JP2742603B2 - 混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよびその製造方法 - Google Patents

混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2742603B2
JP2742603B2 JP1153209A JP15320989A JP2742603B2 JP 2742603 B2 JP2742603 B2 JP 2742603B2 JP 1153209 A JP1153209 A JP 1153209A JP 15320989 A JP15320989 A JP 15320989A JP 2742603 B2 JP2742603 B2 JP 2742603B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
sealing
water
hole
screw hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1153209A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0316713A (ja
Inventor
克之 吉川
晁 嶌本
政夫 森下
敬一 林田
幸隆 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Koshuha Steel Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Nippon Koshuha Steel Co Ltd
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Koshuha Steel Co Ltd, Kobe Steel Ltd filed Critical Nippon Koshuha Steel Co Ltd
Priority to JP1153209A priority Critical patent/JP2742603B2/ja
Publication of JPH0316713A publication Critical patent/JPH0316713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2742603B2 publication Critical patent/JP2742603B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多
軸シリンダおよびその製造方法に関し、詳しくはプラス
チック、セラミックス、磁性粉末および金属粉末の混練
・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよ
びその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 通常、プラスチック原料の混練・押出成形装置に用い
られるセグメントタイプの多軸シリンダに要求される機
能は押出、混練、脱気、反応等があり、個々のシリンダ
に独立した温度制御が要求されている。このため各シリ
ンダには外部ヒータと内部水冷構造が設けられており、
水冷構造はスクリュウ孔内面に近接して、スクリュウ孔
方向に開けた多数の貫通孔を両端面の溝でシール用蓋を
溶接する循環構造になっている。即ち、一般的にはシリ
ンダ部材として窒化鋼が用いられ、本体胴部に開けられ
た水冷貫通孔を両端部で蓋を溶接した水冷ジャケット構
造になっている。
ところで、上記の如き構造においてシール用蓋の溶接
は通常、TIG溶接等で行われるが、溶接欠陥を皆無にす
ることは困難で、シリンダとして使用中、加熱、水冷の
繰り返しにより、溶接欠陥部からのクラックが進行し、
シリンダ端末と水冷孔が貫通し、水漏れ等の事故が発生
する場合がある。一方、難燃性プラスチック、硬質粒子
添加プラスチック、セラミックス、磁性粉末および金属
粉末を成形する際、シリンダ内面には特に高度の耐食
性、耐摩耗性が要求される。このような要求特性を一応
備えるものとして高Cr系鋳鉄製スリーブシリンダやCo,N
i基自溶性合金の溶射、内盛によるスクリュウ孔内面の
ライニング方式があるが、このようなシリンダも溶接欠
陥による水漏れ等のトラブルのほかに下記のような問題
点が残されている。
