JP2000117504A - スピンドルモータのハブ加工方法 - Google Patents
スピンドルモータのハブ加工方法Info
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Abstract
法・機械剛性の弱い部品を高精度に加工する加工方法を
提案しようとすること。 【解決手段】 ハブ1の一部分に、チャッキングにより
加工に影響を与えない程度の強度を保持させた基準構造
部10を設けるステップと、ハブ1の一面側の加工時
に、ハブの他面側で前記基準構造部10の一部分に設け
た基準部分であるディスク保持壁2部分を挟持し、該基
準部分を基準点として一面側を加工するステップと、ハ
ブの他面側の加工時に、ハブの一面側で前記基準構造部
の一部分に設けた基準部分(ハブ内径部8)を挟持し、
該基準部分を基準点として他面側を加工するステップ
と、を具備してなるスピンドルモータのハブ加工方法で
あって、特にブランク1のハブ内径部8の一方端に、蓋
様のカバー1’が設けられ、ハブ内径部8の一方側から
しかバイトを挿入して内側を切削することが出来ない構
造のものの加工に本発明は有効である。
Description
を図ったスピンドルモータのハブ加工方法に関する。
ライブ(HDD)の小型・高密度化への移行は目まぐる
しいものがある。此の小型化への移行は、HDDに組み
込まれるスピンドルモータに対しても同様に小型・薄型
・軽量化への要求が必然として迫られている。これら称
して小型化への要求は、構成部品の小型化を意味し、此
の事は構成部品の小サイズ寸法・機械剛性の弱さに繋が
り、更には加工精度保持の難しさに繋がっている。
を説明し、該モータのハブ加工の問題点を具体的に説明
する。図7は、従来の代表的な薄型スピンドルモータを
示す断面図である。図7において、50はフランジであ
り、薄い円形の皿状をしたモータ収納部51を有する。
モータ収納部51の中央にはボス52が設けられてお
り、該ボス52の中央には軸柱53が固定・立設されて
いる。該軸柱53には、スペーサ54を介して玉軸受け
55,56が取り付けられている。
上方に突出しており、固定子取付枠57の外周には、固
定子コイル58が巻回された固定子59が固着されてい
る。60は端子板であり、固定子コイル58からの引出
線が接続されている。
固着されている。ハブ61の外形は直径の異なる2つの
円柱が重なった凸形状をしており、上端にはスペーサを
挟んで積層されるハードディスクの中心穴を挿通するデ
ィスク保持壁62が形成され、下方には、リング状の永
久磁石63とヨーク64とを内側に形成するハブ外径部
65が形成されている。ハブ61の下方内側に設けら
れ、玉軸受け56を保持している軸承保持筒66は、固
定子取付枠57の内側に遊嵌している。図7に示すモー
タは、cにて示す部分には微少間隙が形成されている。
このため、端子板60から固定子コイル58に交流電圧
が印加され、固定子59に回転磁界が発生すると、ボス
61は回転を開始する。
も高い加工精度が要求される部品・ハブの加工に於い
て、前記の如く、小型化に伴う部品の小寸法化により機
械的剛性が低下し、機械加工時の外力に対し歪み易く、
加工面の平面度・直角度・真円度或いは寸法自体の精度
確保が難しくなってきている。特に、機械加工機のスピ
ンドル装着治具(チャック)に加工部品を装着(チャッ
キング)する際、チャック圧力によって加工部品(ワー
ク)が歪み変形を起こす問題が生じ易い、此の歪み・変
形は加工精度に直接的に影響を及ぼす事になる。
5をチャッキングしたり、図9に示すように軸承保持筒
66をチャッキングし加工すると、チャッキングされた
部分の肉厚が薄い為に、これらの部分にチャックの爪部
圧力の影響により、図10、11の如き変形を生じ、真
円度を悪くする。また、図12に示すように、鍛造ブラ
ンクからなるハブ61の段付部67をチャックするとハ
ブ外径部65の変形は起こりにくいが、段付部67が鍛
造面である場合に、図7に示すように鍛造時の抜きテー
パ部分67が有ったり、図12に示すように、テーパー
が形成されていなくとも、鋳造面であるための真円度精
度が出ていない事により、加工後の平面度精度に影響が
現れ、図13に示すように安定精度を得る事が出来な
い。なお、ここで云う平面度とは、ディスク取付面69
