JPH08103856A - 連続鋳造用ロールおよびその製造方法 - Google Patents
連続鋳造用ロールおよびその製造方法Info
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- JPH08103856A JPH08103856A JP23988994A JP23988994A JPH08103856A JP H08103856 A JPH08103856 A JP H08103856A JP 23988994 A JP23988994 A JP 23988994A JP 23988994 A JP23988994 A JP 23988994A JP H08103856 A JPH08103856 A JP H08103856A
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- Japan
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- roll
- surface layer
- cylindrical body
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 連続鋳造用ロールの曲がり変形抵抗性等を高
め、ロール寿命を改善する。 【構成】 熱間鍛圧品であるコアー1と、銅ないし銅合
金の高熱伝導性中間層2と、13Cr系鋳鋼の円筒体で
ある表層3とからなり、各層の界面は拡散接合により結
合されている。このロールは、コアー部材に、表層とな
る13Cr系鋳鋼の中空円筒状鋳造品(表層円筒体)を
同心円状に外装して直立姿勢とし、コアー部材と表層円
筒体とで画成される環状空間V内に、中間層形成材料
(銅ないし銅合金の粉末またはプレート)を装填し、脱
気密封したうえ、中間層形成材料を加熱溶融し、その融
液とコアー部材および表層円筒体との固−液界面に拡散
接合を生じさせ、ついで該融液を冷却凝固させることに
より製造される。
め、ロール寿命を改善する。 【構成】 熱間鍛圧品であるコアー1と、銅ないし銅合
金の高熱伝導性中間層2と、13Cr系鋳鋼の円筒体で
ある表層3とからなり、各層の界面は拡散接合により結
合されている。このロールは、コアー部材に、表層とな
る13Cr系鋳鋼の中空円筒状鋳造品(表層円筒体)を
同心円状に外装して直立姿勢とし、コアー部材と表層円
筒体とで画成される環状空間V内に、中間層形成材料
(銅ないし銅合金の粉末またはプレート)を装填し、脱
気密封したうえ、中間層形成材料を加熱溶融し、その融
液とコアー部材および表層円筒体との固−液界面に拡散
接合を生じさせ、ついで該融液を冷却凝固させることに
より製造される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造機におけるモ
ールドの下部のサポートロール,ガイドロール,ピンチ
ロール等として使用される耐曲がり変形性等にすぐれた
ロールおよびその製造方法に関する。
ールドの下部のサポートロール,ガイドロール,ピンチ
ロール等として使用される耐曲がり変形性等にすぐれた
ロールおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造機のモールドの下部に配置され
るサポートロール,ガイドロール,ピンチロール等のロ
ール材料として従来より、20Cr−25Ni系耐熱合
金鋼(JIS G5121 SCH21,SCH22 等) が使用されてきた。
近時は、耐酸化性,耐食性,耐熱亀裂性等を改良を目的
として、図3に示すように、ロール構造をコアー1と、
その外周面を被覆する表層3’とからなる積層体とし、
コアー部1に、一般構造用鋼(例えばJIS G3101 SS41
等)や機械構造用炭素鋼・合金鋼(例えばJIS G4051 S2
5C,G4105 SCM415 等)からなる熱間鍛圧品を適用してス
ラブの押圧狭持に必要な機械強度を確保する一方、表層
3’を13Cr系鋼(例えばJIS G4316 SUS Y410 )
の肉盛溶接(肉盛層厚約10〜30mm)で耐酸化性や
耐食性,および耐熱亀裂性等を確保するようにしたロー
ルも実用されている。
るサポートロール,ガイドロール,ピンチロール等のロ
ール材料として従来より、20Cr−25Ni系耐熱合
金鋼(JIS G5121 SCH21,SCH22 等) が使用されてきた。
近時は、耐酸化性,耐食性,耐熱亀裂性等を改良を目的
として、図3に示すように、ロール構造をコアー1と、
その外周面を被覆する表層3’とからなる積層体とし、
コアー部1に、一般構造用鋼(例えばJIS G3101 SS41
等)や機械構造用炭素鋼・合金鋼(例えばJIS G4051 S2
5C,G4105 SCM415 等)からなる熱間鍛圧品を適用してス
ラブの押圧狭持に必要な機械強度を確保する一方、表層
3’を13Cr系鋼(例えばJIS G4316 SUS Y410 )
の肉盛溶接(肉盛層厚約10〜30mm)で耐酸化性や
耐食性,および耐熱亀裂性等を確保するようにしたロー
ルも実用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】連続鋳造用ロールは、
凝固直後の高温鋳片(スラブ)による高温熱影響と、ロ
ール軸心を流通する冷却水および胴部表面に散布される
冷却水による強制冷却の重畳作用を受ける。ロールの回
転速度は緩慢(例えば、0.05〜0.2ラジアン/
秒) であり、しかもそのロール回転駆動は、スラブの材