(A) 高Cr系鋳鉄製スリーブの場合 1)通常、よく用いられている成分系は2.3〜3.0%C,23
〜28%Cr,1.5Mo1.2%Cu,1%Si、0.5〜1.5%Mn、1%S
i、1.5%Ni合金鋳鉄が耐食、耐摩耗用に用いられるてい
るが、Co,Ni基自溶性合金に比べ、耐食、耐摩耗性に劣
る。
2)鋳造組織のため、(Fe,Cr)C系の粗大炭化物およ
び偏析により、機械的強度および靱性が劣り、使用条件
の制約をうける。
3)スリーブ方式のため、シリンダ胴部とスリーブを焼
きばめするために多大な仕上げ加工費がかかり経済性が
悪い。
4)焼きばめ構造であるため、シリンダ胴部内径とスリ
ーブ外径との間に若干のクリアランスが生じている。そ
のため、外部ヒータによるスクリュウ孔内面への熱伝達
速度が遅くなり、余分な熱量を必要とし、経済性に劣
る。また、水冷孔による冷却応答性が悪くなり、スクリ
ュウ孔内面のシビアな温度制御が困難となる。
(B) Co,Ni基自溶合金の溶射、肉盛ライニングする
場合 1)小径スクリュウ孔の場合、溶射、肉盛できない等の
施行上の寸法制約がある。
2)溶射後のフュージング工程でのコントロール条件が
多く、ライニング層にバラツキが生じやすく、しかも鋳
造組織であるため成分偏析が著しくかつ晶出物は粗大化
する。そのためライニング層の強度および靱性は良好と
は言えず、耐食、耐摩耗性も不均一である。
3)溶融、凝固に伴うライニング部の収縮により過大な
引張応力が残留し、大型、複雑形状の場合、ライニング
合金が割れる場合がある。
などである。
(発明が解決しようとする課題) 以上述べたように従来の多軸シリンダにおいては水冷
貫通孔にシール用蓋を溶接する際、その溶接欠陥を皆無
とすること、またスクリュウ孔内壁に耐食、耐摩耗性に
優れた合金及びセラミックス等をクラックや割れなどの
トラブルなく均一にライニングすることの両条件を満足
することは頗る困難であった。
そこで、本発明者らはこれらの点に着目しその改善を
図るべく種々の検討を重ね、その結果、特開昭61−1435
47号ですでに開示しているように熱間等方圧加圧(以
下、単にHIPと略記する)法によりシリンダ内周面を所
定成分からなる耐食、耐摩耗性合金で形成することを知
見した。
この方法は、これによってスクリュウ孔内壁へクラッ
クや割れなどのトラブルなく均一に耐食、耐摩耗性にす
ぐれた合金およびセラミックスライニングを形成するこ
とを可能ならしめるものであり、耐食、耐摩耗性の点に
おいて前述の1つの問題点を解決するものであるが、し
かし水冷孔にシール用蓋を溶接する際の溶接欠陥の排除
においては殆ど解決をみるには至っていない。
そのため引き続き、溶接欠陥の排除を含め、両問題を
同時に解消することを課題とし鋭意研究を続けたとこ
ろ、HIP後、水冷貫通孔にシール用蓋を溶接する際、溶
接部の凝固、収縮によるライニング部が引張応力を受
け、ライニング部が割れることが判明した。この場合溶
接方法としてTIG溶接のほか、比較的溶け込み幅の狭い
レーザビーム溶接、エレクトロンビーム溶接等も実施し
たが、ライニング部および溶接部の割れ欠陥を皆無にす
ることは不可能であった。
本発明は上述の如き実状に対処し、ライニング形成の
手段に止まらず、溶接の態様、カプセルの形態等に改善
を加えることによりライニングの割れおよび溶接部の欠
陥を排除し、ライニング強度、冷却応答性を含め、多軸
シリンダにおける前記両問題を同時に解消することを目
的とするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明多軸シリンダおよび
その製造方法の特徴は、先ず、多軸シリンダとしては鋼
製シリンダ胴部に水冷ジャケットをもつ構造で、シリン
ダ胴中心部に多軸スクリュウ孔と、該スクリュウ孔の外
周に該スクリュウ孔に平行して複数の水冷貫通孔を有
し、互いに隣接する水冷貫通孔を結ぶ連結溝と水流出入
孔および上記水冷貫通孔を循環構造にするためのシール
用上蓋およびシール用下蓋はまり込み用溝を前記水冷貫
通孔の位置するスクリュウ孔外周に有すると共に、該は
まり込み用溝にシール用上蓋およびシール用下蓋をその
溶込み深さを各蓋の厚さより深くしてはめ込み溶接し、
かつスクリュウ孔内面にHIP(熱間等方圧加圧)により
耐食、耐摩耗合金および/またはセラミックスからなる
ライニング層を形成せしめた点にある。
また、上記多軸シリンダを製造する方法としてはあら
かじめ、鋼製シリンダ胴部に水冷ジャケット構造をもつ
カプセルを作り、そのスクリュウ孔内面に環状中空部を
