JP2000118000A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2000118000A
JP2000118000A JP28985398A JP28985398A JP2000118000A JP 2000118000 A JP2000118000 A JP 2000118000A JP 28985398 A JP28985398 A JP 28985398A JP 28985398 A JP28985398 A JP 28985398A JP 2000118000 A JP2000118000 A JP 2000118000A
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ink
nozzle surface
ink jet
maintenance
pressure
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JP28985398A
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Atsushi Hirota
淳 廣田
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 インクジェットヘッドの吐出性能を適切に回
復させることができるインクジェットプリンタを提供す
る。 【解決手段】 インクジェットヘッド10のノズル面1
16に対し所定の回動角で保持される圧接板20に沿っ
てメンテナンスロール30が配置され、供給ローラ31
から巻き取りローラ32へと搬送される。圧接板20は
圧接板用ばね21により付勢されノズル面116方向に
押されると共に、巻き取り時の張力により圧接板20が
ノズル面116と反対方向に押され、両方のバランスで
圧接板支点23付近の回動角が定まる。パージ動作用の
空気ポンプと巻き取りローラ32は共通のモータで駆動
する。ノズル面116から少し突出する保護プレートを
設けたので直接メンテナンスロール30がノズルに衝突
しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のノズルを配
列して記録媒体にインクを吐出すると共に、ノズルの吐
出性能を良好に保つためのメンテナンス処理を行うイン
クジェットプリンタの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタにおいては、イ
ンクジェットヘッドのノズル内に気泡や固形物が混入す
ることにより、ノズルからの正常なインク吐出が妨げら
れてインクジェットプリンタの性能を劣化させることが
問題となる。そのため、インクジェットプリンタの電源
投入時あるいは所定のインターバルでインクジェットヘ
ッドのメンテナンス処理を行う必要がある。すなわち、
パージ動作を行って混入した気泡や固形物をインクと共
に強制的にノズル外部に排出すると共に、ワイプ動作を
行ってインクで汚れたノズル面を清掃することにより、
ノズルを清浄化してインク吐出性能を回復し、インクジ
ェットヘッドの信頼性を向上させることができる。
【0003】このようなメンテナンス処理を行うのに際
し、交換可能で巻き取り搬送されるロール紙をノズル面
に対向配置して、パージ動作及びワイプ動作を行う方法
が知られている。まず、ノズルから一定のパージ圧力で
加圧することにより排出されたインクをロール紙により
吸収し、このロール紙をノズル面に接触させて巻き取り
搬送しながらノズル面を拭き取ることによりメンテナン
ス処理が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のメンテナンス処
理では、ワイプ時にロール紙でノズル面を拭き取る際、
ノズルのメニスカスが破壊されることがある。このと
き、メニスカスの破壊に伴いノズル内にエアを引き込む
おそれがある。また、ノズル面を拭き取ってロール紙に
付着したインクが、ロール紙を搬送する際にノズル面の
他の部分を汚すおそれもある。以上の結果、ワイプ動作
を行ってもノズルを清浄化できず、インク吐出性能を適
切に回復させることができないという問題があった。
【0005】一方、ノズル面にロール紙を直接接触させ
ないため、一定の間隙を保つようノズル面から微少に突
出した保護プレートを設ける構造にすることも考えられ
る。このような保護プレートを設けると、ワイプ動作の
際に、ノズル面に直接ロール紙が接触しないので、メニ