種や鋳造サイズの切替えが行われる度に中断される。こ
のため、ロールには高温スラブと接触している部分(例
えば接触角度約5°の円弧周面部分)と、非接触の円弧
周面部分との間に大きな温度差(ΔT)を生じる。その
温度分布の偏り(偏熱)に伴う熱応力の作用により、サ
ポートロールやガイドロール等(胴部径は概ね350〜
600mm)のように胴部径の比較的小さいロールで
は、曲がり(ロール軸心の反り変形)を生じ易く、殊に
広幅サイズのスラブ鋳造に使用される軸長の長いロール
(例えば、1500mm以上)において顕著である。こ
のような曲がり変形を生じると、連続鋳造操業の円滑な
遂行が妨げられ、鋳片の厚さ精度も損なわれる原因とな
る。また、ロールの基体に、表層3’として13Cr系
鋼の溶接肉盛層を形成したロールは、改良された耐食
性,耐熱亀裂性,耐食性等を有してはいるが、厚肉の肉
盛層を形成する場合には、溶接入熱による大きな残留応
力が肉盛層に導入されるため、実機使用過程のヒートサ
イクルにより、溶接ビード間を起点とする熱亀裂を生じ
易く、その熱亀裂の発生はロールの折損事故を誘発する
原因となるという問題がある。本発明は、連続鋳造用ロ
ールに関する上記問題を解消し、高温強度,耐酸化性,
耐食性,および耐熱亀裂性等と共に、改良された耐曲が
り変形性を備えた連続鋳造用ロールおよびその製造方法
を提供しようとするものである。
凝固直後の高温鋳片(スラブ)による高温熱影響と、ロ
ール軸心を流通する冷却水および胴部表面に散布される
冷却水による強制冷却の重畳作用を受ける。ロールの回
転速度は緩慢(例えば、0.05〜0.2ラジアン/
秒) であり、しかもそのロール回転駆動は、スラブの材
種や鋳造サイズの切替えが行われる度に中断される。こ
のため、ロールには高温スラブと接触している部分(例
えば接触角度約5°の円弧周面部分)と、非接触の円弧
周面部分との間に大きな温度差(ΔT)を生じる。その
温度分布の偏り(偏熱)に伴う熱応力の作用により、サ
ポートロールやガイドロール等(胴部径は概ね350〜
600mm)のように胴部径の比較的小さいロールで
は、曲がり(ロール軸心の反り変形)を生じ易く、殊に
広幅サイズのスラブ鋳造に使用される軸長の長いロール
(例えば、1500mm以上)において顕著である。こ
のような曲がり変形を生じると、連続鋳造操業の円滑な
遂行が妨げられ、鋳片の厚さ精度も損なわれる原因とな
る。また、ロールの基体に、表層3’として13Cr系
鋼の溶接肉盛層を形成したロールは、改良された耐食
性,耐熱亀裂性,耐食性等を有してはいるが、厚肉の肉
盛層を形成する場合には、溶接入熱による大きな残留応
力が肉盛層に導入されるため、実機使用過程のヒートサ
イクルにより、溶接ビード間を起点とする熱亀裂を生じ
易く、その熱亀裂の発生はロールの折損事故を誘発する
原因となるという問題がある。本発明は、連続鋳造用ロ
ールに関する上記問題を解消し、高温強度,耐酸化性,
耐食性,および耐熱亀裂性等と共に、改良された耐曲が
り変形性を備えた連続鋳造用ロールおよびその製造方法
を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の連続鋳造用ロー
ルは、熱間鍛圧材からなるコアー1と、銅ないし銅合金
からなる高熱伝導性中間層2と、13Cr系鋳鋼の中空
円筒体からなる表層3とを有し、各層間の界面は拡散接
合により結合されている3層積層構造を有することを特
徴としている。本発明の連続鋳造用ロールの製造方法
は、コアーとなる熱間鍛圧材であるコアー部材11に、
表層となる13Cr系鋳鋼からなる中空円筒体(表層円
筒体)13を同心円状に外装して直立姿勢に設置し、コ
アー部材11と表層円筒体13とで画成される環状空間
V内に、銅ないし銅合金からなる中間層形成材料12を
装填し、脱気密封したうえ、中間層形成材料12を加熱
溶融し、その融液と、前記コアー部材11および表層円
筒体13との固−液界面に拡散接合を生じさせ、ついで
該融液を冷却凝固させることを特徴としている。
ルは、熱間鍛圧材からなるコアー1と、銅ないし銅合金
からなる高熱伝導性中間層2と、13Cr系鋳鋼の中空
円筒体からなる表層3とを有し、各層間の界面は拡散接
合により結合されている3層積層構造を有することを特
徴としている。本発明の連続鋳造用ロールの製造方法
は、コアーとなる熱間鍛圧材であるコアー部材11に、
表層となる13Cr系鋳鋼からなる中空円筒体(表層円
筒体)13を同心円状に外装して直立姿勢に設置し、コ
アー部材11と表層円筒体13とで画成される環状空間
V内に、銅ないし銅合金からなる中間層形成材料12を
装填し、脱気密封したうえ、中間層形成材料12を加熱
溶融し、その融液と、前記コアー部材11および表層円
筒体13との固−液界面に拡散接合を生じさせ、ついで
該融液を冷却凝固させることを特徴としている。
【0005】
【作用】ロールの一般的構成材料は低熱伝導性で、ロー
ルの肉厚方向および周方向の温度差(偏熱)を生じ易い
のに対し、銅ないし銅合金からなる高熱伝導性層を中間
層として有する本発明のロールは、その中間層を介して
行われる速やかな熱拡散の効果として、ロールの肉厚方
向のみならず、周方向の偏熱も緩和される。この偏熱低
減により、ロールの曲がり変形が抑制緩和される。ま
た、ロール表面を被覆保護する13Cr系鋼からなる表
層3を、中空円筒鋳造体で形成しているので、溶接肉盛
層として形成された表層のような欠点(溶接ビードの積
層界面が熱亀裂の起点となり易い)がなく、実使用時の