の凹凸の大きさを言うものである。
為、アルミニュウム合金を材料とする加工部品・ハブの
硬度や機械剛性をあげる為に調質等の熱処理を行ってい
るが、逆に此の熱処理が鍛造等で生じた内部応力によ
り、加工前部品(ブランク)としての歪み変形を誘発
し、加工精度に影響すると言う問題も生じている。この
為に、ハブの高精度加工を達成する為には、熱処理によ
り生じたブランクの歪み・変形の影響を押さえ、チャッ
ク圧力によるワーク変形を最小限に押さえて、如何に、
高精度加工を達成するかが大きな課題・問題点となって
いる。
ブ外周部65の内周面にヨーク64を固定した後、ヨー
ク64の内周面又はヨーク64が装着されたハブ外周部
65の外周面をチャッキングしてディスク取付面69の
切削加工を行って平面度を得るようにした加工方法が特
許第2724388号に開示されている。この加工方法
は、ハブ外周部65の直径が1インチ程度のものまで
は、かなり良好な平面度が得られるが、直径が1インチ
よりも小さくなると、ハブ外周部65の厚みが薄くなる
ため、ヨーク64が内側に嵌合されていても、ハブ外周
部65の強度は、切削加工に耐えうるものではなく、良
好な切削加工をハブに施すことが出来ない。
しようとするものであり、その目的は、これら小サイズ
寸法・機械剛性の弱い部品を、高精度に加工する加工方
法を提案しようとするものであり、特に図7に示すよう
に、ハブの中心に設けられる玉軸受けを保持する円筒状
の部分の一方端が蓋様のものに覆われて、その一方側か
らしか該円筒状の部分の切削加工が出来ないような小サ
イズ寸法・機械剛性の弱い部品を、高精度に加工する加
工方法を提案しようとするものである。
明では、固定磁極に対峙して回転する回転子磁極を有
し、該回転子磁極を保持するハブを備えたスピンドルモ
ータのハブ加工方法において、上記ハブの一部分に、チ
ャッキングにより加工に影響を与えない程度の強度を保
持させた基準構造部を設けるステップと、ハブの一面側
の加工時に、ハブの他面側で前記基準構造部の一部分に
設けた基準部分を挟持し、該基準部分を基準点として一
面側を加工するステップと、ハブの他面側の加工時に、
ハブの一面側で前記基準構造部の一部分に設けた基準部
分を挟持し、該基準部分を基準点として他面側を加工す
るステップと、を具備してなるスピンドルモータのハブ
加工方法を提供する。本願の請求項2に係る発明では、
請求項1に係る発明において、前記基準構造部の一部分
に設けた基準部分は、ディスク保持壁2、ハブ挟持基準
段部及びハブ内径部の内の一つであることを特徴とする
スピンドルモータのハブ加工方法を提供する。本願の請
求項3に係る発明では、請求項1に係る発明において、
ハブブランクは、非磁性軽合金からなることを特徴とす
るスピンドルモータのハブ加工方法を提供する。
面を用いて詳細に説明する。図1乃至図6は、本発明に
よる加工方法を工程に従って示した断面図である。図1
において、1は、鋳型から取り出したままのハブブラン
クである。ハブブランク1は、主としてアルミニウムな
どの非磁性軽合金からなる。このハブブランク1のディ
スク保持壁2部分は、図示していない切削装置のチャッ
ク3により挟持されている。チャック3により挟持され
たワーク(ハブブランク1)は、回転切削される。ま
ず、ハブ外径部4、その先端部分5、ハブ外径部4の裏
側に当たるヨーク挿入面6、ハブ内壁凹部面7、玉軸受
けを保持するハブ内径部8、今後の加工基準となるハブ
挟持基準段部9、カバー1’とこれの中央部に設けられ
た軸柱挿通穴1”を一つの切削工程で削り出す。前述の
ように、このブランク1には、ハブ内径部8の一方端
に、蓋様のカバー1’が設けられ、ハブ内径部8の一方
側からしかバイトを挿入して内側を切削することが出来
ない構造となっている。
行する際にワークであるハブブランク1を挟持する場所
である。従って、このハブ挟持基準段部9は、そのチャ
ッキングによりワークを変形させるような場所であって
はならない。また、現在切削加工を施しているハブ内壁
凹部面7側と反対側、即ち、ディスク保持壁2側を切削
加工する際に、ハブ挟持基準段部9を挟み付けているチ
ャック3が加工の邪魔にならない場所でなければならな
い。このような理由から、ハブ挟持基準段部9は、ハブ
内壁凹部面7であって、ワークの内で一番機械的に丈夫
で好適なディスク保持壁2の内側に当たる部分に設けら
れ、このように、チャッキングにより加工に影響を与え
ない程度の強度を保持させた場所を、基準構造部10と
定義する。
ャック3から取り外され、図2に示すように、ヨーク挿
入面6にヨーク11を圧入・接着する。上記切削加工工
程で、ワークであるハブブランク1は機械的に丈夫な基
準構造部10の一部分(外輪)であるディスク保持壁2
部分を挟持されてハブの他面側を加工しているので真円
度精度は良く、ヨーク11の圧入によるハブ外径部4、
その先端部分5、ヨーク挿入面6の変形は起こし難い特
徴も有する。
基準構造部の一部分に形成されているハブ挟持基準段部
9を、別のチャック12の挟持爪14を挿入し、このチ
ャック12によりハブブランク1を切削装置に固定す
る。この状態でハブブランク1を回転させ、機械的に丈
夫な基準構造部10の一部分であるハブ挟持基準段部9
を挟持されてこれの反対面側にあるハブ外径部4を切削
し、続いて、ディスク取付面15、ディスク保持壁2、
該ディスク保持壁に挿通・積層されたディスクの上面を
押圧し、これらを締着させる押さえ板をはめ込むはめ込
み面16、上縁部17を一つの加工工程で一気に切削加
工する。
ック12の挟持爪14によりハブ挟持基準段部9を挟持
して精度良く切削装置に固定され、複数部分が一つの切
削工程で加工されているから、各加工面どうしの平行度
・真円度の偏移精度の狂いは生じ無い。次いで図4に示
す如く、ディスクを締着させるための押さえ板をねじ止
めするための穴明け加工を行う。此の場合、穴開けのた
めの治具基準は、精度がでているハブ内径部8とする為
に、各穴18のピッチ芯円度精度は高く加工可能であ
る。また、本発明では、ハブ挟持基準段部9が比較的浅
く形成されているので、ディスクの積層枚数が少ないモ
ータの種類であって、ディスク保持壁2の高さが小さい
ものである場合であっても、穴18の深さをハブ挟持基
準段部9に達する手前まで十分深くとることが出来る。
す如く、基準構造部の一部であるチャックディスク保持
壁2をチャッキングして、チャッキング保持壁2と反対
面側にあるハブ内径部8、カバー1’の裏面部20、ハ
ブ外径部4を再切削加工する。此の場合、ハブ内径部
8、軸柱挿通穴1”周面21は偏芯無く同芯である。
部の一部であるハブ内径部8内に挿入してハブブランク
1を挟持し、ディスク取付面15、ディスク保持壁2、
はめ込み部16、上縁部17を一つの加工工程で一気に
切削加工して、ハブを仕上げる。
明したが、本発明の主旨の範囲内で種々の変形や応用が
可能であり、これらの変形や応用を本発明の範囲から排
除するものではない。
ブをブランクの段階で、チャック圧力による変形を生じ
ない基準溝形成部のハブ内壁面の位置にハブ挟持基準段
部を加工形成し、一貫して此のチャック用のハブ挟持基
準段部をチャッキングして、ハブ内径部、ディスク保持
壁、ディスク取付け面など加工精度を要求される部分の
加工を同時加工する為に、ワークの変形なく、各加工面
の加工精度(真円度・直角度・平面度)並びに寸法精度
を従来になく高く確保する事が出来る。そして、ハブの
厚みが小さくかつハブの中心方向にチャッキングするよ
うな適当な部分がないような設計構造のハブ加工におい
ても、請求項1,2に係る発明では、有効にハブを加工
することができる。更に、ハブの一部分に、チャッキン
グにより加工に影響を与えない程度の強度を保持させた
基準構造部を設けるステップと、ハブの一面側の加工時
に、ハブの他面側で前記基準構造部の一部分に設けた基
準部分を挟持し、該基準部分を基準点として一面側を加
工するステップと、ハブの他面側の加工時に、ハブの一
面側で前記基準構造部の一部分に設けた基準部分を挟持
し、該基準部分を基準点として他面側を加工するステッ
プと、とを具備しているので、ブランク1のハブ内径部
の一方端に、蓋様のカバーが設けられ、ハブ内径部の一
方側からしかバイトを挿入して内側を切削することが出
来ない構造のものの加工に本発明は有効である。又、請
求項3に係る発明では、上記請求項1に係る発明のよう
な加工を行うため、鉄以外のアルミニウム軽合金のよう
な比較的柔らかい素材でも高精度のハブを得ることがで
きる。
る断面図である。
る断面図である。
る断面図である。
る断面図である。
る断面図である。
る断面図である。
ある。
である。
である。
ャックされた部分の変形状態を示す変形分布図である。
ャックされた部分の変形状態を示す変形分布図である。
面図である。
ャックされた部分の変形状態を示す変形分布図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 固定磁極に対峙して回転する回転子磁極
を有し、該回転子磁極を保持するハブを備えたスピンド
ルモータのハブ加工方法において、上記ハブの一部分
に、チャッキングにより加工に影響を与えない程度の強
度を保持させた基準構造部を設けるステップと、ハブの
一面側の加工時に、ハブの他面側で前記基準構造部の一
部分に設けた基準部分を挟持し、該基準部分を基準点と
して一面側を加工するステップと、ハブの他面側の加工
時に、ハブの一面側で前記基準構造部の一部分に設けた
基準部分を挟持し、該基準部分を基準点として他面側を
加工するステップと、を具備してなるスピンドルモータ
のハブ加工方法。 - 【請求項2】 前記基準構造部の一部分に設けた基準部
分は、ディスク保持壁2、ハブ挟持基準段部及びハブ内
径部の内の一つであることを特徴とする請求項1に記載
のスピンドルモータのハブ加工方法。 - 【請求項3】 ハブブランクは、非磁性軽合金からなる
ことを特徴とする請求項1に記載のスピンドルモータの
ハブ加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28576998A JP3688908B2 (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | スピンドルモータのハブ加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP28576998A JP3688908B2 (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | スピンドルモータのハブ加工方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000117504A true JP2000117504A (ja) | 2000-04-25 |
JP3688908B2 JP3688908B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=17695827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28576998A Expired - Fee Related JP3688908B2 (ja) | 1998-10-07 | 1998-10-07 | スピンドルモータのハブ加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3688908B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005080033A1 (ja) * | 2004-02-23 | 2005-09-01 | Jtekt Corporation | 車両用軸受装置の製造方法 |
-
1998
- 1998-10-07 JP JP28576998A patent/JP3688908B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005080033A1 (ja) * | 2004-02-23 | 2005-09-01 | Jtekt Corporation | 車両用軸受装置の製造方法 |
CN100546742C (zh) * | 2004-02-23 | 2009-10-07 | 株式会社捷太格特 | 车辆用轴承装置的制造方法 |
US7963036B2 (en) | 2004-02-23 | 2011-06-21 | Jtekt Corporation | Method of manufacturing bearing device for vehicle |
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---|---|
JP3688908B2 (ja) | 2005-08-31 |
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