形成して、該環状中空部に耐食、耐摩耗性合金および/
またはセラミックス粉末を充填してHIP処理によるスク
リュウ孔内面にライニングせしめる方法であり、シリン
ダ胴中心部に多軸スクリュウ孔と、該スクリュウ孔の外
周に該スクリュウ孔に平行して複数の水冷貫通孔空間を
形成し、互いに隣接する水冷貫通孔を結ぶ連結溝空間と
水流出入孔空間および上記水冷貫通孔を循環構造するた
めのシール用上蓋およびシール用下蓋はまり込み用溝を
前記水冷貫通孔空間の位置するスクリュウ孔外周に形成
すると共に、該はまり込み用溝にシール用上蓋およびシ
ール用下蓋をその溶込み深さを各蓋の厚さより深くして
はめ込み溶接し、のち、中実中子の底部を溶接した下蓋
をシール用下蓋を覆ってその中実中子を多孔シリンダ孔
内に該シリンダ孔内面との間に環状中空部を存して挿入
してシリンダ胴底部と溶接する一方、中心部に脱気部を
もつ上蓋をシール用上蓋を覆ってシリンダ胴上部に溶接
止めし、次いで脱気管をその底部を前記上蓋の脱気部に
連結溶接した後、多孔シリンダ内面と中実中子と間の環
状中空部に耐食、耐摩耗性合金粉末および/またはセラ
ミックス粉末を充填し、脱気,密封後、HIP処理により
該内面にライニングさせ、その後、上端および下端を切
断除去すると共に、中実中子を除去することの一連の工
程にある。
(作用) 上述の如く製造された多軸シリンダはシリンダ胴部と
中実中子で形成された環状中空部に充填された粉末がHI
P処理により緻密化され、充分なライニング特性を発揮
すると共に、上蓋,下蓋がシール用上蓋、シール用下蓋
を覆うことにより表面に露出した残留溶接欠陥は上蓋,
下蓋を介してシール用上蓋,シール用下蓋およびシリン
ダ胴部と固相接合するので、溶接欠陥も完全に除去され
る。
また、シール用上蓋、シール用下蓋をシリンダ胴部に
溶接する際、溶込み深さをシール用上蓋、シール用下蓋
の厚さより深くしたことにより先ず、シール用上蓋をシ
リンダ胴部に溶接した場合、シール用上蓋の底面と、シ
リンダ胴部の当たり面には僅かながらクリアランスが発
生する。そこでこのような状態でHIP処理するとHIP中、
シール用上蓋上面には上蓋を介して高圧Arガス等により
所定の圧力がかかる。一方、シール用上蓋下面にもカプ
セル外部に通じて水冷貫通孔を通じて同圧力がかかり、
シール用上蓋底面とシリンダ胴部の当たり面には各々を
引き離そうとする力はかからず、溶接部がHIP処理中に
割れることはない。これはシール用下蓋側においても同
様であり、溶接部にあらたな欠陥を発生することはな
く、該部の溶接欠陥による水漏れ等のトラブルは解消さ
れる。
(実施例) 以下、添付図面を参照し本発明の具体的な実施例を説
明する。
第1図及び第2図は本発明に係る水冷ジャケット付き
多軸シリンダの1例として2軸シリンダを示しており、
図において、(1)はシリンダ胴部で、該胴部(1)は
中心部に多軸、この場合には2軸のスクリュウ孔(2)
が設られていると共に、その外周には該スクリュウ孔
(2)と平行に複数の水冷貫通孔空間(3)が穿設され
て形成され、互いに隣接した水冷貫通孔空間(3)を結
ぶ連結孔空間(4a),(4b)および水流出入孔空間(5
a),(5b)と、上記水冷貫通孔空間(3)を循環構造
にするためのシール用上蓋(6a)、シール用下蓋(6b)
のはまり込む溝が水冷貫通孔空間の位置するスクリュ孔
外周に設けられていて、該溝に上記シール用上蓋(6
a),シール用下蓋(6b)が溶接(10),(11),(1
2),(13)されてシリンダ胴部(1)と一体となった
水冷ジャケット構造が形成されている。
そして、この場合、シール用上蓋(6a)およびシール
用下蓋(6b)をシリンダ胴部(1)に溶接する際の溶込
み深さは第4図に示すようにシール用上蓋(6a)および
シール用下蓋(6b)の厚さより深くなっており、そのス
クリュウ孔(2)の内面には耐食、耐摩耗性合金粉末お
よび/またはセラミックス粉末をHIP処理してなるライ
ニング(9)が施されている。
なお、シリンダ胴部材としては通常、SCM440、SNCM43
9等の高強度材が使用され、また耐食、耐摩耗性合金お
よびセラミックスとしては例えば前記特開昭61−143547
号で開示された下記組成、即ちC;0.5〜1.5%(重量%、
以下同じ),Si;1.0〜2.0%,B;0.5〜2.5%,Ni;10〜20%,
Cr;20〜30%,W;10〜20%,Cu;0.5〜2.0%,残部;Coおよ
び不可避不純物からなる耐食、耐摩耗Co基合金あるいは
