
ラミック構成元素は鉛(Pb)、ジルコニウム(Z
r)、チタン(Ti)を含む成分を使用することが好ま
しく、使用するセラミックゾル溶液の濃度は0.1〜5
Mとすることが好ましい。
【0049】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液を混合するとき、セラミックゾル溶液の含量は、セラ
ミック酸化物粉末に対して10〜200重量部とするこ
とが好ましい。セラミックゾル溶液の含量が200重量
部以上である場合には、セラミック酸化物粉末が過度に
希釈されて混合体の粘度が低く、10重量部未満である
場合には、セラミック酸化物粉末の量が多くて粘度が過
度に高くなるためである。
【0050】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液の両システムを混合すると、液相のセラミックゾル溶
液が固相のセラミック酸化物粉末の表面を均一にコーテ
ィングしセラミック酸化物粉末粒子を連結して、粉末間
の空隙を効果的に満たすことになる。
【0051】このように形成された粉末−ゾル混合体に
おいて、セラミック固有の特性を有するセラミック酸化
物粉末は、これと同一であるか又は類似した成分のセラ
ミックゾル溶液で取り囲まれるので、適当な流動性を有
し、セラミックゾルがセラミック酸化物粉末の表面に反
応媒体として作用して粉末表面の反応性を向上させる。
【0052】また、ゾルに含まれている有機成分は、以
後この混合体が別の有機物と接触するとき、接触界面の
安定性を確保して、分散性と均質性を付与する。
【0053】このようなシステムは、低温でゾルが熱分
解してセラミック酸化物粉末と同一であるか又は類似し
た組成に変換されるため、低温でも粒子間の連結性が向
上されたセラミックシステムを得ることができる。
【0054】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液を混合した混合体の安定性と成形に必要な流動性を確
保するため、物性調節用有機溶媒を添加することもでき
る。物性調節用有機溶媒としては色々なものを使用し得
るが、どの程度の粘度を有するとともに常温での蒸気圧
が低いグリコール類又はアルコール類を基本に使用する
ことが好ましい。
【0055】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液の混合体に物性調節用有機溶媒を添加する場合、物性
調節用有機溶媒の添加量は、セラミック酸化物粉末に対
して1〜100重量部とすることが好ましい。これは、
物性調節用有機溶媒の添加量が1重量部未満であると、
物性調節用有機溶媒を添加した効果がなく、添加量が1
00重量部を超えると、混合体が粘度を維持し得なく、
余り希釈されて、成形時に成形性が悪くなるためであ
る。
【0056】物性調節用有機溶媒の添加量は、セラミッ
ク酸化物粉末に対して10〜40重量部とすることが好
ましく、この添加量の範囲では混合体の粘度を適宜維持
するとともに有機物添加の効果を奏し得る。
【0057】また、セラミック酸化物粉末とセラミック
ゾル溶液の混合体に物性調節用溶媒を添加した混合体の
分散性と均質性を改善するため、少量の有機物を添加す
ることもできる。この際に、添加する有機物は長鎖アル
コール類又は極性有機溶媒を使用することが好ましい。
【0058】長鎖アルコール類としては、ペンタノール
又はヘキサノールを使用することが好ましく、極性有機
溶媒としては、アセチルアセトン又はメトキシエタノー
ルを使用することが好ましい。
【0059】有機物の添加量は、セラミック酸化物粉末
に対して1〜50重量部とすることが好ましい。これ
は、有機物の添加量が1重量部未満であると、有機物を
添加した効果がなく、添加量が50重量部を超えると、
混合体が粘度を維持し得なく、余り希釈されて、成形性
が悪くなるためである。
【0060】有機物の添加量は、セラミック酸化物粉末
に対して10〜40重量部とすることが特に好ましく、
この添加量の範囲では混合体の粘度を適宜維持するとと
もに有機物添加の効果を奏し得る。
【0061】前記方法により製造されたセラミックペー
ストは、100〜500℃で熱処理することにより、セ
ラミック膜を形成することができる。100〜500℃
の低温での熱処理のみによっても反応が十分である理由
は、セラミック酸化物粉末表面の水がセラミックゾル溶
液を加水分解し、加水分解により遊離されたセラミック
ゾル溶液のセラミック構成原料がセラミック酸化物粉末
と結合する相互間の反応により、焼成に等しい反応がな
されるためである。また、熱処理過程で、添加された有
機物も除去される。
【0062】このように、低温での熱処理のみで膜を成
形し得るので、振動板の自由度が高くて、ニッケル、ス
テンレススチールなどの金属、セラミックだけでなく、
プラスチック又は樹脂のような有機化合物も振動板とし
て使用することができ、パターニング時、モールドを用
いてモールディングするか、スクリーンを用いて印刷す
るなど、色々の方法を適用し得る。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。しかし、次の実施例は本発明を例示するもので、本
発明の範囲を限定するものではない。
【0064】(実施例1)硝酸鉛[Pb(NO32]1
05.3gをジメチルホルムアミド300mlに溶解さ
せて硝酸鉛−DMF溶液を用意し、過酸化硝酸ジルコニ
ウム水酸化物[ZrO(NO32・2H2O]43.1
gを30mlの水に溶解させて過酸化硝酸ジルコニウム
水溶液を用意した。
【0065】前記硝酸鉛−ジメチルホルムアミド溶液に
クエン酸59.3gを加え全く溶解させた後、チタンイ
ソプロポキシド[Ti(i−C37O)4]44.5m
lを加え拡販して全く均質化させた後、過酸化硝酸ジル
コニウム水溶液を徐々にくわえて混合溶液を製造した。
【0066】製造された混合溶液をヒーターで200℃
で熱処理した。熱処理により、溶媒である水とジメチル
ホルムアミドがまず蒸発した後、クエン酸の燃焼反応が
開始され段々容器全体に拡張された。
【0067】最初燃焼生成物は黄緑色を呈したが、燃焼
反応が進行するにしたがって薄い橙色を経て黄白色の微
細粉末となった。容器を冷やした後、粉末を取り去り、
瑪瑙乳鉢で軽く挽いた。
【0068】原粉末と、原粉末を300℃、500℃、
700℃で2時間追加熱処理した試料をXRD(X-Ray
Diffraction、X線回折分析)、SEM(Scanning Elec
tronMicroscopy、走査電子顕微鏡)、EDS(Energy D
ispersive Spectroscopy、エネルギー分散分光分析)、
TGA(Thermogravimetric analysis、熱重量分析)に
より、結晶学的構造、微細構造、粒径及び成分を確認し
た。
【0069】TGAの結果、燃焼反応後に得られた粉末
は、追加熱処理において、それ以上の重量減少が観察さ
れなかったので、完全燃焼されたセラミック相であるこ
とが分かった。
【0070】EDSの結果、全ての試料がPZT(52
/48)の組成比を有することが分かった。
【0071】熱処理温度が上昇するほどにセラミック相
の結晶性は向上したが、相転移現象又はピークの移動は
見つからなかった。
【0072】SEMの結果、粉末の平均粒径50nmの
基本粒子が独立体又は弱い凝集体の形態として存在する
ことが分かった。
【0073】(実施例2)硝酸鉛[Pb(NO32]2
6.3gを高純度蒸留水(deionized water)200m
lに溶解させた後、過酸化硝酸ジルコニウム水酸化物
[ZrO(NO32・2H2O]10.8gを加え溶解
させ、酸化チタン(TiO2)2.9gを加え攪拌させ
て溶液を製造した。
【0074】この溶液にクエン酸14.8gを加え全く
溶解させた後、ヒーターを使用して200℃に加熱し
た。
【0075】加熱により、水がまず蒸発し、水が蒸発し
た後、クエン酸の燃焼反応が開始され段々容器全体に拡
張された。燃焼が終わった後、容器を冷やし、粉末を収
集して瑪瑙乳鉢で軽く挽いた。
【0076】原粉末と、原粉末を300℃、500℃、
700℃で2時間熱処理した試料に対して、XRD、S
EM、EDS、TGAにより結晶学的構造、微細構造、
粒径及び成分を確認したところ、その結果は実施例1と
同一であった。
【0077】(実施例3)DMF350mlに硝酸鉛
[Pb(NO32]207.8gを溶解させ、硝酸マグ
ネシウム[Mg(NO32]20.8gを加え溶解させ
た後、チタンイソプロポキシド[Ti(i−C37O)
4]50.9gをくわえて清い硫酸溶液を製造した。
【0078】過酸化硝酸ジルコニウム水酸化物[ZrO
(NO32・2H2O]50.8gを100mlの水に