苛酷な加熱・急冷のヒートサイクルに耐え得る良好な耐
熱亀裂性を有する。ロールのコアー1と中間層2(銅な
いし銅合金)と、表層3との各層間の界面は、拡散接合
により均一に接合されているので、実機使用時の中間層
(銅ないし銅合金)を介した肉厚方向および周方向の熱
伝達・熱拡散が効果的に行われ、かつその積層界面の強
固な結合により、ロール構造体として必要な堅牢性が確
保される。その3層積層構造の形成は、コアー部材11
と表層となる中空円筒体13との間に装填される中間層
形成材料12である銅ないし銅合金(低融点である)を
加熱溶融して凝固させる簡素な処理工程で達成され、特
殊な装置や煩瑣な処理操作を必要としない。
ルの肉厚方向および周方向の温度差(偏熱)を生じ易い
のに対し、銅ないし銅合金からなる高熱伝導性層を中間
層として有する本発明のロールは、その中間層を介して
行われる速やかな熱拡散の効果として、ロールの肉厚方
向のみならず、周方向の偏熱も緩和される。この偏熱低
減により、ロールの曲がり変形が抑制緩和される。ま
た、ロール表面を被覆保護する13Cr系鋼からなる表
層3を、中空円筒鋳造体で形成しているので、溶接肉盛
層として形成された表層のような欠点(溶接ビードの積
層界面が熱亀裂の起点となり易い)がなく、実使用時の
苛酷な加熱・急冷のヒートサイクルに耐え得る良好な耐
熱亀裂性を有する。ロールのコアー1と中間層2(銅な
いし銅合金)と、表層3との各層間の界面は、拡散接合
により均一に接合されているので、実機使用時の中間層
(銅ないし銅合金)を介した肉厚方向および周方向の熱
伝達・熱拡散が効果的に行われ、かつその積層界面の強
固な結合により、ロール構造体として必要な堅牢性が確
保される。その3層積層構造の形成は、コアー部材11
と表層となる中空円筒体13との間に装填される中間層
形成材料12である銅ないし銅合金(低融点である)を
加熱溶融して凝固させる簡素な処理工程で達成され、特
殊な装置や煩瑣な処理操作を必要としない。
【0006】以下、本発明について詳しく説明する。図
1は、本発明ロールの積層断面を模式的に示している。
1は熱間鍛圧品からなるコアー(胴部11 と両側のネッ
ク12 ,12 を有し、軸心に冷却水流路13が形成され
ている)であり、2は銅ないし銅合金からなる中間層、
3は13Cr系鋳鋼からなる表層である。
1は、本発明ロールの積層断面を模式的に示している。
1は熱間鍛圧品からなるコアー(胴部11 と両側のネッ
ク12 ,12 を有し、軸心に冷却水流路13が形成され
ている)であり、2は銅ないし銅合金からなる中間層、
3は13Cr系鋳鋼からなる表層である。
【0007】コアー1は、連続鋳造用ロールとして必要
な機械強度を確保するものであり、従来の積層体ロール
におけるコアー材として使用されている各種の熱間鍛圧
品(熱間圧延,熱間鍛造品等)を適用することができ
る。その例として、SS41, SS50等の一般構造用鋼
(JIS G3101 )、S30C(C:0.27-0.33 %, Si:0.
15-0.35 %, Mn:0.6-0.9 %)、S45C(C:0.42-
0.48 %, Si:0.15-0.35 %, Mn:0.6-0.9 %)等
の構造用炭素鋼(JIS G4051 )、SNCM420 (C:0.
17-0.23 ,Si:0.15-0.35 %, Mn:0.4-0.7 %, N
i:1.6-2 %, Cr:0.4-0.65%, Mo:0.15-0.3
%)、SNCM625 (C:0.2-0.3 %,Si:0.15-0.3
5 %, Mn:0.35-0.6%, Ni:3-3.5 %, Cr:1-1.
5 %, Mo:0.15-0.3%)、SCM822 (C:0.2-0.25
%, Si:0.15-0.35 %, Mn:0.6-0.85%, Cr:0.
9-1.2 %, Mo:0.35-0.45 %) 、SCM415 (C:0.
13-0.18 %, Si:0.15-0.35 %, Mn:0.6-0.85%,
Cr:0.9-1.2 %, Mo:0.15-0.3%)、等の機械構造
用合金鋼(JSI G4103,G4105) 等が挙げられる。コアーの
材種は上記例示の材種に限定されず、サポートロール,
ガイドロール,ピンチロール等、目的とするロールの種
類・使用態様、使用条件等に対応して要求される材料特
性を満たす材種であれば適宜選択される。
な機械強度を確保するものであり、従来の積層体ロール
におけるコアー材として使用されている各種の熱間鍛圧
品(熱間圧延,熱間鍛造品等)を適用することができ
る。その例として、SS41, SS50等の一般構造用鋼
(JIS G3101 )、S30C(C:0.27-0.33 %, Si:0.
15-0.35 %, Mn:0.6-0.9 %)、S45C(C:0.42-
0.48 %, Si:0.15-0.35 %, Mn:0.6-0.9 %)等
の構造用炭素鋼(JIS G4051 )、SNCM420 (C:0.
17-0.23 ,Si:0.15-0.35 %, Mn:0.4-0.7 %, N
i:1.6-2 %, Cr:0.4-0.65%, Mo:0.15-0.3
%)、SNCM625 (C:0.2-0.3 %,Si:0.15-0.3
5 %, Mn:0.35-0.6%, Ni:3-3.5 %, Cr:1-1.
5 %, Mo:0.15-0.3%)、SCM822 (C:0.2-0.25
%, Si:0.15-0.35 %, Mn:0.6-0.85%, Cr:0.
9-1.2 %, Mo:0.35-0.45 %) 、SCM415 (C:0.
13-0.18 %, Si:0.15-0.35 %, Mn:0.6-0.85%,
Cr:0.9-1.2 %, Mo:0.15-0.3%)、等の機械構造
用合金鋼(JSI G4103,G4105) 等が挙げられる。コアーの
材種は上記例示の材種に限定されず、サポートロール,
ガイドロール,ピンチロール等、目的とするロールの種
類・使用態様、使用条件等に対応して要求される材料特
性を満たす材種であれば適宜選択される。
【0008】上記コアー1の胴部11 の外周面を被覆し
て耐熱亀裂性, 耐酸化性,耐食性等を充足させるための
13Cr系鋳鋼からなる表層3の構成材料である中空円
筒体は、遠心力鋳造品が、経済性および良好な均質性を
備えている点から有利に使用される。その13Cr系鋳
鋼の具体的材種の例として、SCS1(C:0.15%以
下, Si:1.5 %以下, Mn:1 %以下, Cr:11.5-1
4 %, 所望によりNi:1 %以下, Mo:0.5 %以下を
含有) 、SCS2(C:0.16-0.24 %, Si:1.5 %以
下, Mn:1 %以下, Cr:11.5-14 %, 所望によりN
i:1 %以下, Mo:0.5 %以下を含有)、SCS2A
(C:0.25-0.4%, Si:1.5 %以下, Mn:1%以下,
Cr:11.5-14 %, 所望によりNi:1 %以下, M
o:0.5 %以下を含有)(JIS G5121 )等が挙げられ
る。
て耐熱亀裂性, 耐酸化性,耐食性等を充足させるための
13Cr系鋳鋼からなる表層3の構成材料である中空円
筒体は、遠心力鋳造品が、経済性および良好な均質性を
備えている点から有利に使用される。その13Cr系鋳
鋼の具体的材種の例として、SCS1(C:0.15%以
下, Si:1.5 %以下, Mn:1 %以下, Cr:11.5-1
4 %, 所望によりNi:1 %以下, Mo:0.5 %以下を
含有) 、SCS2(C:0.16-0.24 %, Si:1.5 %以
下, Mn:1 %以下, Cr:11.5-14 %, 所望によりN
i:1 %以下, Mo:0.5 %以下を含有)、SCS2A
(C:0.25-0.4%, Si:1.5 %以下, Mn:1%以下,
Cr:11.5-14 %, 所望によりNi:1 %以下, M
o:0.5 %以下を含有)(JIS G5121 )等が挙げられ
る。
【0009】上記コアー1と表層3の間の中間層2は銅
ないし銅合金で形成される。その材種の好ましい例とし
て、無酸素銅等の純銅、90%Cu−10%Zn合金,
60Cu−40Zn合金等が挙げられる。中間層2を銅
ないし銅合金とするのは、1つは、表層3やコアー1の
低熱伝導性(例えば、13Cr系鋼の熱伝導係数σ:0.
0066Kcal/m2 Hr℃、Cr- Mo-Ni系構造用合金鋼の
σ:0.011Kcal/m 2 Hr℃)と異なって、高熱伝導性(例
えば、純銅のσ:0.09Kcal/m 2 Hr ℃)を有し、ロール
の偏熱を速やかに低減緩和する熱拡散層として有効であ
ること、他の1つはコアー1や表層3の構成材料の融点
(例えば、13Cr系鋼:約1500℃,Cr- Mo-
Ni系構造用合金鋼:約1480℃)に比べて低い融点
(例えば、純銅:1083℃,90%Cu-10%Zn:約
1045℃) を有し、後記のように簡単な加熱処理操作
により、コアー1および表層3に熱的損傷をきたすこと
なく、中間層2の形成、および中間層2とコアー1およ
び表層3との界面の拡散接合を容易に達成することがで
きるからである。また、その中間層2は、ロールの実機
使用過程での熱影響(ロール胴部は約150〜200℃
に加熱昇温する)で軟化・変形等の不具合をきたすこと
もない。
ないし銅合金で形成される。その材種の好ましい例とし
て、無酸素銅等の純銅、90%Cu−10%Zn合金,
60Cu−40Zn合金等が挙げられる。中間層2を銅
ないし銅合金とするのは、1つは、表層3やコアー1の
低熱伝導性(例えば、13Cr系鋼の熱伝導係数σ:0.
0066Kcal/m2 Hr℃、Cr- Mo-Ni系構造用合金鋼の
σ:0.011Kcal/m 2 Hr℃)と異なって、高熱伝導性(例
えば、純銅のσ:0.09Kcal/m 2 Hr ℃)を有し、ロール
の偏熱を速やかに低減緩和する熱拡散層として有効であ
ること、他の1つはコアー1や表層3の構成材料の融点
(例えば、13Cr系鋼:約1500℃,Cr- Mo-
Ni系構造用合金鋼:約1480℃)に比べて低い融点
(例えば、純銅:1083℃,90%Cu-10%Zn:約
1045℃) を有し、後記のように簡単な加熱処理操作
により、コアー1および表層3に熱的損傷をきたすこと
なく、中間層2の形成、および中間層2とコアー1およ
び表層3との界面の拡散接合を容易に達成することがで
きるからである。また、その中間層2は、ロールの実機
使用過程での熱影響(ロール胴部は約150〜200℃
に加熱昇温する)で軟化・変形等の不具合をきたすこと
もない。
【0010】本発明ロールは、コアー1,中間層2およ
び表層3の3層積層体である点を除いて、従来のロール
と同様のサイズ・形態を有し、例えば胴部外径は約10
0〜2000mm,胴部長さは約1000〜3000m
mである。その胴部の表層3の肉厚は、耐久性の点か
ら、約10〜35mm程度が適当であり、中間層2の層
厚は、ロール表面の均温化(偏熱緩和)効果の点から、
胴部の全肉厚(3層の合計肉厚)の約10%以上(例え
ば、全肉厚が175mmの場合は、約17mm以上)と
するのが好ましい。しかし、中間層2の層厚を厚くする
ことは、それだけコアー胴部111 の断面径が減少する
ことであり、過大な層厚にすると、ロールに必要な機械
強度の確保が困難となる。このため、中間層2の層厚
は、コアー胴部111 の断面径が、ネック112 の断面
径より小さくならない範囲内とするのがよい。
び表層3の3層積層体である点を除いて、従来のロール
と同様のサイズ・形態を有し、例えば胴部外径は約10
0〜2000mm,胴部長さは約1000〜3000m
mである。その胴部の表層3の肉厚は、耐久性の点か
ら、約10〜35mm程度が適当であり、中間層2の層
厚は、ロール表面の均温化(偏熱緩和)効果の点から、
胴部の全肉厚(3層の合計肉厚)の約10%以上(例え
ば、全肉厚が175mmの場合は、約17mm以上)と
するのが好ましい。しかし、中間層2の層厚を厚くする
ことは、それだけコアー胴部111 の断面径が減少する
ことであり、過大な層厚にすると、ロールに必要な機械
強度の確保が困難となる。このため、中間層2の層厚
は、コアー胴部111 の断面径が、ネック112 の断面
径より小さくならない範囲内とするのがよい。
【0011】次に、本発明ロールの製造工程について、
実施例を示す図面を参照して説明する。図2において、
11は、ロールのコアー1となる熱間鍛圧材(以下「コ
アー部材」)、12は中間層形成材料(銅合金)、13
は表層となる13Cr系鋳鋼からなる遠心力鋳造された
中空円筒体(以下「表層円筒体」)である。コアー部材
11は、製品ロールにおけるそれとほぼ同じように胴部
111 とネック112 からなり、軸心に冷却水流路11
3 を有する形状に加工されている。他方、表層円筒体1
3は、一端側に余長部13E を有する形状が与えられて
いる(製品ロールの胴部11 を被覆する表層3となるの
は、余長部13E を除いた部分であり、余長部13E は
最終的に切断除去される)。表層部材13は、垂直に立
設されたコアー部材11を同心円状に包囲して、その胴
部111 の回りに、中間層形成材料が装填される環状空
間Vを画成している。コアー部材11を包囲する表層円
筒体13の下端縁132 は、コアー部材11の胴部下側
の段差端面114 はほぼ同じ高さ位置をなし、そこには
環状空間Vの下端開口を閉塞する底蓋材15があてがわ
れ、溶接W2,W3 により表層円筒体13の端面とコアー
部材11の段差端面114 に気密に取付けられている。
実施例を示す図面を参照して説明する。図2において、
11は、ロールのコアー1となる熱間鍛圧材(以下「コ
アー部材」)、12は中間層形成材料(銅合金)、13
は表層となる13Cr系鋳鋼からなる遠心力鋳造された
中空円筒体(以下「表層円筒体」)である。コアー部材
11は、製品ロールにおけるそれとほぼ同じように胴部
111 とネック112 からなり、軸心に冷却水流路11
3 を有する形状に加工されている。他方、表層円筒体1
3は、一端側に余長部13E を有する形状が与えられて
いる(製品ロールの胴部11 を被覆する表層3となるの
は、余長部13E を除いた部分であり、余長部13E は
最終的に切断除去される)。表層部材13は、垂直に立
設されたコアー部材11を同心円状に包囲して、その胴
部111 の回りに、中間層形成材料が装填される環状空
間Vを画成している。コアー部材11を包囲する表層円
筒体13の下端縁132 は、コアー部材11の胴部下側
の段差端面114 はほぼ同じ高さ位置をなし、そこには
環状空間Vの下端開口を閉塞する底蓋材15があてがわ
れ、溶接W2,W3 により表層円筒体13の端面とコアー
部材11の段差端面114 に気密に取付けられている。
【0012】コアー部材11を包囲する表層円筒体13
の余長部13E は、コアー部材胴部111 の上側の段差
端面115 より上方に突出している。その段差端面11
5 には、表層円筒体の余長部13E に対向する補助部材
として円筒体14が載置され、溶接W1 により段差端面
115 に気密に接合されている。補助円筒体14は、最
終的には表層円筒体の余長部13E と共に除去される。
表層円筒体13の余長部13E と補助円筒体14とがな
す突出部Eの環状空間V’は、環状空間V内の中間層材
料の不足を補給するための空間である。すなわち、コア
ー部材11の胴部111 の回りの環状空間Vに装填され
た中間層形成材料12は加熱溶融過程の融液の形成に伴
う体積収縮(空隙の消滅)、および冷却凝固収縮に伴う
体積収縮を生じる。その体積収縮による中間層形成材料
の補足分を補給するための、いわば押湯部の役割を果た
す部分である。表層円筒体の余長部13E の内径を拡大
させているのは、その空間V’の容積を拡大し、中間層
形成材料の押湯として必要な量を貯留させるためであ
る。
の余長部13E は、コアー部材胴部111 の上側の段差
端面115 より上方に突出している。その段差端面11
5 には、表層円筒体の余長部13E に対向する補助部材
として円筒体14が載置され、溶接W1 により段差端面
115 に気密に接合されている。補助円筒体14は、最
終的には表層円筒体の余長部13E と共に除去される。
表層円筒体13の余長部13E と補助円筒体14とがな
す突出部Eの環状空間V’は、環状空間V内の中間層材
料の不足を補給するための空間である。すなわち、コア
ー部材11の胴部111 の回りの環状空間Vに装填され
た中間層形成材料12は加熱溶融過程の融液の形成に伴
う体積収縮(空隙の消滅)、および冷却凝固収縮に伴う
体積収縮を生じる。その体積収縮による中間層形成材料
の補足分を補給するための、いわば押湯部の役割を果た
す部分である。表層円筒体の余長部13E の内径を拡大
させているのは、その空間V’の容積を拡大し、中間層
形成材料の押湯として必要な量を貯留させるためであ
る。
【0013】コアー部材11と表層円筒体13の間の環
状空隙に装填される中間層形成材料12である銅ないし
銅合金は、粉末、または環状空間Vにほぼ一致する円筒
形状に賦形したプレートが使用される。環状空間Vの隙
間幅は、軸方向長さに比べて著しく小さいので、その空
間V内の軸方向全体に亘つて粉末を均一緻密に充填する
ことが困難なような場合には、粉末の使用に代え、円筒
形状に賦形したプレートを使用して環状空間内に挿入す
る方法によりその困難を解消することができる。中間層
形成材料12を装填した後、環状空隙の頂部開口端に天
蓋16(脱気管17が取り付けらている)を被せて溶接
W4,W5 により、端面に気密に接合する。更に天蓋16
の脱気管17を介して、内部空間を真空脱気(例えば、
1×10 12Torr以下) したうえ、脱気管17を閉塞(プ
レス圧着等)し、ついで中間層形成材料12の加熱溶融
を行う。中間層形成材料12の加熱溶融に先立って、真
空脱気を行うのは、中間材形成材料12や、その融液と
接触する表層円筒体13やコアー部材11の表面酸化、
および形成される中間層内のボイドの残留(これらは中
間層自身の高熱伝導性を悪くするほか、コアー部材11
と表層円筒体13の界面の健全な拡散接合の形成を阻害
する原因となる)を未然に防止するためである。
状空隙に装填される中間層形成材料12である銅ないし
銅合金は、粉末、または環状空間Vにほぼ一致する円筒
形状に賦形したプレートが使用される。環状空間Vの隙
間幅は、軸方向長さに比べて著しく小さいので、その空
間V内の軸方向全体に亘つて粉末を均一緻密に充填する
ことが困難なような場合には、粉末の使用に代え、円筒
形状に賦形したプレートを使用して環状空間内に挿入す
る方法によりその困難を解消することができる。中間層
形成材料12を装填した後、環状空隙の頂部開口端に天
蓋16(脱気管17が取り付けらている)を被せて溶接
W4,W5 により、端面に気密に接合する。更に天蓋16
の脱気管17を介して、内部空間を真空脱気(例えば、
1×10 12Torr以下) したうえ、脱気管17を閉塞(プ
レス圧着等)し、ついで中間層形成材料12の加熱溶融
を行う。中間層形成材料12の加熱溶融に先立って、真
空脱気を行うのは、中間材形成材料12や、その融液と
接触する表層円筒体13やコアー部材11の表面酸化、
および形成される中間層内のボイドの残留(これらは中
間層自身の高熱伝導性を悪くするほか、コアー部材11
と表層円筒体13の界面の健全な拡散接合の形成を阻害
する原因となる)を未然に防止するためである。
【0014】中間層形成材料12の加熱溶融処理は、例
えばベル型加熱炉において、伝導伝熱により給熱を行う
方法を採用することができる。この加熱処理において
は、コアー部材11および表層円筒体13の軟化変形・
溶損を回避しつつ、これらの部材表面と、生成する中間
層形成材料12(銅ないし銅合金)の融液との接触界面
に拡散接合反応を過不足なく行わせることが必要であ
る。その加熱処理は、中間材形成材料12の融点以上の
適当な温度域(融点+約10〜100℃)に適当時間
(約0.5〜3Hr)加熱保持することにより首尾よく
達成される。
えばベル型加熱炉において、伝導伝熱により給熱を行う
方法を採用することができる。この加熱処理において
は、コアー部材11および表層円筒体13の軟化変形・
溶損を回避しつつ、これらの部材表面と、生成する中間
層形成材料12(銅ないし銅合金)の融液との接触界面
に拡散接合反応を過不足なく行わせることが必要であ
る。その加熱処理は、中間材形成材料12の融点以上の
適当な温度域(融点+約10〜100℃)に適当時間
(約0.5〜3Hr)加熱保持することにより首尾よく
達成される。
【0015】上記中間層形成材料の加熱溶融処理後の冷
却は、空冷または徐冷(例えば、炉中冷却)としてよい
が、冷却過程における中間層形成材料の融液の凝固収縮
に起因する欠陥(形成される中間層内の引け巣の発生
等)を回避するために、下部から上方に向う指向性凝固
を行わせるのが好ましい。その指向性凝固により頂部の
押湯用突出部E内からの融液の補給効果を受けて中間層
2が形成されると共に、─コアー部材11と表層円筒体
13との界面の全周・全長にわたる拡散接合が形成され
る。しかる後、押湯用突出部Eの切断除去等の機械加工
を施して図1に示す製品ロールを得る。
却は、空冷または徐冷(例えば、炉中冷却)としてよい
が、冷却過程における中間層形成材料の融液の凝固収縮
に起因する欠陥(形成される中間層内の引け巣の発生
等)を回避するために、下部から上方に向う指向性凝固
を行わせるのが好ましい。その指向性凝固により頂部の
押湯用突出部E内からの融液の補給効果を受けて中間層
2が形成されると共に、─コアー部材11と表層円筒体
13との界面の全周・全長にわたる拡散接合が形成され
る。しかる後、押湯用突出部Eの切断除去等の機械加工
を施して図1に示す製品ロールを得る。
【0016】
〔1〕ロール構成部材料 〔コアー部材11〕 Ni-Cr-Mo系機械構造用鋼(JIS G4103 SNCM420 相当材)
の熱間圧延品 化学組成(Wt %) :C 0.18, Si 0.21, Mn 0.48,
Cr 0.45, Ni1.72, Mo 0.22, Fe Balq融点 :1510℃ 〔中間層形成材料12〕 材種:純銅粉末、 融点 1083 ℃。 〔表層円筒体13〕 13Cr系鋳鋼(JIS G5121 SCS1 相当材) の遠心力鋳造品 化学組成(Wt %) :C 0.06, Si 1.1, Mn 0.62,
Cr 12.8, Ni 012, Fe Bal。融点 :1480℃
の熱間圧延品 化学組成(Wt %) :C 0.18, Si 0.21, Mn 0.48,
Cr 0.45, Ni1.72, Mo 0.22, Fe Balq融点 :1510℃ 〔中間層形成材料12〕 材種:純銅粉末、 融点 1083 ℃。 〔表層円筒体13〕 13Cr系鋳鋼(JIS G5121 SCS1 相当材) の遠心力鋳造品 化学組成(Wt %) :C 0.06, Si 1.1, Mn 0.62,
Cr 12.8, Ni 012, Fe Bal。融点 :1480℃
【0017】〔2〕ロール製造 図2に示すように、表層円筒体13をコアー部材11に
同心円状に外装するとともに、中間層形成材料12を環
状空間Vに充填し、脱気密封(1×10-3Torr) した
後、ベル型炉に直立姿勢に装入し、接合層形成材料を加
熱溶融する(温度:1150℃,時間:2.5Hr)。つ
いで、炉ろ上方に徐々に吊り上げることにより、被処理
物に下端側から上方に向う指向性冷却(空冷)を施す。
冷却凝固完了後、機械加工を加えて図1に示す形状を有
する製品ロールに仕上げた。これをロールAとする。 ロールサイズ(mm):外径400,胴部長さ160
0,表層3の層厚25,中間層2の層厚50,コアー1
の層厚100,冷却水路13 の口径50。
同心円状に外装するとともに、中間層形成材料12を環
状空間Vに充填し、脱気密封(1×10-3Torr) した
後、ベル型炉に直立姿勢に装入し、接合層形成材料を加
熱溶融する(温度:1150℃,時間:2.5Hr)。つ
いで、炉ろ上方に徐々に吊り上げることにより、被処理
物に下端側から上方に向う指向性冷却(空冷)を施す。
冷却凝固完了後、機械加工を加えて図1に示す形状を有
する製品ロールに仕上げた。これをロールAとする。 ロールサイズ(mm):外径400,胴部長さ160
0,表層3の層厚25,中間層2の層厚50,コアー1
の層厚100,冷却水路13 の口径50。
【0018】〔3〕ロールの均温化(偏熱緩和)効果 上記ロールAについて、実機使用条件をシミュレートし