3モルY2O3−ZrO2(PNZ)が用いられる。
次に上記本発明に係る多軸シリンダを製造する方法に
ついて説明する。
第3図は本発明の方法に従って上記多軸シリンダを製
造する際の鋼製HIPカプセルの概要であり、先ず、同図
に示す如く、あらかじめシリンダ胴部(1)にスクリュ
ウ孔(2)と、該スクリュウ孔に平行な複数の水冷貫通
空間(3)と、互いに隣接した水冷貫通空間(3)を結
ぶ連結孔空間(4a),(4b),水流出入孔空間(5a),
(5b)および水冷貫通孔空間(3)を循環構造にするた
めのシール用上蓋(6a)、シール用下蓋(6b)のはまり
込む溝を形成して、この溝に上記シール用上蓋(6a)、
シール用下蓋(6b)をはめ込み、さきに述べたようにシ
ール用上蓋、シール用下蓋の厚さにより深い溶込み深さ
を溶接し、シリンダ胴部(1)と一体構造とする。
次に第5図に示す場合と異なり、シール用下蓋(6b)
を覆う大きさをもつ下蓋(7b)に中実中子(8)の底部
を溶接し、この下蓋(7b)をその中実中子(8)をスク
リュウ孔(2)に環状中空部(9)′を存して挿入して
シール用下蓋(6b)を覆ってシリンダ胴部(1)の底部
に溶接する。
また、同様にして、上蓋(7a)も、シール用上蓋(6
a)を覆って中央部の脱気部を残してシリンダ胴(1)
上面に溶接止めする。
そして、その後脱気部(P)の底部を上蓋(7a)の脱
気部に連結溶接しカプセルに作成する。
この場合、シリンダ胴部材としては前述の如くSCM44
0、SNCM439等の高強度材が使用されるが、その他は軟鋼
で充分である。またこれらの各部材は環状中空部
(9)′及びシール用蓋に面する側を充分に脱脂,清浄
化した後、TIG溶接等により組み付ければよい。
かくして、上記カプセルが作られると原料粉末充填工
程に移るが、原料粉末は粒度調整を終えた原料粉末を脱
気管(P)から充填し、脱気、密封を終えた後、カプセ
ル組み立て体のHIP処理を行う。このようにして、HIP処
理を行った後は上端および下端を切断除去し、さらに円
周面を穴ぐり加工処理及びホーニング等の仕上げ加工に
付して、中実中子を除去することにより、内面に強固な
ライニング強化層が形成された混練・押出成形装置用水
冷ジャケット付き2軸シリンダを得る。
次に本発明を実施した具体例を比較例と対比して示
す。
例1 C;0.5〜1.5%(重量%),Si;1.0〜2.0%,B;0.5〜2.5
%,Ni;10〜20%,Cr;20〜30%,W;10〜20%,Cu;0.5〜2.0
%,残部;Coおよび不可避不純物からなる組成を有する
耐食、耐摩耗Co基合金で粒度が147μm以下のアトマイ
ズ金属粉末を用い、第3図,第4図に示した本発明の方
法にて製造したHIP用カプセルを用い、混練・押出成形
装置用水冷ジャケット付き2軸シリンダを製造した。一
方、比較として、第5図,第6図に示した溶込み深さが
シール用各蓋の厚さにより浅く、またカプセル及びHIP
後、仕上げ加工時、シール用蓋を溶接したもの及び窒化
鋼についても検討した。第1表にこれらHIP用カプセル
の材質、概略寸法について示す。
なお、シリンダの寸法(mm)は外径×内径×高さが15
0φ×43φ×200の2軸シリンダであり、シリンダ胴の材
質はSCM440、その他の材質はSS41、シール用蓋の厚さは
4mmであった。
次に上記各々のカプセルに前記粉末を環状中空部に充
填、脱気、密封後、960℃、1000kg/cm2、3HrでHIP処理
した。その後、仕上げ加工して性能調査した結果、本発
明の方法で製造したシリンダーは以下の特性を持つこと
が判明した。即ち、まず金属粉末充填層は100%の密度
で固まって完全にシリンダ胴部内面に拡散接合し、薄肉
の耐食、耐摩耗合金層が形成された。また、ライニング
合金、シール用蓋溶接部の割れ等の欠陥も皆無であっ
た。なお水冷ジャケットの耐圧試験を実施した結果、欠
陥がないことも判明した。また、シリンダの冷却能につ
いて、調査した結果、窒化鋼製シリンダとほぼ同一の応
答速度を有することが判明した。このように本発明で得
られたものは混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き
2軸シリンダとして実用上問題ないことが判明した。こ
れらを第2表にまとめて結果を示す。
表中、溶接部の耐圧試験は、シリンダ胴外側につけた
外部ヒータで加熱し、シリンダ内面が160℃設定後、水
流入孔より流量0.7Nm3/Hr,圧力5kg/cm2で2分間流し1