溶解させた溶液を別に用意して前記溶液に添加した。こ
の溶液に酸化ニオブ(Nb211)21.5gとクエン
酸108.3gを加え全く溶解させ150℃に加熱し
た。どの程度溶媒が蒸発した後、温度を250℃に上昇
させてから維持した。
【0079】燃焼反応の完結された橙色微細粉末を収集
して瑪瑙乳鉢で軽く挽いた。
【0080】原粉末と、原粉末を700℃、900℃で
3時間熱処理した試料に対して、XRD、SEM、ED
Sにより、結晶学的構造、微細構造、粒径及び成分を確
認したところ、その結果は実施例1と同一であった。
【0081】(実施例4)PZT/PMN微細粉末20
gを6gのPZT(52/48)ゾルと混合した。2g
のトリメチレングリコールと1gの1−ペンチルアルコ
ールを加え、自動乳鉢で攪拌した。
【0082】得られたペーストを、250メッシュスチ
ールスクリーンで製造した微細パターンを用いてSUS
316L振動板とニッケル振動板上にスクリーンプリン
ティングした。
【0083】70℃で10分間乾燥した後、300℃で
2時間熱処理した。アルミニウムを真空蒸着して上部電
極を形成し、電位を印加して、圧電現象による振動板の
変位を測定した。
【0084】振動板の変位を測定した結果、振動板の変
位として現れる圧電特性は従来の方法で製造されたセラ
ミックペーストより優れた。 (実施例5)PZT/PMN微細粉末5gを3gのPZ
T(52/48)ゾルと混合し、1−ペンチルアルコー
ル2gを加え、自動乳鉢で攪拌した。
【0085】得られたペーストを、感光性フィルムで成
形されたモールドが付着されているニッケル振動板で充
填した。常温で乾燥した後、200℃で1時間熱処理し
た。
【0086】銀ペーストをスクリーンプリンティングで
印刷して上部電極を成形し、電位を印加して、圧電現象
による振動板の変位を測定した。
【0087】振動板の変位を測定した結果、振動板の変
位として現れる圧電特性は従来の方法で製造されたセラ
ミックペーストより優れた。
【0088】
【発明の効果】以上説明した本発明は、燃焼助剤として
クエン酸を用い、燃焼法によりセラミック酸化物粉末を
製造することにより、300℃以下の温度で単一工程に
より、粒径が0.01〜0.1μmで、極めて微細であ
り、全く燃焼されて、追加の熱処理が要らないセラミッ
ク酸化物粉末を製造し得るので、工程の安定性、省エネ
ルギー化、高収率化を確保することができ、従来の燃焼
法において指摘された問題点が発生しない。
【0089】また、製造されたセラミック酸化物粉末
は、表面の反応性が優秀であるため、同一又は類似組成
のセラミックゾル溶液との追加混合のみで粘度を調節す
ることができ、別の有機物を添加しなくてもコーティン
グが可能であり、低温での熱処理のみで成膜ができるの
で、適用可能性が高い効果がある。
【0090】すなわち、振動板の自由度が高くて、ニッ
ケル、ステンレススチールなどの金属、セラミックだけ
でなく、プラスチック又は樹脂のような有機化合物も振
動板として使用することができ、色々な方法で膜を製造
することができる。
【0091】本発明の方法により製造されたセラミック
ペーストは、印刷性と安定性などの諸般物性が実際応用
に適し、印刷後、別の脱バインダ過程なしに直接熱処理
が可能であり、既存のペーストに比べてずっと低い温度
で所望セラミックパターンを得ることができる効果があ
る。
【0092】また、本発明の方法により製造されたセラ
ミックペーストを使用してセラミック膜を成形する場
合、低温処理にもかかわらず、振動板の変位として現れ
る圧電特性が既存の結果より優秀であり、ペーストの構
成成分と製造工程が単純であり、これを用いるセラミッ
ク膜の製作工程が省エネルギー化され、工程のリードタ
イム(lead-time)が大幅短縮される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、固相法によるセラミック酸化物粉
末の製造工程を示す工程図であり、(b)は、燃焼法に
よるセラミック酸化物粉末の製造工程を示す工程図であ
る。
【図2】 本発明によるセラミック酸化物粉末の製造工
程を示す工程図である。
【図3】 従来のセラミックペースト製造工程を示す工
程図である。
【図4】 本発明によるセラミックペーストの製造工程
を示す工程図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月24日(2000.1.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 超微細セラミック酸化物粉末及びその
製造方法とそれを用いるセラミックペースト及びその製
造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超微細セラミック酸
化物粉末及びその製造方法と、これにより製造されたセ
ラミック酸化物粉末を用いるセラミックペースト及びそ
の製造方法に関するもので、より詳しくはクエン酸を燃
焼助剤として使用し低温での単一工程により反応性に優
れた超微細セラミック酸化物粉末を製造する方法と、こ
の方法により製造され、粒子が極めて微細であり、反応
性に優れたセラミック酸化物粉末と、このように製造さ
れた超微細セラミック酸化物粉末を用いたセラミックペ
ーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッド、メモリチップ、
圧電体など、セラミックを用いる各種デバイスの製作に
おいて原料となるセラミック酸化物粉末は、単位粒子の
微細化、粒径分布の均一化などが強調される。これは、
微細粒子の場合、表面処理により活性化エネルギーを減
少させるか、粒子を帯電させることにより、反応性と応
用性をよくし得るためである。
【0003】セラミック酸化物粉末を製造するために使
用される従来の方法は、固相法と燃焼法に大別される。
【0004】酸化物法ともいう固相法は、酸化物又は溶
融塩を用いてセラミック酸化物粉末を製造する方法であ
る。固相法は、粉末形態の原料物質を混合し1,000
〜1,200℃で熱処理した後、粉砕し焼結してセラミ
ック酸化物粉末を製造するもので、固相法によるセラミ
ック酸化物粉末の製造工程は図1の(a)に示されてい
る。
【0005】固相法により製造されるセラミック酸化物
粉末の粒径は原料粉末の粒径によって変わり、生成され
る粉末の粒径が0.2〜2μmで比較的大きいので、
0.1μm以下の粒子を得るには不適切であり、工程の
特性上1,000℃以上の高温での熱処理が要求される
欠点がある。
【0006】燃焼法は、セラミックを構成する原料物質
と溶媒に燃焼助剤を添加して均質溶液を製造し、製造さ
れた溶液を500℃以下の温度で熱処理して燃焼助剤の
燃焼反応を起こし、燃焼反応により生成される非晶質の
1次生成物を500℃以上の温度で追加熱処理して結晶
化することにより、セラミック酸化物粉末を製造する方
法であり、このような燃焼法によるセラミック酸化物粉
末の製造工程は図1の(b)に示されている。
【0007】一般に、燃焼助剤としては、硝酸、ポリア
クリル酸などの酸、又はグリシン(glycine)、尿素(u
rea)のような窒素含有化合物を使用する。このような
燃焼助剤の燃焼により生成される1,000℃以上の高
熱を用いて瞬間的にセラミック生成反応を進行させる。
【0008】粒径分布が均等なセラミック粉末を得るた
めには、原料物質として、金属アルコキシド、硝酸塩、
酢酸塩などを主として使用し、このような原料物質を溶
かし得る溶媒としては適切な有機溶媒又は水を使用す
る。
【0009】このような従来の燃焼法は、500℃程度
の低温で0.1μm以下の微細粉末を得ることができる
利点がある。
【0010】しかし、燃焼反応が激しくて、火炎及び気
体が急激に発生し、それにより粉末の飛散が発生し、燃
焼生成物の体積が膨張して、体積/重量比が大きすぎる
という欠点がある。
【0011】また、一般に、燃焼反応生成物は多量の未
燃焼炭素を含有する灰の形態で、未だ粒子の結晶化がな
されていない非晶質体であるため、結晶化させるために
は、生成物を500℃以上の温度で追加熱処理すべきで
あるという欠点がある。
【0012】また、使用する原料によっては、中間生成
物が自体凝集して粘着力が高くなるため、取り扱いにく
い欠点がある。特に、クエン酸を添加する場合、粘着力
の高い中間体が形成される。
【0013】また、従来の方法でセラミック酸化物粉末
を製造する場合、過量の酸を添加するため、別に塩基を
添加してpHを調節すべきであるが、このとき、酸と塩
基の中和反応により過量の熱が発生して爆発が起こる危
険がある。
【0014】セラミックを用いる各種膜型デバイスを製
作することにおいて、従来には、セラミック酸化物粉末