て行った温度解析結果を図4に示す。比較例として、中
間層2を有しない点を除いて上記と同じロール(但し、
コアー1は、中間層2を含む層厚を有する)(これをロ
ールBとする)について行った結果を同図に併せて示す
〔図中、A…ロールA,B…ロールB〕。 (解析条件) ・スラブ鋳造温度 :1100℃、 ・雰囲気温度 :100℃、 ・ロール内部水冷温度 :40℃、 ・内部水冷の熱伝達係数 :40.437×10-5Kcal/m2 hr℃、 ・外部熱伝達係数 :0.1839×10-5Kcal/m2 hr℃、 ・表層3 熱伝導係数 :66.0×10-4Kcal/m2 hr℃、 比熱 :0.1cal/g ℃、 ・中間層2 熱伝導係数 :0.09Kcal/m2 hr℃、 比熱 :0.15cal/g ℃、 比重 :8.96 ・コアー1 熱伝導係数 :0.011Kcal/m2 hr℃、 比熱 :0.1cal/g ℃、 ・ロール比重 :7.27×10-3Kg/cm 3 、 ・スラブ鋳造速度 :約2m/分、 ・ロール角速度 :0.1111ラジアン/秒、
て行った温度解析結果を図4に示す。比較例として、中
間層2を有しない点を除いて上記と同じロール(但し、
コアー1は、中間層2を含む層厚を有する)(これをロ
ールBとする)について行った結果を同図に併せて示す
〔図中、A…ロールA,B…ロールB〕。 (解析条件) ・スラブ鋳造温度 :1100℃、 ・雰囲気温度 :100℃、 ・ロール内部水冷温度 :40℃、 ・内部水冷の熱伝達係数 :40.437×10-5Kcal/m2 hr℃、 ・外部熱伝達係数 :0.1839×10-5Kcal/m2 hr℃、 ・表層3 熱伝導係数 :66.0×10-4Kcal/m2 hr℃、 比熱 :0.1cal/g ℃、 ・中間層2 熱伝導係数 :0.09Kcal/m2 hr℃、 比熱 :0.15cal/g ℃、 比重 :8.96 ・コアー1 熱伝導係数 :0.011Kcal/m2 hr℃、 比熱 :0.1cal/g ℃、 ・ロール比重 :7.27×10-3Kg/cm 3 、 ・スラブ鋳造速度 :約2m/分、 ・ロール角速度 :0.1111ラジアン/秒、
【0019】図4に示したように、中間層を有しないロ
ールB(比較例)の表面温度が約509.6℃であるの
に対し、ロールA(発明例)のそれは約374.7℃
と、約140℃低下しており、ロールの偏熱低減効果は
大である。これにより、本発明のロールは、中間層2を
含む3層積層化の効果として、ロールの曲がり変形の原
因となる周方向の温度差(ΔT)が大きく緩和されるこ
とがわかる。なお、ロールA(発明例)の表層3,中間
層2およびコアー1の各積層界面は、全周全長に亘り拡
散接合による健全な結合状態(超音波探傷、およびダイ
チェックのよる)を有している。
ールB(比較例)の表面温度が約509.6℃であるの
に対し、ロールA(発明例)のそれは約374.7℃
と、約140℃低下しており、ロールの偏熱低減効果は
大である。これにより、本発明のロールは、中間層2を
含む3層積層化の効果として、ロールの曲がり変形の原
因となる周方向の温度差(ΔT)が大きく緩和されるこ
とがわかる。なお、ロールA(発明例)の表層3,中間
層2およびコアー1の各積層界面は、全周全長に亘り拡
散接合による健全な結合状態(超音波探傷、およびダイ
チェックのよる)を有している。
【0020】
【発明の効果】本発明の連続鋳造用ロールは、高熱伝導
性の中間層を有する3層積層化の効果として、実機使用
時の肉厚方向および周方向の温度分布の偏りが緩和さ
れ、これにより、ガイドロールやサポートロール等のよ
うに比較的小径のロールである場合にも、曲がり変形に
対する改良された抵抗性を有する。更に表層を、13C
r系鋼からなる円筒状鋳造材で形成したことにより、高
温スラブの熱影響に対する良好な酸化抵抗性や耐食性の
みならず、溶接肉盛で表層(13Cr系鋼)を形成した
従来のロール(溶接肉盛ビート間に熱亀裂を生じやす
い)と異なって、ヒートサイクルに対する熱亀裂抵抗性
に優れている。しかも表層と中間層とコアーとは、相互
の界面の拡散接合により強固に結合されているので、表
層の有する耐熱亀裂性,耐酸化性,耐食性等の特性と、
コアーによる機械強度、および中間層による偏熱低減効
果が複合的に確保され、連続鋳造ロールの耐久性が向上
し、ロールメンテナンスの軽減、連続鋳造操業の効率化
等の効果が得られる。また、本発明ロールは、コアー部
材と表層部材との間に接合材形成材料(銅ないし銅合
金)を装填し、中間層形成材料を加熱溶融した後冷却す
る比較的簡単な処理操作により製造することができるの
で、積層構造体の公知の製造法、例えば加圧ロールの加
圧力を加えて積層界面を接合させる方法や、熱間静水圧
加圧成形法等のような特殊な設備や複雑な操作を必要と
せず、経済的に有利であり、実用性に優れている。
性の中間層を有する3層積層化の効果として、実機使用
時の肉厚方向および周方向の温度分布の偏りが緩和さ
れ、これにより、ガイドロールやサポートロール等のよ
うに比較的小径のロールである場合にも、曲がり変形に
対する改良された抵抗性を有する。更に表層を、13C
r系鋼からなる円筒状鋳造材で形成したことにより、高
温スラブの熱影響に対する良好な酸化抵抗性や耐食性の
みならず、溶接肉盛で表層(13Cr系鋼)を形成した
従来のロール(溶接肉盛ビート間に熱亀裂を生じやす
い)と異なって、ヒートサイクルに対する熱亀裂抵抗性
に優れている。しかも表層と中間層とコアーとは、相互
の界面の拡散接合により強固に結合されているので、表
層の有する耐熱亀裂性,耐酸化性,耐食性等の特性と、
コアーによる機械強度、および中間層による偏熱低減効
果が複合的に確保され、連続鋳造ロールの耐久性が向上
し、ロールメンテナンスの軽減、連続鋳造操業の効率化
等の効果が得られる。また、本発明ロールは、コアー部
材と表層部材との間に接合材形成材料(銅ないし銅合
金)を装填し、中間層形成材料を加熱溶融した後冷却す
る比較的簡単な処理操作により製造することができるの
で、積層構造体の公知の製造法、例えば加圧ロールの加
圧力を加えて積層界面を接合させる方法や、熱間静水圧
加圧成形法等のような特殊な設備や複雑な操作を必要と
せず、経済的に有利であり、実用性に優れている。
【図1】本発明ロールの積層構造を模式的に示す一部切
り欠き正面図である。
り欠き正面図である。