分間停止を繰り返したものであり、冷却能試験は前記耐
圧試験と同条件の水を流し続け、シリンダ内面の温度が
30℃降下する時間を測定した。
例2 次に原料粉末としてセラミックス粉末を使用して、同
様の試験を行った。
使用したカプセルは第1表に示したNo.1カプセルにて
実施した。セラミックス粉末は3モルY2O3−ZrO2(PS
Z)である。そして上記粉末を充填後、1300℃、1500kg/
cm2で2HrHIP処理後、仕上げ加工して性能を調査した結
果、粉末充填層は100%の密度で固まって完全にシリン
ダ胴部内面にセラミックス層が形成された。また、セラ
ミックス層、シール用蓋溶接部の割れ等の欠陥も皆無で
あった。なお水冷ジャケットの耐圧試験を実施した結
果、欠陥がないことも判明した。
(発明の効果) 本発明は以上のようにシリンダ胴部に水冷ジャケット
構造を持ち、かつスクリュウ孔内面にはHIP法により耐
食、耐摩耗合金およびセラミックスがライニングされた
水冷ジャケット付き多軸シリンダならびにあらかじめ鋼
製シリンダ胴部に水冷ジャケット構造を持つカプセルの
スクリュウ孔内面に耐食、耐摩耗合金およびセラミック
ス粉末を充填し、HIP処理により、該内面にライニング
させる工程を含む多軸シリンダの製造方法であり、シリ
ンダ胴部と中実中子で形成された環状中空部に充填され
た粉末はHIP後、緻密化し、充分な耐食、耐摩耗特性を
発揮すると共に上蓋、下蓋はシール用上蓋、シール用下
蓋を覆うことにより、表面に露出した残留溶接欠陥は上
蓋、下蓋を介して、シール用上蓋、シール用下蓋および
シリンダ胴部と固相接合するので溶接欠陥は完全に除去
される。
また、シール用上蓋、シール用下蓋をシリンダ胴部に
溶接する際の溶込み深さをシール用上蓋、シール用下蓋
の厚さより深くしたため、シール用上蓋あるいはシール
用下蓋をシリンダ胴部に溶接した場合、シール用各蓋の
底面とシリンダ胴部との当たり面には第4図に示すよう
にわずかながらクリアランス(S)が発生するがHIP
中、シール用各蓋面には上下蓋を介して高圧Arガス等に
より、所定の圧力がかかる。一方、シール用蓋下面にも
カプセル外部に通じた水冷孔を通じて、同圧力がかか
り、第4図の溶接部拡大図の(6c),(6d)面にはおの
おのを引き離そうとする力はかからず、溶接部(10)が
HIP中に割れることはない。これに反し、溶接溶込み深
さがシール用上蓋(6a)の厚さより浅い第6図の場合
は、HIP中、その溶接部拡大図の(6c),(6d)面には
おのおのを引き離そうとする力はかからないが、(6
e),(6f)面は若干挙動が異なる。
即ち、HIP中、環状中空部に充填された所定の粉末は
加熱の進行と共にカプセル胴部、上蓋、下蓋等を介し
て、緻密化する。しかし、緻密化はある一定温度になる
と急速に進行する。そして、カプセルが大きい場合、環
状中空部に近い部分と、離れた部分ではカプセル胴部
(1)、シール用上蓋(6a)等の変形挙動は異なり、シ
ール用上蓋(6a)が環状中空部(9)′側に移動する力
が働き、第6図の溶接部拡大図の(6e),(6f)部が急
激に離れようとする場合が発生し、溶接溶込み部底部に
応力を発生させ、溶接部(10)にクラックが発生する場
合がある。従って、本発明はこのようなHIP中、溶接部
(10),(11)にあらたな欠陥を発生させることはない
特長がある。
かくして、本発明は上記の構成を採用することにより
プラスチック、セラミックス、磁性粉末および金属粉末
の混練・押出成形における過酷な条件にも充分耐え、か
つ耐食、耐摩耗性および窒化鋼シリンダ並の冷却能を持
つ水冷ジャケット付き多軸シリンダを提供しうる顕著な
効果が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る多軸シリンダの1例を示す平面
図、第2図は第1図のA−A断面図、第3図は本発明方
法を実施するHIPカプセルの概要断面図、第4図
(イ),(ロ)は同カプセルの一部拡大図ならびに同B
部拡大図、第5図は比較方法を実施するHIPカプセルの
概要断面図、第6図(イ),(ロ)は第5図におけるカ