を用いてセラミックペーストを製造し、これを振動板に
印刷するか、モールディングしてから熱処理する方法を
主として使用してきた。
【0015】特に、デバイスの微細化及び精巧化を重要
視する最近の状況を考慮するとき、微細パターンの印刷
又はモールディングが可能であるとともに、品質の均一
なペーストを開発することが急な課題である。
【0016】セラミックペーストを製造するため、従来
には、ペーストとしての固有特性を確保するバインダ、
セラミック粒子を均一に分散させてペーストを均一に
し、印刷又はモールディングに適用するため、適切な流
動性を付与するビークル(vehicle)、微細成形を可能
にする可塑剤、ペーストに均質性を付与する分散剤など
を溶媒に溶解させた溶液に、固相法により製造された平
均粒径1μmのセラミック粒子を添加した後、混合し攪
拌する方法を使用してきた。
【0017】前記のような従来のセラミックペーストの
製造方法は図3に示されている。
【0018】この際に、バインダとしてはエチルセルロ
ース(ethylcellulose)などのセルロース類の繊維質を
使用し、可塑剤としてはフタレート(phthalate)類を
使用し、溶媒としてはテルピネオール(terpineol)を
主として使用する。
【0019】従来の固相法により製造されたセラミック
酸化物粉末を使用する場合には、前記のような有機物を
必ず添加すべきであり、有機物を添加しなければ、セラ
ミックペーストの粘度調節がなされなく、セラミックペ
ーストを振動板にコーティングする場合、コーティング
がなされない問題点がある。
【0020】また、このような方法により製造されたセ
ラミックペーストは、セラミック粒子のサイズが大きい
ため、低温での成形が不可能であり、分散剤の場合、組
成あるいは製法に関する情報なしに一方的に供給者に依
存すべきである欠点がある。
【0021】前記方法により製造されたセラミックペー
ストを用いてセラミック膜を製造するためには、セラミ
ックペーストを振動板に印刷した後、130℃で乾燥
し、1,000℃以上で熱処理するが、乾燥後に熱処理
するする前、添加された有機成分を全て除去するための
脱バインダ作業のため、500℃以上で別の追加熱処理
を行うべきである問題点がある。
【0022】また、1,000℃以上で熱処理すべきで
あるため、選択可能な振動板の範囲が制限される問題点
がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点を解決する
ための本発明は、燃焼時に局部的に1,000℃以上の
高温を発生させながらも燃焼反応の様相が急でないクエ
ン酸を燃焼助剤として使用し、燃焼法でセラミック酸化
物粉末を製造することにより、低温での単一工程によ
る、粒径が非常に微細であるとともに反応性が非常に優
秀なセラミック酸化物粉末とその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0024】また、本発明は前記超微細セラミック酸化
物粉末を使用して、従来のセラミックペーストより低い
温度で成形可能であり、製造過程が簡単であるととも
に、実際適用時、セラミックの固有特性をより優秀に再
現し得るセラミックペースト及びその製造方法を提供す
ることをほかの目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、セラミック構成成分原料を溶媒又は分散媒
に十分に溶解させるか又は均一に分散させて、セラミッ
ク構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段階
と、前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液
又は分散混合物に、前記セラミック構成成分原料の陰イ
オンと酸化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又
はそれ以上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段
階と、前記混合液を100〜500℃で熱処理して、溶
媒又は分散媒を蒸発させることで、前記添加されたクエ
ン酸を還元性燃焼助剤として作用させ、前記セラミック
構成成分原料の陰イオンと非爆発的酸化−還元燃焼反応
を起こして除去されるようにし、このときに発生する反
応熱によりセラミック酸化物を飛散なしに形成する段階
とにより、最終的に粒径が1μm以下であり粒径分布が
均一な超微細セラミック酸化物粉末を得る超微細セラミ
ック酸化物粉末の製造方法とこの方法により製造された
超微細セラミック酸化物粉末にその特徴がある。
【0026】また、本発明は、セラミック構成成分原料
を溶媒又は分散媒に十分に溶解させるか又は均一に分散
させて、セラミック構成元素を含む溶液又は分散混合物
を製造する段階と、前記セラミック構成成分が溶解又は
分散された溶液又は分散混合物に、前記セラミック構成
成分原料の陰イオンと酸化−還元燃焼反応を起こすのに
要求される量又はそれ以上のクエン酸を添加して、混合
液を製造する段階と、前記混合液を100〜500℃で
熱処理して、溶媒又は分散媒を蒸発させることで、前記
添加されたクエン酸を還元性燃焼助剤として作用させ、
前記セラミック構成成分原料の陰イオンと非爆発的酸化
−還元燃焼反応を起こして除去されるようにし、この時
に発生する反応熱によりセラミック酸化物を飛散なしに
形成して、最終的に粒径が1μm以下であり粒径分布が
均一な超微細セラミック酸化物粉末を得る段階と、水又
は有機溶媒をベースとし、前記超微細セラミック酸化物
粉末と同一又は類似成分のセラミック構成元素を溶解し
てセラミックゾル溶液を製造する段階と、前記超微細セ
ラミック酸化物粉末と前記セラミックゾル溶液を混合し
てセラミックペーストを製造する段階とにより、前記セ
ラミックゾル溶液が前記超微細セラミック酸化物粉末の
表面で反応媒体として作用して、粉末表面の反応性を向
上させることにより、低温での熱処理のみによっても焼
成を可能にするセラミックペーストの製造方法及びこの
方法に製造されたセラミックペーストにその特徴があ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】まず、図2に示すような超微細セラミック
酸化物粉末を製造する方法について説明する。
【0029】本発明の超微細セラミック酸化物粉末の製
造方法は、セラミック構成成分原料を溶媒又は分散媒に
十分に溶解させるか又は均一に分散させて、セラミック
構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段階と、
前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液又は
分散混合物に、前記セラミック構成成分原料の陰イオン
と酸化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又はそ
れ以上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段階
と、前記混合液を100〜500℃で熱処理する段階と
を含み、700〜900℃で追加熱処理して結晶性を向
上させる段階をさらに含むこともできる。
【0030】セラミック構成成分を含む原料としては、
セラミック構成元素の酸化物、炭酸化物又は硝酸化物な
どのセラミック構成元素と有機物又は無機物との塩、又
はセラミック構成元素の錯体から選択して使用する。
【0031】前記セラミック構成元素としては、鉛(P
b)、チタン(Ti)を基本構成元素とする圧電/電歪
セラミック元素を使用することが好ましい。
【0032】特に、前記セラミック構成元素としては、
鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、
又は鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(T
i)/鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、ニオブ(N
b)を含む成分からなったものを使用することが好まし
い。
【0033】セラミック構成成分原料を溶解又は分散さ
せるための溶媒又は分散媒としては、水又は有機溶媒の
うち、セラミック構成成分を含む原料を溶かすか分散す
ることができるものの一つ又はそれ以上を選択して使用
する。有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド(dime
thyl formamide)、メトキシエタノール(methoxyethan
ol)、酢酸、アルコール類などを主として使用する。