【図2】本発明ロールの製造方法を示す軸方向断面図で
ある。
ある。
【図3】従来ロールの例を模式的に示す一部切り欠き正
面図である。
面図である。
【図4】実施例におけるロールの実機使用条件をシミュ
レートした温度解析結果を示すグラフである。
レートした温度解析結果を示すグラフである。
1:コアー,11 :胴部,12 :ネック,13 :冷却水
流路, 2:中間層,3:表層、3’:表層(溶接肉盛
層)、11:コアー部材(熱間鍛圧品),111 :胴
部,112 :ネック、114,115 :段差端面、12:
中間層形成材料、13:表層円筒体(遠心力鋳造品)、
13E :余長部、14:補助円筒体、15:底蓋材、1
6:天蓋材、17:脱気管、E:押湯用突出部。A:発
明例、B:比較例(従来材相当)。
流路, 2:中間層,3:表層、3’:表層(溶接肉盛
層)、11:コアー部材(熱間鍛圧品),111 :胴
部,112 :ネック、114,115 :段差端面、12:
中間層形成材料、13:表層円筒体(遠心力鋳造品)、
13E :余長部、14:補助円筒体、15:底蓋材、1
6:天蓋材、17:脱気管、E:押湯用突出部。A:発
明例、B:比較例(従来材相当)。
Claims (2)
- 【請求項1】 熱間鍛圧材からなるコアー1と、銅ない
し銅合金からなる高熱伝導性中間層2と、13Cr系鋳
鋼の中空円筒体からなる表層3とを有し、それぞれの層
界面は拡散接合により結合されていることを特徴とする
連続鋳造用ロール。 - 【請求項2】 コアーとなる熱間鍛圧材であるコアー部
材11に、表層となる13Cr系鋳鋼からなる中空円筒
体(表層円筒体)13を同心円状に外装して直立姿勢に
設置し、コアー部材11と表層円筒体13とで画成され
る環状空間V内に、銅ないし銅合金からなる中間層形成
材料12を装填し、脱気密封したうえ、中間層形成材料
12を加熱溶融し、その融液と、前記コアー部材11お
よび表層円筒体13との固−液界面に拡散接合を生じさ
せ、ついで該融液を冷却凝固させることを特徴とする請
求項1に記載の連続鋳造用ロールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23988994A JPH08103856A (ja) | 1994-10-04 | 1994-10-04 | 連続鋳造用ロールおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23988994A JPH08103856A (ja) | 1994-10-04 | 1994-10-04 | 連続鋳造用ロールおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08103856A true JPH08103856A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17051381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23988994A Pending JPH08103856A (ja) | 1994-10-04 | 1994-10-04 | 連続鋳造用ロールおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08103856A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7739794B2 (en) * | 2008-02-29 | 2010-06-22 | General Electric Company | Method for repair of rail wheels |
JP2013534298A (ja) * | 2010-08-03 | 2013-09-02 | ドレッサー ランド カンパニー | 低撓のバイメタル製ロータ用封止材 |
WO2014061144A1 (ja) * | 2012-10-18 | 2014-04-24 | 株式会社 旭 | 複合金属材の製造方法、金型の製造方法、金属製品の製造方法及び複合金属材 |
-
1994
- 1994-10-04 JP JP23988994A patent/JPH08103856A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7739794B2 (en) * | 2008-02-29 | 2010-06-22 | General Electric Company | Method for repair of rail wheels |
JP2013534298A (ja) * | 2010-08-03 | 2013-09-02 | ドレッサー ランド カンパニー | 低撓のバイメタル製ロータ用封止材 |
US9249887B2 (en) | 2010-08-03 | 2016-02-02 | Dresser-Rand Company | Low deflection bi-metal rotor seals |
WO2014061144A1 (ja) * | 2012-10-18 | 2014-04-24 | 株式会社 旭 | 複合金属材の製造方法、金型の製造方法、金属製品の製造方法及び複合金属材 |
CN103889635A (zh) * | 2012-10-18 | 2014-06-25 | 株式会社旭 | 复合金属材的制造方法、模具的制造方法、金属制品的制造方法及复合金属材 |
CN103889635B (zh) * | 2012-10-18 | 2016-03-30 | 株式会社旭 | 复合金属材的制造方法、模具的制造方法、金属制品的制造方法及复合金属材 |
US9604307B2 (en) | 2012-10-18 | 2017-03-28 | Asahi Co., Ltd. | Method of manufacturing composite metal material, method of manufacturing mold, method of manufacturing metal product, and composite metal material |
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