プセルの一部拡大図ならびに同B部拡大図である。 (1)……シリンダ胴部、(2)……スクリュウ孔、 (3)……水冷貫通孔空間、 (4a),(4b)……連結孔空間、 (5a),(5b)……水流出入孔空間、 (6a)……シール用上蓋、 (6b)……シール用下蓋、 (7a)……上蓋、 (7b)……下蓋、 (8)……中実中子、 (9)……ライニング、 (9)′……環状中空部、 (10),(11),(12),(13)……溶接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B21C 27/00 B22F 3/02 L (72)発明者 林田 敬一 富山県射水郡小杉町中太閤山3―56 (72)発明者 水野 幸隆 富山県新湊市八幡町2―12―38 (56)参考文献 特開 昭62−235402(JP,A) 特開 昭57−29439(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ胴中心部に多軸スクリュウ孔と、
    該スクリュウ孔の外周に該スクリュウ孔に平行して複数
    の水冷貫通孔を有し、互いに隣接する水冷貫通孔を結ぶ
    連結溝と水流出入孔および上記水冷貫通孔を循環構造に
    するためのシール用上蓋およびシール用下蓋はまり込み
    用溝を前記水冷貫通孔の位置するスクリュウ孔外周に有
    すると共に、該はまり込み用溝にシール用上蓋およびシ
    ール用下蓋をその溶込み深さを各蓋の厚さより深くして
    はめ込み溶接し、かつスクリュウ孔内面に熱間等方圧加
    圧により耐食・耐摩耗合金および/またはセラミックス
    からなるライニング層を形成してなることを特徴とする
    混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリン
    ダ。
  2. 【請求項2】シリンダ胴中心部に多軸スクリュウ孔と、
    該スクリュウ孔の外周に該スクリュウ孔に平行して複数
    の水冷貫通孔空間を形成し、互いに隣接する水冷貫通孔
    を結ぶ連結溝空間と水流出入孔空間および上記水冷貫通
    孔を循環構造にするためのシール用上蓋およびシール用
    下蓋はまり込み用溝を前記水冷貫通孔空間の位置するス
    クリュウ孔外周に形成すると共に、該はまり込み用溝に
    シール用上蓋およびシール用下蓋をその溶込み深さを各
    蓋の厚さより深くしてはめ込み溶接し、のち、中実中子
    の底部を溶接した下蓋をシール用下蓋を覆ってその中実
    中子を多孔シリンダ孔内に該シリンダ孔内面との間に環
    状中空部を存して挿入してシリンダ胴底部と溶接する一
    方、中心部に脱気部をもつ上蓋をシール用上蓋を覆って
    シリンダ胴上部に溶接止めし、次いで脱気管をその底部
    を前記上蓋の脱気部に連結溶接した後、多孔シリンダ内
    面と中実中子と間の環状中空部に耐食,耐摩耗性合金粉
    末および/またはセラミックス粉末を充填し、脱気,密
    封後,熱間等方圧加圧処理により該内面にライニングさ
    せ、その後、上端および下端を切断除去すると共に、中
    実中子を除去することを特徴とする混練・押出成形装置
    用水冷ジャケット付き多軸シリンダの製造方法。
JP1153209A 1989-06-14 1989-06-14 混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP2742603B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1153209A JP2742603B2 (ja) 1989-06-14 1989-06-14 混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1153209A JP2742603B2 (ja) 1989-06-14 1989-06-14 混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0316713A JPH0316713A (ja) 1991-01-24
JP2742603B2 true JP2742603B2 (ja) 1998-04-22

Family

ID=15557431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1153209A Expired - Fee Related JP2742603B2 (ja) 1989-06-14 1989-06-14 混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2742603B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102463445A (zh) * 2010-11-10 2012-05-23 上海重型机器厂有限公司 铝挤压机挤压筒测温孔的加工方法及径向定位吊具