【0034】還元性燃焼助剤とは、それ自身が酸素を放
出することすなわち還元されることにより、相手方を酸
化することすなわち燃焼することを助けるものである。
還元性燃焼助剤としては、燃焼反応を起こし得る有機化
合物であるクエン酸を使用する。従来の方法において
は、クエン酸が燃焼助剤として使用するのでなくて錯体
形成剤として使用するものであり、反応の均質性を付与
するために使用され、ペチニ法(Pechini process)の
ような工程に応用され、クエン酸の可燃性と錯体形成効
果を用いることにより、速度の調節された燃焼反応を誘
発し得る。
【0035】セラミック構成成分が溶解又は分散された
溶液又は分散混合物にクエン酸を加え混合して混合液を
製造する。添加するクエン酸の量としては、前記セラミ
ック構成成分原料の陰イオンと酸化−還元燃焼反応を起
こすのに要求される量又はそれ以上を添加する。添加す
るクエン酸の量によって反応の進行速度を調節し得る。
【0036】クエン酸をくわえて混合した混合液を10
0〜500℃で熱処理する。熱処理の温度が高くなるほ
どにセラミック相の結晶性は向上されるが、熱処理温度
が100℃以上であればクエン酸の燃焼反応が十分に開
始できる。500℃以上で熱処理しても反応が起こり得
るが、それ以上の温度で熱処理することは従来の方法に
比べて意味がない。
【0037】より好ましくは150〜300℃で熱処理
し、この温度範囲はかなり低温での熱処理でありながら
もセラミック相の結晶性を十分に確保し得る。
【0038】前記燃焼反応過程でクエン酸が除去され、
このときに発生されるクエン酸の反応熱によりセラミッ
ク酸化物が飛散なく形成される。
【0039】このような反応において、セラミック構成
元素のほかの成分は十分な時間の燃焼反応により除去さ
れるので、不純物が残留しない純粋な形態のセラミック
酸化物粉末が形成される。
【0040】前記方法により製造されたセラミック酸化
物粉末は、粒径が1μm以下、特に0.01〜0.1μ
mで、極めて微細であり、粒径分布が均一な粉末であ
り、基本粒子が独立体又は弱い凝集体(soft aggregat
e)の形態として存在し、全て燃焼されたセラミックで
あるので、追加の熱処理によっても重量が減少しない。
【0041】また、表面の反応性が優秀であり、低温で
の熱処理のみによって形成されるので、振動板の自由度
が高く、振動板に印刷する方法を多様に適用し得る。
【0042】製造された超微細セラミック酸化物粉末の
結晶性を向上させるためには、製造されたセラミック酸
化物粉末を700〜900℃で更に熱処理する段階を含
むこともできる。
【0043】前記のように製造された超微細セラミック
酸化物粉末を用いてセラミックペーストを製造する方法
は図4に示すようである。
【0044】セラミックペーストの原料としては、セラ
ミック酸化物粉末及びセラミック酸化物粉末と親和性を
有する同一又は類似成分のセラミック構成元素を溶解さ
せて製造したセラミックゾル溶液を混合して使用する。
【0045】セラミック酸化物粉末としては、それ自体
の反応性を考慮して、低温成形の可能なシステムを確保
するためには、微細な粉末を使用することが効果的であ
るので、前記方法により製造されたセラミック酸化物粉
末を使用する。
【0046】室温でセラミック酸化物粉末の表面は単一
層以上の水と結合して存在している。ここで、表面に結
合された水はセラミック酸化物粉末表面の酸性度及び塩
基性度に影響を及ぼし、セラミック酸化物粉末とセラミ
ックゾル溶液を混合したときに触媒作用をする。
【0047】セラミックゾル溶液は、水又は有機溶媒を
ベースとし、セラミック構成元素を溶解させて製造す
る。ベースとなる有機溶媒は色々のものを使用し得る
が、主として酢酸、ジメチルホルムアミド、メトキシエ
タノール、グリコール類、アルコール類から選択して使
用することが好ましい。
【0048】セラミックゾル溶液の製造時に使用するセ
ラミック構成元素は鉛(Pb)、ジルコニウム(Z
r)、チタン(Ti)を含む成分を使用することが好ま
しく、使用するセラミックゾル溶液の濃度は0.1〜5
Mとすることが好ましい。
【0049】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液を混合するとき、セラミックゾル溶液の含量は、セラ
ミック酸化物粉末に対して10〜200重量部とするこ
とが好ましい。セラミックゾル溶液の含量が200重量
部以上である場合には、セラミック酸化物粉末が過度に
希釈されて混合体の粘度が低く、10重量部未満である
場合には、セラミック酸化物粉末の量が多くて粘度が過
度に高くなるためである。
【0050】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液の両システムを混合すると、液相のセラミックゾル溶
液が固相のセラミック酸化物粉末の表面を均一にコーテ
ィングしセラミック酸化物粉末粒子を連結して、粉末間
の空隙を効果的に満たすことになる。
【0051】このように形成された粉末−ゾル混合体に
おいて、セラミック固有の特性を有するセラミック酸化
物粉末は、これと同一であるか又は類似した成分のセラ
ミックゾル溶液で取り囲まれるので、適当な流動性を有
し、セラミックゾルがセラミック酸化物粉末の表面に反
応媒体として作用して粉末表面の反応性を向上させる。
【0052】また、ゾルに含まれている有機成分は、以
後この混合体が別の有機物と接触するとき、接触界面の
安定性を確保して、分散性と均質性を付与する。
【0053】このようなシステムは、低温でゾルが熱分
解してセラミック酸化物粉末と同一であるか又は類似し
た組成に変換されるため、低温でも粒子間の連結性が向
上されたセラミックシステムを得ることができる。
【0054】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液を混合した混合体の安定性と成形に必要な流動性を確
保するため、物性調節用有機溶媒を添加することもでき
る。物性調節用有機溶媒としては色々なものを使用し得
るが、ある程度の粘度を有するとともに常温での蒸気圧
が低いグリコール類又はアルコール類を基本に使用する
ことが好ましい。
【0055】セラミック酸化物粉末とセラミックゾル溶
液の混合体に物性調節用有機溶媒を添加する場合、物性
調節用有機溶媒の添加量は、セラミック酸化物粉末に対
して1〜100重量部とすることが好ましい。これは、
物性調節用有機溶媒の添加量が1重量部未満であると、
物性調節用有機溶媒を添加した効果がなく、添加量が1
00重量部を超えると、混合体が粘度を維持し得ないほ
どに希釈されて、成形時に成形性が悪くなるためであ
る。
【0056】物性調節用有機溶媒の添加量は、セラミッ
ク酸化物粉末に対して10〜40重量部とすることが好
ましく、この添加量の範囲では混合体の粘度を適宜維持
するとともに有機物添加の効果を奏し得る。
【0057】また、セラミック酸化物粉末とセラミック
ゾル溶液の混合体に物性調節用溶媒を添加した混合体の
分散性と均質性を改善するため、少量の有機物を添加す
ることもできる。この際に、添加する有機物は長鎖アル
コール類又は極性有機溶媒を使用することが好ましい。
【0058】長鎖アルコール類としては、ペンタノール
又はヘキサノールを使用することが好ましく、極性有機
溶媒としては、アセチルアセトン又はメトキシエタノー
ルを使用することが好ましい。
【0059】有機物の添加量は、セラミック酸化物粉末
に対して1〜50重量部とすることが好ましい。これ
は、有機物の添加量が1重量部未満であると、有機物を
添加した効果がなく、添加量が50重量部を超えると、
混合体が粘度を維持し得なく、余り希釈されて、成形性
が悪くなるためである。
【0060】有機物の添加量は、セラミック酸化物粉末
に対して10〜40重量部とすることが特に好ましく、
この添加量の範囲では混合体の粘度を適宜維持するとと
もに有機物添加の効果を奏し得る。
【0061】前記方法により製造されたセラミックペー
ストは、100〜500℃で熱処理することにより、セ
ラミック膜を形成することができる。100〜500℃
の低温での熱処理のみによっても反応が十分である理由
は、セラミック酸化物粉末表面の水がセラミックゾル溶
液を加水分解し、加水分解により遊離されたセラミック
ゾル溶液のセラミック構成原料がセラミック酸化物粉末
と結合する相互間の反応により、焼成に等しい反応がな
されるためである。また、熱処理過程で、添加された有
機物も除去される。
【0062】このように、低温での熱処理のみで膜を成
形し得るので、振動板の自由度が高くて、ニッケル、ス
テンレススチールなどの金属、セラミックだけでなく、
プラスチック又は樹脂のような有機化合物も振動板とし
て使用することができ、パターニング時、モールドを用
いてモールディングするか、スクリーンを用いて印刷す
るなど、色々の方法を適用し得る。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。しかし、次の実施例は本発明を例示するもので、本
発明の範囲を限定するものではない。
【0064】(実施例1)硝酸鉛[Pb(NO32]1
05.3gをジメチルホルムアミド300mlに溶解さ
せて硝酸鉛−DMF溶液を用意し、過酸化硝酸ジルコニ
ウム水酸化物[ZrO(NO32・2H2O]43.1
gを30mlの水に溶解させて過酸化硝酸ジルコニウム
水溶液を用意した。
【0065】前記硝酸鉛−ジメチルホルムアミド溶液に
クエン酸59.3gを加えて全て溶解させた後、チタン
イソプロポキシド[Ti(i−C37O)4]44.5
mlを加え撹拌して全て均質化させた後、過酸化硝酸ジ
ルコニウム水溶液を徐々にくわえて混合溶液を製造し
た。
【0066】製造された混合溶液をヒーターで200℃
で熱処理した。熱処理により、溶媒である水とジメチル
ホルムアミドがまず蒸発した後、クエン酸の燃焼反応が
開始され次第に容器全体に拡張された。
【0067】最初燃焼生成物は黄緑色を呈したが、燃焼
反応が進行するにしたがって薄い橙色を経て黄白色の微
細粉末となった。容器を冷やした後、粉末を取り去り、
瑪瑙乳鉢で軽く挽いた。
【0068】原粉末と、原粉末を300℃、500℃、
700℃で2時間追加熱処理した試料をXRD(X-Ray
Diffraction、X線回折分析)、SEM(Scanning Elec
tronMicroscopy、走査電子顕微鏡)、EDS(Energy D
ispersive Spectroscopy、エネルギー分散分光分析)、
TGA(Thermogravimetric analysis、熱重量分析)に
より、結晶学的構造、微細構造、粒径及び成分を確認し
た。
【0069】TGAの結果、燃焼反応後に得られた粉末
は、追加熱処理において、それ以上の重量減少が観察さ
れなかったので、完全燃焼されたセラミック相であるこ
とが分かった。
【0070】EDSの結果、全ての試料がPZT(52
/48)の組成比を有することが分かった。
【0071】熱処理温度が上昇するほどにセラミック相
の結晶性は向上したが、相転移現象又はピークの移動は
見つからなかった。
【0072】SEMの結果、粉末の平均粒径50nmの
基本粒子が独立体又は弱い凝集体の形態として存在する
ことが分かった。
【0073】(実施例2)硝酸鉛[Pb(NO32]2
6.3gを高純度蒸留水(deionized water)200m
lに溶解させた後、過酸化硝酸ジルコニウム水酸化物
[ZrO(NO32・2H2O]10.8gを加えて溶
解させ、酸化チタン(TiO2)2.9gを加え攪拌さ
せて溶液を製造した。
【0074】この溶液にクエン酸14.8gを加えて全
て溶解させた後、ヒーターを使用して200℃に加熱し
た。
【0075】加熱により、水がまず蒸発し、水が蒸発し
た後、クエン酸の燃焼反応が開始され段々容器全体に拡
張された。燃焼が終わった後、容器を冷やし、粉末を収
集して瑪瑙乳鉢で軽く挽いた。
【0076】原粉末と、原粉末を300℃、500℃、
700℃で2時間熱処理した試料に対して、XRD、S
EM、EDS、TGAにより結晶学的構造、微細構造、
粒径及び成分を確認したところ、その結果は実施例1と
同一であった。
【0077】(実施例3)DMF350mlに硝酸鉛
[Pb(NO32]207.8gを溶解させ、硝酸マグ
ネシウム[Mg(NO32]20.8gを加え溶解させ
た後、チタンイソプロポキシド[Ti(i−C37O)
4]50.9gをくわえて清い硫酸溶液を製造した。
【0078】過酸化硝酸ジルコニウム水酸化物[ZrO
(NO32・2H2O]50.8gを100mlの水に
溶解させた溶液を別に用意して前記溶液に添加した。こ
の溶液に酸化ニオブ(Nb211)21.5gとクエン
酸108.3gを加えて全て溶解させ150℃に加熱し
た。ある程度溶媒が蒸発した後、温度を250℃に上昇
させてから維持した。
【0079】燃焼反応の完結された橙色微細粉末を収集
して瑪瑙乳鉢で軽く挽いた。
【0080】原粉末と、原粉末を700℃、900℃で
3時間熱処理した試料に対して、XRD、SEM、ED
Sにより、結晶学的構造、微細構造、粒径及び成分を確
認したところ、その結果は実施例1と同一であった。
【0081】(実施例4)PZT/PMN微細粉末20
gを6gのPZT(52/48)ゾルと混合した。2g
のトリメチレングリコールと1gの1−ペンチルアルコ
ールを加え、自動乳鉢で攪拌した。
【0082】得られたペーストを、250メッシュスチ
ールスクリーンで製造した微細パターンを用いてSUS
316L振動板とニッケル振動板上にスクリーンプリン
ティングした。
【0083】70℃で10分間乾燥した後、300℃で
2時間熱処理した。アルミニウムを真空蒸着して上部電
極を形成し、電位を印加して、圧電現象による振動板の
変位を測定した。
【0084】振動板の変位を測定した結果、振動板の変
位として現れる圧電特性は従来の方法で製造されたセラ
ミックペーストより優れた。 (実施例5)PZT/PMN微細粉末5gを3gのPZ
T(52/48)ゾルと混合し、1−ペンチルアルコー
ル2gを加え、自動乳鉢で攪拌した。
【0085】得られたペーストを、感光性フィルムで成
形されたモールドが付着されているニッケル振動板で充
填した。常温で乾燥した後、200℃で1時間熱処理し
た。
【0086】銀ペーストをスクリーンプリンティングで
印刷して上部電極を成形し、電位を印加して、圧電現象
による振動板の変位を測定した。
【0087】振動板の変位を測定した結果、振動板の変
位として現れる圧電特性は従来の方法で製造されたセラ
ミックペーストより優れていた。
【0088】
【発明の効果】以上説明した本発明は、燃焼助剤として
クエン酸を用い、燃焼法によりセラミック酸化物粉末を
製造することにより、300℃以下の温度で単一工程に
より、粒径が0.01〜0.1μmで、極めて微細であ
り、全て燃焼されて、追加の熱処理が要らないセラミッ
ク酸化物粉末を製造し得るので、工程の安定性、省エネ
ルギー化、高収率化を確保することができ、従来の燃焼
法において指摘された問題点が発生しない。
【0089】また、製造されたセラミック酸化物粉末
は、表面の反応性が優秀であるため、同一又は類似組成
のセラミックゾル溶液との追加混合のみで粘度を調節す
ることができ、別の有機物を添加しなくてもコーティン
グが可能であり、低温での熱処理のみで成膜ができるの
で、適用可能性が高い効果がある。
【0090】すなわち、振動板の自由度が高くて、ニッ
ケル、ステンレススチールなどの金属、セラミックだけ
でなく、プラスチック又は樹脂のような有機化合物も振
動板として使用することができ、色々な方法で膜を製造
することができる。
【0091】本発明の方法により製造されたセラミック
ペーストは、印刷性と安定性などの諸般物性が実際応用
に適し、印刷後、別の脱バインダ過程なしに直接熱処理
が可能であり、既存のペーストに比べてずっと低い温度
で所望セラミックパターンを得ることができる効果があ
る。
【0092】また、本発明の方法により製造されたセラ
ミックペーストを使用してセラミック膜を成形する場
合、低温処理にもかかわらず、振動板の変位として現れ
る圧電特性が既存の結果より優秀であり、ペーストの構
成成分と製造工程が単純であり、これを用いるセラミッ
ク膜の製作工程が省エネルギー化され、工程のリードタ
イム(lead-time)が大幅短縮される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、固相法によるセラミック酸化物粉
末の製造工程を示す工程図であり、(b)は、燃焼法に
よるセラミック酸化物粉末の製造工程を示す工程図であ
る。
【図2】 本発明によるセラミック酸化物粉末の製造工
程を示す工程図である。
【図3】 従来のセラミックペースト製造工程を示す工
程図である。
【図4】 本発明によるセラミックペーストの製造工程
を示す工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鄭 然▲けおん▼ 大韓民国ソウル瑞草区瑞草2洞 ムジゲ・ アパートメント8棟503號 Fターム(参考) 4G042 DA01 DA02 DB08 DB22 DC03 DD04 DE03 DE06 DE07 DE08 DE14 4G048 AA02 AA03 AB02 AC01 AC08 AD03 AE05

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック構成成分原料を溶媒又は分散
    媒に十分に溶解させるか又は均一に分散させて、セラミ
    ック構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段階
    と、 前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液又は
    分散混合物に、前記セラミック構成元素の陰イオンと酸
    化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又はそれ以
    上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段階と、 前記混合液を100〜500℃で熱処理して、溶媒又は
    分散媒を蒸発させることで、前記添加されたクエン酸が
    還元性燃焼助剤として作用して、前記セラミック構成元
    素の陰イオンと非爆発的酸化−還元燃焼反応を起こして
    除去されるようにし、このときに発生する反応熱により
    セラミック酸化物を飛散なしに形成する段階とにより、
    最終に粒径が1μm以下であり粒径分布が均一な超微細
    セラミック酸化物粉末を得る超微細セラミック酸化物粉
    末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記セラミック構成成分原料としては、
    セラミック構成元素の酸化物、炭酸化物又は硝酸化物な
    どのセラミック構成元素と有機物又は無機物との塩、又
    はセラミック構成元素の着体から選択して使用すること
    を特徴とする請求項1記載の超微細セラミック酸化物粉
    末の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記セラミック構成元素は、鉛(P
    b)、チタン(Ti)を基本構成元素とする圧電/電歪
    セラミック元素であることを特徴とする請求項2記載の
    超微細セラミック酸化物粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記セラミック構成元素としては、鉛
    (Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)又は
    鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、ニオブ(Nb)を
    含む成分からなったものを使用することを特徴とする請
    求項3記載の超微細セラミック酸化物粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶媒又は分散媒としては、水又はジ
    メチルホルムアミド、メトキシエタノール、酢酸、グリ
    コール類、アルコール類の有機溶媒の一つ又はそれ以上
    を選択して使用することを特徴とする請求項1記載の超
    微細セラミック酸化物粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理温度は150〜300℃であ
    ることを特徴とする請求項1記載の超微細セラミック酸
    化物粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 700〜900℃で熱処理して結晶性を
    向上させる段階を更に含むことを特徴とする請求項1記
    載の超微細セラミック酸化物粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記超微細セラミック酸化物粉末の粒径
    が0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求項
    1記載の超微細セラミック酸化物粉末の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記クエン酸を燃焼助剤として使用し
    て、酸化−還元燃焼反応の進行時、非爆発性を維持し
    て、大量生産を可能にすることを特徴とする請求項1記
    載の超微細セラミック酸化物粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】 セラミック構成成分原料を溶媒又は分
    散媒に全く溶解させるか又は均一に分散させて、セラミ
    ック構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段階
    と、 前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液又は
    分散混合物に、前記セラミック構成元素の陰イオンと酸
    化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又はそれ以
    上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段階と、 前記混合液を100〜500℃で熱処理して、溶媒又は
    分散媒を蒸発させることで、前記添加されたクエン酸が
    還元性燃焼助剤として作用して、前記セラミック構成元
    素の陰イオンと非爆発的酸化−還元燃焼反応を起こして
    除去されるようにし、このときに発生する反応熱により
    セラミック酸化物を飛散なしに形成して、最終に粒径が
    1μm以下であり粒径分布が均一な超微細セラミック酸
    化物粉末を得る段階とにより製造され、 粒径が1μm以下であり、粒径分布が均一であり、表面
    反応性が優秀であることを特徴とする超微細セラミック
    酸化物粉末。
  11. 【請求項11】 前記セラミック構成成分原料として
    は、セラミック構成元素の酸化物、炭酸化物又は硝酸化
    物などのセラミック構成元素と有機物又は無機物との
    塩、又はセラミック構成元素の着体から選択して使用す
    ることを特徴とする請求項10記載の超微細セラミック
    酸化物粉末。
  12. 【請求項12】 前記セラミック構成元素は、鉛(P
    b)、チタン(Ti)を基本構成元素とする圧電/電歪
    セラミック元素であることを特徴とする請求項11記載
    の超微細セラミック酸化物粉末。
  13. 【請求項13】 前記セラミック構成元素としては、鉛
    (Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)又は
    鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)/
    鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、ニオブ(Nb)を
    含む成分からなったものを使用することを特徴とする請
    求項12記載の超微細セラミック酸化物粉末。
  14. 【請求項14】 前記溶媒又は分散媒としては、水又は
    ジメチルホルムアミド、メトキシエタノール、酢酸、グ
    リコール類、アルコール類の有機溶媒の一つ又はそれ以
    上を選択して使用することを特徴とする請求項10記載
    の超微細セラミック酸化物粉末。
  15. 【請求項15】 前記熱処理温度は150〜300℃で
    あることを特徴とする請求項10記載の超微細セラミッ
    ク酸化物粉末。
  16. 【請求項16】 700〜900℃で熱処理して結晶性
    を向上させる段階を更に含むことを特徴とする請求項1
    0記載の超微細セラミック酸化物粉末。
  17. 【請求項17】 前記超微細セラミック酸化物粉末の粒
    径が0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求
    項10記載の超微細セラミック酸化物粉末。
  18. 【請求項18】 前記クエン酸を燃焼助剤として使用し
    て、酸化−還元燃焼反応の進行時、非爆発性を維持し
    て、大量生産を可能にすることを特徴とする請求項10
    記載の超微細セラミック酸化物粉末。
  19. 【請求項19】 100〜500℃の低温で、非爆発性
    酸化−還元燃焼反応により製造され、粒径が1μm以下
    であり、鉛(Pb)、チタン(Ti)を基本構成元素と
    することを特徴とする超微細セラミック酸化物粉末。
  20. 【請求項20】 前記セラミック構成元素としては、鉛
    (Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)又は
    鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)/
    鉛(Pb)、マグネシウム(Mg)、ニオブ(Nb)を
    含む成分からなったものを使用することを特徴とする請
    求項19記載の超微細セラミック酸化物粉末。
  21. 【請求項21】 前記非爆発性酸化−還元燃焼反応の燃
    焼助剤としてクエン酸を使用することを特徴とする請求
    項19記載の超微細セラミック酸化物粉末。
  22. 【請求項22】 前記超微細セラミック酸化物粉末の粒
    径が0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求
    項19記載の超微細セラミック酸化物粉末。
  23. 【請求項23】 前記熱処理温度は150〜300℃で
    あることを特徴とする請求項19記載の超微細セラミッ
    ク酸化物粉末。
  24. 【請求項24】 セラミック構成成分原料を溶媒又は分
    散媒に十分に溶解させるか又は均一に分散させて、セラ
    ミック構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段
    階と、 前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液又は
    分散混合物に、前記セラミック構成元素の陰イオンと酸
    化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又はそれ以
    上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段階と、 前記混合液を100〜500℃で熱処理して、溶媒又は
    分散媒を蒸発させることで、前記添加されたクエン酸が
    還元性燃焼助剤として作用して、前記セラミック構成元
    素の陰イオンと非爆発的酸化−還元燃焼反応を起こして
    除去されるようにし、このときに発生する反応熱により
    セラミック酸化物を飛散なしに形成して、最終に粒径が
    1μm以下であり粒径分布が均一な超微細セラミック酸
    化物粉末を得る段階と、 水又は有機溶媒をベースとし、前記超微細セラミック酸
    化物粉末と同一又は類似成分のセラミック構成元素を溶
    解してセラミックゾル溶液を製造する段階と、 前記超微細セラミック酸化物粉末と前記セラミックゾル
    溶液を混合してセラミックペーストを製造する段階とを
    含んでなり、前記セラミックゾル溶液が前記超微細セラ
    ミック酸化物粉末の表面で反応媒体として作用して、粉
    末表面の反応性を向上させることにより、低温での熱処
    理のみによっても焼成を可能にしたことを特徴とするセ
    ラミックペーストの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記セラミックゾル溶液の製造時、前
    記セラミック構成元素としては、鉛(Pb)、ジルコニ
    ウム(Zr)、チタン(Ti)を含む成分を使用するこ
    とを特徴とする請求項24記載のセラミックペーストの
    製造方法。
  26. 【請求項26】 前記セラミックゾル溶液の製造時、ベ
    ースとなる有機溶媒としては、酢酸、ジメチルホルムア
    ミド、メトキシエタノール、グリコール類、又はアルコ
    ール類から選択して使用することを特徴とする請求項2
    4記載のセラミックペーストの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記セラミックゾル溶液の濃度は0.
    1〜5Mであることを特徴とする請求項24記載のセラ
    ミックペーストの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記セラミックゾル溶液の含量は、前
    記セラミック酸化物粉末に対して10〜200重量部で
    あることを特徴とする請求項24記載のセラミックペー
    ストの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記超微細セラミック酸化物粉末とセ
    ラミックゾル溶液の混合体に物性調節用溶媒を更に添加
    して、セラミック酸化物粉末−セラミックゾル溶液混合
    体の安定性と成形に要求される流動性を確保することを
    特徴とする請求項24記載のセラミックペーストの製造
    方法。
  30. 【請求項30】 前記物性調節用溶媒としては、グリコ
    ール類又はアルコール類を使用することを特徴とする請
    求項24記載のセラミックペーストの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記物性調節用溶媒の添加量は、セラ
    ミック酸化物粉末に対して1〜100重量部であること
    を特徴とする請求項30記載のセラミックペーストの製
    造方法。
  32. 【請求項32】 前記物性調節用溶媒の添加量は、セラ
    ミック酸化物粉末に対して10〜40重量部であること
    を特徴とする請求項31記載のセラミックペーストの製
    造方法。
  33. 【請求項33】 少量の有機物を更に添加して、セラミ
    ック酸化物粉末−セラミックゾル溶液混合体の分散性と
    均質性を改善させることを特徴とする請求項29記載の
    セラミックペーストの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記有機物は長鎖アルコール類又は極
    性有機溶媒であることを特徴とする請求項33記載のセ
    ラミックペーストの製造方法。
  35. 【請求項35】 前記長鎖アルコール類としては、ペン
    タノール又はヘキサノールを使用することを特徴とする
    請求項34記載のセラミックペーストの製造方法。
  36. 【請求項36】 前記極性有機溶媒としては、アセチル
    アセトン又はメトキシエタノールを使用することを特徴
    とする請求項34記載のセラミックペーストの製造方
    法。
  37. 【請求項37】 前記有機物の添加量は、セラミック酸
    化物粉末に対して1〜50重量部であることを特徴とす
    る請求項33記載のセラミックペーストの製造方法。
  38. 【請求項38】 セラミック構成成分原料を溶媒又は分
    散媒に十分に溶解させるか又は均一に分散させて、セラ
    ミック構成元素を含む溶液又は分散混合物を製造する段
    階と、 前記セラミック構成成分が溶解又は分散された溶液又は
    分散混合物に、前記セラミック構成元素の陰イオンと酸
    化−還元燃焼反応を起こすのに要求される量又はそれ以
    上のクエン酸を添加して、混合液を製造する段階と、 前記混合液を100〜500℃で熱処理して、溶媒又は
    分散媒を蒸発させることで、前記添加されたクエン酸が
    還元性燃焼助剤として作用して、前記セラミック構成元
    素の陰イオンと非爆発的酸化−還元燃焼反応を起こして
    除去されるようにし、このときに発生する反応熱により
    セラミック酸化物を飛散なしに形成して、最終に粒径が
    1μm以下であり粒径分布の均一な超微細セラミック酸
    化物粉末を得る段階と、 水又は有機溶媒をベースとし、前記超微細セラミック酸
    化物粉末と同一又は類似成分のセラミック構成元素を溶
    解してセラミックゾル溶液を製造する段階と、 前記超微細セラミック酸化物粉末と前記セラミックゾル
    溶液を混合してセラミックペーストを製造する段階とに
    より製造され、 前記セラミックゾル溶液が前記超微細セラミック酸化物
    粉末の表面で反応媒体として作用して、粉末表面の反応
    性を向上させることにより、低温での熱処理のみによっ
    ても焼成を可能にしたことを特徴とするセラミックペー
    スト。
  39. 【請求項39】 前記セラミックゾル溶液の製造時、前
    記セラミック構成元素としては、鉛(Pb)、ジルコニ
    ウム(Zr)、チタン(Ti)を含む成分を使用するこ
    とを特徴とする請求項38記載のセラミックペースト。
  40. 【請求項40】 前記セラミックゾル溶液の製造時、ベ
    ースとなる有機溶媒としては、酢酸、ジメチルホルムア
    ミド、メトキシエタノール、グリコール類、又はアルコ
    ール類から選択して使用することを特徴とする請求項3
    8記載のセラミックペースト。
  41. 【請求項41】 前記セラミックゾル溶液の濃度は0.
    1〜5Mであることを特徴とする請求項38記載のセラ
    ミックペースト。
  42. 【請求項42】 前記セラミックゾル溶液の含量は、前
    記セラミック酸化物粉末に対して10〜200重量部で
    あることを特徴とする請求項38記載のセラミックペー
    スト。
  43. 【請求項43】 前記超微細セラミック酸化物粉末とセ
    ラミックゾル溶液の混合体に物性調節用溶媒を更に添加
    して、セラミック酸化物粉末−セラミックゾル溶液混合
    体の安定性と成形に要求される流動性を確保することを
    特徴とする請求項38記載のセラミックペースト。
  44. 【請求項44】 前記物性調節用溶媒としては、グリコ
    ール類又はアルコール類を使用することを特徴とする請
    求項43記載のセラミックペースト。
  45. 【請求項45】 前記物性調節用溶媒の添加量は、セラ
    ミック酸化物粉末に対して1〜100重量部であること
    を特徴とする請求項43記載のセラミックペースト。
  46. 【請求項46】 前記物性調節用溶媒の添加量は、セラ
    ミック酸化物粉末に対して10〜40重量部であること
    を特徴とする請求項45記載のセラミックペースト。
  47. 【請求項47】 少量の有機物を更に添加して、セラミ
    ック酸化物粉末−セラミックゾル溶液混合体の分散性と
    均質性を改善させることを特徴とする請求項43記載の
    セラミックペースト。
  48. 【請求項48】 前記有機物は長鎖アルコール類又は極
    性有機溶媒であることを特徴とする請求項47記載のセ
    ラミックペースト。
  49. 【請求項49】 前記長鎖アルコール類としては、ペン
    タノール又はヘキサノールを使用することを特徴とする
    請求項48記載のセラミックペースト。
  50. 【請求項50】 前記極性有機溶媒としては、アセチル
    アセトン又はメトキシエタノールを使用することを特徴
    とする請求項48記載のセラミックペースト。
  51. 【請求項51】 前記有機物の添加量は、セラミック酸
    化物粉末に対して1〜50重量部であることを特徴とす
    る請求項47記載のセラミックペースト。
  52. 【請求項52】 100〜500℃の低温で、非爆発性
    酸化−還元燃焼反応により製造され、粒径が1μm以下
    であり、鉛(Pb)、チタン(Ti)を基本構成元素と
    する超微細セラミック酸化物粉末と水又は有機溶媒をベ
    ースとして製造した前記超微細セラミック酸化物粉末と
    同一又は類似成分のセラミックゾル溶液を混合すること
    により製造され、 前記セラミックゾル溶液が前記超微細セラミック酸化物
    粉末の表面で反応媒体として作用して粉末表面の反応性
    を向上させることにより、低温での熱処理のみによって
    焼成可能にしたことを特徴とするセラミックペースト。
  53. 【請求項53】 前記セラミックゾル溶液の製造時、前
    記セラミック構成元素としては、鉛(Pb)、ジルコニ
    ウム(Zr)、チタン(Ti)を含む成分を使用するこ
    とを特徴とする請求項52記載のセラミックペースト。
  54. 【請求項54】 前記セラミックゾル溶液の製造時、ベ
    ースとなる有機溶媒としては、酢酸、ジメチルホルムア
    ミド、メトキシエタノールグリコール類、又はアルコー
    ル類から選択して使用することを特徴とする請求項52
    記載のセラミックペースト。
  55. 【請求項55】 前記セラミックゾル溶液の濃度は0.
    1〜5Mであることを特徴とする請求項52記載のセラ
    ミックペースト。
  56. 【請求項56】 前記セラミックゾル溶液の含量は、前
    記セラミック酸化物粉末に対して10〜200重量部で
    あることを特徴とする請求項52記載のセラミックペー
    スト。
  57. 【請求項57】 前記超微細セラミック酸化物粉末とセ
    ラミックゾル溶液の混合体に物性調節用溶媒を更に添加
    して、セラミック酸化物粉末−セラミックゾル溶液混合
    体の安定性と成形に要求される流動性を確保することを
    特徴とする請求項52記載のセラミックペースト。
  58. 【請求項58】 前記物性調節用溶媒としては、グリコ
    ール類又はアルコール類を使用することを特徴とする請
    求項57記載のセラミックペースト。
  59. 【請求項59】 前記物性調節用溶媒の添加量は、セラ
    ミック酸化物粉末に対して1〜100重量部であること
    を特徴とする請求項57記載のセラミックペースト。
  60. 【請求項60】 前記物性調節用溶媒の添加量は、セラ
    ミック酸化物粉末に対して10〜40重量部であること
    を特徴とする請求項59記載のセラミックペースト。
  61. 【請求項61】 少量の有機物を更に添加して、セラミ
    ック酸化物粉末−セラミックゾル溶液混合体の分散性と
    均質性を改善させることを特徴とする請求項57記載の
    セラミックペースト。
  62. 【請求項62】 前記有機物は長鎖アルコール類又は極
    性有機溶媒であることを特徴とする請求項61記載のセ
    ラミックペースト。
  63. 【請求項63】 前記長鎖アルコール類としては、ペン
    タノール又はヘキサノールを使用することを特徴とする
    請求項62記載のセラミックペースト。
  64. 【請求項64】 前記極性有機溶媒としては、アセチル
    アセトン又はメトキシエタノールを使用することを特徴
    とする請求項62記載のセラミックペースト。
  65. 【請求項65】 前記有機物の添加量は、セラミック酸
    化物粉末に対して1〜50重量部であることを特徴とす
    る請求項61記載のセラミックペースト。
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CN113546528A (zh) * 2021-08-02 2021-10-26 南京艾宇琦膜科技有限公司 负离子材料陶瓷膜

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