スカスの破壊を招きにくくなる。更に、この保護プレー
トは、印字動作時に記録用紙がノズル面にぶつかること
を避けられるという点でも有益である。
【0006】しかしながら、メンテナンス処理を開始し
てからしばらくの間は、ロール紙によるメニスカスの破
壊を防止することができるが、メンテナンス処理の終了
に際してメニスカスの破壊を避けることは難しい。つま
り、メンテナンス処理の終了時には、インクへのパージ
圧力の印加を停止した上で、ロール紙の巻き取り搬送を
停止させるのであるが、ノズル近傍には少しインクが残
った状態にある。このとき、急にメニスカスの正圧が取
り除かれるため、ノズル内部にインクと共にエアが引き
込まれることになり、上記と同様の問題が生じる。
【0007】そこで、本発明はこのような問題に鑑みな
されたものであり、メンテナンス処理に際して、メニス
カスを破壊することなくノズル面を清浄化してインクジ
ェットヘッドの吐出性能を適切に回復させることができ
るインクジェットプリンタを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載のインクジェットプリンタは、記録
媒体にインクを吐出する複数のノズルが設けられたイン
クジェットヘッドを搭載するインクジェットプリンタで
あって、前記複数のノズルの近傍位置にノズル面から突
出して形成され、搬送される記録媒体に対しノズル面と
の距離を所定量だけ保つようにガイドして前記複数のノ
ズルを保護する保護プレートと、所定のパージ圧力を与
える加圧手段により前記インクジェットヘッド内部にイ
ンクを圧送し、強制的にインクを前記複数のノズルから
排出するパージ手段と、前記インクジェットヘッド下部
側を回動中心にして、前記インクジェットヘッド上部側
では、ノズル面の近端で前記保護プレートを密着して覆
う位置からノズル面の遠端にかけて回動自在に配置され
る圧接部材と、前記圧接部材に圧接されてノズル面に対
向した状態で、前記インクジェットヘッドの下部側から
上部側に巻き取り搬送されつつ前記複数のノズルから排
出されたインクを吸収するメンテナンスロールとを備
え、前記インクジェットヘッドのメンテナンス処理に際
して、前記圧接部材をノズル面に対して所定の回動角に
配置した状態で前記パージ手段を所定のパージ圧力で駆
動した後、該回動角をほぼゼロになるまで徐々に減少さ
せると共に、前記パージ圧力をインクが排出されない状
態になるまで徐々に減少させ、メンテナンス処理を終了
すること特徴とする。
【0009】この発明によれば、インクジェットプリン
タにおいてメンテナンス処理が開始されると、メンテナ
ンスロールがノズル面に対向する位置にセットされて、
インクジェットヘッドの下部から上部へと巻き取り搬送
される。このとき、インクジェットヘッドの下方でノズ
ル面を覆うための圧接部材は、その回動自在の上部側が
回動されて、前記インクジェットヘッドのノズル面と所
定の角度で接するように配置される。一方、パージ手段
が所定のパージ圧力で駆動され、強制的にノズルからイ
ンクを排出させる。すると、排出されたインクはメンテ
ナンスロールにより吸収され、ノズル内から気泡や固形
物が除去される。そして、メンテナンス処理の終了の際
には、パージ手段のパージ圧力が徐々に減少し、インク
が排出されない状態となる。同時に、圧接部材の回動角
も徐々に減少し、回動角をほぼゼロになるまでメンテナ
ンスロールが徐々にノズル面に近づいていく。ここで、
複数のノズルの近傍位置にはノズル面から突出した保護
プレートが形成されており、メンテナンスロールがノズ
ル面に接触することはなく、少なくとも多少の距離だけ
離れてワイプ動作が行われるようになっている。よっ
て、ノズルプレートは、ノズル面に盛り上がったインク
を良好に拭き取る一方、ノズル面に接触してメニスカス
が破壊することが防止される。また、ワイプ動作の際に
メニスカスの正圧を少しづつ減少させるので、エアを急
に引き込むことも防ぐことができる。
【0010】請求項2に記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおい
て、前記圧接部材には、ばね部材によりノズル面方向に
付勢されて加えられる圧力と、巻き取り部材により前記
メンテナンスロールを巻き取り搬送する際の張力により
ノズル面と反対方向に加えられる圧力とが付与されると
共に、該巻き取り部材の巻き取り速度を減少させて前記
回動角を徐々に減少させることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、メンテナンス処理にお
いて、メンテナンスロールはノズル面方向と、その反対
方向にそれぞれ圧力を加えられる。前者は圧接部材に付
勢されるばね部材により、後者は巻き取り部材により巻
き取り搬送されるときの張力によりそれぞれ付与され
る。つまり、この両者の圧力のバランスにより圧接部材
の回動角が定まる。従って、メンテナンス処理の終了に
際し、巻き取り部材の巻き取り速度を徐々に減じていけ
ば、ノズル面の反対方向に向かう圧力が弱まってメンテ
ナンスロールが自然に保護プレートに押し当てられる状
態にできる。
【0012】請求項3に記載のインクジェットプリンタ
は、請求項2に記載のインクジェットプリンタにおい
て、前記パージ圧力を与える加圧手段と、前記メンテナ
ンスロールを巻き取り搬送する巻き取り部材とを、共通
の波形パターンを有する駆動信号で駆動することを特徴
とする。
【0013】この発明によれば、特定の波形パターンを
有する駆動信号を用いて加圧手段を駆動すると共に巻き
取り部材をも駆動する。よって、この駆動信号の最後の
部分でレベルを減少させる波形とすることで、パージ圧
力の低下と回動角の減少を連動させることができ、複雑
なタイミング制御をすることなく上述のメンテナンス処
理が行われる。
【0014】請求項4に記載のインクジェットプリンタ
は、請求項3に記載のインクジェットプリンタにおい
て、前記パージ圧力を与える加圧手段と、前記メンテナ
ンスロールを巻き取り搬送する巻き取り部材は、共通の
モータで駆動制御されることを特徴とする。
【0015】この発明によれば、駆動信号を印加される
一のモータは、加圧手段と巻き取り部材の双方に接続さ
れ、これらを同時に駆動する。よって、パージ圧力の低
下と回動角の減少は必然的に連動し、部品点数を減らし
て簡単な構成で上述のメンテナンス処理が行われる。
【0016】請求項5に記載のインクジェットプリンタ
は、請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェ
ットプリンタにおいて、前記ノズル面には、撥インク処
理が施されていることを特徴とする。
【0017】この発明によれば、メンテナンス処理に際
して、ノズル面に施された撥インク処理によりインクが
ノズル面に付着しにくい状態になっている。よって、イ
ンクはメンテナンスロールに一層吸収されやすくなり、
確実にノズルを清浄化して上述のメンテナンス処理が行
われる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、
4色のインクを吐出してカラー記録可能なインクジェッ
トヘッドを搭載するインクジェットプリンタに本発明を
適用した場合について説明する。
【0019】図1は、本発明の実施形態に係るインクジ
ェットプリンタの要部構成を示す図である。図1に示す
ように、本実施形態のインクジェットプリンタには、イ
ンクジェットヘッド10が設けられている。このインク
ジェットヘッド10は、イエローインクを吐出するイエ
ロー用ヘッド11、マゼンタインクを吐出するマゼンタ
用ヘッド12、シアンインクを吐出するシアン用ヘッド
13、及びブラックインクを吐出するブラック用ヘッド
14とから構成される。各ヘッド11乃至14には、図
示しないインク室にインクが充填されて、これに連通す
る複数のノズル117(図2)からインク滴を吐出す
る。また、各ヘッド11乃至14にインクが収容される
インクタンクがそれぞれ取付けられている。
【0020】図1に示すように、インクジェットヘッド
10はキャリッジ121の上に搭載されている。このキ
ャリッジ121には、記録用紙Pの幅方向に設けられた
ガイド軸122が挿通されている。そして、このガイド
軸122の下方には、複数のスリットが印されたタイミ
ングスリット126がガイド軸122に沿って配置され
ている。キャリッジ121の前面下部には、タイミング
スリット126に印されたスリットの数を読み取るエン
コーダ素子127が設けられている。キャリッジ121
は、無端ベルト123に取り付けられており、この無端
ベルト123は、キャリッジモータ124のプーリ12
5に掛けられた状態で、タイミングスリット126に沿
ってその下方に設けられている。なお、記録用紙Pは、
図示しない給紙ローラと押さえローラ128との間に挾
まれて上下方向に送られる。
【0021】なお、各ヘッド11乃至14では、上述の
インクタンクに蓄えられたインクがインク循環路を経由
して各ヘッド11乃至14のノズル117(図2)に流
れ込むようになっている。また、インクタンクには加圧
手段としての空気ポンプが接続され、パージ動作の際に
インク室内のインクを加圧して強制的にインクをノズル
117から排出するよう構成されている。
【0022】次に、図2を用いて各ヘッド11乃至14
の構造を説明する。ここでは、各ヘッド11乃至14が
同一の構造となるため、代表してイエロー用ヘッド11
(以下、ヘッド11と称する)の構造について説明す
る。図2(a)は、ヘッド11をノズル面側から見た正
面図である。また、図2(b)は、図2(a)の側面図
である。
【0023】図2に示すように、ヘッド11は、下部か
ら順に第2のベースプレート110と、第1のベースプ
レート111と、圧電素子112と、キャビティプレー
ト113とが形成されると共に、キャビティプレート1
13の上部にはノズルプレート114と、このノズルプ
レート114に沿って両側に配置される2つの保護プレ
ート115とが取付けられた構造を有する。
【0024】図2において、第2のベースプレート11
0は、ヘッド111を支えて固定するためのプレートで
ある。第1のベースプレート111にはインク流路が形
成されている。圧電素子112は、圧電効果によりキャ
ビティプレート113に形成されたインク室の容積を変
化させてインク室内のインクを加圧する。
【0025】そして、ノズルプレート114は薄い板状
のプレートであり、ノズル面116に多数のノズル11
7が一定ピッチでノズルプレート114の長手方向に沿
って2列並んで形成されている。これらのノズル117
はそれぞれインク室に連通し、圧電素子112を駆動す
ることにより加圧されたインクがそれぞれのノズル11
7から吐出される。
【0026】ノズルプレート114のノズル面116の
全体には撥インク処理が施されている。すなわち、イン
クに対して塗れづらい撥インク性物質をノズル面116
に塗布してインクが付着されにくいようにしている。こ
れにより、後述のパージ動作に伴いノズル117からイ
ンクが排出された場合に、ノズル面114にインク溜り
を生じにくくなる。
【0027】2つの保護プレート115は、ノズルプレ
ート114の両側に近接して、その長手方向をノズルプ
レート114の長手方向に一致させて配置される。そし
て、保護プレート115の厚さは、ノズルプレート11
4に比べ0.1mm程度厚くなっている。つまり、図2
(b)からわかるように、ノズル面116を挟んで両側
に凸状に保護プレート115が突出した状態になってい
る。
【0028】このような保護プレート115を設けたこ
とにより、記録動作の際には、ノズル面116から所定
の印字ギャップだけ距離をおいて搬送される記録用紙P
が何らかの事情でノズル面116に近づく場合でも、ノ
ズル面116に当たる前に保護プレート115に接触す
るので、記録用紙Pがノズル117に衝突することを防
止できる。一方、メンテナンス処理の際には、後述する
ように保護プレート115により、メンテナンスロール
30がノズル面116に直接接触しないので、メニスカ
スが破壊されずエアをノズル117内に巻き込むことが
防止される。
【0029】次に、図3を用いて、インクジェットヘッ
ド10に対してメンテナンス処理を行う場合の機構を説
明する。図3に示すように、インクジェットヘッド10
が所定のメンテナンスポジションに移動すると、その下
部には、圧接板20と、圧接板用ばね21と、圧接板保
持部材22と、第1アーム部24と、第2アーム部25
とからなるメンテナンス機構が配置されている。また、
メンテナンス処理に際して、圧接板20に沿って供給ロ
ーラ31から巻き取りローラ32へと回転搬送されるメ
ンテナンスロール30がセットされる。
【0030】図3において、第1アーム部24と第2ア
ーム部25がアーム部支点26で互いに回動可能に保持
されると共に、その一端側がアーム部用ばね27を介し
て接続されている。このアーム部用ばね27の復元力に
より、第1アーム部24と第2アーム部25が、その他
端側で圧接板保持部材22の側面の突出部22aを挟み
込んだ状態で把持している。そして、図示しない駆動手
段により、第1アーム部24に対し図中矢印A方向に回
動するようにトルクをかけると、第1アーム部24と第
2アーム部25は、突出部22aを介してノズル面11
6の方向に圧接板保持部材22を押し込む。
【0031】この圧接板保持部材22は、断面が略L字
状であり、その一端側では圧接板支点23で圧接板20
と互いに回動可能に保持される。また、他端側では圧接
板用ばね21を介して圧接板20と接続されている。そ
して、メンテナンスロール30が回転搬送されていない
状態で、上述の第1アーム部24と第2アーム部25に
より圧接板保持部材22をノズル面116の方向に押し
つけると、圧接板20の下端側突起部20aがインクジ
ェットヘッド10の下端側に押し当てられると共に、圧
接板用ばね21に付勢されて圧接板20の上端側突起部
20bがインクジェットヘッド10の上端側に押し当て
られる。
【0032】一方、メンテナンスロール30が回転搬送
に際しては、供給ローラ31から複数のガイドローラ3
3を経て、図中矢印B方向に所定の速度で進み、巻き取
りローラ32に巻き取られる。このとき、巻き取りロー
ラ32の巻き取り速度に応じて一定の張力がメンテナン
スロール30に付与される。そして、供給ローラ31か
らインクジェットヘッド10へ進む方向に対し、インク
ジェットヘッド10から巻き取りローラ32へ進む方向
がノズル面116の反対方向に僅かに傾いているため、
メンテナンスロール30に付与される張力の一部が圧接
板20をノズル面116の反対方向に押しつける力とし
て作用する。
【0033】従って、メンテナンスロール30の回転に
伴い圧接板20の上端側では、圧接板用ばね21により
ノズル面116の方向に押さえる力と、メンテナンスロ
ール30の張力によりノズル面116の反対方向に押さ
える力が釣り合う状態で安定する。つまり、圧接板20
は、インクジェットヘッド10の下端側では下端側突起
部20aが押し当てられるが、インクジェットヘッド1
0の上端側では上端側突起部20bが所定距離ノズル面
116から離れた状態になり、ノズル面116と圧接板
20は上部で開いたV字状に配置される関係にある。こ
のV字が開く角度(以下、V角度と称する)は、メンテ
ナンスロール30の搬送速度が増加するほど大きくなっ
ていく。
【0034】次に、図4及び図5を用いて、本実施形態
に係るインクジェットプリンタにより行われるメンテナ
ンス処理を説明する。
【0035】図4は、本実施形態に係るインクジェット
プリンタのメンテナンス処理を示すフローチャートであ
る。このメンテナンス処理は、インクジェットプリンタ
の電源投入時あるいは一定のインターバル経過時に行わ
れる。インクジェットプリンタにおいてメンテナンス処
理が開始されると、ステップS1では、キャリッジモー
タ124を駆動してキャリッジ121を移動させ、イン
クジェットヘッド10を印字領域からメンテナンスポジ
ションに移動させる。
【0036】次に、ステップS2では、上述のメンテナ
ンス機構を駆動開始する。まず、第1アーム部24を回
動させて圧接板20が所定の位置にセットされると共
に、巻き取りローラ32の回転駆動が開始される。これ
と同時にパージ動作用の空気ポンプの作動が開始され
る。本実施形態では、巻き取りローラ32とパージ動作
用の空気ポンプが同一の駆動モータを共用しているた
め、両者は連動して駆動が開始されることになる。
【0037】ステップS2においてメンテナンス機構の
駆動が開始されると、上述したメカニズムにより圧接板
20がノズル面116に対して一定のV角度を保った状
態で、メンテナンスロール30が回転搬送される。この
とき、パージ動作用の空気ポンプがインクタンクに蓄え
られたインクを加圧すると、インク循環路にインクが循
環され、一部のインクがインクジェットヘッド10のノ
ズル117から排出される。ノズル面116には上述の
ように撥インク処理が施されているので、排出されたイ
ンクは重力方向に流れて主に下部側付近でメンテナンス
ロール30に吸収される。
【0038】次に、ステップS3では、一定の時間T1
が経過したか否かを判断する。この時間T1はノズル1
17を清浄化するためにパージ動作を継続すべき時間が
設定されている。本実施形態では、時間T1の経過を境
にして、メンテナンス機構の制御を後述するように変化
させるので、ステップS3の判断が必要となる。ステッ
プS3の判断の結果、時間T1が経過すると(ステップ
S3;YES)、ステップS4に移行し、時間T1が経
過していない場合は(ステップS3;NO)、ステップ
S3で時間T1の経過を待ち続ける。
【0039】続いてステップS4では、時間T1が経過
したので、メンテナンスロール30の搬送速度とパージ
圧力を徐々に減少させるため、駆動モータに対する駆動
量を徐々に減少させるように駆動制御する。