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2879489B1 (fr) * 2004-12-21 2007-01-26 Commissariat Energie Atomique Procede de realisation d'un element comportant des canaux de circulation de fluide
DE102010003154B4 (de) * 2010-03-23 2014-01-02 Extruder Experts Gmbh & Co. Kg Extruder
CN105091856B (zh) * 2015-07-22 2017-05-31 河海大学 一种浅流域河床微地形量测装置
CN107244049A (zh) * 2017-06-13 2017-10-13 苏州艾盾合金材料有限公司 一种用于双螺杆挤出机的防漏水机筒及其制备工艺

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102463445A (zh) * 2010-11-10 2012-05-23 上海重型机器厂有限公司 铝挤压机挤压筒测温孔的加工方法及径向定位吊具
CN102463445B (zh) * 2010-11-10 2013-10-30 上海重型机器厂有限公司 铝挤压机挤压筒测温孔的加工方法及径向定位吊具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0316713A (ja) 1991-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0748264B1 (en) Permanent mold casting of reactive melt
JP2742603B2 (ja) 混練・押出成形装置用水冷ジャケット付き多軸シリンダおよびその製造方法
CN106413947A (zh) 用于制造可酸洗的金属部件的方法
US20220032351A1 (en) Method for the manufacture of multimaterial roll and the multimaterial roll
JPWO2004087351A1 (ja) ダイカストマシン用断熱プランジャースリーブ
JP3864176B1 (ja) 鋳造装置及び鋳型廻り部材の製造方法並びに鋳型廻り部材
JP5769051B2 (ja) ダイカスト用スリーブおよびその製造方法
JP4178070B2 (ja) 焼結用予成形体のキャニング方法およびそれによる焼結材料の製造方法
JP3107723B2 (ja) ダイカストマシンのプランジャースリーブ
JP3748636B2 (ja) ガスシールドアーク溶接ノズル用素材およびその製造方法
JPS61103658A (ja) 型鋳造機用射出シリンダ−
JPH03264607A (ja) 射出、押出成形機用複合シリンダ、スクリュウの製造方法
JP3557725B2 (ja) 硬質層内装長尺複合金属管の製造方法
JPH11300459A (ja) ダイカストマシン用スリーブ
JP2007216294A (ja) 鋳造装置及び鋳型廻り部材の製造方法並びに鋳型廻り部材
JPH11300461A (ja) ダイカストマシン用スリーブ
JP2966044B2 (ja) ライニング付きシリンダの製造方法
JPS63203221A (ja) 金型
JPS61218869A (ja) 耐摩耗性および耐食性にすぐれたシリンダ−およびその製造方法
JP3643292B2 (ja) ダイカストマシンによる鋳造方法及びダイカストマシン
JPH03207802A (ja) 横孔付複合シリンダの製造方法
JP2000343196A (ja) ダイカストマシン用プランジャスリーブ
JP2001025855A (ja) ダイカストマシン用プランジャスリーブ及びその製造方法
JPH08158002A (ja) 窒化ケイ素質セラミックスと金属の複合材料及びアルミニウム溶湯用部品
JPH11300458A (ja) ダイカストマシン用スリーブ

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees