JP2000117412A - 剥離性の高い2層チタン鋳込クラッド鋼板の製造方法 - Google Patents

剥離性の高い2層チタン鋳込クラッド鋼板の製造方法

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JP2000117412A JP30330598A JP30330598A JP2000117412A JP 2000117412 A JP2000117412 A JP 2000117412A JP 30330598 A JP30330598 A JP 30330598A JP 30330598 A JP30330598 A JP 30330598A JP 2000117412 A JP2000117412 A JP 2000117412A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芯材同士の剥離性や、芯材と衣材間の密着性
に優れた、2層チタン鋳込クラッド鋼板(厚板製品)の
製造方法を提供する。 【解決手段】 脱スケールした2枚のチタン板の重合面
の一方に、1000〜1500℃で焼成した粒度3〜30μmの酸
化マグネシウムからなる剥離剤3を3〜5mm厚に塗布し
て、重合面を重合して芯材1,2とし、芯材1,2の外
面に、炭素含有率0.001 〜0.003 重量%の鉄板囲い材4
を境界部を脱スケール後真空引きして溶接し、囲い材4
外面を脱スケールして酸化防止剤を塗布後、衣材溶鋼を
鋳込速度0.15〜0.9m/分で鋳込んでクラッド鋼塊とし、
自然冷却したうえ、合計圧下比6〜8で分塊圧延、厚板
圧延を施し、非クラッド部分を除去した後、2枚の芯材
1,2を剥離して2層チタンクラッド鋼板とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳込法による2層
チタンクラッド鋼板(厚板製品)の製造方法に関し、特
に、鋳込法で得たチタンクラッド鋼板を剥離して、厚板
製品の2層チタンクラッド鋼板とするに際し、芯材間の
剥離性に優れた、厚板製品の2層チタンクラッド鋼板を
高歩留まりで得られる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、従来の一般的な鋳込法による2層
クラッド鋼板の製造方法を、図11〜図14に基づいて
説明する。図11及び図12に示すように、鋳型100
内の中央部に、剥離剤101を介して重ね合わせた2枚
の芯材102,103を吊具104で支持し、湯口10
5から衣材溶鋼を下注法で注入し、前記芯材102,1
03を衣材106で鋳込んで、図13に示すクラッド鋼
塊107を得る。次に、このクラッド鋼塊107を分塊
圧延してスラブとし、このスラブの非クラッド部を切断
除去した後、前記芯材102,103間を剥離して、熱
間圧延工程を施し、図14に示す2層クラッド鋼板10
8としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】鋳込法は大量生産に適
するという利点があるが、チタンは極めて酸化性の強い
金属なので、酸化物の生成による密着性の阻害、及びチ
タンに溶鋼が接触することによる炭化チタンの生成と粗
粒化のため、脆性劣化の問題があり、チタンを用いた鋳
込法による2層クラッド鋼板の製造は困難とされてき
た。また、チタンと鉄の共晶温度は1085℃であり、
溶鋼の鋳込み時にチタンが溶融してしまうことも鋳込法
による2層クラッド鋼板の製造を困難にしていた。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、チタンの溶鋼鋳込み時における溶融を防止する
とともに、チタンの強酸化性を克服し、高温下における
炭化チタンの析出を抑制し、圧延時に十分な圧下比を確
