JP2000117974A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP2000117974A
JP2000117974A JP29671398A JP29671398A JP2000117974A JP 2000117974 A JP2000117974 A JP 2000117974A JP 29671398 A JP29671398 A JP 29671398A JP 29671398 A JP29671398 A JP 29671398A JP 2000117974 A JP2000117974 A JP 2000117974A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドにおいて、インク流路
部品の一部としてパターン化された感光性樹脂を接着材
を兼ねて使用する場合、感光性樹脂を加熱硬化するとき
に該樹脂内に含まれていた溶剤が気化するため被接着部
と硬化した感光性樹脂間に泡が生じる。このため、樹脂
による接着を損ったり、更にはインク流路からのインク
のリークの原因ともなる。 【解決手段】感光性樹脂層やこれに接着されるインク室
流路部品に、160μm間隔で発生したガスを外部へ逃
する孔や貯める孔を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタのヘッドに関し、特にヘッドの素子のインク室を
製造する際に用いる基板やその構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のOAの発達のもと、インクジェッ
トプリンタが広く事務所、家庭等にて使用されている。
【0003】ところで、インクジェットプリンタに用い
られるインクジェットヘッドにはいくつかの方式がある
が、一般的には大きく2つの方式に分けることができ
る。
【0004】第1の方式は流路の一部に圧電材料を接続
し、その圧電材料に電気パルスを印加して圧電材料を変
形させ、ひいては流路やインク室の一部を変形させるこ
とにより圧力パルスを発生させ、この圧力パルスにより
ノズルからインク滴を吐出させる方式である。
【0005】第2の方式は、流路内に発熱抵抗体を形成
し、電気パルスを印加することにより発熱抵抗体を発熱
させて流路やインク室のインクを沸騰させて蒸気バブル
を発生させ、この蒸気バブルによりノズルからインク滴
を吐出させる方式である。
【0006】以下、この2つの方式のインクジェットプ
リンタのうち、第1のタイプのものを、図を参照しつつ
少し説明する。(なお、以下に記載する事項は、本発明
の説明の都合で「従来の技術」欄に記載するものであ
り、必ずしも公知や周知の技術とは限らない。)図2
は、このタイプのインクジェットプリンタのヘッドの1
素子(ノズル、インク室(圧力室)、アクチュエータ等
の一揃いからなるインクジェットヘッドの素子)の縦方
向(振動し、また紙面に直行する方向)の基本的な断面
を示したものである。
【0007】本図の(a)において、1は1〜50μm
程度の厚さのCr、Si、ガラス、セラミック等からな
る振動板である。2は、チタン酸ジルコン酸鉛(以下、
PZTと記載する。)よりなる圧電素子である。3は、
0.1〜10μm厚さのPt、Au、Al等からなる個
別電極である。4は、50〜500μm厚さの感光性ガ
ラス、SUS、Si、セラミック等からなるインク室
(圧力室)部品である。5は、SUS、セラミック等か
らなるインク流路部品である。6は、15〜100μm
のガラス、セラミック、SUS、Cr、Ni、樹脂、ポ
リイミド等からなるノズル板である。7は、ノズル孔で
ある。8は、インクをノズルより吐出させるための圧力
が発生するインク室(圧力室)である。
【0008】次に、圧力の発生であるが、Cr製の共通
電極とPt製の個別電極との間に所定のパルス状の電圧
を加えると、PZTからなる圧電素子が薄膜の面方向に
収縮し、いわゆるバイメタル効果によってこれら3つか
らなるアクチュエータが圧力室側へ凸形に突出するよう
になっている。
【0009】そして、これにより生じた圧力で圧力室内
の所定量のインクがインク流路部品内の吐出用インク流
路9を経由してノズル板に設けられたノズル7より外部
(被印字紙面上)へ吐出し、紙面にドット状にインクが
付着する。
【0010】さて、実際のインクジェットプリンタにお
いては、このようなインクジェットヘッドの素子が所定
のパターンで縦、横多数プリンタヘッド上に配列されて
いる。
【0011】例えば、図3に示す短冊状の素子の場合、
これらの素子が縦一列に多数配設されている(ただし、
図3では煩雑となるため、3つだけ示してある。)だけ
でなく、更にブラック、シアン、マゼンタ、イエロの各
インク用の素子の列が何段にも、あるいは交互に横に配
列されている等である。
【0012】更にこのもとで、プリンタヘッドが紙送り
と連動した所定のプログラムにのっとって紙面上を主走
査方向及び又は副走査方向に動き、この際所定の位置で
所定の素子がインクの吐出を行うことによりカラーの印
字等がなされる。
【0013】また、アクチュエータ部も、図3に例示し
ているものは、反インク室側の個別電極、個別の圧電素
子、個別のCr製電極の順に面積が大きくなっている
が、ほぼ同じ大きさであったり、Cr製電極は広い平面
の膜であり、電極としては各素子に共通となっていたり
等もされている。
【0014】また、図2の(b)に示すように、インク
室側電極1と振動板41が別体のものもある。本図にお
いて、40はセラミックのインク室部品兼振動板部品で
あり、50はドライフィルムや感光性ガラスからなるイ
ンク流路部品であり、60は流路抵抗部である。
【0015】次に、この素子のインク室部分の製作であ
るが、アクチュエータ部と圧力室部品との接着やインク
流路部品相互等の接着は、エポキシ系や感光性樹脂等各
種の性質を有する接着剤を転写法でロールコータ、スピ
ンコート、スクリーン印刷等の方法で塗布して行った
り、シート状の接着剤を使用して行ったりする方法にて
なされていた。例えば、特公平3−32598号には、
被着体の形状に合わせて加工された熱可塑製樹脂シート
を介在させ、加熱、加圧することによって接着する方法
が開示されている。また、例えば特公平4−15095
号には、感光性樹脂を使用して露光によりパターンを形
成し、しかる後圧力を加えつつ本硬化を行う方法が開示
されている。
【0016】以上の他、感光性樹脂の良好な接着性発揮
のため被接着インク流路部品、ノズル板、アクチュエー
タ部等の表面処理、加熱のし方や押圧方法等に種々の工
夫がなされている。ただし、これらについては本発明の
趣旨に直接の関係はなく、また前掲の公報等にも記載さ
れている周知技術や公知技術なので、その説明は省略す
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年のインク
ジェットプリンタに対する高速、高品位印刷、その他低
騒音化等の要求、そしてこれらに伴うインクジェットヘ
ッドのノズルやヘッドそのものの小型化のもと、感光性
樹脂は単に圧力室部品等の接着に使用されるのみなら
ず、その良好なパターン性のため流路パターンを作るの
に使用される等種々の用途に積極的に広く使用されてい
る。
【0018】流路パターン形成の方法の一例としては、
まず、感光性樹脂を基板や流路に低温で仮接着する。
【0019】その後、感光性樹脂をヘッド上のノズル、
そして素子の配列や各素子の流路等の形状にあわせて適
当な形状とする、いわゆるパターンニングがなされる。
【0020】ところで、この時点では、パターンニング
された感光性樹脂には付着性があるため、流路やノズル
部材としての、あるいはインク流路部品としてのSUS
の薄板や感光性ガラスを感光性樹脂を挟んで貼りあわせ
てから、感光性樹脂が完全に固まる温度まで加熱して、
感光性樹脂を完全に硬化させることで接着を行う。
【0021】等のことがなされている。
【0022】しかしながら、感光性の樹脂を使用して単
に上述のように接着等するだけでは、完全硬化の工程で
感光性樹脂に含まれる溶剤の揮発等(その他、化学反応
でも生じうる)のため、インク流路やノズル部材と感光
性樹脂の界面に溶剤ガスの泡(以下、気泡とも記す)が
発生し、インクのリークや接合の信頼性の低下等が生じ
る。
【0023】この気泡の発生の様子を図4に示す。本図
において、11はインク流路部品(含む、インク室部
品)たる第1の基板であり、12は同じく第2の基板で
あり、13は感光性樹脂層であり、14は加熱硬化で発
生した気泡であり、15はインク流路(含む、インク
室)である。
【0024】といって、感光性樹脂は、本来が接着用に
使用されるものではないため溶剤を含有しており、また
溶剤を含有しなければ塗布等の工程に差し障りが生じ
る。
【0025】また、ガスが化学反応で発生する場合に
は、その発生そのものは防止のしようがない。
【0026】また、この溶剤は分子量が大きい等のた
め、加熱に先立って樹脂を真空に晒したり、予備加熱す
る等の手段ではうまく除去しえない。
【0027】このため、小型のインクジェットプリン
タ、そしてそのヘッドの場合に特にそうであるが、感光
性樹脂を単にインクジェットヘッドに多数配列されたそ
の素子や個々の素子のインク流路の形状に沿ってのパタ
ーン化したインク流路壁の形成に使用するだけでなく、
SUSやガラス等の被接着固体からなるインク流路部品
の接着材としても使用した場合に、加熱硬化時に気泡が
発生しないようにする技術やたとえ発生したとしてもそ
の量を少くする技術の開発が望まれていた。
【0028】本発明は、かかる課題に鑑みなされたもの
である。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、感光性樹脂層内のインク流路の
内壁から壁の厚み方向に500μm、好ましくは300
μm、より好ましくは160μm以内のところに外部へ
のガス抜き孔やガス溜まりを設けて、感光性樹脂が硬化
時発生するガスによる気泡発生の防止を図ることとして
いる。具体的には、以下のようにしている。
【0030】請求項1記載の発明においては、被接着固
体(含む、既に硬化した接着性樹脂)からなるそしてイ
ンク流路部品(含む、インク室部品、圧力室部品、アク
チュエータ等のインクジェットヘッドの構成部品)を形
成する第1の基板と同じく被接着固体からなるそしてイ
ンク流路部品を形成する第2の基板とが、インク流路部
品の役を担うと共にパターン化された(インクジェット
ヘッドやその上の素子やノズルの配列に従っての固体形
状を形成するようなされた)感光性樹脂層で接着されて
いるインクジェットヘッドにおいて、上記感光性樹脂層
は、インク流路より層内側最大500μm以内の部分に
空間を有するか空間に面していることを特徴としてい
る。
【0031】上記構成により、第1の基板と第2の基板
とが、インク流路部品の役を担うと共にパターン化され
た感光性樹脂層で接着されているインクジェットヘッド
において、以下の作用がなされる。
【0032】上記感光性樹脂層は、インク流路より層内
側最大500μm以内の部分に、その層内、接着すべき
上記第1の基板若しくは同じく上記第2の基板の接着面
側の少くも一に、該樹脂を加熱硬化するときにその内部
より発生するガスを外部(大気)へ逃すガス逃し孔か貯
留するガス貯り等の空間を設けている。なお、この最大
500ミクロン(μm)という値は、好ましくは300
ミクロン以内、インク流路の形状や工数等の都合もあり
得るが本来の目的達成の面からより好ましくは160ミ
クロン以内の間隔とするのが良い。
【0033】請求項2記載の発明においては、第1の基
板と第2の基板とが、インク流路部品の役を担うと共に
パターン化された感光性樹脂層で接着されているインク
ジェットヘッドにおいて、上記感光性樹脂層は、その層
内いずれの所からも、最大500μm以内の部分に空間
を有するか空間に面していることを特徴としている。
【0034】上記構成により、第1の基板と第2の基板
とが、インク流路部品の役を担うと共にパターン化され
た感光性樹脂層で接着されているインクジェットヘッド
において、以下の作用がなされる。
【0035】上記感光性樹脂層は、その層内いずれの所
からも、最大500μm以内の部分に空間を有するか空
間に面している(含む、大気に面している)ことを特徴
としている。
【0036】請求項3記載の発明においては、上記ガス
逃し溝若しくはガス貯り等の空間は、上記第1の基板若
しくは上記第2の基板に設けられているものであること
を特徴としている。
【0037】上記構成により、以下の作用がなされる。
【0038】上記空間は、感光性樹脂層内でなく、剛性
の高い上記第1の基板若しくは上記第2の基板に設けら
れている。このため、どのような感光性樹脂を使用して
も素子の剛性の低下の恐れもない。
【0039】請求項4記載の発明においては、上記空間
は、上記感光性樹脂層内に設けられているものであるこ
とを特徴としている。
【0040】上記構成により、以下の作用がなされる。
【0041】上記空間は、上記感光性樹脂層内に設けら
れているため、複雑なパータンであっても形成が容易で
ある。
【0042】請求項5記載の発明においては、上記感光
性樹脂層は、ドライフィルムタイプのものであることを
特徴としている。
【0043】上記構成により、以下の作用がなされる。
【0044】上記感光性樹脂層は、ドライフィルムタイ
プのものであるため、インク流路部品の役を積極的に兼
ねる。従って、膜厚の大なものほどそうであるが、比較
的大きい素子に適する。
【0045】請求項6記載の発明においては、上記空間
は、それが設けられている第1の基板、第2の基板ある
いは感光性樹脂層の膜厚方向全体に及ぶものでないこと
を特徴としている。
【0046】上記構成により、以下の作用がなされる。
【0047】上記ガス空間は、それが設けられている第
1の基板、第2の基板あるいは感光性樹脂層の膜厚方向
全体に及ぶものでない。このため、剛性が確保され、ま
たインク室の形状等パターンに対して柔軟に対応可能と
なる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づいて説明する。
【0049】(第1の実施の形態)図1に、本発明に係
わるインクジェットヘッドの第1の実施の形態の構成を
示す。
【0050】本図は、図3に示す短冊状のインクジェッ
トヘッド素子が4つ並列に設けられたヘッドのインク
室、そしてインク流路を感光性樹脂にて形成した様子を
示す。このため、アクチュエータ部及びノズル板は図示
していない。
【0051】本図において、11は第1の基板である。
13は、インク室部品たる(を形成する)感光性樹脂層
である。
【0052】そして、この感光性樹脂層には、樹脂層の
(図では)前後全長かつ層厚さ(図では上下)全てに渡
ってのガス抜き用孔161と層厚さ全てではあるがイン
ク室の配置との都合で一方のみ(図では手前側)が外部
に導通したガス抜き用孔162とが設けられている。な
お、8は、インク室であり、10は平行に4個並んだ素
子に共通のインク供給路である。
【0053】図5に、図1に示す感光性樹脂層からなる
インク室部品が設けられた第1の基板上に更にインク流
路部材としての第2の基板が設けられた状態でのガス抜
き用の孔の様子を示す。本図において、12は第2の基
板であり、15はインク流路(あるいはインク室)であ
る。
【0054】本図に示すように、感光性樹脂層13に
は、層に平行な方向の長さ(距離)160μm毎に(図
で、t=160μm)、巾10〜100μmのガス抜き
用孔16が形成されている。
【0055】このため、感光性樹脂層を加熱硬化する際
に、樹脂中に含まれていた溶剤ガスは、この孔を通って
外部へ逃げ出すこととなる。
【0056】従って、図4に示すような好ましくない気
泡は形成されず、ひいてはインクのリーク、インク流路
部品の接着不良による剥離等が生じない。
【0057】次に、この図1及び図5に示すインクジェ
ットヘッドの製造方法について、簡単に説明する。
【0058】(1) PZTや発熱抵抗体等からなるア
クチュエータの形成された基板やインク流路部材上に液
状の感光性樹脂をスピンコートで塗布する。
【0059】(2) 塗布後、後工程の作業の都合もあ
り、摂氏(但し、煩雑となるため以降略記する。)50
〜130度で1〜60分加熱して、仮硬化を行う。
【0060】(3) 感光性樹脂層に平行に、紫外線を
遮るマスクをあわせる。この際、感光性樹脂層が光硬化
性ならばマスクのパタンをインク流路溝壁部あるいは隣
接するマスクのパタンから壁厚み方向に向かって光の通
る幅を160μm以内とする。(光溶融性ならば光を遮
断する幅を160μm以内とする) (4) マスク上部より感光性樹脂に水銀ランプ等によ
り紫外線を200〜600mj程度あてて露光する。
【0061】(5) アルカリや溶剤等にてエッチング
を行うと、インク流路溝壁部や隣接するマスクのパタン
から壁厚み方向に向かっての幅(距離)が160μm以
内となった感光性樹脂の形状、あるいは最大巾が160
μm以内の感光性樹脂の層の列ができる。
【0062】(6) 上記形状の列上にインク流路部材
を接触させ加圧し、更に樹脂の種類や用途にもよるが、
150〜350度で1〜4時間加熱して感光性樹脂を完
全硬化させる。
【0063】(第1の実施の形態の変形例)本例では、
膜厚25〜100μmのドライフィルムタイプの感光性
樹脂を使用する。
【0064】これにより、感光性樹脂を積極的にインク
流路部品として使用し、コストと工数の低減をはかるも
のである。
【0065】上記(1)、(2)の工程で感光性樹脂が
フィルム状の場合には、真空ラミネータやロールラミネ
ータを用いて50〜130度で1〜60分加熱しながら
加圧することより仮硬化をおこなう。
【0066】なお、本実施の形態では、感光性樹脂とし
て、デュポン製リストン、パイロラックス1500、同
2000、バクレル、日立化成工業製フォテックSR2
300G、同3000、日合モートン製ダイナマスク5
030等を使用したが、これは、後に説明する他の実施
の形態でも同様である。
【0067】(第2の実施の形態)図6に、本発明のイ
ンクジェットヘッドの第2の実施の形態を示す。
【0068】本図は、先の第1の実施の形態における図
1に対応するものであるが、ガス抜きの孔163が基板
全長にわたるもの、わたらないもの164の何れもが外
部に導通せず、ガス留りとなっているのが相違する。
【0069】本実施の形態においては、発生した溶媒ガ
スの一部は、このガス留り内に停まることとなる。
【0070】しかしながら、この場合においても、図4
に示すような固体インク室流路部品の感光性樹脂との被
接着面における気泡は発生せず、良好な接着性、液(イ
ンク)密性を示した。
【0071】なお、ガス溜まり分だけの非接着部が生じ
るが、その部分の面積が少ない上に規則的な形状、配列
であるため応力集中等生じないため、接着力の低下に繋
がらない。
【0072】次に、本実施の形態における製造方法は、
その他を除いては、先の第1の実施の形態と同じであ
る。
【0073】(第3の実施の形態)図7に、本発明のイ
ンクジェットヘッドの第3の実施の形態を示す。
【0074】本図は、先の第1の実施の形態における図
5に相当するものである。
【0075】しかしながら、図5と比較すれば明らかな
ように、ガス抜きとしての感光性樹脂層内の孔165は
t=160μmの間隔で並んでいるのは同じであるが、
この樹脂層全てにわたって存在するあるいは膜を貫通、
言わば切断するのではなく、膜厚方向の一部にのみ(深
さ5〜20μm)形成されているのが、先の第1実施例
と異なる。
【0076】なおこの場合の溝の形成であるが、切削や
レーザ加工、また現像時間の調整、感光性樹脂のテーパ
等をもちいてなされる。
【0077】これにより、ガス抜きとしての役は充分担
え、しかも反ガス抜き孔存在側の被接着のインク流路部
品に形成されるインク流路等のパターンに弾力的に対応
することが可能となる。また、感光性樹脂層の種類、素
子の形状や寸法にもよるが、ガス抜き孔を層の一部に停
めることにより感光性樹脂層の剛性の低下の防止も得ら
れる。
【0078】(第4の実施の形態)図8に、本発明のイ
ンクジェットヘッドの第4の実施の形態を示す。
【0079】本図は、先の第1の実施の形態における図
5に相当するものである。
【0080】しかしながら、図5と比較すれば明らかな
ように、ガス抜きとしての孔166は、感光性樹脂層1
3でなく、被接着材たるインク室流路部品12内にその
層の全厚さ方向にわたってではなく、一部の厚方向さに
形成されているのが、異なる。
【0081】なおこの場合の溝であるが、第2の基板た
るインク流路部品は感光性ガラス、SUS等であり、エ
ッチングや切削にて形成した。
【0082】以上、本発明を幾つかの実施の形態に基づ
いて説明してきたが、本発明は何もこれらに限定されな
いのは勿論である。すなわち、例えば以下のようにして
もよい。
【0083】(1) 感光性樹脂のメーカ、ネガ形かポ
ジ形か等の材質は実施の形態とは別の物である。また、
これらに伴い、加熱温度、加熱時間等は当然実施の形態
とは異なった値である。
【0084】(2) 素子の形状、寸法等に応じて感光
性樹脂の層の厚さは、実施の形態より厚かったり、逆に
薄かったりしている。
【0085】(3) 孔は、四角形、正方形でなく三角
形等ほかの形状としている。
【0086】(4) インクジェットヘッドそのもの
は、従来の技術欄で説明したアクチュエータ型以外のも
のである。
【0087】(5) 厚膜のシートを使用する場合、第
1の基板と第1の基板の両方の樹脂接着界面にガス抜き
孔を設けている。
【0088】(6) 孔は、原則として外部に通じてい
るが、パターンの都合でそれを成しえない場合のみガス
溜まりとしている。
【0089】(7) ドライフィルムタイプの樹脂の膜
厚が大きい場合であって、ガス抜き孔がシート膜の一部
のみのときやガラス流路部品にガス抜き孔を形成してい
るときには、ガス抜き孔の間隔に樹脂の膜厚を考慮して
いる。
【0090】(8) ヘッドの寸法その他、樹脂の種
類、加熱時間、加熱温度等により、ガス抜き孔の間隔を
適宜他の値としている。例えば、ヘッドの寸法が大きけ
ればインクのバイパス等まず生じない等のため、ガス抜
き孔の間隔を大きくする等である。
【0091】(9) 孔等は、直線状でなく、インク流
路等のパターンの都合で曲がったり、分岐したりしてい
る。
【0092】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、インク流路の接着にパターン化された感光性樹脂を
接着材として用いたインクジェットヘッドにおいて、感
光性樹脂を加熱硬化させるときに発生する溶剤ガスを各
部へ逃したりガス貯りへ閉じ込めたりするため、接着面
に意図せざる気泡が生ぜず、ひいてはインクのリークや
インク流路部品の接着不良が生じない。このため、優れ
たインクジェットヘッドやその素子あるいはインクジェ
ットプリンタを提供しうる。
【0093】更に、特にヘッド上に多数の小さい素子が
配列されたインクジェットプリンタにおいてこの効果が
大きい。
【0094】また、特にシート状の感光性樹脂を積極的
にインク流路部品として使用する場合には、感光性樹脂
そのものを圧力室品として使用しうるため、コストが低
くなる。また、この場合には小さなインク吐出用ノズル
孔に適応して小さなインク供給路を精度よく形成するこ
とも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるインクジェットヘッドの第1
の実施例の形態において、感光性樹脂膜が圧力室部品と
して使用され、この際160μm毎にスリットが設けら
れているのを概念的に示す図である。
【図2】 従来技術に係るインクジェットヘッドのイン
ク室(圧力室)と圧電素子部を中心とした構成図であ
る。
【図3】 インクジェットヘッドに短冊状の素子がパタ
ーン化されて多数配列されている様子の1例を示すであ
る。
【図4】 従来技術に係わるインクジェットヘッドの製
造において、硬化した感光性樹脂層の接着部に気泡が発
生している様子を示す図である。
【図5】 本発明に係わるインクジェットヘッドの第1
の実施の形態において固体の構成部材間の感光性樹脂層
内に気泡発生防止、発生したガスを逃す孔が160μm
毎に設けられているのを示す図である。
【図6】 本発明に係わるインクジェットヘッドの第2
の実施の形態において、硬化した感光性樹脂層内の気泡
逃しのための孔が外部に導通していない場合を示す図で
ある。
【図7】 本発明に係わるインクジェットヘッドの第3
の実施の形態において、硬化した感光性樹脂層内の厚さ
方向の一部にのみガス抜きのための孔が設けられている
のを示す図である。
【図8】 本発明に係わるインクジェットヘッドの第4
の実施の形態において、感光性樹脂層にて接着される固
体部品の厚さ方向の一部にのみガス抜きのための孔が設
けられているのを示す図である。
【符号の説明】
1 振動板兼圧力室側電極 2 圧電素子 3 個別化された反圧力室側電極 4 インク室(圧力室) 5 インク流路部品 6 ノズル板 7 ノズル孔 8 インク室(圧力室) 9 インク流路 10 インク供給孔 11 第1の基板 12 第2の基板 13 感光性樹脂層 14 気泡 15 インク流路 161 ガス抜き用孔 162 ガス抜き用孔 163 ガス抜き用孔 164 ガス抜き用孔 165 ガス抜き用孔(溝) 166 ガス抜き用孔(溝)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板と第2の基板とが、インク流
    路部品の役を担うと共にパターン化された感光性樹脂層
    で接着されているインクジェットヘッドにおいて、 上記感光性樹脂層は、 インク流路より層内側最大500μm以内の部分に空間
    を有するか空間に面していることを特徴とするインクジ
    ェットヘッド。
  2. 【請求項2】 第1の基板と第2の基板とが、インク流
    路部品の役を担うと共にパターン化された感光性樹脂層
    で接着されているインクジェットヘッドにおいて、 上記感光性樹脂層は、 その層内いずれの所からも、最大500μm以内の部分
    に空間を有するか空間に面していることを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 上記空間は、 上記第1の基板若しくは上記第2の基板に設けられてい
    るものであることを特徴とする請求項1若しくは請求項
    2記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 上記空間は、 上記感光性樹脂層内に設けられているものであることを
    特徴とする請求項1若しくは請求項2記載のインクジェ
    ットヘッド
  5. 【請求項5】 上記感光性樹脂層は、 ドライフィルムタイプのものであることを特徴とする請
    求項1、請求項2、請求項3若しくは請求項4記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 上記空間は、 それが設けられている第1の基板、第2の基板あるいは
    感光性樹脂層の膜厚方向全体に及ぶものでないことを特
    徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4若し
    くは請求項5記載のインクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011101990A (ja) * 2009-11-11 2011-05-26 Seiko Epson Corp 液滴噴射ヘッドおよびその製造方法、並びに液滴噴射装置

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