【0040】ここで、図5(a)は、メンテナンス処理
におけるメンテナンスロール30の搬送速度の時間変化
を示すグラフである。つまり、巻き取りローラ32を駆
動する駆動モータを概ね図5(a)に対応して変化させ
ることにより、このような時間変化にしたがった制御が
可能となる。図5(a)に示すように、処理開始後、時
間T1に至るまでは、メンテナンスロール30の搬送速
度は一定値V1に保持される。その後は、徐々に搬送速
度を減少させていき、時間T2には搬送速度V2になる
まで一律に減少していく。
【0041】そして、図5(b)は、メンテナンス処理
におけるパージ圧力の時間変化を示すグラフである。こ
のパージ圧力は、パージ動作用の空気ポンプを作動させ
てインクに加えられる圧力に対応しており、上述のよう
に巻き取りローラ32の駆動モータを共用しているの
で、図5(b)は、図5(a)と同じパターンに従って
変化することがわかる。図5(b)においては、処理開
始後、時間T1の経過までパージ圧力は一定値P1に保
持され、その後は時間T2にはパージ圧力P2になるま
で徐々に圧力が下がり続ける。
【0042】更に、圧接部材20の上述のV角度も図5
と同様のパターンに従って変化する。つまり、このV角
度は上述したように圧接板20に対し、メンテナンスロ
ール30にかかる張力及び圧接板用ばね21の付勢力に
よって定まるが、搬送速度が一定値V1に保たれる間は
この張力が一定となって、両方の力の釣り合う位置が固
定されるので、時間T1に至るまでV角度も一定値とな
る。これに対し、搬送速度が減少すると張力も連動して
弱くなり、釣り合いの位置がずれて圧接板用ばね21に
押される結果、V角度は徐々に狭くなっていく。最終的
には、上端側突起部20bがメンテナンスロール30を
挟んでインクジェットヘッド11の上端側に押し当てら
れた状態になり、V角度がゼロとなって、圧接板20が
ノズル面116と水平に配置される。
【0043】次に、ステップS5では、時間T2が経過
したか否かを判断する。ステップS5の判断の結果、時
間T2が経過すると(ステップS5;YES)、ステッ
プS6に移行し、時間T2が経過していない場合は(ス
テップS5;NO)、ステップS5で時間T2の経過を
待ち続ける。
【0044】ステップS2乃至ステップS5を実行する
ことにより、メンテナンスロールの搬送速度、パージ圧
力、及びV角度は図5に示すように変化する。すると、
パージ圧力が徐々に減少するので、メニスカスでは急激
に正圧が取り除かれることなくノズルからのインクの排
出量が減っていく。これに伴い、圧接板20はV角度が
減少するので、徐々にノズル面116に接近していく。
これにより、メンテナンスロール30によるノズル面1
16に対し、メニスカスを破壊しない程度の適切なワイ
プ動作を行うことができる。つまり、ノズル面116に
は撥インク処理が施してあるが、全面に渡ってインクの
付着をなくすことは困難であり、ノズル面116に付着
した部分的なインク溜りをメンテナスロール30により
吸い取るのである。また、メンテナンスロール30の搬
送方向がインクジェットヘッド10の下部から上部へと
向うと共に、V角度があることにより、インクを吸収し
たメンテナンスロール30により再びノズル面116が
汚されるという事態も生じにくい。
【0045】そして、時間T2経過時には、パージ圧力
はメニスカス本来の圧力程度に小さくなり、ノズル11
7からのインクの排出は行われなくなる。また、メンテ
ナンスロール30はノズル面116に水平となって、保
護プレート115に圧接された状態で搬送される。よっ
て、メンテナンスロール30が直接ノズル面116に接
触することはないが、ノズル面116にきわめて近接し
て搬送されるので、インク溜りが残存している場合はメ
ンテナンスロール30により吸い取ることができる。こ
のようにしてノズル面116は清浄化され、同時にメニ
スカスの破壊を生じることなくパージ動作を終了させる
ことができる。
【0046】なお、時間T2の経過後は、しばらく搬送
速度V2とパージ圧力P2の状態を保ってワイプ動作を
継続するようにしてもよい。すなわち、メンテナンスロ
ール30をノズル面116の近傍で緩やかに搬送し続け
ることにより、ノズル面116に残存するインクを確実
に拭き取るものである。
【0047】本実施形態における具体的な設定値として
は、T1が約3秒、T2が約5秒になっている。また、
メンテナンスロールの搬送速度については、V1が約5
0mm/s、V2が約15mm/sになっている。これ
に対応してV角度は最初は5〜10度の範囲内から始ま
り、最後はゼロにすることができる。また、パージ圧力
については、P1が約70gf/cm2、P2が約20
gf/cm2になっている。
【0048】なお、このような各設定値を用いて上述の
駆動モータを駆動制御するためには、例えば時間ごとの
制御量をメモリ手段に記憶させ、この値を読み取って制
御を行うようにすればよい。あるいは図5のグラフに従
う計算式を保持し、逐次必要な駆動量を算出するように
してもよい。
【0049】次に、ノズル面116に対するワイプ動作
が完了したので、ステップS6では、メンテナンス処理
を終了させるため、上述のメンテナンス機構の駆動を停
止する。具体的には、共用の駆動モータを停止し、第1
アーム部24の回動位置を元に戻す。そして、その後の
印字に備えるため、インクジェットヘッド10をメンテ
ナンスポジションから印字領域に移動させておく。
【0050】以上説明したように、本実施形態に係るメ
ンテナンス処理を行うことにより、ノズル面116では
ノズル117のメニスカスは破壊されず、よってエアを
ノズル117内部に巻き込むことがないと共に、保護プ
レート115によりノズル117にメンテナンスロール
30が直接接触することを回避でき、メンテナンスロー
ル30を用いて確実にノズル面116を拭き取ってイン
ク吐出性能を回復させることができる。
【0051】なお、上述の実施形態では、共通の駆動モ
ータを用いてパージ動作用の空気ポンプと巻き取りロー
ラ32を駆動する場合を説明したが、これらを別々の駆
動モータで駆動してもよく、異なる波形パターンを有す
る制御信号により駆動してもよい。すなわち、メンテナ
ンス処理を最適化するため、必要に応じて波形パターン
を少しづつ変えてもよい。
【0052】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、メンテ
ナンス処理に際してノズル面から僅かに突出した保護プ
レートを設け、パージ動作の終了時にはメンテナンスロ
ールの搬送速度とパージ圧力を連動させて徐々に小さく
するようにしたので、ノズル面のメニスカスが破壊され
ず、エアをノズル内に巻き込むことなく、ノズルの清浄
化とノズル面の拭き取りを良好に行うことができる。
【0053】請求項2に記載の発明によれば、メンテナ
ンスロールを巻き取る際の張力とばね部材により付勢さ
れる圧力が互いに逆方向から圧接部材に加えられるよう
にしたので、メンテナンスロールの搬送速度を徐々に減
少させれば、同時に圧接部材とノズル面がなす回動角を
小さくすることができ、メンテナンス処理の終了の際に
ノズル面に残存するインクを良好に拭き取ることができ
る。
【0054】請求項3に記載の発明によれば、共通の駆
動信号をパージ動作用の加圧手段の駆動と巻き取り部材
の回転駆動の両方に用いるようにしたので、これらの制
御タイミングを正確に一致させてメンテナンス処理を行
うことができ、複雑な制御をすることなく信頼性の高い
メンテナンスを行うことができる。
【0055】請求項4に記載の発明によれば、共通のモ
ータを用いてパージ動作用の加圧手段と巻き取り部材と
を駆動するようにしたので、両者を共通の駆動信号で駆
動できると共に、部品点数を削減することによりインク
ジェットプリンタの構成の簡素化及びコスト低減を図る
ことができる。
【0056】請求項5に記載の発明によれば、ノズル面
に撥インク処理を施すようにしたので、メンテナンス処
理の際、比較的ノズル面にインクが付着しにくい状態に
なり、インクをメンテナンスロールにより多く吸収させ
て一層確実にノズル面を拭き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェットプリン
タの要部構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るヘッドの構造を示す図
である。
【図3】本発明の実施形態に係るメンテナンス機構を示
す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るメンテナンス処理を示
すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るメンテナンスロールの
搬送速度及びパージ圧力の時間的変化を示す図である。
【符号の説明】
10…インクジェットヘッド 11…イエロー用ヘッド 12…マゼンタ用ヘッド 13…シアン用ヘッド 14…ブラック用ヘッド 20…圧接板 21…圧接板用ばね 22…圧接板保持部材 23…圧接板支点 24…第1アーム部 25…第2アーム部 26…アーム部支点 27…アーム部用ばね 30…メンテナンスロール 31…供給ローラ 32…巻き取りローラ 33…ガイドローラ 114…ノズルプレート 115…保護プレート 116…ノズル面 117…ノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体にインクを吐出する複数のノズ
    ルが設けられたインクジェットヘッドを搭載するインク
    ジェットプリンタであって、 前記複数のノズルの近傍位置にノズル面から突出して形
    成され、搬送される記録媒体に対しノズル面との距離を
    所定量だけ保つようにガイドして前記複数のノズルを保
    護する保護プレートと、 所定のパージ圧力を与える加圧手段により前記インクジ
    ェットヘッド内部にインクを圧送し、強制的にインクを
    前記複数のノズルから排出するパージ手段と、 前記インクジェットヘッド下部側を回動中心にして、前
    記インクジェットヘッド上部側では、ノズル面の近端で
    前記保護プレートを密着して覆う位置からノズル面の遠
    端にかけて回動自在に配置される圧接部材と、 前記圧接部材に圧接されてノズル面に対向した状態で、
    前記インクジェットヘッドの下部側から上部側に巻き取
    り搬送されつつ前記複数のノズルから排出されたインク
    を吸収するメンテナンスロールと、 を備え、前記インクジェットヘッドのメンテナンス処理
    に際して、前記圧接部材をノズル面に対して所定の回動
    角に配置した状態で前記パージ手段を所定のパージ圧力
    で駆動した後、該回動角をほぼゼロになるまで徐々に減
    少させると共に、前記パージ圧力をインクが排出されな
    い状態になるまで徐々に減少させ、メンテナンス処理を
    終了すること特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記圧接部材には、ばね部材によりノズ
    ル面方向に付勢されて加えられる圧力と、巻き取り部材
    により前記メンテナンスロールを巻き取り搬送する際の
    張力によりノズル面と反対方向に加えられる圧力とが付
    与されると共に、該巻き取り部材の巻き取り速度を減少
    させて前記回動角を徐々に減少させることを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記パージ圧力を与える加圧手段と、前
    記メンテナンスロールを巻き取り搬送する巻き取り部材
    とを、共通の波形パターンを有する駆動信号で駆動する
    ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリ
    ンタ。
  4. 【請求項4】 前記パージ圧力を与える加圧手段と、前
    記メンテナンスロールを巻き取り搬送する巻き取り部材
    は、共通のモータで駆動制御されることを特徴とする請
    求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記ノズル面には、撥インク処理が施さ
    れていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れ
    かに記載のインクジェットプリンタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067345A (ja) * 2000-08-28 2002-03-05 Brother Ind Ltd インクジェットプリンタヘッド
US7866789B2 (en) 2005-10-25 2011-01-11 Canon Kabushiki Kaisha Inkjet printing apparatus and method of controlling an ink suction pump motor

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JP2002067345A (ja) * 2000-08-28 2002-03-05 Brother Ind Ltd インクジェットプリンタヘッド
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