保して密着性を高める一方、芯材同士の剥離性を高め
た、芯材としてチタンを用いた鋳込法による2層クラッ
ド鋼板(厚板製品)の製造方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】脱スケールした芯材とす
る2枚のチタン板の重合面の一方に、1000℃〜15
00℃で焼成した粒度3μm〜30μmの酸化マグネシ
ウムを水に溶解してなる剥離剤を塗布し、350℃で乾
燥し、この塗布及び乾燥を繰り返して3mm〜5mmの塗布
厚としたうえ、前記重合面同士を重合することにより、
芯材間の剥離性を確保できた。
【0006】図6に示すように、剥離剤の粒度が3μm
に達しないと、圧延時に凝集してムラを生じ、圧延後の
分布が均一にならず、剥離性に劣ることが判明した。一
方、剥離剤の粒度が30μmを超えると、圧延後の分布
は均一となるが、粒度が粗いためにチタン板の重合面を
損傷してしまうことが判明した。また、図7に示すよう
に、剥離剤の塗布厚が3mmに達しないと、剥離剤の量が
少な過ぎて圧延時に凝集してムラを生じ、圧延後の分布
が均一にならず、剥離性に劣ることが判明した。一方、
剥離剤の塗布厚が5mmを超えると、2枚のチタン芯材の
間隔が広くなり過ぎて、圧延を円滑に行うことが困難で
あることが判明した。
【0007】また、チタンの強酸化性の克服には、従来
一般的に行われている、エポキシ樹脂等の酸化防止剤を
塗布するのでは不十分である。本発明者らは、芯材たる
チタンの周囲を囲い材として鉄板で被覆し、境界部を真
空引きして溶接することにより、これを克服できた。
【0008】さらに、高温下における炭化チタンの析出
については、芯材たるチタンの周囲を被覆する囲い材た
る鉄板の炭素含有率を0.001〜0.003重量%に
設定することにより、チタンと炭素鋼との接触面での拡
散による炭化チタンの析出を抑制できた。
【0009】さらにまた、鋳込速度を0.15〜0.9
m/分に設定することにより、チタンをそのα⇔β変態
点882℃以上の温度に長くおくことを防止して上記炭
化チタンの析出の抑制を高めるとともに、囲い材である
鉄板の溶損を防止できた。図8に示すように、鋳込速度
が0.15m/分に達しない場合や0.9m/分を超え
た場合には、境界部剪断強度が低下することが明らかで
ある。この境界部剪断強度の低下は、炭化物の析出や境
界部の熱歪みによる割れの影響によるものと思われる。
【0010】一方、炭化チタンの析出抑制のためには、
鋼塊の冷却を、短時間に行うことが好ましいが、あまり
急速に冷却すると鋼塊割れを起こすので、自然冷却を採
用した。上述のように、チタンと炭素鋼との接触面に
は、炭素含有率0.001〜0.003重量%の鉄板を
介在させているので、自然冷却によっても炭化チタンの
析出を抑制することができた。
【0011】さらに、鋼塊厚みから製品厚みまでの圧延
工程における圧下比を6〜8に設定することにより、極
めて密着性が高い一方、剥離性を阻害しないチタンクラ
ッド鋼板を得ることができた。図9に示すように、圧下
比が6に達しない場合には40Kgf/mm2 以上の所
望の剪断強度を得ることができない一方、圧下比が6以
上になると前記所望の剪断強度を得られる。しかし、図
10に示すように、圧下比が8を超えた場合には、チタ
ン芯材の剥離性に支障をきたすので好ましくない。
【0012】またさらに、図1に示すように、囲い材で
ある鉄板の板厚をXmm、鋳込温度をT0 ℃、鋳型内平均
幅をt2mm 、2枚のチタン板の厚みをt0mm 、2枚の囲
い材と2枚のチタン板とを合わせた厚みをt1mm とする
と、 X=( t1 −t0 )/2 であり、鋳込み後の溶鋼の熱が平均化した場合の温度
が、鉄とチタンの共晶温度である1085℃に達しない
必要があるので、チタン板及び囲い材が鋳型の上下方向
及び奥行き方向ともに一杯伸びているとすれば、 T0 ( t2 −t1 )<1085×t2 の近似式が成り立つので、 ( t2 −t1 )/t2 <1085/T0 ∴ 1−t1 /t2 <1085/T0 これを整理すると、 t1 >t2 (1−1085/T0 ) ここで、t1 =2X+t0 だから X>{t2 (1−1085/T0 )−t0 }/2
【0013】したがって、この近似式、X>{t2 (1
−1085/T0 )−t0 }/2を満たす板厚の囲い材
たる鉄板でチタン板を囲んで鋳込めば、チタンと鉄の境
界面において共晶温度に達しないので、チタンの溶融を
防止することができる。但し、確実かつ円滑に鋳込を行
うには、溶鋼の通過間隙が鋳型内平均幅の30%は必要
なので、鋳型内壁と囲い材との間隔が鋳型内平均幅の3
0%を超えていることが必要となる。このため、t1
0.7 t2 の条件を満たす必要があるので、Xは上述の近
似式を満たすとともに、X<(0.7t2 −t0 )/2の
条件を満たすことが必要である。
【0014】また、囲い材の板厚はなるべく薄い方が好
ましいが、実験的に確認したところでは、安全率を20
%は見込んでおく必要があるので、上述した近似式を
1.2倍した板厚の囲い材を使用すればよいものであ
る。すなわち、X=〔{t2 ( 1−1085/T0 )−
0 }/2〕×1.2の近似式で規定される板厚の囲い
材を使用すればよい。
【0015】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
もので、請求項1に記載したチタンの剥離性を高めた2
層チタン鋳込クラッド鋼板の製造方法は、脱スケールし
た芯材とする2枚のチタン板の重合面の一方に、100
0℃〜1500℃で焼成した粒度3μm〜30μmの酸
化マグネシウムを水に溶解してなる剥離剤を塗布し、3
50℃で乾燥し、この塗布及び乾燥を繰り返して3mm〜
5mmの塗布厚として、前記2枚のチタン板の重合面同士
を重合し、その外面に、囲い材として、炭素含有率0.
001〜0.003重量%の鉄板を、その境界部を脱ス
ケール後真空引きして溶接し、囲い材の外面を脱スケー
ルして酸化防止剤を塗布した後、衣材溶鋼を鋳込速度
0.15〜0.9m/分で鋳込んでクラッド鋼塊とし、
自然冷却したうえ、クラッド鋼塊を分塊圧延してスラブ
とし、スラブに圧延工程での合計圧下比が6〜8となる
よう厚板圧延を施し、続いて非クラッド部分を除去した
後、2枚の芯材を剥離して2層チタンクラッド鋼板を得
ることを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項2に記載したチタン
の剥離性を高めた2層チタン鋳込クラッド鋼板の製造方
法は、脱スケールした芯材とする2枚のチタン板の重合
面の一方に、1000℃〜1500℃で焼成した粒度3
μm〜30μmの酸化マグネシウムを水に溶解してなる
剥離剤を塗布し、350℃で乾燥し、この塗布及び乾燥
を繰り返して3mm〜5mmの塗布厚として、前記2枚のチ
タン板の重合面同士を重合し、その外面に、囲い材とし
て、炭素含有率0.001〜0.003重量%で板厚X
mmの鉄板を、その境界部を脱スケール後真空引きして溶
接し、囲い材の外面を脱スケールして酸化防止剤を塗布
した後、衣材溶鋼を鋳込速度0.15〜0.9m/分で
鋳込んでクラッド鋼塊とし、自然冷却したうえ、クラッ
ド鋼塊を分塊圧延してスラブとし、スラブに圧延工程で
の合計圧下比が6〜8となるよう厚板圧延を施し、続い
て非クラッド部分を除去した後、2枚の芯材を剥離して
2層チタンクラッド鋼板を得るものであり、前記囲い材
の板厚Xmmは、鋳込温度をT0 ℃、鋳型内平均幅をt2m
m 、2枚のチタン板の厚みをt0mm とすると、X>{t
2 ( 1−1085/T0 )−t0 }/2の近似式(但
し、X<(0.7t2 −t0 )/2)で規定されることを
特徴とする。
【0017】また、本発明の請求項3に記載したチタン
の剥離性を高めた2層チタン鋳込クラッド鋼板の製造方
法は、脱スケールした芯材とする2枚のチタン板の重合
面の一方に、1000℃〜1500℃で焼成した粒度3
μm〜30μmの酸化マグネシウムを水に溶解してなる
剥離剤を塗布し、350℃で乾燥し、この塗布及び乾燥
を繰り返して3mm〜5mmの塗布厚として、前記2枚のチ
タン板の重合面同士を重合し、その外面に、囲い材とし
て、炭素含有率0.001〜0.003重量%で板厚X
mmの鉄板を、その境界部を脱スケール後真空引きして溶
接し、囲い材の外面を脱スケールして酸化防止剤を塗布
した後、衣材溶鋼を鋳込速度0.15〜0.9m/分で
鋳込んでクラッド鋼塊とし、自然冷却したうえ、クラッ
ド鋼塊を分塊圧延してスラブとし、スラブに圧延工程で
の合計圧下比が6〜8となるよう厚板圧延を施し、続い
て非クラッド部分を除去した後、2枚の芯材を剥離して
2層チタンクラッド鋼板を得るものであり、前記囲い材
の板厚Xmmは、鋳込温度をT0 ℃、鋳型内平均幅をt2m
m 、2枚のチタン板の厚みをt0mm とすると、X=
〔{t2 ( 1−1085/T0 )−t0 }/2〕×1.
2の近似式で規定されることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。芯材1,2としてチタン含有率99.7%
程度のチタン材を使用し、これらを熱処理、脱スケール
後、接触面に剥離剤3を塗布して重ね合わせ、その境界
部を真空引きして全周を溶接する。前記剥離剤3は、1
000℃〜1500℃で焼成した粒度3μm〜30μm
の酸化マグネシウムを、100gあたり水50gに溶解
して塗布し、350℃で乾燥して水分を除去し、この塗
布及び乾燥を繰り返して3mm〜5mmの塗布厚とする。塗
布方法としては、例えば、ハケ塗りを挙げることができ
る。
【0019】次いで、溶接した芯材1,2の外面を、炭
素含有率0.001〜0.003重量%の脱スケールし
た6枚の鉄板の囲い材4で被覆し、その境界部を脱スケ
ールした後真空引きして全周を溶接する。そして、各囲
い材4の外面を脱スケールしてエポキシ樹脂等の酸化防
止剤を塗布した後、図1に示すように、吊り具11で鋳
型10内の中央部に支持する。なお、吊り具11はその
固定脚11aを上面の鉄板4aに溶接する。
【0020】ここで、囲い材4の板厚をXmm、鋳込温度
をT0 ℃、鋳型内平均幅をt2mm 、2枚のチタン板であ
る芯材1,2を合わせた厚みをt0mm とすると、Xは近
似式X>{t2 (1−1085/T0 )−t0 }/2で
規定される。但し、X<(0.7t2 −t0 )/2であ
り、安全率を実験的に確認した20%とすると、Xは近
似式X=〔{t2 ( 1−1085/T0 )−t0 }/
2〕×1.2で規定される。
【0021】続いて、湯口12から衣材5となる溶鋼を
鋳込速度0.15〜0.9m/分で下注法で注入し、図
2に示すように、芯材1,2を衣材5で鋳込んでクラッ
ド鋼塊6とし、自然冷却する。前記衣材5となる溶鋼
は、炭素鋼を用いればよいが、低炭素鋼あるいは中炭素
鋼が好適である。
【0022】この鋳込時に、囲い材4は溶鋼と接する外
面から溶解していくが、芯材1,2と接する部分までは
溶解しないので、前記芯材1,2と溶鋼とが直接接触す
ることはない。このため、芯材1,2であるチタンと衣
材5である炭素鋼との接触面で起こる拡散による炭化チ
タンの析出を抑制できる。また、前記芯材1,2を前記
囲い材4で囲むことにより、前記芯材1,2と前記囲い
材4との境界面が1085℃の共晶温度に至ることはな
いので、前記芯材1,2が溶融することはない。
【0023】さらに続いて、クラッド鋼塊6に公知の方
法により分塊圧延して図3に示すスラブ7とし、このス
ラブ7に圧延工程での合計圧下比が6〜8となるよう厚
板圧延を施した。次に、公知の方法により、周囲の非ク
ラッド部分を切断除去した後、同じく公知の方法によ
り、2枚の芯材1,2を剥離し、チタン表面を研磨し
て、図4に示す厚板製品である2層チタンクラッド鋼板
8を得た。この2枚の芯材1,2の剥離は、容易に行う
ことができた。
【0024】次に、好適な実施例を示す。 用途 海洋防蝕板 芯材成分 Ti/99.7% 衣材成分 C/0.15%、Si/0.34%、Mn/
1.20%、P/0.020%、S/0.020% 剥離剤 1250℃で焼成した粒度10μmの酸化マグ
ネシウム 剥離剤の塗布厚 3mm 鋳型内面平均幅 875mm 芯材厚 90mm 鋳込速度 0.35m/分 鋳込温度 1550℃ 囲い材厚 103.5mm 圧下比 8
【0025】この実施例で得た2層チタンクラッド鋼板
8を、チタン含有率99.7%のチタン材と、C/0.
15%、Si/0.34%、Mn/1.20%、P/
0.020%、S/0.020%の中炭素鋼を用いて、
従来の圧延法で製造した2層チタンクラッド鋼板と比較
したところ、図5に示すように、本発明の2層チタンク
ラッド鋼板8は、従来法による2層チタンクラッド鋼板
よりも境界面の介在物の噛み込み面積が少ないため、密
着性に優れていることが確認できた。また、熱処理特性
や機械的性質においても、従来法による2層チタンクラ
ッド鋼板と比較して、何ら遜色のないものであった。
【0026】
【発明の効果】以上、述べたように、本願の請求項1〜
3に記載の発明によれば、チタンを芯材とし、芯材の剥
離性に優れた2層チタンクラッド鋼板を鋳込法により高
歩留まりで得ることができ、また製造した厚板製品の2
層チタンクラッド鋼板は境界部の密着性に優れるととも
に、熱処理特性や機械的性質に関しても良好であるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるクラッド鋼塊の製造
工程を示す概略的な断面図。
【図2】同じく、製造したクラッド鋼塊を示す概略的な
断面図。
【図3】同じく、圧延して得たスラブを示す概略的な断
面図。
【図4】同じく、非クラッドを切断除去し、芯材を剥離
して得た2層クラッド鋼板を示す概略的な断面図。
【図5】本発明と従来の圧延法による境界部の密着性の
比較を示す図。
【図6】本発明における剥離剤の粒度と圧延後の分布率
との関係を示す図。
【図7】本発明における剥離剤の塗布厚と圧延後の分布
率との関係を示す図。
【図8】本発明における鋳込速度と境界部の剪断強度と
の関係を示す図。
【図9】本発明における圧下比と境界部の剪断強度との
関係を示す図。
【図10】本発明における圧下比と圧延後の剥離剤の分
布率との関係を示す図。
【図11】従来の鋳込法におけるクラッド鋼塊の製造工
程を示す概略的な断面図。
【図12】同じく平面図。
【図13】同じく、製造したクラッド鋼塊を示す概略的
な断面図。
【図14】同じく、非クラッドを切断除去し、芯材を剥
離して得た2層クラッド鋼板を示す概略的な断面図。
【符号の説明】
1,2 芯材 3 剥離剤 4 囲い材 5 衣材 6 クラッド鋼塊 7 スラブ 8 2層クラッド鋼板 10 鋳型 11 吊り具 12 湯口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱スケールした芯材とする2枚のチタン
    板の重合面の一方に、1000℃〜1500℃で焼成し
    た粒度3μm〜30μmの酸化マグネシウムを水に溶解
    してなる剥離剤を塗布し、350℃で乾燥し、この塗布
    及び乾燥を繰り返して3mm〜5mmの塗布厚として、前記
    2枚のチタン板の重合面同士を重合し、その外面に、囲
    い材として、炭素含有率0.001〜0.003重量%
    の鉄板を、その境界部を脱スケール後真空引きして溶接
    し、囲い材の外面を脱スケールして酸化防止剤を塗布し
    た後、衣材溶鋼を鋳込速度0.15〜0.9m/分で鋳
    込んでクラッド鋼塊とし、自然冷却したうえ、クラッド
    鋼塊を分塊圧延してスラブとし、スラブに圧延工程での
    合計圧下比が6〜8となるよう厚板圧延を施し、続いて
    非クラッド部分を除去した後、2枚の芯材を剥離して2
    層チタンクラッド鋼板を得ることを特徴とする剥離性の
    高い2層チタン鋳込クラッド鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 脱スケールした芯材とする2枚のチタン
    板の重合面の一方に、1000℃〜1500℃で焼成し
    た粒度3μm〜30μmの酸化マグネシウムを水に溶解
    してなる剥離剤を塗布し、350℃で乾燥し、この塗布
    及び乾燥を繰り返して3mm〜5mmの塗布厚として、前記
    2枚のチタン板の重合面同士を重合し、その外面に、囲
    い材として、炭素含有率0.001〜0.003重量%
    で板厚Xmmの鉄板を、その境界部を脱スケール後真空引
    きして溶接し、囲い材の外面を脱スケールして酸化防止
    剤を塗布した後、衣材溶鋼を鋳込速度0.15〜0.9
    m/分で鋳込んでクラッド鋼塊とし、自然冷却したう
    え、クラッド鋼塊を分塊圧延してスラブとし、スラブに
    圧延工程での合計圧下比が6〜8となるよう厚板圧延を
    施し、続いて非クラッド部分を除去した後、2枚の芯材
    を剥離して2層チタンクラッド鋼板を得るものであり、
    前記囲い材の板厚Xmmは、鋳込温度をT0 ℃、鋳型内平
    均幅をt2mm 、2枚のチタン板の厚みをt0mm とする
    と、X>{t2( 1−1085/T0 )−t0 }/2の
    近似式(但し、X<(0.7t2 −t0 )/2)で規定さ
    れることを特徴とする剥離性の高い2層チタン鋳込クラ
    ッド鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 脱スケールした芯材とする2枚のチタン
    板の重合面の一方に、1000℃〜1500℃で焼成し
    た粒度3μm〜30μmの酸化マグネシウムを水に溶解
    してなる剥離剤を塗布し、350℃で乾燥し、この塗布
    及び乾燥を繰り返して3mm〜5mmの塗布厚として、前記
    2枚のチタン板の重合面同士を重合し、その外面に、囲
    い材として、炭素含有率0.001〜0.003重量%
    で板厚Xmmの鉄板を、その境界部を脱スケール後真空引
    きして溶接し、囲い材の外面を脱スケールして酸化防止
    剤を塗布した後、衣材溶鋼を鋳込速度0.15〜0.9
    m/分で鋳込んでクラッド鋼塊とし、自然冷却したう
    え、クラッド鋼塊を分塊圧延してスラブとし、スラブに
    圧延工程での合計圧下比が6〜8となるよう厚板圧延を
    施し、続いて非クラッド部分を除去した後、2枚の芯材
    を剥離して2層チタンクラッド鋼板を得るものであり、
    前記囲い材の板厚Xmmは、鋳込温度をT0 ℃、鋳型内平
    均幅をt2mm 、2枚のチタン板の厚みをt0mm とする
    と、X=〔{t2 ( 1−1085/T0 )−t0 }/
    2〕×1.2の近似式で規定されることを特徴とする剥
    離性の高い2層チタン鋳込クラッド鋼板の製造方法。
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